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2008年03月 アーカイブ

2008年03月01日

ヨーロッパの財閥と企業グループ 63 エネルギー資源をめぐる攻防(1)

欧州諸国、アラブ諸国、中央アジア諸国における紛争の火種は、表立っては民族の対立や宗教の対立のように見えますが、水面下では石油や天然ガスなど地下にエネルギー資源を有している国と資源のない国、そしてグローバルな展開を進める企業グループの攻防が繰り返されています。今週から軸足をエネルギー資源に移し、欧州財閥や企業グループのせめぎあいを見ていきます。


ドイツを代表するエネルギー会社「エーオン」は、電力・ガスなどを供給するヨーロッパ有数の企業グループで、世界最大規模の民営エネルギー供給会社です。ドイツ国内外で多数の原子力・火力・水力発電所を運営するほか、スウェーデンのシドクラフト社や英国のパワージェン社を買収し、それぞれ「エーオン・スウェーデン」「エーオンUK」に改名し、グループ化を進めてきました。2003年には、ドイツのガス会社「ルールガス」(後にエーオン・ルールガス)を買収し、ガス市場に参入。エーオン・ルールガスは現在、欧州20カ国以上で天然ガスを供給しています。今夏8月には、英蘭資本の石油メジャー、ロイヤル・ダッチ・シェルからノルウェー海にある2カ所のガス田の権益28%を取得することで合意したと発表しました。取引額は8億9,300万ドルとのことです。


石油や天然ガス、電力などエネルギーをめぐる欧州各国の駆け引きは熾烈を極めています。国益と企業の利益を優先し、企業買収・合併はもちろんのこと、大統領や首相もトップセールスを続けています。
2005年、当時のドイツ・シュレーダー首相とロシア・プーチン大統領の臨席のもとで「ドイツ-ロシア・ガスパイプライン」が締結されました。ロシア・ドイツ共同事業として47億ドルの予算を投下して実施されるこの天然ガスパイプライン開発計画は、詳しく言えば、世界屈指の天然ガス会社であるロシアの「ガスプロム社」と、ドイツの化学薬品会社BASFグループ、エーオン社の間で締結されたものです。2010年から操業開始の予定です。


ガスプロム社はパイプライン事業体の51%の株を保有し、残りはBASF社24.5%、エーオン社24.5%という保有率です。BASF社は従業員数8万人超という世界有数の巨大企業グループで、化学業界の売上げとしては世界第一位。一方のエーオンは、世界最大規模の民営エネルギー供給会社。さらにエーオン・ルールガス社はルールガス時代に当時のエリツィン・ロシア大統領令によってガスプロムの株主となり、ガスプロム社の株式を6.5%保有しています。ルールガスは、ガスの需要のほぼ3分の1をガスプロムの供給量でまかなえるようになり、2030年までの長期にわたる供給が保証されているのです。
ちなみに天然ガスパイプライン開発を担当するロシア・ガスプロム社の共同事業体取締役会長に就任したのは、シュレーダー元首相でした。シュレーダー元首相は現在、ガスプロム社の取締役も務めています。政界引退後に安定した就職先を見つけたということです。


さて、このガスパイプラインは、ロシアのヴィボルクからドイツのグライフスヴァルトに向けて敷設されるパイプラインで、全長約1200キロメートル。陸上ではなく海底に敷設されるため、バルト海を通じて直接ドイツ-ロシア間を結ぶパイプラインとなります。このためロシアとドイツの中継地となってきたポーランドやバルト三国が猛反発しましたが、当時シュレーダー首相は、このパイプラインは「誰かに対抗するという趣旨のものではない」とバルト三国の非難を一蹴しました。


ドイツが他国から天然ガスを供給しなければいけない理由は、ドイツが新しい原子炉の建設を許可していないからです。原発に代わるクリーンエネルギーとして、ドイツでは天然ガスの消費量が年々増加してきました。ドイツのセントラルヒーティングシステムの約半数はガスによって運転されており、新築住宅の4分の3までがガス式のセントラルヒーティングシステムを導入しているとも言われています。また、天然ガスは火力発電にも使用されています。

By Master K/益田 慶

2008年3月1日  2月29日の海外為替市場

ドル安=円高相場。USDJPY=103.78円(2005年3月来の円高値)、EURUSD=1.5240(EUR最高値更新)、USCHF=1.0403(CHF最高値更新)、GBPJPY=205.98円(2月7日来の円高水準)、EURJPY=157.48円(2月14日来の円高水準)


世界的株安い。日経平均株価=-322.49円、NYダウ=-315.79ドル、独DAX=-114.39、英FTSE=-81.40。


円高が目立った1日で、ユーロドルが1.5240を高値に伸び悩む中で、ドル円が1月23日の安値104.95円を割り込み、ドル売りをリードし、103円台に突入、オプション勢の円買いに流れが加速、米シカゴ購買部協会景気指数=44.5(予想49.7)が弱くドル売りが加速している。


ドル安の中で、CAD+AUD+MZDはドルに対して弱く、カナダ第4四半期の経常収支=-5.13億カナダドル(予想-3億カナダドル)、海外収支が1999年来の赤字でUSDCAD=0.9755→0.9895まで上昇、オーストラリア中銀=AUD売り介入とのうわさや、AUDJPYの売りが強く伸び悩み、ポジション調整の売りに欧州市場の高値0.9485→終盤0.9308まで下落した。EURGBP=0.7625から、一時0.7678と過去最安値更新、米国市場では0.7626まで値を戻している。


●ドル円
アジア市場のドル円は、105.36円で取引が始まり、105.38円を高値に、米系銀行や本邦資本筋のドル売りに、1月23日の安値104.95円を割り込み、オプション勢の売りに、104.58円まで続落となったが、本邦輸入筋の長期為替の買い+証券会社の買い+オプションバリアの防戦買いに下げ止まった。ポールソン米財務長官の「強いドルは米国の最良の関心事」、「資本市場の混乱に政策で対応する」との発言を材料に、104.93円まで値を戻し、104.60~90円のレンジで揉み合いとなったが、日経平均の大幅下落+ロシア筋GBPJPYの大口売りに104.50円を割り込み、ストップロスのドル売りを誘発し104.27円まで続落した。欧州市場は104.33円で取引が始まり、一時104.23円まで下落、投機筋の利食いの買いに104.57円まで値を戻したが、オプション勢の売り+CTA筋の売りが続き、弱い欧州株にクロスでの円買い戻しが強く104.05円まで値を下げ、104.05~35円のレンジで売り買いが交錯した。シカゴ購買部協会景気指数が弱く103.85円まで下落、ロンドンフィキシングからポジション調整のドル買い戻しに104.38円まで値を戻したが、弱い米国株に円買いが強く、終盤にかけては103.78円まで続落、103.78円で取引を終了した。


●ユーロドル
アジア市場のユーロドルは、1.5191で取引が始まり、1.5210を高値に、ドル円急落+本邦資本筋のEURJPY売り+ファンド筋の利食い売りに1.5166まで値を下げたが、ドル円の下落がドル売りをリードし、1.5170~95の狭いレンジで揉み合いから、独小売売上高が強く、東欧勢の買いに前日高値1.5230を上抜け1.5240まで上昇した。欧州市場は1.5321で取引が始まり、弱い欧州株+ユーロ円売りに上値は重く、上値を切り下げながら1.5160まで徐々に値を下げた。ECBフィキシング後には1.5202まで上昇、シカゴ購買部協会景気指数が弱く1.5211まで続伸したが、ロンドンフィキシングでは1.5144まで急落、1.5150以下では政府系ファンドの買いに下げ止まり、週末のポジション調整のユーロ売りに1.5200超えは重く、1.5170~95のレンジで売り買いが交錯し、1.5188で取引を終了した。


●ユーロ円
アジア市場のユーロ円は、160.07円で取引が始まり、朝方の160.12円を高値に、ドル円が急落、159.80円を割り込むとストップロスの売りを誘発し、158.66円まで急落、本邦勢の買い+ポールソン米財務長官発言に下げ止まり、159.26円を高値に158.65~20円のレンジで売り買いの攻防が続いた。欧州市場は158.92円で取引が始まり、欧州株が弱く、クロスでの円買いが続き157.89円まで続落、一時158.45円まで値を戻したが、戻り売りは強く、オプションカットでは157.70円まで下落したが、投機筋の買い戻しに158.50円まで値を戻した。米国株が弱く、終盤にかけては157.48円まで続落、157.48円で取引を終了した。


●主な経済指標の結果
06:45 NZ 貿易収支=-3.2億NZドル(予想-2.68億NZドル 前回0.33億NZドル)
08:30 日本 1月の失業率=3.8%(予想3.9% 前回3.8%)、有効求人倍率=0.98(予想0.97 前回0.98)
08:30 日本 2月の東京都区部消費者物価指数=前年比0.4%(予想0.5% 前回0.2%)、除く生鮮食品=0.4%(予想0.5% 前回0.4%)
08:30 日本 1月の全国消費者物価指数=前年比0.7%(予想0.6% 前回0.7%)、除く生鮮食品=0.8%(予想0.9% 前回0.8%)
16:00 英 2月のネーションワイド住宅価格=前月比-0.5%(予想0.0% 前回-0.3←-0.1%)、前年比2.7%(予想3.6% 前回4.2%)
16:00 独 1月の小売売上高=前月比1.6%(予想1.0% 前回-0.2←-1.0%)、前年比0.6%(予想-1.8% 前回7.0←-6.9%)
17:30 スウェーデン 第4四半期GDP=前期比0.8%(0.7% 前回0.6%)、前年比2.8%(予想2.6% 前回2.5%)
18:00 ノルウェー 1月の小売売上高=前月比-0.5%(予想-0.7% 前回-0.7%)、前年比予想4.8% 前回5.6%
18:30 英 1月の消費者信用残高=9.41億ポンド(予想8億ポンド 前回5.96←5.6億ポンド)
18:30 英 1月の住宅貸出し=74.16億ポンド(予想84億ポンド 前回79.15←86億ポンド)、 住宅許可=7.4万件(予想7万件 前回7.2←7.3万件)
19:00 ユーロ 1月の消費者物価指数(EU基準CPI)・確報=前月比-0.4%(予想-0.4% 前回0.4%)、 前年比3.2%(予想3.2% 前回3.1%)、 コアCPI(除くエネルギー・生鮮食品)=前月比-0.8%(予想-0.8% 前回0.5%)、 前年比2.3%(予想2.4% 前回2.3%) 
19:00 ユーロ 2月のサービス業業況感指数=10(予想11 前回13←12)
19:00 ユーロ 1月の失業率=7.1%(予想7.2% 前回7.1←7.2%)
19:00 ユーロ 2月の消費者信頼感(景況感指数)=-12・100.1(予想-12・101.2 前回 -12・101.7)、企業信頼感指数=0(予想1 前回1)、業況感指数=0.72(予想0.75 前回0.77←0.78)
19:30 英 2月のGFK消費者信頼感調査=-17(予想-15 前回-13)
19:30 スイス KOF先行指数=1.65(予想1.6 前回1.75←1.7)
19:35 独 2月の消費者物価指数(CPI)・改定値=前月比-0.4%(予想0.4% 前回-0.4%)、前年比2.8%(予想2.7% 前回2.8%)、コア=前月比0.5%(予想0.4% 前回0.5%、前年比予想2.7% 前回2.8%、HICP(EU基準CPI)=前月比-0.4%(予想0.4% 前回-0.4%)、前年比2.9%(予想3.0% 前回2.9%)、コア前月比予想0.4% 前回0.7%、 前年比予想2.9% 前回3.1%
22:30 米 1月の個人所得・消費支出: 個人所得=前月比0.3%(予想0.2% 前回0.5%)、個人消費支出=前月比0.4%(予想0.2% 前回0.3%)、PCE価格指数=0.4%(前回0.3%)、前年比3.7%、コアPCE価格指数前月比=0.3%(予想0.3% 前回0.2%)、前年比2.2%(前回0.3←0.2%)
22:30 カナダ 第4四半期の経常収支=-5.13億カナダドル(予想-3億カナダドル 前回13.35←10.4億カナダドル)→海外収支が1999年来の赤字、USDCADの下落が一因。
22:30 カナダ  1月の鉱工業製品価格=前月比0.9%(予想0.8% 前回1.1%、前年比-0.1%(前回-0.7←-0.9%)、原料価格=前月比3.4%(予想0.9% 前回0.4←0.2%)、前年比17.3%(予想 前回10.3←10.0%)
23:45 米 2月のシカゴ購買部協会景気指数=44.5(予想49.7 前回51.5)→2001年12月来の低水準、生産=46.5(前回51.3)、新規受注=48.8(前回44.7)、雇用=33.5(前回47.0)、支払価格=79.4(前回81.7)
00:00 米 2月のミシガン大消費者信頼感指数・確報値=70.8(予想70.0 前回78.4)、景気現況指数=83.8(予想86.5 前回94.4)、消費者期待指数=62.4(予想60.0 前回68.1)→ 16年来の低水準、声明では個人の経済状況や経済全体の見通しは過去四半世紀で最も悲観的


●昨日の主な発言その他
米国・カナダ
◎ローゼングレン・ボストン連銀総裁=住宅価格が一段と下落すればバランスシート上の問題拡大する可能性がある。 金利が低下すれば、住宅価格はより高くなる可能性が高い。これにより差し押さえ率が低下し、住宅市場の問題が一段と拡大するとの懸念が一部緩和されるだろう。 金融政策はクレジットセクターの問題に対する万能薬ではない。
◎ロックハート・アトランタ地区連銀総裁=昨年9月以降の金融緩和は、今後の市場の信頼感および経済の回復を支援。住宅価格や資産価値の低下がクレジットカード債務とともに、個人支出を制限する可能性がある。
◎エバンズ・シカゴ連銀総裁=ひっ迫時には通常以上に急激な金利調整を実施することが可能。状況が安定すれば再び利上げする意向を明確にしなければならない。
◎ミシュキンFRB理事=モルガン・スタンレーのエコノミスト、デビッド・グリーンロー氏らがまとめたモーゲージ市場の崩壊に関する論文の反論に集中「約4000億ドルに上る米モーゲージ市場の損失により、銀行の貸し出しが大幅に減少」、「モーゲージ関連の損失でレバレッジを掛けた金融機関は貸し出しを9100億ドル減らし、2008年の米成長率を1.3%ポイント押し下げる」→ 貸し出し減の影響を過大評価。モーゲージ市場の崩壊が金融システムのより深い問題。金融市場の混乱が経済へ及ぼす影響はさらに大きくなる可能性がある。モーゲージ関連の損失が銀行の貸し出し縮小に拍車を掛けているが、証券化の急減も米経済に打撃を与えている。」
◎米投資家ロス氏=モノラインのアシュアードに最大10億ドル出資。
◎米CNBCテレビ=米アムバック救済計画は重大な問題に直面。
◎ポールソン米財務長官=資本市場の混乱に政策で対応する。強いドルは米国にとって最善の利益。


欧州・英国
◎ゴンザレス・パラモECB専務理事=信用ひっ迫は完全には解消されていない。融機関が市場関係者や投資家、規制当局に完全に情報を開示し透明性が高まったとき、恐らくひっ迫は解消される。金融機関の相互の信頼の欠如が引き続き銀行間取引を抑制し、リスクプレミアムの上昇を招いている。ECBほか各国中銀は、流動性の問題をある程度緩和できているとするが、中銀にクレジット市場の問題解決を期待することはできないし、また期待するべきではない。
◎イタリア大手銀行ウニクレディト=約50億ユーロの損失もしくは評価損を明らかにするとのうわさを否定。

外国為替 今週のマーケット 2008年3月3日-3月7日

2月最終週の為替相場は波乱含みで、ドルは各主要通貨高で大きく値を崩し、円はクロスを含め円高傾向で一週間を終え、ドルペック制度を採用いる中東諸国の通貨も上昇、アジア通貨高が進み、主要国の株価は下落する不穏なな流れとなっている。


円は3月本邦期末を控えた特殊要因による円高も大きく寄与し、日米間の金利差が急速に縮小したことも一因で、個人投資家のドル円の買い意欲が減少し、頼りの大手投機筋はサブプライム住宅問題を引きずり、金融機関の業績が悪化もあり、高金利通貨のAUDやNZDに対しても、短期的な動きは別として中長期的な円売りが難しくなっている。非常に信憑性は薄いものの、財務省がドル安懸念から円転しているとの噂が円高の要因とのウワサも流れていた。


ドル資金調達が可能な投機筋では、FRBの積極的な利下げと資金供給により、安いドル資金を調達し、ドル売り→他通貨買いのドルキャリートレードが増加しているともある。


これからの流れは、ドル円の動向が鍵となりそうで、EURUSDやGBPUSDにしても、ドルの下落率は弱まり、通貨当局者のけん制発言を意識しながら、一方的なドル売りもそう長く続くことも難しい。しかし、円は、仮に主要通貨でドル売りからドル買いに変わったとしても、ドル円の上昇力は他の通貨よりは一段と弱く、クロスでは円高傾向が進む可能性が高い。


主要国の政策金利の発表が多く、カナダは利下げ、オーストラリアは利上げに見通しに、クロスではAUDCADが直前まで投機の対象となりやすい。イングランド銀行は最近までの利下げ観測は弱まり、金利据え置きに変わりポンド買いの流れを作っているが、年内では5.25%→4.75%の引き下げ見通しが強く、欧州中銀は目先の利下げ観測は極めて少ないものの、4.0%→3.25%までの引き下げ予想は相変わらず強く、不透明なFRBは別として、利下げの可能性が極めえ低い円やスイスい対しては弱含む可能性が高い。


経済指標では、非常に重要な経済指標が多く、雇用・インフレ・住宅・成長関連が注目され、メインイベントは、7日の米雇用統計と各国の政策金利の発表である。
米雇用統計の非農業部門雇用者数は、前回予想外の-17,000人となったことで、FRBは緊急に金利引き下げを実施し、今回も予想25,000人を大幅に下回ることがあれば、金利引き下げ予想が減少している3月18日のFOMCで、再び利下げ観測が台頭しドル売りの流れが加速しやすくなる。また、5日の米地区連銀経済報告では米経済の全体的な状況を把握でき、注目されている。


金融政策では、4日=オーストラリア中銀(予想0.25%引き上げ=7.25%)、カナダ中銀(予想0.5%引き下げ→3.50%)、6日=NZ中銀(予想8.25%据置き)、イングランド銀行(予想5.25%据置き)、欧州中銀(予想4.0%据置き)、7日=日本銀行(予想0.5%据置き)となっているが、予想外の結果に為替変動が大きくなることが予想される。


GDPでは、3日=カナダ、4日=スイス、ユーロ、5日=オーストラリア。
住宅関連では、4~7日=英HIBOS、6日=オーストラリア住宅建設許可、カナダ住宅建設許可、米中古住宅。
CPI・PPIでは、3日=ユーロCPI、4日=カナダCPI、ユーロPPI。
雇用関連では、5日=米企業人員削減数、ADP全国雇用者数。
その他では、3日=米ISM製造業景況指数、4日=オーストラリア小売売上高、バーナンキFRB議長の講演、5日=ユーロ小売売上高、米ISM非製造業景況指数、6日=米新規失業保険申請件数、7日=カナダ失業率、米雇用統計。


●3/3 (月曜日)
16.30 スウェーデン 2月の製造業PMI=予想54.9 前回54.6
17:30 スイス 2月のSVME購買部協会景気指数(PMI)=予想 前回61.6
17:55 独 2月の製造業PMI=予想54.0 前回54.4
18:00 ユーロ 2月の製造業PMI=予想52.3 前回52.8
18:30 英 2月の製造業PMI=予想51.2 前回50.6
19:00 ユーロ 2月の消費者物価指数(CPI)・速報=前年比予想3.2% 前回3.2%
22:30 カナダ 12月のGDP=前月比予想-0.2% 前回0.1%、第4四半期の年換算GDP=1.1% 前回2.9%、第4四半期GDP=予想 前回0.7%
00:00 米 2月のISM製造業景況指数=予想49.0 前回50.7
00:00 米 1月の建設支出=前月比予想-0.6% 前回-1.1%
00:00 米 2月の自動車販売台数=予想1545万台、前回1525万段
ポールソン米財務長官があいさつ
全米企業エコノミスト協会(NABE)の会合
プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁が講演「金融政策の信頼性へのシステマテチックなアプローチの利点」
ユーロ圏財務相会合


●3/4(火曜日)
08:50 日本 2月のマネタリーベース=前年比予想0.1% 前回-0.1%
09:30 豪 1月の小売売上高=前月比予想0.5% 前回0.4%
09:30 豪 第4四半期の経常収支=予想-180億豪ドル 前回-155.9億豪ドル
12:30 豪 オーストラリア中銀(RBA)金融政策発表=政策金利0.25%引上げ7.0%→7.25%を予想
15:45 スイス 第4四半期GDP=前期比予想0.5% 前回0.8%、前年比予想2.8% 前回2.9%
15:45 スイス 2月の消費者物価指数(CPI)=前月比予想0.2% 前回-0.3%、前年比予想2.4% 前回2.4%
19:00 ユーロ 1月の生産者物価指(PPI)=前月比予想0.8% 前回0.1%、 前年比予想4.9% 前回4.3%
19:00 ユーロ 第4四半期のGDP・改定値=前期比予想0.4% 前回0.8%、前年比予想 2.3% 前回2.7%
23:00 カナダ カナダ中銀(BOC)金融政策発表=政策金利0.5%引き下げ4.00%→3.50%を予想
4~7日 英 2月の「HIBOS住宅価格=前月比予想0.0% 前回0.0%、前年比予想2.6% 前回4.5%
バーナンキFRB議長が講演 「予防可能なモーゲージ差し押さえの削減」
全米企業エコノミスト協会(NABE)の会合
ミシュキンFRB理事が講演「経済見通し」
フィッシャー米ダラス地区連銀総裁が講演「インフレと成長のバランス」
EU財務相会合


●3/5(水曜日)
09:30 豪 第4四半期のGDP=前期比予想0.8% 前回1.0%、前年比予想3.9% 前回4.3%
17:55 独 2月のサービス業PMI=予想50.9 前回49.2
18:00 ユーロ 2月のサービス業PMI=予想52.3 前回50.6、CompositPMI=予想52.7 前回51.8
18:30 英 2月のサービス業PMI=予想52.1 前回52.5
19:00 ユーロ 1月の小売売上高=前月比予想0.4% 前回-0.1%、前年比予想0.1% 前回-2.0%
21:30 米 企業人員削減数=予想 前回74,986人
22:15 米 2月のADP全国雇用者数=予想20,000人 前回130,000人
22:30 米 第4四半期の非農業部門労働生産性=前期比予想1.8% 前回1.8%、単位労働コスト=予想2.1% 前回2.1%
00:00 米 1月の製造業受注指数=前月比予想-2.5% 前回2.3%
00:00 米 2月のISM非製造業景況指数=予想47.0 前回41.9
04:00 米 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
ピアナルト米クリーブランド地区連銀総裁が講演「経済・金融政策」
OPEC定例総会(ウィーン)

●3/6 (木曜日)
05:00 NZ NY中銀(RBNZ)金融政策発表=8.25%の政策金利据え置きを予想
09:30 豪 1月の貿易収支=予想-28億豪ドル 前回-19.36億豪ドル
09:30 豪 1月の住宅建設許可件数=前月比予想5.0% 前回-16.0%
14:00 日本 1月の景気動向調査・速報: 先行指数予想30.0 前回45.5、一致指数予想22.2 前回70.0
15:45 スイス 2月の失業率=季節調整前予想2.8% 前回2.8%、季節調整後2.5% 前回2.5%
20:00 独 1月の製造業受注=前月比予想0.2% 前回-1.7%、出荷=前月比予想0.4% 前回0.8%
21:00 英 イングランド銀行(BOE)金融政策発表=5.25%の政策金利据え置きを予想
21:45 ユーロ 欧州中銀(ECB)金融政策発表=4.0%の政策金利の据え置きを予想
22:30 カナダ 1月の住宅建設許可=前月比予想1.0% 前回0.4%
22:30 米 新規失業保険申請件数(3/2までの週)=予想36.0万件 前回37.3万件
00:00 カナダ 2月のIvey購買部協会指数(PMI)=予想56.0 前回56.2
24:00 米 1月の中古住宅販売保留=前月比予想-1.0% 前回-1.5% [前月比] -1.5% -1.0%
ローゼングレン米ボストン地区連銀総裁が講演
トリシェECB総裁が記者会見
ガイトナーNY連銀総裁が講演 「現在の金融課題:政策と規制の意味合い」
プール米セントルイス地区連銀総裁が講演 「ファイナンス:成長と不安定の原動力」

●3/7 (金曜日)
日銀金融政策決定会合=0.5%の政策金利据え置きを予想
15:00 日本  3月の金融経済月報・基本的見解
20:00 独 1月鉱工業生産=前月比予想0.4% 前回0.8%
21:00 カナダ 2月の失業率=予想5.9% 前回5.8%、雇用ネット変化=予想0.8万件、前回4.64万件
20:00 ユーロ 1月のユーロ圏OCED先行指標=予想 前回98.1
22:30 米 2月の雇用統計: 失業率=予想5.0% 前回4.9%、非農業部門雇用者数=予想25,000人 前回-17,000人、時間当たり賃金=予想0.3% 前回0.2%、週間労働時間=予想33.7時間 前回33.7時間
05:00 米 1月の消費者信用残高=予想70億ドル 前回45億ドル
フランス中銀主催のグローバル化と世界のインフレに関するシンポジウム、トルシェECB総裁、ノワイエ仏中銀総裁が参加
米FRB高官がパネルディスカッションに参加
フィッシャー米ダラス地区連銀総裁
イエレン米サンフランシスコ地区連銀総裁
コーンFRB副議長 が講演「金融政策行動の意味合い」
ミシュキンFRB理事が講演「為替レートと金融政策」

2008年3月3日 ユーロ圏消費者物価指数 カナダGDP アメリカISM製造業景況指数

17:15 (香港) 1月小売売上高-価格
17:30 (スイス) 2月SVME購買部協会景気指数
19:00 (ユーロ圏) 2月消費者物価指数・速報
22:30 (加) 12月GDP
22:30 (加) 第4四半期GDP
24:00 (米) 2月ISM製造業景況指数
24:00 (米) 1月建設支出

2008年3月4日 豪RBAキャッシュターゲット  ユーロ圏生産者物価指数 カナダ中銀政策金利発表

08:50 (日) 2月マネタリーベース
09:30 (豪) 1月小売売上高
09:30 (豪) 第4四半期経常収支
12:30 (豪) RBAキャッシュターゲット
15:45 (スイス) 第4四半期スイスGDP
15:45 (スイス) 2月消費者物価指数
19:00 (ユーロ圏) 1月生産者物価指数
19:00 (ユーロ圏) 第4四半期GDP・改定値
23:00 (加) 中銀政策金利発表

2008年3月5日 豪GDP 米ADP全国雇用者数 米地区連銀経済報告

09:30 (豪) 第4四半期GDP
19:00 (ユーロ圏) 1月小売売上高
22:15 (米) 2月ADP全国雇用者数
22:30 (米) 第4四半期非農業部門労働生産性
22:30 (米) 第4四半期単位労働費用
24:00 (米) 1月製造業受注指数
24:00 (米) 2月ISM非製造業景況指数
28:00 (米) 米地区連銀経済報告

2008年3月6日 RBNZオフィシャル・キャッシュレート  BOE政策金利発表  欧州中銀金融政策発表

日銀金融政策決定会合(~7日)

05:00 (NZ) RBNZオフィシャル・キャッシュレート
08:50 (日) 3/1までの対外及び対内証券売買契約等の状況
09:30 (豪) 1月貿易収支
09:30 (豪) 1月住宅建設許可件数
14:00 (日) 1月景気動向調査・速報
15:45 (スイス) 2月失業率
16:45 (仏) 第4四半期失業率
16:45 (仏) 1月財政収支
20:00 (独) 1月製造業受注
21:00 (英) BOE政策金利発表
21:45 (ユーロ圏) 欧州中銀金融政策発表
22:30 (加) 1月住宅建設許可
22:30 (米) 3/2までの週の新規失業保険申請件数
24:00 (加) 2月Ivey購買部協会指数
24:00 (米) 1月中古住宅販売保留

2008年3月7日 ドイツ鉱工業生産 アメリカ失業率 

日銀金融政策決定会合(6日~発表)

15:00 (日) 3月金融経済月報・基本的見解
20:00 (独) 1月鉱工業生産
21:00 (加) 2月失業率
21:00 (加) 2月雇用ネット変化
22:30 (米) 2月失業率
22:30 (米) 2月非農業部門雇用者数
29:00 (米) 1月消費者信用残高

2008年03月02日

2008年3月2日 今週の為替戦略

最近の米景気先行指標は弱く、3月18日のFOMCでは引き続き利下げ観測が強くなっている。FF先物08年3月限は2.665%で、政策金利2.75%(確率40.5%)、2.5%(確率18.3%)を折り込んでいる。


今週発表される米雇用統計は非常に重要で、1月22日の緊急FOMCでは0.75%の利下げを決定、1月30日のFOMCでは更に0.5%の大幅利下げに踏み切り、2月1日の1月雇用統計の非農業部門雇用者数は予想6.3万人に対して-1.7万人と大幅減少していたことで、この統計を事前に察知し、雇用の悪化による影響を事前に予防したとの思惑も強く流れていた。今週もこの数字しだいでは相場が急変することは間違いない。


ドルは各主要通貨高で大きく値を崩し、円はクロスを含め円高傾向で一週間を終えた。ドルペック制度を採用いる湾岸諸国でも、廃止に至らないにしても、自国通貨の切り上げ観測高待っている。サウジリヤル=1986年以降3.75リヤルの固定を上抜け上昇し、アラブ首長国連邦(UAE)ディルハムは切り上げを折り込んでいる。クウェートは昨年5月に続いて、2度目となる通貨ディナール切り上げを実施し6%以上も上昇。カタール・リヤルのフォワードレートは、今後9ヶ月で3%程度の上昇を折り込んでいる。


一方、アジア通貨高が進み、シンガポールドル、マレーシアリンギ、タイバーツが約10年ぶり高値に上昇。タイ政府は資本規制を廃止する見込みで、シンガポール通貨庁はSGDの上昇を抑えるために介入を継続しているとの観測が流れ、ミッドポイントを変更するとのウワサも流れている。


海外市場では、ドル資金調達が可能な投機筋が、FRBの積極的な利下げと資金供給により、安いドル資金を調達し、ドル売り→他通貨買いのドルキャリートレードが増加し、ドル売りに拍車をかけているとの記事も見られた。


今週は、スイスフランと円の動向が注目され、特にドル円が注目される。ユーロドルが1.5台に上昇したことで、輸出の減少=景気鈍化に拍車がかかるか可能性もあり、既に経済界やフランス政府からは,ECBにユーロ高是正を求める声が聞こえる。仮に主要通貨でドル売りからドル買いに変わったとしても、ドル円の上昇力は、金利差縮小により以前ほど強まることは予想できず、クロスでは円高傾向が進む可能性や、株価下落=円高、株価上昇=円安と、相変わらずの株価連動の為替相場が続く可能性も強い。


今週は主要国の政策金利の発表が多く、カナダは利下げ、オーストラリアは利上げに見通しに、クロスではAUDCADが直前まで投機の対象となりやすい。イングランド銀行は最近までの利下げ観測は弱まり、金利据え置きに変わりポンド買いの流れを作っているが、年内では5.25%→4.75%の引き下げ見通しが強く、欧州中銀は目先の利下げ観測は極めて少ないものの、4.0%→3.25%までの引き下げ予想は相変わらずで、不透明なFRBは別として、これらの通貨は利下げの可能性が極めて低い円やスイスに対しては弱含む可能性が高い。


主要通貨を比較:
Weeklyベースの比較で、終値を比較してみると:
各通貨で非常に激しい変動となり、株価は急落しているわけでないが、将来の金融不安が続くとの思惑なのか、CHFの歴史的最高値を更新しているUSDCHF(-4.09%)を筆頭に、USDJPY(-3.16%)と激しく下落(通貨高)、商品価格やエネルギー価格が最高値を更新して上昇しているのに、コモディテー通貨のAUDUSD(0.71%)と上昇幅は少なく、USDCAD(-2.46%)は景気鈍化と利下げ観測に、他に比べたら上昇幅は鈍く、NZDUSD(-1.30%)は利上げ観測が弱まり値を下げた。NYダウ=12266.39(12381.02)、日経平均=13603.02(13500.46)、CRB=412.73(398.68)、原油=101.72(98.81)、金=973.1(947.8)


USDJPY OPN HI LW CLS  前週比 前週比% 週間レンジ
22-Feb-08 107.83 108.37 106.71 107.14 -0.66 -0.61% 1.66
29-Feb-08 107.31 108.22 103.70 103.75 -3.39 -3.16% 4.52


EURUSD OPN HI LW CLS  前週比 前週比% 週間レンジ
22-Feb-08 1.4678 1.4863 1.4611 1.4830 1.480 1.01% 2.52
29-Feb-08 1.4837 1.5240 1.4778 1.5180 3.500 2.36% 4.62


USDCHF OPN HI LW CLS  前週比 前週比% 週間レンジ
22-Feb-08 1.0933 1.1048 1.0835 1.0853 -0.790 -0.72% 2.13
29-Feb-08 1.0850 1.0930 1.0403 1.0409 -4.440 -4.09% 5.27


GBPUSD OPN HI LW CLS  前週比 前週比% 週間レンジ
22-Feb-08 1.9571 1.9709 1.9363 1.9672 0.590 0.30% 3.46
29-Feb-08 1.9692 1.9972 1.9615 1.9890 2.180 1.11% 3.57


AUDUSD OPN HI LW CLS  前週比 前週比% 週間レンジ
22-Feb-08 0.9081 0.9249 0.9068 0.9240 1.510 1.66% 1.81
29-Feb-08 0.9238 0.9496 0.9215 0.9306 0.66 0.71% 2.81


USDCAD OPN HI LW CLS  前週比 前週比% 週間レンジ
22-Feb-08 1.0092 1.0197 1.0018 1.0125 0.590 0.59% 1.79
29-Feb-08 1.0127 1.0129 0.9710 0.9876 -2.49 -2.46% 4.19


NZDUSD OPN HI LW CLS  前週比 前週比% 週間レンジ
22-Feb-08 0.7898 0.8102 0.7894 0.8090 1.910 2.42% 2.08
29-Feb-08 0.8076 0.8214 0.7970 0.7985 -1.05 -1.30% 2.44


円クロスを比較:
Weeklyベースの比較で、終値を比較してみると:
激しい円高が進んでいる。流石にCHF史上最高値を更新しているUSDCHFの影響に、CHFJPYが唯一上昇しているが、それ以外では本邦資本筋の売りが激しかった、NZDJPY(-4.36%)の下げ幅は大きく、GBPJPYやAUDJPYの下げも目立ち、コモディテー通貨は円に対しても弱含みの推移となった。


AUDJPY OPN HI LW CLS 前週比 前週比% 週間レンジ
22-Feb-08 97.90 99.54 97.76 98.92 0.940 0.96% 1.78
29-Feb-08 99.13 100.51 96.47 96.54 -2.38 -2.41% 4.04


GBPJPY OPN HI LW CLS 前週比 前週比% 週間レンジ
15-Feb-08 208.83 213.86 206.78 211.37 2.530 1.21% 7.08
29-Feb-08 211.30 213.38 205.95 206.32 -4.42 -2.10% 7.43


CADJPY OPN HI LW CLS 前週比 前週比% 週間レンジ
22-Feb-08 106.81 107.56 104.99 105.74 -1.290 -1.21% 2.57
29-Feb-08 105.92 109.61 104.80 104.96 -0.78 -0.74% 4.81


EURJPY OPN HI LW CLS 前週比 前週比% 週間レンジ
22-Feb-08 158.30 159.60 157.70 158.88 0.600 0.38% 1.90
29-Feb-08 159.24 161.43 157.46 157.49 -1.39 -0.87% 3.97


AUDJPY OPN HI LW CLS 前週比 前週比% 週間レンジ
22-Feb-08 97.90 99.54 97.76 98.92 0.940 0.96% 1.78
29-Feb-08 99.13 100.51 96.47 96.54 -2.38 -2.41% 4.04


CHFJPY OPN HI LW CLS 前週比 前週比% 週間レンジ
22-Feb-08 98.59 98.87 97.91 98.72 0.150 0.15% 0.96
29-Feb-08 98.86 100.51 98.54 99.60 0.88 0.89% 1.97


NZDJPY OPN HI LW CLS 前週比 前週比% 週間レンジ
22-Feb-08 85.16 86.88 85.08 86.61 1.450 1.70% 1.80
29-Feb-08 86.66 88.09 82.79 82.83 -3.78 -4.36% 5.30


IMM通貨先物:
公表値を比較して見ると:
先週の前半時点での数字だけに、JPYとCHFのロングはまだ少なく、AUDとNZD以外ではロングポジションが増加し、ドルの先安感が強まっていた。特にEUR・CADのロングの増加が目だし、先安センチメントが強かったGBPもネットロングに変化していた。週後半にはEUR・CHF・JPYの上昇に、ロングポジションが拡大したことが予想される。


JPY Long Short Net
19-Feb-08 80,805 30,361 50,444
26-Feb-08    70,188 35,899 34,289


EUR Long Short Net
19-Feb-08 60,926 46,196 14,730
26-Feb-08 75,598 43,820 31,778


GBP Long Short Net
19-Feb-08 25,606 37,763 -12,157
26-Feb-08 30,642 27,005 3,637


CHF Long Short Net
19-Feb-08 23,979 22,992 987
26-Feb-08 32,085 23,313 8,772


CAD Long Short Net
19-Feb-08 33,387 21,440 11,947
26-Feb-08 50,323 24,139 26,184


AUD Long Short Net
19-Feb-08 58,464 18,044 40,420
26-Feb-08 57,201 20,357 36,844


NZD Long Short Net
19-Feb-08 16,735 1,608 15,127
26-Feb-08 16,954 1,421 15,533


今後の金利予想は:
国  予定日 現行政策金利 予想          
USD 3月18日 3.0%  0.25%利下げ~据置きを予想(Fed Funds Target Rate)
EUR 3月 6日 4.0%  金利据え置きを予想(Refi Rate)
GBP 3月 6日 5.25%  金利据え置きを予想(Base Rate)
JPY 3月 7日 0.50%  金利据え置きを予想(OverNight Call Rate)
AUD 3月 4日 7.0%  0.25%の利上げを予想(Cash Rate)
NZD 3月 5日 8.25%  金利据え置きを予想(Cash Rate)
CHF 3月13日 2.75%  金利据え置きを予想(3 month Libor target)
CAD 3月 4日 4.0%  0.25%の利下げを予想(OverNight Rate)
NOK 3月13日 5.25%  0.25%の利上げを予想 (Sight deposit)
SEK 4月23日 4.25%  金利据え置きを予想 (Repo rate)


経済指標では、非常に重要な経済指標が多く、雇用・インフレ・住宅・成長関連が注目され、メインイベントは、7日の米雇用統計と各国の政策金利の発表である。
米雇用統計の非農業部門雇用者数は、今回も予想25,000人を大幅に下回ることがあれば、金利引き下げ予想が減少している3月18日のFOMCで、再び利下げ観測が台頭しドル売りの流れが加速しやすくなる。また、5日の米地区連銀経済報告では米経済の全体的な状況を把握でき、注目されている。


金融政策では、4日=オーストラリア中銀(予想0.25%引き上げ=7.25%)、カナダ中銀(予想0.5%引き下げ→3.50%)、6日=NZ中銀(予想8.25%据置き)、イングランド銀行(予想5.25%据置き)、欧州中銀(予想4.0%据置き)、7日=日本銀行(予想0.5%据置き)となっているが、予想外の結果に為替変動が大きくなることが予想される。


GDPでは、3日=カナダ、4日=スイス、ユーロ、5日=オーストラリア。
住宅関連では、4~7日=英HIBOS、6日=オーストラリア住宅建設許可、カナダ住宅建設許可、米中古住宅。
CPI・PPIでは、3日=ユーロCPI、4日=カナダCPI、ユーロPPI。
雇用関連では、5日=米企業人員削減数、ADP全国雇用者数。
その他では、3日=米ISM製造業景況指数、4日=オーストラリア小売売上高、バーナンキFRB議長の講演、5日=ユーロ小売売上高、米ISM非製造業景況指数、6日=米新規失業保険申請件数、7日=カナダ失業率、米雇用統計。


●ドル円
ドル円は、3月の本邦決算期末による特殊要因のリパトリの円買い、円安を見越したオプション勢の巻き戻し、実需筋のドル売り予約の遅れ等、理由を捜せば沢山あるが、日米間の金利差縮小もその要因の一つであることは間違いが無い。最近の世界的な株価低迷も円にとってはプラス材料で、100円を割る大相場を予想する向きが少ないことも、円ロングが溜まりにくいことになり、逆の意味で気になる。


ドル円のWeeklyチャートは、下降トレンドの中間地点の持ち合いから、レンジの下限を割り込み下落が続いている。上値のポイントは、104.96円、105.55円、106.15~28円、107.77円。下値のポイントは、103.70円、102.61円、99.70円、98.91円。RSIは33とトレンドのある下落が続き、トレンドモメンタムは売りを継続している。103.70円近辺はMonthlyの長期下値サポートラインに当り、非常に重要である。全てに渡りドル売りサインが続き、この水準を割り込むと、102.61円、そして、2005年1月17日の101.67円がターゲットになる。逆にこの水準を維持できれば、105.55円までの戻り局面が予想できるが、それでも下値のリスクは続く。Daily=売り、Weekly=売り、Monthly=売り。


●ユーロドル
ユーロドルは、FRBの相次ぐ利下げに何れ米国経済が立ち直り、インフレを恐れ利下げできないでいる欧州や英国の景気が悪化し、ドル高へ動くと予想するコメントも相変わらず多い。しかし、米国の立ち直りを示す材料はと乏しく、バーナンキFRB議長の議会証言でも、弱気な発言もあり、景気先行指標はリセッションを示していることで、流石のユーロドルも1.500を底値に、何処まで上昇できるか試すことが予想できる。しかし、欧州の経済成長率の鈍化が予想され、急騰する可能性も低い。


ユーロドルのWeeklyチャートは、上昇トレンドが続き、ラインの中間から上限近くで取引が続いている。上値のポイントは、1.5261、1.5302、1.5394。下値のポイントは、1.5012~29、1.4966、1.4949、1.4882。RSIは67と緩やかな上昇が続きトレンドのある買いとなっており、トレンドモメンタムは売りから買いに変化している。トータルの判断は、昨年11月から続いた1.44~1.50の長い揉み合いを上抜けした事で、ユーロ高の傾向は変わらず。1.5302をクリアに上抜ける上昇が加速するが、上昇ラインの上限に位置し、1.500~1.5261のレンジで取引が続く可能性も残る。Daily=買い、Weekly=買い、Monthly=買い


●ポンド円
ポンド円は、3月のECB利下観測も薄れ、ドル円の下落傾向を意識しながらも、ポンドドルが1.9350~2.000のレンジでトリプルボトム、トリプルトップとなり、いずれの方向でも抜けたら値動きが加速することが予想される。ポンド円は売り傾向が続き、目先はこの流れに乗りたいが、ポンドドルが上抜けしたら、売りポジションは手仕舞い、買いも選択肢。


ポンド円のWeeklyチャートは、下降トレンドの中間から下限で取引され、目先は204.50~214.50円のレンジで取引されている。上値のポイントは、207.50円、209.46円、212.72円、214.40円。下値のポイントは、円、208.08円、205.56円、205.08~29円、204.60円。RSIは32と下降ラインが続き、トレンドモメンタムは売りを継続している。トータルの判断は、売りだが、204.50~60円を割り込むまでは、積極的に売り込むことも難しい。売りポジションを維持しながらも、204.50~214.50円レンジを抜け出した方向に動きやすくなっている。Daily=売り、Weekly=売り、Monthly=売り。

2008年03月03日

ヨーロッパの財閥と企業グループ 64 エネルギー資源をめぐる攻防(2)

EUは通貨統合に続いてエネルギー市場を自由化し、段階的にではあるが単一市場への道を歩んでいます。まず1987年に域内の電力自由化構想を提唱。97年に「EU電力市場規制緩和指令」が成立発効。これによって加盟諸国は2年以内に国内市場を自由化する立法措置を講じることが義務づけられました。具体的には、2000年に年間2000万キロワット時以上、2003年には900万キロワット時以上の大口需要家を対象にした自由化でした。


EU加盟国では、「電力指令」に先んじて英国、ドイツ、スウェーデン、フィンランドの4カ国が全面自由化し、フランスは指令に定められた最低限(30%)にとどめて自由化しました。
こうして欧州の電気事業は再編を余儀なくされました。一方、原子力産業は発電所の発注低迷を受け、原子力関連企業の合併・買収(M&A)が進み、こちらも勢力地図は塗り替えられました。それは国境を超えたサバイバルマッチの様相を呈しています。


米ウェスチングハウス社が1998年にドイツ最大の総合電気メーカー、シーメンス」に火力発電部門を売却したのに続き、1999年には原子力部門をイギリス原子燃料会社(BNFL)に売却。さらにBNFLは2000年、電気工学の世界的リーダーABB社(スイス)から原子力事業部門を買収。また、仏フラマトム社と独シーメンスも1999年、両者の原子力事業を統合することで合意。2001年には新会社フラマトムANP社が、フラマトム社66%、シーメンス社34%の出資により設立されました。


