2008年4月9日 8日の海外為替市場

主要通貨はアジア市場高、海外安で結局は大きく変わらず、株安+米経済指標が弱くても円はクロスで弱く、資源国通貨のAUDとNZDは買いとなった。日経平均株価=13,250.43(-199.80)、NYダウ=12,576.44(-35.99)、独DAX=6,771.98(-49.05)、英FT=5,990.20(-24.60)、原油=108.50(-0.59)、金=918.00(-8.80)。


アジア市場の早朝、ポールソン米財務長官「住宅問題で「政府は大規模な介入を行わない」、「グリーンスパン前FRB議長が、最近のクレジット危機はここ50年で最悪」との発言を材料に、ストップロスを狙ったアジア系+ヘッジファンドのドル売りに、USDCHF=1.0130→1.0074→1.0066、EURUSD=1.5707→1.5788→1.5798、共にドル急落となるが、米国市場では値を戻し結局は元の水準。


欧州市場では、ハリファックス住宅価格=前月比-2.5%(予想-0.4%)1992年9月以来の大幅な下落、GBPUSD=1.9835→1.9665、GBPJPY=202.86→201.15円まで急落、EURGBP=1.9835→1.9896→1.9928(米国市場)まで上昇した。欧州株価は弱く、BOEとECBの金融政策とG7を控え小幅な値動きとなった。


IMF半期に一度の世界金融安定報告で、銀行の評価損や損失は2008年3月までに、9450億ドルに達したと推測。


米国市場は、米中古住宅販売保留は、-1.9%・指数84.6(前月比予想-1.0%)と、指数は過去最低水準にも、ドル売りの反応な鈍く、軟調な米国株にも円買いは見られなかった。FOMC議事録では、住宅・金融市場の緊張が深刻な景気低迷につながる可能性に懸念、一部メンバーは長期に及ぶ深刻な景気低迷の可能性は排除できない→ 発表直後にドル売り見られたが、直ぐに値を戻す、ストレスの溜まる展開となった。


●ドル円
アジア市場のドル円は102.39円で取引が始まり、本邦勢の買いに102.59円まで上昇したが、EURUSD、USDCHFでドル買いが入ると、クロスでは円売りとなったものの、ドル全面安の流れ+ファンド勢の売りに102.07円まで下落、午後に入る102.50円まで値を戻したが、日経平均株価の下落=円買いと、住宅価格の下落を受けたGBPJPYの売りに、101.85円まで続落した。欧州市場は102.28円で取引が始まり、101.76円まで下落したが、GBPUSDの下落が主要通貨の売りを招き、底堅い展開となり、投資信託+CTA筋の買いに徐々に値を戻し、ECBフィキシングでは102.43円まで上昇したが、中東勢の売りに上げ止まり、102.25~40円で揉み合いとなった。弱い米中古住宅販売保留にも102.25円以下の買い続き、ロンドンフィキシングのドル買い需要に米系投資銀行筋の買が入り、102.69円まで上昇、買い一巡後には102.45円まで値を下げた。FOMC議事録の発表直後には、102.55→102.23円まで下落したが、CTA筋やファンド勢の買いが強く、102.67円まで値を戻し、06:00時では102.66円で取引されている。


●ユーロドル
アジア市場のユーロドルは1.5710で取引が始まり、1.5694を安値に、アジア系ファンドの買いに(ドル売り)に、前日の高値1.5739を超え、ストップロスの買いに1.5789→1.5799まで続伸、1.5800のオプション勢の売りに1.5725まで徐々に値を下げ、EURGBPの買いに1.5773まで値を戻した。欧州市場は1.5743で取引が始まり、EURGBPの買いに1.5777まで上昇、1.5750~75で売り買いが交錯、ミロウ独財務次官の「G7で現在の金融市場の混乱について、強いメッセージを送ることを確信」との発言や、軟調な欧州株、中銀の資金供給に売りが続き、1.5673まで下落した。弱い米中古住宅販売保留に1.5730まで上昇したが、ロシア勢の売りに動きは鈍く、1.5700~10の狭いレンジから、FOMC議事録発表に一時1.5735まで上昇したが、これも反応は鈍く、06:00時では1.5713で取引されている。


●ユーロ円
アジア市場のユーロ円は160.86円で取引が始まり、本邦勢の買いに底堅く、アジア系ファンドの買いに、前日の高値161.47円を超え161.75円まで急騰、本邦実需筋+アジア系ファンドの利食い売り+日経平均株価の下げに、160.94円まで徐々に値を下げ、GBPJPYの売りに160.57円まで続落となった。欧州市場は161.04円で取引が始まり、160.48円まで下落、GBPJPY売りの一巡し投機筋の買い戻しに161.03円まで上昇、弱い株価に160.52円まで値を下げ、ロンドンフィキシングの買いに161.30円まで上昇した。160.90~15円の狭いレンジから、FOMC議事録発表に一時160.76円まで値を下げたが、ファンド勢の買いが続き、終盤近くで161.29円まで値を戻し、06:00時では161.28円で取引されている。


●主な経済指標の結果
16:00 英 3月のハリファックス住宅価格=前月比-2.5%(予想-0.4% 前回-0.4←-0.3%)、前年比1.1%(予想2.3% 前回4.2%)→ 1992年9月以来の大幅な下落にポンド下落
21:15 カナダ 3月の住宅着工件数=25.47万件(予想22万件 前回 25.56←25.69万件)
23:00 米 2月の中古住宅販売保留=-1.9%・指数84.6(前月比予想-1.0% 前回0.3←0.0%)、前年比-21.4%→ 指数は過去最低水準


