2008年5月10日 9日の海外為替市場

日経平均株価=13655.34(-287.92 -2.06%)、NYダウ=12745.88(-120.90 -0.94%)、独DAX=7003.17(-68.73 -0.97%)、英FTSE=6204.70(-66.10 -1.05%)。


アジア市場は、豪準備銀行四半期金融政策報告で、2008年の基調インフレ率見通しを引き上げ、成長率見通しを引き下げ、利上げ観測が薄れ、豪ドル売りが一時強まった。また、AIGの第1四半期決算の赤字額が過去最大となり、シティグループ(FT紙)は、収益性の向上を目指し、総資産の約20%に相当する4000億ドルの資産を今後2~3年間で売却する方針に、ドル売りが続き日経平均株価の下落に円の買いが強まった。


欧州市場は、独生産者物価指数が、前月比0.6%(予想0.3%)と予想を上回り一時EUR買いとなり、AIGの第1四半期決算が過去最大の赤字となったことを受け、S&Pとフィッチ・レーティングスが格付けを引き下げた、ドル売りの流れが続いた。


米国市場は、米貿易収支が、-582.1億ドル(予想-613億ドル)と赤字額が縮小し、一時ドル買い戻しが強まったが、NYダウが弱く(-120.90ドル)、長期金も低下(30年債利回り3.797%→3.769%・先週末3.861%)に、円高の流れが続いた。 


●ドル円
アジア市場のドル円は103.37円で取引が始まり、朝方の103.96円を高値に、前日の円高の流れに円売りポジションの巻き戻しが強く、米AIG決算、シティー・グループの資産売却に、米系ファンドや投機筋の円買いと、日経平均株価も弱く103.24円まで続落、一時103.64円まで値を戻したが、103.05円まで続落となった。欧州市場は103.34円で取引が始まり、米AIGの第1四半期決算の赤字額が過去最大+レーティング引き下げに、株価は弱く円買いが続き、ドル円は103円を割り込み102.62円まで続落となった。米貿易赤字が縮小したことで、ポジション調整のドル買いに103.39円まで上昇したが、ロンドンフィキシングを境にドル売りが再開、米株価は弱く長期金利も低下したことで、上値を徐々に切り下げ102.86円で取引を終了した。


●ユーロドル
アジア市場のユーロドルは1.5393で取引が始まり、この1.5393を安値に1.5395~30の狭いレンジ取引から、独4月の卸売物価指数が予想を上回り、1.5440超えのストップロスの買いを試し、1.5465まで上昇、ユーロ円の売りに一時1.5420まで値を下げたが、大手投機筋のユーロ買い戻しが続いた。欧州市場は1.5451で取引が始まり、ロシア勢や大手投機筋の買い戻しに1.5489まで上昇、1.55の大台を直前にしてオプション勢や欧州勢の売りに上げ止まり、1.5451~1.5475のレンジで激しい売り買いの攻防が続いた。米貿易収支に1.5435まで下落、1.5422まで続落となったが、AIG決算+レーティング引き下げ+シティの資産売却を材料にドル安センチメントも強く、ロンドンフィキシングを契機にユーロ買いが始まり、徐々に底値を切上げ再び1.55を試す動きに、1.5485まで上昇、1.5482で取引を終了した。


●ユーロ円
アジア市場のユーロ円は159.67円で取引が始まり、朝方の160.05円を高値に、AUDJPYの売りやファンド筋の売りが続き、159.33円まで下落、159.40~90円のレンジで取引が続いていたが、弱い日経平均株価に続落となった。欧州市場は159.70円で取引が始まり、ポジション調整と思われる欧州勢の売りが続き、弱い欧州株に158.60円まで続落となった。米貿易収支を契機に159.50円まで値を戻したが、弱い米国株に米系証券の売りが続き、159.05~50円のレンジで売り買いが交錯、159.22円で取引を終了した。