スウェーデン・マルメ市に本社を置くシドクラフト社は、バーセベック原発やオスカーシャム原発など国内で稼働中の11基のうち4基を運営する、スウェーデン第2位の規模の電力会社ですが、株式の55%は2001年5月からエーオン社(ドイツ)が握る「外資系企業」です。原発19基があるドイツでは、大手電力4社と政府との間で200年6月、「原発は運転期間32年ですべて廃止する」ことで合意しています。そのうちり最大手がスウェーデンに進出し、第2位の電力会社を通して事業展開しているわけです。エーオングループは、ドイツを代表する企業グループではなく、欧州を代表するそれへと脱皮したのです。


スウェーデンでは96年から電力の自由化がスタート。電気料金の低下に伴って電力会社間の競争が激しくなったうえ、フィンランド最大手で原発2基を持つフォータム社が3位のビリカエナジー社の株式を100%取得するなど、他国の電力会社の攻勢にもさらされるようになっていました。さらに電力事業の基幹を占める原発について、政府が脱原発へ動いたことも大きな影響を与えました。そこでシドクラフト社は原発を廃止し、欧州全域への進出に活路を見いだすエーオン社の傘下に入ることで、電力自由化、脱原発時代の生き残りを図るという方向を選んだのです。


ドイツも98年の電力自由化スタート以来、海外企業の進出が激しく、再編が進みました。自由化スタート前まで電力供給の90%を占めてきた大手8社は4社に合併され、そのうちドイツに本社を構える企業は2社だけで、半分は外資系です。1社は99年からフランスの原発58基すべてを保有するフランス電力公社(EDF)による買収が進み、株式の34・5%と事実上の経営権を握られています。もう1社はスウェーデンで原発6基を経営するバッテンフォール社によって子会社化されました。将来の原発全廃を宣言したドイツは、代替エネルギーの確保に奔走中で、ロシアから天然ガスを輸入するとともに、電力の輸入も行わざるを得ない状況です。そこに欧州のエネルギー企業が進出する余地があり、この競争に負ければ、ドイツは海外資本に占められてしまうかもしれません。


ドイツ企業がスウェーデン企業を買収し、フランス企業がドイツ企業を買収する……エネルギーをめぐって、まるで「第一次欧州大戦」が始まったかのような様相です。


By Master K/益田 慶

2008年3月3日 本日の為替戦略

いよいよ3月が始まり、来週3月10日からは北米市場ではサマータームに移行し、今週は冬時間では最後の週となる。


先週末の海外市場では米国株価は大きく値を下げドル売りと円買いが続いたが、3日(月曜日)のアジア市場でもこの影響を強く受けることは必至で、アジア株や日経平均株価の下落が予想され、株安=円高のシナリオになりやすい。


先週末がドル円では安値圏で終了、ポジション調整のドル買い戻しが弱いものだったことを考えれば、オセアニア市場や早朝のアジア市場から円高を試す動きが考えやすく、後は、株価を見ながらの取引になりそうである。


本日の経済指標では、景気の先行指標となる製造業PMIが、スウェーデン、スイス、独、ユーロ、英国の各国で発表される。米国ではISM製造業景況感指数発表され、市場センチメント先行して読み取ることができる。また、ユーロCPI、カナダGDPも注目したい。


●ドル円
ドル円は、先週末の米国株価下落の影響は避けられず、日本株安=円高にどこまで下げるのか試すことになりそうである。しかし、通貨当局者から円高をけん制する発言も子の水準まで円高になれば意識する必要があり、本邦輸出企業にとってはダメージが大きい。103.50~80円の水準では長期的な上昇ラインが横たわり、重要なポイントに極近づいており、下抜けできないようならばドルの買い戻しも入りやすくなる。


ドル円の4時間チャートは、105.50円~108.50円のレンジの下限を割り込み、上値を失敗した反動に大きく値を下げている。上値のポイントは、104.34円、104.74円、105.40円。下値のポイントは、103.50~65円、103.27円、102.56円。RSIは10と最近には無い低い水準で下降ラインを続け、トレンドモメンタムも売りを継続している。トータルの判断は、売りの流れは続き、103.50~65円を維持できれば105.40円近くまでの戻りも期待でき、戻り売り相場となるが、割り込むと103.27~102.56円がターゲットとなる。


●ユーロドル
ユーロドルは、28日の高値1.5230を29日にやっと10ポイントだけ上回り1.5240まで上昇、終値でも28日1.5198、29日1.5180を少しだが値を下げている。イメージはドル大幅下落にもかかわらず、実のところは伸び悩みユーロ買いにやや警戒感が流れている。今週金曜日の米雇用統計を前に大きく値を下げるとも思えず、ユーロ買いの流れを考えれば、調整局面を待ち押し目で買いになりそうである。


ユーロドルの4時間チャートは、上昇トレンドの上限を抜け、新たな上昇トレンドが形成され、ラインの中間から上限で取引されている。上値のポイントは、1.5262、1.5297、1.5436。下値のポイントは、1.5173、1.5135~46、1.5072、1.5035。RSIは75と上昇ラインが続き、トレンドのある上昇が続き、トレンドモメンタムは買いを継続している。トータルの判断は、1.52近辺で相当売り買いが交錯しており、1.5135~46まで待って買い。1.5035を割り込むまでは買いが続く。


●ポンド円
ポンド円は、3日間で213円→206円まで7円近く急落しトリプルトップを形成し、今度はトリプルボトムを試すことになる、204円半ばが非常に重要になっている。ポンドドルが1.94~2.00のレンジの上限近くで比較的堅調に推移し、現時的ではポンドドルの売りがポンド円を先導するシナリオも考え難く、残るはドル円の相場如何となるが、これが警戒を要する水準だけに、どうも扱い難い。


ポンド円の4時間チャートは、目先は急落しているが、205.90~213.85円、204.50~214.00円の大きなレンジでの取引が続いている。上値のポイントは、207.49円、208.44円、208.75円、208.92円、209.98~04円。下値のポイントは、205.87円、204.58円、204.28円、195.10円。RSIは25で下降ラインが続き、トレンドモメンタムも売りが続いている。トータルの判断は、2月7日の安値205.87円に迫り、これを割り込むと204.55まで下落する可能性が高まり、これを割り込むには相当のエネルギーと材料が必要となるが、長期間続いた204.50~214.00円のレンジをブレークすると中期的には195.10円までの大幅な下落に繋がる可能性が高まる。

 
●本日の経済指標・その他
16.30 スウェーデン 2月の製造業PMI=予想54.9 前回54.6
17:30 スイス 2月のSVME購買部協会景気指数(PMI)=予想 前回61.6
17:55 独 2月の製造業PMI=予想54.0 前回54.4
18:00 ユーロ 2月の製造業PMI=予想52.3 前回52.8
18:30 英 2月の製造業PMI=予想51.2 前回50.6
19:00 ユーロ 2月の消費者物価指数(CPI)・速報=前年比予想3.2% 前回3.2%
22:30 カナダ 12月のGDP=前月比予想-0.2% 前回0.1%、第4四半期の年換算GDP=1.1% 前回2.9%、第4四半期GDP=予想 前回0.7%
00:00 米 2月のISM製造業景況指数=予想49.0 前回50.7
00:00 米 1月の建設支出=前月比予想-0.6% 前回-1.1%
00:00 米 2月の自動車販売台数=予想1545万台、前回1525万段
ポールソン米財務長官があいさつ
全米企業エコノミスト協会(NABE)の会合
プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁が講演「金融政策の信頼性へのシステマテチックなアプローチの利点」
ユーロ圏財務相会合

小さな政府江戸幕府 18 江戸の行政 都市政策(「時の鐘」の運営)

落語や怪談噺に出てくる「草木も眠る丑三つ時」。丑三つ時は、江戸時代の時間の表記だ。干支と干支の間の2時間をさらにさらに細かく4つに分け、丑一つ(2:00~2:30)、丑二つ(2:30~3:00)、丑三つ(3:00~3:30)、丑四つ(3:30~4:00)と数えた。丑三つ時は午前3時から3時半ということになる。


時刻を報じる鐘「時の鐘」が都市政策の一環として設置されたのが江戸時代である。当然のことながら暦は時計という概念が浸透する前から存在した。日本では中国から伝わった暦法を長い間用いてきたが、江戸時代に日本独自のものになった。当時の時刻の取り方は「不定時法」と呼び、日の出と日の入りを基準に昼と夜のそれぞれを六つに割って一刻(いっとき)と定めた。


したがって一刻は季節によって長短が生まれた。
1626年、江戸城から近い本石町(現在の日本橋)に鐘楼が建てられ、鐘役が鐘を鳴らして時刻を知らせたのが「時の鐘」の起源である。石垣の上に四本足の楼が建てられ、大型の梵鐘を吊るし、一定の時刻になるとその時刻の数の鐘(たとえば現在の午後6時に該当する暮れ六つなら6回)を叩いたのだ。


よく混同しがちなのが火の見やぐら。こちらは消防や自衛のために町ごとに置かれた詰所(番屋)に常駐する番人が町全体を見渡せるよう、番屋に櫓を組んで一段高い場所に置いた見張台で、火事や洪水が発生したときに半鐘を鳴らす場所でもある。鐘楼は消防には使われず、あくまでも「時の鐘」を叩く目的のためだけに設置された建造物だ。浅草寺や目白不動にも設置されたので、お寺の梵鐘にも見えるが、寺院が管理したわけでも町人の自主管理でもなかった。これは後述する。


本石町に鐘楼が建てられる以前は江戸城で太鼓を鳴らして時刻を知らせたが、さすがに江戸市中には届かなかったようだ。その後、浅草、上野、芝など9ヵ所に鐘楼が建てられ、順次鐘の音をリレーして時を知らせたという。江戸の街区拡大とともに、「時の鐘」の数も増え、最終的に15ヵ所となった。音で時刻を知らせる時計が大江戸に15個設置されたというわけだ。


「時の鐘」は江戸以外の城下町や京都、長崎などの都市にも設置された。
鐘楼の運営は意外なことに町人ではなく、幕府の管理下に置かれていた。鐘楼の設置場所、「鐘役銭」の徴収額、徴収範囲、鐘楼の建設・修理、鐘を鳴らす鐘役の交代など、すべて管轄の奉行所の許可が必要であった。鐘役銭とは「時の鐘」の運営費のことで、時の鐘が聞こえる範囲にある町の住民から1所帯月額銭4文を徴収した。言うなれば「時報税」といったところか。鐘役は名跡相続による世襲制で、幕府が命じた者がその仕事に就いたという。世襲制の公務員のような職種である。


こうして幕府は「時の鐘」という都市生活に欠かせないシステムをつくり、管理したという。江戸の人々はその政策のもと、統一した時刻報知によって生活を営んでいたのである。これは武家や町人に統一された時間の認識が必要になったことを物語っている。これを専門に書いた書物はないが、国の近代化に必要なOSのようなものである。徳川コンツェルンやその支社長のもとで働くサラリーマンである武家は、江戸城へ登城する時間が決められていただけに正確な時間を知ることは不可欠であった。また町人にとっても納品の時間や仕事の終わりの時間を知らせてくれる「時の鐘」は重要であったと想像できる。


江戸では木戸を閉める時間も幕府によって決められていた。これは強盗や火つけに対する防犯上の政策だ。町境に木戸番と呼ばれる施設が設けられ、木戸の見張りをした。不審者を町に入れないための工夫である。木戸は夜の四つ時(午後10時)を知らせる「時の鐘」を聞いて閉鎖され、以降は左右の潜戸から通行させた。その際には必ず拍子木を打って、次の木戸に通行人が向かうことを知らせたという。これも「時の鐘」システムが機能していなければできない仕事である。


By Master K/益田 慶

2008年3月3日 FX検定 きょうの問題 日本の国際競争力

日本の国際競争力の低下が目立っている。スイスの国際経営開発研究所(IMD)によれば、1996年の日本の国際競争力はアメリカ、シンガポール、香港についで世界第4位であったが、2007年の順位は何位になっているか。


正解 24位


解説


国際経営開発研究所(IMD)の国際競争力ランキング分析方法は、各国の経済状況、ビジネスでの条件整備、企業アンケートを基本にしているが、なかでも国家の財務状況を重視する傾向がある。同様の調査に、世界経済フォーラム(WEF)による調査もあるが、こちらの調査では、2007年の国際競争力ランキングは第8位となっている。


日本の国債・地方債を合わせた長期債務残高は2008年度末には778兆円に達すると見込まれている。この他にも短期債、政府保証債などを加えると1000兆円を超えるといわれている。


長期債務残高比率は対GDP比率で177%に達し、主要国では圧倒的に高い比率である。最悪といわれるイタリアですら100%超である。EU加盟のための長期債務比率は60%以内、年間GDPの3%以内との基準がある。日本の国債発行は2008年度予算案を見ると2007年度の国債発行額である25兆4320億円を下回る25兆3480億円となる公算が強まっており、国債発行額26兆円、日本のGDP510兆円として計算した場合、発行比率は5.1%となる。国債費が21兆円の見込みなので純発行比率は1%弱となる。


仮に日本がEUに加盟したいと言っても基準に達していないためユーロの発行はできない。


日本の新規国債発行は4年ぶりに増額となり、基礎的財政収支(プライマリー・バランス)の黒字化目標である2011年達成は困難視されている。財政再建、構造改革の後退は海外投資家の失望を買い、最近の東証株価の下落は、アメリカのサブプライムローン問題が引き金となって入るが他国以上に売られているのはこのような背景があるからと思われる。


2008年は、景気後退懸念だけではなく、原油価格、穀物価格、資源価格の高騰が消費財にも及び、物価の上昇が見込まれている。これまでの安定した物価が国債費の負担増を食い止めてきたが、今後は景気後退期での金利上昇もありうる状況となる。物価上昇を無視した低金利維持は実質所得の減少につながり、景気後退の原因ともなりうる。恐れていた「悪い金利上昇」が目前に見えてきている。


国際経営開発研究所(IMD)国際競争力ランキング


順位  1996年     2007年
第1位 アメリカ    アメリカ
第2位 シンガポール  シンガポール
第3位 香港      香港
第4位 日本      ルクセンブルク
第5位 デンマーク   デンマーク
第6位 ノルウェー   スイス
第7位 オランダ    アイスランド
第8位 ルクセンブルク オランダ
第9位 スイス     スウェーデン
第10位 ドイツ     カナダ
第11位 ニュージーランドオーストリア
第12位 カナダ      オーストラリア
第13位 チリ      ノルウェー
第14位 スウェーデン  アイルランド
第15位 フィンランド  中国
第16位 オーストリア  ドイツ
第17位 ベルギー    フィンランド
第18位 台湾      台湾
第19位 イギリス    ニュージーランド
第20位 フランス    イギリス
第21位 オーストラリア イスラエル
第22位 アイルランド  エストニア
第23位 マレーシア   マレーシア
第24位 イスラエル   日本
第25位 アイスランド  ベルギー
第26位 中国      チリ
第27位 韓国      インド
第28位 イタリア    フランス
第29位 スペイン    韓国
第30位 タイ      スペイン


世界経済フォーラム(WEF)国際競争力ランキング


順位  2006年     2007年
第1位 アメリカ    アメリカ
第2位 イギリス    スイス
第3位 デンマーク   デンマーク
第4位 スイス     スウェーデン
第5位 日本      ドイツ
第6位 フィンランド  フィンランド
第7位 ドイツ     シンガポール
第8位 シンガポール  日本
第9位 スウェーデン  イギリス
第10位 香港      オランダ
第11位 オランダ    韓国
第12位 カナダ      香港
第13位 台湾      カナダ
第14位 イスラエル   台湾
第15位 フランス    オーストリア
第16位 オーストラリア ノルウェー
第17位 ノルウェー   イスラエル
第18位 オーストリア  フランス
第19位 マレーシア   オーストラリア
第20位 アイスランド  ベルギー

2008年03月04日

2008年3月4日  3日の海外為替市場

原油価格、金価格は史上最高値を更新、EURUSD=1.5276 USDCHF=1.0309と一時ドル最安値を更新、ドル円=102.60円まで一時下落。


アジア市場は、日経平均株価-610.84円とアジア株は総じて大幅下落。3月本邦本決算のリパトリと思われる円買いに円買いが進み、ドル安の流れが続いた。


欧州市場は、英製造業PMIが予想を上回り1.9828→1.9878まで上昇、ユーロ圏消費者物価指数(CPI)は前年比3.2%(予想3.2%)歴史的な高水準となったが、予想通に為替相場は動かず、欧州株価は弱くユーロ買いは鈍かったが、HSBCの好決算にポンドに買いが入り、円のショートカバーが強く、ユーロドルも1.52を何とか維持し、最高値を更新した。ストロスカーンIMF専務理事は、ユーロは過大評価、人民元と円は過小評価さ、ドルは円や人民元ほど過小評価されていないと発言したが、影響は限定的となった。


米国市場では、スミスFRB報道官、米国11:30時(日本時間4日01:30時)から公定歩合を協議すると公表、金融利下げの思惑に株価は一時下げ止まりドル全面安となった。定例の理事会で特別なことは無いとの発表に値を戻し、米ISM製造業景況指数は48.3(予想48~49.0 前回50.7)2003年4月来の低水準にも、ユンケルユーログループ議長+トルシェECB総裁発言いにドル買い戻しが強まる。カナダ第4四半期GDP0.8%(予想1.1%)2003年来の低水準に0.9839→0.9902→0.9933まで上昇。


01:30時を過ぎても、FOMCで緊急利下げも無く、米国株の下落が続き、ドル売りが強まるが、終盤にかけて、クォモNY州司法長官が、「米住宅金融公社であるフレディマックやファニーメイと独立した不動産価格査定を行なう新基準で合意したとの声明を発表」、米国株のマイナス幅が縮小、ドルの買+円売りが見られた。


●ドル円
アジア市場のドル円は103.60円で取引が始まり、これを高値に前日米国株の下落の影響を受け、日経平均株価の下落が続き、本邦機関投資家のリパトリの円買いに、102.92円まで下落、103.00~30円のレンジで取引が続いたが、オプションカット後に再び102円台に突入、103円以下のストップロスを誘発し102.60円まで続落となった。欧州市場は102.80円で取引が始まり、102.40~50円以下のストップロスを試す売りが投機筋から続いたが、102.50~60円近辺のヘッジファンド+東欧筋の買い底堅く、逆にショートカバーの買いに103円台を回復、HSBCの決算が予想を上回ったことで、103.22円まで値を戻した。103.20~30円にかけては本邦勢の売りに上値は重く、欧州株が弱く、102.75円まで下落、ECBフィキシングでは103.26円まで値を戻したが、米緊急利下げの思惑や弱い米株価に、102.80円まで値を下げた。00:00時のオプションカットと、米ISM製造業景況指数に103.58円まで急伸、米金融利下げも無く103.71円まで続伸したが、103.50円以上では実需筋+投機筋のドル売りは厚く、103.40~60円のレンジで揉み合いとなった。米国株の下落幅が拡大し、103.20円を割り込むと短期投機筋の売りが広まり、102.95円まで下落、「不動産価格査定を行なう新基準で合意」との報道に値を戻し、07:00時では103.44円で取引されている。


●ユーロドル
アジア市場のユーロドルは1.5194で取引が始まり、1.5185~25のレンジで売り買いが交錯、オプションカットでは一時1.5238まで上昇、週末最高値1.5240を試す買いが続いたが、EURJPYの売りが続き、逆に上値トライが失敗、1.5200まで値を下げた。欧州市場は1.5200で取引が始まり、上値トライ失敗の反動+弱い欧州株価+EURJPY+EURGBPの売りが続き、1.5161まで続落となったが、ユーロ圏CPIを転機に徐々に買い戻しが入り、HSBCの好決算に上昇が始まり、ロンドンフィキシングでは1.5208まで値を戻した。1.5185~10のレンジから、FOMCで公定歩合を協議するとの発表に、米緊急利下げの思惑+弱い米株価に1.5276まで急伸したが、米ISM製造業景況指数を材料としたドルの買い戻し+ユンケル・ユーログループ議長発言+通常の理事会で緊急なものではないとの発表+財務長官ドル高コミットに、ユーロは1.5200を割り込み、会合では何も発表が無く、1.5158まで続落となった。1.5180を中心に狭いレンジで取引が続いたが、米国株の下げが続き終盤にかけては1.5203まで値を戻し、07:00時では1.5206で取引されている。


●ユーロ円
アジア市場のユーロ円は157.41円で取引が始まり、157.47円を高値に、日経平均株価の下落+本邦資本筋・実需筋の売りに156.57円まで下落、一時157.13円まで値を戻したが、午後に入りアジア株価が大幅下落、156.50円を割り込むと海外勢の売りも加わり156.13円まで続落となった。欧州市場は156.13円で取引が始まり、155.95円と本日の安値水準まで下落したが、ユーロドルが1.5200を維持し、予想通りとは言え過去最高を記録したユーロ圏のCPIに156.60円まで値を戻した。欧州株は弱く+本邦資本筋の売りに156.00円まで再び下落したが、HSBCの好決算に徐々に底値を堅くなり、ECBフィキシングでは156.85円まで上昇、米緊急利下げ(思惑)+株価上昇(期待)=円売り(思惑)、ユーロドル最高値更新に、157.74円まで続伸した。ユーロドルの上昇力は鈍く、緊急発表も無く、米株価は弱く、156.48円まで値を下げ、「不動産価格査定を行なう新基準で合意」との報道に値を戻し、07:00時では157.29円で取引されている。


●主な経済指標の結果
08:30 豪 2月のTD-MIインフレ指数=前月比0.3%、前年比4.0%(前回3.9%)、中銀目標レンジ2~3%も大きく超え、利上げ観測が強まる。
16.30 スウェーデン 2月の製造業PMI=55.7(予想54.9 前回54.6)
17:30 スイス 2月のSVME購買部協会景気指数(PMI)=60.5(予想60.40 前回61.6)
17:55 独 2月の製造業PMI=54.3(予想54.0 前回54.4)
18:00 ユーロ 2月の製造業PMI=52.3(予想52.3 前回52.8)
18:30 英 2月の製造業PMI=51.3(予想51.2 前回50.7←50.6)
19:00 ユーロ 2月の消費者物価指数(CPI)・速報=前年比3.2%(予想3.2% 前回3.2%)→ 過去最高
22:30 カナダ 12月のGDP=前月比-0.7%(予想-0.2% 前回0.1%)、第4四半期の年換算=0.8%(予想1.1% 前回3.0←2.9%)、第4四半期GDP=0.2%(前回0.7%)→ 2003年来の低水準
00:00 米 2月のISM製造業景況指数=48.3(予想49.0 前回50.7)→2003年4月来の低水準、新規受注=49.1(前回49.5)、雇用=46.0(前回47.1)、価格指数=75.5(前回76.0)
00:00 米 1月の建設支出=前月比-1.7%(予想-0.6% 前回-1.3←-1.1%)


●昨日の主な発言その他
米国・カナダ
◎クォモNY州司法長官=米住宅金融公社であるフレディマックやファニーメイと独立した不動産価格査定を行なう新基準で合意したとの声明を発表。
◎米議会予算局(CBO=2008年度の米財政赤字が-3570億ドルになる見通しと発表。07年度の赤字-1630億ドルを大幅に上回る。景気減速を受けた税収の減少に加え、1680億ドルもの景気刺激策により、赤字は04年以来で最大と予想。
◎プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁=金融市場の円滑な機能に影響する事態の深刻さは、単純なルールが示す水準よりも金利がおそらく幾分低くなるべきことを示している。インフレ、経済成長、労働生産性の変化に対応して金利を設定するにあたり、通常は明確なガイドラインに従うことが最善。政策金利は現行の3%を上回る水準になるだろうが、現在の市場の混乱が通常の性質のものではないことから、当面はルールから離れることが正当化される。しかし離れることは一時的かつ限定的でなければならず、通常の状態に戻れば、迅速に反転させる必要がある。
◎ウォーレン・バフェット氏(TVインタビュー)=現在の常識的な観点からすれば、われわれはリセッション入りしているS&P1300を若干上回る水準では株価は安くはない株価は安くはない。8000億ドルの地方債の再保証の交渉を打ち切った。現在の環境は原油価格急騰や高インフレ、株安を伴った1973年や74年の大幅な景気減速にはほど遠い。インフレが深刻な状況に進展する可能性。米国が抱える大幅な貿易赤字が要因となり、米ドルは今後さらに下落。
◎ポールソン米財務長官=ドルは米経済の長期的な強さを反映するだろう。強いドルは米国の利益摘。長期的な米経済のファンダメンタルズは非常に底堅くドルに反映されていく。
◎ポールソン米財務長官=公的資金による住宅市場支援を否定。
◎米ソーンバーグ=2.7億ドルの追加担保要求で債務不履行に直面。
◎スミスFRB報道官の発表=米国11:30時(日本時間4日01:30時)から、公定歩合を協議すると公表。定例の会合であり異例ではないと述べた。 定例の理事会で異例なことは何もない→ 市場では緊急利下げの思惑に株価は下げ止まる。
◎プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁=現在の状況から政策はインフレのみ焦点当てられず、成長は不安定。金融混乱はすでに経済に打撃、今後の成長を抑制する可能性。金融市場の混乱、利下げ決定に十分なほど深刻。


欧州・英国
◎トリシェECB総裁=米国は強いドル政策を再確認したと指摘した。現在の状況で米財務長官や大統領ら当局者によって確認および再確認されてきた事柄は非常に重要と考える。かれらは強いドル政策は米国の利益にかなっている。
◎ユンケル・ユーログループ議長=私の懸念と警戒感は強まり始めている。


日本・その他
◎町村官房長官=常に注視しているが、水準についてはコメント避ける。
◎福田首相=円高と言うよりもドル安。急速な変化は良くないとし、重大な関心を持って見ている。
◎津田財務次官=景気の下振れリスクがやや高まっている。為替相場や株式相場の日々の動きについては慎重に見守っていく。世界経済の見通しについて米国をはじめ先進国では減速傾向が見られるが、新興国では堅調な成長を維持すると考えている。今後とも全体としては成長が持続すると考えている。
◎ストロスカーンIMF専務理事(新聞インタビュー)=ユーロは過大評価、人民元と円は過小評価されている。ドルは円や人民元ほど過小評価されていない。IMFは中国が一段と現実的な為替相場に向かっていることを歓迎。
◎HSBC=2007年純益が191.3億ドルとなって市場予想(187.8億ドル)を上回りドル買い戻しが入る。
◎タイ中銀=バーツの変動を助長するような投機的為替取引を控えるよう銀行に要請。

3月4日 本日の為替戦略

ウォーレン・バフェット氏は、どこまで米国にたいして弱気なのか、米国リセッション入りと、ドル下落を予想する発言が多く、S&P1300台の株価が高過ぎるとも言っている。


逆に、ポールソン米財務長官は、最近の株価とドルの下落を意識してなのか、「ドルは米経済の長期的な強さを反映するだろう」、「強いドルは米国の利益摘」、「長期的な米経済のファンダメンタルズは非常に底堅くドルに反映されていく」と、ドル高をコミットしている。これに同調すべく、トルシェECB総裁は、「米国は強いドル政策を再確認した、現在の状況で米財務長官や大統領ら当局者によって確認および再確認されてきた事柄は非常に重要」と、過去のG7の声明文と同じ内容に、いやみさえ感じてならない。


一方、日本からは福田首相が「円高と言うよりもドル安、急速な変化は良くないとし、重大な関心を持って見ている」と、これもかつて聞いた模範解答で、我々の責任でなく、米国の責任と傍観者のようにも感じられる。


また、ストロスカーンIMF専務理事は、ユーロは過大評価、人民元と円は過小評価されている。ドルは円や人民元ほど過小評価されていないといっている。これも相変わらずの内容にどのように反応したらいいのか戸惑う。


ここまでドル安や人民元・円高が進むと、通貨当局者の発言が気になり、月初めでもありポジションの積み上がりの反動も意識する必要がある。特に週初は活発に動くことは多いが、週末の米雇用統計を控えたポジション調整に、ドルを買い戻すことも、そろそろ気にしたいが、一時的な反発で、先週まつからのギャップをクリアできないと、再び下げに転じる可能性が高くなる。


本日の経済指標・その他からは、金融政策で重要は発表が多く、オーストラライア中銀、カナダ中銀の政策金利が発表され、一方は引き下げ、一方は引き上げと好対照で、これらの通貨の値動きが注目される。また、スイスのGDPやCPI、ユーロ圏GDP、それと、バーナンキFRB議長の講演会も気にしたい。


●ドル円
ドル円は、先週末の終値103.75円、週初の103.60円、戻り高値103.72円と、上値の重要なポイントが見てきている。昨日の安値102.60円から一円以上の戻しに、月曜日が週の最安値だった可能性も否定できないが、米雇用統計を前に下値を試す動きは終わりそうに無い。


ドル円の4時間チャートは、幅広い下降トレンドに入り、103.65円のポイントを割り込みドル売りが加速している。上値のポイントは、103.66円、104.32円、104.70円、104.96円。下値のポイントは、102.90円、102.75円、102.60円。RSIは19と下降ラインが続き、トレンドモメンタムは売りを継続している。トータルの判断は、103.66~104.32円までの戻りを意識しながら、大きなドル売りの流れが続くそうである。


●ユーロドル
ユーロドルは、ユーロ高の影響がどのくらい深刻なのかは判断できないが、ユーロ高=インフレ抑制効果が指摘されており、昨日のユーロ圏CPIが3.2%と過去最高となったが、直後の反応はユーロ買いとならず、いささかい失望している。一方、トルシェECB総裁、ユンケル・ユーログループ議長はドル高維持を強く支持し、ユーロ高をけん制し、IMF専務理事もユーロは過大評価と発言した。もちろんこれらが為替相場へ直接影響を与えるとは考え難いが、今日のユーロ圏GDP改定値が予想を下回ると、ちょっとその影響が気になる。


ユーロドルの4時間チャートは、上昇トレンドを維持し、ラインの上限から中間近くで取引さえている。上値のポイントは、1.5261、1.5297、1.5321、1.5394。下値のポイントは、1.5150、1.5098、1.5072、1.5029。RSIは70と上昇ラインからやや、下降に転換している可能性も出始め、トレンドモメンタムはやや弱気なラインへ変わってきている。トータルの判断は、売り。戻り売りから、1.5297~1.5321を超えたら撤退。


●ポンド円
ポンド円は、ポンドドルはなかなか2.0を超えられずにいるが、高値圏で取引が続き、ポンド円は1月23日の安値204.60円を割り込んだが、逆に反発し、昨日の安値203.45円から、先週末の終値209.45円のレンジで取引が続く可能性も出ている。


ポンド円の4時間チャートは、広い下降トレンドが続き、204~214円レンジの下限を割り込みながらも、広いトレンドラインの下限近くで下げ止まりやや反発している。上値のポイントは、205.38円、206.08円、206.58円、207.28円、208.51円。下値のポイントは、204.58円、203.41円、201.46円、197.82円。RSIは24と下降ラインからやや上げてきており、トレンドのある下落が続くのか、上昇に転じるのか、見極めるときにきている。トレンドモメンタムは売りを継続。トータルの判断は、売りは一旦手仕舞いで様子見、戻りを売り、206.58円を抜けたら撤退。押し目買い、203.41円を割り込んだら撤退。

 
●本日の経済指標・その他
08:50 日本 2月のマネタリーベース=前年比予想0.1% 前回-0.1%
09:30 豪 1月の小売売上高=前月比予想0.5% 前回0.4%
09:30 豪 第4四半期の経常収支=予想-180億豪ドル 前回-155.9億豪ドル
12:30 豪 オーストラリア中銀(RBA)金融政策発表=政策金利0.25%引上げ7.0%→7.25%を予想
15:45 スイス 第4四半期GDP=前期比予想0.5% 前回0.8%、前年比予想2.8% 前回2.9%
15:45 スイス  2月の消費者物価指数(CPI)=前月比予想0.2% 前回-0.3%、前年比予想2.4% 前回2.4%
19:00 ユーロ 1月の生産者物価指(PPI)=前月比予想0.8% 前回0.1%、前年比予想4.9% 前回4.3%
19:00 ユーロ 第4四半期のGDP・改定値=前期比予想0.4% 前回0.8%、前年比予想 2.3% 前回2.7%
23:00 カナダ カナダ中銀(BOC)金融政策発表=政策金利0.5%引き下げ4.00%→3.50%を予想
4~7日 英 2月の「HIBOS住宅価格=前月比予想0.0% 前回0.0%、前年比予想2.6% 前回4.5%
バーナンキFRB議長が講演 「予防可能なモーゲージ差し押さえの削減」
全米企業エコノミスト協会(NABE)の会合
ミシュキンFRB理事が講演「経済見通し」
フィッシャー米ダラス地区連銀総裁が講演「インフレと成長のバランス」
EU財務相会合

外国為替再入門 5 マーケットメーカー

マーケットメーカーとマーケットユーザー

外国為替市場には、為替レートを提示する側、建値する側と建値に基づいて売買する側の2者が存在します。建値を提示する側をマーケットメーカーと呼びます。通常は銀行がこと役割を担当します。対する側は通常は一般企業、個人などです。銀行は建値を提示する側でもあり、受ける側でもあります。建値をするときはマーケットメーカー、取引をするときはマーケットユーザーとしての立場となるのです。


しかし、すべての銀行がマーケットメーカーになるわけではありません。マーケットメーカーとしての機能を果たすためには、インターバンク市場で充分な信用力があること。また、専任担当者、業務システム、リスク・コントロールなどの社内体制を整える必要があり、相応の投資が必要になります。これらのリスクとコストを為替手数料で賄うのですから、それなりの取引量も必要になります。為替取引のみで利益をあげるのであればマーケットメーカーになる必要はありませんから、マーケットメイクを業務とするか否かは、各銀行の経営戦略に基づくものとなります。


マーケットメーカーの主役は銀行

マーケットメーカーの業務を担うと外為市場の動きを直に見ることができます。必然的にマーケット情報が集まり、リスク・コントロールがうまくいけば大きな利益をあげることができます。取引管理、リスク・コントロールがうまくできれば銀行の主要収益源とすることも可能になります。大手銀行の多くがマーケットメーカーになるのはこのような理由からです。


現在では、1998年の外国為替管理法の改正で銀行以外の会社でもマーケットメーカーになることができるようになりました。為替取引の一般化、小口化は世界的な潮流です。以前のような1本1億円100万ドルの取引が、現在では1万円1万ドルの取引も可能になってきました。これらはインターネットの世界的普及によって可能となってきたのです。銀行以外のマーケットメーカーの多くはFX業者ですから、このような業者を通した取引では小口の個人取引同士の取引も成立してきます。


このような小口取引に銀行が関わることは稀ですが、近年では小口取引を可能とした銀行の出現も注目されています。シティバンクはインターバンク市場でもメインプレーヤーですが、個人顧客に対してもFX取引口座を用意しています。またデンマークのSAXO銀行はインターバンク市場、対個人顧客市場に特化したインターネット銀行として特徴を出しています。マーケットメーカーは互いに競争していますが、世界単一市場ですからそのシェアは徐々に上位企業に集中しつつあります。

上位10行のシェアは60%を超え、日本でも上位10行のシェアが70%を超えています。主なマーケットメーカーとしては、シティバンク、HSBC、ドイツ銀行、BNPパリバ銀行、J.P.モルガン・チェース銀行、バークレイズ銀行、UBS、クレディ・スイス銀行、ソシエテ・ジェネラル銀行、クレディ・リヨネ銀行、ANBアムロ銀行などがあります。

2008年03月05日

ヨーロッパの財閥と企業グループ 65 エネルギー資源をめぐる攻防(3)

EUが進めてきたエネルギー市場の自由化にともない、欧州の電力会社、原発企業は、すさまじい数の買収、合併を展開しています。


海外資本の進出攻勢にさらされているのは、スウェーデンやドイツだけではありません。欧州で最も早く1990年から自由化された英国では、最大手のイノジー社がドイツのRWE社に、第2位のパワージェン社が同じくドイツのエーオン社によって買収。英国には米国やフランスからの資本進出もあり、今や主要電力会社の大半に海外資本が入っています。日本でたとえるなら、東京電力や関西電力が外資系企業になったようなものです。


欧州の電力業界は今、フランスのEDFを筆頭に、ドイツのエーオン社とRWE社、スウェーデンのバッテンフォール社、イタリア電力公社(ENEL)の5社が売り上げの上位を占めています。そしてこの5社の下に、各国の電力会社が再編されつつあります。つまり、新たな企業グループが構築されつつあるのです。


電力業界再編の背景にあるのが、欧州全域にクモの巣のように張り巡らされた送電線網と電力取引市場です。EUが単一通貨ユーロの登場によって金融市場が一体化されたように、電力も国境を越えて自由に取引される時代を迎えているのです。その動きを最も象徴しているのが、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、デンマークの北欧4カ国で設けている北欧電力取引所「ノルドプール」です。世界の電力取引所の「成功例」とされています。


ノルドプールは、1991年に自由化したノルウェー国内の電力取引所が発端となっています。他の3国が自由化と共に加わり、ノルウェー160社、スウェーデン65社、フィンランド30社、デンマーク20社をはじめ、ドイツ、英国、フランスなども含む計300社が参加し、電気を株式や為替のように売買しています。翌日の電力について入札するスポット市場や週、季節、年単位の先物市場などがあり、今や北欧4カ国の電力のうち、ノルドプールを通して売買される電力が20%を占めるまでになっているのです。ここで決定される価格はノルドプール外での相対取引価格の指標となるほか、ノルウェーでは小売価格に連動させることが認められているため、スポット価格の変動は大きな影響力を持っています。


北欧は国ごとに水力や原子力、火力などの電源構成が異なっており、相互に補完しやすい関係にあります。それがノルドプールでの取引を円滑にし、取引量を増やす一因になっているようです。各国間の長期契約に基づいた輸出・輸入も盛んで、その最大の拠点となっているのが、世界でも米国に次ぐ原発58基を保有するフランスです。


フランス電力公社(EDF)は80年代から、増えすぎた原発によって生み出される大量の余剰電力をさばくため、輸出契約を隣国のドイツやイタリア、スイスなどと結んでいます。欧州高圧送電線運営者連合によると、主にドイツ、イタリア、スイスに電力を輸出しています。


輸入側のスイスでは、フランスからの安い電気を使い、下のダムから上のダムに水をくみ上げて落下させて発電する揚水発電に利用。そこで生産した電気は、今度はイタリアへ再輸出しているといいます。
スイスからすれば「輸入した安い電気を高い価格で輸出し、差額が得られる」というしくみです。またイタリアへ輸出しているのは水力発電に変えた電気なので、原発がないイタリアの国民も受け入れやすいと見ているようです。


日本のような島国は国内で電力のすべてを賄わなければなりませんが、欧州では各国間で自由に電力をやりとりできる体制が整っています。ドイツやスウェーデン、ベルギーなどが脱原発へと踏み出せたのは、万一電力が足りなくなっても輸入に頼れる欧州の利点があったということでしょう。

By Master K/益田 慶

2008年3月5日  4日の海外為替市場

日経平均株価=0.10(3日間で-1039.12)、独DAX=-144.91(4日間で-452.81)、英FTSE=-50.90(4日間で-308.80)、NYダウ=-45.10(4日間で-480.10)、原油価格、金価格は下落。


アジア市場では、早朝からオーストラリア小売売上高が弱く、経常収支の赤字額が拡大、オーストラリア中銀は予想通り政策金利を0.25%引き上げ7.25%に決定したが、今後の利上げ観測が弱まり、AUDUSD=0.9384→0.9265(米国市場では0.9218)、AUDJPY=96.90→95.75円(米国市場では94.67円)まで急落。他の主要通貨は小幅なレンジで揉み合いが続いた。


スイス第4四半期GDPが強く、CPIも過去15年来の高値水準と同じで、3月13日の利下げ観測が薄らぎ、USDCHF1.0427→米国市場では1.0336まで続落が続く。


欧州市場では、欧州通貨当局者から、前日のトルシェECB総裁の懸念発言に続く、ユーロ高懸念が示されず、ユーロ買いが続いたが、最高値を更新できず、1.52近辺での取引が続いた。


カナダ中銀は予想通り政策金利を0.5%引き下げ3.5%に決定、今後も利下げを含む声明文に、USDCAD=0.9877→0.9941→0.9879→0.9975まで上昇。


バーナンキFRB議長→「住宅ローンの返済遅延や差し押さえは今後も増加する公算が大きい」との発言や、ドバイ政府系ファンドのサミール・アル・アンサリDIC総裁→「米シティはさらなる資金が必要」との発言、デューガン米通貨監督庁長官→「米銀行は、サブプライム住宅ローンのみならず、クレジットカード、ホームエクイティローン、商業用不動産融資の貸し倒れ増加に備える必要がある」との発言にドル売りが続いたが、


NYダウ一時200ドル近く下落、ドル売り=円買いが強まったが、終盤にかけて前日終値近くまで値を戻しドル円は上昇、円売りが強まった。


●ドル円
アジア市場のドル円は103.48円で取引が始まり、103.50円超えでは海外勢+本邦勢の売りに上値は重く、103.59円を高値に、103.20~55円のレンジで取引が続いたが、欧州勢のドル売りに一時103.05円まで値を下げた。欧州市場は103.16円で取引が始まり、103円を割り込むことはできず、投機筋の買い戻しに103.48円まで上昇、本邦資本筋の売りに103.50円を超えられず、逆に、株価の下げとユーロ円の売り+米系ファンドの売りに、103円を割り込み102.89円まで下落した。実需の買いは厚く103.20円まで値を戻したが、米国株は弱く、バーナンキFRB議長→「住宅ローンの返済遅延や差し押さえは今後も増加する公算が大きい」との発言や、ドバイ政府系ファンドDIC総裁→「米シティはさらなる資金が必要」との発言、デューガン米通貨監督庁長官→「米銀行は、サブプライム住宅ローンのみならず、クレジットカード、ホームエクイティローン、商業用不動産融資の貸し倒れ増加に備える必要がある」との発言に、前日安値102.68円を試す売りが続き、102.65円まで下落した。NYダウが前日終値近くまで値を戻すと、103.00円超えのストップロスを巻き込み、103.47円まで急上昇、07:00時では103.36円で取引されている。


●ユーロドル
アジア市場のユーロドルは1.5202で取引が始まり、1.52台では海外勢のポジション調整の売りが続き、1.5180~06の狭いレンジで取引から、欧州勢の参入に一時1.5173まで値を下げた。欧州市場は1.5177で取引が始まり、1.5175を安値に1.5180~00の狭いレンジで取引が続いたが、ユンケル・ユーログループ議長→「金融市場に目標水準を提供することは賢明ではないだろう、ユーロが対米ドルで上昇していることによる打撃は受けていないとの認識」との発言に、1.5230まで上昇した。欧米株価の下落が続き、1.5198まで下落したが、バーナンキFRB議長、サミール・アル・アンサリDIC総裁、デューガン米通貨監督庁長官の発言に、1.5250まで上昇したが、前日高値1.5276を超えられず、米系ファンドの売り+EURJPYの売り+ロンドンフィキシングの売りに1.5189まで急落した。1.5195~25のレンジで売り買いが交錯、米国株が値を戻しEURJPYの買いが強く1.52台を維持し、07:00時では1.5220で取引されている。


●ユーロ円
アジア市場のユーロ円は157.33円で取引が始まり、朝方の157.40円を高値に、AUDJPYの売りに上値も重く、156.85~25円のレンジで取引が続いていたが、欧州勢の売りに156.52円まで値を下げた。欧州市場は156.60円で取引が始まり、一時156.50円まで値を下げたが、本邦勢の買いに底堅く、欧州株が弱く、ユンケル・ユーログループ議長→「円と中国人民元は過小評価されている」との発言に上値も重く、156.55~00円のレンジで売り買いが交錯した。オプションカットからユーロ買いが強まり一時157.18円まで上昇、ロンドンフィキシングでは156.35円まで下落、弱い米国株に156.12円まで続落となった。今週のメインイベントの米雇用統計を前に、積極的な売りも続かず、中銀筋の買いが入ると156.88円まで値を戻し、米国株の下落幅が縮小すると、157円超えのストップロスを誘発し、157.38円まで続伸、07:00時では157.31円で取引されている。


●主な経済指標の結果
08:50 日本 2月のマネタリーベース=前年比0.1%(予想0.1% 前回-0.1%)
09:30 豪 1月の小売売上高=前月比0.0%(予想0.5% 前回0.4%←0.5%)
09:30 豪 第4四半期の経常収支=-193.49億豪ドル(予想-180億豪ドル 前回-163.5←-155.9億豪ドル)
12:30 豪 オーストラリア中銀(RBA)金融政策発表=政策金利0.25%引上げ7.0%から7.25%に決定
15:45 スイス 第4四半期GDP=前期比1.0%(予想0.5% 前回0.8%、前年比3.6%(予想2.8% 前回3.0←2.9%)
15:45 スイス  2月の消費者物価指数(CPI)=前月比0.1%(予想0.2% 前回-0.3%)、前年比2.4%(予想2.4% 前回2.4%)→前回と同じだが、1993年来の高水準
19:00 ユーロ 1月の生産者物価指(PPI)=前月比0.8%(予想0.8% 前回0.1%)、前年比4.9%(予想4.9% 前回4.3%)
19:00 ユーロ 第4四半期のGDP・改定値=前期比0.4%(予想0.4% 前回0.7←0.8%)、前年比2.2%(予想 2.3% 前回2.6←2.7%)
23:00 カナダ カナダ中銀(BOC)金融政策発表=政策金利0.5%引き下げ4.00%から3.50%に決定。


