2008年3月5日 4日の海外為替市場
日経平均株価=0.10(3日間で-1039.12)、独DAX=-144.91(4日間で-452.81)、英FTSE=-50.90(4日間で-308.80)、NYダウ=-45.10(4日間で-480.10)、原油価格、金価格は下落。
アジア市場では、早朝からオーストラリア小売売上高が弱く、経常収支の赤字額が拡大、オーストラリア中銀は予想通り政策金利を0.25%引き上げ7.25%に決定したが、今後の利上げ観測が弱まり、AUDUSD=0.9384→0.9265(米国市場では0.9218)、AUDJPY=96.90→95.75円(米国市場では94.67円)まで急落。他の主要通貨は小幅なレンジで揉み合いが続いた。
スイス第4四半期GDPが強く、CPIも過去15年来の高値水準と同じで、3月13日の利下げ観測が薄らぎ、USDCHF1.0427→米国市場では1.0336まで続落が続く。
欧州市場では、欧州通貨当局者から、前日のトルシェECB総裁の懸念発言に続く、ユーロ高懸念が示されず、ユーロ買いが続いたが、最高値を更新できず、1.52近辺での取引が続いた。
カナダ中銀は予想通り政策金利を0.5%引き下げ3.5%に決定、今後も利下げを含む声明文に、USDCAD=0.9877→0.9941→0.9879→0.9975まで上昇。
バーナンキFRB議長→「住宅ローンの返済遅延や差し押さえは今後も増加する公算が大きい」との発言や、ドバイ政府系ファンドのサミール・アル・アンサリDIC総裁→「米シティはさらなる資金が必要」との発言、デューガン米通貨監督庁長官→「米銀行は、サブプライム住宅ローンのみならず、クレジットカード、ホームエクイティローン、商業用不動産融資の貸し倒れ増加に備える必要がある」との発言にドル売りが続いたが、
NYダウ一時200ドル近く下落、ドル売り=円買いが強まったが、終盤にかけて前日終値近くまで値を戻しドル円は上昇、円売りが強まった。
●ドル円
アジア市場のドル円は103.48円で取引が始まり、103.50円超えでは海外勢+本邦勢の売りに上値は重く、103.59円を高値に、103.20~55円のレンジで取引が続いたが、欧州勢のドル売りに一時103.05円まで値を下げた。欧州市場は103.16円で取引が始まり、103円を割り込むことはできず、投機筋の買い戻しに103.48円まで上昇、本邦資本筋の売りに103.50円を超えられず、逆に、株価の下げとユーロ円の売り+米系ファンドの売りに、103円を割り込み102.89円まで下落した。実需の買いは厚く103.20円まで値を戻したが、米国株は弱く、バーナンキFRB議長→「住宅ローンの返済遅延や差し押さえは今後も増加する公算が大きい」との発言や、ドバイ政府系ファンドDIC総裁→「米シティはさらなる資金が必要」との発言、デューガン米通貨監督庁長官→「米銀行は、サブプライム住宅ローンのみならず、クレジットカード、ホームエクイティローン、商業用不動産融資の貸し倒れ増加に備える必要がある」との発言に、前日安値102.68円を試す売りが続き、102.65円まで下落した。NYダウが前日終値近くまで値を戻すと、103.00円超えのストップロスを巻き込み、103.47円まで急上昇、07:00時では103.36円で取引されている。
●ユーロドル
アジア市場のユーロドルは1.5202で取引が始まり、1.52台では海外勢のポジション調整の売りが続き、1.5180~06の狭いレンジで取引から、欧州勢の参入に一時1.5173まで値を下げた。欧州市場は1.5177で取引が始まり、1.5175を安値に1.5180~00の狭いレンジで取引が続いたが、ユンケル・ユーログループ議長→「金融市場に目標水準を提供することは賢明ではないだろう、ユーロが対米ドルで上昇していることによる打撃は受けていないとの認識」との発言に、1.5230まで上昇した。欧米株価の下落が続き、1.5198まで下落したが、バーナンキFRB議長、サミール・アル・アンサリDIC総裁、デューガン米通貨監督庁長官の発言に、1.5250まで上昇したが、前日高値1.5276を超えられず、米系ファンドの売り+EURJPYの売り+ロンドンフィキシングの売りに1.5189まで急落した。1.5195~25のレンジで売り買いが交錯、米国株が値を戻しEURJPYの買いが強く1.52台を維持し、07:00時では1.5220で取引されている。
