2008年3月27日 26日の海外為替市場

激しいユーロ買い、ポンドはドタバタ。


アジア市場は、狭いレンジ相場が続いたが、午後3時にはオプションカットに絡む円売りが見られた。欧州市場では、序盤サルコジ仏大統領が「仏英でドルについて協力して米国に圧力をかけられるのではないか」との発言にも底堅く、独ifo景況指数=104.8(予想103.3)、ユーロ純投資流入額=221億ユーロ(前回-175)、ユーロ製造業新規受注=前月比2.0%(予想0.3%)と全てが強く、サウジアラビアの買いの噂も流れ、ユーロ急騰。EURUSD=1.5597→1.5757(米国市場1.5859)まで上昇。


さらに、トルシェECB総裁議会証言=インフレ率は3%を上回り推移、ユーロ高が欧州経済の成長に悪影響を及ぼす可能性、現在の金利水準で中期的な物価安定を確保との発言に、ユーロ買いが続いた。キングBOE総裁がインフレ率は3%→ポンド上昇、金融問題は困難かつ新たな局面、中銀は利下げ方向に一段と傾いているとの発言→ ポンドは急落。GBPJPY=200.50円→197.45円、EURGBP=0.7785→0.7894まで急落。


英国市場では、米耐久財新規受注=前月比-1.7%(予想0.8%)弱く、米新築一戸建て住宅販売件数=-1.8%・59万件(予想-2.0%・58万件)は強く発表されたが、ユーロ高の動きは変わらず、米国株も弱くドル全面安の展開が続き、EURUSDは1.5800をブレークし上昇が続いた。マクロ系ファンド、オプション勢の激しいユーロ買いに、弱い米国株にも影響を受けず、EURJPYの上昇が目立った。

 
●ドル円
アジア市場のドル円は99.97円で取引が始まり、前日の海外市場で上値の達成感が強く、米系証券の売りや、仲値に向けた実需筋の売りに99.65円まで下落したが、本邦資本筋やアジア筋の買いに 下げ止まり、オプションカットの買いに100.33円まで上昇した。欧州市場は100.17円で取引が始まり、本邦勢の売りに99.88円まで下落、欧州経済指標の影響を受けたEURUSDの急伸に99.04円まで急落した。EURJPYの買いに下げ止まりながらも、ドルロングポジションの巻き戻しやGBPJPYの売りに上値も重く、トルシェECB総裁・キングBOE総裁発言による欧州通貨が波乱の動きとなり、米耐久財受注が弱く99.87円まで続落となった。99.00円割れからは本邦資本筋やファンド筋のドル買いが強く、予想を上回る米新築一戸建て住宅販売件数にも、99.00~40円の狭いレンジでの攻防が続いた。弱い米国株に円買い(ドル売り)も見られたがEURJPY買いに売り買いが拮抗し、終盤にかけては一時99.59円まで値を戻したが、06:00時では99.15円で取引されている。


●ユーロドル
アジア市場のユーロドルは1.5648で取引が始まり、1.5610~58のレンジで取引が続いていたが、オプションカットのUSDJPYの上昇に1.5583まで下落、1.5590~20の狭いレンジで取引が続いた。欧州市場は1.5598で取引が始まり、独ifo景況指数・ユーロ純投資流入額・ユーロ製造業新規受注が強く、1.5730まで急騰、トルシェECB総裁発言では、ユーロ高懸念もあったが、インフレ懸念発言が材料にされ、BOEの利下げ観測にEURGPBが急騰、1.5748まで続伸、米耐久財受注が弱く1.5758まで上昇が続いた。1.5710~50での揉み合いから、1.5800のオプションバリアをトリガーし、投機筋のストップロスの買いを誘発し、CTA筋の買いも強く、徐々に底値を切上げ終盤にかけては1.5859まで上昇、06:00時では1.5856で取引されている。


