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外国為替再入門 12 拡大するFX市場

毎日200兆円の資金が動くFX市場

外国為替市場は、1973年に変動相場制に移行して以来拡大し続けている。変動相場制移行に伴うヘッジ需要の拡大、冷戦終結による世界貿易の拡大、金融取引に関する規制緩和の流れからデリバティブなどの金融商品が開発され、規制緩和ととともに市場参加者が増加してきたのである。


外国為替市場の取引量は、国際決済銀行(BIS)が各国中央銀行の協力の下、3年ごとに市場調査を行っていますが、2004年4月の調査によれば、世界の外国為替市場での1日当たり取引は、平均して200兆円にも達します。ドル建てで1兆9000億ドルにもなります。世界全体の年間貿易量が9兆円ですから1週間で1年分の取引が成り立つことになります。日本のGDP500兆円と比較してもGDPの40%に相当する資金が1日で動いているのです。

外国為替市場における取引のうち、直物取引は6200億ドルです。先物取引は2000億ドル、スワップは9500億ドルですから、取引の半分はスワップ取引になります。スワップ取引は、2001年の調査と比較すると40%弱の増加で、デリバティブ取引が急拡大していることが分かります。


取引量増大の理由は、規制緩和による金融機関以外の取引が挙げられます。ヘッジファンドなどの取引が急拡大したこと、アジア、中東欧、南米、南アなどの新興国通貨の取引量拡大、大手銀行による中小金融機関向け外国為替仲介サービス(プライム・ブローキング・サービス)の拡大により、これまで参加していなかった小規模金融機関の外国為替市場への参加が可能になったことなどがあります。


世界最大の外国為替市場、ロンドン市場


市場別取引高ではロンドン市場が世界最大です。ロンドン市場は1日当たり7500億ドルの通貨が取引されています。第2位がニューヨーク市場で4600億ドル、第3位が東京市場で2000億ドルです。その他では、シンガポール市場、フランクフルト市場、香港市場などが続きます。


ロンドン市場が大きい理由は、取引量が最も多い通貨ペアがEUR/USDであること、ロンドン市場の取引時間は、午前中がアジア時間と重複し、午後の取引時間はニューヨーク時間と重複するため取引しやすいことがあります。また、中東、ロシアなどのオイルマネーが循環するのもヨーロッパ市場、特にロンドン市場を経由することなどが考えられます。EURが基軸通貨として機能し始めているのも一因です。


外国為替市場は、取引所が存在しない市場ですから、各市場の取引時間が決まっているわけではありません。各市場はなだらかに取引が増え、なだらかに減少していきます。各市場はシームレスに結合して取引を円滑にしているのです。ただし、マイナー通貨については、当該通貨国の活動時間に多くの取引が成立するため、取引には注意が必要になります。


外国為替市場は、ウェリントン市場、シドニー市場から始まります。規模からみるとシドニー市場のほうが遥かに多いため、実質的にはシドニー市場が最初に開く市場です。シドニー市場と東京市場には1時間乃至2時間の時差がありますから、東京市場はシドニー市場の様子が見えてから活動開始となります。かつての東京市場は午前9時に始まり、午後3時半に終了していましたが、現在では時間規制は撤廃されていますから、シドニー市場、香港市場、シンガポール市場とは混然一体となっており、日本時間の夕方にはヨーロッパ時間とも重なって大きな取引の流れを作っています。


外国為替市場は、このようにシームレスに繋がっていることから厳密な意味での終値、始値は存在しません。金融機関などが時間を決めて独自に設定してはいますが、汎用的に利用されている値ではありません。多くの場合は、ニューヨーク時間の午後3時-5時で設定している場合が多いようですが、その後の時間帯でもロサンゼルス、サンフランシスコなどの経済活動は止まっていませんから値は動きます。FX投資についてはこの終値の決定で問題はありませんが、商取引上の為替レートの決定においては時間を正確に定めておかないとトラブルの原因になります。