2008年4月19日 18日の海外為替市場
アジア市場は、豪生産者物価指数が前月比0.7%(予想0.5%)と、予想を上回りAUDは堅調に推移、独生産者物価指数は前月比0.7%(予想0.5%)と、予想を上回り一時ユーロ買いに動いたが、総じて金曜日とシティーグループの決算を控え小幅な値動きとなった。
欧州市場は、ビーン英中銀理事の「国内インフレ率は年内に3%を上回る可能性が高い」との発言で利下げ観測が後退し、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)は来週、最低で50~120億ポンドの資金調達を予定にポンド買いが強く、シティーグループの第1四半期決算で欧米株急騰、円・スイスの売りが加速、主要通貨ではドルの買い戻しが強まった。
リーカネン・フィンランド中銀総裁の「過度の為替変動は懸念要因」と公的機関のユーロ売りの思惑にEURGBP=1.9985→1.9880(米国市場)まで急落。流れはEURUSD売り、GBPUSDミックス。
米国市場は、シティーグループや主要企業の業績を好感、NYダウが228.87ドル(1.81%)上昇。プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁の「これまでに実施した利下げの効果が表れることから、現在のFF金利は景気を後押しするのに十分な低水準にある」→ FRBの追加利下げ観測が後退し、ドル買いが続いたが、終盤ではポジション調整にドルを売り戻す動きとなった。
●ドル円
アジア市場のドル円は102.46円で取引が始まり、仲値では本邦勢の買いに102.59円まで上昇、欧州系銀行の売りに102.31円まで値を下げ、堅調な日本株にもかかわらず102.30~50円の狭いレンジで取引が続いたが、欧州勢の参入に102.25円まで下落、102.00~25円のオション・ノックアウト防戦買いで下げ止まった。欧州市場は102.42円で取引が始まり、主要通貨でドル買いが強まり102.90円まで上昇、予想を上回るシティーグループの第1四半期決算に欧米株急騰、103円のオプションバリアをトリガーし、103.20~50円の実需筋のドル売りを消化し、ECBフィキシングには2月29日の水準に迫る104.24円まで急伸した。米キャタピラー第1四半期も予想を上回り、FRB理事や連銀総裁の発言から米追加利下げ期待が薄らぎ、金融危機も最悪期を脱したとの思惑が広まり、堅調な米国株にロンドンフィキシングでは104.66円まで上昇、欧州勢の利食い売りに上値が重くなり、徐々に103.67円まで値を下げ、103.67 円で取引を終了した。
●ユーロドル
アジア市場のユーロドルは1.5906で取引が始まり、1.5885~15の狭いレンジで取引が続いたが、独生産者物価指数が予想を上回り、アジア系、ロシア筋の買いに1.5900→1.5956まで上昇した。欧州市場は1.5932で取引が始まり1.5958を高値に、1.600のオプション防戦売りが意識され、前日のユンケル氏のユーロ高けん制発言や、BISのEURUSD売りのウワサが意識され上値の伸びは限定的となった。EURGBPの激しい売り、予想をやや上回るシティーグループの第1四半期決算に1.5770まで急落、リーカネン・フィンランド中銀総裁+ウェーバー独連銀総裁のインフレリスクを懸念する発言、リーブシャー・オーストラリア中銀総裁のユーロ高けん制発言に1.5711まで続落となった。1.5750以下では中東勢や東欧勢の買いが続き、1.5720~55のレンジで取引が続き、欧州勢のポジション調整の買いとファンド筋の買いに1.5815まで値を戻し、1.5815で取引を終了した。
●ユーロ円
アジア市場のユーロ円は163.01円で取引が始まり、162.80~00円の狭いレンジから、一時162.67円まで下落、堅調なアジア株に底堅く、独生産者物価指数に163.54円まで上昇した。欧州市場は163.19円で取引が始まり、163.53円まで上昇したが、本邦資本筋の売りや163.50円のオプション勢の売りに162.68円まで値を下げが、シティーグループ決算を受けた欧米株価の急騰に、円売りが加速した。163.50円を超えECBフィキシングでは164.42円まで急伸、163.90~20円のレンジからロンドンフィキシングでは164.63円まで続伸、一時164.68円と本日高値まで上昇したが、ポジション調整の売りに徐々に163.87円まで値を下げ、163.91円で取引を終了した。
●主な経済指標の結果
10:30 豪 第1四半期輸入物価指数=前期比2.7%(予想0.5% 前回0.2%)、輸出物価指数=前期比3.5%(予想3.0% 前回-0.6%)
14:00 日本 3月の消費者態度指数=37.0(予想37.4 前回36.4)
15:00 独 3月の生産者物価指数(PPI)=前月比0.7%(予想0.5% 前回0.7%)、前年比予想4.2%(4.0% 前回3.8%)
17:30 英 3月マネーサプライM4・速報=前年比12.0%(予想11.6% 前回12.4%)
17:30 英 3月のPSNB(公共部門純借入額)=101.58億ポンド(予想80億ポンド 前回2.47←26.7億ポンド)、 PSNCR(公共部門純借入所用額)=126.6億ポンド(予想180億ポンド 前回26.46←29億ポンド)
