FXライフ 38 南部アフリカの通貨 ナミビア、スワジランド、マラウイ
アフリカ南西部の国ナミビアは、アンゴラ、ボツワナ、南アフリカと接し、西側は大西洋に面している。19世紀にイギリスとドイツに相次いで保護領化され、第一次世界大戦以降、隣国の南アフリカ共和国が占領。独立を果たしたのは1990年のことだ。通貨はナミビア・ドル(NAD)。1993年に南アフリカ・ランド(ZAR)に代わって導入されたもので、ZARと等価に固定されており、国内ではZARも流通しているが、南アフリカ共和国ではNADは使えない。
独立以降、民主主義に基づく自由経済を推進してきた。ダイヤモンドやウラン、亜鉛、金、銅など豊富な地下資源、世界有数の漁場、牧畜に適した温暖な気候など、南部アフリカ諸国の中では高い潜在力を秘めている。アフリカで南アフリカ共和国、アンゴラ共和国に次ぐダイヤモンド産出量を誇り、鉱業が同国の基幹産業となっている。
しかし鉱山経営はアングロ・アメリカン社(南アフリカ共和国)など外資の進出が多く、ダイヤモンドの恩恵をこうむっているのは政府と外資系企業という見方もできる。また輸出・輸入とも南アフリカの取扱量がトップであることから、経済面で南アフリカに依存していることがわかる。南アフリカからすれば、利益を生み出してくれる国がナミビアという構図が見えてくる
。2006年のGDPは4.6%と好調だ。しかし、失業率が約20%あり、人種間の所得格差が大きな問題となっている。差が最も顕著なのは異なる言語グループの間での格差である。植民地時代からこの地域に在住するドイツ系・英国系の国民は人間開発指数が最も高く、彼らの生活レベルは先進国の水準だ。一方、公用語である英語を話せない先住民サン族は最も指数が低く、世界の中でも最貧国のレベルに位置する。
南アフリカに囲まれる内陸国スワジランドもまた南アフリカに依存することで経済発展を遂げてきた国のひとつだ。イギリスから独立したのは1968年。国王を国家元首とする王制国家だ。通貨はリランジェニ(SZL)。ナミビア・ドル(NAD)同様、南アフリカ・ランド(ZAR)と等価。いわば南アフリカの共通通貨圏(ランド圏)に所属する国である。
主要産業は農業と鉱業で、農作物を原料とした飲料産業やアパレル産業が成長している。日本からはファスナーで名高いYKKグループが進出している。2006年度のGDPは2.1%と決して悪くないが、失業率が約40%と異常な数値を示している。これは国民の1%ほどの白人が経済の実験を握り、私有地の大半を保有していることが原因で、一般国民の生活水準は低い。世界最貧国のひとつにも挙げられている。
電力の約8割を南アフリカからの輸入に依存するなど、南アフリカに大きな影響を受けている。問題は食糧危機と失業率の高さ、エイズの蔓延。人口のHIV感染率が世界で最も高い国のひとつで、平均寿命が40歳と世界で最も低い。
タンザニア、モザンビーク、ザンビアと国境を接するマラウイもまた世界最貧国のひとつだ。1964年にイギリスより独立。アフリカ諸国では逸早く南アフリカとの外交を始めた国で、台湾や中国とも外交をもつ。通貨はクワチャ(MWK)。
マラウイで有名なのが国土の15%を占めるマラウイ湖だ。漁獲資源を得る場であり、また観光資源にもなっている。
主要産業は農業で、労働人口の約85%が農業関連事業に従事している。特にタバコ、紅茶、砂糖などが大きなシェアを占めている。貿易は輸出・輸入とも南アフリカがメイン。1999年にはGDP4.7%を記録したのち主要輸出品であるタバコの輸出額の減少と原油価格の上昇で経済が低迷。
また2005年には食糧危機に陥った。2006年にGDP8.4%まで持ち直したが、これは英国、米国、ノルウェー、ドイツなど欧米諸国の経済援助によるものが大きい。マラウイもまた平均寿命が40歳に満たない国である。
By Master K/益田 慶