2008年6月17日 16日の海外為替市場

G8でドル安是正も無く、弱いながらもドルの売りの流れから始まり、ユーロ圏消費者物価指数の前年比が3.7%と過去最高となったことで、7月ECB利上げ観測が強まりユーロ買いが強く、NY連銀製造業景気指数が非常に弱く、原油価格は最高値を更新した後に急落、米株価も弱く、ドル売りの流れが続いた。


日経平均株価=14354.37(380.58 2.72%)、NYダウ=12269.08(-38.27 -0.31%)、独DAX=6729.88=(-35.44 -0.52%)、英FTSE=5794.60(-8.20 -0.14%)、金=886.30(13.20 1.51%)、原油=134.61(-0.25 -0.19%)。


アジア市場は、ポジション調整のドル売りが散見されながらも、動きは鈍く、円はオプション絡みの売りに軟調に推移した。


欧州市場は、ユーロ消費者物価指数が、前年比3.7%(予想3.6% 前回3.3%)と、1997年の統計開始以来で最大の上昇率となった。ウェリンク・オランダ中銀総裁、トゥンペルグゲレルECB専務理事など、インフレ警戒発言が続き、7月のECB利上げ観測が一段と強まり、EUR買いの流れがスタート、ドル全面安の展開が続いた。


米国市場では、米NY連銀製造業景気指数は、-8.68(予想-2.2 前回 -3.23)と、予想を大幅に下回りドル売りが強まり、株価は弱くドル売りの流れが続き、米住宅建設業者指数(NAHB)も、18(予想19 前回19)と過去最低水準に並び、米株価も弱く、ドル安値圏での取引となった。


●ドル円
アジア市場のドル円は108.04円で取引が始まり、朝方の107.87円を安値に、仲値に向けた実需筋の買いに108.42円まで上昇したが、108.50円ではオプション勢の防戦売りに108.18円まで値を下げたが、オプションカット後のドル買いに108.59円まで上昇、2月14日の高値108.62円超えを失敗しながらも、高値圏で取引が続いた。欧州市場は米金融機関の決算を控え、ドル買いも鈍く、ECBフィキシングでは108.10円まで下落、 弱いNY連銀製造業景気指数に108円を割込み107.93円まで続落となった。弱い米国株にも、GBPJPYなどクロスで円売りが続き、NYオプションカット後には108.33円まで上昇、主要通貨でドル売りが進み、住宅建設業者指数(NAHB)も弱く、108.00~25円のレンジでと取引が続き、06:00時では108.21円で取引されている。


●ユーロドル
ユーロドルは、オセアニア市場で1.5436まで上昇、アジア市場は1.5404で取引が始まり、1.5375~1.5421の狭いレンジで取引が続いていたが、リスボン条約の批准否定の混乱やM&A絡みのユーロ売りの材料に上値は重く、オプション勢の売りに1.5345まで下落した。欧州市場では1.5361で取引が始まり、欧州勢のGBPUSDやUSDCHFでのドル売りに、ユーロを買い戻す動きが強く1.5440まで上昇、ユーロ圏消費者物価指数を受けた、当局者のインフレ懸念・利上げを示唆する発言に、1.5475まで上昇した。1.5455~75の狭いレンジで取引が続いた。弱いNY連銀製造業景気指数に1.5519まで上昇、1.55台では欧州実需筋やオプション勢の売りに上値は重く、NYオプションカットでは1.5460まで下落、1.5460~1.5500のレンジでの取引が続き、06:00時では1.5477で取引されている。


●ユーロ円
アジア市場のユーロ円は166.44円で取引が始まり、朝方の166.40円を安値に、仲値では資本筋の買いに166.93円まで上昇、GBPJPYの買いに底堅く、166.60~90円の狭いレンジで取引が続いた。欧州市場は166.74円で取引が始まり、167円超えのストップロスを誘発し、2月9日の高値167.15円を若干上回る167.17円まで上昇、利食いの売りに売り買いが交錯しながらも、クロスの円売りに続き、167.69円まで上昇、NY連銀製造業景気指数の発表直後には167.19円まで一時値を下げたが、円売りの流れは強く、167.25~60円のレンジで取引が続き、06:00時では167.48円で取引されている。


●主な経済指標の結果
7:45 NZ 第1四半期 製造業売上高=前期比3.7%(前回8.3%)
16:15 スイス 4月 小売売上高=前月比2.4%(予想2.0% 前回-2.5%)、前年比-9.4%(予想4.1% 前回9.7%)
18:00 ユーロ 5月 消費者物価指数(CPI)・改定値=前月比0.6%(予想0.6% 前回0.3%)、前年比3.7%(予想3.6% 前回3.3%)、コア=前月比0.2%(予想0.3% 前回0.2%)、前年比2.5%(予想2.5% 前回2.4%)→ 前年比は1997年の統計開始以来で最大の上昇率
21:30 米 6月 NY連銀製造業景気指数=-8.68(予想-2.2 前回 -3.23)、支払価格=66.28(前回69.57)、新規受注=-5.48(前回-0.46)、従業員数=1.16(前回1.09)
22:00 米 4月 対米証券投資=606億ドル(前回-487←-482億ドル)
2:00 米 6月 住宅建設業者指数(NAHB)=18(予想19 前回19)