●主な経済指標の結果
14:00 日 3月 景気動向調査・速報=先行指数20.0(予想20.0% 前回54.5%)、一致指数33.3(予想33.3% 前回70.0)
15:00 独 4月 生産者物価指数(PPI)=前月比0.6%(予想0.3% 前回1.6%)、前年比6.9%(予想6.6% 前回7.1%)→ 予想を上回り一時EUR買いとなる
17:00 ノルウェー 4月 消費者物価指数(CPI)=前月比-0.1%(予想0.2% 前回0.1%、前年比3.1%(予想3.5% 前回3.2%)、コア=2.4%(予想2.3% 前回2.1%)
20:00 カナダ 4月 失業率 =6.1%(予想6.0% 前回6.0%)、雇用者変化=1.92万人(予想1万人 前回1.46万人)
21:30 カナダ 3月 貿易収支=55.3(予想45億カナダドル 前回47.9←49億カナダドル)、輸出=400.6億カナダドル(前回394.2←393.2億カナダド)、輸入=345.3億カナダドル(前回346.3←343.9億カナダドル)
21:30 米 3月 貿易収支=-582.1億ドル(予想-613億ドル 前回-617.1←-623.2億ドル)、輸出=-1.7%・-1485.1億ドル(前回1511億ドル)、輸入=-2.9%・2067.2億ドル(前回2128.2億ドル)→ 景気減速で輸入が過去最大の減少。


●昨日の主な発言その他
米国・カナダ
◎米 → シティー・グループFT紙=収益性の向上を目指し、総資産の約20%に相当する4000億ドルの資産を今後2~3年間で売却する方針。
◎米 → 米AIG=S&Pとフィッチ・レーティングスは、AIGの第1四半期決算が-78億ドルと過去最大の赤字となったことを受け、同社の格付けを1段階引き下げた。格下げで資金調達コストが増加する可能性高い。
◎米 → マコーミック米財務次官=中国は人民元の上昇加速を維持し、金融部門の改革を推進すべき。


欧州・英国
◎アイスランド → アイスランド中央銀行のチーフエコノミスト=経済は非常に危険な領域に入っており、通貨クローナの安定が大きな課題。
◎IMF → IMF=イタリアの財政悪化を警告、ベルルスコーニ新政権に速やかな是正措置を求めた。
◎スウェーデン → ローゼンバーグ・スウェーデン中央銀行副総裁=政策金利は当面据え置きが続く。世界経済減速のリスクを考慮した場合、利下げの可能性も排除できない。 インフレは当面ターゲットを上回る水準にとどまる見通しで、インフレ期待もやや高すぎると表明。金融市場混乱を受けて世界経済が減速していると指摘し、こうした要因は将来のインフレ率上昇のリスクよりもやや大きいと考える。したがって、将来的に利下げの必要が出てくる可能性は排除しない。


日本・その他
◎シンガポール → トニー・タンシンガポール政府投資公社副会長(GIC)=住宅価格の下落とエネルギーコストの上昇により世界経済へのリスクは、今後12カ月にわたり高まる可能性がある。米国での住宅価格の大幅下落によりモーゲージ関連の損失が拡大し、消費支出が圧迫される可能性がある。エネルギーコストの上昇で、米景気刺激策による世帯への税還付効果が相殺される可能性もある警告。
◎中国 → 王岐山中国副首相=インフレは最大の問題、景気抑制策を強化する。
◎豪 → 豪準備銀行四半期金融政策報告=2008年の基調インフレ率見通しを引き上げ、成長率見通しを引き下げ。基調インフレ率=6月4.25%・12月4%・2009年2.5%・2010年2.75%。GDP=6月2.5%・2008年2.25%・2009年2.5%・2010年2.75%。消費者物価指数=6月4.25%・2008年4.5%・2009年3.25%・2010年2.75%。内需の伸び鈍化見通しにより長期インフレ率予想を引き下げ。08年の基調インフレ率見通しを引き上げ、成長率見通しを引き下げ→ 年内の利上げ観測が薄れ、金利据え置きが予想され、AUDやや売りとなる。