2008年3月13日 12日の海外為替市場

欧米中銀の新資金供給策は、為替市場では1日だけのドル買い+円売りで終わり、再びドル売り+円買いの相場となった。


ドルインデックス=72.271(最安値更新)、原油=108.65(最高値更新)、CRBindex=417.50(債高値更新)、EURUSD=1.5571最高値更新)、USDCHF=1.0129(最高値更新)、USDJPY=101.64円、GBPUSD=2.0280。


日経平均株価=+202.85、NYダウ=-46.57、独DAX=+74.80、英FTSE=+86.00。


アジア市場では、日本の第4四半期GDP=前期比0.9%(予想0.6%)と予想を上回る円買いと、日経平均株価の上昇からの円売りに挟まれ、持ち合いから円を買う動きが続いた。


欧州市場では、ユーロ圏1月の鉱工業生産=前月比0.9%(予想0.3%)と強くユーロ買いが強まり、中東から大口のドル売りが入り、USDEUR→GBPUSD→USDJPYとドルは下落。トルシェECB総裁の「為替の過度の動きを懸念」、ビーニ・スマギECB理の「過剰な為替の変動は経済に打撃」、ユンケル・ユーログループ議長の「為替レートの動きを引き続き非常に警戒」、との発言も明確なユーロ高阻止は見えなく、シュタルクECB理事の「理事会メンバーはインフレを懸念」発言や、米系ファンドの破綻のウワサ→投資しているアイスランドの銀行が損失のウワサもあり、ユーロ買いが続き、ついに1.55の大台を突破。


米国市場では、1.5500、1.5525、1.5550のオプションバリアを試しながらユーロ高が続き、ドル全面安が続き、序盤こそ米国株の上昇が見られたが、米ヘッジファンド流動性危機のウワサ+終盤にかけてマイナスに転じると円を買い戻す動きが強まった。


●ドル円
アジア市場のドル円は103.41円で取引が始まり、朝方の103.53円を高値に、日本のGDPが予想を上回り、仲値の実需筋の売りに102.93円まで下落、103.30~55円の狭いレンジで取引から、本邦機関投資家+アジア・中東筋の売りが続き、102.83円まで下落、日経平均株価の上昇に下げ止まり103.10円まで値を戻した。欧州市場は103.08円で取引が始まり、ユーロ円の買いに103.27円まで上昇したが、政府系ファンドの売りが続き、クロスで円を買い戻す動きが続き、ユーロ円が下落に転じると102.56円まで値を下げた。株高=円安を期待した投機筋のドル買いの調整売りが続き、ECBフィキシングでは102.22円まで値を下げたが、中東筋の買いに下げ止まり、102.25~70円のレンジから、NYダウが一時150ドル近く上昇、ロンドンフィキシングでは一時102.83円まで上昇した。米スペンディングパルス小売売上高が2003年来の下落幅となりドル売りに変わり、主要通貨でドル売りが続き、NYダウがマイナスに転じると、102円を割り込み、101.64円まで続落、06:00時では101.82円で取引されている。


●ユーロドル
アジア市場のユーロドルは1.5337で取引が始まり、朝方の1.5331を安値に、匿名カタール中銀筋「今月末までに通貨の見直しを行う」との報道や、陳中国商務相の「中国は外貨準備を様々な通貨で保有すべき」との発言に底堅く、1.5362まで上昇、ロシア筋や中銀筋の買いに1.5390まで徐々に底値を切り上げたが、利食いの売りに1.5355まで値を下げた。欧州市場は1.5356で取引が始まり、中東筋の大量の買いや、ユーロ圏の鉱工業生産が強く、1.5400を超えると短期投機筋の買いが加速、中東資本筋や東欧勢の買いが続き1.5495まで上昇した。1.5500~10のオプソンバリアを前に、アジア中銀筋のオプションプロテクトの売りに上げ止まり、トルシェECB総裁+ビーニ・スマギECB理+ユンケル・ユーログループ議長の発言に1.5445まで値を下げた。ユーロ高阻止の確固たる発言も見られず、米系カストディアン+米系証券の買いに徐々に底値を切上げた。オプションカットでは1.5505まで上昇、シュタルクECB理事から理事会メンバーはインフレを懸念+NYダウがマイナスに転じ、米スペンディングパルス小売売上げも弱く、1.5525、1.5550のオプションバリアを試し、終盤にかけては1.5571まで続伸、06:00時では1.5546で取引されている。


●ユーロ円
アジア市場のユーロ円は158.58円で取引が始まり、朝方の158.80円を高値に、日本のGDPが予想を上回ると、158.05円まで急落、日経平均株価の上昇に底堅く、一時158.03円まで値を下げたが、158.05~35円の狭いレンジで取引が続いた。欧州市場は158.28円で取引が始まり、株高=円売りの流れに投機筋の買いが強く、ユーロ圏の鉱工業生産の発表に159.14円まで急伸したが、159円台では中銀筋の売りが続き、ECBフィキシングでは158.40円まで下落、売り買いが交錯しながら158.28円まで続落となった。ユーロドルが1.55近辺で上げ渋り、ドル円が102.20~30円で下げ渋り、ユーロ円は狭いレンジで揉み合いから、米国株の上昇に、ロンドンフィキシングでは159.03円まで上昇したが、米国株が急速に上昇幅を縮小、マイナスに転じると157.96円まで急落、06:00時では158.29円で取引されている。


