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外国為替再入門 13 東京外国為替市場

東京外国為替市場の特徴、顧客為替


外国為替市場はシームレスに世界をつなぐグローバル市場であることはすでに述べました。
世界の主要な市場は、それぞれに特徴を持っています。


世界3大市場といわれる市場は、ロンドン、ニューヨーク、東京です。東京市場の特徴は、顧客為替の取り扱いが多いことです。日本は貿易立国であり、輸出が強い国ですから、必然的に輸出によって得られた外貨を円貨に交換する需要が高いのです。また、資源に乏しい日本は原材料、原油、食糧品の輸入も多く貿易額は多大な金額になります。


東京外国為替市場はこの顧客為替取引の割合が30%にもなります。ニューヨーク市場、ロンドン市場の顧客為替割合は10%程度ですから、東京市場の顧客為替の割合が特徴的に高いことが理解できます。それだけ実需筋による為替市場参加が多いということでもあります。


ですから、東京市場の為替レートを考えるときは、顧客為替の動向を重視していく必要があるのです。


為替ディーラーは、互いに情報交換したり、意見交換をします。東京の銀行ディーラーの情報は、顧客情報が中心で、欧米の銀行のように自己ディーラーによる判断、戦略が中心であることと比較して大変受動的であるといえます。つまり日本の銀行は顧客に対する外国為替サービスが中心で、自己売買によってマーケットを形成しようという意欲に欠けるのです。逆に欧米の銀行は、経済環境の情勢分析を能動的に行い、自らマーケットに仕掛けていく傾向が強いようです。


東京市場の日本の銀行は、自らのポジションを積極的に採りませんから、顧客の需要が減退するとマーケット全体が低迷することになります。


東京市場の取扱通貨ペアはドル円が圧倒的に多く、全体の60%程度を占めています。EUR/USDが12%、EUR/JPYが7%と続きます。ニューヨーク市場、ロンドン市場は、USD/GBP、USD/CHFなどの通貨ペアも活発に取引されます。準メジャー通貨であるオーストラリア・ドル、スウェーデン・クローネなどの取引も多いのですが、日本ではAUD/JPYなどの人気は高いものの、円を中心とした取引が中心であり、大きなローカル・マーケットとも言える状況です。


東京市場の問題点


東京市場がロンドン、ニューヨークに次ぐ市場であることはすでに述べました。この順位に変化はありませんが、1980年代後半はバブル景気の勢いもあってか、取引量は急速に伸びていました。しかし、バブル経済が崩壊してからは取引量は低迷し、外国為替管理法の改正による自由化で多少活発化しては来たものの、それ以上にロンドン市場、ニューヨーク市場の発展は目覚ましく、両市場との差はむしろ拡大しています。


東京市場の為替ディーラーの質は高くはないようです。ロンドン市場は、常にニューヨークからの猛追を受けてきましたが、9.11同時多発テロによるニューヨークの打撃は、為替ディーラーに対する心理的影響も多大でした。多くの優秀な為替ディーラーがニューヨークからロンドンに移ったといわれています。


東京市場は、この点で有利であったにもかかわらず、高コスト体質、金融当局による規制、法整備の不足、邦銀の財務体質の低下、税制上のデメリットなど競争優位にあるとは言えず、むしろ香港、シンガポール、ドバイなどのアジア新興市場に地位を奪われつつあります。


また、東京市場は金融当局による為替介入が頻繁に行われる市場であったこともあり、管理された市場という印象も強く、これらも東京市場の発展を妨げた原因のひとつであるといわれています。現在では、為替介入はほとんど行われておらず、2004年4月から2008年6月現在において、一度も介入がなかったと公表されています。


さらに金融当局者、為政者による情報管理が徹底しておらず、為替情報に守秘義務が守られないとの批判が多く、海外の取引が東京を避けていく傾向もあるようです。