●ユーロ円
アジア市場のユーロ円は157.33円で取引が始まり、朝方の157.40円を高値に、AUDJPYの売りに上値も重く、156.85~25円のレンジで取引が続いていたが、欧州勢の売りに156.52円まで値を下げた。欧州市場は156.60円で取引が始まり、一時156.50円まで値を下げたが、本邦勢の買いに底堅く、欧州株が弱く、ユンケル・ユーログループ議長→「円と中国人民元は過小評価されている」との発言に上値も重く、156.55~00円のレンジで売り買いが交錯した。オプションカットからユーロ買いが強まり一時157.18円まで上昇、ロンドンフィキシングでは156.35円まで下落、弱い米国株に156.12円まで続落となった。今週のメインイベントの米雇用統計を前に、積極的な売りも続かず、中銀筋の買いが入ると156.88円まで値を戻し、米国株の下落幅が縮小すると、157円超えのストップロスを誘発し、157.38円まで続伸、07:00時では157.31円で取引されている。
●主な経済指標の結果
08:50 日本 2月のマネタリーベース=前年比0.1%(予想0.1% 前回-0.1%)
09:30 豪 1月の小売売上高=前月比0.0%(予想0.5% 前回0.4%←0.5%)
09:30 豪 第4四半期の経常収支=-193.49億豪ドル(予想-180億豪ドル 前回-163.5←-155.9億豪ドル)
12:30 豪 オーストラリア中銀(RBA)金融政策発表=政策金利0.25%引上げ7.0%から7.25%に決定
15:45 スイス 第4四半期GDP=前期比1.0%(予想0.5% 前回0.8%、前年比3.6%(予想2.8% 前回3.0←2.9%)
15:45 スイス 2月の消費者物価指数(CPI)=前月比0.1%(予想0.2% 前回-0.3%)、前年比2.4%(予想2.4% 前回2.4%)→前回と同じだが、1993年来の高水準
19:00 ユーロ 1月の生産者物価指(PPI)=前月比0.8%(予想0.8% 前回0.1%)、前年比4.9%(予想4.9% 前回4.3%)
19:00 ユーロ 第4四半期のGDP・改定値=前期比0.4%(予想0.4% 前回0.7←0.8%)、前年比2.2%(予想 2.3% 前回2.6←2.7%)
23:00 カナダ カナダ中銀(BOC)金融政策発表=政策金利0.5%引き下げ4.00%から3.50%に決定。
●昨日の主な発言その他
米国・カナダ
◎シテーグループ=今後1年~1年半で37万人の従業員のうち3万人超の削減を検討。
◎ワコビア=米投資銀大手4社の第1四半期1株利益見通しを下方修正。
◎バーナンキFRB議長=住宅ローンの返済遅延や差し押さえは今後も増加する公算が大きい。住宅価格は一段と下落する可能性がある。住宅市場の安定化に向け積極的な対応が求められる。 予防可能な差し押さえを減らしていく施策は、苦境にある借り手だけでなく、地域や経済全般にとっても助けとなる可能性がある。住宅市場の問題は、住宅ローンが住宅の正味価値を上回っている借り手が多いという点で過去と異なる。
◎デューガン米通貨監督庁長官(上院銀行委員会公聴会の準備原稿)=米銀行は、サブプライム住宅ローンのみならず、クレジットカード、ホームエクイティローン、商業用不動産融資の貸し倒れ増加に備える必要がある。深刻な懸念は一部銀行が、金融保証会社の問題で投資家から証券の買い上げを強いられる可能性がある。多額の買い上げが生じれば、銀行は、価格および流動性リスクを負担し、自己資本比率が一段と圧迫される。
◎フィッシャー・ダラス連銀総裁=景気減速はインフレ高進の容認に比べて、長期的に米経済への打撃が少ない。インフレ抑制がFRBの目的で一時的な景気減速を耐えなければならないとすれば、政治的には不都合であるにせよ、それはわれわれが負わなければならない責務。
◎ミシュキンFRB理事=個人支出や企業投資の抑制の兆しに加え、住宅市場の低迷や信用収縮が深まる可能性は、米経済見通しに重大なリスクをもたらす。FRBの経済見通しは2008年経済成長の鈍化を示しているが低迷は示していない。第1四半期の個人消費がさえず、見通しには重大な下向きリスクがある。
