FXライフ 49 西アフリカの通貨 シエラレオネとニジェール
北はギニア、南東はリベリアと接するシエラレオネ共和国は1961年、イギリスから独立した。世界で最も平均寿命の短い国のひとつだ。通貨はレオン(SLL)。この通貨は、1964年にシエラレオネ銀行が設立された際に西アフリカ・ポンドの代わりに導入された。
独立以降、政局が安定することなく、今日まで至っている。特に1991年に起こった内戦は2002年まで続き、経済は停滞した。内戦の原因となったのがダイヤモンドだ。反政府軍(RUF)が同国で産出されるダイヤモンドを財源に武力行使を続けたのである。もともとダイヤモンド、金、ボーキサイトなどの鉱物資源、カカオ、コーヒーなどの農産物が、主要な外貨獲得源だった。
しかしダイヤモンドの大部分が密輸出され、経済は低迷。政府は1992年、債務削減と経済復興を目的としてIMFの経済再建プログラムを受け入れ、財政・金融の引き締めを図った結果、経済は一時安定に向かったが、内戦の激化とともに鉱物・農産物の産地の荒廃が進んだ。また、国民の大部分を占める農民が内戦の結果難民・国内避難民となったため、食料を含む農業生産は大幅に低下。地方の行政サービスは崩壊状態に陥った。こうして世界で最も平均寿命の短い国という不幸な順位に名を連ねることになったのである。
約10年も続いた内戦により主要外貨収入源である鉱物資源の輸出が停止し、社会的インフラが大きな損害を受けるなど経済は大きく停滞していたが、2006年にはGDPが7.1%まで伸び、復興の兆しを見せている。アルミニウムの原料となるボーキサイトの国際価格が高騰しているので、産出国として外貨を稼ぐことは十分可能だ。イギリス、アメリカ、アイルランドなどが援助国となり、復興を助けている。
ニジェール共和国は、アルジェリアやブルキナファソ、ベナン、ナイジェリア、チャド、リビアと隣接する内陸国。1960年にフランスから独立。通貨は、西アフリカ諸国中央銀行発行のCFAフラン。公用語もフランス語だ。
同国もまた軍事クーデターが何度も勃発するなど政局が安定しない国で、世界最貧国のひとつだ。1997年の干ばつで打撃を受け、さらに政情不安から海外援助が途絶え、1999年末には国の経済は破産状態になった。2000年、IMFは政府が負う8億9000億ドルの債務免除と7600万ドルの融資を決定した。
主要産業は1970年代半ばから急成長したウラン産業と伝統的な農牧業。ウランは世界第3位の埋蔵量があると推測され、関連産業が全雇用の20%を占めている。ウランの多くは核燃料として原子力発電に利用されるが、核兵器への転用が可能なので国際原子力機関によって流通は制限されている。ウランは、同国最大の援助国で原発大国フランスに輸出されている。2003年以降、ウランの国際価格が上昇し続けていることから、2006年のGDPは4.8%と好調だ。しかし輸出依存の経済を変えていくことは同国の課題となっている。ちなみに日本から、海外ウラン資源開発、国際資源、動力炉・核燃料開発事業団などが同国に進出し、資源の探鉱を行なっている。
直面している問題は、国土の4分の3を砂漠が占め、降水量が少なく、砂漠化が進んでいること。世界で最も暑い地域のひとつで、干ばつの起こりやすい同国はたびたび食糧危機に陥り、飢餓と伝染病の危機に襲われている。砂漠が多いことから工業は発達せず、生活用品や食品は輸入に頼っている。砂漠化を阻止し、農業地に転換する技術が求められている。
By Master K/益田 慶