●昨日の主な発言その他
米国・カナダ

◎FOMC議事録
→ インフレ押し上げにもかかわらず、住宅・金融市場の緊張が深刻な景気低迷につながる可能性に懸念が表明。信用の利用可能度への一段の制限や、住宅市場の現在の低迷を考慮し、一部メンバーは長期に及ぶ深刻な景気低迷の可能性は排除できないと指摘。
→ 一部メンバー、長期に及ぶ深刻な経済低迷の可能性は排除できず。クレジット供給力に一段の制限、住宅市場の低迷が経済を抑制。FRBスタッフ予想、08年上期の実質GDP縮小と下期の緩やかな上向きを示唆。金融政策だけでは住宅・金融市場問題に完全に対応できず、利下げは助け。最近のインフレ指標は失望的、成長見通し弱まるなか物価圧力が上昇。政策スタンスの測定は困難、過去の利下げ効果を評価する必要。インフレは低下するとの見方が大半で、ドル安は輸入価格を押し上げインフレを引き起こす可能性。一部はインフレ期待が抑制されなくなると懸念、一部指標は最近上昇。経済的な緩みが消費者へのコストの波及を抑制しインフレを抑えると一部が指摘。純輸出は経済を下支えの大きな要因、世界経済の減速が効果を抑制する可能性。ダラス・フィラデルフィア連銀総裁、利下げ続けばインフレ期待が不安定になると懸念。雇用の継続的な減少につき、労働者の不安高まる。貸し渋りは広範囲に拡大し消費を抑制し始めた。政策だけでは市場の問題を解決できないと認識。経済の減速は長期化し深刻化するリスクがある。住宅市場が安定化する兆しはほとんど見えない。3月10日のTSLFに対し懸念を表明。マイナス成長の可能性があると判断。
発表後=米金利先物市場は、4月FOMCで0.50%利下げ確立40%折り込み、年央まで0.50%利下げ確立は90%(前日68%)に上昇。


◎メリルリンチの首席投資ストラテジスト=投資家が自らの割安感に基づいて世界の金融株の底打ち時期を判断することは控えるべきとし、金融株の安値拾いはリスクを伴う。
◎米ワシントン・ミューチュアル=第1四半期は11億ドルの赤字予想→ 金融株下落。
◎ジョン・セイン・メリルリンチCEO=さらなる資本増強の必要はない。昨年末から今年1月までの2度にわたる126億ドルの資本調達について、昨年の損失額を意図的に上回る規模の資本増強を行った。86億ドルの損失計上に対し40億ドルを加算して合計126億ドルを調達した。
◎米大手貯蓄金融機関ワシントン・ミューチュアル(WSJ)=プライベートエクイティのTPGなどから70億近くの出資を受け入れる。
◎グリーンスパン前FRB議長が、最近のクレジット危機はここ50年で最悪。
◎ポールソン米財務長官が7日、住宅問題で政府は大規模な介入を行わない。


欧州・英国
◎ECBがドル資金入札で150億ドル供給、32行が入札。
◎コンスタンシオ・ポルトガル中銀総裁=ECBはユーロ圏のインフレスパイラルを回避する決意。インフレが上昇しスパイラルとなるリスクがあってはならない、われわれはこれを懸念し注視。経済成長について、欧州は米経済減速の影響を回避できないものの、リセッションに陥ることはない。短期金融市場は依然としてひっ迫しているが、大半の銀行が第1四半期決算を完了する4月末には、さらに詳しい情報が得られる。
◎ミロウ独財務次官=G7で現在の金融市場の混乱について、強いメッセージを送ることを確信。G7は為替レートを扱い今回も例外ではない。2008年の独経済見通しについては潜在成長率か、やや上回る水準。
◎英中銀の資金供給発表=3ヶ月物資金150億ポンドを供給し、3カ月物ポンドLIBORが低下。
◎フランスの保険大手アクサ=西側の大手銀行による資産評価損計上額は、4000億ユーロを上回る可能性。
◎ハリファックス=英住宅市場はファンダメンタルズが強いため小幅な下落にとどまると予想。
◎プロBNPパリバCEO=市場のボラティ リティの高まりを受け、前年と同規模の収入を今年も確保するという目標の達成が困難に なっている。


日本・その他
◎渡辺日銀副総裁候補=水準設定の為替介入はやるべきではない、スムージングオペはあってしかるべき。
◎ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)の3月の豪企業景況感指数=7(前月11)→2002年12月以来の低水準で景気鈍化が示された。

◎IMF半期1度の世界金融安定報告
→ クレジット市場の混乱が一段と拡大し、銀行が追加損失を計上する可能性があり、界経済の成長リスクが強まった。 金融市場は依然としてかなりの緊張下にある。一段と懸念されるマクロ経済環境や金融機関のぜい弱な資本状況、広範なレバレッジの縮小により悪化している。銀行の評価損や損失は2008年3月までに、9450億ドルに達したと推定。 世界的な金融安定への脅威が増し、資金調達や貿易を通じて新興国市場にも波及する可能性が高まったとの認識。
→ 米経済に集中するマクロ経済の下振れリスクは、大手金融機関に深刻な影響を及ぼし、世界市場に広がるおそれがあると指摘。分析では民間セクターの信用供給や市場を通じた借入の縮小で、今後数四半期にわたって米国の生産の伸びは大きく減速する可能性がある。また欧州の一部では、住宅市場減速の兆しが明白になっていると警告。IMFの予想通り欧州の経済成長が減速すれば、銀行の担保権実行や評価損が増加するとの見通し。 英国での担保権実行が2倍近くになるとの見方が、一部アナリストの間で出ていると指摘。