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FXライフ34 東アフリカの通貨 マダガスカルとモーリシャス

アフリカの東南、インド洋に浮かぶ島国マダガスカル共和国。島の大きさは世界で第4番目。日本の1.6倍の面積にマレー系民族、アフリカ大陸系民族など約1910万人が暮らしている。マレー系民族は、1世紀前後にボルネオからインド洋を横断して渡ってきた人々の子孫とされている。


その後、アフリカ大陸東部から渡ってきた人々が混じったことでアフリカ大陸とは異なる民族構成を示している。やがて欧州列強が植民地として触手を伸ばし、イギリスに先んじてフランスが占領した。1960年の独立後は経済の低迷が続き、一時期社会主義化政策に傾いたものの、経済復興を掲げる実業家のラヴァルマナナが大統領就任後、政局は安定した。2003年にアフリカ連合(AU)復帰、 2005年に南部アフリカ開発共同体(SADC)に正式加盟し、順調に成長している。


通貨は2003年までマダガスカル・フラン(FMG)が流通していたが、同年8月から5分の1の価値(5 FMG=1MGA)の新通貨単位「マダガスカル・アリアリ」(MGA)が登場し、2005年から正式通貨となった。主要貿易国は、輸出入ともフランスがトップを占めている。基幹産業は農業と魚業だが、ラヴァルマナナ大政権下での自由化政策により経済成長が続き、繊維産業の輸出も増えた。


2002年は政局不安によって経済成長率はマイナスとなったが、経済再建が進められ、近年は国内にある二つの世界遺産が人気を呼んで観光サービス業が好調となり、2006年には4.9%成長となった。1990年代にルビー、サファイアなどの鉱床が発見され、鉱業分野での投資も活発化している。現在、世界銀行の融資による第二次民間セクター支援プロジェクト(PDSP2)の枠組で、民間が管理を行う工業団地や輸出加工区(EPZ)の設置が現在検討されている。


後者は外国企業に対する経済特区で、事業開始から5~10年間の所得税免除および以降は10%の税率適用、専門税の免除、関税、輸入税、付加価値税の控除などが実施される。政局が安定し、民族対立もないことから条件は悪くないと見る専門家は多い。今後発展の可能性のある国である。


一方、インド洋のマスカレン諸島に位置する島国がモーリシャスだ。1968年にイギリスから独立した。日本とは関係が深く、遠洋マグロ漁業の中継・補給地として重要な位置にあることから主要援助国となっている。日本との合弁企業によるカツオ、マグロ漁も行われており、漁獲された魚は缶詰原料として供給されている。


国民はインド系住民が7割近く占めている。これはかつて労働者として渡ってきた人々の子孫だ。よって宗教はヒンドゥー教が大半を占めるなどアフリカでは珍しい構成になっている。多民族国家ではあるが、同国でも民族対立はなく、小・中学校は無料で授業が受けられることもあって教育水準は高い。外交は活発で、インド、欧州、アラブ諸国と積極的に貿易を進め、1971年から始まった輸出加工工業地区における繊維産業の輸出が発展し、アフリカで最も豊かな国民所得をもたらした。


通貨はモーリシャス・ルピー(MUR)。経済の3本柱は、砂糖産業、繊維産業、観光業。モーリシャス島は「インド洋の貴婦人」と呼ばれ、欧州人が好む観光用ビーチリゾートが整っている。これらに加え、近年は情報通信分野の振興が見られる。2006年の経済成長は3.5%、失業率は10.2%となっている。植民地時代に発展した主要産業の砂糖生産は、2005年にEUが砂糖域内価格引下げを決定したことから売上はやや低減。繊維産業もアジア諸国との競争にさらされ低迷。政府は財政緊縮政策を打ち出し、外国投資・企業誘致などを通じた経済活性化、産業構造改革に取り組んでいる。同国も大きなポテンシャルを持つ国といえよう。

By Master K/益田 慶