100年企業 47 産業別100年企業 専門メーカー・小売店編・後編
玩具メーカー「増田屋コーポレーション」(東京都)は1724年、春日局の末裔・斎藤林兵衛によって創業された老舗中の老舗。江戸時代は人形の製造・販売を中心に展開し、明治に入ると貿易部を設立して、世界各国から玩具を輸入し、国内で販売を開始。1940~1960年代に製造したブリキ製のロボットや自動車がヒット。現在、同社のこの時代のブリキ製の玩具は、世界的なコレクターズアイテムとなっている。また、世界に先駆けて1955年に発売されたラジコン・バスは、電子玩具の古典として知られている。ちなみに、ラジオコントロールを略した「ラジコン」は、同社の商標である。
1800年創業の「大石天狗堂」(京都市)は。小倉百人一首に代表されるかるたをはじめ、囲碁、将棋などを通じて、日本の伝統美と遊びを現代に伝える企業。同じく京都市に本社を構える1889年創業の「任天堂」も、もともとは花札のメーカー。現在は家庭用ゲーム機の世界的なメーカーとして有名だが、現在もトランプや囲碁・将棋、花札などの製造を続ける玩具メーカーである。
玩具業界では、日本の伝統的な雛人形や五月人形などの商品を製造している会社に当然のごとく「100年企業」は多い。全国区の有名な企業だけ挙げておこう。「吉徳」(東京都)は、1711年に初代治郎兵衛が江戸に人形玩具店を開いたのが起源。6代将軍家から「吉野屋」の 屋号をもらい、以来「雛人形手遊問屋」として吉野屋治郎兵衞を名乗る。同社の人形は、宮内庁御用達としても知られている。現会長の山田徳兵衞氏は「吉徳」11代目にあたる。
「島津」(京都市)は1833年創業。初代嘉助が皇室御用達の職人となり、名工の誉れを継承してきた。同社は直売店でしか販売していない。日本人形の製造・販売の大手「久月」(東京都)も1835年創業の老舗中の老舗。初代横山久左衛門が、江戸に人形師久月の表札を掲げたのがルーツ。現在、札幌、名古屋、大阪などに直営店を展開している。
家具・インテリア用品、インテリア設計・施工を営む「米三(こめさん)」は、富山県の有力企業。創業は1848年。米三漆器店を経て、現社名に改組。製造のみならず、大型家具専門店、ホームセンターなど小売店の経営も手がけ、地域一番店として君臨している。同じく家具メーカーの「コスガ」(東京都)も江戸時代の創業。1862年に大阪で籐製品の製造を始めたのが起源。その後、東京に進出、小菅商店を経て現社名に改組。1950年代にはラタン家具ブームを牽引。また、日本メーカーで初めて欧米に家具を輸出した家具メーカーでもある。
照明器具と「コイズミ学習デスク」のメーカーとして知られる「小泉産業」は1727年、近江商人・小泉武助が近江麻布の行商を始めたのがルーツ。明治・大正時代には呉服問屋として発展を続け、第二次世界大戦後、電熱器や電気スタンドなどの生活用品の製造卸売事業を開始。その後、照明器具の企画開発に参入。さらに1960年代には、業界初の蛍光灯付学習机を製造し、高度経済成長期とベビーブームが重なり、急成長。「コイズミ学習デスク」は現在、学習机のトップシェアを誇っている。2006年に事業ごとに分社化し、コイズミグループを結成。グループ連結売上高は477億円に達している。
家具製造・販売では、ほかに1780年創業の「会津屋」(岐阜県)、1786年創業の「板文」(兵庫県)、1867年創業の「松岡家具製造」(広島県)、1868年創業の「白半(はくはん)木材」(愛知県)など多くの「100年企業」が存在する。
By Master K/益田 慶