外国為替再入門 8 スワップ取引
為替取引の取引量では、スワップ取引は直物取引、先物取引を凌ぎます。為替取引の60%がスワップ取引で占められています。
スワップ取引
為替取引には、直物(スポット)、先物(フォワード)の2種類の取引形態があることはすでに説明しました。為替取引にはこの2つの取引を組みあわせて取引する形態としてスワップ取引という取引形態があります。直物と先物を同時に反対売買する方法です。先物を売って直物を買う。先物を買って直物を売る。また、期日が異なる先物同士の売り建て、買い建てを両建てする取引もスワップ取引といいます。
たとえば、USD/JPYの直物レートが$=105.00円、6か月先物レートが$=104.80円の場合、100万ドルを直物で買うと同時に、6カ月物を100万ドル売るという取引です。このような取引をスワップ取引といいますが、直物や先物を単純に売買する場合をアウトライト取引といいます。
外国為替取引は、一般的には直物取引のイメージが強いもですが、それはテレビなどのニュースで報道する為替情報が、直物レートを為替レートとして報道しているからです。スワップ取引については別途詳細します。本項冒頭にも書いたように、外国為替取引の取引量ではスワップ取引が最も多いのです。2004年4月現在の国際決済銀行(BIS)の調査では、外国為替取引の60%がスワップ取引で、40%が直物取引です。先物取引はわずかな量にすぎません。
スワップレート
では、なぜスワップ取引が盛んにおこなわれているのでしょう。実は、スワップ取引は外貨交換を行うために行われているというより、金利取引を行うために取引されているというのが実態です。
銀行が顧客の依頼を受けて先物為替取引を行う場合、直物レートとスワップレートを算出します。銀行は、直物取引とスワップ取引の両方の取引を同時に行います。顧客と先物取引をすることで発生するリスクを排除するためにこのようなカバー取引を行うのです。このように顧客との取引によって生まれる為替ポジションをスクウェアにする取引をカバー取引といいます。
銀行は、顧客との間で取引した先物取引を直物取引とスワップ取引を組み合わせることで発生するポジションをカバーしています。先物取引のうち量の部分を直物でカバーし、金利分をスワップ取引でカバーするのです。銀行間取引では、直物取引とスワップ取引が取引の中心になっています。
スワップレートは、直物レートと先物レートの差によって生まれます。このレートは交換される2つの通貨のそれぞれの金利の差によって生じます。つまり先物レートは、直物レートと2つの通貨の金利差を合成したものとなります。
直物レートは常に変動しているので、銀行は顧客との取引が成立するのと同時にカバー取引(直物取引)を行ってリスクをヘッジします。スワップレートは常時変動することはありませんから、あとでカバー取引(スワップ取引)を行います。
スワップという言葉は、金融用語としては通貨スワップ、金利スワップなど他の取引を意味することもあります。スワップは本来、交換するという意味ですから、債務、債権、金利、元本などを交換する場合にスワップという用語を使います。同一通貨の金利を交換するのが金利スワップ、異通貨の金利を交換するのが通貨スワップです。混同を避けるために外国為替でのスワップ取引を為替スワップということがあります。