2008年3月15日 14日の海外為替市場
アジア市場からヘッジファンド破綻のウワサが流れ、日経平均株価の下落に円買いが続き、EU首脳会議でユーロ高阻止への動きがウワサされ、為替市場は狭い値動きから、米消費者物価指数(CPI)が前月比0.0%(予想0.3%)と弱く、ベア・スターンズがJPモルガン・チェースを通じてNY連銀から金融の融資を受けるとの報道が飛び込んだ。
直後は、金融機関救済=信用不安解消=株価上昇期待→ドル買い・円売りとなったが、欧米の株価は大幅下落、円高が進んだ。米株価の下落幅が縮小したが、円とスイスフランの買いは続き、円は98円台に突入、USDCHFはついに、パリティ1.0を割り込んだ。
EURはEU首脳会議終了後の声明で、異例のユーロ高に懸念が表明され、シュタインブリュック独財務相は、為替の問題について米当局と来月協議を行うことを発表、最高値を更新したものの、緩やかな上昇に止まっている。
●ドル円
アジア市場のドル円は100.62円で取引が始まり、早朝には米系証券の売りに一時100.30円まで下落したが、仲値のドル買いに101.05円まで上昇し、米系証券・ヘッジファンド破綻のウワサに円買いが強く、日経平均株価の下落に99.84円まで下落、99.50円、99.80円のオプション防戦買い+ショートカバーの買いに100.44円まで値を戻した。欧州市場は100.38円で取引が始まり、欧州勢の買いに100.70円まで値を戻し、100.40~70円の狭いレンジで取引が続いた。米CPIが予想より低い数字を発表、FRBがベア・スターンズに資金供給を行うとの緊急声明に101.15円まで上昇したが、NYダウが300ドル近く下落すると逆に、100円を割り込み、99.80円のオプションバリアをトリガーし、99.50円の次のポイントを目指し、99.58円まで急落した。NYダウは徐々に下げ止まり、ロンドンフィキシング後には一時100.47円まで値を戻したが、ファンド破綻の思惑や、クレジットリスクの高まり+FOMCで1.0%の利下げの思惑に、欧州勢不在の薄商いの中で、99.50円、99.00円のオプションバリアをトリガーし、98.89円まで下落、99.04円で取引を終了した。
●ユーロドル
アジア市場のユーロドルは1.5632で取引が始まり、EU首脳会談でユーロ高是正が話し合われるとの思惑に、1.5589円まで下落、1.5590~15の狭いレンジから、前日高値1.5646を超え1.5652まで上昇、ユーロ円の売りに徐々に上値を切り下げた。欧州市場は1.5588で取引が始まり、独州立銀欧が損失拡大との報道、サルコジ仏大統領が本日のEU首脳会議で、ユーロ相場に関する協議を行うとの報道に、1.5532まで下落したが、政府系筋やオプション勢の買いに下げ止まり、1.5535~60で揉み合いとなった。ECBフィキシング後には一時1.5595まで上昇、FRBがベア・スターンズに資金供給を行うとの緊急声明に1.5689まで急騰したが、1.57の大台ではオプション勢の売りが強く、利食いの売り+ユーロ円の売りに上げ止まり、EU首脳会議終了後の声明で、異例のユーロ高に懸念が表明され、米政府と為替の問題について協議を行うとの報道に、1.5600まで下落した。米国株は弱く、金融不安が続き、ドルからユーロへの外貨準備シフトの可能性、FOMCの大幅利下げの思惑にユーロ買いは強く、終盤にかけて1.5677まで上昇、1.5674で取引を終了した。
●ユーロ円
アジア市場のユーロ円は157.33円で取引が始まり、早朝には米系証券の売り156.74円まで下落、仲値の買い+ドル円の買いに157.60円まで上昇したが、米系証券・ヘッジファンド破綻のウワサ+弱い日経平均株価に、156.20円まで続落、ポジション調整の買いに156.85円まで値を戻した。欧州市場は156.72円で取引が始まり、156.20~90円のレンジで高下、売り買いが交錯したが、FRBがベア・スターンズに資金供給を行うとの緊急声明に157.37円まで急騰、NYダウの大幅下落に156.09円まで急落、156.10~80の広いレンジで激しい売り買いが続いた。ドル円が99.50円を割り込み続落、156.00円を割り込むとストップロスの売りを誘発し、終盤にかけては154.86円まで続落となり、155.31円で取引を終了した。
●主な経済指標の結果
16:00 独 2月の消費者物価指数(CPI)・確報=前月比0.5%(予想0.5% 前回-0.4%)、前年比2.8%(予想2.8% 前回2.8%)、HICP前月比0.5%(予想0.5% 前回-0.4%)、前年比2.9%(予想2.9% 前回2.9%)
