FXライフ 68 南米の通貨 スリナムとチリ
スリナム共和国は、かつてオランダ領ギアナであったことから、公用語はオランダ語だ。面積、人口ともに南米で最小の独立国である。独立したのは1975年。
通貨は、スリナム中央銀行が発行するスリナム・ドル(SRD)。2004年にスリナム・ギルダーに代わって通貨となった。1ドル=1000ギルダーというレートで交換されたので、デノミが実施されたということだ。
人口が集中しているのは北部。国土の約8割を占める南部は熱帯雨林から成る。そのため、ボーキサイトや木材資源に恵まれており、ボーキサイトが輸出額の70%、GDPの15%を占めている。農業では砂糖や米、バナナなど、漁業ではエビが主要な輸出品となっている。
近年は鉱業の割合が高まり、ボーキサイトを精製したアルミナや金が主要輸出品となっている。また原油も採掘されている。石油事業は、スリナム国営石油会社が欧米や日本企業と提携して商業油田の開発が進められている。海域ではこれまで本格的な探鉱活動が行われおらず、今後、石油・天然ガスの発見が有望視されている。日本企業では、国際石油開発帝石ホールディングス子会社の帝石スリナム石油を通じて、スリナム海域ブロック31の35%の権益を取得している。
2006年はGDP5.8%、2007年は金とボーキサイトを中心とする鉱業が牽引して、5.1%の実質GDP成長率を達成した。ただし、2008年夏まで世界的な原油高の影響もあり、インフレ率の上昇が続いた。2006年のインフレ率は11.3%だった。
チリは、1818年にスペインから独立した。東にアルゼンチン、北東にボリビア、北にペルーと隣接する細長い国で、西と南は太平洋に面している。太平洋に浮かぶいくつかの離島も領有している。
通貨は、チリ・ペソ(CLP)。1960年にはペソからチリ・エスクードに変更され、1975年までエスクードが使われた。1975年の経済改革で再度ペソが採用され、1000エスクードを1ペソに交換。以降、現在の通貨制度は変わっていない。
経済は1970年代初めに、それまでの国家主導型産業育成政策から民間主導、開放経済へ転換。その後1980年代初めの債務危機を克服し、1980年代は平均成長率6.4%という高い持続的成長を達成した。
1990年代も輸出及び投資の伸びに支えられ、経済はおおむね順調に拡大。1991~1997年の平均実質経済成長率8.3%を達成するなど長期にわたる高度成長を実現した。
しかし1999年以降、経済は減速傾向に。2002年は輸出が伸び悩み、また国内需要が冷え込み、失業率も高率で推移した。2002年後半からは、チリ中央銀行の金融緩和政策の効果もあり、国内需要が回復。2005年は、実質GDP5.7%を達成した。2007年は、エネルギー価格の高騰、世界金融不安、国内大寒波による農業被害等により、予測を下回り4.0%の成長にとどまった。
チリの最大の輸出品は銅。かつては輸出品の7割を占めていたが、現在は40%に低下している。それでも、採掘量は世界一だ。銀も世界第6位の採掘量。金、亜鉛、鉄、鉛も産出している。ほかに硫黄、塩、カリ塩、リン鉱石など地下資源がある。
近年ではワイン、サーモン、木材パルプの輸出が盛んになっている。チリ・ワインは19世紀からブドウが広く生産されたことで、チリの一大産業となった。漁業は古くから活発に営まれており、特にサケ類の養殖事業が大成功を収め、2005年には世界のサケ類の養殖生産高で世界第2位となった。サーモンの多くが日本に輸出されている。林業は1980年代以降、アメリカと日本の企業が進出し、パルプ用の木材チップの生産を始め、飛躍的に伸びた。南部のパタゴニア地方には原生林が広がっているため、資源としては有望だが、自然保護の観点から開発規制の動きも出ている。
By Master K/益田 慶