●ユーロ円
アジア市場のユーロ円は156.37円で取引が始まり、155.95~49円の狭いレンジで売り買いが交錯、上下を抜け出すことはできなかった。欧州市場は156.27円で取引が始まり、本邦勢の売りに155.83円まで下落したが、独ifo景況指数・ユーロ純投資流入額・ユーロ製造業新規受注の買いとUSDJPYが99円割まで下落、155.67~156.80円のレンジで上下を往復、その後も155.69~20円のレンジで売り買いが交錯した。欧州市場の参加者が取引を終了、薄くなった相場でEURUSDの買いの影響に157.46円まで続伸、06:00時では157.23円で取引されている。


●主な経済指標の結果
08:50 日本 2月の通関ベース貿易収支=9700億円(前回-793億円)
18:00 独 3月のifo景況指数=104.8(予想103.3 前回104.1)、現況指数=111.5(予想109.1 前回110.3)、期待指数=98.4(予想97.7 前回98.2)→ 2007年8月来の高水準で3ヶ月連続の上昇
18:00 ユーロ 1月の経常収支=-191億ユーロ(前回43←19億ユーロ)
18:00 ユーロ 1月の純投資流入額(ネット・インベストメントフロー)=221億ユーロ(前回-175←-195億ユーロ)
18:00 ユーロ 1月の製造業新規受注=前月比2.0%(予想0.3% 前回-3.6%)、前年比7.3%(予想3.9% 前回2.2←2.1%)
21:30 米 2月の耐久財新規受注=前月比-1.7%(予想0.8% 前回-4.7←-5.1%)、除く輸送機器=-2.6%(予想-0.3% 前回-1.0←-1.5%)、除く国防関連=-1.6%(予想-0.8% 前回-4.2←-4.4%)、除く航空機・非国防資本財=-2.6%(予想-0.1% 前回-1.8←-1.5%)
23:00 米 2月の新築一戸建て住宅販売件数=-1.8%・59万件(予想-2.0%・58万件 前回-2.8%・58.8万件)、


●昨日の主な発言その他
米国・カナダ
◎フィッシャー・ダラス連銀総裁=政策担当者は金融危機対処に向けた策を講じるにあたり、インフレ高進を招かないよう注意を払う必要がある。経済が再び成長し始めた時にインフレの基調が依然高水準であれば、インフレが長期にわたり持続する状況を作り出す可能性がある。景気低迷対処に向けた過剰流動性の供給はインフレリスクを高める。米経済は減速に直面している。米国は信用の低下を経験している。米国は長期に渡る低成長局面にある。海外からのインフレ圧力に瀕している。FRBは流動性に焦点を置くべき。
◎ポールソン米財務長官=住宅価格の下落は不可避。当局者は介入せず経済への影響を最小限にするよう努力すべき。プライマリーディーラーや大手金融機関は新たな貸出制度を恒久的に利用できると考えるべきではない。最近のFRB措置は異例の混乱期だけの前例。 資本市場は依然として柔軟で底堅く、監督機関や当局は経済が直面するリスクに警戒。
◎エバンズシカゴ連銀総裁=FF金利(政策金)は緩和的で年後半に一段と力強い成長を後押しする。昨年秋の利下げ効果は恐らくまだ表れ始めたばかりで、利下げの集積が今後の成長をさらに促進する。FRBは低成長下での金融市場混乱が経済をさらに下押しするリスクを認識すべき。FRBはインフレ圧力にも留意すべき。最近のインフレは失望的で、コアインフレ率は長期的にみて望ましい水準よりも高く推移。
◎米ミシガン州の2つの年金基金は、JPモルガン・チェースによるベアー・スターンズの買収計画を一時差し止める緊急措置を裁判所に求めた。