●昨日の主な発言その他
米国・カナダ
◎シテーグループ=今後1年~1年半で37万人の従業員のうち3万人超の削減を検討。
◎ワコビア=米投資銀大手4社の第1四半期1株利益見通しを下方修正。
◎バーナンキFRB議長=住宅ローンの返済遅延や差し押さえは今後も増加する公算が大きい。住宅価格は一段と下落する可能性がある。住宅市場の安定化に向け積極的な対応が求められる。 予防可能な差し押さえを減らしていく施策は、苦境にある借り手だけでなく、地域や経済全般にとっても助けとなる可能性がある。住宅市場の問題は、住宅ローンが住宅の正味価値を上回っている借り手が多いという点で過去と異なる。
◎デューガン米通貨監督庁長官(上院銀行委員会公聴会の準備原稿)=米銀行は、サブプライム住宅ローンのみならず、クレジットカード、ホームエクイティローン、商業用不動産融資の貸し倒れ増加に備える必要がある。深刻な懸念は一部銀行が、金融保証会社の問題で投資家から証券の買い上げを強いられる可能性がある。多額の買い上げが生じれば、銀行は、価格および流動性リスクを負担し、自己資本比率が一段と圧迫される。
◎フィッシャー・ダラス連銀総裁=景気減速はインフレ高進の容認に比べて、長期的に米経済への打撃が少ない。インフレ抑制がFRBの目的で一時的な景気減速を耐えなければならないとすれば、政治的には不都合であるにせよ、それはわれわれが負わなければならない責務。
◎ミシュキンFRB理事=個人支出や企業投資の抑制の兆しに加え、住宅市場の低迷や信用収縮が深まる可能性は、米経済見通しに重大なリスクをもたらす。FRBの経済見通しは2008年経済成長の鈍化を示しているが低迷は示していない。第1四半期の個人消費がさえず、見通しには重大な下向きリスクがある。
◎コーンFRB副議長=国内の銀行システムは最近の金融混乱期にあたり底堅い資本と力強い収益を備えており、依然として全体的に健全な状態にある。 モーゲージおよび住宅市場の問題は銀行の存続を脅かすものではない。FRB監督下にある銀行持ち株会社は、第4四半期に合計で80億ドルの損失を計上したが、2007年の純利益は900億ドルを超え、不良資産比率は2000年代初めの水準よりも低いと。 大手銀行持ち株会社50社は第4四半期に310億ドルに上る評価損と貸倒引当金を計上し、償却額を140億ドル上回った。 2007年の不良資産は670億ドルと倍以上に増加する一方、金融市場での圧迫により銀行は資産の証券化が困難になった。銀行持ち株会社の自己資本比率は規制上の最低水準を超え、過去数カ月間で500億ドル以上の資本を調達した。
◎カナダ中銀声明=1月のインフレ見通しをめぐるリスクバランスが明らかに下向きにシフトしたと判断。リスクは顕在化しつつあり、一部では強まっている。短期的には総需給を均衡させ、中期的には2%のインフレ目標を達成するために一段の金融刺激策が求められる可能性が高い。 米住宅市場の低迷が米経済の予想以上の減速につながる可能性を示す明らかな兆候を認め、世界経済に対する重大な波及的影響を指摘。
◎ドバイ政府系ファンド、ドバイ・インターナショナル・キャピタル(DIC)のサミール・アル・アンサリCEO=米シティはさらなる資金が必要、アブダビ投資庁やクウェート投資庁、サウジアラビアのアルワリード王子などによる出資に続き、さらに多くの資金が必要との考え。


欧州・英国
◎ユンケル・ユーログループ議長=ユーロは他通貨に対して過大評価されているが、現在の外国為替市場の状況は、ユーロ高というよりもむしろドル安を反映している。 円と中国人民元は過小評価されている。ドルはその中間のどこかだが、経済ファンダメンタルズを正しく反映しているというよりはむしろ、過小評価される傾向がある。
◎ユンケル・ユーログループ議長=金融市場に目標水準を提供することは賢明ではないだろう。ユーロ圏経済は良好で、現時点ではユーロが対米ドルで上昇していることによる打撃は受けていないとの認識→ ユーロ高の懸念を示すに至らず、ユーロ買いが強まる。
◎アロゴスクフィス・ギリシャ財務相=ユーログループで為替介入について議論があったかとの質問に、ノーでそのような議論はなかった。
◎オルファニデス・キプロス中銀総裁=ユーロ圏の成長鈍化はインフレ圧力を和らげる。
◎クアデン・ベルギー中銀総裁=ユーロ高は欧州経済の強さが主な要因。米当局は強いドル政策を再確認すべき。
◎ドイツの週刊紙ツァイ=ECBスタッフ予想で2009年のインフレ見通しを上方修正する。ECBは6日に最新のスタッフ予想を発表する。インフレが08、09年共に、ECBが中期的目標とする2%をわずかに下回る水準を超えるとの見通しを示す。 12月時点のスタッフ予想では、インフレ見通しは08年画2.0─3.0%、09年が1.2─2.4%(中間値は1.8%)となっていた。


日本・その他
◎オーストラリア中銀声明=需要を大幅に減速させる必要があるとの認識。中期的にインフレを抑制し引き下げることを目指した。2007年のインフレ率は高水準で、12月期のCPIは前年比3%上昇し、実質ベースでは3.5%前後に達した。内需は生産能力を大幅に上回るペースで拡大した。労働市場は2008年初めも力強さを維持し、設備稼働率は高く、適切な労働力の不足が続いている。インフレ率は短期的に比較的高水準で推移する見込みで、来年は内需の伸び鈍化を受けて落ち着くだろうが、年内はさらに上昇しそうだ。世界経済は減速しており、2008年は世界の成長率がトレンドを下回る可能性が高い。最近の世界的な商品市場のトレンドにより、オーストラリアの交易条件はさらに上向く見通しだ。世界の金融市場のセンチメントは依然としてぜい弱だ。オーストラリアの金融業界では資金調達コストが上昇しており、消費者にそれが転嫁されつつある。リスクの高い借り手に対する信用基準がやや厳しくなっている。家計の需要がやや鈍化し始めた一時的な兆しが見られ、最近は企業や消費者のセンチメントも軟調で、家計の信用需要もやや鈍化している。

2008年3月5日 本日の為替戦略

世界的な株価の低迷に、円高傾向が続いている。米シティグループは、アブダビ投資庁、クウェート投資庁、サウジアラビアのアルワリード王子などによる出資に続き、さらに多くの資金が必要とのことで、まだまだ米株価の立ち上がりも遅れそうである。


ドル円は円高水準で小動きとなっているが、ドル円相場と言うより、クロスが円相場を動かしリードしているように思われ、クロスではまだまだ円高が続きそうである。


AUDは、政策金利0.25%引き上げを実施したが、今後見通しには強弱混在している部分があり、いままでのような利上げ継続を期待できないリスクに、AUDのロングポジションの調整が売られやすく、AUDJPYのクロスも弱含む可能性がでている。また、CADは予想の上限となる0.5%の政策金利引き下げと、今後の引き下げ観測に、CAD売りのリスクが残り、CADJPYも下値トライが続きそうである。


トルシェECB総裁のユーロ高懸念発言が一時注目されたが、昨日はユンケル氏が、「現時点ではユーロが対米ドルで上昇していることによる打撃は受けていないとの認識」と、今までと様変わりにいささか驚いているが、続いて、「ユーロは他通貨に対して過大評価されているが、現在の外国為替市場の状況は、ユーロ高というよりもむしろドル安を反映している。 円と中国人民元は過小評価されている、ドルはその中間のどこかだが、経済ファンダメンタルズを正しく反映しているというよりはむしろ、過小評価される傾向がある」と言っている。


ユーロ高を危惧して止めようとする気配は弱く、米雇用統計を前に暫く様子がはっきりするまでは、レンジ相場を意識したい。昨日のドイツ紙では、6日に発表されるECBスタッフのインフレ見通しが掲載されていた。2009年のインフレ見通しを上方修正するとのことであるが、この内容も注視したい。


●ドル円
ドル円は、株安=円高の流れがいつまで続くのであろうか? 二日続けて下値を試し安値102.60円、102.65円と下げ止まっている。この水準を終値ベースで割り込むと更なる下落に結びつく可能性は高いが、それまでは、揉み合いが続く可能性も強く、102.60~103.66円のレンジを抜け出すまでは逆張りを考えたい。


ドル円の4時間チャートは、大きな下降トレンドの下限で下げ止まっている。上値のポイントは、103.66円、103.89円、104.32円、104.70円、104.96円。下値のポイントは、102.80円、102.65円、101.96円、100.88円。RSIは26と弱いながらも上向きに変化、トレンドモメンタムは売りを継続しているがやや弱くなっている。トータルの判断は、売り=103.65~70円でストップロス。買い=102.55~60円でストップロス。この両面を考えたい。


●ユーロドル
ユーロドルは、欧州通貨当局者の発言を気にしながら、高値圏で小幅な値動きとなっている。1.52台に入ってからは連続的なユーロ買いも鈍く新規ポジションも作り難い。6日のECBスタッフ・レポートと、米雇用統計をまってから、新しい動きを期待したい。それまでは、レンジ相場と見ている。


ユーロドルの4時間チャートは、上昇トレンドが続き、レンジ相場に入り、ラインの中間地点で取引が続いている。上値のポイントは、1.5240、1.5297、1.5317、1.5358。下値のポイントは、1.5142~50、1.5128、1.5072。RSIは60と下降ラインに入り、トレンドモメンタムも売りに変化している。トータルの判断は、売り。1.5297を超えたら撤退。


●ポンド円
ポンド円は、流石高金利通貨のポンドで、ショートをキャリーするとコストが高い。また、一時の急落も終わりレンジ相場となると、なおさらである。204円を割り込み下げ期待が強いものの、市場参加者のセンチメントもポンドはブルとベアが混在し、こちらも上下テクニカルポイントを抜け出すまではレンジ相場が続きやすい。


ポンド円の4時間チャートは、下降トレンドが続き、ラインの下限で下げ止まり、揉み合いが続いている。上値のポイントは、205.38円、206.16円、206.58円、207.28円、207.66円、208.51円。下値のポイントは、204.58円、203.41円、201.46円、197.82円。RSIは29とトレンドのある売りが続くか、転換するかの境目に来ている。トレンドモメンタムは売りを継続。トータルの判断は、戻り売り=206.58円でストップロス、押し目買い=203.41円でストップロス。


●本日の経済指標・その他
09:30 豪 第4四半期のGDP=前期比予想0.8% 前回1.0%、前年比予想3.9% 前回4.3%
17:55 独 2月のサービス業PMI=予想50.9 前回49.2
18:00 ユーロ 2月のサービス業PMI=予想52.3 前回50.6、CompositPMI=予想52.7 前回51.8
18:30 英 2月のサービス業PMI=予想52.1 前回52.5
19:00 ユーロ 1月の小売売上高=前月比予想0.4% 前回-0.1%、前年比予想0.1% 前回-2.0%
21:30 米 企業人員削減数=予想 前回74,986人
22:15 米 2月のADP全国雇用者数=予想20,000人 前回130,000人
22:30 米 第4四半期の非農業部門労働生産性=前期比予想1.8% 前回1.8%、単位労働コスト=予想2.1% 前回2.1%
00:00 米 1月の製造業受注指数=前月比予想-2.5% 前回2.3%
00:00 米 2月のISM非製造業景況指数=予想47.0 前回41.9
04:00 米 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
5~7日 英 2月の「HIBOS住宅価格=前月比予想0.0% 前回0.0%、前年比予想2.6% 前回4.5%
ピアナルト米クリーブランド地区連銀総裁が講演「経済・金融政策」
OPEC定例総会(ウィーン)

世界資源戦争15 新興産油国・石油企業の躍進 ベネズエラのエネルギー外交

南米最大の産油国ベネズエラのすべての油田は現在、国営石油会社PDVSAもしくはその合弁会社の管理下となっており、2018年までに3000億ドル以上の増収が見込まれているとされる。ベネズエラ・チャベス大統領のエネルギー外交は、ロシア・プーチン大統領の手腕同様、潤沢な石油収入を背景にした強気でしたたかな外交だ。たとえばブラジルに30億ドルの予算でタンカーを発注し、その一方でブラジル石油公社Petrobras(ペトロブラス)と共同出資でブラジル北東部のペルナンブ州に石油精製設備を建設する。この精製所は「ブラジルで25年ぶりの新設プロジェクト」と呼ばれている。ブラジルに進出したPDVSAは、すでにブラジル東北部でのガソリンスタンド経営が認められている。


中南米の原油埋蔵量のベスト3は、メキシコ、ベネズエラ、ブラジルで、各国が国営石油会社を持っている。メキシコ石油公社PEMEXとベネズエラPDVSAの売上はほぼ同じで、ブラジル石油公社ペトロブラスは両社の約半分の売上高だ。一方、石油精製能力はブラジルが1位でベネズエラはメキシコに次いで3位。サトウキビを砂糖とアルコールに直接利用する世界屈指の国ブラジルは近年、石油精製、アルコールの生産が増大し、一大産業になっている。ベネズエラの石油精製能力は低い。その国内の処理能力不足を補うためにブラジルに石油精製設備を建設するということだ。このようにベネズエラとブラジルは足りない部分を互いに補って共栄共存するような関係を深めている。


ベネズエラは2005年、アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイが加盟するメルコスル(南米南部共同市場)への正式加盟が承認された。メルコスルとは、域内の関税及び非関税障壁の撤廃などによる財、サービス、生産要素の自由な流通を図る「関税同盟」だ。見方によっては米国主導の米州自由貿易地域(FTAA)に対抗するグループといえる。さらにベネズエラは、ボリビア、キューバとの間で人民貿易協定(TCP)も締結している。これらのグループ化は、ラテンアメリカにおけるベネズエラの影響力の拡大を物語っている。南米最大の産油国で最大の天然ガス埋蔵量を誇るベネズエラの眼目は、アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイなどラテンアメリカ諸国に原油と天然ガスを自由に販売することだ。事実、メルコスルへの正式加盟後、PDVSAはアルゼンチン国営企業と合弁でガソリンスタンドを経営し、アルゼンチン国内のガソリンスタンド115店を支配下に置いた。


ブラジルやアルゼンチンのように天然ガスを他国からの輸入に依存するしかない国にとって、天然ガス供給国のベネズエラとボリビアは親密にしなければいけない国。そういう関係があり、ブラジル石油公社ペトロブラスがボリビアのエネルギー分野に15億ドルの投資をし、ボリビア最大の投資企業となっているのである。こういった資源をめぐる各国の関係性の見取り図を描いたのがチャベス大統領であったと見るべきであろう。


さらにチャベス大統領はアジアやアフリカ、中東などとの関係強化を目指して外交を続けている。その顕著な例が開発途上国と連携する油田開発だ。チャベス大統領は、国内からフランス・トタル社やイタリアENL、米エクソンモービルなど欧米メジャーを追い出した一方で、新興国企業とは合弁会社を築いている。パートナーに選んだ企業は、中国ペトロチャイナ、インドガス石油公社のオイル・アンド・ナチュラル・ガス社(ONGC)、イランの石油天然ガス企業ペトロパース(Petropars)などだ。


ベネズエラがこれらの企業をパートナーに選んだ理由はどこにあるのだろうか。イランは同じく反米派で、イランのアフマディーネジャード大統領とチャベス大統領は、ブッシュ米大統領を名指して批判する急先鋒だ。では、中国とインドはといえば、ベネズエラは世界第2位の石油消費国である中国、そしておそらく中国に次ぐ石油消費大国になると予想されるインドに原油を輸出することを念頭に置いて連携しているのではないだろうか。


By Master K/益田 慶

2008年3月5日 20:20Vision メドベージェフ・ロシア新大統領

ロシア大統領選が終わり、予定通りメドベージェフ氏が得票率70%で当選しました。首相にはプーチン元大統領を指名するそうです。出来レースのような大統領選にロシア国民は白けていました。


ソ連時代を含めてロシアでは独裁者が2人いたことはありません。
衆目の通りプーチン氏の院政が敷かれるのか、江沢民後の胡錦濤のように前政権の権力を一枚一枚剥ぎ取っていくのか、権力基盤の無さを考えるとプーチン傀儡政権が妥当な見方ですが、国内的問題は彼らに任せましょう。


注目すべき点は、エネルギー問題です。メドベージェフ氏は世界最大のエネルギー企業ガスプロムの会長を担っていた人物です。ロシアはエネルギー資源をはじめとして、アルミニウム、鉄鉱石、レアメタルなどを国家戦略物資として位置付けています。


黒海周辺のパイプライン、バルト海のパイプラインでは親米、親ヨーロッパに傾く旧ソ連邦諸国に対する牽制、対米対決姿勢、上海協力機構での中国、中央アジア諸国との連携など資源、軍事を中心とした覇権主義的動きには注意が必要です。

2008年03月06日

2008年3月6日 5日の海外為替市場

日経平均株価=-20.22、独DAX=+138.67、英FTSE=+85.80、NYダウ=+41.19、原油価格=104.52ドル(最高値更新)。


EURUSD=1.5305(一時最高値更新)、GBPUSD=1.9967、EURGBP=0.7688(一時最高値更新)、USDCHF=1.0335(一時最安値更新)、ドルインデックス=終値73.461(最安値更新)、USDJPY=一時104.20円まで上昇→ ドル安+円安の相場。


豪第4四半期のGDP→前期比0.6%(予想0.8%)予想を下回り、前日の利上後の利食い売りが続き、上値の重い展開から、米国市場では0.9340まで上昇した。


ネーションワイド消費者信頼感指数が78と過去最低を更新したことを受けて、EURGBPは最高値を更新、EURUSDも最高値を更新しドル売りの流れを先導した。


米ADP全国雇用者数=-23,000(予想20,000人)と5年ぶりの低水準にドル売りが強まり、米ISM非製造業総合→49.3(前回44.6)、景況指数50.8(予想47.0)と予想を上回り、株価上昇=一時ドル買い戻しが見られたが、景気後退局面の50 を下回りドル買いも続かず、直ぐに売りが継続。


米地区連銀経済報告(ベージュブック)は、「2008年初めの国内経済はすべての地域で減速し、大半で物価圧力が高まった」→為替への影響は限定的。


NZ中銀(RBNZ)金融政策発表=8.25%の政策金利据え置きを決定。NZ中銀=かなりの期間金利据え置きを予想、食品・石油・賃金のインフレは根強い。08年下期のインフレは3.5%、09年上期は2.9%と予想。


●ドル円
アジア市場のドル円は103.36円で取引が始まり、103.51円を高値に海外ファンド筋+実需筋の売りに仲値では、103.29円まで値を下げたが、投機筋のドル買い戻しが続き、103.30~45円の狭いレンジから、欧州勢の投機的な買いに103.50円を超え、短期投機筋のストップロスを誘発し、103.72円まで上昇した。欧州市場は103.72円で取引が始まり、円のロングポジションの巻き戻しに、103.50円以下ではドル買いが厚く、103.80円超えのストップロスを試し、実需筋のドル売りを消化しながら103.86円まで上昇した。米ADP全国雇用者数が弱く、103.40円まで値を下げたが、クロスでの円売りが続き、米ISM非製造指数が予想を上回ると、米国株価の上昇が加速し、株高=円売りのシナリオ+円ロングポジションの巻き戻しに、104円を超え104.20円まで上昇した。ロンドンフィキシングでは一時103.85円まで値を戻したが、ファンド勢のドル買い続き、104円を挟み売り買いが交錯、米国株がマイナスに転じると103.58円まで値を下げ、07:00時では104.01円で取引されている。


●ユーロドル
アジア市場のユーロドルは、1.5215で取引が始まり、1.52台を維持しながらも、WSJ紙はEU財務省がドル高を支持との報道を受け上値は重く、徐々に1.5200を割り込み1.5183まで値を下げたが、大手投機筋のショートス・クイズの買いに1.5218まで上昇、フランス筋のユーロ高けん制発言が続き、1.5180を割り込むと1.5168まで続落となった。欧州市場は1.5179で取引が始まり、本日の安値となる1.5145まで値を下げたが、明日のECB理事会では金利据え置き観測が強く、EURGBPの上昇+欧州株価上昇に徐々に底値を切上げ、1.5195まで値を戻した。米ADP全国雇用者数が弱く1.5242まで上昇、米ISM非製造指数+オプション絡みの売りに一時1.5203まで値を下げたが、ロンドンフィキシング後には、3月3日の高値1.5276を超え1.5305まで急伸した。米地区連銀経済報告(ベージュブック)を控え、1.5265~90で揉み合いとなったが、発表後には1.5258まで値を下げ、狭いレンジから、07:00時では1.5266で取引されている。


●ユーロ円
アジア市場のユーロ円は157.27円で取引が始まり、ユーロ高けん制発言と、実需筋+投機筋のショートカバーの買いに動けず、157.01~53円の狭いレンジで取引が続いた。欧州市場は157.32円で取引が始まり、157.01~50円の狭いレンジを抜け出すことができずにいたが、堅調な欧州株+米株先物が強く、EURGBPの買いを引金に、157.55円を上抜け短期投機筋の買いに157.82円まで上昇した。米ADP全国雇用者数に一時157.37円まで値を下げたが、157.88円まで再上昇し、ユーロドルが1.5250を超え上昇が始まると、158.50円まで上昇、米国株は強く、ユーロドルが最高値を更新すると、158.50円超えのストップロスの買いを巻き込みながら、159.22円まで続伸となった。159円台ではオプション勢やファンド筋の利食い売りが入り上げ止まり、米国株がマイナスに転じると、158.21円まで値を下げ、07:00時では158.78円で取引されている。


●主な経済指標の結果
09:30 豪 第4四半期のGDP=前期比0.6%(予想0.8% 前回1.1←1.0%)、前年比3.9%(予想3.9% 前回4.3%)→ 予想通りながら1年ぶりの低水準
17:55 独 2月のサービス業PMI=52.2(予想50.9 前回49.2)
18:00 ユーロ 2月のサービス業PMI=52.3(予想52.3 前回50.6)、CompositPMI=52.8(予想52.7 前回51.8)
18:30 英 2月のサービス業PMI=54.0(予想52.1 前回52.5)→ 業況感は過去15カ月で最低水準、正規採用者数が過去5年近くで初めて減少。
19:00 ユーロ 1月の小売売上高=前月比0.4%(予想0.4% 前回-0.1%)、前年比-0.1%(予想0.1% 前回-1.8←-2.0%)
21:30 米 チャレンジャー社・企業人員削減数=前月比-3.9%・72,091人(前回74,986人)
22:15 米 2月のADP全国雇用者数=-23,000(予想20,000人 前回11900人←13000人)→ 予想外の5年ぶりの減少
22:30 米 第4四半期の非農業部門労働生産性=前期比1.9%(予想1.8% 前回1.8%)、単位労働コスト=2.6%(予想2.1% 前回2.1%)
00:00 米 1月の耐久財受注改定値=-5.1%(前回-5.3%)、除く輸送機器=-1.5%(前回-1.6%)、航空機器を除く非国防資本財=-1.5%(前回-1.4%)
00:00 米 1月の製造業受注指数=前月比-2.5%(予想-2.5% 前回2.0←2.3% )
00:00 米 2月のISM非製造業総合=49.3(前回44.6)、景況指数=50.8(予想47.0 前回41.9)、新規受注=49.6(前回43.5)、価格=67.9(前回70.7)、雇用=46.9(前回43.9)


●昨日の主な発言その他
米国・カナダ
◎米地区連銀経済報告(ベージュブック) =12連銀中の3分の2が鈍化と減速を表明。2008年初めの国内経済はすべての地域で減速し、大半で物価圧力が高まった。サービス業は大半の地区で減速し、製造業は半数の地区で低迷。居住用不動産市場は全般に弱く、小売関連の支出は減退。材料やエネルギー価格高に大半の地区で物価上昇圧力が高まった。 コスト上昇を価格に転嫁する試みは、多くの地区でまちまちな成果。大半の地区では賃金上昇圧力は限定的であり、一部では労働市場の緩和が見られた。住宅向け不動産は依然として弱い。
◎米金融保証会社アムバック・フィナンシャル・グループの救済計画がまもなく合意に達するとの期待に株価上昇。
◎ポールソン米財務長官(下院の小委員会)=米経済へのリスクは下向き。主要金融機関はファンダメンタル的に健全だが、必要であれば資本増強すべき。
◎S&P=米アムバック・フィナンシャル・グループ の金融保証部門格付けを、引き続き格下げ方向で見直す。
◎ムーディーズ=米アムバック・フィナンシャル・グループ 、最低15億ドルの資本を新たに獲得できれば、保険財務力格付けを「Aaa」で据え置く可能性が高い。


欧州・英国
◎仏クレディ・アグリコール=世界的な信用収縮による評価損計上の影響に、2007年第4四半期決算が赤字に転落。  
◎サルコジ仏大統領=国内企業は前例のない「通貨ダンピング」に対処しなければならない状況にある。
◎ムーディーズ=アイスランドの格付け見通しを「ネガティブ」に引き下げ。
◎WSJ紙=EU政府はドル高を支持、協調介入も必要となる可能性。
◎ユーロ、仏高官のユーロ高懸念


日本・その他
◎ヘリルOPEC議長=高水準の原油価格は米経済政策の失敗の結果である。米景気減速で今後は燃料需要が減少すると予想。米経済の減速によるドル安が、原油など商品市場への投機資金の流入を促している。第2四半期に原油需要は減少すると予想。米国のリセッションで恐らく年内も減少するだろう。
◎馬秀紅事中国商務省務次官=中国貿易黒字、今年は米国の需要減退で拡大ペースが鈍化する見通し。
◎韓国政府=世界的なインフレによる国内への影響を低減するため、物価動向の監視強化や輸入関税の引き下げ検討などを計画。
◎当局者=中国の外貨準備は1.59兆ドルに達した。
◎イーディー豪中銀総裁候補=金利上昇と融資基準、豪ドル高が景気抑制要因。豪ドルの上昇はインフレ緩和に役立つ。
◎温家宝中国首相=人民元の柔軟性を拡大するために、為替制度を改善する。

2008年3月6日 本日の為替戦略

米ADP全国雇用者数が弱く、金曜日の米雇用統計が悪くなるのではとの悪い思いが浮かぶ。直接的な関連はどうかと思うが、それだけ米雇用統計の思惑に相場が動くことは避けられない。


連日最高値を更新しながらも、緩慢な上昇力に弱ささえ感じられたEURUSDは、3日1.5276を超え、ついに1.53の大台に乗せたが、終値ベースでは再び1.52台に値を戻し、相変わらず華々しい力強さは感じられない。それに、USDCHFも連日最安値を更新しならが、4日安値1.0337→5日安値1.5333と、最安値を更新しながらも、これも力強さを感じる事はできない。


結局は、円クロスでの円売りが全体的に他通貨の買いを引っ張っているだけのようにも思われる。先週から続いた円高の流れの調整と考えるのか、相場転換と考えるのか、意見が分かれるところであろうが、金曜日の米雇用統計を意識した円ロングのポジション調整にしか思えない。方向転換はまだまだ・・・・。


本日は金融政策の発表が多く予定されている。早朝には既にNZ中銀は8.25%の政策金利の据え置きを発表、金利据え置きが長期間続くことが示唆されている。イングランド銀行=5.25%金利据置きを予想、欧州中銀=4.0%の金利据え置きが予想され、これに反した結果となると、その影響は大きくなることは間違いない。また、米中古住宅販売保留も注意したい。


●ドル円
ドル円は、ドル全面安の中で、円だけは別格のようで、再びドル安=円安の流れに入っている。3月3日の安値102.60円を・水曜日と下回ることはできず、本日のBOE+ECBの金融政策と、金曜日の米雇用統計を前に、円ロングの巻き戻しが早めに入っている。今後は、もちろんこれ次第であることは間違いないが、2月29日(金曜日)の高値105.38円だったことを考えれば、まだ円高水準と傾向に変わりなく、目先はドル買いに変わっているものの、105.40円を超えるまでは、大きな方向転換も難しい。


ドル円の4時間チャートは、大きな下降トレンドが続きながらも、下限から値を戻し、103.66~70円を超えたことでドルの買い戻しが強まっている。上値のポイントは、104.32円、104.70円、105.04円、105.40円。下値のポイントは、103.66円、102.58~65円、101.96円。RSIは42と上昇ラインが続き、トレンドモメンタムは買いが続いている。トータルの判断は、103.66円~104.32円のレンジ、広くは102.65円~105.40円のレンジ。


●ユーロドル
ユーロドルは、欧州通貨当局者のユーロ高けん制発言を気にしながらも、匿名発言やフランス通貨当局者以外は、確固たるユーロ高阻止の発言も無い。ユーロロングの調整の売りを期待しながらも、米雇用統計が弱まる可能性もあり、ECBは利下げを実施する心配もほとんどなく、予想以上にユーロ下落は少ない。金曜日の米雇用統計を見るまでは急騰も考え難く、短期取引に徹したい。


ユーロドルの4時間チャートは、上昇トレンドが続き、ラインの下限から中間に値を戻している。上値のポイントは、1.5297、1.5305、1,5385、1.5438。下値のポイントは、1.5241、1.5203、1.5165、1.5143。RSIは58とで下降ラインが続き、トレンドモメンタムは売りを継続している。ユーロ高ながら、トータルの判断は、売り。1.5165~1.5385の広いレンジに入る可能性もある。


●ポンド円
ポンド円は、円売りが強く値を戻して、この水準を中心にして暫くは上下を試す動きが続きそうである。GBPUSDが2.0を超えてくれば、一段とポンド円上昇の流れがはっきりとするが、本日のBOEの政策金利を前に、投機的な動きも期待薄で、暫くは上値を試しながら、緩やかな上昇が続きそうである。


ポンド円の4時間チャートは、下降トレンドの下限から反発し中間地点まで戻している。上値のポイントは、207.28円、207.74円、208.51円、209.46円、209.65円。下値のポイントは、206.58円、205.60円、205.38円、205.08円。RSIは上昇ラインが続き、トレンドモメンタムも買いに転換している。トータルの判断は、買い。または、205.38円~208.51円のレンジに入る可能性もある。


●本日の経済指標・その他
05:00 NZ NZ中銀(RBNZ)金融政策発表=8.25%の政策金利据え置きを決定。NZ中銀=かなりの期間金利据え置きを予想、食品・石油・賃金のインフレは根強い。08年下期のインフレは3.5%、09年上期は2.9%と予想。
09:30 豪 1月の貿易収支=予想-28億豪ドル 前回-19.36億豪ドル
09:30 豪 1月の住宅建設許可件数=前月比予想5.0% 前回-16.0%
14:00 日本 1月の景気動向調査・速報: 先行指数予想30.0 前回45.5、一致指数予想22.2 前回70.0
15:45 スイス 2月の失業率=季節調整前予想2.8% 前回2.8%、季節調整後2.5% 前回2.5%
20:00 独 1月の製造業受注=前月比予想0.2% 前回-1.7%、出荷=前月比予想0.4% 前回0.8%
21:00 英 イングランド銀行(BOE)金融政策発表=5.25%の政策金利据え置きを予想
21:45 ユーロ 欧州中銀(ECB)金融政策発表=4.0%の政策金利の据え置きを予想
22:30 カナダ 1月の住宅建設許可=前月比予想1.0% 前回0.4%
22:30 米 新規失業保険申請件数(3/2までの週)=予想36.0万件 前回37.3万件
00:00 カナダ 2月のIvey購買部協会指数(PMI)=予想56.0 前回56.2
24:00 米 1月の中古住宅販売保留=前月比予想-1.0% 前回-1.5% [前月比] -1.5% -1.0%


ローゼングレン米ボストン地区連銀総裁が講演
トリシェECB総裁が記者会見
ガイトナーNY連銀総裁が講演 「現在の金融課題:政策と規制の意味合い」
プール米セントルイス地区連銀総裁が講演 「ファイナンス:成長と不安定の原動力」

100年企業16 旧財閥系の100年企業 地方財閥(阪神財閥)-旧弘世財閥ほか

江戸時代から海外との貿易が盛んであった大阪・神戸周辺には中堅の財閥が集中したことから、それらは総称して「阪神財閥」と呼ばれた。15財閥と比べると知名度は落ちるが、阪神には日本有数の「100年企業」が集まっている。


旧弘世(ひろせ)財閥は、明治時代に金融業、保険業、鉄道事業で財を成した弘世助三郎を起源とする阪神財閥だ。総資産額国内第2位の日本有数の「100年企業」で、生命保険会社業界のトップである「日本生命」を関西経済人の助力を得て1889年に立ち上げたのが弘世助三郎である。日本生命は関西で最初に誕生した生保会社で、現在も本店は大阪市にある。同社は単なる生保会社ではなく、国内屈指の機関投資家で、数多くの企業の筆頭株主、主要株主となっている。


現在の滋賀県彦根市に生まれた助三郎は、幕末に彦根城下で商人として成功し、明治に入り、金融機関の走りである「融通会社」を設立。これは徳川時代に使われていた藩札を明治の太政官札に交換する会社だ。その後、助三郎は数多くの銀行設立に関与する。たとえば助三郎が取締役兼支配人となった第百三十三国立銀行はその後、改称合併を経て、現在の「滋賀銀行」に至る。大阪の繊維関係の有力商人を集め、「山林王」岡橋治助とともに設立した第三十四国立銀行はのちに鴻池銀行など大阪に本店を置く銀行と合併し、「三和銀行」へと発展した。


冒頭に述べた日本生命だが、助三郎は銀行業が忙しいこともあり、日本生命の初代社長には大阪財界の大御所・鴻池善右衛門を推挙した。「社長は鴻池財閥当主」という信用が大きく影響したのか、設立10年目には早くも日本一の契約高を誇る生保へと発展した。創業時に副社長に就任した片岡直温は助三郎が送り込んだ実務のまとめ役で、のちに17年間にわたり二代目社長を務め、その後、政界に進出し、大蔵大臣も務めた。


三代目社長を務めた「中興の祖」弘世助太郎は助三郎の長男。助三郎が婿養子に迎えたのが五代目社長の弘世現で、「日生劇場」の生みの親である。ちなみに四代目社長成瀬達は弘世現の実兄だ。このように五代目までは弘世家による日本生命の創業者支配が続いた。弘世現の長男源太郎は後継者として日生常務となるが、44歳の若さで病死した。


ちなみに日本生命が旧三和銀行の筆頭株主であったのは、同じ大阪の企業ということよりも日生創業者の助三郎が三和銀行創立時に取締役を務めていた関係からであるといわれている。そして現在の日生のメインバンクは三菱東京UFJ銀行である。


さて、日生が主要株主となっている大手企業のひとつに、連結決算で売上高1兆3000億円を誇る「武田薬品工業」がある。連結子会社が46社あり、製薬を核とした「武田グループ」を築いている。
同社の創業家である武田家が1781年、大阪で薬種の仲買い業「近江屋」を創業したのが起源だ。武田薬品が「創業1781年、設立1925年」としているのは、この近江屋開業から数えた歴史だ。こうなると「100年企業」どころか「200年企業」である。


武田家当主・4代目武田長兵衛が和漢薬から洋薬一本に切り替え、5代目武田長兵衛が1895年に大阪市北区の内林製薬所を武田専属工場として経営したのが実質的なスタートだ。この創業一家の武田家の男子が歴代の社長を務め、旧武田財閥が誕生した。武田家は現在も同社に大きな影響を持っている。現在の代表取締役会長・武田國男氏は6代目武田長兵衛の三男。長兄の副社長が社長に昇進する矢先に急逝。当時、アメリカ合弁会社に代表として派遣されていた國男氏が後継者に選ばれたのである。それは武田家以外からの社長が3代続いた後の「大政奉還」であった。


國男氏は社長就任後、大改革を実行。その結果、同社は2002年に連結で売上高1兆円を達成し、名経営者として注目を集めた。元日本経済団体連合会(経団連)副会長、現関西経済連合会副会長を務めている。


以下は余談。1980年に6代目武田長兵衛が亡くなった際、妻(武田國男氏の母)ら家族が遺産相続した額は約240億7000万円だった。遺産の内訳は自社株などの有価証券が約230億円、自宅などの不動産が約6億9000万円、預貯金などが約4億3000万円。相続税額約160億円は現金で納付したという。


By Master K/益田 慶

2008年03月07日

ヨーロッパの財閥と企業グループ 66 エネルギー資源をめぐる攻防(4)

今週から数回に分けて、カピス海周辺のエネルギー資源をめぐるロシアと欧州、そして西アジア、アメリカをも巻き込んだ攻防を紹介していきます。

この地域はチェチェン紛争や、アルメニアとアゼルバイジャンの「ナゴルノ・カラバフ紛争」などの民族紛争が起こり、その陰で列強と巨大企業グループの利権争いが繰り広げられてきました。
カピス海にはサウジアラビアに匹敵する大きな油田地帯があります。最も有名な油田は、ダイナマイトの発明で名高いノーベル兄弟が開発したバクー油田です。油田のある都市バクーはアゼルバイジャン共和国の首都で、旧ソビエト連邦の国です。また、カピス海周辺には膨大な天然ガスの埋蔵量も確認されており、ソ連邦崩壊後、米国をはじめとする西欧諸国は、様々な形で資本を投入し、この地域における資源開発のプロジェクトを推進してきました。


この地域には資源開発そのものとは別に輸送ルート(パイプライン)の確保が重要な課題となっています。その背景には、旧ソ連邦であるこれら諸国(アゼルバイジャン、カザフスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン)を通る既存のパイプラインのほとんどすべてがロシアを経由するものとなっているため、パイプラインの使用に当たってロシアと交渉し、パイプライン使用料を支払い続けなくてはいけないからです。


そこで油田を持つカスピ海周辺諸国は、ロシアを経由しない輸送ルートの確立を目指してきました。アゼルバイジャンは、ロシア経由で黒海に出る石油パイプラインの他に、グルジア経由で黒海に出るルートを稼動させ、グルジア、トルコ経由で地中海に出るルートを検討してきました。また、トルクメニスタンは、イランを経由してトルコに至る天然ガスパイプライン及びアフガニスタンを経由してパキスタンに搬出する天然ガスパイプラインを計画中です。著しい経済成長を続けるカザフスタンは、中国とパイプライン敷設を含む油田開発契約を結ぶなど、ロシアを経由しない輸送ルートの確保を図っています。これら実現すれば、ロシアに依存しないで欧州やアジアにエネルギー資源の輸出が増大する可能性が出てきます。


ロシアを経由しない石油のパイプラインとして名高いのが「BTCパイプライン」です。2006年6月、カザフスタンが「BTCパイプライン」への原油供給契約に調印し、やっと稼動に結びつきました。かつてソ連の支配下にあった国からすれば大きな決断です。このパイプラインは、カスピ海対岸のアゼルバイジャンとトルコの地中海岸を結び、ロシア領を回避し、ロシアの影響を排除する目的で敷設されたものだからです。こうしてロシアはもとより、ペルシャ湾岸も経由せずに国際市場への直送が可能となったのです。
BTCパイプラインの「BTC」とは、起点であるアゼルバイジャンのバクー(B)、通過するグルジアのトビリシ(T)、終点トルコのジェイハン(C)の頭文字をとったものです。全長約1760キロ。2005年に供用を開始し、1日約100万バレル、総工費36億ドルで米国がルートの選定や建設を主導しました。


その石油開発事業と輸送事業は、日・米・欧が国際企業連合を形成し、国際メジャー石油会社BP社(英国)が主な運営主体を努めています。日本企業は伊藤忠商事が参加していますが、ロシアの石油企業、たとえば国営の「ロスネチフ」や新興財閥「ルクオイル」の名前はどこにも見当たりません。石油はアゼルバイジャン領にあるバクー沖合いのカスピ海底の鉱区「アゼリ・チラグ・グナシリ(ACG)」から供給。可採埋蔵量は54億バレルで、それはインドネシア1国分を超える量です。こうしてメジャーのBP社は、カピス海周辺の石油ルートの争奪戦において、ロイヤル・ダッチ・チェル(オランダ)やエクソンモービル(米)を寄せつけず勝利を収めたのです。


By Master K/益田 慶

2008年3月7日 6日の海外為替市場

イングランド銀行(BOE)=予想通に政策金利5.25%据置きを決定→GBPUSD=1.9946→2.0の大台を超え2.0116まで上昇。欧州中銀(ECB)=予想通り政策金利4.0%据置きを決定→1.5323→1.5290まで下落、トルシェECB総裁記者会で、インフレリ上振リスク顕在=金利引き下げ期待後退に高値更新し→1.5395まで上昇。欧米金融不安は続き、株安+ドル安の流れで、USDJPYも安値更新し一時102.55円まで、USDCHFは安値を更新し一時1.0215まで下落した。また、金=992.3、原油=105.97と高値更新、NYダウ=-214.60と下落している。


アジア市場の早朝、NZ中銀は政策金利8.25%据置きを発表、声明で長期に渡り金利据え置きの可能性が指摘され、ボラードNZ中銀総裁からは、NZDUSD高が極めて不当との発言もあり上値は重く、豪住宅許可件数+豪貿易収支が弱く、AUD+NZDの買いが弱まった(米国市場では下落)。「投資会社カーライルの関連会社のデフォルト通知」との報道に、ドル売りが続き、「米政府不良債権の買収を検討」に日経平均株価は+243.36円。


欧州市場は、NYの中心部のタイムズスクウェアで爆発の報道に、一時ドル売りが見られたが、BOEとECBの政策金利待ちの相場から、共に予想通り金利据え置きが発表されたが、BOEの利下げ期待が弱まりポンドは2.0の大台を超え、トルシェECB総裁のインフレ上振リスクとユーロ高けん制発言も無く、1.53台後半まで上昇、欧州株はUBSなど金融株が弱く、円も比較的堅調に推移した。


米国市場では、カナダの住宅建設許可は前月比-2.9%(予想1.0%)と弱く、USDCAD=一時0.9884まで上昇。米財務省が、ファニーメイとフレディマックへの政府保証のうわさを否定、IMFスポークスマンは、ユーロ高、ドル安を予想。モノラインCIFGの格下や、米財務省がファニーメイとフレディマックへの政府保証のうわさを否定、弱い米国株にドルは全面安の展開が続いた。


●ドル円
アジア市場のドル円は、103.96円で取引が始まり、本邦実需筋の売りに仲値過ぎには、103.72円まで値を下げたが、「米政府不良債権の買収を検討」=日経平均株価が上昇、104円超えにあるストップロス試し104.01円まで上昇したが、「投資会社カーライルの関連会社のデフォルト通知」との報道に、米系証券の売りに103.66円まで下落した。欧州市場は103.70円で取引が始まり、前日の円売りの巻き戻しに、103.33円まで下落、NYタイムズスクウェアで爆発との報道に103.14円まで下落した。BOEとECBの政策金利発表を前に、動意も乏しく103.30~55円の狭いレンジで取引が続き、欧州通貨が変動する中でドル円の動きは鈍く、本邦勢の買いと金不安の高まりにクロスの円買いに挟まれ、103.30~55円のレンジで取引が続いていた。弱い米国株とドル全面安の流れに、徐々に上値を切り下げ、103.00~20円のドル買いを消化し、4日の安値102.65円を割り込み、102.55円まで下落、07:00時では102.66円で取引している。


●ユーロドル
アジア市場のユーロドルは、1.5263で取引が始まり、1.5261を安値に1.5270~90の狭いレンジから、アジア中銀筋の買いに底値も堅く、昨日の高値1.5305超え1.5310まで上昇した。欧州市場は1.5289で取引が始まり、アジア+中東中銀筋の買いに1.5280以下は底堅く、1.5350のバリアを意識しながら、NYタイムズスクウェアで爆発との報道に、1.5348まで上昇した。1.5350超えのストップロスのトライが失敗、BOEとECBの政策金利の発表を前に、ポジション調整の売りに1.5315まで下落、ECBが予想通り政策金利の据え置きを発表すると、一時1.5291まで下落したが、トルシェECB総裁の記者会見を境に1.5373まで急騰、1.5340~73のレンジから、ロンドンフィキシングでは1.5378まで上昇、終盤にかけては弱い米国株やユーロ買い遅れ組みの実需筋の買いが続き、1.5395まで続伸、07:00時では1.5383で取引されている。


●ユーロ円
アジア市場のユーロ円は、158.75円で取引が始まり、本邦実需筋の売りに上値は重く158.50円まで下落、堅調な日経平均株価に158.90円まで上昇したが、ドル円が104円台から反落、158.28円まで続落となった。欧州市場は158.35円で取引が始まり、投機筋の買いに底堅く、欧州金融機関の信用不安+弱い欧州株に円買いも続き、158.30~75円のレンジで上下を繰り返した。トルシェECB総裁後のユーロドルの上昇にも、ドル円の売りが強く、モノラインの格下げや救済策の失望に米国株の下落が続き、徐々に上値を切上げ、ドル円が102円台に突入+ユーロ円が158.00円を割り込むと、157.71円まで下落、07:00時では157.92円で取引されている。


●主な経済指標の結果
05:00 NZ NZ中銀(RBNZ)金融政策発表=8.25%の政策金利据え置きを決定。NZ中銀=かなりの期間金利据え置きを予想、食品・石油・賃金のインフレは根強い。08年下期のインフレは3.5%、09年上期は2.9%と予想。
09:30 豪 1月の住宅建設許可件数=前月比1.9%(予想5.0% 前回-16.0%)→ 予想を大幅に下回る
09:30 豪 1月の貿易収支=-27.23億豪ドル(予想-28億豪ドル 前回-19.37億豪ドル)
14:00 日本 1月の景気動向調査・速報: 先行指数30.0(予想30.0 前回50.0←45.5)、一致指数22.2(予想22.2 前回63.6←70.0)
15:45 スイス 2月の失業率=季節調整前2.7%(予想2.8% 前回2.8%)、季節調整後2.5%(2.5% 前回2.5%)
17:00 英 2月のハリファックス住宅価格=前月比予想-0.3%(予想-0.2% 前回0.0%)
20:00 独 1月の製造業受注=前月比-1.5%(予想0.2% 前回-1.1%←-1.7%)
21:00 英 イングランド銀行(BOE)金融政策発表=5.25%の政策金利据え置きを決定。
21:45 ユーロ 欧州中銀(ECB)金融政策発表=4.0%の政策金利の据え置きを決定。
22:30 カナダ 1月の住宅建設許可=前月比-2.9%(予想1.0% 前回-0.1%←0.4%)
22:30 米 新規失業保険申請件数(3/2までの週)=予想35.1万件(36.0万件 前回37.5←37.3万件)
00:00 米 1月の中古住宅販売保留=前月比0.0%(予想-1.0% 前回-1.2←-1.5%)


