2008年4月12日 11日の海外為替市場
インフレが加速、株価が下落し円高が続いた。日経平均株価=13323.73(+378.43)、NYダウ=12325.42(-256.56)、独DAX=6603.57(-100.75)、英FTSE=5895.50(-69.60)、原油=110.14(+0.03)、金=927.00(-4.80)。
アジア市場で日経平均株価の上昇とストップロスを試す円売りの流れが続き、シンガポールドルや台湾ドルの上昇が続いた。機関投資家の円買いに投機的な円売りは失敗、欧州市場ではGEの第1四半期決算が予想より悪く株価下落に円買いが続いた。
欧米では、世界的なインフレ懸念が強まる。米輸入物価指数=前月比2.8%(予想2.0%)統計開始以来の高水準。独卸売物価指数(PPI)=前月比1.6%(予想0.5%)、1982年来の26年ぶりの高水準。ミシガン大調査=米1年インフレは4.8(前回4.3)→1990年10月のクウェート侵攻時以来の高水準。
米国市場では、米景気後退色が強まる。ミシガン大消費者信頼感指数・速報値=63.2(予想69 前回69.5)→ 1982年3月の調査開始以来の低水準。
●ドル円
アジア市場のドル円は101.93円で取引が始まり、前日高値102.05円を試し102.14円まで上昇、投機筋の売りに一時101.58円まで値を下げたが、日経平均株価の上昇やクロスでの円売りに102.28円まで上昇、本邦機関投資家の売りに上値も重く、101.90~20円のレンジから、主要通貨高+アジア通貨高に欧州勢の売りが強く値を下げた。欧州市場は101.85円で取引が始まり、101.53円まで下落、EURJPYの買い102.04円まで上昇したが、G7前に本邦勢+ロシア勢の売りが続き、米ゼネラル・エレクトリック(GE)第1四半期決算は予想外の減益となり、欧州株や米株先物が下落、ECBフィキシングでは100.81円まで続落となった。強い米輸入物価指数に一時101.22円まで値を戻したが、ドル売りの流れは変わらず、弱いミシガン大消費者信頼感指数に100.64円まで続落したが、オプション勢の買い+投機筋の買い戻しに下げ止まり、100.70~25円のレンジで売り買いが交錯、101.03円で取引を終了している。
●ユーロドル
アジア市場のユーロドルは1.5741で取引が始まり、アジア通貨でドル売りが強く、アジア中銀筋の買いが続き、徐々に底値を切上げ1.5787まで上昇、独卸売物価指数(PPI)が強くインフレ懸念が強まり、1.5850まで続伸となった。欧州市場は1.5818で取引が始まり、1.5850を高値にロシア+東欧筋の売りが続き、シティグループが独リテール銀行部門売却を検討との報道にユーロ売りも強く上値を抑え、米GEの決算が弱く1.5855まで上昇し、ユンケル・ユーログループ議長のユーロ高懸念発言やユーロ円の売りが続き上値も重く1.5793まで下落した。米輸入物価指数、ミシガン大消費者信頼感指数にも、G7を控え動きは鈍く、1.5780~1.5850のレンジ内での取引が続き、1.5816で取引を終了している。
●ユーロ円
アジア市場のユーロ円は160.47円で取引が始まり、160.06円を安値に投信筋や海外投機筋の買いが続き、161.16円まで上昇、160.75~20円のレンジで売り買いが交錯、独PPIを受けた欧州勢の買いに一時161.36円まで上昇した。欧州市場は161.11円で取引が始まり、161.50円超えのストップロスを試す買いが続き161.29円まで上昇したが、EURUSDの上値は重くファンドやロシア勢の売りが続き、米GEの決算が弱く欧州株・米株価先物が下落すると、159.42円まで続落となった。ロンドンフィキシングでは一時160.10円まで値を戻したが、米国株は弱く159.36円まで続落、159.40~80円のレンジで取引が続き、159.74円で取引を終了している。
●主な経済指標の結果
08:50 日本 3月の企業物価指数=前月比0.5%(予想0.3% 前回0.4%)、前年比3.9%(予想3.5% 前回3.4%)
15:00 独 3月の卸売物価指数(PPI)=前月比1.6%(予想0.5% 前回-0.2%)、前年比7.1%(予想6.1% 前回6.0%)→ 1982年2月の26年来の高水準。
21:30 カナダ 2月の新築住宅価格指数=前月比0.3%(予想0.4% 前回0.6%)
21:30 米 3月の輸入物価指数=前月比2.8%(予想2.0% 前回0.2%)、輸出物価=前月比1.5%(予想0.5% 前回1.1←0.9%)→ 原油価格9.1%上昇、農産物と食品価格の上昇に、共に統計開始以来の高水準。
23:00 米 4月のミシガン大消費者信頼感指数・速報値=63.2(予想69 前回69.5)→ 1982年3月の調査開始以来の低水準、 景気現況指数=78.4(予想83.5 前回84.2)、消費者期待指数=53.4(予想60.0 前回60.1)、1年インフレ=4.8(前回4.3)→1990年10月のクウェート侵攻時以来の高水準。
●昨日の主な発言その他
◎ワシントン財務相・中央銀行総裁会議(G7)関連