19:00 ユーロ 2月の消費者物価指数(EU基準CPI)=前月比0.3%(予想0.3% 前回-0.4%)、前年比3.3%予想(3.2% 前回3.2%)、コア(除く食料品・エネルギー)前月比0.5%(予想0.3% 前回-0.8%)、前年比2.4%(予想2.3% 前回2.3%)、
21:30 米 2月の消費者物価指数(CPI)=総合指数:前月比0.0%(予想0.3% 前回0.4%)、前年比4.0%(予想4.3% 前回4.3%)、コア指数:前月比0.0%(予想0.2% 前回0.3%)、前年比2.3%(予想2.4% 前回2.5%)
23:00 米 3月のミシガン大消費者信頼感指数・速報値=70.5(予想69.0 前回70.8)、景気現況指数=84.6(予想82.4 前回83.8)、消費者期待指数=61.4(予想61.5 前回62.4)
●昨日の主な発言その他
米国・カナダ
◎米連邦準備理事会(FRB)=ベア・スターンズ 向けの融資枠設定について、ベアーは連銀窓口から直接借り入れることができないため、JPモルガン・チェースが介在する形をとったと説明した。このような融資は大恐慌時代以来、初めて。
◎S&P=米ベア・スターンズを格下げ、追加引き下げの可能性。
◎FRB高官=ベア・スターンズが資金供給についてFRBに相談。FRBはベア・スターンズの担保を負担する。JPモルガンはベア・スターンズへの資金供給の仲介役。貸出金額については公表しない。
◎ブッシュ米大統領=米経済には耐性があり、成長に自信。バーナンキFRB議長は困難に上手く対応。FRBは流動性拡大に強い行動を取った。独立性のあるFRB、国にとって有益。空き家買取の歳出には反対。住宅保有者の差し押さえ回避を支援する。米議会は減税政策を恒久化すべき。ソブリン・ファンドを拒否することはナンセンス。
◎JPモルガン・チェースとNY連銀=ベア・スターンズに対する最大28日間の緊急の融資枠を設定、資金供給で協調することで合意。
◎米金利先物市場=来週FOMCでの1%利下げ織り込む確率が50%上回る。
◎フェルドスタイン全米経済研究所(NBER)所長=米経済はリセッションの状態にあり、今後深刻化する恐れがある。今年と来年が非常に困難な年となることは間違いない。景気低迷が第二次大戦以降で最悪となる可能性があると。金利を引き下げても効果は限定的。
◎バーナンキ議長=住宅差し押さえが相次いでいることは無謀な貸出慣行が一因。差し押さえの打撃を和らげるためにFRBはあらゆる努力をすると確約。
◎FRB=ベア・スターンズに向け資金供給の枠組みを全会一致で承認。米金融システムに引き続き流動性を供給すると表明。
◎米国株式市場=ベア・スターンズの流動性懸念に、金融株が大幅下落、主要3指数は一時2%超下落。
欧州・英国
◎欧州連合(EU首脳会議終了後の声明)=為替の過度の変動と無秩序な動きは望ましくないと、ユーロ高に懸念を表明。 ユンケル・ユーログループ議長は、EU首脳会議が為替に関するこうした声明を発表するのはこれが初めて。プロディ・イタリア首相は、これはわれわれが直面している大きな問題で、すぐに強力な対応が必要になるだろうと発言。 シュタインブリュック独財務相は、為替の問題について米当局と来月協議を行う、財務相会合後の記者団に対し復活祭後に米国と、経済状況の評価と具体的な対応策について協議する。
◎欧州社債・CDS市場=ベア・スターンズのニュースで振れの激しい展開、主要指数が低下。
◎リープシャー・オーストリア中銀総裁=目の当たりにしているのは、米ドルの劇的もしくは大幅な下落だ。過剰とみられる最近の為替変動を非常に懸念。 3月6日のECB理事会で金融緩和策についての討議はなかった。われわれはインフレを非常に懸念している。
◎ギーブBOE副総裁=世界経済の不均衡を是正するには、多額の経常赤字を抱える国の通貨の下落が必要。少なくとも米国では不均衡が是正され始めた兆しが見える。米国の経常赤字はピークを過ぎたもようで、大幅なドル安が調整を後押しするだろう。中国など多額の経常黒字を抱える国に対するドルの下落は、その他の国に対する下落ほど大きくない。米国の経常赤字の縮小はこれら黒字国の黒字縮小と一致しない。
◎独バーデン・ビュルテンベルク州立銀行(LBBW)=仕組み証券への投資で11億ユーロの損失。
◎ヤンシャ・スロベニア首相=ユーロの対ドル相場上昇は深刻な問題。ユーロ圏財務相による先の会合でかなり適切に対処されており、首脳会議で付け加えることはない。
◎ポーランド中央銀行幹部(CNBC TVN)=ドルが下落にドル建て準備資産を最大で20%削減すべきとの考え。
◎サルコジ仏大統領=本日のEU首脳会議で、ユーロ相場に関する協議を行う。
日本・その他
◎伊吹明自民幹事長= 為替介入、日本だけの対応では難しい。強いドルが国益との米財務長官発言に注目。介入にはコメントせず。
◎町村官房長官=為替の急激な動き好ましくないというのが従来からの国際認識。