2008年4月29日 28日の海外為替市場

アジア市場は、日本が連休の谷間で市場参加者も少な中で、円売りの流れにドル円は105円を試す動きがみられたが失敗、全体として小幅な値動きとなった。


欧州市場では、独ザクセン州CPIは、前月比-0.2%(予想0.2%)と予想を下回り、独ノルトライン・ウェストバーレン州、前月比-0.3%、ヘッセ州=前月比-0.2%と弱く、独・ユーロ圏のCPI低下期待にユーロ売りが強まる。トリシェECB総裁は、「物価安定へのリスクが引き続き上向いている。中期的に物価安定にとって上振れリスクがある。」との発言にユーロ買い材料とさ、ユーロ相場も売り買いが交錯した。


米国市場は、FOMC等のメインイベントの発表を控え動きは鈍く、独消費者物価指数(CPI)速報は、前月比-0.2%(予想0.2%)、前年比2.4%(予想2.7%)と予想より低かったが、ユーロは比較的小幅な値動きとなった。また、S&Pが大手米銀は格下げのリスクを懸念、投資家バフェット氏が経済はリセッションにある。リセッションは大半の予想より長期で深刻なものと発言、ドル売りの流れに戻し、円はクロスで買い戻しが入り、ドル円の上値を重くした。


●ドル円
アジア市場のドル円は104.45円で取引が始まり、ドル需要が多く、日経平均株価が14,000円の大台を回復、投信の買いや、本邦勢や米系インベストメント銀行の買いに、104.41円を安値に先日高値104.82円僅かに上回る104.83円まで上昇、105.00円のオプション勢の売りや本邦実需筋の売りに104.42円まで値を下げ、104.40~70円のレンジで取引が続いた。欧州市場は104.58円で取引が始まり、一時104.33円まで値を下げたが、104.35~60円の狭いレンジから、ECBフィキシングに104.68円まで小幅上昇、円ショートポジションの買い戻しに上値は重く、ロンドンフィキシング近くでは104.28円まで値を下げ、終盤にかけて104.20~30円を割り込み短期投機筋の売りに104.08円まで下落、06:00時では104.19円で取引されている。


●ユーロドル
アジア市場のユーロドルは1.5610で取引が始まり、早朝の1.5593を安値に、週初の薄商いの中でアジア系ファンドの買いが入り、投機筋のストップロスの買いを誘発し徐々に底値を切り上げ、オプションカットでは1.5683まで上昇したが、独各州のCPIが予想より弱くオプションカット後の反動に1.5616まで急落した。欧州市場は1.5663で取引が始まり、独・ユーロ圏のCPI上昇と成長鈍化見通しに下値を試したものの、東欧勢の買いに下げ止まり、トルシェECB総裁のインフレを懸念する発言に、1.5694まで上昇した。欧州委員会の春季経済見通しで成長鈍化とインフレ上昇が予想され、ファンド筋はオプション勢の売りが続き、1.5597まで下続落となった。1.56以下では政府系ファンドを含め幅広い買いに下げ止まり1.5655まで値を戻し、1.5625~50で揉み合いから、06:00時では1.5658で取引されている。


●ユーロ円
アジア市場のユーロ円は163.03円で取引が始まり、朝方の163.79円を底値に本邦勢の買いとCADJPYの買いに163.78円まで上昇、午後に入ると一時163.45円まで下落、欧州勢の買いに163.84円まで上昇、独各州のCPIが予想より弱く利上げ観測が遠のき、163.30円まで値を下げた。欧州市場は163.80円で取引が始まり、独・ユーロのCPI低下見通しを材料に、一時163.24円まで値を下げたが、トルシェECB総裁に163.90円まで上昇、欧州委員会の春季経済見通しにユーロ売りが強まる、162.94円まで続落となった。ロンドンフィキシングでは163.53円まで値を戻したが、戻り売り圧力は強く、終盤にかけては162.85円まで値を下げ、06:00時では163.10円で取引されている。


