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FXライフ 52 中央アジアの通貨 トルクメニスタンとウズベキスタン

トルクメニスタンは、アフガニスタン、イラン、ウズベキスタン、カザフスタンと国境を接する。面積は日本の1.3倍。1991年に共和国独宣言を発し、ソ連から独立した。しかしニヤゾフ大統領時代(1990~2006年)は、完全な独裁体制から「中央アジアの北朝鮮」といわれ、鎖国状態が続き、民主化は停滞した。通貨は、1993年に導入されたトルクメニスタン・マナト(TMM)。アゼルバイジャン・マナト(AZM)との関係性はない。


独裁国家には珍しく、日用品の物価が低く抑えられているほか、教育・医療費が無料となっており、国民生活は裕福だ。その理由は、世界第4位の埋蔵量を誇る天然ガスを有し、その輸出と綿花生産を基盤に高い経済成長率を維持しているからだ。2006年のGDPは9%。しかしその一方で、いまだ統制経済的性格が強く、貿易投資環境整備は遅れている。農業部門は、隣国ウズベキスタンやタジキスタンと同様に、大規模な灌漑による綿花生産が中心だ。


トルクメニスタンは2006年、ロシアに天然ガスを供給する25年契約を結び、2007年には、トルクメニスタンからカスピ海沿岸に沿い、隣国カザフスタンを経由してロシアに至るガスパイプラインの建設に合意した。しかし、トルクメニスタンはロシアへの依存度を減らすことも忘れていない。近年は天然ガスの供給先の多様化、搬出ルートの多様化を図る中で、イラン、アフガニスタン、中国との関係を進めている。2007年7月には中国石油天然気集団(CNPC)がトルクメニスタンから天然ガスを毎年300億立方メートル購入することを盛り込んだ契約を結んだ。天然ガスは計画中のパイプラインを通して輸送されるという。天然ガスで潤う国は、したたかな外交を展開している。


隣国のウズベキスタンも天然資源に恵まれ、天然ガス、原油、金などが豊富な国だ。通貨はスム(UZ)。現スムを両替できる場所は、銀行、空港、外国人向けホテルなどに限られ、使用できるのは米ドルが一般的。
ウズベキスタンが世界から注目を集めているのは、世界第7位の生産量を誇るウランを有しているからだ。同国には全世界のウラン資源の約3%に相当する9万3000トンのウランが埋蔵されており、現在年間約2500トンを生産している。


日本をはじめ原発推進国は「ウラン外交」を展開している。
2006年、国営会社のウズベクネフテガスが韓国石油公社および韓国ガス公社が、ウズベキスタン東部の石油・天然ガス鉱床の開発を共同で行なうことに合意。2007年7月には、甘利経済産業大臣がウズベキスタン・カリモフ大統領と会談し、原子力発電の燃料となるウランの鉱山を共同で開発していくことに合意した。その契約は、伊藤忠商事がウズベキスタン政府との間で結ばれた。ウランの価格はこの7年間で16倍になり、発電量の3分の1を原子力に依存する日本にとって長期的なウランの確保が課題となっている。


資源高で増収の三井物産も黙ってはいない。三井物産は2008年7月、ウズベキスタン共和国の政府機関であるゴスコムゲオロギー(地質鉱物資源国家委員会)と、ウズベキスタン国内の「黒色頁岩」型ウラン資源開発の地質調査活動を行なうための合弁会社設立を検討する基本合意書に調印した。


ウズベキスタンは、金、銀、銅、リン鉱石も産出する。資源高の影響でGDPは2004年から2006年まで3年連続で7%の高水準を維持した。失業率も0.3%と低い。しかし、皮肉なことに富の集中が進み、貧困層が広がっているのも事実。米国、日本、ドイツ、スイスなどがODA援助国として援助を続けている。


By Master K/益田 慶