21:30 カナダ 3月の景気先行指数=前月比0.0%(予想0.0% 前回-0.2←-0.3%)
21:30 カナダ 2月の卸売売上高=前月比-1.8%(予想0.4% 前回1.8←2.6%)
●昨日の主な発言その他
米国・カナダ
◎グリーンスパン元FRB議長=米景気後退がいつまで続くかは、金融危機の問題しだいで判らないが、最悪期は脱した。現状はまだ危機状態が続いている。
◎米シティーグループ世界のSWF運用資産=2012年に7.5兆ドルまで拡大へ。アジア各国や資源国などが外貨準備の一部をSWFに回して積極的に運用し、富の蓄積ペースを上げようとしている。保守的にみても、SWFの資産は2007年の2.5~3兆ドルから2012年に7.5兆ドル程度まで拡大。
◎米短期金利先物市場=4月30日のFOMCで0.50%の利下げ可能性が無くなり、0.25%の利下げの確立も100%→82%に低下。FRB高官のタカ派的発言や株価急伸が要因。
◎プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁=これまでに実施した利下げの効果が表れることから、現在のFF金利は景気を後押しするのに十分な低水準にある。利下げが経済における大半の問題を解決するとみなすことを警鐘。景気の減速によりインフレ圧力が鈍化する保証はない。利下げを万能薬とみなすことは危険な誤解で、金融政策の役割は自国通貨の購買力の安定を確保し、市場がインフレによりゆがめられないようにすること。エネルギー・食品価格の上昇が全般的な価格圧力につながり、インフレ期待を上昇させる可能性がある。単発的な物価に及ぼすショックではなく、より広範囲での価格上昇を懸念。
◎ローゼングレン・ボストン連銀総裁=銀行は減配により資本増強すべき。モーゲージ担保証券市場が依然として、サブプライム住宅ローンの問題に端を発する混乱から回復していない。証券化市場の正常化が必要だ。大手金融機関の増資など一部前向きな兆しがある。証券化市場の正常化へのプロセスは依然続いている。
◎シティーグループ=120億ドル相当のLBO関連債権売却で合意。
◎米キャタピラー第1四半期=予想を上回る9.22億ドル(1株当り1.45ドル)の利益。
◎シティーグループ第1四半期=純損失は51億ドル。株損失は1.02ドル。税引き前で評価損とサブプライム関連信用コスト60億ドルを計上。オークションレート証券在庫で15億ドルの評価損計上。収入は132億ドル。
◎米フレディマック=米金融大手4社からジャンボローン買い取る方針。
◎フィッシャーダラス連銀総裁=インフレ抑制が手遅れになるリスクがある。インフレが現在問題となっている。非常に高水準で私見では経済の緩みがインフレを低下させるのを待つのは不快だ。
◎ジョージ・ソロス氏=ユーロは、ドルに代わって世界の基軸通貨になることはないだろう。
◎シティーグループ第1四半期決算=純損失が51億ドル(1株当たり1.02ドルの損失)となった。多額の評価損や信用コストの計上が響いた。 純損益が赤字となるのは2四半期連続。
◎メキシコ中銀BOM)=政策金利を7.50%で据え置くと発表した。
欧州・英国
◎リーブシャー・オーストラリア中銀総裁=3月のCPIは3.6%と最高値を更新し、利上げの可能性も排除できない。最近のユーロ高は問題。先のG7で示されたかどの為替変動を危惧するメッセージを理解することを期待する。
◎リーカネン・フィンランド中銀総裁=過度の為替変動は懸念要因、インフレリスクは上向き。経済成長は緩やかだが継続している。ユーロ圏経済は健全。
◎イールドスプレッドが2007年末以来の水準に縮小→ ユーロ圏・米金利引き下げ観測の後退が背景。
◎ECB=150億ドル資金入札の受け付け開始。
◎スイス中銀=22日に最大60億ドルのドル資金入札を実施。
◎ウェーバー独連銀総裁=ユーロ圏のインフレについて非常に懸念。2008年に3%を上回る可能性があるとた。
◎関係筋=英ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)は来週、最低で50~120億ポンドの資金調達を予定。欧州株が買われポンド高が進む。
◎ビーン英中銀理事=ポンド安で商品価格上昇の影響が増幅されるため、国内インフレ率は年内に3%を上回る可能性が高い。英中銀はインフレ目標を2%に定めており、インフレ率が3%を超えれば、その理由を説明する公開書簡を政府に提出する必要が生じる。英ポンドの実効為替レートは昨年8月以降12%下落。1992年9月の為替相場メカニズム(ERM)離脱後に匹敵する下落率で、信用収縮の悪影響を一部相殺する効果が期待できる。エコノミストの間では1%のポンド相場下落は0.25%の利下げと同様の効果があり、ポンド安による刺激効果は3%ポイントの利下げに相当する。
◎ブラウン英首相(米英首脳会談)=米英は、経済成長に向けてできる限りのことをする。
日本・その他
◎日銀地域経済報告=企業収益や設備投資鈍化で8地域で景気判断下方修正。
◎大田経済財政担当相=4月の月例経済報告では景気の現状認識・先行き判断は基本的に前月と変わらなかったものの、米国の減速感が強まっており、日本経済の下振れリスクは強まっている。
◎カレンNZ財務相=今年の経済成長が旱魃やNZドル高、食料品や燃料の値上がりの家計への影響により予想以上の減速となる見通し。