●主な経済指標の結果
08:50 日本 日銀金融政策決定会合議事要旨(2月14・15日分)
08:50 日本 第4四半期GDP・二次速報=前期比0.9%(予想0.6% 前回0.9%)、前期比3.5%(年率予想2.4% 前回3.7%)、デフレータ=前年比-1.3%(前回-1.3%)
08:50 日本 2月の企業物価指数=前月比0.4%(予想0.3% 前回0.2%)、前年比3.4%(予想3.3% 前回3.0%),
08:50 日本 1月貿易収支=858億円(予想731億円、前回1.0134兆円)、経常収支1.2358兆円(予想1.2490兆円、前回1.6972兆円)
18:30 英 1月の貿易収支=-75億ポンド(予想-75億ポンド 前回-75.13←-75.74億ポンド)、除くユーロ=-42.92億ポンド(-41億ポンド 前回-41.12←-40.8億ポンド)
19:00 スイス 3月の投資センチメント=-71.7(前回-55.6)
19:00 ユーロ 1月の鉱工業生産=前月比0.9%(予想0.3% 前回0.0←-0.2%)、前年比3.8%(予想2.6% 前回1.7←1.3%)→ユーロ買いとなる
00:00 米 2月のスペンディングパルス小売売上高=除く自動車-1.1%(前回0.2%)→ 2003年来の下落幅
03:00 米 2月の月次財政収支=-1755億ドル(予想-1600億ドル 前回-1199.9億ドル)


●昨日の主な発言その他
米国・カナダ
◎S&P=米金融保証CIFGを「AAA」から「Aプラス」に格下げ。
◎WSJ紙=FRBが10日に緊急FOMCを開催、新流動性対策を承認。
◎バークシャー・ハザウェイ金融保証部門責任者=米経済の低迷で地方債保証事業のリスクが強まっている。


欧州・英国
◎シュタルクECB理事=世界経済のデカップリングは不可能。理事会メンバーはインフレを懸念。08年にインフレは明確に2%超え。過剰流動性のリスクが現実化してきた。
◎ビーニ・スマギECB理事=過剰な為替の変動は経済に打撃。低金利が信用を膨らませた。信用の伸びは経済の強さを示す。インフレ期待を深刻に受け止める。市場混乱はECBの役割を困惑させた。欧州に信用ひっ迫の証左なし。
◎トリシェECB総裁(ユーロ圏・湾岸協力会議(GCC)中銀会合後の記者会見)=EURUSDの質問に→為替の過度の動きを懸念。日々の市場の動向についてはコメントしない。主要中銀による協調的流動性対策は重要。原油価格はインフレと経済に影響与える。
◎ユンケル・ユーログループ議長=ユーロ圏の財務相は為替レートの動きを引き続き非常に警戒。 米経済は景気後退の瀬戸際にありインフレは4.3%で、政策は欧州に悪影響を及ぼしかねない。2008のユーロ圏の成長率は潜在成長率をわずかに下回る伸びとなる。ECBはFRBの利下げに追随する必要はない。為替レートは経済ファンダメンタルズを反映すべき。米当局が強いドルは国益にかなうと繰り返し表明。
◎ダーリング英財務相(2008年度の議会への予算案)=2008年の英成長見通しを1.75~2.25%(2007年10月予想2.0~2.5%)、2009年は2.25%~2.75%(2007年10月予想2.5~3.0%)に下方修正。クレジット市場の大半で大きな混乱がみられ、一部はかろうじて機能している状況にある。今年に入って株式市場は世界的に影響を受けており、世界経済に対する主要リスクとなっている。BOEを含む欧米中銀が前日発表した新たな流動性対策を歓迎する。


日本・その他
"◎日銀金融政策決定会合議事要旨(2月14・15日分)
米景気の減速傾向が一段と強まっているとの見方で一致。米雇用者数の増勢鈍化ペースは一段と強まっている─多くの委員。米住宅在庫が高止まり、住宅価格の低下傾向強まっている─多くの委員。商業用不動産向け与信基準が急激にタイト化、建設投資に悪影響及ぼす可能性─米経済で複数の委員。金融政策運営の基本的考え方維持することが適当だが、以前に比べより慎重な判断が必要─1人の委員。標準シナリオが実現するとの確信持てるまでにはしばらく時間がかかる─1人の委員。米住宅価格の下落やモノラインの格下げで金融機関の損失さらに拡大する懸念─何人かの委員。米景気減速がアジアの輸出鈍化通じて日本のアジア向け輸出に影響及ぼす可能性に注意─複数の委員。世界経済の減速が輸出に及ぼす影響とあわせ今後の生産動向を注意深くみる必要─何人かの委員。"
◎野田日銀審議委員=世界金融市場には従来以上の注意が必要。日銀としては特にここで金融市場に変化をもって対応することは考えていない。循環メカニズムが瀬戸際にあるとは思わないが、赤信号に変わる可能性は否定しきれない。円高は輸出産業への影響あるが、交易条件としては良い方向。世界金融市場には従来以上の注意が必要。
◎アルサヤリ・サウジアラビア中銀総裁=ドルは値ごろ感があり買い場、過度なドルの変動は好ましくない。
◎リプスキーIMF筆頭副専務理事=ドルとユーロは世界の貿易情勢を考え合わせれば、ともに過大評価されている。
◎アブドラ・カタール中銀総裁=通貨リヤルの米ドルペッグ制について、現在の水準で当面維持。
◎陳中国商務相=中国は外貨準備を様々な通貨で保有すべき。1月末時点の中国の外貨準備は1.59兆ドル。国内のインフレ対策として人民元の上昇を促すことは困難。1月と2月のインフレ率が高い水準となったことで、政府が物価対策を講じる圧力が増した
◎匿名カタール中銀筋=今月末までに通貨の見直しを行う。