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100年企業 37 産業別100年企業 化粧品・家庭用製品業界

化粧品や洗剤、シャンプーなどを製造する企業は、広くいえば化学メーカーだが、小売りの取扱アイテムから「化粧品・家庭用製品業界」というくくりで紹介する。一部医薬品の扱いもあるが、主力ではないので製薬メーカーとは区別する。


国内第1位の化粧品メーカー「資生堂」は、1872年に日本初の調剤薬局として銀座に誕生したのが起源だ。創業者の福原有信は、西洋薬学を学んだ後、海軍病院薬局長を経て23歳で開業。それまで日本になかった「医薬分業」という考え方をいち早く導入した。福原は1888年、設立発起人として「帝国生命保険」(現朝日生命)の設立に関与し、社長も務めた。同年、日本初の練り歯磨き、1897年に化粧水を発売。


医薬部門からのスタートであったが、1917年に化粧品部を独立させ、現在の基盤を築いた。のちに洗濯用洗剤事業、歯磨事業から撤退。医薬品製造でなく、競争の少ない化粧品部門を特化させたことと巧みな宣伝が成功をもたらした。現在は、中国を中心にアジアに進出し、高級ブランドとしてアジアの女性に人気を博している。


1887年創業の「花王」は、創業者の長瀬富郎が日本橋馬喰町に開業した「長瀬商店」がルーツ。1890年、国産ブランドで初めてとなる高品質な化粧石鹸を発売。「花王」は、洗剤・トイレタリー業界でトップシェアの化学メーカーだが、化粧品業界でも前出した資生堂に次ぐ第2位。


これは2006年に「カネボウ化粧品」を子会社化したことで化粧品分野のシェアが増えたからだ。ほかに生理用品、入浴剤、おむつなど、各アイテム別に有力商品を展開するマーケティング能力に長けている。連結決算で1兆2300億円の優良企業。近年では特定保健用食品の家庭用油「エコナ」、同じく特定保健用食品指定の飲料「ヘルシア」など健康食品事業が成功し、食品業界をして「その手があったか」と悔しがらせている。

その「花王」と洗剤・石鹸分野で競合するのが1891年創業の「ライオン」だ。初代小林富次郎が神田柳原河岸に石鹸とマッチの原料取次ぎの店を開いたのがルーツ。その後、1893年に化粧石鹸「高評石鹸」と洗濯用石鹸「軟石鹸」、「絹練石鹸」を発売、1896年に粉ハミガキ「獅子印ライオン歯磨」を発売し、石鹸と歯磨きの製造メーカーとなる。また頭痛薬「バファリン」の取り扱い、中外製薬から事業を譲り受けたドリンク剤「グロンサン」「新グロモント」「中外胃腸薬」などの販売など医薬品メーカーの側面も持っている。

最後に「資生堂」「花王」「ライオン」より歴史のある老舗2社を紹介しておこう。1615年、日本橋に創業した「柳屋本店」は化粧品業界の最古参。江戸時代は「紅や」の屋号で髪にぬる「柳清香油」を発売し、繁盛したという。名前が全国に知られるきっかけとなったのが、1920年に発売した「柳屋ポマード」だ。男性のリーゼントやオールバックスタイルに欠かせない整髪料となった。また、1953年発売の「柳屋ヘアトニック」は育毛ブームを先取りしたヒットアイテムとなった。それらはロングセラー商品として現在も販売されているほか、男女用ヘアケア、スキンケア製品も発売している。

女性用の「紅」を専門に扱い、200年近く経つのが「伊勢半」。1825年、江戸の小舟町に誕生した、江戸で最初の紅製造問屋「伊勢屋半右衛門」が起源だ。現在は伊勢半グループを形成し、メイク、ネイル、リップなど化粧品を幅広く扱っている。伝統的な紅は、「伊勢半本店」から「小町紅」のブランドで販売されている。


By Master K/益田 慶