欧州・英国
◎サルコジ仏大統=仏英、ドルについて協力して米国に圧力をかけられるのではないか。
◎欧州委員会は四季報=ユーロ高はユーロ圏の成長にとって逆風。2008年の成長率予想の1.8%は堅持した。過度の為替の動きは懸念要因。2月に前年比3.3%と記録的な高水準にあるユーロ圏のインフレ率はユーロ圏の成長にとってのもう1つ下向きリスク。
◎ドイツ銀=2007年年次報告で、世界的な信用市場の混乱に起因した資産の評価損計上や収入への影響によって、今年の利益目標が未達成に終わるおそれがあると。
◎トリシェECB総裁の欧州議会=ユーロ高が欧州経済の成長に悪影響を及ぼす可能性がある。現在の状況の下で、われわれは為替レートの過度の動きを懸念。為替レートの過度の変動と無秩序な動きは経済成長に望ましくない。
◎トリシェECB総裁の欧州議会=インフレ期待抑制がECBの最優先課題で物価安定に向けた断固たる姿勢。 金融市場の混乱は最悪期を脱したと明言は控えた。金利を現在の水準で維持しているとしたら、それが中期的な物価安定確保に必要な水準と判断で、現在の据え置きスタンスがインフレ抑制の一助になる。慌しい動きや高水準のボラティリティがみられる混乱期には、中央銀行のような公的機関のしっかりとした存在は決定的に重要。
◎トリシェECB総裁の欧州議会=インフレ率は3%を上回る比較的高い水準で推移。 中期的に物価安定に上向きリスクは広がる。インフレに対する短期的な強い上方圧力は、主にエネルギーや食品価格の上昇に起因。今後インフレ率は2%を大幅に上回る水準で推移。ユーロ圏の経済ファンダメンタルズは健全で、大きな不均衡はない。為替について過度の変動は成長にとって望ましくない。為替市場の過度の動きを懸念。強いドルは国益との米国の主張に大いに注目。利下げしても中銀の流動性オペにモラルハザードはない。インフレ率は今年の大半を通じて2%を上回る見通し。高インフレ局面は予想以上に長期化する見通し。インフレ期待抑制が優先課題。
◎トリシェECB総裁(月刊誌インタビュー)=現在の金利水準は正しい、短期金融市場の正常な機能と信頼に必要な水準。インフレの定着でインフレ期待が高まらないよう確実にする必要。
◎ECBスタッフの成長予測=世界の弱い需要、コモディティ価格に起因する圧力の高まり、12月に予測していたよりも好ましくない資金調達環境などを反映し、予想レンジは下方修正。 理事会の見方では、経済成長見通しに対する不透明感は異例なほど強い。下振れリスクは金融市場への影響が現在の予想以上に広がる可能性と関連。一段の下振れリスクはさらなる商品価格の上昇、保護主義的圧力、世界の不均衡を背景に秩序なき動きが起きる可能性から生まれている。失業率は過去25年なかった水準まで低下。消費の伸びが景気拡大に寄与する見込み。
◎キングBOE総裁=為替相場に無関心ではない。最近のポンドの下落は2年前の非常に理解し難いポンド高の調整。2007年末にかけて多額の貿易赤字を計上したが、これは英経済を輸出・設備投資主導に移行させる必要性を浮き彫りにした。 2007年下半期の金融市場の動向は、銀行セクターの問題とともに、長年にわたる国際的な不均衡が一部で解消され始めたことを示唆。
◎キングBOE総裁(議会証言)=金融問題は困難かつ新たな局面に入った。世界中で金融市場に対する信頼感が揺らいでいる。 金融市場の貸出状況ひっ迫を受けて中銀は利下げ方向に一段と傾いているか、との質問には「その通りだ」と答えた。これまでの利下げにもかかわらず、銀行のモーゲージ金利はクレジット問題に見舞われた昨年8月とほぼ同水準→ 4月利下げ観測が強まる。
◎イングランド銀行=インフレは3%近くまで上昇、2クレジットクランチは新たで困難な局面に入ったが、英国の政策当局は引き続き、成長の減速とインフレ率上昇のバランスをとる必要がある。
◎イングランド銀行(BOE当局者)=英経済がこれまでの個人消費依存から輸出主導に向かうなかで、ポンドは一段と下落する可能性がある。
◎ビーンBOE理事・首席エコノミストの議会委員会の証言=金融市場は明らかにリスクが下向き、英国経常収支の赤字額を考慮すると個人的に同じ見解。


日本・その他
◎韓国為替当局=7─8億ドル規模のドUSDKRWでドル買い介入を実施。
◎ムボウェニ南ア中銀総裁1=必要が生じれば、銀行セクターにおける流動性問題の緩和に向けた措置を講じる。