●昨日の主な発言その他
米国・カナダ
◎米財務省=ファニーメイとフレディマックへの政府保証のうわさを否定。
◎PIMCO=UBSからオルトA債権240億ドル取得のうわさ否定。
◎ガイトナーNY連銀総裁=金融状況の混乱やそれに関連した成長への下向きリスクが根強ければ、金融政策は緩和的である必要がある。米経済・金融システムは非常に難しい調整期間にあり、しばらくの間は不透明性の高い状態が続く可能性が高い。
◎ローゼングレン・ボストン連銀総裁=米経済は景気後退入りを回避できる可能性があるが、今後の見通しについて明言するのは時期尚早。今四半期は1%以下の成長率で、軟調。第2四半期は見通しを引き下げる動きが出ている。レジットカードの支払い遅延が増加し始めている。住宅価格下落で、市場や経済に対するリスク高まっている。
◎米住宅ローン会社ソーンバーグ<への債務不履行通知。
◎米抵当銀行協会(MBA)調査=2007年第4四半期の米国の住宅差し押さえ率が0.83%と過去最高水準。
◎ムーディーズ =金融保証CIFGを「AAA」から「A1」に格下げ。
◎ニューヨークの中心部のタイムズスクウェアで爆発→ドルが売られているが、大きな被害なしで戻す。
◎ピアナルト・米クリーブランド連銀総裁=クレジット問題により経済に大きな下振れリスクが生まれた。FRBの積極的な行動が必要。 米国では大恐慌以来の深刻な住宅不況に見舞われ、金融機関は信用収縮に苦慮。第4四半期の米経済はゼロ成長に近い状態。 インフレ上昇の兆候があるとはいえ、こうした状況下では措置をとりすぎるほうがまだましだ。 信用収縮が発生し急速に拡大する可能性があるため、FRBはその影響に対処すべく、積極的かつタイミングのよい行動をとるよう、準備を整える必要がある。
◎投資会社カーライルの関連会社=追い証に応じられずデフォルト通知を受ける。
◎米アムパック・ファイナンシャルの資本増強(15億ドル)への失望感強まる。


欧州・英国
◎ECBスタッフ予想のユーロ圏経済見通し=ユーロ圏15カ国のGDPは、08年が1.3~2.1%(中間値1.7%)、09年が1.3~2.3%(中間値1.8%)。前回12月時点では、08年が1.5~2.5%(中間値2.0%程度)、09年が1.6~2.6%(中間値2.1%)。欧州連合基準の消費者物価指数(HICP)は08年が2.6~3.2%。中間値は前回12月時点の2.5%から2.9%に上方修正され、目標の2%以下を大きく上回った。09年は1.5~2.7%、中間値は12月時点の1.8%から2.1%に引き上げられた。
◎トリシェECB総裁(理事会後の記者会見)=ECBとして物価抑制に向け必要なことをすべて行う。経済の不透明性は依然非常に高い。理事会で利下げや利上げを求める声はまったくなかった。据え置きは全会一致。
◎トリシェECB総裁(理事会後の記者会見)=物価安定に対する上振れリスクの顕在化を回避することに強くコミット。インフレに対して短期的な強い上昇圧力が存在することを裏付。実質GDPが減速しながらも伸びていることを示唆。金融市場の混乱がもたらす不透明性は依然として高い。中長期的なインフレ期待をしっかり抑制することが最優先課題。中経済活動見通しへの下振れリスクは引き続き存在。最近数カ月間のエネルギー・食品価格上昇に起因する短期的なインフレ上昇圧力の存在を確認。高いインフレの時期がさらに長引くと予想。向こう数カ月間、CPIは引き続き2%を大幅に上回って推移する公算。債券スプレッドの拡大は財政政策に注意する必要性を示唆。
◎トリシェECB総裁(理事会後の記者会見)=強いドルは米国の国益にかなうというブッシュ大統領やポールソン財務長官らの文言を極めて大きな注目。行き過ぎの動きや過度のボラティリティは世界の成長にとって好ましくない。
◎バーカーBOE金融政策委員会委員=経済に対する最大のリスクは、クレジット市場の混乱が金融セクターと不動産市場にどのような影響を及ぼすか。
◎ダーリング英財務相=住宅市場は冷え込んでおり、今年はさらに鈍化する見込みだが、ファンダメンタル的には力強い。 住宅市場は鈍化しているが、一部の地域では長年にわたって価格が年間10%か、あるいはそれ以上のペースで上昇。住宅市場は鈍化するだろうが、ファンダメンタル的には力強。


日本・その他
◎IMFスポークスマン=ユーロは「Strong side」、米ドルは「must come down」
"◎中国人民銀行総裁=周小川総裁と馬凱中国国家発展改革委員会主任=分析的な観点から言えば、適切な人民元の上昇加速はインフレ抑制に寄与するが、中国のような大国ではそれほど有効な手段とはならない。為替相場をインフレ抑制の主たる手段とすべきではない。人口13億を抱える大国の中国は、国内政策すなわち金融引き締め策をインフレ抑制の主たる手段とすべき。 人民元がどこまで上昇するかは、売買活動のほか、市場要因や為替相場に対する需給期待次第。為替相場は市場の需給要因に基づくだけでなく、通貨バスケットの動きにも関連しているとした。
ドル、ユーロ、円の為替相場は、人民銀行だけでなく、市場参加者も注視している。 "
◎インドネシア中央銀行=政策金利で8.0%の据え置きを発表。
◎ボラードNZ中銀総裁=NZドルは対ドルで不当に高くなっている。

2008年3月7日 本日の為替戦略

昨日の海外市場で、非常にクレジットリスクが高まり、それをヘッジするような動きが強まっていた。UBSなど大手金融機関の不信感が強く、新興市場国通貨売りが進み、円高+スイスフラン高が進む可能性が高くなっている。


今日は週末金曜日で、注目の米雇用統計の発表がある。多くの市場参加者は一月前の米雇用統計の非農業部門雇用者数が予想外の減少に、ドル売りが加速したことを記憶している。今回も柳の下に、どじょうが二匹では杯が、+2.5万人近辺での予想が大勢だが、減少を予想する金融機関もあり、心配でたまらないことであることは容易に想像できる。


利食いのドル買いはできるが、投機的なドル買いポジションを持ち、この発表を迎えることは難しい。相場の世界は、折込済みかどうかが重要で、その程度により、後の動きは異なるが、現状はドル売りポジションが拡大する傾向にあるものの、高所恐怖症でポジションの量は、まだまだ少ない。


高所恐怖症の、EURUSD、USDCHFは、不思議なほど、大幅なEUR高、CHF高を予想する向きは少なく、逆に、押し目を待って買いたい市場参加者が増えてくることが推測され、セオリーでは押し目買いに押し目無し。まだまだ、何処までドル売りが進むのか判断がつかない。もちろん、GBPもJPYも同じである。


本日の経済指標からは、めっきり影は薄いが、日銀の政策金利発表があり、0.5%の金利の据置きは間違いなさそうで、それ以外ではカナダの失業率が注意したい。


●ドル円
ドル円は、104円台まで値を戻し、結局は再び下値の102.60~65円を試す水準まで下落。主要通貨でドル安が加速する中で、ドル売り=円買いの流れは、将来のドル円の下落を予感させる。あまりにも円高水準だけに、新規のドル売りポジションは作りにくい状況では、実需筋の買いに、50ポイント程度の上昇はあるが、まだ底値は見えない。


ドル円の4時間チャートは、広い下降トレンドの下限近くに再び値を下げている。上値のポイントは、103.66~70円、103.92円、104.19円、104.32円。下値のポイントは、102.60円、102.04円、101.96円、101.79円。RSIは41と引き続き上昇ラインが続き、トレンドモメンタムも買いを継続している。実際の値動きは直近の安値を試す動きと相反し、先の安値102.60円を割り込むと、101.79円→100.70円までの下落に結びつく可能性が高くなる。


●ユーロドル
ユーロドルは、ECBは予想通り4.0%の政策金利の据え置きを決定。トルシェECB総裁の記者会見でもインフレの進行が危惧されたが、これも、どちらかと言えば予想通りで、サプライズは無く、関心のユーロ高懸念発言はオブラードで包まれはっきりとせず、米国がドル安政策を採っているので仕方がないとでも言いたいのか、ブッシュ米大統領とポールソン米財務長官のドル高政策コミットを全面に出すだけである。1.5の大台を上抜け、一度も割り込むことも無く、高値警戒感が続き、結局、ユーロ高の流れは変わらず、むしろ、ECBの口先介入や実弾介入を警戒しながら、介入と言うお化けが出るまでは加速することが心配である。


ユーロドルの4時間チャートは、上昇トレンドが続き、ラインの中間から上限で取引が続いている。上値のポイントは、1.5414、1.5450、1.5640。下値のポイントは、1.5340、1.5307、1.5254、1.5200。RSIは76と上昇に転じ、トレンドモメンタムは売りから買いに変化している。トータルの判断は、買い。目先は1.5307~1.5414のレンジに入っているので、高値で買いは避けたいが、潜在的な上昇の警戒感は強まっている。


●ポンド円
ポンド円は、ポンドドルがようやく2.0を超え上昇力が加速したが、円高の流れに、ポンド円事態は、不思議と安定した水準となっている。BOEは予想通り政策金利の据置きを発表したが、一部には根強い利下げ期待があったようで、直後の反応はまさにポンド買い一色となり、引き続きポンド円の買い傾向と円買い傾向に挟まれて、レンジ相場に無い安い。


ポンド円の4時間チャートは、広い下降トレンドが続き、ラインの中間地点で取引が続いている。上値のポイントは、207.28円、208.51円、208.75円。下値のポイントは、205.66円、205.38円、204.58円。RSIは50と上昇ラインが続き、トレンドモメンタムも買いが継続。トータルの判断は、205.38円~208.51円のレンジ。


●本日の経済指標・その他
日銀金融政策決定会合=0.5%の政策金利据え置きを予想
15:00 日本  3月の金融経済月報・基本的見解
20:00 独 1月鉱工業生産=前月比予想0.4% 前回0.8%
21:00 カナダ 2月の失業率=予想5.9% 前回5.8%、雇用ネット変化=予想0.8万件、前回4.64万件
20:00 ユーロ 1月のユーロ圏OCED先行指標=予想 前回98.1
22:30 米 2月の雇用統計: 失業率=予想5.0% 前回4.9%、非農業部門雇用者数=予想25,000人 前回-17,000人、時間当たり賃金=予想0.3% 前回0.2%、週間労働時間=予想33.7時間 前回33.7時間
05:00 米 1月の消費者信用残高=予想70億ドル 前回45億ドル
フランス中銀主催のグローバル化と世界のインフレに関するシンポジウム、トルシェECB総裁、ノワイエ仏中銀総裁が参加
米FRB高官がパネルディスカッションに参加
フィッシャー米ダラス地区連銀総裁
イエレン米サンフランシスコ地区連銀総裁
コーンFRB副議長 が講演「金融政策行動の意味合い」
ミシュキンFRB理事が講演「為替レートと金融政策」

2008年3月7日 FX検定 きょうの問題 SWF 政府系ファンド

2008年のダボス会議で最も話題になったことに政府系ファンドがある。国家ファンドと呼ばれることもあるこのファンドは通称SWFと呼ばれることがある。SWFとは何の略か。


正解 Sovereign wealth funds 政府系ファンド、国富ファンドなどと訳される 国家ファンドともいう


解説


政府系ファンドの規制が先進各国で話題になっている。2008年のダボス会議において、リーマン・ブラザース会長兼CEOのリチャード・ファルド氏は、「政府系ファンド(SWF)の運用資産総額は現在3兆ドル規模で、それが今後5年内に20兆ドルに膨らむ可能性がある」と発言している。年金基金は60兆ドルの規模があるが政府系ファンド(SWF)の存在は侮れない規模になってきている。2007年末現在の政府系ファンドの運用規模は2.5兆ドルと推定され、3分の2がオイルマネーを背景とした中東マネーといわれている。モルガンスタンレーの推計では、世界のSWFは今後10年間に17.5兆ドルに達するとしている。また米証券取引委員会(SEC)では、世界のSWFは毎年5000億ドルずつ増え続け、2015年には総額約12兆ドルに達すると推計している。現在のヘッジファンドの運用規模が1.5兆ドルから2兆ドルと推計されているから政府系ファンドのインパクトの大きさが推し量れる。


日本でも政府系ファンド設立の検討に入っているが、原資は100兆円に及ぶ外為国債発行で調達した資金で購入した外貨準備金である。また外貨準備金8000億ドルの運用も検討されている。
日本の場合、リスクに対する考え方が情緒的であるため、与党の一部、野党、国民の理解が得られる可能性は低い。年金にせよ、道路財源にせよ、政府に大きな資金を任せるのは不安を感じるが、不作為もリスク管理なしと同じ行為であることに注意したい。

●クウェート
クウェート投資庁(KIA) 運用資産700億ドル
旧ダイムラー・クライスラーに6.9%出資 中国工商銀行の株式7.2億ドル出資 トルコ・ハルク銀行の株式取得 シティ・グループに対し30億ドル出資 メリルリンチに対し、みずほコーポレート銀行、韓国投資公社と共同で優先株に総額66億ドルの出資(年9%優先配当)KIA出資分は20億ドル さらに40億ドルの追加投資検討


●アブダビ
アブダビ投資庁(ADIA)運用規模8750億ドル、シティ・グループに75億ドル出資(5%) 日本へは400億ドル投資予定 スイスの金融機関UBSの資産運用部門と折半で合弁会社を設立2008年6月までに5億ドルのファンド設立
ムバダラ開発会社(Mubadala Development Company)フェラーリの株式5%、オランダ自動車リース大手LeasePlanの株式25%、カーライル・グループの株式7.5%とカーライルが運用する投資ファンドに5億ドル投資、その他、発電、アルミ精錬、通信、医療、不動産などに幅広く投資。100-170億ドル 2002年10月設立
アブダビ国際石油投資公社 2007年9月コスモ石油の株式20%取得
○アブダビ投資評議会 アブダビ投資庁と合わせて5000-10000億ドル 2006年6月設立


●ドバイ 
イスティスマール 2007年6月英国の華客客船「クイーン・エリザベス2世号」買収 2007年8月バーニーズ・ニューヨーク買収、ファースト・リレーリングと買収合戦の末獲得 不動産開発会社ナヒールと経営統合、海外不動産投資を目論む。
ドバイ・インターナショナル・キャピタル(DIC)投資総額70億ドル⇒100-250億ドル
ソニー、トヨタの株式取得、今後3年間で日本、インド、中国での運用資産残高を計50億ドル(約5400億円)とする方針。欧州航空防衛最大手EADSの株式3.1%保有
ドバイ国際金融センター 2007年5月ドイツ銀行に2.2%出資
ドバイ・ワールド 米カジノ・MGMミラージュの株式9.5%取得 港湾管理会社ドバイ・ポート・ワールド
ドバイ取引所 ドバイ金融取引所(DFM)、ドバイ国際金融取引所(DIFX)の持ち株会社 2007年9月ロンドン証券取引所の株式28%保有 2007年9月米ナスダック・ストック・マーケットの株式19.99%保有 ナスダックはDIFXの33%を保有

ドバイの石油資源埋蔵量は40億バーレルである。可採年数は8年余りしかない。ドバイの政府系ファンドの原資はすでに石油収入から脱却している。GDPにしめる石油収入もすでに5%に低下している。資金調達の大半は国際金融市場からの借入、株式発行となっている。

●カタール
カタール投資庁(QIA) 2008年内に150億ドル(約1兆6000億円)を投じて欧米金融機関の株式を取得することを計画、すでにクレディ・スイス株取得 2007年9月ロンドン証券取引所の株式20%取得
カタール・ディアル 2007年4月イギリス国防省からロンドン市内の兵舎を買収、再開発へ 
デルタ・ツー イギリス小売大手セインズベリー買収表明、セインズベリーは英スーパー・マーケット第3位


●韓国
韓国投資公社(KIC) シンガポール政府投資公社(GIC)をモデルに2005年設立 運用額200億ドル、2015年までに2000億ドルに拡大予定 2008年メリルリンチに20億ドル出資 2008年2月ドバイ投資公社と共同で20億ドルのファンド設立表明


●シンガポール
シンガポール政府投資公社(GIC)運用規模33兆円
シンガポールの政府系ファンドの「シンガポール政府投資公社」(GIC)の不動産部門であるGICリアル・エステートは、米大手証券のモルガン・スタンレーとスターウッド・キャピタルが共同保有していた東京・目黒の「ウェスティンホテル東京」を770億円で買収したと、2008年2月26日に発表した。GICは07年春にも、米不動産投資会社のコロニーキャピタルから福岡市の複合施設「ホークスタウン」を約1000億円で買収している。2007年12月UBSに対して110億フランの転換社債引き受け。
テマセク・ホールディング 運用規模11兆円 シンガポール航空、DBS銀行、シンガポール・パワー、ワイルド・ライフ・シンガポール(動物園、ナイトサファリ運営)国内メディアのMedia Corp、地元有力紙 Straits Timesを発行するSingapore Press Corporationなどの筆頭株主 投資先としては、韓国ハナ銀行、中国銀行、スタンダード・チャータード銀行、インドネシア・ダナモン銀行、UBS、シン・コーポレーション(タイ)、キャピタランド不動産、日本への投資としては、三井生命、イーモバイル、オープン・ワイアレス・ネットワークなど

プロジェクト投資としては、マネジメントを含めた途上国投資として中国の蘇州、無錫、ベトナム、インドでの工業団地開発などの実績がある。


●サウジアラビア 
サウジアラビア通貨庁(SAMA)2007年60億ドルのSWF設立 現在1兆ドル規模のSWFを設立準備
サウジアラビア基礎産業公社 2007年5月GEのプラスチック部門買収
○キングダム・ホテル・インベストメント アルワリード・ビン・タリード王子経営


●中国
中国投資有限責任公司(CIC)運用額約2000億ドルのうち約3分の1を海外に振り向ける方針、モルガン・スタンレーに優先証券50億ドル出資、転換後の持ち株比率9.9%。日本へは100億ドルの投資を計画 国際石油開発帝国ホールディングスの株式保有の噂⇒尖閣諸島の問題と絡んで国際問題化の恐れもある。 アメリカ投資会社ブラックストーンに対し30億ドル(10%)投資したがサブプライム問題にかかわる損失でブラックストーン株は30%下落し多額の損失を出した。また、サブプライムローン問題に揺れる住宅ローン大手カントリーワイドを買収する計画も進めている。

中国の国家ファンドSWFの原資は貿易黒字で稼ぎ出した外貨準備金である。中国の外貨準備は2007年12月現在で1兆3500億ドルに及ぶ。

●ノルウェー
ノルウェー政府年金基金 年金ファンドでは日本に次ぎ世界第2位の規模 2005年石油基金、年金基金が改組されて設立 年金基金の規模は総額1兆2千750億クローネ(1千6百億ユーロ) ノルウェーは国民一人当たりの年金基金は500万円ほどの規模であるが、日本は国民一人当たり500万円以上の借金がある。ノルウェー最大にして世界有数の石油会社スタトイルの最大株主がこのファンドである。


●ロシア
ロシア安定化基金(国家福祉基金)320億ドル
準備基金1250億ドル


●リビア
リビア投資庁


●ブルネイ
ブルネイ投資庁


国家ファンド規模ランキング

第1位 アブダビ通貨庁 8750億ドル
第2位 シンガポール(GIC+テマセク) 4300億ドル
第3位 サウジアラビア 3000億ドル
第4位 ノルウェー政府年金基金 3000億ドル
第5位 中国(CIC) 3000億ドル
第6位 クウェート投資庁 700億ドル
第7位 オーストリア(スーパーアニエーションファンド) 400億ドル
第8位 アラスカ州永久ファンド公社 350億ドル
第9位 ロシア(安定化基金) 320億ドル

現在、全世界で40ほどの国家ファンドSWFが存在すると言われている。

FXライフ32 東アフリカの通貨 ケニアとタンザニア

アフリカ東部にあるケニア共和国は東アフリカのリーダー的存在だ。18世紀にアラブ人勢力によって奴隷貿易や象牙貿易が行われ、19世紀に欧州列強による植民地化が進んだ。イギリスとドイツの植民地獲得争いの末、1920年にイギリスの植民地となる。紅茶、コーヒーなどのプランテーション経営が進められ、イギリス人が政治・経済を支配した。この時期にイギリスからの投資によって工業化の種がまかれ、ケニアに製造業を発展させる基礎体力が備わったのである。第二次世界大戦後、イギリスへの抵抗運動が活発となり、1963年に独立した。


通貨はケニア・シリング(KES)。主要産業は農業でGDPの3分の1を占める。人口の75%が農業関連の仕事に就き、外貨の約60%を農業が占めている。コーヒー、紅茶、豆などが主要輸出品だが、生産品目の多角化に成功し、現在サトウキビ、トウモロコシ、綿花、除虫菊なども生産している。鉱物資源の産出量は縮小傾向にあり、増えているのが金の産出量のみだ。南西部のグリーンストーン一帯に金鉱山が分布しているものの、採掘の機械化が遅れているようだ。


その一方で近年製造業を中心に工業化が進んだ。食用油、石鹸、セメント、プラスチック製品、衣料品など、東アフリカで優位性の高い製品は多い。そんな背景もあり、2004年度に経済成長率4.3%を達成。以降も観光、建設、農業分野が好調だったので、5%成長が続いていると見られる。


気になるのは、2007年末に行われた大統領選挙の結果をめぐり、暴動が勃発していることだ。ケニアには少なくても42の民族が存在し、公用語は英語だが、42もの言語が用いられているといわれている。近年、政財界を支配してきたキクユ族も全人口の22%を占めるにとどまっている。暴動が民族闘争に発展するのか、あるいは民主主義が成人するための痛みなのかは現在のところ不明だ。


ケニアの隣国タンザニア共和国は、ドイツ、イギリス両国の保護領時代を経て全土がイギリスの保護領となった。1961年から1963年に地域ごとにイギリスから独立を果たし、1964年に合併。通貨はタンザニア・シリング(TZS)。独立後、政治の民主化が進められ、近年は適切な経済政策が功を奏し、2005年には経済成長率7%を達成した。


主要産業はケニア同様、農業だ。GDPの約半分を占めている。特にタンザニア産のキリマンジャロコーヒーは有名で、世界じゅうで愛好されている。また、ビクトリア湖で獲れる大型の淡水魚ナイルパーチは食用として日本をはじめ世界に輸出され、ひとつの産業となっている。ナイルパーチはもとはといえば1950年代に水産資源としてイギリス人が持ち込んだ外来種だ。ススギに食感が似ていることから日本のスーパーの店頭では「白ススギ」と記されることもある。


タンザニアの製造業は、ケニアに遅れをとっているものの、近年、繊維、食品加工などが盛んになっている。また鉱業は未開発だが、大きな潜在力を秘めているといわれている。現在、金や天然ガスの開発が進められており、地下資源が発見された場合、産業が大きく飛躍する可能性がある。


このような両国は、貿易を通じて互いに成長すべく模索を続けてきた。具体的な政策として採用されたのが、2001年にケニア、タンザニア、ウガンダによって結成された関税同盟「東アフリカ共同体」(EAC)の設立である。2007年にはルワンダとブルンジが参画し、5ヶ国から成る関税同盟へと拡大した。


2007年12月、東アフリカ共同体は欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)枠組協定に署名した。これによりEACから輸出する農産物の関税は撤廃され、EUから輸入する工業製品などの関税は段階的に撤廃されることになった。東アフリカ共同体は約1億人の巨大市場で、かつさらなるインフラ整備が求められている地域である。農産物の産地が広がり、地下資源が眠っている可能性も高い。一方のEACからすれば、EUはアフリカ産の農作物を消費してくれる巨大市場である。EUとの経済連携はEACが今後予定している共通市場、通貨統合、政治統合への動きに弾みをつけると見られている。

By Master K/益田 慶

2008年03月08日

2008年3月8日 7日の海外為替市場

ブッシュ米大統領、ポールソン米財務長官、「経済が減速したのは明らか」


米雇用統計では失業率は改善したが、非農業部門雇用者数が-6.3万人(予想2.5万人)と予想を大幅に下回り、一日を通じて、EURUSD=1.5459最高値更新、USDCHF=1.0138最安値更新 USDJPY=101.44円8年ぶりの円高水準となった。しかし、FRBの積極的な資金供給に、FRB大幅利下げ期待が高まり、ドルショートポジションの巻き戻しで終了した。金融市場の悪化が進み、日経平均株価=-432.62 独DAX=-77.14 英FTSE=-79.50 NYダウ=-146.70と世界的な株安が続いた。


アジア市場では、円買いが続き、欧州時間にはついに101円台に突入、株安と主要通貨高が進み、欧州市場では、クレジット市場の悪化と、米雇用統計を控え小幅な値動きとなった。米国市場では、カナダ雇用統計が予想を上回り、USDCAD=0.9811→0.9742まで下落したが、米国では0.9923まで上昇。米雇用統計は失業率=4.8%(予想5.0%)、非農業部門雇用者数=-6.3万人(予想2.5万人)に、ドル売りが加速。


米雇用統計前にFRBがターム物入札ファシリティの規模を拡大=1回300億ドルから500億ドルへの増額を発表。FRB28日物での通常オペの開始を決定。FRB追加利下げの思惑が広まり、週末のドル売りポジションの巻き戻しを誘発、ドルの買い戻しが続いたが、ソーンバーグ・モーゲージ破綻の可能性に、米国株は弱くドル買いも弱まる。


●ドル円
アジア市場のドル円は102.66円で取引が始まり、早朝には102.50円以下のオプション絡み+投機筋のストップロスを試し102.45円まで下落、海外勢の円売りに102.92円まで上昇したが、103円超えのドル売りは厚く、日経平均株価の大幅下落=円買いに、102.45円を割り込むとドル売りが加速、102.32円まで値を下げた。欧州市場は102.43円で取引が始まり、中長期筋の円買い戻しが円クロスを含めて強く、102.00円のオプションバリアをトリガーし、101.80円まで続落、米雇用統計の一大イベントを前に101.85~10円の狭いレンジで取引が続いたが、ECBフィキシングには102.35円まで値を戻した。米雇用統計の弱い非農業部門雇用者数に102.14→101.40円まで急落、FRBが大量資金供給を実施、FOMCで大幅利下げ期待が脹らみ米国株が持ち直すと、102.50円超えの短期投機筋のストップロスを巻き込み、アジア市場の高値102.92円超え買いが加速、103.25円まで急騰となった。103円台では実需筋+資本筋+ファンド勢など幅広いドル売りが控え上げ止まり、ラジア米大統領経済諮問委員会委員長から「今四半期は成長低迷を見込んでいる」との発言や、ソーンバーグ・モーゲージ破綻の可能性に住宅ローン関連は混乱し、NYダウが一時200ドル近い下落となり、102.42円まで下落、薄商いの中で102.93円まで上昇、結局は102.67円で取引を終了した。


●ユーロドル
アジア市場のユーロドルは1.5379で取引が始まり、1.54台は重く海外勢の売りに一時1.5371まで下落、1.5370 ~85のレンジで揉み合いとなったが、ファンド勢+アジア勢の買い底値も堅く、1.54のオプションバリアを試し1.5433まで上昇、利食いの売りに1.5370まで値を下げた。欧州市場は1.5385で取引が始まり、1.5370を安値に、独鉱工業生産は強く、塚当局者の相次ぐインフレ懸念発言に1.5425まで上昇したが、不安定は欧州クレジット市場と、弱い欧州株価に上値も重く、1.5400~25の狭いレンジで売り買いが交錯した。米雇用統計の発表に、1.5410→1.5465まで上昇したが、FRBが大量資金供給を実施、これを契機に大手ファンド筋の売りが強まり、ポジション調整の売りが進み、1.5350を割り込むと短期投機筋のドル売りも入り、1.5315まで続落となった。1.5300~20では中銀筋や米銀筋の買いに厚く下げ止まり、一時1.5370まで値を戻し、1.5325~60のレンジから、1.5358で取引を終了した。


●ユーロ円
アジア市場のユーロ円は157.90円で取引が始まり、ドル円の売りに一時157.70円まで値を下げ、AUDJPYの買い+実需の買+ドル円が上昇に転じると158.25円まで上昇、157.95~20円の狭いレンジで揉み合いが続いたが、日経平均株価の大幅安に1157.55円まで下落した。欧州市場は157.59円で取引が始まり、弱い欧州金融株とクレジットリスクの高まりに円買いが強く、156.82円まで続落、ドル円がようやく下げ止まり、157.00~30円のレンジで取引が続いたが、ECBフィキシングでは157.81円まで上昇した。米雇用統計の発表に、157.53→156.70円まで急落、米国株が値を戻し、オプションカットでは157.73円まで上昇、ロンドンフィキシングでは158.41円まで急上した。クレジット市場の混乱が続き、米国株が弱く157.10円まで下落、米国株連動の相場が続き終盤にかけては158.02円まで値を戻し、157.68円で取引を終了した。


●主な経済指標の結果
日銀金融政策決定会合=0.5%の政策金利据え置きを決定。全員一致での決定。
15:00 日本  3月の金融経済月報・基本的見解
20:00 独 1月鉱工業生産=前月比1.8%(予想0.4% 前回1.5←0.8%)
21:00 カナダ 2月の失業率=5.8%(予想5.9% 前回5.8%)、雇用ネット変化=4.33万(予想0.8万件、前回4.64万件 )→ カナダドル買いが強まる
22:30 米 2月の雇用統計: 失業率=4.8%(予想5.0% 前回4.9%)、非農業部門雇用者数=-6.3万人(予想2.5万人 前回-2.2←-1.7万人)、時間当たり賃金=0.3%・17.8ドル(予想0.3% 前回0.3%・17.75ドル←0.2%・17.75ドル)、週間労働時間=33.7時間(予想33.7時間 前回33.7時間)
05:00 米 1月の消費者信用残高=69億ドル(予想70億ドル 前回37←45億ドル)


●昨日の主な発言その他
米国・カナダ
◎S&P=米国の実質経済成長率が2008年に1.2%に減速し、税収入の減少リスクに直面する連邦および地方政府の借り入れが増大する。
◎ポールソン米財務長官=米資本市場は現在圧迫された状況。ダウンサイドリスクは認識している。明らかに予行の数字は歓迎できない。
◎ブッシュ米大統領=経済が減速したのは明らかだが、これを予期し、景気対策法案を可決することで景気押し上げへの断固たる措置をとったことは心強い。
◎米住宅ローン会社ソーンバーグ・モーゲージ=6億1000万ドルの追加担保差し入れ要求に応じられず、破たん危機が迫っている→ 住宅ローン市場が混乱。
◎ラジア米大統領経済諮問委員会(CEA)委員長=ブッシュ政権は国内経済を懸念しており、今四半期は成長低迷を見込んでいる。リセッションは他の人が決めることだ。われわれは今四半期の予想を下方修正した。現実として経済は期待ほど強くない。経済は第3四半期までに持ち直し、インフレ圧力は来年低下するとの見通し。
◎ミシュキンFRB理事=為替相場の変動は避けられないものであり、メディアの反応は時として行き過ぎる。
◎米連邦準備理事会(FRB)=資金ひっ迫の軽減を目的に、1000億ドル規模の週間ターム物レポを実施。 3月10日・24日に行うターム物入札供給額をそれぞれ500億ドル引上げる。TFA入札を少なくとも今後6ヶ月継続。→ スイス中銀は追加流動性を否定、ECBも何も言うことは無いと発言。
◎米連邦準備理事会(FRB)スタッフ=最近数日間で市場状況が悪化したとの認識がターム物流動性供給額の拡大につながった。入札拡大してもFFレートを目標近辺に維持することを目指す。最近数日間で市場状況が悪化したとの認識、今回の措置につながった。今回の措置は雇用統計と無関係。追加入札供給額、流動性へのアクセス保証を高める見込み。
◎ムーディーズ=米住宅金融ソーンバーグの格付けをジャンク等級内でさらに引き下げ。
◎投資会社カーライルの関連会社=さらに追加担保差し入れ要求とデフォルト通知受ける。
◎プール・セントルイス連銀総裁=現在の先行き不透明により、政策の見通しを先々まで示すのは困。金融政策、成長リスクとインフレリスクの間でバランスをとる必要がある。リセッションに対する保険はただではない。家計部門は圧迫されているが、非金融機関の財務状況はかなり良好。多くの金融機関が低迷することは明らか。金融政策、成長リスクとインフレリスクの間でバランスをとる必要がある。金融政策は成長リスクとインフレリスクの間でバランスをとる必要がある。
◎イエレンSF連銀総裁=米経済は住宅バブル崩壊による下振れリスクに直面。インフレと成長に対するリスクの不快な組み合わせに直面。インフレリスクはおおむね均衡している。コアインフレ率は今後2─3年以内に2%以下に低下する見込み。インフレ期待の抑制を当然視すべきではない。
◎フィッシャー・ダラス連銀総裁=金融市場のグローバル化により、FRBのインフレ抑制能力が失われることはない。ただ、投資家が下落した通貨を売ることから中央銀行にとってリスクが高まる。中央銀行が懸念しているのはインフレ期待。


欧州・英国
◎ソルベス・スペイン経済・財務相=原油や食品価格が上昇すれば、ECBが利下げする可能性は低くなる。
◎トルシェECB総裁=現在の商品価格急上昇、グローバル化がインフレの上方リスクにつながることを示す。食品価格上昇のショックをよく理解することが重要。現在の商品価格急上昇、グローバル化がインフレの上方リスクにつながることを示す。市場の調整がインフレ動向へ影響するかもしれない。市場の動向を考慮。過度の為替変動は望ましくない。
◎IMFリプスキー筆頭副専務理事=ECBの金融政策について、経済成長が比較的良好でインフレが高いという現在の環境に合っている。状況が変わればECBは方向を変えるべき。ユーロは強い方向にある。
◎ウェーバー独連銀総裁=現在のインフレ見通しと中期の物価上振れリスクが主要懸念。インフレ率は08年を通じて2%を上回る見込み。成長率の低下は08年前半に持ち越され、その後徐々に回復へ。一部の成長下振れリスクが顕在化、08年の成長は潜在成長率をやや下回る見通し。予見可能な将来、景気減速見通しがインフレ圧力低下をもたらすと考えるだけの十分な根拠はない。
◎ウェーバー独連銀総裁=金融市場はインフレリスクを過小評価している。ECBはインフレについて必要なことを実行するのは間違いない。インフレリスクは長期化する見込み。銀行にとって厳しい環境がしばらく続く。
◎ノワイエ・仏中銀総裁=すべての国にとって、成長のリスクは下向き。すべての国にとって、インフレのリスクは上向き。不安定な金融環境の中、金融政策の決定は一段と困難で不透明になっている。商品価格高について長期的トレンド。新興市場国の成長が天然資源や食品・エネルギーに対する需要の大幅増につながっており、必然的にインフレに対して強力かつ永続的な影響を及ぼす。
◎リープシャー・オーストリア中銀総裁= 界経済の減速は避けられないが、ユーロ圏の経済ファンダメンタルズは強い。ユーロ高は商品およびエネルギー価格高による影響の緩和に寄与。現在3.2%の高水準インフレは年末に向け2%に近づく。ECBの金融政策はインフレ抑制を目指している。
◎ウェリンク・オランダ中銀総裁=金融もしくは経済の安定を脅かす恐れのある動きに柔軟に対応。


日本・その他
◎財務省=2月末の外貨準備高は1兆0079億ドル、前月比+119.37億ドル。
◎大田経済財政担当相=米経済の減速や原油高などの影響がジワジワ現れている。テンポ緩やかになっているが、景気回復の基調は続いている。中銀は経済に不可欠な機能、決して総裁の空白期間作らない。米経済の減速や原油高などの影響、ジワジワ表れている。
◎トルコリラが対ドルで大幅に下落、新興国市場は世界的な信用状況の悪化見通しにより打撃を受けている。
◎8日にカタールとUAEがドルペック解除とのうわさが流れる。
◎福井日銀総裁=前向きなメカニズムは少し弱まっているが、崩れてはいない。米国を中心とする世界経済のダウンサイドリスクやや高まっている。景気は足元減速しているのは事実、海外資本市場の動きに不確実性が高い。国際金融資本市場、やや不安定増している。国際金融市場が秩序立って調整されれば、時間がかかっても日本経済は次の局面につながる。何が何でも利上げしなければならぬ訳ではない。為替・株式市場の変動、投資家のリスク取る姿勢が消極的になっている。賃金への所得還元が一層遅くなっている。各国間で政策行動異なっても、目指すところは同じ。
◎金融経済月報・基本的見解 =景気は減速しているが基調としては緩やかに拡大。減速理由にエネルギー・原材料価格高を追加。生産はこのところ横ばい圏内の動き。生産は当面横ばい圏内で推移するが、その後増加していく。企業収益が伸び悩みつつも高水準で推移。先行きは当面減速するもののその後緩やかな拡大を続ける。消費者物価はプラス基調を続けていくと予想。海外経済や国際金融資本市場の不確実性、エネルギー・原材料価格高の影響などに引き続き注意。住宅投資は回復に向けた動きが見られるがなお低水準。

2008年3月10日 日本機械受注 英鉱工業生産

08:50 (日) 1月機械受注
08:50 (日) 2月マネーサプライM2+CD
14:00 (日) 2月景気ウォッチャー調査
16:00 (独) 1月貿易収支
16:00 (独) 1月経常収支
16:45 (仏) 1月鉱工業生産
16:45 (仏) 1月製造業生産指数
16:45 (仏) 1月貿易収支
18:30 (英) 2月生産者物価指数
18:30 (英) 1月鉱工業生産
21:15 (加) 2月住宅着工件数
23:00 (米) 1月卸売在庫

2008年3月11日 独ZEW景況感調査

19:00 (ユーロ圏) 3月ZEW景況感調査
19:00 (独) 3月ZEW景況感調査
21:30 (米) 1月貿易収支
21:30 (加) 1月国際商品貿易
21:30 (加) 1月新築住宅価格指数
24:30 (英) 1月景気動向調査

2008年2月12日 日銀金融政策決定会合議事要旨 日本GDP

08:50 (日) 日銀金融政策決定会合議事要旨(2月14・15日分)
08:50 (日) 第4四半期GDP・二次速報
08:50 (日) 2月企業物価指数
08:50 (日) 1月貿易収支
08:50 (日) 1月経常収支
14:00 (日) 2月消費者態度指数
16:45 (仏) 2月消費者物価指数
18:00 (南ア) 1月小売売上高
18:30 (英) 1月商品貿易収支
19:00 (ユーロ圏) 1月鉱工業生産・季調済
27:00 (米) 2月月次財政収支

2008年3月13日 豪失業率 ECB月例報告 米輸入物価指数

06:45 (NZ) 1月小売売上高指数
08:50 (日) 3/8までの対外及び対内証券売買契約等の状況
09:30 (豪) 2月失業率
09:30 (豪) 2月新規雇用者数
13:30 (日) 1月鉱工業生産・確報
13:30 (日) 1月設備稼働率・確報
16:45 (仏) 1月経常収支
16:45 (仏) 第4四半期非農業部門雇用者
18:00 (ユーロ圏) ECB月例報告
21:30 (加) 第4四半期設備稼働率
21:30 (米) 3/9までの週の新規失業保険申請件数
21:30 (米) 2月輸入物価指数
21:30 (米) 2月小売売上高
22:00 (スイス) スイス中銀政策金利発表
23:00 (米) 1月企業在庫

2008年3月14日 ユーロ圏消費者物価指数  米消費者物価指数 ミシガン大消費者信頼感指数・速報値

16:00 (独) 2月消費者物価指数・確報
17:15 (香港) 第4四半期鉱工業生産
17:15 (香港) 第4四半期生産者物価指数
19:00 (ユーロ圏) 2月消費者物価指数
21:30 (米) 2月消費者物価指数
23:00 (米) 3月ミシガン大消費者信頼感指数・速報値

外国為替 今週のマーケット 2008年3月10日-3月14日

先週後半からの金融市場は、クレジットスプレッドも拡大、市場環境が悪化し、世界的な株価低迷も続き、ドルは下落し、新興市場国通貨も大きく値を下げた。週末の米雇用統計では非農業部門雇用者数も2ヶ月連続でマイナスとなり、景気後退のムードが高まり、CHFとEURはドルに対して歴史的高値を更新、CRBインデックス、$ドルインデックスも安値を更新した。


市場のドルに対する目先のセンチメントは弱くドル売りが続いているが、先週金曜日の値動きから、米雇用統計発表後のドル戻しに、雇用悪化=米流動性供給拡大(他の中銀追従なし)=FOMCで大幅な金利引き下げ=米株価持ち直し=ドル底値から反発との期待感も聞こえてきたが、これだけででは、ポジション調整のドル買いによる反発だけで、ドルの底打ちを決定付けるものにはならない。


海外からのレポートでは、相変わらずで、年央からのドル高予想は多い。ドル高支持者が期待している、金利大幅引下げ→米経済回復→インフレ懸念強いECBに欧州景気低迷が長引くとの判断だが、サブプライム問題が終結する時期を特定することは難し。米経済指標ではまだその前兆さえ確認できず、EURUSDが1.5台に上昇してからは、高所恐怖症の参加者多く、ユーロロングポジションもさほど増加していない。ドル売りの流れが続きそうである。


湾岸協力会議(GCC)加盟国がドルに対して通貨切り上げをするとの観測は強く、早ければ4月から実施とのうわさも囁かれている。


今週の経済指標はインフレ関連のCPIやPPIの発表が多く、10日=ノルウェーCPI、英PPI、11日=スウェーデン、独PPI(未定)、14日=ユーロCPI、米CPI=独CPI(未定)となっている。


金融政策では、13日=ノルウェー中銀、スイス中銀は共に金利据え置きが予想される。
貿易収支では、10日=独、11日=米国、カナダ、12日=英国。
住宅関連では、10日=カナダ住宅着工、11日=カナダ住宅価格指数。
その他では、13日=NZ・米国の小売売上高、14日=ミシガン大消費者信頼感指数が注目される。


イベントとしては、10日=主要国中央銀行総裁会議、12日=トリシェECB総裁(ユーロ圏・湾岸協力会議(GCC)の中銀会合)会見には注意が必要。


●3/10 (月曜日)
08:50 日本 1月の機械受注=前月比予想2.7% 前回-3.2%、前年比予想-4.5% 前回-3.3%
14:00 日本 2月の景気ウォッチャー調査=現況判断DI予想 前回31.8、 先行き判断DI予想 前回35.8
16:00 独 1月の貿易収支=予想160億ユーロ 前回156億ユーロ、輸出=前月比予想1.0% 前回-1.2%、輸入=前月比予想0.0% 前回5.3%
16:00 独 1月の経常収支=予想133億ユーロ 前回159億ユーロ
18:00 ノルウェー 2月の消費者物価指数(CPI)=前年比予想3.6% 前回3.7%、コア=予想1.9% 前回1.9%
18:30 ユーロ 1月のSentix Index=予想2.7 前回4.3
18:30 英 2月の生産者物価指数(PPI)= コア・産出指数(output)=前月比予想0.4% 前回0.8%、前年比予想3.2% 3.2%、PPI・投入指数(Input)=前月比予想1.5% 前回2.6%、前年比予想18.2% 前回18.9%、PPI・産出指数(output)=前月比予想0.5% 前回1.0%、前年比予想5.9% 前回5.7%。
18:30 英 1月の製造業生産=前月比予想0.0% 前回-0.2%、前年比予想0.0% 前回0.0%
18:30 英 1月の鉱工業生産=前月比予想0.1% 前回-0.1%、前年比予想0.5% 前回0.6%
21:15 カナダ 2月の住宅着工件数=予想20.2万件 前回22.27万件
23:00 米 1月の卸売在庫=前月比予想0.4% 前回1.1%
主要国中央銀行総裁会議(G10)トリシェECB総裁会見


●3/11(火曜日)
09:30 豪 1月の住宅融資=予想0.5% 前回0.1%、 投資住宅金融=予想 前回-3.0%
09:01 英 2月のBRC小売売上=前年比予想2.6% 前回4.9%
18:30 スウェーデン 消費者物価指数(CPI)=前月比予想 前回-0.8% 前年比予想前回3.2%、CPIX=前月比予想 前回-0.8%、前年比予想 前回2.1%
19:00 ユーロ 3月ZEW景況感調査=予想 前回-41.4
19:00 独 3月のZEW景況感調査=予想-40.0 前回-39.5、現況指数=予想30.4 前回33.7
21:30 米 1月の貿易収支=予想-597億ドル 前回-587.6億ドル
21:30 カナダ 1月の貿易収支=予想26カナダドル 前回23.5億カナダドル、輸出=前回367億カナダドル、輸入=前回343.5億カナダドル
21:30 カナダ 1月の新築住宅価格指数=前月比予想0.3% 前回0.1%
16:00(未定) 独 2月の生産者物価指数(PPI)=前月比予想0.6% 前回1.4%、前年比予想6.8% 前回6.6%
クロズナーFRB理事が講演、リスク管理について(ワシントン、米銀行協会)


