FX検定公認テキスト「外国為替FX投資の黄金律」 → 詳しくはこちら

FXライフ 46 西アフリカの通貨 セネガルとトーゴ

「パリ・ダカールラリー」の終着点として知られる首都ダカールを擁するセネガル共和国。日本では、このラリーや民族音楽などで知られている。面積は日本の約半分。サハラ砂漠西南端に位置する土地は、主に乾燥した平原地帯に占められている。


1960年にフランスからマリ連邦として独立し、すぐにセネガル共和国として単独国家となった。通貨は、西アフリカ諸国中央銀行(BCEAO)発行の「CFAフラン」だ。BCEAOの本部が置かれているのが首都ダカールである。


カザマンス地方の分離独立を進める組織が、1990年代末から隣国ギニアビサウを拠点に武力闘争を開始。ガンビアの仲介で停戦合意したが、その後も紛争は続いており、外務省は渡航延期勧告を継続している。その一方でセネガルは、アフリカ連合や西アフリカ諸国経済共同体といった地域機構に積極的に関与し、アフリカのリーダー的存在感を発揮している。


主要産業は、砂漠地帯でも栽培可能なピーナッツや綿花などの農業と、近海で行われる漁業。リン鉱石鉱業と工業もある程度発展しているが、財政赤字、国際収支赤字が累積債務となっていた。1994年のCFAフラン切り下げ以降、政府が民営化や構造改革を進め、また国際通貨基金(IMF)と世界銀行が8億ドルの債権の免除を認めたことで、経済は比較的安定して推移してきた。しかし、近年は原油価格の高騰と干ばつによる不作が打撃となっている。


2006年度のGDPは3.3%、インフレ率は4.1%。全体を見渡すと、アフリカ諸国の中では決して貧しい国ではないのだが、地域格差が激しく、人口全体の5分の2にあたる都市生活者がGDPの3分の2以上の収入を得ていることから、3分の1に該当する国民が貧困層に属すると見られている。セネガル政府は現在、債務削減しながら貧困削減を行うべく貧困削減戦略書(以下PRSP)を策定し、進めている段階だ。


トーゴ共和国も1960年にフランスから独立した国。通貨は、同じく西アフリカ諸国中央銀行(BCEAO)発行の「CFAフラン」だ。対外債務が1708億ドルあり、同国も世界最貧国に挙げられている。フランスやドイツ、オランダなどが主要援助国となって支援。日本からトーゴへのODAも2001年から現在まで継続して行われており、トーゴの国営放送は日本の資金援助のほかに無償提供した放送機材によって支えられている。


農業がGDPの約39%を占め、労働人口の約64%が農業に従事している。主要農産物はヤムイモ(世界5位)、キャッサバ、とうもろこしなど。主な工業製品にはビール、パーム油などがある。鉱物資源にはリン鉱石がある。リン鉱石は、1974年に実施されたリン鉱石採掘会社の国有化の直後に国際価格が4倍に上がり、トーゴの経済成長を支えた。1990年代には世界シェア10位に達したが、その後、枯渇傾向にあり、2003年には最盛期の6分の1まで減少。鉄鉱石も確認されているが、品質は低いようだ。


2006年度のGDPは2%、インフレ率は2.1%。経済発展の好材料は、米国の協力で自由貿易加工区が稼働したはじめたことと中国が支援に乗り出したことだ。首都ロメにあるロメ港は、アフリカと欧州、北南米をつなぐ中継ぎ貿易に都合のよい位置にある。1996年、トーゴ政府はIMF、世界銀行と経済構造調整計画に合意し、ロメ港を中核とする自由貿易地域構想を推進した。しかし皮肉なことに、ロメ港が隣国ベナンのコトヌ港との熾烈な競争にさらされているという。


一方、2006年にトーゴ大統領と会談し、「農業・インフラ整備・電気通信・電力分野の協力を重点的に強化し、協力を拡大する方途を積極的にさぐっていきたい」と述べた胡錦涛国家主席の言葉どおり、2006年の輸入国の第1位は中国だ。安い食品をトーゴに輸出して外貨を稼ぐ中国の戦略がここにも表われている。


By Master K/益田 慶