●主な経済指標の結果
8:50 日本 3月 小売業販売額・速報 =前年比1.1%(予想1.0% 前回3.1%)
15:10 独 5月 Gfk消費者信頼感調査=5.9(予想4.6 前回4.8←4.6)
英 4月 ホームトラック住宅価格=前月比-0.6%、前年比-0.9%(前回0.4%)→ 2006年1月以来の低水準 
3月 英住宅価格=前月比-0.4%、前年同月比3.6%(前回5.3%)→ 住宅市場で減速傾向が続く
0:45 独 4月 消費者物価指数(CPI)速報=前月比-0.2%(予想0.2% 前回0.5%)、前年比2.4%(予想2.7% 前回3.1%)、EU基準CPI(HICP) 速報値=前月比-0.3%、前年比2.6%(予想3.1% 前回3.3%)
4:00 カナダ 2月 財政収支=29.3億カナダドル(前回5.92億カナダドル)、年度累計=128.9億カナダドル(前回99.6億カナダドル)


●昨日の主な発言その他
米国・カナダ
◎米 S&P=大手米銀は格下げのリスクがある。
◎米 投資家バフェット氏=経済はリセッションにある。リセッションは大半の予想より長期で深刻なもの、貿易政策の変更がなければドルは下落。大きい通貨ポジションはない
◎米 モルガン・スタンレーのアナリスト=大手銀の利益予想を引き下げ、信用収縮は序盤。
◎米 ラジア米経済諮問委員会(CEA)委員長=米国はおそらくリセッションに入ってはいない。08年第1四半期の成長率、ゼロ近くか若干のマイマスを予想。金融機関が引き続き資本を増強することが重要、これまでのところ順調。クレジットの状況を引き続き注視。
◎米 ジョセフ・スティグリッツ氏(ノーベル経済学賞受賞者で世界銀行の首席エコノミスト経験者)=米金融危機はグリーンスパン前FRB議長とブッシュ政権の責任。ドル安で欧州の輸出が影響を受けるため、欧州経済は引き続き打撃を受ける。欧州と米国の非連動性は可能。