●3/12(水曜日)
08:50 日本 日銀金融政策決定会合議事要旨(2月14・15日分)
08:50 日本 第4四半期GDP・二次速報=前期比予想0.6% 前回0.9%、前期比年率予想3.7% 前回2.4%
08:50 日本 2月の企業物価指数=前月比予想0.3% 前回0.2%、前年比予想3.3% 前回3.0%
08:50 日本 1月貿易収支=予想731億円、前回1.0134兆円、経常収支予想1.2490兆円、前回1.6972兆円
09:01 英 2月のRICS住宅価格=予想-53.0 前回-54.7
18:30 英 1月の貿易収支=予想-75億ポンド 前回-75.74億ポンド、除くユーロ=-41億ユーロ 前回-40.8億ユーロ
19:00 スイス 3月の投資センチメント=予想 前回-55.6
19:00 ユーロ 1月の鉱工業生産=前月比予想0.3% 前回-0.2%、前年比予想2.6% 前回1.3%
00:00 米 2月のスペンディングパルス小売売上高=予想 前回0.2%
03:00 米 2月の月次財政収支=予想-1600億ドル 前回-1199.9億ドル
トリシェECB総裁、ユーロ圏・湾岸協力会議(GCC)の中銀会合で会見(独マインツ)
ダーリング英財務相2008年の予算発表


●3/13 (木曜日)
06:45 NZ 1月の小売売上高=前月比予想0.3% 前回0.1%、前年比予想5.9% 前回5.4%、除く自動車前月比予想-0.1% 前回0.3%
09:30 豪 2月の失業率=予想4.2% 前回4.1%、雇用者数1.5万人 前回2.68万人
13:30 日本 1月の鉱工業生産・確報=前月比予想 前回、前年比予想 前回-2.0%
13:30 日本 1月設備稼働率・確報=前月比予想 前回1.7%
18:00 ユーロ ECB月例報告
21:30 カナダ 第4四半期の設備稼働率=予想82.0% 前回82.7%
21:30 米 新規失業保険申請件数(3/9までの週)=予想35.5万件 前回35.1万件
21:30 米 2月の輸入物価=前月比予想0.8% 前回-1.7%、輸出物価=予想0.6% 前回1.2%
21:30 米 2月の小売売上高=前月比予想0.2% 前回0.3%、 除く自動車=前月比予想0.2% 前回0.3%
22:00 ノルウェー ノルウェー中銀金融政策発表=5.25%の政策金利据え置きを予想
22:00 スイス スイス中銀金融政策発表=3ヶ月LIBOの中心値、2.75%の政策金利据え置きを予想
23:00 米 1月の企業在庫=前月比0.5% 前回0.6%


●3/14 (金曜日)
19:00 ユーロ 2月の消費者物価指数(EU基準CPI)=前月比予想0.3% 前回-0.4%、前年比予想3.2% 前回3.2%、コア(除く食料品・エネルギー)前月比予想=0.3% 前回-0.8%、前年比予想2.3% 前回2.3%
21:30 米 2月の消費者物価指数(CPI)=総合指数:前月比予想0.3% 前回0.4%、前年比予想4.3% 前回4.3%、コア指数:前月比予想0.2% 前回0.3%、 前年比予想2.4% 前回2.5%
23:00 米 3月のミシガン大消費者信頼感指数・速報値=予想69.0 前回70.8、現況指数=予想82.4 前回83.8、 期待指数=予想61.5 前回62.4
16:00 (未定) 独  2月の消費者物価指数(CPI)・確報=前月比予想0.5% 前回-0.4%、前年比予想2.8% 前回2.8%、HICP前月比予想0.5% 前回-0.4%、前年比予想2.9% 前回2.9%
バーナンキ米FRB議長が講演「持続的な住宅所有の促進」 (ワシントン)

2008年03月09日

ヨーロッパの財閥と企業グループ 67 エネルギー資源をめぐる攻防(5)

2006年7月にトルコの港町ジェイハンで開かれた「BTCパイプライン」の完成記念式典で、トルコのセゼル大統領は「エネルギー・ハブ」としての重要性を指摘し、同じくトルコのエルドアン首相は「資源を東から西へ運ぶ21世紀のシルクロード」と述べました。イラクで4番目の大きさを誇るキルクーク油田からのパイプラインが再開すれば、ジェイハンには2010年に年間約2億トンの石油が集まり、欧州最大の石油輸出ターミナルとなることが予想されています。そしてトルコは欧州連合加盟問題などで外交発言力を拡大することでしょう。


内陸の湖であるカスピ海周辺で採出された石油を大市場である欧米やアジアへ運ぶために、1990年代初めから運搬ルートとしてパイプラインの建設が進められてきました。ルートは大きく分けて次の3つがあります。(1)既存のロシア主導のルート (2)欧米主導のカザフスタン、トルクメニスタン、アゼルバイジャンがロシアと対抗できるようにするルート(BTCパイプライン) (3)東からアクセスする中国ルート。


2001年末にロシアルートのひとつ、カザフスタンのテンギス油田からロシアの黒海沿岸のノボロシスクを結ぶ「CPC」(カスピアン・パイプライン・コンソーシアム:ロシア、カザフスタン、オマーン3カ国設立)ルートが完成しました。一方、アゼルバイジャンは、カスピ海バクーからロシア経由黒海沿岸のノボロシスク港に至るパイプラインとともに、ロシアを経由しないでグルジア経由でトルコのジェイハンに至る「BTCパイプライン」を通じても原油を輸出しています。


迂回路をつくられたロシアにとって「BTCパイプライン」の完成はおもしろくない事態です。ロシアは親欧米姿勢を強めるグルジアに接近しようとするアゼルバイジャンへのガスと電力の供給を2007年から6~8割削減すると脅しをかけてきました。これへの対抗措置としてアゼルバイジャンのアリエフ大統領は、2006年12月、ロシア経由の原油輸出に日量5万バレルを削減すると表明、完全停止の可能性も示して対抗してきました。


ロシアは関係悪化するグルジアに対して2007年から現行の2倍強のガス価格1000立方メートル当たり235ドルを受け入れなければ供給を停止すると通告、グルジア側はアゼルバイジャンとガスと電力供給で相互協力すべく交渉に入り、天然ガスを毎月100万立方メートル、価格1000立方メートル当たり120ドルで緊急輸入しました。しかし必要量全量の確保は難しく、ロシアの圧力を受け入れざるを得ない様相です。


一方、バクー油田からはグルジアの黒海沿岸のスプサを結ぶパイプラインが1999年に完成しています。ここにトルコが深く関与してきます。黒海からタンカーが地中海へ抜けるには、トルコ・イスタンブール市の真ん中を通る巨大な川のような海峡、約30キロの長さのボスポラス海峡を通過しなければなりません。海峡は狭い場所で幅700メートル。船舶は最大80度の角度で12回も方向転換を繰り返さなければならず、冬場は深い霧がかかり、大型船舶には危険極まりない地帯です。


年間5万隻の船舶通行に対して、トルコ政府はタンカー事故による原油流出、環境破壊により1200万人市民に被害が及ぶ事態を恐れ、長さ200メートル以上の大型タンカーの夜間通行禁止と1日当たりのタンカー通行量を制限しました。このため巨大なタンカーが何日も停泊順番待ちの状態が続いたのです。
「BTCパイプライン」の建設は、アゼルバイジャンにとってはロシアを経由しない石油の輸出ルートを確保する目的で実行されましたが、トルコにとってはこの輸送ネックの解消と、イラク情勢の泥沼化によってイラク北部からトルコに向かうパイプラインが何度も攻撃され、イラクの油田全面再開がかなり先になるとの見通しがあったので、完成を急ぐ必要があったのです。


By Master K/益田 慶

2008年3月9日 今週の為替戦略

米議会予算局は2008年の米財政赤字が-3570億ドル(前年-1630億ドル)と1680億ドルの景気刺激策の影響もあり赤字額が大幅に増加することを予想、米通貨監督庁長官は銀行がサブプライム住宅ローンのみならず、クレジットカード、ホームエクイティローン、商業用不動産融資の貸し倒れ増加に備える必要があると言う。シティグループは数年間出3万人超の人員カットを検討、米地区連銀経済報告書では12連銀の2/3が景気減速・鈍化、大半で物価上昇圧力が高まったと発表。


期待された、アムバック・フィナンシャル・グループ救済策も資本増強が15億ドルでは不足で失望感が広まり、期待された、ファニーメイとフレディマックへの政府保証も単なるうわさに止まり、投資会社カーライルの関連会社は追い証に応じられずデフォルト通知を受け、米住宅ローン会社ソーンバーグ・モーゲージは追加担保差し入れができず破たん危機が迫り、週末には2ヶ月連続で米雇用統計の非農業部門雇用者数がマイナスなった。

ECB理事会では4.0%の政策金利据え置きが決定されたが、利下げや利上げを求める声はなく、据置きは全員一致での決定と言う。4月10にもECBは金利を据え置くことが予想され、18日日にFOMCで金利を引き下げる可能性は高く、仮に0.5%の大幅引下げを実施すると、EUR-USDの金利差は1.5%となり、EURUSDを1.5300で買うと、一年後はディスカウント229.5ポイントで、約1.507で買えることになる。


先週末の米3ヶ月Billは1.4%(利回り)FFレート3.0%より約1.6%低い水準で取引され、緊急利下げの思惑や次回のFOMCで大幅利下げの材料に使われている。湾岸協力会議(GCC)加盟国がドルに対して通貨切り上げをするとの観測は強く、早ければ4月から実施とのうわさも囁かれている。


今週は、イベントからは10日の主要国中央銀行総裁会議で各国中銀総裁からどのような発言がさえるのか、12日のトリシェECB総裁(ユーロ圏・湾岸協力会議(GCC)の中銀会合)会見で、可能性は低いがドルペック制度の見直しか、通貨切り上げを読み取ることができる発言が見られるのかが注目され、状況からはドル安をけん制する内容が現れやすく、中銀の口先介入に一時的なドルの買い戻しも考慮に入れておく必要があるが、引き続きドルの戻り売りの流れは変わらず。


クレジットリスクが強まっている間は、新興市場国通貨売りも変わりそうも無く、利上げ観測の強いNOKのロングと、CHFのロングを中心に、クロスポジションを作ることも選択肢。主要通貨では投機的色彩の強い通貨とドルに対しては弱気な流れが続きそうである。


主要通貨を比較:
Weeklyベースの比較で、終値を比較してみると:
JPY・EUR・CHF・GBPと軒並み1%超の上昇(ドル下落)となったが、商品価格の上昇にもかかわらず資源国通貨のAUD・NZDと、ドル経済の影響を強く受けるCADは弱くドル高となっている。新興市場国通貨もの軒並み下落したとこを考えれば、金融不安が強まり投機的な資金を引上げている可能性が高い。$インデックス=73.733→73.019(-0.714)、NYダウ=12,266.39→11,893.69(-372.70)、日経平均=13,603.02→12,782.80(-820.22)、CRB=412.73→411.65(-1.08)、原油=101.72→105.31(+3.59)、金=973.1→972.6(-0.5)
USDJPY    OPN HI LW CLS  前週比 前週比% 週間レンジ
29-Feb-08  107.31 108.22 103.70 103.75 -3.39 -3.16% 4.52
07-Mar-08  103.60 104.20 101.40 102.67 -1.08 -1.04% 2.80


EURUSD   OPN HI LW CLS  前週比 前週比% 週間レンジ
29-Feb-08  1.4837 1.5240 1.4778 1.5180 3.500 2.36% 4.62
07-Mar-08  1.5194 1.5465 1.5145 1.5358 1.780 1.17% 3.20


USDCHF   OPN HI LW CLS  前週比 前週比% 週間レンジ
29-Feb-08  1.0850 1.0930 1.0403 1.0409 -4.440 -4.09% 5.27
07-Mar-08  1.0396 1.0457 1.0134 1.0251 -1.580 -1.52% 3.23


GBPUSD   OPN HI LW CLS  前週比 前週比% 週間レン
29-Feb-08  1.9692 1.9972 1.9615 1.9890 2.180 1.11% 3.57
07-Mar-08  1.9887 2.0211 1.9724 2.0134 2.440 1.23% 4.87


AUDUSD   OPN HI LW CLS  前週比 前週比% 週間レンジ
29-Feb-08  0.9238 0.9496 0.9215 0.9306 0.66 0.71% 2.81
07-Mar-08  0.9329 0.9420 0.9216 0.9265 -0.41 -0.44% 2.04


USDCAD   OPN HI LW CLS  前週比 前週比% 週間レンジ
29-Feb-08  1.0127 1.0129 0.9710 0.9876 -2.49 -2.46% 4.19
07-Mar-08  0.9854 0.9975 0.9740 0.9906 0.30 0.30% 2.35


NZDUSD   OPN HI LW CLS  前週比 前週比% 週間レンジ
29-Feb-08  0.8076 0.8214 0.7970 0.7985 -1.05 -1.30% 2.44
07-Mar-08  0.8000 0.8082 0.7906 0.7936 -0.49 -0.61% 1.76

円クロスを比較:
GBP・EUR・CHFに対してはやや円安傾向となったが、 AUD・CAD・NZDに対しては約1.5%の円高となり、USDJPYの売りを強めた可能性が高い。過去のドル安=円安(クロスでの円売りの影響)も弱く、ドル安相場と高金利通貨・投機通貨安相場で、リパトリが強まっている影響なのかも知れない。
AUDJPY   OPN HI LW CLS 前週比 前週比% 週間レンジ
29-Feb-08 99.13 100.51 96.47 96.54 -2.38 -2.41% 4.04
07-Mar-08  96.66 97.55 94.59 95.10 -1.44 -1.49% 2.96


GBPJPY  OPN HI LW CLS 前週比 前週比% 週間レンジ
29-Feb-08 211.30 213.38 205.95 206.32 -4.42 -2.10% 7.43
07-Mar-08 206.02 207.96 203.45 206.70 0.38 0.18% 4.51


CADJPY  OPN HI LW CLS 前週比 前週比% 週間レンジ
29-Feb-08 105.92 109.61 104.80 104.96 -0.78 -0.74% 4.81
07-Mar-08 105.08 105.70 103.03 103.58 -1.38 -1.31% 2.67


EURJPY  OPN HI LW CLS 前週比 前週比% 週間レンジ
29-Feb-08 159.24 161.43 157.46 157.49 -1.39 -0.87% 3.97
07-Mar-08 157.41 159.22 155.95 157.68 0.19 0.12% 3.27


CHFJPY  OPN HI LW CLS 前週比 前週比% 週間レンジ
29-Feb-08 98.86 100.51 98.54 99.60 0.88 0.89% 1.97
07-Mar-08 99.62 100.58 98.75 100.13 0.53 0.53% 1.83


NZDJPY  OPN HI LW CLS 前週比 前週比% 週間レンジ
29-Feb-08 86.66 88.09 82.79 82.83 -3.78 -4.36% 5.30
07-Mar-08 82.87 83.62 80.70 81.46 -1.37 -1.65% 2.92


IMM通貨先物:
公表値を比較して見ると:
JPY・GBPロングポジションが拡大し上昇期待が強く、今現在一番上昇しているCHFのロングポジションが減少し、下落しているAUD・CADのロングが増加しているのは皮肉でもあり、先週後半これら通貨の値動きをかんがえれば、ポジション調整が進んだ可能性も高い。1.5の大台を達成したEURのロングポジションは以外と少なく、ユーロとスイス高が続く可能性が高い。
JPY Long Short Net
26-Feb-08    70,188 35,899 34,289
04-Mar-08 94,654 38,369 56,285


EUR Long Short Net
26-Feb-08 75,598 43,820 31,778
04-Mar-08 73,238 41,228 32,010


GBP Long Short Net
26-Feb-08 30,642 27,005 3,637
04-Mar-08 38,013 22,299 15,714


CHF Long Short Net
26-Feb-08 32,085 23,313 8,772
04-Mar-08 24,647 24,480 167


CAD Long Short Net
26-Feb-08 50,323 24,139 26,184
04-Mar-08 60,105 23,699 36,406


AUD Long Short Net
26-Feb-08 57,201 20,357 36,844
04-Mar-08 55,808 18,422 37,386


NZD Long Short Net
26-Feb-08 16,954 1,421 15,533
04-Mar-08 14,988 1,357 13,631


今後の金利予想は:
国  予定日 現行政策金利 予想          
USD 3月18日 3.0%  0.25%~0.5%の引き下げを予想(Fed Funds Target Rate)
EUR 4月10日 4.0%  金利据え置きを予想(Refi Rate)
GBP 4月10日 5.25%  0.25%の利下げを予想(Base Rate)
JPY 4月 9日 0.50%  金利据え置きを予想(OverNight Call Rate)
AUD 4月 1日 7.25%  0.25%の利上げを予想(Cash Rate)
NZD 4月24日 8.25%  金利据え置きを予想(Cash Rate)
CHF 3月13日 2.75%  金利据え置きを予想(3 month Libor target)
CAD 4月24日 3.5%  0.25%の利下げを予想(OverNight Rate)
NOK 3月13日 5.25%  金利据え置き~0.25%の利上げを予想 (Sight deposit)
SEK 4月23日 4.25%  金利据え置きを予想 (Repo rate)


今週の経済指標はインフレ関連のCPIやPPIの発表が多く、10日=ノルウェーCPI、英PPI、11日=スウェーデン、独PPI(未定)、14日=ユーロCPI、米CPI、独CPI(未定)となっている。


金融政策では、13日=ノルウェー中銀→金利据え置き~0.25%利上げ、スイス中銀→金利据え置きが予想される。
貿易収支では、10日=独、11日=米国、カナダ、12日=英国。
住宅関連では、10日=カナダ住宅着工、11日=カナダ住宅価格指数。
その他では、13日=NZ・米国の小売売上高、14日=ミシガン大消費者信頼感指数が注目される。


イベントとしては、10日=主要国中央銀行総裁会議、12日=トリシェECB総裁(ユーロ圏・湾岸協力会議(GCC)の中銀会合)会見には注意が必要。


●ドル円
ドル円は、3月の本邦決算月は何があるかわからない時期でも有るが、今年はサブプライム問題の影響を受けた欧米金融機関の損失報道や思惑に、クレジット市場がより混乱し、投機資金の流れも円キャリートレードをやっている暇は無く、本邦個人投資家の円売りを消化しながら円高になりやすい。しかし、2005年1月21日の安値101.67円、1999年の安値101.25円に近く、これを割り込むと円高大相場に陥りやすく、口先介入や一時的なドルの買い戻しも考えなくてはならない。基本はドル売りで、底値では買い戻し→戻り売りを繰り返したい。


ドル円のWeeklyチャートは、下降トレンドの中間から下限のポイントで下げ止まっている。Dailyチャートでも下限で下げ止まっている。上値のポイントは、103.97円、104.16円、104.96円、105.15円。下値のポイントは、110.09円、100.91円、98.91円、98.10円。RSIは33とトレンドのあるドル下落が続き、トレンドモメンタムは売りを継続している。トータルの判断は売り+戻り売り、今週の下降トレンド下限は100.91円にあり、これを下抜けするには相当の抵抗があると思われ、また中間地点は105.15円に位置しこれを超えることは難しく、今週は100.91円~104.16円のレンジ内で取引を予想。Daily=売り・下降トレンドの下限、Weekly=売り、Monthly=売り。


●ユーロドル
ユーロドルは、インフレリスクを犯しながらも景気対策の利下げを実施しなければならないFRBと、インフレ抑制が絶対的な使命と考えているECBとのスタンスの違いと金利差や、米国金融不安を考えれば、まだまだユーロの高値は見えない。ユーロ高による輸出低迷=景気後退の許容度が超えてくれば、口先介入が始まる可能性が否定できず、1.55の大台が強く意識されて、1.52~1.55のレンジに入りやすいが、1.55を超えてくれば1.57が次のターゲット。


ユーロドルのWeeklyチャートは、上昇トレンドが続き、ラインの上限を超えユーロ買いが続いている。上値のポイントは、1.5394、1.5692、1.5849、1.6204。下値のポイントは、1.5201、1.5039、1.4966。RSIは67と長い上昇ラインが続き、トレンドモメンタムは買いに変わっている。トータルの判断は、1.5200を割り込むまでは買いを継続、1.5200~1.5500のレンジを予想。Daily=買い、Weekly=買い、Monthly=買い


●ポンド円
ポンド円は、目先のBOEの利下げ観測は消え、GBPUSDがレンジ相場の上限を超え、2.0を超え再び上昇トレンドに入り、ドル円が下落、ドル全面安にEURJPYやCHFJPYも狭いレンジ相場に入り、結局はGBPJPYもレンジ相場が続きやすくなっている。


ポンド円のWeeklyチャートは、下降トレンドが続き、ラインの中間点を上限に、204円~214円のレンジ内での取引が続いている。上値のポイントは、208.11円、209.45円、212.54円、214.43円。下値のポイントは、205.59円、205.00円、204.60円、199.44円。RSIは31と下降ラインが続き、トレンドモメンタムは売りを継続している。トータルの判断は、売りが続き、199.44~212.54円のレンジ内を予想。Daily=売り、Weekly=売り、Monthly=売り。

2008年03月10日

小さな政府江戸幕府 19 江戸幕府の経済政策 勘定奉行荻原重秀の貨幣改鋳

江戸時代の経済政策といえば、まず改鋳と年貢率のアップが思い浮かぶだろう。前者は貨幣制度、後者は税制の分野となるが、両者は物価の変動、好不況と連動している。江戸時代の物価は、常に米価と連動した。年貢米収入に依存する幕政としては米価が最大の関心事であったといっても過言ではないだろう。米価が高すぎると庶民は困窮するが、米を換金して生活費にあてる武士は潤う。米価が下がると庶民の生活は楽になるが、換金率が低下するので武士の生活は苦しくなる。米価が下がり、物価が上がると、武士にとって「収入は減るが、支出は増える」という最悪の事態になる。つまり、米価は武士と庶民の為替レートだったのである。


米価が低落しはじめたのは、「生類憐みの令」で名高い五代将軍綱吉の頃だ。四代将軍家綱の時代に、江戸城天守閣と市街のほとんどを焼失し、死者が10万人にも及んだ「明暦の大火」が起きた。このため江戸の復興事業に莫大な資金が投じられた。また、三代将軍家光まで続いた、各地の金山・銀山における「ゴールドラッシュ」が落ちついた時期でもあった。さらに家綱の葬式、綱吉の将軍即位で出費がかさみ、加えて綱吉の母・桂昌院と綱吉が寺社の新改築などで浪費したことで幕府の財政は赤字に転落していた。


そこで財政建て直しのために貨幣改鋳政策が行われたのだ。当時の勘定奉行は荻原重秀。長い間実行されていなかった検地を四代将軍家綱の代に行い、世襲代官制の弊害を提言した人物だ。将軍の座についたばかりの綱吉は荻原の提言を受け入れ、世襲代官を一掃し、これを機に代官の官僚化が始まる。出世街道をのぼりはじめた荻原は、次に佐渡奉行に任ぜられ、生産量が落ち込んでいた佐渡金山を排水溝の掘削によって再生させる。また佐渡の大規模検地にも着手し、年貢収入を8割アップさせる。こうした手腕が認められ、荻原は勘定奉行に出世し、綱吉から経済政策を一任された。


荻原は大幅な財政赤字から脱出するために、市中に流通する貨幣量の増大を目指して、1695年、慶長金銀を改鋳し、金含有量を減らした元禄金銀をつくった。当時からすれば天才的な発想である。家康のつくった金貨、銀貨を回収して、金や銀の含有量を減らして貨幣を増やせば、増やした分は幕府の収入になる。その時の差益は金貨450万両、銀貨456万両。合計約1000万両(2兆円)とも500万両(1兆円)ともいわれている。慶長小判が発行されてから約100年後のことだから、経済規模は大きくなり、商取引に使われる通貨の需要は高まっていたと想像できる。それを見越して流通する通貨の量を増やすのは、経済をより発展させるためのひとつの方策である。もちろんインフレという副作用が伴うことは、経済に精通した荻原なら見通していたことだろう。


この経済政策の評価は二つに分かれる。ひとつは改鋳により経済が混乱し、物価が高騰したので「改鋳は失策」という見方。もうひとつは、インフレ率はさほどアップせず、庶民の生活への影響は少なかったものの、商業資本と富裕層がストックしていた大量の慶長金銀の実質購買力が低下し、幕府は改鋳差益金によって財政赤字を縮小できたという評価だ。
歴史書には、元禄時代は戦国時代以来の経済発展をもとに庶民生活が著しい向上を遂げ、様々な文化(元禄文化)が花開いた時代と記してある。その一方で、経済成長の軸から見れば、高度経済成長がひと段落し、低成長へと移行した転換期ともいえる。元禄の改鋳は、物価対策というより幕府の財政赤字を補うために用いられた経済政策だった。


同じ時期、幕府は経済活性化対策として寺社造営や土木普請など、様々な公共事業を展開している。ケインズ理論を先取りするような経済政策だ。この波に乗ったのが、かの有名な紀伊国屋文左衛門(紀文)と材木商・奈良屋茂左衛門(奈良茂)だ。特に紀伊国屋は同時の老中・柳沢吉保や勘定奉行荻原重秀に賄賂を贈って接近し、頻発した江戸の火事による再建工事を受注したとされている。彼らは幕府の公共事業を請け負うことで巨額の利益を得たのである。これは現在にも通じる、経済政策の負の側面である。

By Master K/益田 慶

2008年3月10日 FX検定 きょうの問題 ウォーレンバーグ財団

スウェーデン最大の財閥であるウォーレンバーグ家の財団が最大株主となる事業持株会社はどこか。


正解 インベスター


解説


スウェーデンのウォーレンバーグ家はヨーロッパ有数の同一家系を維持する財閥である。ウォーレンバーグ家は一族の財産を財団管理することで富の集積を図り、遺産相続などによる富の散逸・分散を防いでいる。その財団こそウォーレンバーグ財団である。ウォーレンバーグ財団は事業持株会社であるインベスター社の22%の株式保有、47%の議決権割合を保有している。

ストックホルムに本社を置くインベスター社の社員数は120人でしかない。しかし保有する純資産は、2007年9月末現在で1746億クローナ(17円換算で約3兆円)に及び、投資資金はすべて自己資金で、支配権の及ぶ傘下企業の売上高は14兆円を超える。


ウォーレンバーグ財団はインベスター社を通して多くの企業を傘下に持つ。以下は傘下企業に対する株式保有率、議決権割合、売上高(億円)、営業利益(億円)である。


SEB銀行     17.9% 18.2%  6,979億円 2,652億円
エリクソン   5.0% 19.4% 3兆226億円 6,086億円
アトラスコプコ 15.0% 21.1%  8,587億円 1,564億円
ABB        7.6%  7.6% 2兆7,585億円 9,284億円
アストラゼネカ 3.4% 3.4% 2兆9,916億円 9,284億円
スカニア     11.0% 20.0% 1兆2,025億円 1,488億円
エレクトラックス 11.1% 27.6% 1兆7,654億円  777億円
サーブ      19.8% 38.0%   3,580億円  296億円
ハスクバーナ   11.1% 29.2%   4,998億円  530億円
OMX証券取引所   10.7% 10.7%    613億円  205億円


OMX傘下の取引所
ストックホルム証券取引所:スウェーデン
ヘルシンキ証券取引所:フィンランド
コペンハーゲン証券取引所:デンマーク
ビリニュス証券取引所:リトアニア
リガ証券取引所:ラトビア
タリン証券取引所:エストニア

ロンドン証券取引所

インベスターの歴史は150年を超える。1856年ストックホルムに設立されたSEB銀行が国内企業に投資したことに始まる。A.O.ウォーレンバーグ氏によって設立されたこの銀行は1916年に銀行と持株会社とを分離しているが、設立以来ウォーレンバーグ家が支配している。現在は、同家が設立したウォーレンバーグ財団がインベスター社議決権の47%を保有している。現会長はジェイコブ・ウォーレンバーグ氏で、5代目の当主である。ウォーレンバーグ家もまたロスチャイルド家と関係の深いユダヤ人家系である。


インベスター社の投資先としては、上記上場企業以外にも、携帯電話会社の「3スカンジナビア」、ストックホルム市内の高級ホテル「グランドホテル」など6社に投資し、さらにベンチャー企業10社に投資している。インベスター社は単なる長期保有会社ではなく、各社に対しボードメンバーを派遣し、各社を担当するアナリストは経営戦略の策定にも関与する。資本増強、不採算部門の売却なども積極的に行う。かつてはボルボ、スカンジナビア航空の筆頭株主でもあった。東京にも事務所を持ち、ITベンチャーなどに投資している。


スウェーデンの人口は908万人、大阪府881万人に匹敵する。GDPは43.7兆円、九州全域の47.6兆円に匹敵する経済規模である。
ウォーレンバーグ財団の傘下企業の売上総額は14兆円超であることはすでに述べたが、スウェーデンのGDPが43.7兆円であることを考えるとスウェーデンにおけるウォーレンバーグ財団の位置付けが自ずとわかるだろう。


スウェーデンにはウォーレンバーグ以外にも世界最大の家具製造販売会社「IKEA」があり、創業者のイングヴァル・カンプラードは世界屈指の資産家である。イケアには製造部門の子会社であるスウェドウッド(Swedwood)、サービス部門を統括するイケアサービス、デザインや商品企画などを担当するイケア・オブ・スウェーデン他、各国の販売チャンネルなど多くの子会社を抱え、「イケアグループ」と呼称されている。売上高154億ドル(2005)。雇用者数9万人。イケア・グループもまたグループを統括する事業持株会社「インカ・ホールディング」をスティヒティング・インカ財団が保有する支配形態をとっている。


この他、世界展開するファッションブランドであるWESC (WE are the Superlative Conspiracy)がスウェーデンの企業である。ファッション業界ではH&M(H&M Hennes & Mauritz AB)がある。世界22カ国で展開する衣料品チェーンで1900店舗を展開している。雇用者数5万人。売上高613億SEK、86億ドル。2007年にはアジアの旗艦店として香港店を開業している。


2008年03月11日

2008年3月11日 10日の海外為替市場

相変わらず、株価を見ながら為替の売買。


豪州株価の下落と銀行間金利上昇、マレーシア総選挙を受け=株価-10%の大幅下落、米金融機関破綻のウワサもあり、世界的に株価は下落。日経平均株価=-255.73(-1.96%)、NYDOW=-153.54(-1.29%)、独DAX=-65.91、英FTSE=-70.80.


アジア市場は、日本の機械受注=前月比19.6%(予想2.7%)が予想を大幅に上回り円買いの材料とされ、マレーシアの株価下落を筆頭に、日経平均株価、中国株も貿易黒字額の大幅減少に弱く、海外勢中心に円買いが進んだ。


欧州市場は、トルシェECB総裁「ECBは過度の為替変動を懸念している」、アルムニア欧州委員会委員「ドル・円・人民元に対する目立ったユーロ高は、結局のところマクロ経済の現実を完全に反映しておらず、世界的な調整の衝撃を1つの通貨だけが負うべきではない」 との発言に、ユーロの調整売りが進んだが、バローゾ欧州委員会委員長「EURUSD高が商品価格の上昇による影響を軽減していることに目を向ける必要がある」との発言、堅調な貿易収支とCHF、GBPの買いに支えられ比較的堅調に推移した。


米国市場では、ハマド・カタール首相「ドルペッグ制の放棄は用意ではないが検討している」との発言にドル売りが続き、原油価格一時108.21ドル最高値更新。ベアー・スターンズ破綻のウワサが広まると、米株価の下げ幅が拡大し円高が進んだ。


●ドル円
アジア市場のドル円は102.51円で取引が始まり、オセアニア市場の102.65円を高値に、豪州株価の大幅下落+豪州銀行間金利が13年来の高水準になるなるなど流動性不安=円買いに102.08円まで下落、一時102.50円まで値を戻したが、英系・欧州系銀行のドル売りに上値は重く、日経平均株価の大幅下落に101.83円まで徐々に上値を切り下げた。欧州市場は102.05円で取引が始まり、ユーロ円の買いに102.30円まで上昇、弱い欧州株に101.86円まで下落したが、GBPJPYの買いに底堅く、ECBフィキシングに向けて102.42円まで上昇、米株価を見ながらに102.45円まで上昇した。米株価が売り変わり、米金融機関破綻のウワサが広まると(後に否定)株価下落=ドル売りが続き、ロンドンフィキシング後には102.35円→101.55円まで急落、一時102.08円まで値を戻したが、ドル売りの流れは変わらず、101.65円まで再び下落、06:00時では101.77円で取引されている。


●ユーロドル
アジア市場のユーロドルは1.5361で取引が始まり、1.5350を安値にオセアニア市場から始まったドル売りの流れに、欧州系金融機関のユーロ買いが強く1.5407まで上昇、1.54超えではファンド勢の売り+EURJPYの売りに上値は重く、1.5375~95のレンジで取引から、欧州勢の売りに1.5360まで下落、独貿易収支後のEURGBPの買いに1.5400まで上昇した。欧州市場は1.5383で取引が始まり、欧州株の下落に上値は重く、英生産者物価を受けたEURGBPの売りに1.5340まで下落、ECBフィキシングでは1.5367まで値を戻したが、トルシェECB総裁のEUR高けん制発言に1.5312まで下落、ユーロ高懸念も一枚岩ではなく、オプションカットでは1.5360まで値を戻し、ハマド・カタール首相=ドルペッグ制の放棄は用意ではないが検討しているとの発言+米金融機関破綻のウワサに1.5376まで上昇、否定に1.5331まで下落、06:00時では1.5344で取引されている。


●ユーロ円
アジア市場のユーロ円は157.48円で取引が始まり、オセアニア市場の流れを受け157.14円まで下落、EURUSDの買いに底値も堅く、157.20円~55円のレンジで揉み合いから、中国株や日経平均株価の下落幅は大きく、先週末の安値156.70円を割り込み156.66円まで下落、独貿易収支後の買いに157.17円まで上昇した。欧州市場は157.00円で取引が始まり、157.36円を高値に弱い欧州株を材料に156.70円まで下落、ECBフィキシングには157.30円まで上昇、オプションカットでは156.72円まで下落、ロンドンフィキシングでは157.20円まで上昇、156.70~30円のレンジで上下のトライが続いた。米金融機関破綻のウワサに米国株の下げ幅が拡大すると、156.12円まで下落、否定に156.60円まで値戻したが、米国株の下落が続き、155.97円まで続落、06:00時では156.16円で取引されている。


●主な経済指標の結果
08:50 日本 1月の機械受注=前月比19.6%(予想2.7% 前回-3.2%)、前年比11.4%(予想-4.5% 前回-3.3%)
14:00 日本 2月の景気ウォッチャー調査=現況判断DI33.6(前回31.8)、 先行き判断DI39.5(前回35.8)
16:00 独 1月の貿易収支=161億ユーロ(予想160億ユーロ 前回158←156億ユーロ)、輸出=前年比3.8%(予想1.0% 前回-1.3←-1.2%)、輸入=前年比4.2%(予想0.0% 前回5.4←5.3%)
16:00 独 1月の経常収支=150億ユーロ(予想133億ユーロ 前回168←159億ユーロ)
18:00 ノルウェー 2月の消費者物価指数(CPI)=前年比3.7%(予想3.6% 前回3.7%、コア=2.2%(予想1.9% 前回1.9%)
18:30 ユーロ 1月の投資家センチメント指数(Sentix Index)=0.4(予想2.7 前回4.3)
18:30 英 2月の生産者物価指数(PPI)= コア・産出指数(output)=前月比0.2%(予想0.4% 前回0.9←0.8%)、前年比3.0%(予想3.2% 3.2%)、PPI・投入指数(Input)=前月比1.7%(予想1.5% 前回2.6%)、前年比19.3%(予想18.2% 前回19.0←18.9%)、PPI・産出指数(output)=前月比0.3%(予想0.5% 前回1.0%)、前年比5.7%(予想5.9% 前回5.7%)→ 投入指数が高く一時ポンド買いとなる
18:30 英 1月の製造業生産=前月比0.4%(予想0.0% 前回-0.2%)、前年比0.6%(予想0.0% 前回0.1←0.0%)
18:30 英 1月の鉱工業生産=前月比-0.1%(予想0.1% 前回0.0←-0.1%)、前年比0.4%(予想0.5% 前回0.9←0.6%)
21:15 カナダ 2月の住宅着工件数=25.69万件(予想20.2万件 前回22.27万件)
23:00 米 1月の卸売在庫=前月比0.8%(予想0.4% 前回1.1%)


●昨日の主な発言その他
米国・カナダ
◎ベアー・スターンズ=流動性懸念でCDSが急拡大、金融株が売られる→ 取締役会執行委員長は否定
◎リーマン・ブラザーズ(関係筋)=5%の人員削減実施。
◎シティグループ=米投資銀行は2008年第1四半期の評価損がレバレッジド・ローンやモーゲージ関連の損失が中心とし90億ドルと予想。
◎ゴールドマンサックス=FRBが緊急利下げする可能性は否定できず。
◎S&P=CPDO24億ドルを格下げ。
◎バロンズ紙=米ファニーメイは株価がさらに下落し救済策必要になる可能性。


欧州・英国
◎アルムニア欧州委員会委員=ドル・円・人民元に対する目立ったユーロ高は、結局のところマクロ経済の現実を完全に反映しておらず、世界的な調整の衝撃を1つの通貨だけが負うべきではない。 世界経済は不安定なバランスの状況。ドルが信認を欠いていることが一段の問題につながる可能性がある。 米・中・日とユーロ圏および産油国は約1年前に、世界的な不均衡から生じるリスクへの取り組みで合意したが進展が遅い。
◎レグリング欧州委員会経済金融総局長=過度の為替変動は好ましくない市場を常に注視。
◎トリシェECB総裁=各国中銀は緊密に連絡を取り合っている。金融市場で調整が進み高いボラティリティが続くなか、引き続きインフレ期待を警戒し低水準に抑えなければならない。
◎トリシェECB総裁=ECBは現在、過度の為替変動を懸念している。 為替相場の過度の変動や無秩序な動きは経済成長にとり好ましくない。米当局者が強いドルは米経済の利益と再確認した発言を留意している。
◎バローゾ欧州委員会委員長(8日)=現在、われわれは原油を1バレル=66ユーロで購入している。これがEURUSD=1.0であれば100ユーロ以上を支払うことになるだろう。もちろん、為替相場の大幅な逸脱については懸念している。それと同時にユーロ高、もしくは米ドル安が、商品価格の上昇による影響を軽減していることに目を向ける必要がある。


日本・その他
◎佐藤金融庁長官= 世界の金融機関のサブプライム関連損失は21─22兆円、米国系=12兆円、欧州系=8兆円アジア・カナダ系=1.4兆円。12月末の国内の預金取扱金融機関のサブプライム関連損失は0.6兆円、保有残高は1.519兆円。大手損保と大手証券の一部でも損失が発生しているが、各金融で対応可能な範囲。
◎津田財務次官=為替相場は注意深く見ている、介入についてはコメントしない。円高が日本経済に及ぼす影響は、エネルギー等の輸入関連物価が下落することにより企業業績を改善させる面がある一方で、輸出がしづらくなる分、企業収益を低下させる要因になる。
◎ハマド・カタール首相=ドルペッグ制の放棄は用意ではないが検討していると表明。「湾岸協力会議(GCC)諸国が統一した行動を取るよう望む。

2008年3月11日 本日の為替戦略

為替市場のテーマは、金融不安から相変わらず株価次第で、アジア・欧州・米国ともこの動きを見ながらの取引となっている。クレジット市場の混乱が米国や時には欧州通貨売りになっている。


欧州や米国市場では、金融機関破綻のウワサが絶えず、昨日も米系証券会社の破綻のウワサに、クレジットリスクを意識し株価は弱く、3月18日のFOMCで0.5%の利下げを織り込みながら、ドル売りを試す動きが予想される。


この、クレジットリスクが重要視される状態では、AUD+NZDの高金利通貨売り=JPY+CHFの安全資産の金利引きさえリスクの少ない通貨の買いを組み合わせる取引を考えたい。既に大相場が始まっているかもしれないが、AUDCHFの売り、CADCHFの売りも選択肢。円に対しても同じで、主要国や資源国で調整のドル買いが入っても、クロスではCHFやJPYが健闘することを期待したい。


●ドル円
ドル円は、金融不安に対しては断然強い円。通貨当局から円高を懸念した口先介入の可能性は絶えず残り、場合によっては調整の買い戻しが入る可能性もあるが、円高・ドル安の流れを変えられるかは不明で、手探りで円高を探る相場が続きそうである。


ドル円の4時間チャートは、下降トレンドが続き、下限を再び割り込みドル下落が続いている。上値のポイントは、102.47円、102.58円、103.12円、104.18円。下値のポイントは、101.40円、100.70~77円、99.20円、98.55円。RSIは36と下降ラインが続き、トレンドモメンタムは売りが続いている。トータルの判断は、売り。102.47円、103.12円とポイントがあるが、これを完全に上抜けするまでは売りを継続。


●ユーロドル
ユーロドルは、注目のトルシェECB総裁からも今まで以上のユーロ高をけん制する内容も決して強くなく、インフレリスクを軽減することから、さまざまな意見が流れている。ハマド・カタール首相「ドルペッグ制の放棄は用意ではないが検討している」との発言も、ユーロにとってはプラスの材料となっており、ポジション調整から目先は売りが続きやすいが、調整後には引き続きユーロ買いの流れが続きそうである。


ユーロドルの4時間チャートは、上昇トレンドが続きラインの中間地点で取引が続いているが、やや値を下げっている。上値のポイントは、1.5377 1.5394、1.5497。下値のポイントは、1.5313、1.5265~75、1.5143、1.5116。RSIは65と横ばいで、トレンドモメンタムは売りが続いている。トータルの判断は、目先は1.5265~1.5497のレンジだが、1.5265を割り込むと1.5143まで下落するリスクが出ている。


●ポンド円
ポンド円は、ポンドの評価が分かれている。利下げ傾向を材料に売りの可能性と、GBPUSDは長い揉み合いの末に2.0台に乗せ、2.05を目指す可能性と判断が難しい。ポンド円も長い下落の傾向から値を戻しながらも、再び205円を割込み値を下げ、やや弱気なムードが支配しつつある。


ポンド円の4時間チャートは、下降トレンドの上限で上げ止まり、再び下落傾向が続いている。上値のポイントは、204.53円、204.90円、205.47円、205.75円。下値のポイントは、203.45円、202.97円、202.70円、201.76円、199.02円。RSIは45と下降ラインが続き、トレンドモメンタムは売りとなっている。トータルの判断は、目先は202.97~206.70円のレンジだが、202.97円を割り込むと下げが加速する可能性がある。


●本日の経済指標・その他
09:30 豪 1月の住宅融資=予想0.5% 前回0.1%、 投資住宅金融=予想 前回-3.0%
09:01 英 2月のBRC小売売上=前年比予想2.6% 前回4.9%
16:00 独 2月の生産者物価指数(PPI)=前月比予想0.6% 前回1.4%、 前年比予想6.8% 前回6.6%
18:30 スウェーデン 消費者物価指数(CPI)=前月比予想 前回-0.8% 前年比予想前回3.2%、CPIX=前月比予想 前回-0.8%、前年比予想 前回2.1%
19:00 ユーロ 3月ZEW景況感調査=予想 前回-41.4
19:00 独 3月のZEW景況感調査=予想-40.0 前回-39.5、現況指数=予想30.4 前回33.7
21:30 米 1月の貿易収支=予想-597億ドル 前回-587.6億ドル
21:30 カナダ 1月の貿易収支=予想26カナダドル 前回23.5億カナダドル、輸出=前回367億カナダドル、輸入=前回343.5億カナダドル
21:30 カナダ 1月の新築住宅価格指数=前月比予想0.3% 前回0.1%
クロズナーFRB理事が講演、リスク管理について(ワシントン、米銀行協会)

2008年03月12日

ヨーロッパの財閥と企業グループ 68 エネルギー資源をめぐる攻防(6)

トルコの輸出港ジェイハンは、イラク産出の石油の積み出しルートとして最も近道です。イラクの巨大油田はペルシャ湾から積み出していますが、トルコ経由で地中海へ搬出した方が遥かに経済的にも政治的にも安定性が高いのです。欧州最大の石油輸出ターミナルを目指すトルコはもちろんのこと、イラク政府に「石油ガス枠組法」と呼ばれる新法案を提案したアメリカもイランの石油をアテにして政治の舵取りを進めてきました。


イラクの油田は1972年、当時副大統領だったサダム・フセインが中心になって国有化し、それまで石油利権を握っていた欧米石油会社を追い出した経緯があります。米国と英国はこの利権を奪回するためにイラクに進出したと見られるのも仕方ありません。


イラクの原油生産量は、2016年には現在の4倍前後の日量900万バレルに達するとして、イラクの潜在的石油産出能力が世界中から期待されています。米軍を主力とする多国籍軍が駐留を継続する中、米国と英国がイラクの正常化を目指す理由は、石油利権獲得を目指す米欧メジャーがイラク中央政府との大型契約を狙っているからだという見方もされているほどです。


一方、世界の中堅石油会社は、中小油田が多いクルド自治区政府との契約を進めています。イラク北部のクルド自治区は大部分が山岳地帯で、確認埋蔵量は36億バレル、イラク全土の3%を占めるものの、油田開発はほとんど進んでいません。クルド自治区政府は、埋蔵量450億バレルの可能性があると宣伝し、外国資本の参入を呼びかけています。


新法案「石油ガス枠組法」は、昨年夏からアメリカの助言に沿ってイラク政府内で検討され、今年1月の閣議で法案として決定され、その後は5月の決議を目標に議会で審議が進んでいましたが、シーア派、スンニー派の強硬な反対を受けて、審議は暗礁に乗り上げています。法案は、今後イラクで行われる新しい油田・ガス田の開発について、外国からの投資を受け入れるとともに、石油やガスの販売によって得た利益を、外資の石油会社、イラクの中央政府、地方政府(クルド自治政府など)が山分けすることを定めています。新法が成立すると、米英などの外国資本と地方政府、特に親米・親イスラエルのクルド人政府に石油の利権が分配されます。