声明=経済見通しは悪化し下振れのリスクがある。当面の世界経済の見通しは、金融市場の混乱が予想以上に長期化していることで弱まったと。 バランスシート外の会計に迅速な行動が急務。G7諸国は適当な行動を取ると確約する。中銀の流動性供給は支援となっている。G7は銀行に必要な資本増強を求める。G7は銀行に対し完全かつ迅速な情報開示求める。G7は金融市場を強化するための100日計画を設定。米住宅市場と原油価格が成長への脅威。為替変動が適当か監視していく。中国に対し人民元の切り上げを奨励していく。人民元の柔軟性を高めた中国の決定を歓迎。人民元の柔軟性を高めた中国の決定を歓迎。2月以降の為替相場、急激に変動した。
米国・カナダ
◎米ゼネラル・エレクトリック(GE)=第1四半期決算は利益は43億ドル(前期45.7億ドル)予想外の減益、、一株利益0.43ドル(予想0.51ドル)と予想を下回り、通年の業績見通しを引き下げ。米景気後退観測強ま利欧米株価下落の要因ともなる。
◎ゴールドマンサックス=米ワシントン・ミューチュアルの2008年クレジット損失140億ドルの可能性。
◎シティグループ=独リテール銀行部門売却を検討。
◎フェルドスタイン1全米経済研究所(NBER)所長=ドルはさらに下落する必要、市場介入によって上昇させるべきではない。米国は貿易赤字の削減を続ける必要がある。
◎ピムコCEO=世界の中銀総裁はインフレに備える必要がある。終えんを迎えつつある低い価格圧力の時代から、世界的インフレの時代への変化に対し、世界の中央銀行の総裁は準備する必要がある。FRBはフェデラルファンド金利が2%に達した段階で、利下げを打ち止めにする可能性がある。
◎バーナンFRBキ議長=時価評価は流動性が低下した市場を不安定化させた一つの要因と言えるが、当局は制度見直しに慎重を期すべき。
欧州・英国
◎ウェーバー独連銀総裁=インフレの高止まりを考慮すればECBによる利下げの余地はない。 余地があるとするIMFとは見解が異なる。欧州やドイツの成長見通しに関するIMFの悲観的な見方にも同意しない。インフレ圧力の高まりはしばらく続く、3月に3.5%の伸びとなったユーロ圏のインフレは年内3%を超えて推移し、その後低下する。3月の上昇で物価はピークに達した可能性がある。
◎コンスタンシオ・ポルトガル中銀総裁=IMFによる2008年のユーロ圏成長見通しは悲観的すぎる。
◎クレディ・スイス=-金融各社は1400億ドルの追加資本増強が必要の可能性。 米金融問題により、全体のクレジット関連損失は最終的に6500億ドルとなる可能性。表面化しているのは40%程度にすぎない。 投資する視点からすれば、金融株をオーバーウエートとするのは時期尚早。金融各社は1400億ドルの追加資本増強が必要となる可能性があり、経済による悪影響も受けかねない。 推定損失額のうち、貸出機関に絡む損失は3900億ドルとなる可能性。金融機関の資本増強はこれまでに約1600億ドル。
◎ロート・スイス中銀総裁=クレジット危機が最悪期を脱した兆候があると。 金融市場とクレジット市場が底入れし、反転地点にあるかもしれないという期待が高まっている兆候がある。
◎ジョージ・ソロス氏=イングランド銀行による10日の利下げは正しい。信用収縮対策では後れを取っている。利下げを行うことが必要。今回の世界的な金融危機はこれまで経験したなかで最悪。現在は富が破壊される時代で、これが実体経済に影響を及ぼすだろう。
◎ウンケル・ユーログループ議長=ブッシュ米大統領強いドル政策の支持表明。IMFのユーロ圏成長見通し悲観的過ぎ。足もとの為替変動を好まない。為替相場の過剰な変動を歓迎しない。
日本・その他
◎額賀財務相=G7で過度な為替変動が世界経済に望ましくないこと確認、率直に意見交換する。
◎米サブプライムローンに関連した損失=2008年3月期連結決算で1.2兆円。
◎バートン・国際通貨基金(IMF)アジア太平洋局長=インフレへの取り組みがアジア諸国の優先課題。
◎額賀財務相=ポールソン米財務長官との会談で為替については多少時間を割いて議論した。中国の為替制度については話し合わず。
◎OECD=2月のG7景気先行指数は98.3に低下、日本は96.7に上昇。
◎中国人民銀行(中銀)=3月末時点の中国の外貨準備は1.6822兆ドル。
◎金融安定化フォーラム(FSF)最終報告=バーゼルII強化を提言、年内に証券化商品リスクウエート引き上げ案。値段の付かない証券化商品の評価に向けIASBが諮問機関を年内に設立。信用格付け機関に社債・証券化商品の格付け区別を要請。各国監督当局は世界主要金融機関を共同監視する会合を年末までに設置。各国中銀は外貨の流動性対応で国境越えた担保利用の検討。大手金融機関の共同監視の会合を年内設置、バーゼルIIの強化も提言。
◎ストロスカーンIMF専務理事=食品価格上昇がもたらす脅威は世界経済にとって金融市場危機に匹敵するとの考えを示した。アフリカを中心とする多くの国々に経済混乱をもたらすばかりでなく、人々も深刻な苦しみを味わうことになるだろう。
◎アルムニア欧州委員会委員=経常収支の不均衡は世界経済が直面する最大の課題の1つであり、ユーロ圏はすでに調整の痛みを必要以上に負っている。
◎チリ中央銀行(BCCH)声明文=理事会はチリ経済の国際的な流動性を強めるため外国為替相場における介入を決定した。足もと外貨準備額は180億ドルとなっているが、声明文では08年中に外準を80億ドル積み上げる方針。1日に4月14日から介入を開始する予定だ。CLPは年初来で対ドルにて10.7%も急伸した結果、議会から輸出競争力の低下が批判されていた事情がる。