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FXライフ 65 東アジアの通貨 台湾とモンゴル 

台湾を独立国と承認するか、中国の一部として扱うかは政治的な問題として難しいが、中国とは通貨が異なることと、台湾が資本主義経済体制にあることなどから、中国とは別の経済圏と解釈できるだろう。また、台湾は独自の軍隊を持っており、兵役の義務もある。台湾政府と正式な外交のある国は、世界に23カ国しかない。


通貨は、台湾中央銀行が発行する新台湾ドル(TWD)。中国、日本同様、漢字を使う台湾では、通貨の基本単位を「圓」と表記する。意外なことだが、台湾本島の銀行で人民元との両替業務が正式に解禁されたのは、2008年6月のことだ。それまでは街の両替店でしか両替ができなかった。中国本土からの台湾向け団体ツアーが解禁されたのは2007年7月。その1年後に、台湾の銀行での元との両替が解禁されたことになる。当初、台湾の銀行は輸送や貯蓄のコストがかかり、購入価格も高めなので、レートは中国本土より悪いと分析。解禁当日の米ドルと人民元の為替レートで計算すると、1米ドルは大陸では6.85人民元になるが、台湾では6.75人民元にしかならなかった。


台湾本島の銀行で人民元との両替業務が正式に解禁された背景には、台湾の貿易が成長し、人民元の需要が高まってきたことがある。中国からすれば将来、台湾ドルをすべて人民元にする統一したいという思惑があるはず。一方、台湾世論は、早急な統一も独立も望んでおらず、現状維持を求める安定志向が強い。


台湾のGNPは、5.7%(2007年)。主要産業は、電気・電子、鉄鋼・金属、精密機械などだ。技術力、工業生産力によって世界市場で通用する製品を開発し、外貨を獲得する産業は日本とよく似ている。アメリカや日本から受注し、中国やベトナムなど人件費の安い地域で製造させるビジネススタイルも現在の日本の製造業のあり方と酷似している。近年は、台湾の主要な公共事業に日本企業が進出するなど、両国の関係は深くなっている。今後、台湾と中国との関係がどのように展開するかはわからないが、貿易相手国として互いに重要であることは確かだ。


モンゴル国の面積は、日本の約4倍。かつてモンゴル帝国が中国を支配し、巨大な国家を築いたことはよく知られている。ソビエト連邦建国後、共産主義国のモンゴル人民共和国が誕生。内モンゴルの諸部族は中国領内に残り、現在の内モンゴル自治区となった。1992年に共産主義から資本主義に移行。改革当初は経済が低迷したが、外国からの支援を受け、1994年にGDPがプラスに転じた。


通貨は、トグログ(MNT)。畜産業を中心とした農牧林業、モリブデン、銅、金を中心とした鉱業が盛んで、特にモリブデンは世界屈指の埋蔵量を誇っている。モリブデンは、工業用の潤滑油やエンジンオイルの添加剤に用いられるほか、ハイブリッドカーやロケットの電子基盤、液晶パネルにも使用されている。また、皮革製品、羊毛製品、カシミアなどの牧畜産品は日本やアメリカに輸出されている。


経済成長率は、2007年に9.9%を記録している。ただし、インフレ率が15%も上昇しているので、資源高による物価高が起こったことが予想される。主要輸出国は、中国、カナダ、米国、ロシアなど大国ばかり。一方、ロシアから石油製品を、中国から日用雑貨を、日本から自動車や機械を輸入している。課題には豊富な天然資源の開発のため、外資を受け入れる環境を整備することが挙げられる。


By Master K/益田 慶