しかし「新法によってイラクの石油開発が進む可能性は低い」とする識者は少なくありません。逆にイラク国内のクルド人、シーア派などの間の石油利権をめぐる争奪戦を激化させ、イラクの政情の不安定化に貢献する恐れの方が大きいと見ています。石油ガス産業は、油井施設、長いパイプライン、精油所、積出港など、軍事攻撃に弱い施設を多く抱える産業で、操業には地域の長期的な政情安定が不可欠。イラクの政情が今のように不安定である限り、イラクで新しい油田やガス田が開発される見通しは低いと見積もっているのです。トルコ政府が、カスピ海からつながる「BTCパイプライン」に目をつけたのは、イラクの再興に疑問を抱いているからに相違ありません。特にクルド民族の分離独立運動が自国へ及ぼす事態を危惧しており、「イラク中央政府が認めない外資契約に基づく石油の輸出には協力しない」姿勢を示しているようです。


一方、ロシアは本年3月、ブルガリアとギリシャの領土を通るパイプラインの建設を発表しました。「ブルガス-アレキサンドロポリス石油パイプライン」です。完成の暁には、欧州、米国、アジアに向けて毎年3500~5000万トンの石油がカスピ海およびロシアから輸送されることになります。新計画では、黒海沿岸のノボロシスクからタンカーで運ばれた石油はブルガリアのブルガスカ港からパイプラインでギリシャのアレキサンドロポリスへ送られ、そこで再びタンカーに積まれ、地中海へ向かうのです。


By Master K/益田 慶

2008年3月12日 11日の海外為替市場

中銀5行が協調して新流動性供給の実施、FRBは最大2000億ドルの財務省証券の貸出を決定、今後はこの規模を拡大する可能性もあるという。NYダウは+416.66ドルで終了、ドル全面高+円安となった。


アジア市場は、WSJ紙が「Will Fed Try Something New to Aid Markets? 」との記事で、特別な金融対策が発表されるとの期待に日経平均株価は上昇し、狭いレンジで取引が続いた。


欧州市場では、独ZEW景況感調査が予想より強く、ウェーバー独連銀総裁の「インフレ圧力が強く、利下げ余地はない」との発言にユーロ高が進み、最高値更新、EURUSD=1.5400→一時1.5496まで上昇。


そして、米貿易収支の赤字額は予想より少なく、カウンターで、FRB、カナダ銀行、イングランド銀行、欧州中銀、スイス銀行の5中銀による協調して、流動性供給を実施し、ドル買い戻しが強まる。欧州・米国市場を通じて、クレジットリスクが弱まるとの期待感に米国株高が進み、GBPUSD=2.0211→一時1.9995、EURUSD=1.5495→一時1.5282、USDJPY=102.09円→103.60円。


●ドル円
アジア市場のドル円は101.74円で取引が始まり、朝方一時101.42円まで値を下げたが、7日の安値101.40円近辺ではドル買いが厚く、WSJ紙が「Will Fed Try Something New to Aid Markets? 」と、何かがあるのではとの思惑が強く、日経平均株価も上昇し、101.60~85円のレンジから102.17円まで上昇した。欧州市場は102.03円で取引が始まり、102円台の実需筋の売りに上値は重く、101.91円まで一時値を下げたが、ユーロ円の買いに底堅く102.33円まで上昇した。米貿易収支が予想より良く、中銀5行が協調して新流動性供給の実施が発表されると、102.08円→102.80円超えのストップロスを巻き込み→103.24円まで急騰、103円台での実需筋の売りに一時102.73円まで値を下げたが、米国株の大幅上昇に、円ロングの巻き戻しが強く、ロンドンフィキシングでは103.53円まで続伸となった。103.50円近辺ではオプション勢の売りに上値は重く、102.72円まで再び値を下げたが、クレジットリスクが弱まるとの思惑が強く、NYダウが400ドル超の上昇に円売りが続き、103.60円まで上昇、06:00時では103.43円で取引されている。


●ユーロドル
アジア市場のユーロドルは1.5342で取引が始まり、朝方1.5370まで上昇したが、アジア勢の売りに1.5335まで下落、ほぼ1日中このレンジで揉み合いが続いた。欧州市場は1.5343で取引が始まり、ストップロスを狙った東欧勢の買いに前日の高値1.5410を試し1.5413まで上昇、予想を上回る独・ユーロ圏のZEW景況感調査に、ストップロスの買いを誘発し1.5496まで続伸となった。ウェーバー独連銀総裁の「インフレ圧力が強く、利下げ余地はない」との発言に底堅く、1.5465~85のレンジで売り買いが交錯したが、米貿易収支が予想より良く、中銀5行が協調して新流動性供給の実施が発表されると、1.5465→1.5333まで急落した。一時1.5395まで値を戻したが、米国株の急上昇に米金融不安が薄らぐとの期待感にドル全面高となり、ロシア勢など投機的な売りも加わり、ロンドンフィキシングでは前日安値1.5312を割り込み1.5282まで続落、ポジション調整の買いに1.5353まで値を戻し、06:00時では1.5335で取引されている。


●ユーロ円
アジア市場のユーロ円は156.10円で取引が始まり、NYダウの下落=円高期待と、ストップロスの売りに朝方に155.59円まで下落したが、WSJ紙の観測記事に米国の追加金融対策期待が強く、日経平均株価の上昇に156.73円まで上昇、欧州勢の買いに156.90円まで続伸となった。欧州市場は156.55円で取引が始まり、156.95円まで上昇、一時156.58円まで値を下げたが、堅調な欧州株と投機筋の買いが続き、予想を上回る独・ユーロ圏のZEW景況感調査に、前日の高値157.58円を超え158.27円まで上昇した。ECBフィキシングで157.82円まで値を下げたが、中銀5行が協調した新流動性供給の実施に、直後に158.95円まで上昇、ユーロドルの下落に上値も重く157.63円まで下落、NYダウが400ドル超の上昇に円売りも強く、終盤にかけては158.70円まで上昇、06:00時では158.61円で取引されている。


●主な経済指標の結果
09:30 豪 1月の住宅融資=2.3%(予想0.5% 前回0.4←0.1%)、 投資住宅金融=8.3%(前回-3.0%)
09:01 英 2月のBRC小売売上=前年同月比1.5%(前回2.6%)、全店ベース前年比3.9%(前回4.9%)
16:00 独 2月の生産者物価指数(PPI)=前月比-0.2%(予想0.6% 前回1.4%)、 前年比6.0%(予想6.8% 前回6.6%)
18:30 スウェーデン 消費者物価指数(CPI)=前月比0.4%(予想0.4% 前回-0.8%) 前年比3.1%(予想3.2% 前回3.2%)、CPIX=前月比0.4%(予想0.4% 前回-0.8%)、前年比2.0%(予想2.2% 前回2.1%)
19:00 ユーロ 3月ZEW景況感調査=-35.0(予想-42.0 前回-41.4)
19:00 独 3月のZEW景況感調査=-32(予想-40.0 前回-39.5)、現況指数=32.1(予想30.4 前回33.7)
21:30 米 1月の貿易収支=-582億ドル(予想-597億ドル 前回-578.6←-587.6億ドル)
21:30 カナダ 1月の貿易収支=32.6億ドル(予想26カナダドル 前回22.92←23.5億カナダドル)、輸出=379.78億ドル(前回366.68←367億カナダドル)、輸入=347.18億ドル(前回343.76←343.5億カナダドル)
21:30 カナダ 1月の新築住宅価格指数=前月比0.6%(予想0.3% 前回0.1%)
英 1月の英政府発表住宅価格=前年比8.0%(12月8.4%)、ロンドン住宅価格=前年比13.8%(前回12.2%)
英 12-2月の住宅価格指数=-64.1(予想-55 前回-54.8)→ 90年来の低水準


●昨日の主な発言その他
◎クロズナー理事=流動性圧力が資本に与える影響を精査すべき。金融機関幹部はサブプライムローン市場のリスクを十分に認識していなかった。現在の金融の混乱は、健全なリスク管理の基盤を適切なものにすることの重要性を浮き彫りにした。
◎ポールソン米財務長官=金融保証会社(モノライン)の資本増強で進展が見られる。米経済の長期的ファンダメンタルズは健全。住宅市場が低迷から脱却するには時間がかかる。
◎イングランド銀行=が3カ月物長期オペを3・4月に実施、18日に100億ポンド入札
◎カナダ銀行(中央銀行)=3・4月に総額40億カナダドルの流動性供給。
"◎FRBの新たな流動性対策に関する声明
①2007年12月に協調策を講じてから、主要国中央銀行(G10)は、資金調達市場における流動性圧力に対して、引き続き協力し定期的に協議してきた。一部市場における圧力は最近再び高まった。流動性圧力に対処するため引き続き協力し適切な策を講じる。
②この目的に向け、カナダ銀行、イングランド銀行、欧州中央銀行(ECB)、米連邦準備理事会(FRB)およびスイス国立銀行は特別策を発表した。
③FRBは、証券貸出制度の拡充を発表した。新たなターム・セキュリティーズ・レンディング・ファシリティ(TSLF=ターム証券貸出制度)でプライマリーディーラーに対し、最大2000億ドルの財務省証券を(既存制度のオーバーナイトではなく)期間28日で貸し出す。受け入れ担保は、政府機関債、政府系期間発行の住宅ローン担保証券(RMBS)、民間発行のトリプルA格RMBSを含む。
④連邦公開市場委員会(FOMC)は、ECBとスイス国立銀行との既存の一時的相互為替協定(スワップライン)を拡大することを承認した。これにより、ECBに最大300億ドル、スイス国立銀行に対して最大60億ドルのドル資金を供給は、従来に比べ20億ドル引き上げ100億ドルとした。FOMCは、スワップ協定を2008年9月30日まで延長する。
⑤11日発表された措置は、FRBが7日に発表したターム物入札額を1000億ドルに拡大し、累計1000億ドル規模のターム物レポを実施する方策を補完する。"
◎FRB、カナダ銀行、イングランド銀行、欧州中銀、スイス銀行の5中銀による協調して、流動性供給を実施。
◎米FRB=追加流動性対策を発表。証券貸し出しは、週間入札で3月27日から実施。FOMC、ECBおよびスイス中銀とのスワップ協定の拡大を認可。
◎キミット米財務副長官=米国は人民元の柔軟化を目指した中国の動きを認識しているが、世界の貿易や投資の不均衡を是正するためには人民元をさらに著しく上昇させる必要がある。
◎シティグループ・レバレッジの高い6つの地方債ファンドに10億ドルを注入(NYタイムズ)。


欧州・英国
◎アルムニア欧州委員=為替相場は非常にボラタイル。
◎スイス国立銀行(中央銀行)=ドル資金供給を再開すると発表し供給額は最大60億ドル。声明では、必要と判断される限りドル流動性供給を継続する方針
◎コンスタンシオ・ポルトガル中銀総裁=ユーロ圏金利はインフレリスクを十分に抑制している。
◎バユク・スロベニア財務相=為替レートは経済の実体を反映すべき。為替レートが経済の主要な特性を反映するように努力する。
◎ウェーバー独連銀総裁=インフレ圧力が強く、利下げ余地はない。石油価格の上昇はかなり大きく、食品価格とともにインフレを押し上げている。 国内インフレの推移は、ユーロ圏全体の高水準のインフレ動向と非常に類似している。
◎ECB=期間28日・最大150億ドルのドル資金入札を実施。
◎グロス独経済技術相=ユーロ高は明らかにドイツ経済の一部セクターに悪影響を及ぼしているが、短期的には懸念すべき理由はない。2008年のドイツ経済成長率見通しである1.8%を修正する理由はない


日本・その他
◎大田経済財政担当相=先行きの下振れリスク高まっているので早めに対応。成長力強化策では新たな財政出動・需要積み増しは伴わない。米経済は減速感が強まっている、景気後退につながるかは指標見つつ判断。米経済減速が日本に及ぼす影響の大きさは予見できず、注意して見ていく。経済全体は難しい位置に差し掛かっている、空白を作らないでほしい。首相が4月早々の成長力強化実施策取りまとめを指示。

2008年3月12日 本日の為替戦略

一向に下げ止まらない株式市場と混乱が続く金融市場に、昨日は、昨年12月12日の協調流動性に次ぐ、米・英・EU・スイス・カナダ中銀は、第2弾の新協調流動性供給を発表し、FRBは2000億ドル上限に資金供給するという。米国株は大幅上昇、ドル高+円安相場となり、暫くはこの方向の動きが続き安くなっている。では前回の為替相場はどのように動いたのであろうか?


ドル円は12月12日110.64円→112.48円、そして、12月27日=114.66円の高値をつけ、急落した。
ユーロドルは12月12日11.4751→1.4639、そして、12月20日=1.4310まで下落、上昇した。
NYダウは12月12日113,473.90→12月17日13,167.20まで下落、12月26日=13,551.69まで上昇し、下落した。


さて、今後はどうなるのであろうか?
今回の評価はどうなるのか、市場結果を見てから判断する意外なさそうであるが、前回を見る限り、相場の反転が暫く続くことも視野に入れておく必要がある。特に、スイスと円の戻りは激しく、これらのロングポジションの巻き戻しも入りやすくなっている。しかし、現状はこれは金融市場が安定するとの期待感だけで、何も確定したわけではないことは忘れずに。


本日の経済指標・その他では、日銀金融政策決定会合議事要旨(2月14・15日分) 、第4四半期GDP・二次速報、特に、ユーロ圏・湾岸協力会議(GCC)の中銀会合でトリシェECB総裁の会見が注目される。また、何かハプニングがあるのであろうか?


●ドル円
ドル円は、金融不安・クレジットリスクのヘッジ通貨でもあり、昨日の中銀5行の新資金供給策は円にとってマイナス材料である。将来、これが失敗すれば激しい円高が始まることになるが、目先はこの影響に金融不安がどのくらい解消できるかを見極める必要があり、ドル買い戻しも入りやすい。前回も暫く時間がかかっていることも意識したい。


ドル円の4時間チャートは、下降トレンドが続き、ラインの下限を一時割り込みながらも反発し、ラインの中間から下限で取引されている。上値のポイントは、103.65円、104.18円、104.98円、105.65。下値のポイントは、103.12円、102.47円、101.92円。RSIは下降ラインを上抜け、トレンドモメンタムも買いに変化している。トータルの判断は、買い、103.12~104.18円のレンジ。


●ユーロドル
ユーロドルは、独・ユーロのZEWが強く最高値を更新た直後の急激なユーロ下落にショックも大きく、結局は前日終値を下回って終了した。このショックが尾を引く可能性があり、暫くは、何処まで値を下げるのかを見極める必要がある。また、本日予定している、ユーロ圏・湾岸協力会議(GCC)の中銀会合後の、トルシェECB総裁の発言には、注意したい。


ユーロドルの4時間チャートは、上昇トレンドが続き、ラインの下限と上限にぶつかる激しい値動きとなっている。上値のポイントは、1.5413、1.5362、1.5494、1.5528。下値のポイントは、1.5307、1.5281、1.5151。RSIは54と下げ傾向にあり、トレンドモメンタムは売りが続いている。トータルの判断は、1.5309~1.5413のレンジから、1.5281を割り込むと続落の可能性がある。


●ポンド円
ポンド円は、中銀5行の資金供給は、金融解消=円安に動きやすく、207円台に値を戻したことで、クロスを含め円売りが強まる可能性が高くなっている。本日の株式市場を見ながらの取引となるが、NYダウが400ドル超の上昇で終わっただけに、日経平均株価も当然上昇=円売りになりやすい。


ポンド円の4時間チャートは、下降トレンドのライン上限を超え、203.50~208円のレンジの上限に近づいている。上値のポイントは、207.96円、208.25円、208.74円、209.40円、210.04円。下値のポイントは、206.47円、206.26円、205.93円、204.90円、203.45円、202.33円。RSIは52と弱い下降ラインが続いているが、トレンドモメンタムは買いに変化している。トータルの判断は、買い。207.96円を超えたら確認されるが、206.26円を割り込んだら買いは撤退。

●本日の経済指標・その他
08:50 日本 日銀金融政策決定会合議事要旨(2月14・15日分)
08:50 日本 第4四半期GDP・二次速報=前期比予想0.6% 前回0.9%、前期比年率予想3.7% 前回2.4%
08:50 日本 2月の企業物価指数=前月比予想0.3% 前回0.2%、前年比予想3.3% 前回3.0%
08:50 日本 1月貿易収支=予想731億円、前回1.0134兆円、経常収支予想1.2490兆円、前回1.6972兆円
09:01 英 2月のRICS住宅価格=予想-53.0 前回-54.7
18:30 英 1月の貿易収支=予想-75億ポンド 前回-75.74億ポンド、除くユーロ=-41億ユーロ 前回-40.8億ユーロ
19:00 スイス 3月の投資センチメント=予想 前回-55.6
19:00 ユーロ 1月の鉱工業生産=前月比予想0.3% 前回-0.2%、前年比予想2.6% 前回1.3%
00:00 米 2月のスペンディングパルス小売売上高=予想 前回0.2%
03:00 米 2月の月次財政収支=予想-1600億ドル 前回-1199.9億ドル
トリシェECB総裁、ユーロ圏・湾岸協力会議(GCC)の中銀会合で会見(独マインツ)
ダーリング英財務相2008年の予算発表

世界資源戦争16 新興産油国・石油企業の躍進 中国石油企業

『フォーブス』企業ランキング200にランキングしている中国企業は数社ある。2007年度版で第41位に上昇したのが中国国営企業「中国石油天然気集団公司」(China National Petroleum Corporation 略称CNPC)だ。日本の新聞・雑誌媒体では「中国石油集団」と記されることが多い。中国企業はよく似た社名が多く、混同しやすいので、先にまとめておく。


■中国国内の国営石油企業ベスト3
〈1位〉中国石油天然気集団公司(英語名China National Petroleum  Corporation、 略称CNPC) 日本での略称「中国石油集団」
〈2位〉中国石油化工集団公司(英語名China Petrochemical Corporation (Sinopec Group)日本での略称「中石化集団」
〈3位〉中国海洋石油総公司(英語名 China National Offshore Oil Corporation、略称CNOOC) 日本での略称「中国海油」


■中国国内の民間石油企業2強
・中国石油天然気(英語名Petro China、日本では「ペトロチャイナ」と呼ばれる)
・中国石油化工(China Petroleum and Chemical Corporation、Sinopec) 日本での略称は「中国石化」


「中国二大国営石油企業」といった場合は、中国石油集団(CNPC)と中石化集団が該当する。国営3社のうち最初に設立されたのが、1982年、沖合の大陸棚の海底油田・ガス田開発のために設けられた中国海油(CNOOC)だ。同社は中国省庁に海底油田探索のための十分な技術がなく、外資と共同開発するための受け皿である。この時期、中国省庁の国営企業への分割化が進められ、1998年に中国石油集団と中石化集団が誕生した。

さらに中国石油集団は事業の再構築を進め、採算性の高い部門を民営化した。それが1999年創業の「中国石油天然気」(ペトロチャイナ)だ。原油採掘部門、原油精製部門、化学品製造部門、天然ガス部門の5部門からなり、採掘から石油化学製品の製造・販売まで、石油・天然ガス業界の川上から川下まで幅広く手がけている。2000年に香港証券市場とニューヨーク証券市場に上場し、投資家ウォーレン・バフェットが経営する世界最大の投資持株会社パークシャー・ハサウェイが国外での筆頭株主(88%を保有しているのはCNPC)となったことでも知られている。


中国株に詳しい人なら、ペトロチャイナが2007年9月、香港証券市場で史上最高値をつけたことを覚えているだろう。ニューヨーク証券取引所(NYX)ではペトロチャイナの米国預託証券の価格が過去3年間で3倍以上に上昇した。欧米のオイルメジャーを上回る実績に世界の投資家は着目した。


一方、中石化集団のうち油田・工場・販売などの部門を引き継いで発足した民間企業が「中国石油化工」である。こちらは2000年に香港、上海、ロンドン、ニューヨークの各証券取引所に上場している。石油化学製品の生産で中国1位、原油生産では2位である。「中国二大民間石油企業」といった場合は、ペトロチャイナと中国石化が該当する。


さらに中国海油(CNOOC)には、同社が株式の70%を保有する民間企業の子会社「中国海洋石油」(CNOOC Ltd)があり、実際の海中油田探査・採掘事業を行っている。こちらも香港、ニューヨーク証券取引所に上場している。


中国では、これら3国有企業と3民間企業が石油関連事業を分担する形になっている。事業区域ではペトロチャイナが中国北部、中国石化が中国南部とほぼ南北に分かれて担い、ペトロチャイナは採掘などの川上分野に強みがあり、中国石化は石油化学製品などの川下分野に強いという特徴がある。ガソリンスタンド事業はこの2社の独占状態。理由はこの2社だけが中国での新しいガソリンスタンドを開設する権利を得ているからだ。


1993年から石油輸入国に転じた中国は、国内生産に力を入れるのはもとより海外企業の買収や開発途上国への進出に大きなエネルギーを注いでいる。これよりしばらくは中国の石油開発を紹介していこう。


By Master K/益田 慶

100年企業17 旧財閥系の100企業 地方財閥(阪神財閥)-旧八馬財閥・乾財閥・岡崎財閥

江戸時代から海外貿易で栄えた阪神地区には、海運業で財を成した、いくつかの中堅財閥が存在した。初代八馬兼介が米穀商を興したことから始まる八馬財閥もそのひとつ。初代は米穀商で蓄えた財をもとに海外船舶を購入。1878年に兵庫県西宮市に八馬商店船舶部を設立し、船主として海運業に進出した。のちに「八馬汽船」と改組し、同社は現在も神戸市に本社を構えている。八馬汽船は阪神の「100年企業」である。


その後、八馬家は銀行や電鉄会社の設立に出資し、大株主となる。初代は西宮銀行、武庫銀行の両頭取を務め、孫の三代目兼介が後を継いだ。1936年に兵庫県の7銀行が合併して誕生した「神戸銀行」では、当時の神戸岡崎銀行(岡崎財閥)岡崎忠雄が会長、三代目八馬兼介が頭取、姫路銀行(牛島財閥)牛島健治が副会頭に就任した。のちに太陽銀行と合併し、「太陽神戸銀行」となり、三井銀行と合併して「さくら銀行」となり、さらにさくら銀行と住友銀行が合併して、今日の「三井住友銀行」となる。


八馬家は、のちに老舗酒造メーカー「多聞酒造」を経営したが、2005年に経営難より会社更生法を適用。同じ西宮市の酒造メーカー「大関」が「多聞」の商標と製造販売を譲り受けた。ちなみに大関は創業1711年の「100年企業」である。また、船会社設立時に八馬汽船から船を借りて手数料をかせぎ、「船成金」と呼ばれるほど成功し、のちに吉田茂内閣で農林大臣を務めたのが内田信也である。


一方、醸造業から海運業に進出したのが、三代目乾(いぬい)新兵衛だ。三代目は中古船舶を購入し、1904年に社外船主として海運業へ転換。1908年に神戸に「乾合名会社」を設立。「乾汽船」は今日も乾家が代表を務める「100年企業」である。2001年に本社を東京に移した。ちなみに五代目新兵衛こと乾豊彦は日本ゴルフ協会名誉会長を務めたことでも知られている。


銘酒「白鹿」で名高い西宮の醸造元・辰馬家もまた海運業を営んでいた。1662年創業の酒造業の老舗は、酒を江戸に運ぶために海運業にも乗り出した。1909年に設立した「辰馬汽船」はのちに「新日本汽船」へ改組し、山下汽船と合併して新山下日本汽船となり、「商船三井」に吸収される。「辰馬本家酒造」は現在「白鹿グループ」を展開する「100年企業」だが、一時期は海運業と海上火災保険業も手がけ、阪神地区での辰馬財閥を形成した。その大番頭として新日本汽船の社長を務めた山県勝見は、辰馬海上火災保険がほか3社と合併して生まれた「興亜海上火災保険」の初代会長も務めた。同社はのちに「日本海上火災」と合併し、「日本興亜損保」となる。


一方、辰馬本家から分家して生まれた北辰馬家は1862年に西宮で創業。こちらの銘柄は「白鷹」で、社名も「白鷹」。本家とは一線を画しており、「白鹿グループ」には加盟していない。


海運業を基盤にして財閥にまでのしあがったのは、ほかにもある。岡崎財閥の始祖・岡崎藤吉は「岡崎汽船」で蓄えた財をもとに金融業へ転換していった。その岡崎が海運業を始めるために資金を借りたのが、前出した辰馬家当主・辰馬吉左衛門である。藤吉は1897年、神戸海上運送火災保険を創業。岡崎家は婿養子に迎えた岡崎忠雄の代に事業を広め、山崎豊子の小説『華麗なる一族』のモデルになったとされている。


阪神の岡崎財閥の当主として君臨し、神戸商工会議所会頭にも就任している。1944年、金融統制によって神戸海上運送火災保険が共同海上保険など3社と合併して誕生したのが「同和火災海上」だ。この時に社長に就任したのが、忠雄の長男・岡崎真一である。真一も神戸商工会議所会頭に就任し、日本商業会議所副会頭も務めた。同和火災海上は日本生命の子会社「ニッセイ損害保険」と合併し、「ニッセイ同和損害保険」となった。同社は岡崎藤吉が立ち上げた神戸海上運送火災保険をもって創業年としているので、「100年企業」といえる。


ちなみに岡崎真一の長男・岡崎真雄氏は、同和火災海上社長と会長を務めたのち、現在ニッセイ同和損害保険の名誉会長を務めている。次男・岡崎藤雄氏は、藤吉が創業した内外ゴム(営業本部:神戸)の現社長、三男・岡崎由雄氏は東京衡機製造所会長兼社長を退任し、取締役相談役に就いている。まさに「華麗なる兄弟」である。


By Master K/益田 慶

2008年03月13日

2008年3月13日 12日の海外為替市場

欧米中銀の新資金供給策は、為替市場では1日だけのドル買い+円売りで終わり、再びドル売り+円買いの相場となった。


ドルインデックス=72.271(最安値更新)、原油=108.65(最高値更新)、CRBindex=417.50(債高値更新)、EURUSD=1.5571最高値更新)、USDCHF=1.0129(最高値更新)、USDJPY=101.64円、GBPUSD=2.0280。


日経平均株価=+202.85、NYダウ=-46.57、独DAX=+74.80、英FTSE=+86.00。


アジア市場では、日本の第4四半期GDP=前期比0.9%(予想0.6%)と予想を上回る円買いと、日経平均株価の上昇からの円売りに挟まれ、持ち合いから円を買う動きが続いた。


欧州市場では、ユーロ圏1月の鉱工業生産=前月比0.9%(予想0.3%)と強くユーロ買いが強まり、中東から大口のドル売りが入り、USDEUR→GBPUSD→USDJPYとドルは下落。トルシェECB総裁の「為替の過度の動きを懸念」、ビーニ・スマギECB理の「過剰な為替の変動は経済に打撃」、ユンケル・ユーログループ議長の「為替レートの動きを引き続き非常に警戒」、との発言も明確なユーロ高阻止は見えなく、シュタルクECB理事の「理事会メンバーはインフレを懸念」発言や、米系ファンドの破綻のウワサ→投資しているアイスランドの銀行が損失のウワサもあり、ユーロ買いが続き、ついに1.55の大台を突破。


米国市場では、1.5500、1.5525、1.5550のオプションバリアを試しながらユーロ高が続き、ドル全面安が続き、序盤こそ米国株の上昇が見られたが、米ヘッジファンド流動性危機のウワサ+終盤にかけてマイナスに転じると円を買い戻す動きが強まった。


●ドル円
アジア市場のドル円は103.41円で取引が始まり、朝方の103.53円を高値に、日本のGDPが予想を上回り、仲値の実需筋の売りに102.93円まで下落、103.30~55円の狭いレンジで取引から、本邦機関投資家+アジア・中東筋の売りが続き、102.83円まで下落、日経平均株価の上昇に下げ止まり103.10円まで値を戻した。欧州市場は103.08円で取引が始まり、ユーロ円の買いに103.27円まで上昇したが、政府系ファンドの売りが続き、クロスで円を買い戻す動きが続き、ユーロ円が下落に転じると102.56円まで値を下げた。株高=円安を期待した投機筋のドル買いの調整売りが続き、ECBフィキシングでは102.22円まで値を下げたが、中東筋の買いに下げ止まり、102.25~70円のレンジから、NYダウが一時150ドル近く上昇、ロンドンフィキシングでは一時102.83円まで上昇した。米スペンディングパルス小売売上高が2003年来の下落幅となりドル売りに変わり、主要通貨でドル売りが続き、NYダウがマイナスに転じると、102円を割り込み、101.64円まで続落、06:00時では101.82円で取引されている。


●ユーロドル
アジア市場のユーロドルは1.5337で取引が始まり、朝方の1.5331を安値に、匿名カタール中銀筋「今月末までに通貨の見直しを行う」との報道や、陳中国商務相の「中国は外貨準備を様々な通貨で保有すべき」との発言に底堅く、1.5362まで上昇、ロシア筋や中銀筋の買いに1.5390まで徐々に底値を切り上げたが、利食いの売りに1.5355まで値を下げた。欧州市場は1.5356で取引が始まり、中東筋の大量の買いや、ユーロ圏の鉱工業生産が強く、1.5400を超えると短期投機筋の買いが加速、中東資本筋や東欧勢の買いが続き1.5495まで上昇した。1.5500~10のオプソンバリアを前に、アジア中銀筋のオプションプロテクトの売りに上げ止まり、トルシェECB総裁+ビーニ・スマギECB理+ユンケル・ユーログループ議長の発言に1.5445まで値を下げた。ユーロ高阻止の確固たる発言も見られず、米系カストディアン+米系証券の買いに徐々に底値を切上げた。オプションカットでは1.5505まで上昇、シュタルクECB理事から理事会メンバーはインフレを懸念+NYダウがマイナスに転じ、米スペンディングパルス小売売上げも弱く、1.5525、1.5550のオプションバリアを試し、終盤にかけては1.5571まで続伸、06:00時では1.5546で取引されている。


●ユーロ円
アジア市場のユーロ円は158.58円で取引が始まり、朝方の158.80円を高値に、日本のGDPが予想を上回ると、158.05円まで急落、日経平均株価の上昇に底堅く、一時158.03円まで値を下げたが、158.05~35円の狭いレンジで取引が続いた。欧州市場は158.28円で取引が始まり、株高=円売りの流れに投機筋の買いが強く、ユーロ圏の鉱工業生産の発表に159.14円まで急伸したが、159円台では中銀筋の売りが続き、ECBフィキシングでは158.40円まで下落、売り買いが交錯しながら158.28円まで続落となった。ユーロドルが1.55近辺で上げ渋り、ドル円が102.20~30円で下げ渋り、ユーロ円は狭いレンジで揉み合いから、米国株の上昇に、ロンドンフィキシングでは159.03円まで上昇したが、米国株が急速に上昇幅を縮小、マイナスに転じると157.96円まで急落、06:00時では158.29円で取引されている。


●主な経済指標の結果
08:50 日本 日銀金融政策決定会合議事要旨(2月14・15日分)
08:50 日本 第4四半期GDP・二次速報=前期比0.9%(予想0.6% 前回0.9%)、前期比3.5%(年率予想2.4% 前回3.7%)、デフレータ=前年比-1.3%(前回-1.3%)
08:50 日本 2月の企業物価指数=前月比0.4%(予想0.3% 前回0.2%)、前年比3.4%(予想3.3% 前回3.0%),
08:50 日本 1月貿易収支=858億円(予想731億円、前回1.0134兆円)、経常収支1.2358兆円(予想1.2490兆円、前回1.6972兆円)
18:30 英 1月の貿易収支=-75億ポンド(予想-75億ポンド 前回-75.13←-75.74億ポンド)、除くユーロ=-42.92億ポンド(-41億ポンド 前回-41.12←-40.8億ポンド)
19:00 スイス 3月の投資センチメント=-71.7(前回-55.6)
19:00 ユーロ 1月の鉱工業生産=前月比0.9%(予想0.3% 前回0.0←-0.2%)、前年比3.8%(予想2.6% 前回1.7←1.3%)→ユーロ買いとなる
00:00 米 2月のスペンディングパルス小売売上高=除く自動車-1.1%(前回0.2%)→ 2003年来の下落幅
03:00 米 2月の月次財政収支=-1755億ドル(予想-1600億ドル 前回-1199.9億ドル)


●昨日の主な発言その他
米国・カナダ
◎S&P=米金融保証CIFGを「AAA」から「Aプラス」に格下げ。
◎WSJ紙=FRBが10日に緊急FOMCを開催、新流動性対策を承認。
◎バークシャー・ハザウェイ金融保証部門責任者=米経済の低迷で地方債保証事業のリスクが強まっている。


欧州・英国
◎シュタルクECB理事=世界経済のデカップリングは不可能。理事会メンバーはインフレを懸念。08年にインフレは明確に2%超え。過剰流動性のリスクが現実化してきた。
◎ビーニ・スマギECB理事=過剰な為替の変動は経済に打撃。低金利が信用を膨らませた。信用の伸びは経済の強さを示す。インフレ期待を深刻に受け止める。市場混乱はECBの役割を困惑させた。欧州に信用ひっ迫の証左なし。
◎トリシェECB総裁(ユーロ圏・湾岸協力会議(GCC)中銀会合後の記者会見)=EURUSDの質問に→為替の過度の動きを懸念。日々の市場の動向についてはコメントしない。主要中銀による協調的流動性対策は重要。原油価格はインフレと経済に影響与える。
◎ユンケル・ユーログループ議長=ユーロ圏の財務相は為替レートの動きを引き続き非常に警戒。 米経済は景気後退の瀬戸際にありインフレは4.3%で、政策は欧州に悪影響を及ぼしかねない。2008のユーロ圏の成長率は潜在成長率をわずかに下回る伸びとなる。ECBはFRBの利下げに追随する必要はない。為替レートは経済ファンダメンタルズを反映すべき。米当局が強いドルは国益にかなうと繰り返し表明。
◎ダーリング英財務相(2008年度の議会への予算案)=2008年の英成長見通しを1.75~2.25%(2007年10月予想2.0~2.5%)、2009年は2.25%~2.75%(2007年10月予想2.5~3.0%)に下方修正。クレジット市場の大半で大きな混乱がみられ、一部はかろうじて機能している状況にある。今年に入って株式市場は世界的に影響を受けており、世界経済に対する主要リスクとなっている。BOEを含む欧米中銀が前日発表した新たな流動性対策を歓迎する。


日本・その他
"◎日銀金融政策決定会合議事要旨(2月14・15日分)
米景気の減速傾向が一段と強まっているとの見方で一致。米雇用者数の増勢鈍化ペースは一段と強まっている─多くの委員。米住宅在庫が高止まり、住宅価格の低下傾向強まっている─多くの委員。商業用不動産向け与信基準が急激にタイト化、建設投資に悪影響及ぼす可能性─米経済で複数の委員。金融政策運営の基本的考え方維持することが適当だが、以前に比べより慎重な判断が必要─1人の委員。標準シナリオが実現するとの確信持てるまでにはしばらく時間がかかる─1人の委員。米住宅価格の下落やモノラインの格下げで金融機関の損失さらに拡大する懸念─何人かの委員。米景気減速がアジアの輸出鈍化通じて日本のアジア向け輸出に影響及ぼす可能性に注意─複数の委員。世界経済の減速が輸出に及ぼす影響とあわせ今後の生産動向を注意深くみる必要─何人かの委員。"
◎野田日銀審議委員=世界金融市場には従来以上の注意が必要。日銀としては特にここで金融市場に変化をもって対応することは考えていない。循環メカニズムが瀬戸際にあるとは思わないが、赤信号に変わる可能性は否定しきれない。円高は輸出産業への影響あるが、交易条件としては良い方向。世界金融市場には従来以上の注意が必要。
◎アルサヤリ・サウジアラビア中銀総裁=ドルは値ごろ感があり買い場、過度なドルの変動は好ましくない。
◎リプスキーIMF筆頭副専務理事=ドルとユーロは世界の貿易情勢を考え合わせれば、ともに過大評価されている。
◎アブドラ・カタール中銀総裁=通貨リヤルの米ドルペッグ制について、現在の水準で当面維持。
◎陳中国商務相=中国は外貨準備を様々な通貨で保有すべき。1月末時点の中国の外貨準備は1.59兆ドル。国内のインフレ対策として人民元の上昇を促すことは困難。1月と2月のインフレ率が高い水準となったことで、政府が物価対策を講じる圧力が増した
◎匿名カタール中銀筋=今月末までに通貨の見直しを行う。

2008年3月13日 本日の為替戦略

欧米中銀5行は膨大な資金供給の第2弾を発表、11日には株価は上昇、ドル高、円安の流れとなった。しかし、金融不安は払拭できず、相変わらず米系証券やヘッジファンド破綻のウワサ、アイルランドの金融機関破綻のウワサも流れ、米国株価はマイナスで終了、まさに驚きと予想外の1日天下。


資金を大量に供給することは、為替では過去の例から通貨安になるが、その理論から言えば円高の芽が顔を出すことになる。世界的な金融不安を解消するために、FRBは0日に緊急FOMCを開催し、新流動性対策を承認。主要国中央銀行総裁会議(G10)で根回しがされていたことが、新聞等で報道されている。


金融機関の安定が目的で、為替相場を狙ったものではないことは理解できるが、12月12日に続き第2弾で為替市場でのドル売りが止まらないことが証明されれば、ドル円の底値は全く見えない。円クロスは10日の水準を上回りまだ円高の警戒感も薄いが、本日の方向性は重要で、センチメントは円高に変わり、クロスでの円高の懸念も強まる。


本日の経済指標・その他では、ECB月報、米小売売上高、ノルウェー・スイス中銀の金融政策には注意したいが、協調資金供給後に引締めの政策変更をするはずが無く、事前予想も共に金利据え置きとなっている。


●ドル円
ドル円は、欧米中銀5行が考慮した資金供給の市場評価が為替市場ではこんなに短期間で終了するとは予想外で、円高も驚き。前回12月の資金供給も結果的に円高が続いたが、一週間程度はドルに対して評価が続いていた。今回は、戻りも104円台、103円台と上値は切り下がり、このセンチメントからは円高の流れが怖い。


ドル円の4時間チャートは、下降トレンドが続き、下限を再び割り込み下落が続いている。上値のポイントは、102.26円、102.47円、103.12円。下値のポイントは、101.05円、100.91円、100.70円、98.55円。RSIは42と横ばいで、トレンドモメンタムは買いから売りに変化しつつある。トータルの判断は、売り。


●ユーロドル
ユーロドルは、中東からの大量の買いについに1.55の大台を超え上昇が始まった。テクニカルアナリストが期待した下落も無く、上昇が続いたことで、市場のセンチメントも変わりつつあり、1.57台まで必至との意見が多くなっている。特に資金供給後の米株安はドルに対しては非常に弱気な材料で、湾岸協力会議の為替政策の行方も気になる。


ユーロドルの4時間チャートは、上昇トレンドが続き、ラインの上限近くで取引されている。上値のポイントは、1.5601、1.5640、1.5799。下値のポイントは、1.5521、1.5490、1.5479、1.5439。RSIは61と引き続き50を超え、トレンドモメンタムは売りから買いに変わっている。トータルの判断は、上昇トレンドの上限にあるだけに、上値を抑えられる可能性も残り、利食い売りも予想されるが、1.5490を底値に1.5601を超えると買いが加速。


●ポンド円
ポンド円は、金融不安解消=株高=円安の方程式に、短期間である程度の円売りを想定していたが、中東勢のドル売り+米株の下落に見事に外れた。水準的には、10日の水準を上回って取引が続き、レンジ相場が続いているが、円安期待感が裏切られた反動に、本日は下値リスクに注意したい。


ポンド円の4時間チャートは、下降トレンドの上限を超え、204円~208円のレンジから、再びもとのレンジ上限近くまで値を下げている。上値のポイントは、205.34円、206.35円、207.96~07円。下値のポイントは、204.90円、204.30円、203.56円、203.37円。RSIは46と緩やかな下降ラインが続き、トレンドモメンタムは買いから売りに変化しそうである。トータルの判断は、売り。


●本日の経済指標・その他
06:45 NZ 1月の小売売上高=前月比予想0.3% 前回0.1%、前年比予想5.9% 前回5.4%、除く自動車前月比予想-0.1% 前回0.3%
09:30 豪 2月の失業率=予想4.2% 前回4.1%、雇用者数1.5万人 前回2.68万人
13:30 日本 1月の鉱工業生産・確報=前月比予想 前回、前年比予想 前回-2.0%
13:30 日本 1月設備稼働率・確報=前月比予想 前回1.7%
18:00 ユーロ ECB月例報告
21:30 カナダ 第4四半期の設備稼働率=予想82.0% 前回82.7%
21:30 米 新規失業保険申請件数(3/9までの週)=予想35.5万件 前回35.1万件
21:30 米 2月の輸入物価=前月比予想0.8% 前回-1.7%、輸出物価=予想0.6% 前回1.2%
21:30 米 2月の小売売上高=前月比予想0.2% 前回0.3%、 除く自動車=前月比予想0.2% 前回0.3%
22:00 ノルウェー ノルウェー中銀金融政策発表=5.25%の政策金利据え置きを予想
22:00 スイス スイス中銀金融政策発表=3ヶ月LIBOの中心値、2.75%の政策金利据え置きを予想
23:00 米 1月の企業在庫=前月比0.5% 前回0.6%

2008年03月14日

2008年3月14日 13日の海外為替市場

原油価格=109.05(最高値更新)、金価格=994.7、一時100.1(最高値更新)、USDJPY=100円割れ一時安値99.77円、EURUSD=一時1.5646(最高値更新)、USDCHF=一時1.0045(最安値更新)


前日の欧米中銀5行の新資金供給策のドル高期待感が裏切られ、米金融機関の破綻のウワサ、米国株の下落に、18日のFOMCで0.75%~1.0%の利下げ必至との思惑が広まり、ドル全面安、そして、円高+スイス高、ついにドル円100円割れ。


アジア市場の早朝は、豪雇用統計が強く、4.0%(予想4.2%)、雇用者数3.67万人(予想1.5万人)に、豪ドルは上昇、一時0.9417まで上昇(米国市場では0.9467で上昇)。カーライル・キャピタルが債権者と合意できずとの報道に、日経平均株価大幅下落=12433.44(-427.69)、原油価格の連日の高値更新、湾岸協力会議のドルペック制度見直しの思惑に、2005年1月17日の安値101.67円を割り込みドル売りが加速、100円の大台を前に売り買いが交錯したが、政府・通貨当局者の円高阻止の声は弱い。


欧州市場ではついに、USDJPY=100円を一時割り込み99.77円まで下落。カーライル・キャピタル破綻の可能性に欧州金融株は弱く、円高+スイス高の流れが続き、ユーロドルも最高値を更新したが、通貨当局者の発言は多いものの、産業界以外には、ユーロ高阻止の明確な発言は無かった。


弱い米小売売上高にも前月比-0.6%(予想0.2%)ドル売りは限定的。S&Pは「評価損は2850億ドルに達する可能性があるが、大手金融機関の評価損計上は終わりに近い」と発表+ロイター=FEDは新たな貸出措置についてデーラーと協議と報道+ニューヨーク連銀が「証券貸出制度の条件をプライマリーディーラー各社やその他の市場参加者と個別に協議」との発表に、NYダウはプラスに転じ円の売り戻しが続いたが、他の主要通貨ではドル売りが継続している。


●ドル円  
アジア市場のドル円は101.77円で取引が始まり、早朝の101.78円を高値に、カーライル・キャピタルが債権者と合意至らずとの報道に、2005年1月17日の安値101.67円を割り込み、101.10円まで下落したが、本邦実需筋の買いに101.70まで値を戻し、英系銀行からドル売りに上値の重い展開となった。101円を割り込むとドル売りが加速、投機筋から100円のオプション・ノックアウトを狙う売りに100.02円まで急落、オプション勢の防戦買いに100円直前で攻防が続いた。欧州市場は100.30円で取引が始まり、米系投資銀行の大口買い+米系ファンドのEURJPY買いに100.55円まで上昇したが、ファンド筋の売りが続き、100円を割り込み99.77円まで下落したが、米系証券の大量の買いに100円台を回復した。100.00~45円のレンジで激しい売り買いの攻防が続いたが、米小売売上高が予想より悪かったものの、100円を割り込むことができず、ポジション調整の買いに100.85円まで上昇、欧米株価は弱く、米国株が200ドル超の下落に円買いが続き、再び100円割れとなった。99.95円を安値にロンドンフィキシングのドル買い・円売り需要に100.75円まで上昇、ポールソン米財務長官のドル高を支持する発言+S&Pが大手金融機関の評価損計上は終わりに近いとの発表+FEDは新たな貸出措置についてデーラーと協議との報道に、米株価上昇、101.00~10円のストップロスの買いを巻き込み101.25円まで上昇した。米国株も上げ止まり、ポジション調整一巡後には再びドル売りが始まり、100.60円まで下落、06:00時では100.63円で取引されている。


●ユーロドル
アジア市場のユーロドルは1.5549で取引が始まり、ユーロ円の売りに1.5522まで値を下げたが、米金融不安を材料に、ドル円+ドルスイス中心にドル売りが続き、前日の高値1.5571を超え1.5586まで上昇、アジア筋の売りに徐々に上値を切り下げ1.5536まで値を下げた。欧州市場は1.5543で取引が始まり、ドル円100円の攻防を気にしながら、EURJPY買いに1.5627まで上昇、カーライル・キャピタルの株価が70%急落、欧州株安にユーロ買いも鈍く、1.5565~10のレンジで売り買いが交錯した。予想より弱い米小売売上高にも、ユーロ買いは弱く、逆に1.5550まで値を下げたが、ロンドンフィキシングの買いに1.5617まで上昇、レンジ相場を抜け出すことはできず、1.5560~00のレンジで売り買いが続いた。薄商いの中で終盤にかけてベネズエラPDVSAが原油決済代金をユーロにするとの報道に、1.5627を超え1.5646まで上昇、06:00時では1.5632で取引されている。


