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100年企業 55 産業別100年企業 倉庫業編

倉庫業界のビッグ3は、旧財閥系の三菱倉庫、住友倉庫、三井倉庫だ。地味な業種ではあるが、事業内容は物流や不動産業と深くかかわり、各社が物流ネットワークグループを築いている。また、コンテナの運搬を行なうことから、江戸時代に全国に先駆けて港湾が開かれた神戸や横浜を拠点とする企業が多い。


神戸港を本拠地に倉庫業・運輸業を営む「上組(かみぐみ)」の創業は1867年というから江戸時代の最後の年である。開港した神戸港に設けられた神戸運上所に出入りして貨物の運搬を行なう「神戸浜仲」としてスタート。1873年に上組に改称。陸運、海運、航空サービスなど関連子会社を抱え、中国、台湾、シンガポール、タイ、ベトナム、マレーシアなどアジアに海外拠点を設けている。


最大手の「三菱倉庫」は1887年、有限責任東京倉庫として設立され、1918年に現社名に改名された。三菱グループの中では、日本郵船、三菱商事、三菱重工、三菱東京UFJ銀行に次ぐ歴史を有している。社名に「倉庫」がついているが、倉庫事業のみならず、港湾運送、国際運送、不動産事業を展開している。倉庫事業では神戸・六甲アイランドと東京・大井に巨大な冷蔵倉庫を所有しているほか、不動産事業では東京ダイヤビルディングに代表されるビル事業、神戸ハーバーランド内「Ha・Re」や「横浜ベイクォーター」といった複合商業施設の開発・運営、首都圏での分譲マンションの開発など幅広く展開している。


「住友倉庫」は1899年に住友本店倉庫部として大阪で創業した。同社も倉庫業のほか、港湾運送、国際運送など物流事業と所有地を活用した不動産賃貸事業を営んでいる。筆頭株主は住友不動産。関連会社に、倉庫、陸運、海運、不動産会社が連なり、ドイツ、アメリカ、香港に現地法人を設立している。近年は中国における国際物流に力を入れており、上海、北京、大連、青島、広州などに拠点を持っている。


「三井倉庫」は1909年の設立なので、2009年がちょうど創業100年となる。三井銀行倉庫部から「東神倉庫」の名前で独立し、1943年に現社名に改称。陸運業、海上コンテナの取り扱い、トランクルーム、引越し業務も展開している。同社もグループ企業を形成しており、連結対象子会社は国内外に53社ある。
横浜市の「宇徳」は1890年、宇都宮徳蔵が横浜に「宇都宮徳蔵回漕店」を創業したのがルーツだ。同社が京浜港における第一号店の登録免許取得企業である。宇徳運輸を経て2007年に現社名に改称。アメリカ、タイ、シンガポール、マレーシアに現地法人を有している。2006年に商船三井の連結子会社となり、主要株主には商船三井をはじめ、三井物産、中央三井信託銀行など三井グループが名を連ねているが、前述の三井倉庫との資本関係はない。


1897年、かの渋澤栄一を営業主として東京・深川に設立されたのが「渋澤倉庫」だ。倉庫業からスタートし、高度経済成長期に海運・陸運をあわせた総合物流体制を確立。その後、賃貸ビルの開発、大型商業施設の運営も手がけ、近年では情報システムの企画・開発など多角経営を展開している。なお、現在はみずほグループに属している。


1903年、川西財閥・川西清兵衛が神戸に設立したのが「川西倉庫」だ。川西商事を経て1922年に現社名に改称。清兵衛は日本毛織産業を中核企業とし、多くの繊維関連企業を経営していたことから、物流基地としての倉庫が必要であったことは容易に想像できる。紫電や紫電改など戦闘機を製造した川西航空機も同社の関連企業であった。

By Master K/益田 慶