●昨日の主な発言その他
米国・カナダ
◎米 → バーナンキFRB議長=米国の社会保障やメディケア・プログラム支出の増加は、抑制しなければ債務や財政赤字の拡大につながり、最終的には金利や経済成長に影響する。
◎米 → ラッカー・リッチモンド連銀総裁=リスクバランスは今年初めから変化、適宜に金利を変更する必要。ドル安の潜在的インフレへの影響、著しいリスク。リスクバランスの変化、金利変更につながる可能性。米国のインフレは受け入れがたいほど高いが、インフレ期待などにはまだ影響が及んでいない。FRBは当面金利を据え置く可能性。インフレ期待は私が望むよりも高いが安定的。インフレが安定しているようだからと言って安心してよいということではない。
◎米 → 米リーマンブラザーズ=3─5月期は28億ドルの赤字、評価損は37億ドル。


欧州・英国
◎トルコ → トルコ中銀=政策金利の翌日物借入れ金利を0.5%引き上げ16.25%に決定、予想通り。
◎ユーロ → ウェリンク・オランダ中銀総裁=ユーロ圏のインフレを中期的に抑制することがECBの最優先課題。トリシェECB総裁が7月利上げの可能性を示唆した6月5日の会見メッセージは十分に明白。今年下半期について憶測するのは時期尚早。
◎ユーロ → 欧州委員会の報道官=ユーロ圏CPIの上昇を受け、ユーロ圏のインフレが主要な経済問題だとの認識。
◎ユーロ → トゥンペルグゲレルECB専務理事=最近の高いユーロ圏インフレについて、警告のシグナル。 ECBは高度な警戒態勢にある。金融市場は金利に関するECBのシグナルを正しく解釈している。ユーロ圏で賃金上昇圧力の高まりという懸念すべき兆候が表れている。ユーロ圏全体としては、全面的なインフレの二次的影響の兆しはまだみられない。 第1四半期のユーロ圏単位労働コストが上昇したことについて、一部の国では、公共部門を中心に賃金上昇圧力の高まりという懸念すべき兆候が表れ始めており、軽視すべきではない。
◎ユーロ → パパデモスECB副総裁=ユーロ圏のインフレは長期間3%超を維持し、2009年には穏やかに低下する見通し。
◎英 → 英バークレイズ=40億ドルの新株発行を検討中と確認。
◎英 → 英産業連盟(CBI)=2009年来年の英経済成長率は1992年以来最低になるとの見通。 2009年のGDP=1.3%(前回1.7%)、英経済がリセッションから回復し始めた1992年以来の低水準。2008年のGDP=1.7%(前回1.8%)に引下げた。2009年消費者支出の伸び=0.7%で1992年来の低水準。インフレ率は2009年にかけて3%台を維持。


日本・その他
◎日本 → 白川日銀総裁=世界的なインフレリスクの高まりも市場不安定化しているひとつの要因。国際金融市場は小康状態だったが、このところ振れの大きい不安定な状況。
◎日本 → 大田経済財政担当相= 月例経済報告関係閣僚会議後の会見で、6月月例経済報告で基調判断を若干下方に変更したが、景気後退とはみていない。ただ、景気下振れリスクは5月より高まり注意が必要。
◎日本 → 佐藤金融庁長官=サブプライムローンを発端とするグローバルな市場混乱は続いている。さらに証券化商品市場の流動性が回復しておらず、欧米の大手金融機関について資本不足が完全に解消されたかどうか、全てが手当て済みとは言えない。欧米の大手金融機関がおかしくなって、グローバルなシステミックリスクの顕在化につながるがい然性は少なくなってきている。
◎中国 → 人民銀行=5月の中国企業物価指数、前年比+9.6%(前回10.3%)。
◎アジア → 黒田アジア開発銀行総裁=アジアの多くの国がインフレ高進と景気後退の狭間で政策ジレンマに陥っており、適切な対処策が施されない場合、ハードランディングのリスクが高まる。
◎韓国 → 韓国為替当局=ウォン安抑制のためドル売り介入のもよう。
マレーシア → マレーシア中銀総裁=利上げ決定前にコスト上昇の影響を見極める方針。
◎国連 → 国連の潘基文事務総長=サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相と会談後、サウジが需要の増加と価格急騰に対応するため、原油生産を7月からに日量970万バレルに引き上げる。