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FXライフ 47 西アフリカの通貨 ナイジェリアとベナン

アフリカで最も経済力のある国がナイジェリアだ。面積は日本の約2.5倍。人口1億5000万人。「アフリカの代表」を自認しているだけあって、いろんな意味でアフリカ全土に強い影響力を及ぼしている。パワーの背景にあるのは、総歳入の約71%、総輸出額の約88%を依存する原油だ。アフリカ屈指の産油国で、


OPEC第5位の産油量を誇っている。またアフリカでは南アフリカ共和国に並ぶ軍事大国でもある。地下資源の恩恵によって生まれた経済力と軍事力がナイジェリアの力である。


通貨はナイラ(NGN) 。2008年8月、100ナイラ(約100円)を1ナイラとする デノミを実施する予定だ。1990年代まで慢性的なインフレに見舞われたが、2004年から始まった原油価格の上昇や経済改革を背景に通貨が安定軌道に戻りつつある。そこでデノミを実行しようということだ。ナイジェリアは光と影が明確に見える国だ。世界の産油国であるが、放漫財政により累積債務が増加し、長年の軍事独裁によって経済は低迷してきた。都市部の人口増加に対し、都市機能が追いつかず、農村部はもちろん、都市部でも貧困化が進んでいる。


しかし国の経済成長率は著しい。2007年第4半期は、実質GDPが7.64となり、IMFは2008年の経済成長率を9%と予測しているほどだ。農業部門、工業部門とも好調で、原油生産量はやや減少したものの価格高騰が経済成長を底上げしている。


興味深いのは、産油地帯ナイジャーデルタ地域で武装組織による石油関連施設の破壊や外国人労働者の誘拐が頻発し、治安悪化による渡航危険勧告が発令されているにもかかわらず、近年、石油・ガス部門とも直接投資が堅調であることだ。ナイジェリアはアフリカ最大の直接投資受入国。欧米の多くの企業が石油・天然ガスの権益を得ようとして投資を続けているのである。


天然資源だけでなく、1億5000万人というアフリカ最大の市場を狙っている国は多い。中国は大量の食料と日常品をナイジェリアに輸出している。近年、携帯電話を中心とする通信分野への海外からの投資が活性化しているというのだ。意外かもしれないが、アフリカ人は携帯電話を好み、テレビに匹敵するほど必需品になりつつあるのだ。広大な大地、未整備の交通網、固定電話の数の少なさが携帯電話を普及させる大きな要因となっているのだ。


このナイジェリアと接するのがベナン共和国だ。隣国なのに石油は生産されず、石油製品の国内消費量のほとんどはナイジェリアに頼っている。主要産業は綿花やパームオイルなど農業と、コトヌ港での港湾サービス業だ。通貨は西アフリカ諸国中央銀行(BCEAO)発行のCEAフラン。1960年にフランスから独立したこともあり、公用語はフランス語。


1980年代に一度、経済が破綻状態に陥ったが、世界銀行とIMFの援助を受け、2003年には対外債務が削減された。フランス、デンマーク、ドイツなど欧州の国が主要援助国となってバックアップしている。興味深いのは、輸入も輸出も中国が第一の貿易国であることだ。産油国で人口の多いナイジェリアのみならず、ベナンまで中国系ビジネスマンは進出しているのである。


2006年度のGDPは4.1%、インフレ率は6.1%。堅調な推移と言い難いのは、産業の多角化が進んでいないことと、大きな収入源であるコトヌ港がトーゴのロメ港と競合状態にあるからだ。隣の大国ナイジェリアと関係が悪化すれば、貿易量が減少することも不安要素だ。ちなみにかつてTBS系列「ここがヘンだよ日本人」にレギュラー出演し、奇妙な日本語で人気を博したゾマホン氏がこのベナン出身。上智大学大学院博士課程を修了したインテリで、母国では日本での活躍が認められ、国民栄誉賞を受賞している。

By Master K/益田 慶