●ユーロ円
アジア市場のユーロ円は158.28円で取引が始まり、これを高値に、カーライル・キャピタルの報道を材料に、株安=円高の思惑に、前日の安値157.96円を割り込み157.34円まで下落、本邦勢の買いに157.97円まで値を戻したが、仲値の買いが一巡し日経平均株価の急落に、156.50円割れのストップロスを誘発155.54円まで急落、ドル円が100円の攻防で下げ止まると156.25円まで値を戻した。欧州市場は155.92円で取引が始まり、ドル円が100円を割り込むと、155.56円まで下落したが、米系ファンド買いに156.50円まで値を戻し、156.15~50円のレンジから、米小売売上高に一時156.88円まで上昇したが、金融不安が続き、弱い欧米株の影響に円買いが続き、156.07円まで下落した。ロンドンフィキシングの買い需要に156.95円まで上昇、S&Pが大手金融機関の評価損計上は終わりに近いとの発表にNYダウがプラスに転じ、157円を超え、投機筋のストップロスの買いを誘発し、ユーロドルの買いも加わり、157.71円まで徐々に値を戻し、06:00時では157.30円で取引されている。


●主な経済指標の結果
06:45 NZ 1月の小売売上高=前月比0.3%(予想0.3% 前回0.1%)、前年比予想5.9% 前回5.4%、除く自動車前月0.3%(比予想-0.1% 前回0.2←0.3%)
09:30 豪 2月の失業率=4.0%(予想4.2% 前回4.1%)、雇用者数3.67万人(予想1.5万人 前回3.14←2.68万人)
13:30 日本 1月の鉱工業生産・確報=前月比-2.2%(予想-2.5% 前回マイナス2.0%)、前年比2.2%(前回-2.5%)
13:30 日本 1月設備稼働率・確報=前月比-2.5%(前回1.7%)
18:00 ユーロ ECB月例報告
21:30 カナダ 第4四半期の設備稼働率=81.8%(予想82.0% 前回83.4←82.7%)
21:30 米 新規失業保険申請件数(3/9までの週)=35.3万件(予想35.5万件 前回35.3←35.1万件)
21:30 米 2月の輸入物価=前月比0.2%(予想0.8% 前回1.6←1.7%)、輸出物価=0.9%(予想0.6% 前回1.2%)
21:30 米 2月の小売売上高=前月比-0.6%(予想0.2% 前回0.4←0.3%)、 除く自動車=前月比-0.2%(予想0.2% 前回0.5←0.3% )
22:00 ノルウェー ノルウェー中銀金融政策発表=5.25%の政策金利据え置きを決定→ 成長見通しを2.75%→3.5%に引き上げたほか、賃金も上昇する見通しを示しNOK買いが強まる。インフレは明らかに高進しており、基調インフレは政策目標の2.5%に迫っていると。 金融政策報告の分析によると、主要政策金利は夏季に一段と引き上げられる可能性がある。物価上昇とコストインフレは短期的に、世界経済の減速よりも重要と判断されるだろう→ 今後も利上げの可能性高まる
22:00 スイス スイス中銀金融政策発表=3ヶ月LIBOの中心値、2.75%の政策金利据え置きを決定→ 声明=インフレ圧力は2007年12月以降高まっている。経済見通しの悪化を考慮し、金融政策を変更しない。インフレや経済成長見通しは不透明性の影響を受けると指摘。2008年のインフレ予想は、原油価格高で、1.7%→2.0%に引き上げ。2009年の中期予想は1.5%→1.4%に引き下げ。2010年の予想1.4%。2008年の成長見通しは2%近辺→1.5ー2.0%に引き下げた→ 将来の利下げの可能性が含まれる
23:00 米 1月の企業在庫=前月比0.8%( 0.5% 前回0.7←0.6%)


●昨日の主な発言その他
米国・カナダ
◎米下院金融委員会のバーニー・フランク委員長=不良債権化した住宅ローンの連邦住宅局(FHA)による保証法案を明らかにした。
◎バーナンキFRB議長=4月2日に米上下院合同経済委員会で証言。
◎ニューヨーク連銀=声明で、新たな流動性対策として発表したターム証券貸出制度(TSLF)の条件について、13・14日にプライマリーディーラー各社や「その他の市場参加者」と個別に協議する。
◎ロイター=FEDは新たな貸出措置についてデーラーと協議→ 米株価上昇に円売りが強まる。
◎カーニーBOC総裁=市場の緊張は強まった。カナダは実質経済を注視する。市場混乱の収束は視野に入っていない。
◎S&P=サブプライムローン関連の評価損は2850億ドルに達する可能性があるが、大手金融機関の評価損計上は終わりに近い。1月時点では2650億ドルとの見通し。S&Pは、評価損の一部は妥当な損失予想を上回っている。 声明=メリルリンチやシティグループといった大手金融機関は、打撃が過去のものとなるようにサブプライム資産担保証券へのエクスポージャーを積極的かつ保守的に評価。
◎米ベアー・スターンズ=流動性懸念でCDSが120bp拡大。
◎ポールソン米財務長官=融資継続を可能とするため金融機関に対し迅速な資本増強を求める。住宅金融業界のルールを強化する方針を。
◎ポールソン米財務長官=強いドルは国益にかなう。米経済の長期的なファンダメンタルズは強く、為替相場に反映されることを信じている。
◎ポールソン米財務長官=2米規制当局、モーゲージブローカーのための全米規模の強力なライセンス基準を求める。連邦・州当局、全てのモーゲージ組成機関の監視を強化する必要。格付け機関、リスクと利益相反の開示に向け一段と厳格な規則が必要。各付け機関は仕組み商品・社債・地方債の区別をする必要。
◎米投資会社カーライル傘下のカーライル・キャピタル が債権者との協議が合意に至らず、残りの資産を接収される見通し。
◎英タイムズ紙=複数のヘッジファンドが破 たんの瀬戸際に追い込まれたか、あるいは解約を停止したと報道。
◎米住宅ローン会社ソーンバーグ・モーゲージ =モルガン・スタンレー からデフォルト通知を受け取る


欧州・英国
◎ベネズエラのオイルカンパニーPDVSA=原油決済代金を新規分からユーロで決済→ ユーロ買いの材料。
◎ヒルデブランドスイス中銀副総裁=インフレが政策決定の足かせに。金融機関は資本増強が必要。市場混乱は実質経済に打撃与え始める可能性も。G10の中銀は協力を継続する。
◎欧州産業連盟(UNICE)セリエール代表=EUR高に為替市場の安定化に向けた国際協議を求める意向を示した。
◎セイエール欧州経営者団体ビジネスヨーロッパ会長=ユーロ高を抑制する措置を期待する。トリシェ総裁が指摘したように、ECBはユーロが強すぎると考えているようだ。
◎イングランド銀行=英国のインフレ期待が過去最高の3.3%に、実際のインフレ率を1%強上回る。
◎トルシェECB総裁=為替相場の無秩序な変動は好ましくない。
◎カーライル・キャピタル=株価が70%急落→ 金融不安に欧州株価は急落
◎ユンケル・ユーログループ議長=ユーロ高はユーロ圏経済全般への打撃とはならない。 為替レートの過度の変動を好まない。過度に反応すべきだとは思わず、現在の状況を注視する必要がある。
◎バローゾ欧州委員長=ECBの利下げへの抵抗は正しい。欧州経済は非常に良好に推移。石油は懸念材料だが、強いユーロが影響を相殺。
◎ダーリング英財務相=為替レートは市場によって決まるべきと。為替レートは市場に応じて変動する、今回もそれは変わらない。 世界の金融当局は金融システム安定化のためにあらゆる措置を講じる用意がある。米経済の先行きをはじめ、今後の見通しについては依然として不透明感が強い。米経済に何が起こるか完全に把握している人はいない。
◎ECB月報=インフレ期待の抑制が最優先課題。ユーロ圏のファンダメンタルズは健全。


日本・その他
◎篠原財務官=過度の為替の変動は経済にとって好ましくないとの認識で一致。市場の動きを注意深く見守る。G7声明にもある通り、為替の過度な動きは経済に好ましくない。
◎町村官房長官=ドル安円高は株も為替も適切ではない。動向が日本経済に影響を与えるのか最大限の関心。
◎津田財務次官=為替相場の動向については、常に注意深くみている。
◎額賀財相=為替の急変が望ましくないというのは各国の共通認識。米国は強いドルが自らの国益と言っている。円高というよりはドル安。
人民元今週金曜日に通貨切上げるとのウワサが広まる。
◎アブドラ・アティーヤ・カタール副首相=ドルぺック制を採用のペルシャ湾岸諸国が、通貨政策の変更を検討で協調すべき。専門家に、通貨政策の変更がもたらす利益と損失を評価する機会が与えられるべき。急ぎ過ぎないようにしよう。
◎カタール中央銀(声明)=来月に通貨の対ドル相場を調整や、ペッグ制を撤廃すとの報道を否定。
◎中国人民銀行報道官=中国の国会に当たる全国人民代表大会(全人代)に提出され、今会期中に通過する可能性があるとの憶測について報道官は「この件に関しては何も言うことがない。
◎クウェート中央銀行=米ドルに対しディナール0.77%切り上げを実施、2007年5月20日にドルペック制度を廃止して以来、2番目の大幅な切り上げ。

2008年3月14日 本日の為替戦略

象徴的なUSDJPY100円の壁を一時割り込み、1995年の水準まで下落、USDCHFは最安値を更新1.000のパリティーに近づいている。共に大台近くからのドルの反発も鈍く、ドル売りの流れが変わらないことを予感させる。


ドル買いの材料としては、米政府・通貨当局はあの手この手で、米国発のサブプライム問題から発生した金融不安と成長鈍化を立て直す方策安を発表している。効果のほどはまた判らないが、不良債権の住宅ローンを連邦住宅局が保証する法案を表明、NY連銀の流動性対策の証券貸出制度の条件を米プライムデーラー等と個別に協議すると言う。S&Pは大手金融機関の評価損計上は終わりに近く、これのドル買いの材料とされている(評価損が2850億ドルに達するとのことだが)。


これらのドル買い戻しの期待感とは逆に、金融不安、米ベアー・スターンズ=流動性懸念、カーライル・キャピタルの破綻の可能性、湾岸協力会議の自国通貨切り上げの思惑と、一向に上昇しない株価はドル売りの材料で、ドル安を本気で止めようとしている国は無く、昨日実弾で示したのはイスラエル中銀だけである。


今日は金曜日、週末のポジション調整によるドルの買い戻しが入るのか、ドル安を危惧したヘッジのドル売りが加速するのか、非常に楽しみであるが、現時点では、調整のドル買いに限定され、円高+スイス高、そして、クロスの円高が続きそうである。特にドル買いに変化しても円クロスでは底値が見えない。


本日の経済指標・その他では、独CPI、ユーロ圏CPI、米CPI、そして、ミシガン大消費者信頼感指数、バーナンキ米FRB議長が講演に注目したい。


●ドル円
ドル円は、100円と言う1995年来の水準、そして象徴的な水準を一時割り込んだが、その後の反応は非常に鈍い。相変わらずの株価先導の為替相場で、ドル円の水準もこれにはかなわない。大きなドル安の流れに、直接的には投機的な動きで100円の大台を割り込んだが、市場のその後の反動と、反響は以外なほど鈍く、円高阻止への期待感も見られず、まだまだ、底が見えない。


ドル円の4時間チャートは、下降トレンドが続き、ドルの下落が続いている。上値のポイントは、100.80円、101.22円、102.12円、102.58円、103.58円、104.18円。下値のポイントは、99.10円、98.97円、98.65円。RSIは36と下降ラインが続き、トレンドモメンタムも売りが続いている。トータルの判断は、売り、100.80~101.22円。100円の壁+週末リスクに、短期的な戻りも入り安いが、ドル売りの流れは変わらず。


●ユーロドル
ユーロドルは、終盤にかけてのユーロ上昇は、ベネズエラの原油決済の話しに無理やり買い上げたようにも見える。上値のターゲットを1.5760~00に設定している向きも多く、本命はこの水準を超えられるかにかかっている。強力なユーロ高阻止の発言は通貨当局者から見られないが、産業界からはユーロ高阻止の要望が強く、それまでは無理なユーロ買いも控えたい。


ユーロドルの4時間チャートは、上昇トレンドが続き、上限ライン近辺での取引が続いている。上値のポイントは、1.5640、1.5799。下値のポイントは、1.5506、1.5482、1.5419。RSIは68とはっきりとせず、トレンドモメンタムは買いが続いている。トータルの判断は、買いだが、急騰の可能性も無く、1.5600を挟み上下60ポイントでレンジ取引だけを考え、1時間のRSIからは逆行現象が見られ、1.55近くまでの下落するリスクも残る。


●ポンド円
ポンド円は、ドル円が100円の攻防を実施した割には、円高傾向のスピードが鈍くレンジ相場が続いている。GBPUSDの動向も気になるが、ドル円の底値が見えないところから、下落リスクが続くように思えてならない。仮に予想外の米経済対策でドルの買い戻しが始まったとしても、クロスでは円高のリスクが残りそうである。


ポンド円の4時間チャートは、下降トレンドが続き、203.00~208.00円のレンジの底値を試している。上値のポイントは、204.90円、205.67円、207.95円。下値のポイントは、203.88円、203.45円、203.03円、201.76円。RSIは42で下降ラインが続き、トレンドモメンタムは売りが続いている。トータルの判断は、レンジの下限203円を割り込むと大相場が再来する可能性があるが、まだ確定できないので、戻り売りか、流れに沿った小額の売りだけを考えたい。


●本日の経済指標・その他
16:00 独  2月の消費者物価指数(CPI)・確報=前月比予想0.5% 前回-0.4%、前年比予想2.8% 前回2.8%、HICP前月比予想0.5% 前回-0.4%、前年比予想2.9% 前回2.9%
19:00 ユーロ 2月の消費者物価指数(EU基準CPI)=前月比予想0.3% 前回-0.4%、前年比予想3.2% 前回3.2%、コア(除く食料品・エネルギー)前月比予想=0.3% 前回-0.8%、前年比予想2.3% 前回2.3%
21:30 米 2月の消費者物価指数(CPI)=総合指数:前月比予想0.3% 前回0.4%、前年比予想4.3% 前回4.3%、コア指数:前月比予想0.2% 前回0.3%、 前年比予想2.4% 前回2.5%
23:00 米 3月のミシガン大消費者信頼感指数・速報値=予想69.0 前回70.8、現況指数=予想82.4 前回83.8、期待指数=予想61.5 前回62.4
バーナンキ米FRB議長が講演「持続的な住宅所有の促進」 (ワシントン)

FXライフ33 東アフリカの通貨 ウガンダとエチオピア

ウガンダ共和国は1962年、イギリスから独立した。当初は社会主義路線を進めていたが、1971年クーデターで政権を奪ったアミンが大統領に就任し、独裁政治を敷いた。アミン失脚後も度重なるクーデターにより政治・経済は混乱した。これは多民族国家ゆえ民族間の権利争いが絶えなかったことを物語っている。むろんイギリスは簡単に統一できないことを承知でウガンダの独立を見守っていたことだろう。実は当初イギリスは、ウガンダの社会主義国化を阻止したアミン大統領を支持していた。


社会主義国家になればイギリス企業が国有化されるからだ。ウガンダはキリスト教徒が半分を占める国で、東アフリカに反アラブ国の建国が必要と考えたイスラエルもアミンを支援したようだ。しかし、アミンが両国に莫大な軍事的・経済的援助を要求したことからイギリスもイスラエルもウガンダの支援から手を引いた。そしてアミンは企業を国有化し、独裁制を敷いた。皮肉なことに社会主義国と同じ結果を招いてしまったのである。


1986年、ムセベニが大統領就任後、IMFの経済復興計画を導入し、輸出拡大のための貿易の多角化、規制緩和、国営企業の民営化などが推進され、経済成長がもたらされた。ムセベニは1991年にはアフリカ統一機構の議長にも選出された。現在、欧米等西側諸国との関係強化に努め、タンザニア、ケニアとの三国間の協力を推進しており、2006年に関税同盟「東アフリカ共同体(EAC)」に11月に加盟した。


通貨はウガンダ・シリング(UGX)。外国為替市場が発達していないウガンダでほとんどの商取引の決済に使用されているが、米ドル、UKポンド、ユーロも使われている。主要産業は、コーヒーや紅茶など農業、銅やリン鉱石など鉱業、繊維やセメントなど製造業だ。首都カンパラが商業、製造業、輸送業の中心で、EACの下部組織である東アフリカ開発銀行や東アフリカ鉄道も市内にある。


2006年度の経済成長率は5.3%。ただし、インフレ率が6.7%、失業率が33%と高く、北部地域では20年に及ぶ反政府武装組織との戦闘によって現在も100万人近い国内避難民がいるとされている。


周辺国との関係は近年著しい改善が見られている。スーダン南北和平の進展に伴ってスーダンとの関係は改善しており、またかつてウガンダ政府軍による軍事介入により関係が悪化したコンゴ民主共和国との関係も改善されてきた。課題は国内の貧困削減だ。


エチオピアは、ソマリア、ケニア、エトリア、ジブチなどに囲まれる内陸国だ。80以上の多民族からなる国で、民族ごとに構成される9つの州と二つの自治区からなる連邦制をとっている。1936年から1941年のイタリアによる植民地時代、1974年~1987年の社会主義時代、エリトリアの独立、いくつかの内戦などを経て、現在は安定している。


通貨はブル(BIRR)。主要産業はコーヒーやトウモロコシなど農業。製造業では皮製品が有名だ。国土の10%が農地として使われており、国民の30%が農業に従事している。近年、経済成長率は13.4%(2004年)と高い水準を保っているが、アフリカで2番目に多い人口7000万人を支えるには主食の栽培量が不足しており、依然として世界最貧国のひとつだ。農業の機械化が進まず、生産性が低いことが要因である。


鉱物資源は、金、銀、塩が採掘されており、プラチナ、大理石、水銀鉱やタングステン鉱、ニッケル鉱などの埋蔵が確認されている。現在までの行われてきた調査では、国内の多くの場所で、輸出基準に叶う豊富な資源が眠っていると報告されている。実際の発掘規模が小さいのは、外国企業が投資をためらっているからであろう。日本との貿易は、日本が自動車やバス、トラックを輸出し、エチオピアはコーヒーを輸出しているが、直接投資はない。同国もまた貧困削減が最優先されている。

By Master K/益田 慶

2008年03月15日

2008年3月17日 ニューヨーク連銀製造業景気指数 米鉱工業生産

08:50 (日) 1月第3次産業活動指数
14:00 (日) 1月景気動向調査・改訂値
17:15 (スイス) 1月実質小売売上高
21:30 (米) 第4四半期経常収支 -
21:30 (米) 3月ニューヨーク連銀製造業景気指数
21:30 (加) 1月製造業出荷
22:00 (米) 1月対米証券投資
22:15 (米) 2月鉱工業生産
22:15 (米) 2月設備稼働率

2008年3月18日 英消費者物価指数 カナダ消費者物価指数 FOMC政策金利発表

16:15 (スイス) 第4四半期鉱工業生産
17:15 (香港) 2月失業率
18:30 (英) 2月消費者物価指数
18:30 (英) 2月小売物価指数
19:00 (ユーロ圏) 1月建設支出
20:00 (加) 2月消費者物価指数
21:30 (米) 2月生産者物価指数
21:30 (米) 2月住宅着工件数
21:30 (米) 2月建設許可件数
27:15 (米) FOMC政策金利発表

2008年3月19日 BOE議事録 英失業率

08:50 (日) 1月全産業活動指数
18:00 (南ア) 1月実質小売売上高
18:00 (南ア) 第4四半期経常収支
18:30 (英) BOE議事録
18:30 (英) 2月失業率
18:30 (英) 2月失業保険申請件数
19:00 (ユーロ圏) 1月貿易収支
21:30 (加) 1月卸売売上高

2008年3月20日 英小売売上高指数 カナダ景気先行指数

春分の日(東京市場休場)

16:00 (独) 2月生産者物価指数
16:15 (スイス) 2月貿易収支
17:15 (香港) 2月消費者物価指数
18:30 (英) 2月小売売上高指数
18:30 (英) 2月マネーサプライM4
21:30 (加) 2月景気先行指数
21:30 (米) 3/16までの週の新規失業保険申請件数
23:00 (米) 3月米フィラデルフィア連銀景況指数
23:00 (米) 2月景気先行指数

2008年3月21日 イースター休暇

ウェリントン、シドニー、香港、シンガポール、フランクフルト、パリ、チューリッヒ、ロンドン、トロント、南ア休場 (イースター休暇)


08:50 (日) 3/15までの対外及び対内証券売買契約等の状況
16:45 (仏) 2月消費者支出

ヨーロッパの財閥と企業グループ 69 エネルギー資源をめぐる攻防(7)

2007年3月、ロシア、イギリス、ギリシャの三カ国が調印したパイプライン建設、すなわちロシア・ノボロシスクからブルガリアとギリシャの領土を通る「ブルガス-アレキサンドロポリス石油パイプライン」の建設が完成すれば、ギリシャおよびブルガリアは欧州のエネルギー・ハブとなりますが、ブルガリア国民は「ロシア・エネルギーへの大幅依存に懸念を抱いている」と言われています。ブルガリアは天然ガスの95パーセント強をロシアに依存しており、2006年にロシアの一時的供給削減の結果、価格の45パーセント増を飲まざるを得なかった経緯があるのです。

過密化するボスポラス海峡へ石油を輸送するための代替ルートを提供する同プロジェクトは、ロシアの諸企業が51パーセントを所有することになります。実はロシアは、採算性に自信が持てないと主張して、自国企業が同プロジェクトの51パーセントを取得するまで14年間調印を避けてきたのです。完成の暁には、毎年3500-5000万トンのカスピ海およびロシア石油が、欧州、米国、アジアでの販売のため輸送されることになります。

プーチン大統領はアテネで「同パイプラインは世界のエネルギー安全を高めるもので、建設はできるだけ早期に開始する。世界市場は、カスピ海地方からの輸送増加が望めることから、同プロジェクトに関心を寄せている」と語りました。また、ギリシャのディミトリス・シオウファス開発担当大臣は、「同プロジェクトの重要性は、ギリシャおよびギリシャ国民、ブルガリアおよびブルガリア国民すべてにとって明らかである。ギリシャおよびブルガリアは、同パイプラインの建設、オペレーションによりグローバル・エネルギー地図の重要地点となる」と述べています。

しかし、ブルガリアのコズロドゥイ原子力プラントの元エンジニア、ペタール・アポストロフは「ブルガリア国民は、昨年の冬にロシアの脅威に曝された西ヨーロッパと同じ境遇に置かれるのではないかと、ロシア・エネルギーへの大幅依存に懸念を抱いている」と語ったようです。アポストロフは、ブルガリアの現政府はクレムリン寄りで、ロシア連邦企業と安易にエネルギー契約を結んでしまうと考えているのです。

事実、ロシアは天然ガスの供給に関してブルガリアを支配しています。ブルガリアはロシア企業の「隠れ家」であるだけでなく、東西を繋ぐロシアのエネルギー・インフラ建設プロジェクトの理想的パートナーとなる地理的要件を備えているのです。

ロシア最大の企業グループ「ガスプロム」は、「ブルガス-アレキサンドロポリス石油パイプライン」に加え、同様の天然ガスパイプライン「ブルー・ストリームII」にもブルガリアを加えたい意向を示しています。この計画はブルガリア、セルビア、クロアチアを通過してトルコとハンガリーを結ぶものです。オランダ系企業が「ガスプロム」とイタリアの企業と共同して建設しようとしているラインです。
しかし、ブルガリアを口説いているのはロシアばかりではなく、EUもブルガリア、ルーマニア、ハンガリーを通過し、トルコとオーストリアを結ぶガスパイプライン「ナブッコ天然ガスパイプライン」建設のためブルガリアを必要としているのです。

オーストリアは天然ガスの60パーセントをロシアに頼っています。ロシアからのガス依存を打開しようと、オーストリア最大のガスと石油企業OMVが中心となり、「ナブッコ天然ガスパイプライン」の建設計画を進めているのです。オーストリア有数のゼネコンを、ロシアの新興財閥ロシア・アルミニウムのデリパスカが買収したばかりなので、オーストリア企業に反ロシアの傾向が強いのかもしれません。OMVにとっては「ガスプロム」などロシアのエネルギー企業の進出を防ぐ意味もあるでしょう。

オーストリア最大のエネルギー起業OMVは今春、イラン国営石油会社と天然ガス開発に関する仮契約に署名しています。年間220万トンの液化天然ガスを欧州向けに供給するほか、ペルシャ湾岸の大規模ガス田の開発にも資本参加するとのことです。この仮契約に不満を示したのが米政府です。本来、米企業が結びたかった契約をOMVが先に結んだからです。しかし天然ガスの供給をロシアに依存するオーストリアにとっては、イランの天然ガスがどうしても必要なのです。イランの天然ガスは、2011年に完成予定のクロアチアKRK島の天然ガスターミナルへ船で輸送されるとのことです。

By Master K/益田 慶

2008年3月15日 14日の海外為替市場

アジア市場からヘッジファンド破綻のウワサが流れ、日経平均株価の下落に円買いが続き、EU首脳会議でユーロ高阻止への動きがウワサされ、為替市場は狭い値動きから、米消費者物価指数(CPI)が前月比0.0%(予想0.3%)と弱く、ベア・スターンズがJPモルガン・チェースを通じてNY連銀から金融の融資を受けるとの報道が飛び込んだ。


直後は、金融機関救済=信用不安解消=株価上昇期待→ドル買い・円売りとなったが、欧米の株価は大幅下落、円高が進んだ。米株価の下落幅が縮小したが、円とスイスフランの買いは続き、円は98円台に突入、USDCHFはついに、パリティ1.0を割り込んだ。


EURはEU首脳会議終了後の声明で、異例のユーロ高に懸念が表明され、シュタインブリュック独財務相は、為替の問題について米当局と来月協議を行うことを発表、最高値を更新したものの、緩やかな上昇に止まっている。


●ドル円  
アジア市場のドル円は100.62円で取引が始まり、早朝には米系証券の売りに一時100.30円まで下落したが、仲値のドル買いに101.05円まで上昇し、米系証券・ヘッジファンド破綻のウワサに円買いが強く、日経平均株価の下落に99.84円まで下落、99.50円、99.80円のオプション防戦買い+ショートカバーの買いに100.44円まで値を戻した。欧州市場は100.38円で取引が始まり、欧州勢の買いに100.70円まで値を戻し、100.40~70円の狭いレンジで取引が続いた。米CPIが予想より低い数字を発表、FRBがベア・スターンズに資金供給を行うとの緊急声明に101.15円まで上昇したが、NYダウが300ドル近く下落すると逆に、100円を割り込み、99.80円のオプションバリアをトリガーし、99.50円の次のポイントを目指し、99.58円まで急落した。NYダウは徐々に下げ止まり、ロンドンフィキシング後には一時100.47円まで値を戻したが、ファンド破綻の思惑や、クレジットリスクの高まり+FOMCで1.0%の利下げの思惑に、欧州勢不在の薄商いの中で、99.50円、99.00円のオプションバリアをトリガーし、98.89円まで下落、99.04円で取引を終了した。


●ユーロドル
アジア市場のユーロドルは1.5632で取引が始まり、EU首脳会談でユーロ高是正が話し合われるとの思惑に、1.5589円まで下落、1.5590~15の狭いレンジから、前日高値1.5646を超え1.5652まで上昇、ユーロ円の売りに徐々に上値を切り下げた。欧州市場は1.5588で取引が始まり、独州立銀欧が損失拡大との報道、サルコジ仏大統領が本日のEU首脳会議で、ユーロ相場に関する協議を行うとの報道に、1.5532まで下落したが、政府系筋やオプション勢の買いに下げ止まり、1.5535~60で揉み合いとなった。ECBフィキシング後には一時1.5595まで上昇、FRBがベア・スターンズに資金供給を行うとの緊急声明に1.5689まで急騰したが、1.57の大台ではオプション勢の売りが強く、利食いの売り+ユーロ円の売りに上げ止まり、EU首脳会議終了後の声明で、異例のユーロ高に懸念が表明され、米政府と為替の問題について協議を行うとの報道に、1.5600まで下落した。米国株は弱く、金融不安が続き、ドルからユーロへの外貨準備シフトの可能性、FOMCの大幅利下げの思惑にユーロ買いは強く、終盤にかけて1.5677まで上昇、1.5674で取引を終了した。


●ユーロ円
アジア市場のユーロ円は157.33円で取引が始まり、早朝には米系証券の売り156.74円まで下落、仲値の買い+ドル円の買いに157.60円まで上昇したが、米系証券・ヘッジファンド破綻のウワサ+弱い日経平均株価に、156.20円まで続落、ポジション調整の買いに156.85円まで値を戻した。欧州市場は156.72円で取引が始まり、156.20~90円のレンジで高下、売り買いが交錯したが、FRBがベア・スターンズに資金供給を行うとの緊急声明に157.37円まで急騰、NYダウの大幅下落に156.09円まで急落、156.10~80の広いレンジで激しい売り買いが続いた。ドル円が99.50円を割り込み続落、156.00円を割り込むとストップロスの売りを誘発し、終盤にかけては154.86円まで続落となり、155.31円で取引を終了した。


●主な経済指標の結果
16:00 独  2月の消費者物価指数(CPI)・確報=前月比0.5%(予想0.5% 前回-0.4%)、前年比2.8%(予想2.8% 前回2.8%)、HICP前月比0.5%(予想0.5% 前回-0.4%)、前年比2.9%(予想2.9% 前回2.9%)
19:00 ユーロ 2月の消費者物価指数(EU基準CPI)=前月比0.3%(予想0.3% 前回-0.4%)、前年比3.3%予想(3.2% 前回3.2%)、コア(除く食料品・エネルギー)前月比0.5%(予想0.3% 前回-0.8%)、前年比2.4%(予想2.3% 前回2.3%)、
21:30 米 2月の消費者物価指数(CPI)=総合指数:前月比0.0%(予想0.3% 前回0.4%)、前年比4.0%(予想4.3% 前回4.3%)、コア指数:前月比0.0%(予想0.2% 前回0.3%)、前年比2.3%(予想2.4% 前回2.5%)
23:00 米 3月のミシガン大消費者信頼感指数・速報値=70.5(予想69.0 前回70.8)、景気現況指数=84.6(予想82.4 前回83.8)、消費者期待指数=61.4(予想61.5 前回62.4)


●昨日の主な発言その他
米国・カナダ
◎米連邦準備理事会(FRB)=ベア・スターンズ 向けの融資枠設定について、ベアーは連銀窓口から直接借り入れることができないため、JPモルガン・チェースが介在する形をとったと説明した。このような融資は大恐慌時代以来、初めて。  
◎S&P=米ベア・スターンズを格下げ、追加引き下げの可能性。
◎FRB高官=ベア・スターンズが資金供給についてFRBに相談。FRBはベア・スターンズの担保を負担する。JPモルガンはベア・スターンズへの資金供給の仲介役。貸出金額については公表しない。
◎ブッシュ米大統領=米経済には耐性があり、成長に自信。バーナンキFRB議長は困難に上手く対応。FRBは流動性拡大に強い行動を取った。独立性のあるFRB、国にとって有益。空き家買取の歳出には反対。住宅保有者の差し押さえ回避を支援する。米議会は減税政策を恒久化すべき。ソブリン・ファンドを拒否することはナンセンス。
◎JPモルガン・チェースとNY連銀=ベア・スターンズに対する最大28日間の緊急の融資枠を設定、資金供給で協調することで合意。
◎米金利先物市場=来週FOMCでの1%利下げ織り込む確率が50%上回る。
◎フェルドスタイン全米経済研究所(NBER)所長=米経済はリセッションの状態にあり、今後深刻化する恐れがある。今年と来年が非常に困難な年となることは間違いない。景気低迷が第二次大戦以降で最悪となる可能性があると。金利を引き下げても効果は限定的。
◎バーナンキ議長=住宅差し押さえが相次いでいることは無謀な貸出慣行が一因。差し押さえの打撃を和らげるためにFRBはあらゆる努力をすると確約。
◎FRB=ベア・スターンズに向け資金供給の枠組みを全会一致で承認。米金融システムに引き続き流動性を供給すると表明。
◎米国株式市場=ベア・スターンズの流動性懸念に、金融株が大幅下落、主要3指数は一時2%超下落。


欧州・英国
◎欧州連合(EU首脳会議終了後の声明)=為替の過度の変動と無秩序な動きは望ましくないと、ユーロ高に懸念を表明。 ユンケル・ユーログループ議長は、EU首脳会議が為替に関するこうした声明を発表するのはこれが初めて。プロディ・イタリア首相は、これはわれわれが直面している大きな問題で、すぐに強力な対応が必要になるだろうと発言。 シュタインブリュック独財務相は、為替の問題について米当局と来月協議を行う、財務相会合後の記者団に対し復活祭後に米国と、経済状況の評価と具体的な対応策について協議する。
◎欧州社債・CDS市場=ベア・スターンズのニュースで振れの激しい展開、主要指数が低下。
◎リープシャー・オーストリア中銀総裁=目の当たりにしているのは、米ドルの劇的もしくは大幅な下落だ。過剰とみられる最近の為替変動を非常に懸念。 3月6日のECB理事会で金融緩和策についての討議はなかった。われわれはインフレを非常に懸念している。
◎ギーブBOE副総裁=世界経済の不均衡を是正するには、多額の経常赤字を抱える国の通貨の下落が必要。少なくとも米国では不均衡が是正され始めた兆しが見える。米国の経常赤字はピークを過ぎたもようで、大幅なドル安が調整を後押しするだろう。中国など多額の経常黒字を抱える国に対するドルの下落は、その他の国に対する下落ほど大きくない。米国の経常赤字の縮小はこれら黒字国の黒字縮小と一致しない。
◎独バーデン・ビュルテンベルク州立銀行(LBBW)=仕組み証券への投資で11億ユーロの損失。
◎ヤンシャ・スロベニア首相=ユーロの対ドル相場上昇は深刻な問題。ユーロ圏財務相による先の会合でかなり適切に対処されており、首脳会議で付け加えることはない。
◎ポーランド中央銀行幹部(CNBC TVN)=ドルが下落にドル建て準備資産を最大で20%削減すべきとの考え。
◎サルコジ仏大統領=本日のEU首脳会議で、ユーロ相場に関する協議を行う。


日本・その他
◎伊吹明自民幹事長= 為替介入、日本だけの対応では難しい。強いドルが国益との米財務長官発言に注目。介入にはコメントせず。
◎町村官房長官=為替の急激な動き好ましくないというのが従来からの国際認識。

外国為替 今週のマーケット 2008年3月17日-3月21日

今週末はイースターで休場となる市場が多い。20日には日本、21日には日本を除く海外主要市場は金曜日休場となり、来週24日(月曜)も多くの海外市場が休場となり、為替相場や他の取引もその影響は避けられない。例年であればポジション調整による逆の流れが見られることが多い。


これを当てはめれば、ドルの買い戻しや、円の売り戻しが考えられるが、今年の相場は過去にも稀な、米国発の激しい金融不安が他の主要国にも広まり、インフレと景気鈍化が見られ、ドル(米国)の信任が激しく低下、ドルの底値と円の高値が全く見えない状態で、調整によるドル買いも弱く、米国株価次第では、更なるドル売りも覚悟しなければならない。


注目点は、
◎世界的な株価の下落が続き、商品市況は上昇を続けていること→ 米国は激しい利下げとのギャップが強まり米経済のドルの信認は低下。
◎18日のFOMCで0.75~1.0%の政策金利(FFレート)の引き下げの可能性が高い→ 金融不安解消にとってはドルプラス材料だが、結果を見るまでは、他国との金利差縮小(または拡大)によりドル売りの材料にされやすい。
◎ベアスターンがJPモルガンを通じてFRBから緊急融資の救済を受け、米政府がなんらの方法で住宅関連の不良債権を買い取る可能性があること→ 金融不安解消ともなればドル買いの好材料となるが、市場の評価はまだその可能性が薄いと判断している。
◎欧州連合(EU)が首脳会議後に、異例のユーロ高懸念を表明、米当局と協議をすること→ 最高値を更新中のEURUSDだが、1.57台に入るとテクニカル的にも重要で、ユーロ高懸発言の口先介入に調整局面も考えたい、結果クロスでは円高に動きやすい。
◎世界経済の不均衡を是正するには、多額の経常赤字を抱える国の通貨の下落が必要(ギーブBOE副総裁発言)なこと→ドル下落の必然性。
◎一部中銀でドルの外貨準備の削減を示唆していること→ ドル売り材料、ユーロ買い材料。
湾岸協力会議で、通貨切り上げの動きがあり、中東のドル売りが増え、サウジアラビアのドル売りのウワサが続いていること→ ドル売りが続く可能性。
◎それに、心理的に気味が悪い、USDJPY=100、USDCHF=1.0、USDCAD=1.0、金=1000、原油=100→ 不思議!


今週のメインイベントはなんと言っても、18日のFOMC金融政策の発表で、市場のコンセンサスでは0.75%~1.0%の利下げを織り込み、FFレートは現行の3.0%→2.0~2.25%に引下げられる可能性が高くなっている。そうでなくても、現在の日米3ヶ月国債利回りは、米1.17%、日本0.56%と、限りなく0.5の金利差に近づき、円のキャリートレードなど、とんでもない状態となっている。


今週は、イースター祭日を控えながらも多くの経済指標が発表される。
インフレ指標のCPIやPPIの発表も多く、18日=英CPI、カナダCPI、米PPI、20日=独PPI、スイスPPIなどが発表される。
小売売り上げでは、17日=スイス、20日=英国が予定され、特に英国は過去に相場変動が大きくなっている。
住宅関連では少なく、18日=米住宅着工件数のみとなっているが、非常に重要。
景気先行指標では、17日=NY連銀製造業景気指数、20日=独・ユーロの製造業・サイビス業のPMI、米フィラデルフィア連銀景況指数は注目したい。
その他では、17日=米第4四半期経常収支、米対米証券投資、19日=イングランド銀行MPC議事録(8対1と予想)。また、17日=ノワイエ仏中銀総裁、ウェーバー独連銀総裁、ユンケル・ユーログループ議長、EU商工会議所で発言、20日=OECDが米国・欧州・日本経済の最新見通しも興味深い。


●3/17 (月曜日)
08:50 日本 1月の第3次産業活動指数=前月比予想0.7% 前回-0.6%
09:01 英 イングランド銀行四半期報告書
14:00 日本 1月景気動向調査・改訂値=先行指数 前回30.0%、一致指数 前回22.2%
17:15 スイス 1月の小売売上高=前年比予想2.1% 前回1.2%
21:30 米 第4四半期の経常収支=予想-1841億ドル 前回-1784.6億ドル-1785億-1845億ドル
21:30 米 3月のニューヨーク連銀製造業景気指数=予想-8.0 前回-11.72
21:30 カナダ 1月の製造業出荷=前月比予想0.9% 前回-3.4%
22:00 米 1月の対米証券投資=ネット長期フロー予想550億ドル 前回565億ドル、ネット長期フロー予想850億ドル 前回550億ドル
22:15 米 2月の鉱工業生産指数=前月比予想-0.1% 前回0.1%、 設備稼働率=予想81.3% 前回81.5%
02:00 米 3月のNAHB住宅建設業者指数=予想20 前回20
ロート・スイス中銀総裁が講演(フランクフルト)
ノワイエ仏中銀総裁、ウェーバー独連銀総裁、ユンケル・ユーログループ議長、EU商工会議所で発言


●3/18(火曜日)
17:15 スイス 第4四半期鉱工業生産=前年比予想10.7% 前回8.5%
18:30 英 2月の消費者物価指数(CPI)=前月比予想0.8% 前回-0.7%、前年比予想2.5% 前回2.2%
18:30 英 2月のRPI(小売物価指数)=前月比予想0.8% 前回-0.5%、前年比予想4.2% 前回4.1%、RPI-X(retail prices)=前月比予想0.8% 前回-0.4%、前年比予想3.7% 前回3.4%
20:00 カナダ 2月の消費者物価指数(CPI)=前月比予想0.4% 前回-0.2%、前年比予想1.8% 前回2.2%
21:30 米 2月の生産者物価指数(PPI)=総合指数前月比予想0.4% 前回1.0%、前年比予想6.8% 前回7.4%、コア(除く食品・エネルギー)前月比予想0.2% 前回0.4% 前年比予想2.1% 前回2.3%
21:30 米 2月の住宅着工件数=予想99万件 前回101.2万件、 許可件数=予想102万件 前回106.1万件
03:15 米連邦公開市場委員会(FOMC)金融政策発表=政策金利0.75%~1.0%引き下げ2.0%~2.25%を予想


●3/19(水曜日)
08:50 日本 1月の全産業活動指数=前月比予想0.1% 前回-0.2%
18:30 英  イングランド銀行3月の英金融政策委員会の議事録発表=8対1での決定を予想
18:30 英 2月の失業率=予想2.5% 前回2.5%、ILO=5.2% 前回5.2%、平均給与(3ヶ月平均)=予想3.8% 前回3.8%、失業保険申請件数=予想-0.5万、前回-1.08万人
19:00 ユーロ 1月の貿易収支=予想-50億ユーロ 前回-42億ユーロ
21:30 カナダ 1月の卸売売上高=前月比予想1.0% 前回-2.9%


●3/20 (木曜日) 日本休場 (春分の日)
16:00(未定) 独 2月の生産者物価指数(PPI)=前月比予想0.3% 前回0.8%、前年比予想3.3% 前回3.3%
16:15 スイス 2月の貿易収支=予想9.47億スイス、前回10.56億スイス
17:15 スイス 2月の生産者物価(PPI)=前月比予想0.3% 前回0.5%、前年比予想3.7% 前回3.7%
18:00 ユーロ 3月の製造業PMI=予想51.9 前回52.3、サービス業PMI=予想52.0 前回52.3、総合PMI=予想52.4 前回52.8
17:30 独 3月の製造業PMI=予想 前回54.3、サービス業PMI=予想 前回52.3、総合=予想 前回53.7
18:30 英 2月の小売売上高=前月比予想-0.2% 前回0.8%、前年比予想3.6% 前回5.6%、
18:30 英 2月のPSNB=予想25億ポンド 前回-141.3億ポンド、PSNCR=予想215億ポンド 前回-221.1億ポンド
18:30 英 2月のマネーサプライM4・速報=前年比予想1.30% 是内13.1%
21:30 カナダ 2月の景気先行指数=前月比予想0.1% 前回0.2%
21:30 米 新規失業保険申請件数( 3/16までの週)=予想360万件 前回35.3万件
23:00 米 3月のフィラデルフィア連銀景況指数=予想-18.5 前回-24.0
23:00 米 2月のCB景気先行指数=前月比予想-0.3% 前回-0.1%
OECDが米国・欧州・日本経済の最新見通しを発表
米債券市場は短縮取引日本時間03:00時まで


●3/21 (金曜日)オーストラリア、NZ、香港、シンガポール、独、仏、スイス、英国、南ア、カナダ、米国休場 (イースター休暇)

2008年03月16日

2008年3月16日 今週の為替戦略

先週は、世界的な金融不安が続き、ヘッジファンド、金融機関破綻の記事やウワサが流れ、11日には米・カナダ・欧州・英国・スイスの欧米5中銀が、12月12日に続く新たな資金供給策を発表し、欧米の株価は大幅に値を戻し、一時ドル高期待感が強まった。


しかし、翌日には米国株は下落、為替市場では18日のFOMCで1.0%の大幅利下げ観測が広まりドルは反落、複数のヘッジファンドのクローズや破綻、住宅関連会社の危機が表明化し、米ベア・スターンズがFRBから緊急融資を受けるとの発表に、ドルの下落幅は拡大した。


今週末はイースターで休場となる市場が多い。20日(木曜日)には日本、21日(金曜日)には日本を除く海外主要市場は金曜日休場となり、来週24日(月曜)も多くの海外市場が休場となり、為替相場や他の取引もその影響は避けられない。例年であればポジション調整による逆の流れが見られることが多い。


これを当てはめれば、ドルの買い戻しや、円の売り戻しが考えられるが、今年の相場は過去にも稀な、米国発の激しい金融不安が他の主要国にも広まり、インフレと景気鈍化が見られ、ドル(米国)の信任が激しく低下、ドルの底値と円の高値が全く見えない状態で、調整によるドル買いも弱く、米国株価次第では、更なるドル売りも覚悟しなければならない。


新聞紙上ではUSDJPYは90円とか80円が目標との意見もあるが、1995年4月の歴史的な79.75円の当時は日本国内の要因と米国のドル安政策により激しい円高となったが、今回は日本国内の要因による円高は古典的な経常収支の黒字以外に全く無く、もっぱら、米国経済の信任の低下とドル安で非常に値が深い。


結果としてはドルの底値は見えない。EURは長期的なポジションのロングは最適なのであろうが、短期では上昇のスピードは鈍く、テクニカルにもユーロの調整売りの支持者が多い。投機的な資金が激しく縮小し、円は経常収支の黒字額が重要視され、クレジットリスクに強い言う意味では、JPYとCHFの上昇が続き、特に、クロスでは円高が続く可能性が高くなっていr。


注目点は、
◎世界的な株価の下落が続き、商品市況は上昇を続けていること→ 米国の激しい利下げとのギャップが強まりドルの信認は低下。
◎18日のFOMCで0.75~1.0%の政策金利(FFレート)の引き下げの可能性が高い→ 金融不安解消できればドルプラス材料だが、結果がでるまでは、他国との金利差縮小(または拡大)によりドル売りの材料にされやすい。
◎ベア・スターンがJPモルガンを通じてFRBから緊急融資の救済を受け、米政府がなんらの方法で住宅関連の不良債権を買い取る可能性があること→ 金融不安解消ともなればドル買いの好材料となるが、市場の評価はまだその可能性が薄いと判断している。
◎欧州連合(EU)が首脳会議後に、異例のユーロ高懸念を表明、米当局と協議をすること→ 最高値を更新中のEURUSDだが、1.57台に入るとテクニカル的にも重要で、ユーロ高懸発言の口先介入に調整局面も考えたい、結果クロスでは円高に動きやすい。
◎世界経済の不均衡を是正するには、多額の経常赤字を抱える国の通貨の下落が必要(ギーブBOE副総裁発言)なこと→ドル下落の必然性。
◎一部中銀でドルの外貨準備の削減を示唆していること→ ドル売り材料、ユーロ買い材料。
◎湾岸協力会議で、通貨切り上げの動きがあり、中東のドル売りが増え、サウジアラビアのドル売りのウワサが続いていること→ ドル売りが続く可能性。
◎それに、心理的に気味が悪い、USDJPY=100、USDCHF=1.0、USDCAD=1.0、金=1000、原油=100→ 不思議!


