FXライフ 45 西アフリカの通貨 コートジボワールとギニアビサウ
西欧の貿易船が奴隷と象牙の売買に来航したことから、かつて「象牙海岸」「アイボリーコースト」と呼ばれたコートジボワール。1893年から1960年に独立するまで長い間フランスの植民地であった。独立後10年間で驚異的な経済成長を遂げ、アフリカ諸国の中で比較的経済水準の高い国へと発展した。政局が大きく動いたのは1999年。クーデター勃発以降、政府軍と反乱軍による内戦が起こり、フランス軍が介入。事実上、国は二分された。その後、和平合意が進められ、近年よくやく正常化に向かっている。
通貨は、西アフリカ諸国中央銀行(BCEAO)発行のCFAフラン。80年代末には主要産品であるココアやコーヒーの国際価格の低迷により経済的危機に陥り、1989年にはIMFと世界銀行のコントロールで再生計画が進められたが、IMFの融資の停止、EUの援助金180億CFAフランが汚職に使われていたことが発覚して公金援助が途絶えるなど逆風が吹いた。その後、国内の安定化にともない、2003年に援助は再開されたが、内戦によって経済活動は大きな制約を受けた。
内戦による国内のゴタゴタが続いていたにもかかわらず、ベースとなる経済のポテンシャルが高いようで、2006年度のGDPは4.1%、インフレ率は3.7%と好調だった。主要産業は、世界一の輸出量を誇るカカオ、コーヒー、天然ゴムなどの農業。1993年に産油が始まり、石油製品、木材の輸出も好調に推移した。
そんな経済状況と歩幅を合わせるように、政治・経済面の先行き不透明を反映して冷え込んでいた対内直接投資も回復の兆しを見せている。経済・財政省と西アフリカ諸国中央銀行の国際収支統計によると、2007年の対内直接投資額は前年比23%増の2,046億CFAフラン。フランスをはじめ、オランダ、米国、ナイジェリアなどが積極的な投資を行っている。
2007年の輸出は、主要産品であるカカオ豆と原油・石油製品の不振が響いて、前年比9.4%減の3兆8,562億CFAフランにとどまったものの、輸入は内需回復により、消費財、中間財、資本財とも軒並み増加し、同5.2%増の3兆1,981億CFAフランとなった。この結果、貿易黒字は同45.8%減の6,581億CFAフランに縮小した。また近年、主要産業に成長した石油と地下資源に注目が集まり、外資系の投資が見込まれている。アビジャン周辺には石油製油所が発展し、経済成長を支えている。地下資源には、鉄鉱、ボーキサイト、ニッケル、マンガンなどがある。内戦によって鉱業は停滞したが、2004年から数社が生産を再開している。
コートジボワールと同じく西アフリカ諸国中央銀行(BCEAO)発行のCFAフランを通貨に使う国がギニアビサウだ。セネガル、ギニアに接する小国で、面積は九州とほぼ同じ。1973年にポルトガルから独立。
植民地時代は、ソビエト連邦やキューバの支援を受けた政党と、米国の支援を受けたポルトガル軍事政権との間で対立が続いた。建国当時は、ソビエト連邦やキューバと親密な関係だったが、クーデターによって誕生した政権が親米路線を取ったことから、国内では対立が顕在化。内戦とクーデターが続き、国家の復興が続けられている。
主要産業は、国民の8割が従事する農業。といっても自給農業が中心で、輸出しているのはカシューナッツや落花生などごく一部の産物に限られている。2006年には、そのカシューナッツにより税収入が減少。財政難のため公務員の給与支払いも滞っているとされている。同国が世界最貧国のひとつとなっているのは、国が巨大な三角州の上にあるため、主要産業である農業ですら発展できず、さらに地下資源にも恵まれていないことが挙げられる。また内戦により、ごく少数いた企業家が国外へ移住し、企業活動は停滞。教育水準の低さから識字率が低く、残念ながら経済発展の基礎的な条件は揃っていない。
By Master K/益田 慶