2008年6月4日 本日の為替戦略
昨日突然のドル買いとなった、バーナンキFRB議長発言は、まだ為替市場にドル買いの圧力として残り、その思惑が続く可能性がある。
米国では為替政策に関して直接コメントをできる立場の人は、財務長官に限られ、ポールソン米財務長官は「ドル高は米国の国益」との発言を繰り返しながらも、一方、現実は大幅なドル安が原油価格や商品価格の上昇を招き、世界的なインフレを提供しているとの批判もあった。
昨日、バーナンキFRB議長は「米政策金利は物価圧力と成長へのリスクに対処する上でよい位置にある」と現行の金融政策を容認、金利引き下げの終了を示唆する一方、「ドル安によりインフレリスクが高まっている」と異例の警告、「ドルの価値の変化がインフレとインフレ期待に及ぼす影響に注意」と言い、「FRBと米財務省が引き続き為替市場の動向を非常に注意深く監視していると」と発言、これが直接的なドル買いに繋がった。
私が非常に評価している、PIMCOのグロース氏は「ドルの動向が今後金利を決定する上で、重要な要因となる可能性を示した。ドルの政策はこれまで財務長官の役割だったが、FRBがこれを行うことで、将来の金利変更の決定要因として、ドル重要性が高まる可能性があるという新たな政策上の制約をもたらしたようだ」とのコメントをした。
米財務長がドル高政策を表面的にとりながらも、米輸出主導の景気回復に、インフレが抑制されているうちは、実質的なドル安政策を継続する思惑が市場では続き、現在もそう信じている市場参加者は多いが、バーナンキFRB議長がドルの価値がインフレへの影響を注意との発言に、市場は困惑している。
本日の経済指標・その他では、各国で重要な発表が多い。豪第1四半期GDPでやや弱い数字が予想され、独・ユーロ・英のサービス業PMIが相次いで発表され、ユーロの小売売上高も相場変動が大きい。米国では、雇用統計の前哨戦となる、米チャレンジャー社企業人員削減数、ADP全国雇用者数が発表され、第1四半期の非農業部門労働生産性と、単位労働コストや、ISM非製造業景況指数も重要となっている。また、昨日急変動の要因となった、バーナンキFRB議長がハーバード大学で講演を予定している。
●ドル円
ドル円は、再び105円台に値を戻し、先週金曜日のイメージが再びよみがえってきた。金曜日はドル全面高、月曜はドル安、昨日は、ドル高、日々変わる市場のセンチメントに翻弄されるが、昨日は最近にないバーナンキFRB議長発言に、色々な可能性が予想できるが、とりあえずはリスクヘッジのドル買いの流れに入りやすい。また、最近の相場ではこれが失敗すると逆に大幅ドル売りに変わるが・・・。今日も上値を試してから、その後で考えたい。
ドル円の4時間チャートは、105.11円を超え、104~106円の上限を試している。上値のポイントは、105.88円、106.03円、107.03円、108.60円。下値のポイントは、105.11円、104.64~67円、103.88~93円。RSIは55と50を上回り横ばいとなり、トレンドモメンタムは売りながらも2.5から5.8に上昇。1時間チャートは、104円以下を失敗、大枠で104円~105.68円のレンジの上限を試し、RSIは57と横ばい、トレンドモメンタムは買いに変化。Dailyチャートは、引き続き102.50~106円のレンジで取引が続き、RSIは54と50を上回りながら横ばいに推移、トレンドモメンタムは買いを継続。トータルの判断は、104.64円~105.88円で先週金曜日と同じだが、上値を試すことを予想。
●ユーロドル
ユーロドルは、過去3日間下値をサポートした1.5450~00を維持、USDCHFも下落、1.56台まで上昇し、ユーロ買いの安心感が強まったが、結局は1.54半ばで終了、終値ベースでは過去12日間の安値で終了した。結局はユーロ売りの材料には関係ない、バーナンキFRB議長の発言がその原因で、その結果を判断するまでは、安易にドル売りに入りにくく、ユーロ売りの流れが続きやすい。
ユーロドルの4時間チャートは、1.56台を維持できず急落、再びドル下落トレンドに入っている。上値のポイントは、1.5492、1.5563、1.5602~16、1.5628。下値のポイントは、1.5407、1.5359~64、1.5290。RSIは32と再び下げ、トレンドモメンタムは売りを継続。1時間チャートは、1.56台から急落し不安定な動きになり、RSIは40と50を割り込み下降ラインに入り、トレンドモメンタムは売りに変化。Dailyチャートは、1.55を割り込み、1.54~1.58のレンジの下限を試し、RSIは46と50を割り込みながらも横ばい、トレンドモメンタムは売りに変化。トータルの判断は、売りが強まり、1.5407~1.5563のレンジか、1.5407を割り込むと1.5290まで下落する可能性が出てくる。
●ポンド円
ポンド円は、ポンドドルが1.98台の攻防から失敗し1.96まで下落、そして1.97台を回復し、また、1.96を試す位置で終了し不安な値動きで終了した。別にクロスで円高になっているわけではないが、どうもイメージは円が強くなっているように思われる不思議な値動きとなっている。
ポンド円の4時間チャートは、204~206円のレンジに入っているが、方向性の判断は難しい。上値のポイントは、207.09~29円、208.00~09円、209.35円。下値のポイントは、203.78円、202.62円、201.70円。RSIは46と50を割り込み弱い下降ラインに入り、トレンドモメンタムは売りを継続。1時間チャートは、210円から204円まで下げ207円に戻し、RSIは56と50を上回り、トレンドモメンタムは買いに変化。Dailyチャートは、上値トライが失敗、下値トライも失敗、大枠で203~210円のレンジに入り、RSIは53と50を若干上回り横ばいで、トレンドモメンタムは買いを継続。トータルの判断は、207.29円を超えられないと、203.78円を割り込み、201.70円までの下落に入りやすい。206.02円を割り込めないと、208.09、209.35円までの上昇に入りやすい。方向性は下落。
●本日の経済指標・その他
10:30 豪 第1四半期 GDP=前期比予想0.3% 前回0.6%、前年比予想2.9% 前回3.9%
16:55 独 5月 NTC サービス業PMI=予想53.7 前回54.9
17:00 ユーロ 5月 RBS/NTC サービス業PMI=予想50.6 前回52.0、総合PMI=予想51.1 前回51.9
17:30 英 5月 CIPS/NTC サービス業PMI=予想50.4 前回50.4
18:00 ユーロ 4月 小売売上高=前月比予想0.2% 前回-0.40%、前年比予想-0.6% 前回-1.6%
20:30 米 5月 チャレンジャー社企業人員削減数=予想 前回90,015人
21:15 米 5月 ADP全国雇用者数=-3万人 前回1万人
21:30 米 第1四半期 非農業部門労働生産性=予想2.5% 前回2.2%、単位労働コスト=予想2.0% 前回2.2%
23:00 米 5月 ISM非製造業景況指数=予想51.0 前回52.0、非製造業景気指数=50.7 前回50.9
3:45 米 バーナンキFRB議長がハーバード大学で講演 、「経済の課題、1975年と現在」
9:30 米 ロックハート・アトランタ連銀総裁、ジョージア日米協会の夕食会で講演
未定 英 5月 HBOS 住宅価格=前月比予想-1.0% 前回-1.3% 前年比予想 前回-3.7%