◎コーンFRB副議長=国内の銀行システムは最近の金融混乱期にあたり底堅い資本と力強い収益を備えており、依然として全体的に健全な状態にある。 モーゲージおよび住宅市場の問題は銀行の存続を脅かすものではない。FRB監督下にある銀行持ち株会社は、第4四半期に合計で80億ドルの損失を計上したが、2007年の純利益は900億ドルを超え、不良資産比率は2000年代初めの水準よりも低いと。 大手銀行持ち株会社50社は第4四半期に310億ドルに上る評価損と貸倒引当金を計上し、償却額を140億ドル上回った。 2007年の不良資産は670億ドルと倍以上に増加する一方、金融市場での圧迫により銀行は資産の証券化が困難になった。銀行持ち株会社の自己資本比率は規制上の最低水準を超え、過去数カ月間で500億ドル以上の資本を調達した。
◎カナダ中銀声明=1月のインフレ見通しをめぐるリスクバランスが明らかに下向きにシフトしたと判断。リスクは顕在化しつつあり、一部では強まっている。短期的には総需給を均衡させ、中期的には2%のインフレ目標を達成するために一段の金融刺激策が求められる可能性が高い。 米住宅市場の低迷が米経済の予想以上の減速につながる可能性を示す明らかな兆候を認め、世界経済に対する重大な波及的影響を指摘。
◎ドバイ政府系ファンド、ドバイ・インターナショナル・キャピタル(DIC)のサミール・アル・アンサリCEO=米シティはさらなる資金が必要、アブダビ投資庁やクウェート投資庁、サウジアラビアのアルワリード王子などによる出資に続き、さらに多くの資金が必要との考え。
欧州・英国
◎ユンケル・ユーログループ議長=ユーロは他通貨に対して過大評価されているが、現在の外国為替市場の状況は、ユーロ高というよりもむしろドル安を反映している。 円と中国人民元は過小評価されている。ドルはその中間のどこかだが、経済ファンダメンタルズを正しく反映しているというよりはむしろ、過小評価される傾向がある。
◎ユンケル・ユーログループ議長=金融市場に目標水準を提供することは賢明ではないだろう。ユーロ圏経済は良好で、現時点ではユーロが対米ドルで上昇していることによる打撃は受けていないとの認識→ ユーロ高の懸念を示すに至らず、ユーロ買いが強まる。
◎アロゴスクフィス・ギリシャ財務相=ユーログループで為替介入について議論があったかとの質問に、ノーでそのような議論はなかった。
◎オルファニデス・キプロス中銀総裁=ユーロ圏の成長鈍化はインフレ圧力を和らげる。
◎クアデン・ベルギー中銀総裁=ユーロ高は欧州経済の強さが主な要因。米当局は強いドル政策を再確認すべき。
◎ドイツの週刊紙ツァイ=ECBスタッフ予想で2009年のインフレ見通しを上方修正する。ECBは6日に最新のスタッフ予想を発表する。インフレが08、09年共に、ECBが中期的目標とする2%をわずかに下回る水準を超えるとの見通しを示す。 12月時点のスタッフ予想では、インフレ見通しは08年画2.0─3.0%、09年が1.2─2.4%(中間値は1.8%)となっていた。
日本・その他
◎オーストラリア中銀声明=需要を大幅に減速させる必要があるとの認識。中期的にインフレを抑制し引き下げることを目指した。2007年のインフレ率は高水準で、12月期のCPIは前年比3%上昇し、実質ベースでは3.5%前後に達した。内需は生産能力を大幅に上回るペースで拡大した。労働市場は2008年初めも力強さを維持し、設備稼働率は高く、適切な労働力の不足が続いている。インフレ率は短期的に比較的高水準で推移する見込みで、来年は内需の伸び鈍化を受けて落ち着くだろうが、年内はさらに上昇しそうだ。世界経済は減速しており、2008年は世界の成長率がトレンドを下回る可能性が高い。最近の世界的な商品市場のトレンドにより、オーストラリアの交易条件はさらに上向く見通しだ。世界の金融市場のセンチメントは依然としてぜい弱だ。オーストラリアの金融業界では資金調達コストが上昇しており、消費者にそれが転嫁されつつある。リスクの高い借り手に対する信用基準がやや厳しくなっている。家計の需要がやや鈍化し始めた一時的な兆しが見られ、最近は企業や消費者のセンチメントも軟調で、家計の信用需要もやや鈍化している。