欧州・英国
◎ハンバリー ハンガリー中銀=政策金利を0.25%引き下げ8.25%に決定。中銀は声明=インフレリスクにより利上げが必要と判断。引き続き今後も必要な措置を講じる。 シモール総裁は0.25%の引き下げや、金利据え置きについて協議した。
◎ユーロ メルシュ・ルクセンブルク中銀総裁=物価の上向き圧力を認識している。原油価格動向による二次的影響を招いてはいけない。一時的な影響が慢性的な影響へと変化することを意味する。そうなれば物価上昇の影響も長引くことになるだろう。
◎ユーロ ユンケル・ユーログループ議長=原油価格がドル建てでほぼ4倍増となっているものの、ユーロ建ては2倍増にとどまり注目に値する。 生活に必要不可欠な分野での価格にユーロ導入がどれほど大きな利点をもたらしたか明確に説明する必要がある。インフレ阻止という課題に真剣に取り組んでいく必要がある。インフレとの闘いはECBの金融政策だけの問題ではない。ユーロ圏各国がインフレ抑制に向け物価を安定させていく義務がある。ECBと各国政府は同じ責務を負っている。
◎ユーロ リープシャー・オーストリア中銀総裁=物価安定の確保は、デフレーションと長期インフレの回避を意味する。現在のインフレ低下は、恐らく数カ月前に予想されたほどではないとみられ、総合的に検討する必要がある。安心感をもつ理由は全くない。複数の要因を考慮するが。その1つが経済成長だ。 インフレ水準は高すぎ疑問の余地はない。二次的影響の顕在化、インフレ率上昇を回避するため必要な措置をすべて実施していく必要がある。
◎ユーロ トリシェECB総裁=為替変動は時として主要通貨間で大幅な変動があり、金融・経済の安定に及ぼす可能性を懸念している。
◎ユーロ アルムニア欧州委員会委員=2008・09年英財政赤字は3%超の見通し、6月に懲罰的手続き開始。2009年仏財政赤字は3%の見通し、警告対象となる明らかな事例。フランスは再び参照値に危険なほど接近している。インフレは欧州連合(EU)が短期的に直面しなければならない主要課題。 総合インフレは昨秋から、エネルギー・食品価格高により、大幅に上昇した。
◎ユーロ メルシュ・ルクセンブルク中銀総裁(年次金融安定報告)=世界の金融システムは危機に直面、銀行は損失吸収可。物価安定性に対するリスクは依然上向きだ。
◎ユーロ 欧州委員会:春季経済見通し=GDP成長率=ユーロ1.7%(前回2.2%)、独1.8%(前回2.1%)、物価上昇率=ユーロ3.2%(前回2.1%)、独2.9%(前回2.0%)。EURUSDの相場は13%上昇と予想、名目実行為替レート5.5%、実質実行為替レート4.75%と予想。
◎ユーロ トリシェECB総裁=為替相場は非常に重要。主要通貨の間で急激な変動がみられた。為替の動きが安定に対して影響を及ぼす可能性を懸念。
◎ユーロ トリシェECB総裁=物価安定へのリスクが引き続き上向いている。中期的に物価安定にとって上振れリスクがある。物価安定のみを目的に適切な金融政策を行うことが重要。銀による流動性対策、金融混乱の根本的原因を解決できない。安心できる理由はない、現在の環境は依然として非常に厳しい。現在のユーロ圏の金利、物価安定の達成に寄与する→ ユーロ買いの材料となる。
◎ロシア ロシア中銀=リファイナンス金利を0.25%引き上げ10.5%に決定。
◎ユーロ リープシャー・オーストリア中銀総裁=各国中銀は物価安定を維持する上で、過度のインフレのみならず、デフレも避ける必要がある。
◎独 独州CPI=独ノルトライン・ウェストバーレン州=前月比-0.3%、ヘッセ州=前月比-0.2%→ ユーロ売りの材料となる
◎独 ザクセン州統計局、4月の消費者物価指数=前月比-0.2%(予想0.2%)、前年同月比2.6%(予想2.8% 前回3.1%)低下し、ユーロ売りの材料となる。
◎スイス ジョルダンスイス中銀理事=スイス経済は世界的な低迷の克服に向けた態勢が引き続き整っている一方、少なからぬリスクに直面しており、注意深い監視が必要。 インフレ率は今後1年間に中銀が物価安定基準としている2%を下回る水準に低下するだろうが、上振れリスクも残っていると。すべてのマイナス影響にもかかわらず、スイス経済の見通しは引き続きポジティブ。2008年のスイスのGDP伸び率については、2007年の3.1%→1.5~2.0%に減速する。 インフレ率は今後1年間で2%未満に低下。こうした経済情勢の中で、スイス国立銀行が目標レンジとしているスイスフランの3カ月物ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)で2.25~3.25%の水準は妥当な水準。
◎英 英銀HBOS=28日に取締役会を開催し株主割当増資について検討する見通し。サンデー・タイムズ紙=取締役会は20億~40億ポンドの増資案を検討するが、増資せずに現在の信用危機を乗り切る方針を決める可能性もある。 サンデー・テレグラフ紙=29日に最新の経営報告も発表する、最大30億ポンドの評価損計上を発表する見通し。


日本・その他
◎OPEC ヘリルOPEC議長(アルジェリア新聞)=原油相場がドル安に影響を受けているため、1バレル=200ドルに到達する可能性がある。
◎中国 中国政府=国家外為管理局(SAFE)に対し、外貨準備の約5%を債券以外の株式を含む商品に投資することを認めた。
◎豪 ファーガソン・オーストラリア資源・エネルギー観光相=中国企業に対し豪資源会社への投資申請を取り下げるよう申し入れた事実はない。
◎サウジアラビア 3月のインフレ率=前年同月比9.6(前回8.7%)と1970年代の石油ブーム以来の高水準に上昇した。