100年企業 42 産業別100年企業 石油・鉱業業界
石油や石炭、レアメタルの調達を輸入に依存している日本だが、江戸時代から採掘の技術を有していたので鉱業はもとより石油産業の歴史は古い。
「ENEOS」ブランドで知られる「新日本石油」は、三菱グループに属する、国内石油元売りの最大手。そのルーツは、1888年に新潟県の尼瀬油田の石油開発ブームを受けて設立された「有限責任日本石油会社」だ。その日本石油が1999年に三菱石油と合併して「日石三菱」が誕生し、2002年に現社名となった。新日本石油発祥の地、尼瀬油田は日本で初めて機械による掘削が成功した油田で、20世紀初頭の日本の石油資源を支えた油田といえる。1980年に採掘を終えた。
「ENEOS」ブランドに統一されたのは2001年。同年、石油・天然ガス資源開発部門をグループ会社の「新日本石油開発」に譲渡した。2008年4月には、新日本石油開発の米国法人が権益を保有するメキシコ湾で天然ガス層を発見するなど、メキシコ湾での事業を積極的に展開している。
ちなみに「コスモ石油」とは業務提携を結び、日本最大の石油元売りグループを築いている。さらに2006年には、次に紹介する「ジャパンエナジー」と5分野における業務提携を結んだ。
「JOMO」ブランドのガソリンスタンドを展開する「ジャパンエナジー」は、戦前の鉱山王・久原房之助が日立鉱山(旧称赤沢銅山:茨城県)を買収し、操業を開始した1905年を創業年としている。日立製作所、日産自動車の源流が日立鉱山だ。久原鉱業としてスタートしたのち、「日本産業」に社名変更。鉱業部門が分離独立して「日本鉱業」が設立される。その後、原油生産を開始し、「共同石油」「日鉱共同」を経て1993年にジャパンエナジーが発足した。2002年に持株会社「新日鉱ホールディングス」が設立し、その傘下にジャパンエナジーが置かれた。
事業の転換と多角化を進めているのが、鉱業界だ。老舗中の老舗の「住友金属鉱山」は1590年の創業で、住友グループの源流にあたる。別子銅山の採掘権を獲得した住友合資会社から別子鉱業所が分離して生まれた。現在は電子・機能性材料などの生産を行なう総合非鉄金属メーカーとして認知されているが、鉱山開発事業は中国に生産拠点を構えて継続している。
三井物産が1889年に三池炭鉱の払い下げを受けた際に、三井財閥所有の鉱山・炭鉱を一括して経営するために設立されたのが「三井鉱山」だ。2003年に産業再生機構の管理下に置かれ、2006年まで事実上、国有化状態となった。現在は石炭事業や新素材事業、化工機事業を主力としている。三井グループには、非鉄金属系に三井鉱山から分離した「三井金属鉱業」もある。
石灰石の採掘や鉱産物の加工販売を営む「日鉄鉱業」は1899年、官営八幡製鉄所の原料部門として創業された福岡県の二瀬炭鉱がルーツ。その後、民間5社が出資し、「日本製鐵」が誕生。その鉱山部門が独立して生まれたのが日鉄鉱業だ。だから業界のグループ分けでは、「新日鉄系」と呼ばれる。日本では鉱山経営は成り立たないように思うが、鉱山事業は資源採掘、機械開発、環境事業、不動産事業など幅広く、また同社はコロンビアやチリで鉱山の操業を行なうなど多角的に展開している。
たとえば小坂鉱山からスタートした「DOWAホールディングス」も鉱山事業から拡大し、環境事業に進んだグループのひとつ。1884年に藤田財閥の藤田組に払い下げされた小坂鉱山は、現在DOWAホールディングスが所有しているが、現在はリサイクル工場として機能している。
By Master K/益田 慶