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世界資源戦争 34 大手資源グループの攻防

世界のウラン生産と価格をコントロールしているのは5社。すなわちカメコ(カナダ)、アレヴァ(フランス)、多国籍グループのリオ・ティント・グループ(英国、オーストラリア)、カザトムプロム(カザフスタン)、TVEL(ロシア)。


世界中で資源生産を続けるリオ・ティントは、多国籍の鉱山・資源グループだ。出身母体を同じくする「リオ・ティント・ジンク・コーポレーション」(イギリス)とRTZ Ltd(オーストラリア)の合併によって誕生したRTZ-CRAが持株会社となり、1997年に設立。非鉄金属、鉄鉱石などの金属鉱業に加え、工業原料、石炭、ダイヤモンドなどを扱う総合資源グループとして君臨している。


起源は、ロンドンとパリの両ロスチャイルド家、銀行家、投資家が1873年、赤字経営の続くスペイン国営リオ・ティント鉱山を買収したことに始まる。ロスチャイルド資本が投入され、鉱山開発、製練事業を展開するとともに、鉱石運搬を目的とした鉄道経営にも乗り出す。1905年までにロスチャイルドの出資比率は30%を超えた。これが英国リオ・ティント社の本流だ。同社は1954年にはスペインの権益を処分し、カナダとアフリカ・ナミビアのウラン鉱山経営、南アフリカでの銅鉱山経営に転換した。


一方、1905年、オーストラリアに亜鉛鉱石の採掘を行なう「コンソリデッド・ジンク」が誕生。1962年、英国リオ・ティント社とコンソリデッド・ジンクが合併。両社の事業を整理・再編して、オーストラリアを本拠とする亜鉛生産業のCRA社と、イギリスを拠点に銅・石炭・ウランを対象とするRTZ社が誕生。CRA社は子会社を通じてアルミニウム事業にも進出した。この2社の株主は1995年、両社の株式のすべてを保有する持株会社RTZ-CRA社を設立し、「リオ・ティント・グループ」が誕生したのである。その後、CRA社は「リオ・ティント・ピーエルシー」、RTZ社は「リオ・ティント・リミテッド」と社名を改めた。

リオ・ティント・グループは、鉄鉱石分野では西オーストラリア州に多くの鉄鉱山を保有し、中国企業とも提携。鉄鉱石産出の世界第2位となっている。銅は、オーストラリア、インドネシア、南アフリカ、チリなどで産出。また、カナダに投資し、ウラン鉱山を確保。権益を増やし、ウラン生産でも業績を伸ばしてきた。この背景には、イギリス政府がアメリカの影響を受けないウラン供給源を求めていたことがある。つまり、政府の意向でリオ・ティント・グループはカナダでのウラン確保に動いたということだ。これは何を物語っているのか。一方、ダイヤモンド事業は、西オーストラリア州アーガイル鉱山で産出されるピンク・ダイヤモンドで知られている。同鉱山は世界のピンク・ダイヤモンドの総供給量の90%を占めている。

この大手グループが新たな動きを見せている。原油価格の高騰や中国、インドの破竹の経済成長が続き、世界の資源争奪戦が激化する渦中、リオ・ティント・グループは2007年12月、カナダのアルミ最大手「アルキャン」を 買収することで合意したと発表。買収額は381億ドル(4兆6500億円)。買収が成立すれば、世界の鉱業金属業界における史上最大のM&Aになる。そして両社のアルミ地金生産量は合計で420万トン強に達し、統合後は世界首位に躍り出る。これを機に世界の資源大手の再編が加速する可能性が出てきた。米アルミニウム大手「アルコア」もアルキャンに288億ドル超で買収を仕掛けていたが、アルキャン側は拒否していた。



リオ・ティント・グループは、アルキャンの発行済み普通株すべてを1株101ドルの現金で買い取る計画だ。最低3分の2の株式取得を成立の条件としてTOBを実施し、買収に成功すれば両社のアルミ部門を統合し、「リオ・ティント・アルキャン」を設立するという。

By Master K/益田 慶