今週のメインイベントはなんと言っても、18日のFOMC金融政策の発表で、市場のコンセンサスでは0.75%~1.0%の利下げを織り込み、FFレートは現行の3.0%→2.0~2.25%に引下げられる可能性が高くなっている。そうでなくても、現在の日米3ヶ月国債利回りは、米1.17%、日本0.56%と、限りなく0.5の金利差に近づき、円のキャリートレードなど、とんでもない状態となっている。


主要通貨を比較:
Weeklyベースの比較で、終値を比較してみると:
ドル全面安、大幅なドル安となっている。USDJPY=3.54%、USDCHF=-2.58%、NZDUSD=2.47%の下落幅が大きく、サブプライム住宅関連ローンから始まり、クレジット市場の混乱により安全資産と思われるJPYとCHFや、高金利通貨NZDの上昇が強く、ドル下げ相場が強い中で、GBPとCADは小幅なドル安に止まり、この傾向が続きそうである。CRBインデックス=416.40(前週411.65)と上昇傾向が続き、原油=108.60(前週105.31)、金=1002.50(972.60)、%インデックス=71.656(前週71.656)と全てが歴史的な水準を超えている。


USDJPY    OPN HI LW CLS  前週比 前週比% 週間レンジ
07-Mar-08  103.60 104.20 101.40 102.67 -1.08 -1.04% 2.80
14-Mar-08 102.51 103.60 98.89 99.04 -3.63 -3.54% 4.71


EURUSD   OPN HI LW CLS  前週比 前週比% 週間レンジ
07-Mar-08  1.5194 1.5465 1.5145 1.5358 1.780 1.17% 3.20
14-Mar-08 1.5361 1.5690 1.5282 1.5674 3.160 2.06% 4.08


USDCHF   OPN HI LW CLS  前週比 前週比% 週間レンジ
014-Mar-08
7-Mar-08  1.0396 1.0457 1.0134 1.0251 -1.580 -1.52% 3.23
14-Mar-08 1.0231 1.0355 0.9971 0.9987 -2.640 -2.58% 3.84


GBPUSD   OPN HI LW CLS  前週比 前週比% 週間レン
07-Mar-08  1.9887 2.0211 1.9724 2.0134 2.440 1.23% 4.87
14-Mar-08 2.0146 2.0393 1.9995 2.0204 0.700 0.35% 3.98


AUDUSD   OPN HI LW CLS  前週比 前週比% 週間レンジ
07-Mar-08  0.9329 0.9420 0.9216 0.9265 -0.41 -0.44% 2.04
14-Mar-08 0.9265 0.9471 0.9149 0.9371 1.06 1.14% 3.22


USDCAD   OPN HI LW CLS  前週比 前週比% 週間レンジ
07-Mar-08  0.9854 0.9975 0.9740 0.9906 0.30 0.30% 2.35
14-Mar-08 0.9899 0.9981 0.9796 0.9892 -0.14 -0.14% 1.85


NZDUSD   OPN HI LW CLS  前週比 前週比% 週間レンジ
07-Mar-08  0.8000 0.8082 0.7906 0.7936 -0.49 -0.61% 1.76
14-Mar-08 0.7932 0.8213 0.7874 0.8132 1.96 2.47% 3.39


円クロスを比較:
円全面高、それも大幅な円高となっている。ドルに対し下落率の低い通貨で円高が進み、CADJPY=-3.33%、GBPJPY=-3.17%の円高となり、CHFJPY、NZDJPYは比較的小幅な下落に止まっている。日経平均株価=12241.60(前週比-541.20)、NYダウ=11951.09(前週比+57.40)、独DAX=6451.90(前週比=-62.09)、英FTSE=5631.770(-68.20)と、日本株の下落が激しく、NYダウは以外にも前週と同じような水準に止まっていた。ドル安=株安の方程式は、日本・アジア市場に比例しているようにも思われる。


AUDJPY   OPN HI LW CLS 前週比 前週比% 週間レンジ
07-Mar-08  96.66 97.55 94.59 95.10 -1.44 -1.49% 2.96
14-Mar-08 94.99 96.14 92.71 92.85 -2.25 -2.37% 3.43


GBPJPY  OPN HI LW CLS 前週比 前週比% 週間レンジ
07-Mar-08 206.02 207.96 203.45 206.70 0.38 0.18% 4.51
14-Mar-08 206.51 207.97 199.88 200.14 -6.56 -3.17% 8.09


CADJPY  OPN HI LW CLS 前週比 前週比% 週間レンジ
07-Mar-08 105.08 105.70 103.03 103.58 -1.38 -1.31% 2.67
14-Mar-08 103.50 104.71 99.93 100.13 -3.45 -3.33% 4.78


EURJPY  OPN HI LW CLS 前週比 前週比% 週間レンジ
07-Mar-08 157.41 159.22 155.95 157.68 0.19 0.12% 3.27
14-Mar-08 157.48 159.14 154.86 155.31 -2.37 -1.50% 4.28


CHFJPY  OPN HI LW CLS 前週比 前週比% 週間レンジ
07-Mar-08 99.62 100.58 98.75 100.13 0.53 0.53% 1.83
14-Mar-08 100.18 100.73 98.90 99.27 -0.86 -0.86% 1.83


NZDJPY  OPN HI LW CLS 前週比 前週比% 週間レンジ
07-Mar-08 82.87 83.62 80.70 81.46 -1.37 -1.65% 2.92
14-Mar-08 81.30 83.23 79.90 80.59 -0.87 -1.07% 3.33


IMM通貨先物:
公表値を比較して見ると:
ドルと円の変動が激しい週となっていたが、JPYロングは減少し、CHFはロングからショートに変わっており、総じてロングポジションは減少気味で、その後の激しいドル安を予想できなかったことが想像できる。11日には欧米中銀5行が12月12日に続き、資金供給の第2弾を実施し、欧米株価が大幅に上昇した日でもあったが、翌12日には米国株が下落、ドル安となった。


JPY Long Short Net
04-Mar-08 94,654 38,369 56,285
11-Mar-08 86,383 36,230 50,153


EUR Long Short Net
04-Mar-08 73,238 41,228 32,010
11-Mar-08 81,646 52,547 29,099


GBP Long Short Net
04-Mar-08 38,013 22,299 15,714
11-Mar-08 45,149 23,920 21,229


CHF Long Short Net
04-Mar-08 24,647 24,480 167
11-Mar-08 25,646 29,894 -4,248


CAD Long Short Net
04-Mar-08 60,105 23,699 36,406
11-Mar-08 50,353 21,422 28,931


AUD Long Short Net
04-Mar-08 55,808 18,422 37,386
11-Mar-08 47,880 16,188 31,692


NZD Long Short Net
04-Mar-08 14,988 1,357 13,631
11-Mar-08 13,379 983 12,396


今後の金利予想は:
国  予定日 現行政策金利 予想          
USD 3月18日 3.0%  0.75%~1.0%の引き下げを予想(Fed Funds Target Rate)
EUR 4月10日 4.0%  金利据え置きを予想(Refi Rate)
GBP 4月10日 5.25%  0.25%の利下げを予想(Base Rate)
JPY 4月 9日 0.50%  金利据え置きを予想(OverNight Call Rate)
AUD 4月 1日 7.25%  金利据え置き~0.25%の利上げを予想(Cash Rate)
NZD 4月24日 8.25%  金利据え置きを予想(Cash Rate)
CHF 6月19日 2.75%  金利据え置きを予想(3 month Libor target)
CAD 4月24日 3.5%  0.5%の利下げを予想(OverNight Rate)
NOK 4月23日 5.25%  金利据え置き~0.25%の利上げを予想 (Sight deposit)
SEK 4月23日 4.25%  金利据え置きを予想 (Repo rate)


今週のメインイベントはなんと言っても、18日のFOMC金融政策の発表で、市場のコンセンサスでは0.75%~1.0%の利下げを織り込み、FFレートは現行の3.0%→2.0~2.25%に引下げられる可能性が高くなっている。そうでなくても、現在の日米3ヶ月国債利回りは、米1.17%、日本0.56%と、限りなく0.5の金利差に近づき、円のキャリートレードなど、とんでもない状態となっている。


今週は、イースター祭日を控えながらも多くの経済指標が発表される。
インフレ指標のCPIやPPIの発表も多く、18日=英CPI、カナダCPI、米PPI、20日=独PPI、スイスPPIなどが発表される。

小売売り上げでは、17日=スイス、20日=英国が予定され、特に英国は過去に相場変動が大きくなっている。

住宅関連では少なく、18日=米住宅着工件数のみとなっているが、非常に重要。
景気先行指標では、17日=NY連銀製造業景気指数、20日=独・ユーロの製造業・サイビス業のPMI、米フィラデルフィア連銀景況指数は注目したい。
その他では、17日=米第4四半期経常収支、米対米証券投資、19日=イングランド銀行MPC議事録(8対1で据置きと予想)。また、17日=ノワイエ仏中銀総裁、ウェーバー独連銀総裁、ユンケル・ユーログループ議長、EU商工会議所で発言、20日=OECDが米国・欧州・日本経済の最新見通しも興味深い。


●ドル円
ドル円は、ヘッジファンドの閉鎖や金融機関の損失の報道が続き、日経平均株価の下落と円高が続いている。金融機関の破綻とリスク資産の圧縮に、ヘッジファンドへの投資資金は劇的に減少し、本邦個人投資家の狂気的な円売りも、ここまでくれば長期投資にスタンスを変え、ポジションも軽減し、アベレージアウトする必要があり、過去の熱狂的な円売りも考え難い。最近は経常収支と円高相場の関連性を指摘するコメントが良く目につく。今週はイースター休暇の週、週初の円高と半ば以降の円売り戻しが定石であるが、戻りが弱いと、急激なドル売り相場へと移りやすい。


ドル円のWeeklyチャートは、下降トレンドが続き、ラインの下限を割り込みドル売りが続いている。上値のポイントは、100.35円、100.90円、102.12円、102.61円、104.16円。下値のポイントは、98.91円、97.38円、94.92円、92.92円。RSIは25と下落傾向が続き、トレンドモメンタムは長い売りを継続している。トータルの判断は、主流なドル売り継続で、97.38円、94.92円が次ターゲットとなるが、目先のターゲット98.91円を達成したこともあり売りポジションは控えめに。Daily=売り、Weekly=売り、Monthly=売り。


●ユーロドル
ユーロドルは、ECBはインフレリスク懸念し続け政策金利の据え置きが続き、為政者からはインフレ抑制となるユーロ高懸念も、意見が分かれるところ発言が多い。独州立銀行の損失拡大、EU首脳会議では異例のユーロ高懸念が示され、欧州中銀の政策を支持しながらも、為替の問題について米当局と協議をするとの事である。状況的にはユーロ高の材料は多く、方向転換するような大きなユーロ安になる可能性は低いが、政治的な思惑に調整局面も意識したい。


ユーロドルのWeeklyチャートは、上昇トレンドが続き、ラインの上限を超え上昇が続いている。上値のポイントは、1.5734、1.5916、1.6324、1.6909。下値のポイントは、1.5479、1.5351、1.5226、1.5143、1.5003。RSIは72と緩やかな長い上昇が続き、トレンドモメンタムは買いになっている。トータルの判断は、買い継続だが、お先のレンジ相場1.43~1.500の上限を抜け、1.57台が次のターゲットとなっている。これを上抜けすると1.59台まで上昇が加速することになるが、超えられないと、1.5143~1.5226の水準まで調整売りが入りやすい。Daily=買い、Weekly=買い、Monthly=買い


●ポンド円
ポンド円は、GBPUSDが2.04で上値が重くなり、逆にUSDJPYが100円を割り込みドル安になったことで、売りが強く、クレジットリスクが強く意識され、日経平均株価の下落に円高が加速している。今週も株価連動の円相場に変わりは無いが、19日のイングランド銀行MPC議事録で8対1の据置きと予想が崩れと動きやすく、今週はイースター休暇の週で、ポジションの調整による買い戻しがどの程度はいるのかが問題で、逆に弱ければ198.18円、195.62円がターゲットとなる。


ポンド円のWeeklyチャートは、下降とトレンドの下限近くまで下落している。上値のポイントは、204.60円、205.08円、208.28円 211.69円。下値のポイントは、200円、198.18円、197.42円、196.48円、195.62円、191.29円。RSIは25と緩やかな下落が続き、トレンドモメンタムは長く売りが続いている。トータルの判断は、売りで、およそ205円~215円の5円幅レンジの下限を大きく割り込んだことで、下降トレンドの下限198.18円、そして、195円台半ばが次のターゲットとなる。Daily=売り、Weekly=売り、Monthly=売り。

2008年03月17日

ヨーロッパの財閥と企業グループ 70 エネルギー資源をめぐる攻防(8)

ロシア最大の企業グループ「ガスプロム」が計画している、ブルガリア、セルビア、クロアチアを通過してトルコとハンガリーを結ぶ天然ガスパイプライン「ブルー・ストリームII」。そしてブルガリア、ルーマニア、ハンガリーを通過し、トルコとオーストリアを結ぶ「ナブッコ天然ガスパイプライン」。両者は、トルコから中央ヨーロッパを通過し、コーカサスから西側諸国へ天然ガスを輸送するという点において競合するプロジェクトです。双方ともトルコと中央ヨーロッパをつなぎ、コーカサスの天然ガスを西側へ輸送するものです。


ロシアとEUの両方からパイプライン建設の参加を呼びかけられたブルガリアは、すでに「ナブッコ」建設のために設立されたコンソーシアムに参加することを示唆しているものの、ハンガリー同様、政府はロシアとの交渉も続けており、EUの不信を買っているのも事実です。ブルガリアのロウメン・オヴチャロフ経済/エネルギー担当大臣は、「我々は皆、ガスプロムとロシアの悪口を行っているが、それでもドイツ、オーストリア同様、フランスもロシアとの天然ガス供給30年契約に調印した」と語ります。
ロシアとのエネルギー取引は仕方ないという立場を示すのはブルガリアだけではありません。EUの強硬交渉にもかかわらず、EU加盟諸国の多くは「ガスプロム」との個別交渉を継続しています。ダブルスタンダードが成立しているのです。


EUは現在、エネルギーのロシア依存を減らし、供給源の多様化を目指しています。EUでは、ガス需要の3分の1をロシアに依存。中でも中東欧諸国は、バルト三国、スロバキア100%を筆頭に、ポーランド87%(91億立方メートル)、ハンガリー85%(110億)、チエコ73%(98億)、ドイツ41%(918億)、イタリア34%(614億)、フランス31%(371億)などロシア産の依存度が極めて高いのです。EUの中で対ロシア貿易では、ドイツが238.7億ドル(2004年)と断トツでトップ。イタリア152.9億ドル、英国77.1億ドル、フランス75.0億ドルと突出しています。米国は97.9億ドル、日本73.6億ドル、カナダ8.3億ドルとG7各国の中でも飛びぬけています。ドイツのシュレーダー前首相は、エネルギー分野を中心にロシアを欧州の経済につなぎ止めて置くことがロシアの近代化を促すと考えたようですが、反ロシア感情の激しいポーランド、バルト三国などはドイツの対ロ接近に不信感を抱いています。しかし、同時に欧州は、エネルギーと経済・金融についてロシアを組み込んでいかざるを得ないのも事実なのです。


それでは、ロシアと中央アジアの天然ガスの需供と輸出に目を向けてみましょう。ロシアの天然ガス需給は、生産6450億立方メートル。同時に中央アジアのカザフスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタンから550億立方メートルを輸入しています。国内需要・貯蔵は4500億立方メートルで、2500億立方メートルを欧州と旧ソ連邦へ輸出しています。中央アジア三カ国は、ロシア側に対して、現行価格より4~5割高い1000立方メートル当たり100ドル以上の輸出価格を提示しているといわれています。ロシア輸出量の約2割はこの中央アジアからの輸入に依存していますが、各国ともロシアのパイプラインに頼っているためにロシアに価格決定権を握られていました。


実はロシア既存の国内ガス田は生産頭打ちの状況で、今後中央アジア産のガスへの依存が高まることが予想されています。ロシアから欧州への輸出の8割がウクライナ経由で、ロシア産と割安な中央アジア産混合でコストを下げ、1000立方メートル当たり95ドルで5年間供給する契約が今年の年頭に締結されました。 中央アジア産の価格上昇に伴って、「ガスプロム」は年末までに160ドルに値上げする意向を示し、ウクライナに圧力をかけ始めたのです。


By Master K/益田 慶

2008年3月17日 本日の為替戦略

週初の為替市場はいつもながら、前週の影響を受けやすい。金曜日にはベアスターンズがNY連銀から資金供給を受けると言う、過去に例の無い異例の処置に、NY市場は非常に戸惑いながら、株安と荒れたドル安・円高の流れで終わった。


ある意味にでは、金融不安の元凶となっていたベアスターンズの救済措置が採られてことで、安定へと結びつくとの希望もないことはないが、金融株は弱く、シティーグループの株価は19.78ドルと再び2ドルを割り込み、新たなベアスターンズが現れることへの恐怖に怯え、今週発表されるモルガンスタンレーやリーマンブラザーズの決算を気にする状態が続いている。


日本に起因しない米国発の円高だけに、本邦為政者はドルが悪いと他人事みたいに考え、政治家は別として、ECBやBOEはインフレ抑制に効果がある自国通貨高を積極駅に止めようとせず、米国政府もドル安が米貿易収支の改善に効果があり、ドル安政策を止めようともしない。


さらに、現状は株価に連動した円相場だけに、ドル円の水準は何処がが適正な水準なのか、よくわからない状態となっており、100円を割り込んだ為替水準でも、恐怖感も違和感も感じられない、不思議な相場で、誰かが止めにかかるか、米金融不安が払拭できる見通しがつく思われるまでは、ドルの底値は見られず、とくに、クロスでの円高に底値は見えない。


本日の経済指標・その他では、イングランド銀行の四半期報告書、NY連銀製造業景気指数、対米証券投資、ノワイエ仏中銀総裁、ウェーバー独連銀総裁、ユンケル・ユーログループ議長、EU商工会議所で発言は注意したい。


●ドル円
ドル円は、100円割れからのドル下落はやり過ぎとも思われるが、ここまでの過程では、一連のドル円の戻りは104円台、103円台、101円台と、徐々に切り下がり、100円の大台の攻防から何度も反発しながら、ついにクリアに100円を割り込んでいる。一時的なドルの戻りも入りやすい反面、上値は非常に限定的で、戻り売りの流れは変わらない。


ドル円の4時間チャートは、下降トレンドが続き、新しいトレンドラインの下限まで下落している。上値のポイントは、99.76円、100.33円、101.23円。下値のポイントは、98.87円、97.41円、95.05円。RSIは下降ラインを続け、トレンドモメンタムは売りを継続している。トータルの判断は、98.87円を割り込むと97.41円まで下げが続く可能性があるが、この水準を維持すれば99.76~100.33円までの上昇する可能性が強まる


●ユーロドル
ユーロドルは、高値更新しながら上昇力は鈍く、逆にその分、ユーロ高の相場が続きやすいとの見方もある。過去にはユーロ高の調整期待は裏切られ、なかなか、押し目でユーロを買わせてくれない。ただ、政治的なユーロ高懸念発言が強まり、本日のノワイエ仏中銀総裁、ウェーバー独連銀総裁、ユンケル・ユーログループ議長の発言で、一時的にユーロ売りが強まる可能性も意識したい。


ユーロドルの4時間チャートは、上昇トレンドが続き、新トレンドラインの中間から上限で取引が続いている。上値のポイントは、1.5689、1.5755、1.5799。下値のポイントは、1.5643、1.5627、1.5601、1.5556、1.5532。RSIは69とやや上げ傾向にあり、トレンドモメンタムは買いを継続している。トータルの判断は買いだが、買いが加速する可能性も弱く、1.5755~1.5799が最大で、1.5556~1.5755のレンジに入る可能性も高い。


●ポンド円
ポンド円は、レンジ相場の下限を割り、2006年1月来の水準を割り込んだ相場だけに、戻りは限られ戻り売り相場が続きそうであるが、200円の大台は意識されやすく、売り買いが交錯する可能性が高い。イングランド銀行の四半期報告も相場の材料とされるので注意したい。


ポンド円の4時間チャートは、203.50~208円、203.00円~205.50円のレンジの下限を大きく割り込み、新たなダウントレンドの下限近くで取引されている。上値のポイントは、202.72円、202.97円、204.88円。下値のポイントは、199.47円、199.27円、194.22円。RSIは35と下降ラインが続き、トレンドモメンタムは売りが継続している。トータルの判断は、売りで、199.47円を割り込むと下げ足が加速する可能性が高く、逆に、この水準をホルドするとポジション調整の買いが入りやすくなる。


●本日の経済指標・その他
08:50 日本 1月の第3次産業活動指数=前月比予想0.7% 前回-0.6%
09:01 英 イングランド銀行四半期報告書
14:00 日本 1月景気動向調査・改訂値=先行指数 前回30.0%、一致指数 前回22.2%
17:15 スイス 1月の小売売上高=前年比予想2.1% 前回1.2%
21:30 米 第4四半期の経常収支=予想-1841億ドル 前回-1784.6億ドル -1785億USD -1845億USD --
21:30 米 3月のニューヨーク連銀製造業景気指数=予想-8.0 前回-11.72
21:30 カナダ 1月の製造業出荷=前月比予想0.9% 前回-3.4%
22:00 米 1月の対米証券投資=ネット長期フロー予想550億ドル 前回565億ドル、ネット長期フロー予想850億ドル 前回550億ドル
22:15 米 2月の鉱工業生産指数=前月比予想-0.1% 前回0.1%、 設備稼働率=予想81.3% 前回81.5%
02:00 米 3月のNAHB住宅建設業者指数=予想20 前回20
ロート・スイス中銀総裁が講演(フランクフルト)
ノワイエ仏中銀総裁、ウェーバー独連銀総裁、ユンケル・ユーログループ議長、EU商工会議所で発言

2008年03月18日

2008年3月17日 FX検定 きょうの問題 石油天然ガス企業

2008年3月14日 原油価格が110ドルを超えた。2006年のデータによると原油・天然ガスを合わせた生産で世界第1位の企業はアラムコ(サウジアラビア)であったが、世界第2位の企業はどこか?


正解 ガスプロム(ロシア)

解説


原油・天然ガス生産量・企業ランキング(シェア)


第1位 アラムコ(サウジアラビア) 8.3%
第2位 ガスプロム(ロシア)    7.4%
第3位 NIOC(イラン)       4.2%
第4位 Pemex(メキシコ)      3.3%
第5位 エクソンモービル(アメリカ)3.3%
第6位 BP(イギリス)       3.1%
第7位 シェル(オランダ・イギリス)3.0%   
第8位 PDV(ベネズエラ)      2.5%
第9位 Sonatrach(アルジェリア)  2.4%
第10位 ペトロチャイナ(中国)   2.0%


Energy Intelligence社 PIW Ranks The World's Top Oil Companies 2006


原油・天然ガス埋蔵量・企業ランキング(シェア)


第1位 NIOC(イラン)       13.1%
第2位 アラムコ(サウジアラビア) 13.0%
第3位 ガスプロム(ロシア)     9.3%
第4位 INOC(イラク)        5.8%
第5位 QP(カタール)        5.5%
第6位 KPC(クウェート)      4.4%
第7位 ADNOC(UAE)         4.2%
第8位 NNPC(ナイジェリア)     1.7%
第9位 Sonatrach(アルジェリア)  1.6%
第14位 エクソンモービル(アメリカ) 1.0%


Energy Intelligence社 PIW Ranks The World's Top Oil Companies 2006


現在の生産量と埋蔵量を比較すると、今後の利権争いの中心がどこにあるか理解できる。
中国の中東、アフリカ、中米への進出はこのような背景がある。


アラムコの原油生産量は日量で980万バレル、天然ガスを原油換算して合計すると1100万バレルになる。

1バレル当たりの原油価格が100ドルとすると1日当たりの売り上げは11億ドルになる。2008年に入って原油価格は20ドル以上の上昇を見ているが、この価格上昇だけでアラムコの売り上げは2億ドル、200億円の増収になる。これは年換算で4000億ドル、40兆円の売り上げ、20ドルの価格上昇は730億ドル、7兆3000億円の増収に当たる。アラムコは国営企業であるから収入の多くが政府系ファンドを通して国内投資、海外投資に振り向けられることになる可能性が非常に高い。


2006年の日本の原油・天然ガス輸入量は、657.5万バレル/日である。

          

小さな政府江戸幕府 20 江戸幕府の経済政策 江戸中期の課税制度と物価上昇

五代将軍綱吉の時代に米価が低落しはじめた要因は米の生産量にあった。幕府や諸藩は、米=「石高」を維持、あるいはアップすべく新田開発に励み、また農業技術が向上したことで米の生産量が増えていった。江戸時代初期に人口が増加したとはいえ、総需要を供給が上回れば米は余る。


米が余れば米価は下がる。幕府の財政のうち主だった収入は、米を売って金に換えることだったので、米価が下がれば当然財政は苦しくなる。さらに米以外の商品が値上がりすれば、インフレによる収入増加は見込めない。


これに追い打ちをかけるように、江戸で大火、関東で元禄地震、東南海で宝永地震、利根川の洪水など大災害が続き、幕府の赤字財政は減らなかった。綱吉時代の勘定奉行・荻原重秀は、幕府天領の佐渡金山のテコ入れ策や全国の酒蔵に50%の運上銀をかけるなどして収入の増加に努めたという。


運上銀とは農業以外の商売にかかる税金、営業税のことだ。職種によって額は決められていた。たとえば生産物の運送を担う船を買って運送業を始める場合、その船賃でなく、運送業という職種自体に決められた営業税が必要だったということである。これは商売を営むための鑑札料と考えるとわかりやすい。もともと商店は店の間口に応じた棟別銭を徴収されていたが、商人や製造業者はこれに加え、商札(商業鑑札)を買い取るというスタイルで運上銀を納めた。


記録として残っているものだけで、大店商札、中店商札、小店商札、魚問屋札、魚商札、醤油手造商札、醤油荷売札、紺屋札、塩売札、薬商札、鍛冶札、油店札、傘札、水車屋札、竹木商札、竹細工商札、桶屋札、瓦焼札、産物仲買札、材木問屋札、酢手造札、茶手商札、諸商人宿札などがある。塩や竹、油など漢字から業種・業態を察することができるだろう。


運用銀は諸藩でも採用され、特産物の生産にかかわる者も課税されたという記録が残っている。たとえば江戸時代に肥料として重用された干鰯(ほしか)だ。鰯から油をぬいたカスで、佐伯藩(現在の大分県)の浜で生産された干鰯は特産品だった。綿の栽培に効果があると評判を呼び、干鰯が全国市場で販売されるようになると、佐伯藩はそこに目をつけ、生産と流通の両面から利益を得ようとした。干鰯を生産する干浜に運上銀をかけ、原料の鰯を獲る網、漁船にも税金を課せ、さらに漁獲量に応じて課税したという。佐伯藩では船に対しても「船役」という税を課している。


各藩の運上銀の徴収の仕方はこうだ。藩の指定する判屋に税金を納め、そこで支払い済みであることを記した紙片をもらう。納税したことを証明するために「判」を押したことから判屋と呼ばれたようだが、その判は収入印紙のような存在であったと想像できる。判屋は現在なら税務署派出所といった位置づけだろう。


さて、江戸中期の物価だが、元禄時代から物価は上昇を続けている。元禄文化が花開き、芝居や浮世絵、行楽や花火などのエンタテイメントが盛んになったことを考えると、庶民の生活水準が向上したことがわかる。商業が活性化し、多くの庶民が経済活動に関与するようになると、貨幣は活発に流通する。そこで生活関連商品の需要が供給を上回るようになる。

しかし当時はまだ機械や技術は導入されていないので、生産量は急には増えない。品不足が生じる。それに乗じて不正な利益を得ようとして価格の値上げを図る動きが始まったことは容易に想像できる。これは商人がモラルをなくしたとも解釈できるが、商人が頭を使って営業活動を開始したとも分析できる。そもそも商売とは利潤をあげることを目的にしているので、生活必需品が不足すればそれらの商品を高く販売しようと考えるのは当然の流れ。だから物価は上がる。


物価上昇を抑えるための新たな政策が登場したのは綱吉の死後、約10年後のことだ。「元禄バブル」が弾け、幕府はもはや丼勘定で財政を運営できない危機に面していた。ここに登場したのが紀伊藩主から将軍となった吉宗である。吉宗が実行した「享保の改革」は幕政改革であると同時に重要な経済政策が含まれていた。

By Master K/益田 慶

2008年3月18日 17日の海外為替市場

アジア市場は、激しいドル売り+円高、株安、商品価格上昇、欧州市場は激しい揉み合い、米国市場は株価を見ながら乱高下。


株大幅安=日経平均株価11787.50(-454.10)、独DAX=6182.30(-269.60)、英FTS=5414.40(-217.30)、
原油価格=一時110.35ドル、金価格=一時1029.00ドルと、共に最高値更していた。


週初のアジア市場は、米連邦準備理事会(FRB)は、NY連銀が新融資制度を創設、緊急公定歩合0.25%引き下げ3.5→3.25%を発表。JPモルガン、ベア・スターンズ300億ドルで買収との報道に、評価は金融不安の高まり=株安=ドル売り=円買いとなった。USDJPY=安値95.77円、EURUSD=高値1.5905、USDCHF=安値0.9642と激しいドル売りとなったが、GBPUSD=高値2.0223で、先週NY市場の高値2.0393より値を下げていた。


欧州市場では、UBSが資金調達に投資銀行関連業務の一部を売却とのウワサに大きく株価は下落、イングランド銀行緊急調整オペ発表=英中銀が期間3日のレポで50億ポンドを供給すると発表、ポンドは弱く、欧州株は全般的に上昇力を失い、激しい値動きが続いたが、総じて幅広いレンジ内での取引となり、クロスでは円高の流れが強まった。


米国市場では、米金融株は一時ベア・スターンズ株一時88%下落。米株価を見ながらの取引が続き、米株下落=ドル売り、上昇=ドル買い、下落=ドル売り、大幅上昇にドル買い戻したが強まった。


●ドル円  
アジア市場のドル円はオセアニア市場の99.30円を高値に、99.10円で取引が始まり、前週の円高の流れを受け98.10円まで下落、FRBの公定歩合引き下げやNY連銀が新融資制度の発表を受け、一時99.15円まで値を戻したが、金融不安が逆に意識され、日本・アジア株が急落する中で、前日NY市場終値より3円近く円高の95.77円まで急落、本邦機関投資家、スイス勢、ファンド勢の買い戻しに97.35円まで値を戻した。欧州市場は97.13円で取引が始まり、97.57円を高値に、金融株を中心に欧州株価の大幅下落に、円とスイスの買いが強く96.60円まで下落、金融不安が広まるとの思惑+米株先物の下落に96.30円まで続落となった。ECBフィキシングでは96.95円まで値を戻し、弱いNY連銀製造業景気指数に96.67円まで値を下げたが、NYダウが前日比プラスに転じると97.45円まで上昇、マイナス200ドル近くまで下落すると96.70円まで下落、終盤にかけて再びプラスに転じ、上昇幅が拡大すると97.75円まで上昇、06:00時では97.39円で取引されている。


●ユーロドル
アジア市場のユーロドルはオセアニア市場の1.5652を安値に1.5675で取引が始まり、先週の高値1.5690を超え1.5749まで上昇、FRBの公定歩合引き下げに、一時1.5684まで値を下げたが、ドル円の急落の流れに、1.5750、1.5800、1.5850、各テクニカルポイント、オプション絡みの買い、ストップロスの買いも誘発し1.5905まで急騰、米系ファンドや外銀筋の売りにようやく上げ止まり、1.5754まで徐々に値を下げた。欧州市場は1.5801で取引が始まり、1.5816を高値に、欧州金融不安が広まり欧州株の下落にユーロ円の売りが強く、通貨当局者から為替市場の動向を危惧する発言が多く、独連銀総裁と仏中銀総裁がカナダへの会合参加を取りやめた事で、ユーロ売りが強まった。1.5730~1.5815の広いレンジで売り買いが交錯、NYダウがプラスに転じると1.5685まで値を下げたが、1.56台では中銀筋+ファンド勢の買いが強く弱い米国株に買いが続き、ロンドンフィキシング近くでは1.5791まで上昇、NYダウを見ながら1.5713まで下落、06:00時では1.5728で取引されている。


●ユーロ円
アジア市場のユーロ円は155.35円で取引が始まり、154.40円まで下落したが、FRBの公定歩合引き下げに、155.61円まで上昇、JPモルガンのベア・スターンズ社買収に、米金融不安が大きくクローズアップされ、152.68円まで急落、日本・アジア株が急落する中で円買いが強く、ドル円の急落に伴い152.10円まで続落となったが、ドル円が下げ止まり上昇に転じ、資本筋+海外勢の利食いの買いに154.04円まで値を戻した。欧州市場は153.50円で取引が始まり、欧州株が弱く円買いが続き、スイスUBS株の急落など金融不安に売りが強く、米国株が弱くに151.81円まで続落した。米国株を見ながらの取引が暫く続いたが、終盤にかけて株価の上昇に153.89円まで値を戻したが、終盤にかけて買いも弱まり、06:00時では153.17円で取引されている。


●主な経済指標の結果
08:50 日本 1月の第3次産業活動指数=前月比0.7%(予想0.7% 前回-0.6%)書
14:00 日本 1月景気動向調査・改訂値=先行指数36.4%(前回30.0%)、一致指数20.0%(前回22.2%)
17:15 スイス 1月の小売売上高=前年比1.3%(予想2.1% 前回1.2%)
21:30 米 第4四半期の経常収支=-1729億ドル(予想-1841億ドル 前回-1774←-1784.6億ドル)
21:30 米 3月のニューヨーク連銀製造業景気指数=-22.23(予想-8.0 前回-11.72 )、支払価格=50.56(前回47.37)、新規受注=-4.69(前回-11.88)、従業員数4.49(前回-2.11)
21:30 カナダ 1月の製造業出荷=前月比1.3%(予想0.9% 前回-3.7←-3.4%)
22:00 米 1月の対米証券投資=ネット長期フロー:620億ドル(予想550億ドル 前回565億ドル)、ネット長期フロー:374億ドル(予想850億ドル 前回727←604億ドル
22:15 米 2月の鉱工業生産指数=前月比-0.5%(予想-0.1% 前回0.1%)、 設備稼働率=80.9%(予想81.3% 前回81.5%)→ 2年来の低水準
02:00 米 3月のNAHB住宅建設業者指数=20(予想20 前回20)


●昨日の主な発言その他
米国・カナダ
◎ポールソン米財務長官=秩序だった市場の機能回復が最優先。ブッシュ米大統領は今回の決断を評価。流動性が不足した場合に起こる事例。ベア・スターンズ支援は破産申請より望ましい。我々は強いドル政策を有している。入への思惑は単なる推測に過ぎない。
◎ブッシュ米大統領=米国は困難な時期にある、FRBの措置を支持。
◎16日の公定歩合による新貸出制度に関する米FRBの声明文=市場の流動性向上と秩序立った市場機能の促進のため、2つの措置を発表した。①証券化市場の参加者に対するプライマリーディーラーの能力改善のため、NY連銀が新融資制度を創設することを全会一致で承認。②公定歩合を3.50%から3.25%に引き下げ、即日実施することを全会一致で承認。FFレートとの差は0.25%に縮小。JPモルガン・チェースとベア・スターンズが発表した融資取り決めも承認した。
◎バーナンキFRB議長=FRBは財務省と協力して金融市場の機能を促進する。議長が記者と電話会議を行うのは極めて異例。複数のFRB高官は、異例な今回の発表は、数週間にわたる金融市場の厳しい状況が頂点に達したなかで踏み切ったと指摘。 ある高官は米投資銀行ベア・スターンズの問題が金融市場全体に多大な試練をもたらしたと指摘。発表のタイミングについて、問題を抱えた金融機関の状況から迫られた措置と考えるべきとの見方。


欧州・英国
◎アルムニア欧州委員会委員=欧州経済はもはや好況期にはないが、景気後退からは程遠い状態。 米経済は明らかに減速しており、恐らく景気後退入りしつつあるだろう。 欧州経済はクレジット市場ひっ迫による打撃を受け、インフレ圧力や成長鈍化に直面。こうした状況は欧州連合(EU)加盟国による改革の必要性を浮き彫りにしている。
◎ロート・スイス中銀総裁=ここ数ヶ月インフレ圧力は上昇。スイスは困難な時期に直面。成長は不透明。世界経済の減速はスイスにも影響。
◎リープシャー・オーストリア中銀総裁=ユーロ圏は緩やかだが継続的な経済成長で、賃金引き上げによる物価上昇スパイラルを回避することが重要。各中央銀行は利益や為替に対する必要性に応じて行動をとるべき。為替市場の動向や変動を懸念。回避する共通の責任がある。ECBは利下げを計画していないことを示していると指摘。市場への流動性供給を行う可能性は排除できない。
◎ブラウン英首相(議会証言)=経済安定維持に向け必要な措置を実施する。前週の欧州連合(EU)首脳会議で、英経済が底堅くファンダメンタルズは強い一方、常に警戒姿勢を維持していと説明。
◎シュタルクECB専務理事=物価安定を確実にすることがECBのユーロ圏経済への最大の貢献。賃金策定は生産性の基調的な動向と一致するべき。
◎スイスUBS=資金調達に投資銀行関連業務の一部や米プライベート・バンキング部門の売却を検討との思惑に一時13%下落、広報担当者は否定。
◎イングランド銀行緊急調整オペ発表=英中銀が期間3日のレポで50億ポンドを供給すると発表、市場の状況を監視するとのコメントに→ポンド売りが強まる。
◎独連銀総裁と仏中銀総裁、病気など理由にカナダの会合への参加とりやめる。
◎英金利先物が上昇=年末までの1.0%金利利下げを織り込む。
◎リーカネン・フィンランド中銀総裁=ユーロ圏の中期的な物価安定を確保するため、ECBはできる限りのことをする。グローバル化はもはやインフレ抑制に効果的な役目を果たしていないと。グローバル化がもたらすポジティブなインフレ緩和効果は薄れている。金融政策をめぐる環境はますます厳しい。2009年にはインフレ率は低下するとの見通し。


日本・その他
◎福田首相=ドル安円高が進行していることについて→円高というよりはドル安との認識で、急激な動きは好ましくない。
◎津田財務次官=現在の状況のもとで、為替の過度の動きを懸念。ブッシュ米大統領もポールソン米財務長官も繰り返し強いドルは米国の国益にかなうと述べている。為替市場の動向を真剣に見守っていく。
◎大田経済財政担当相=為替の急激な変動好ましくない。日本経済は下振れリスク高まる。
◎額賀財務相1=欧米と連携しながら相場動向よく見たい。
◎ロシア中銀=円の外貨準備の検討。

◎ストロスカーンIMF専務理事=国際金融市場の問題は悪化、拡大するリスクが高まっている。為替市場の状況は緊迫しているとはいえ中銀による介入が必要とはいえない。人民元と円が弱く、ユーロは過大評価されており、ドルはその中間。IMFは今後数週間で米国を含め経済成長予想を下方修正する可能性が高い
◎グリアOECD事務総長=諸問題の解決にあたり一段の措置が必要となる可能性。金融政策は特に米国でさらに緩和される必要があるかもしれない。

2008年3月18日 本日の為替戦略

市場では、何故、バーナンキFRB議長は、異例の米国日曜日の夜に、米公定歩合の引下げを実施したのか? 18日のFOMCを待てず緊急に決定したのであろうか? その真意はベア・スターンズ社が破綻し、その影響が米国金融機関に広まることを危惧したとの意見が多い。結局は、JPモルガンがベア社を、たった2.36億ドルで買収(2007年1月には200億ドルの価値)した。


米FRBの声明文では、2つの措置を発表した。①証券化市場の参加者に対するプライマリーディーラーの能力改善のため、NY連銀が新融資制度を創設することを全会一致で承認。②公定歩合を3.50%から3.25%に引き下げ、即日実施することを全会一致で承認。FFレートとの差は0.25%に縮小。JPモルガン・チェースとベア・スターンズが発表した融資取り決めも承認した。


市場では、ベア・スターンズの破綻を防ぐために、予防的な措置を実施したと思い、次に何処の金乳機関が破綻するのか? 誰が次かを模索している。FFレート先物ではFOMCで1.25%の金利引き下げ確立が20%を超えるといい、0.75%~1.0%の政策金利引き下げが既に、市場では織り込まれている。


これ以上でも、金利差縮小でドル売りが進み、これ以下でも失望感からドル売りが進み、どちらに転んでもドルの底値を試す材料は残る。しかし、問題はこれも既に市場は折り込んでいることである。この措置で米金融不安が薄らぐようにでもなれば、ドルの買い戻しが本格化するのだが、FOMC後の反応を待たなければ良く判断できない。今日のリスクはドル買いにでも、ドル売りにでも反応するように対応する必要がありそうである。


本日の経済指標・その他では、英CPI、カナダCPI、米PPIの発表が控えているが、なんといっても、本日は米FOMCで政策金利が何パーセント引下げられるかで、ドル続落か反発かに変わってくる。市場では0.75%~1.0%お引き下げ予想が多い。


●ドル円
ドル円は、激しい円高で、ドル円に限らずクロスでも円高に動いているが、相変わらず市場では達成感とか悲壮感が感じられない。米国発のドル安相場であることは間違いないが、その反動で円高が進み、クロスでも円高が更に進むことにでもなれば、そんなことを言ってはいられないのでは・・・・。日本の政治家・通貨当局者の発言には、どうも他人事に聞こえてくるが、市場はこの弱いところを試すのが常である。


ドル円の4時間チャートは、下降トレンドが続き、またしても下限を割り込みラインの下限近くに戻して取引されている。上値のポイントは、97.60~73円、97.73円、99.07円、100.58円。下値のポイントは、95.73円、95.05円、94.39円、92.32円。RSIは22.6で下降ラインが続き、トレンドモメンタムは売りを継続。95.73円~97.80円のレンジか、FOMCの結果次第では、95.05円~98.73円のワイドなレンジに入る可能性がある。


●ユーロドル
ユーロドルは、1.57台をテクニカルアナリストは注目していたが、なんのことはない、米金融不安にあっさりと
1.59台まで急騰したが、終値では結構強い調整が入り、1.57台前半で終了、前日比では50ポイント近くの上昇と、終わってみれば緩慢な値動き。EUの通貨当局者や為政者のユーロ高懸念を意識しながら、調整の売りもあり、今後もこのような緩やかな上昇が続きそうである。


ユーロドルの4時間チャートは、上昇トレンドが続き、一時上限を超えたが、再びラインの上限内に収まっている。上値のポイントは、1.5699~1.5915、1.6057、1.6117、1.6287。下値のポイントは、1.5673~85、1.5643、1.5637、1.5531。RSIは74と上昇ラインが続き、トレンドモメンタムは買いを継続している。トータルの判断は買いだが、1.5637~1.5785、または、1.5637~1.5915のレンジで、これを上抜けすると、1.6057がターゲットとなる。


●ポンド円
ポンド円は、イングランド銀行緊急調整オペ発表したことで、ポンドの上昇力は弱く、主要通貨でドル全面安の中で、ポンドだけが唯一蚊帳の外となった。円高+ポンド安の影響に、結果的にポンド円は、200円の心理的な壁をブレークし192円台まで下げが加速、2005年7月時点まで値を下げた。大幅な下落の後には調整の買いが入りやすいが、BOEの年内1%の金利引き下げ観測は強く、売りの流れは変わりそうにない。


ポンド円の4時間チャートは、下降トレンドが続き、下限近くまで下落している。上値のポイントは、197.11円、198.43円、199.94円、202.07円、下値のポイントは、190.97円、190.55円。RSIは20と非常に低いが下降ラインが続きトレンドモメンタムは売りを継続している。トータルの判断は、売りで、190.50~00円は相当抵抗があると思われ、190.97円~197.11円、190.55円~199.94円のレンジと予想。


●本日の経済指標・その他
17:15 スイス 第4四半期鉱工業生産=前年比予想10.7% 前回8.5%
18:30 英 2月の消費者物価指数(CPI)=前月比予想0.8% 前回-0.7%、前年比予想2.5% 前回2.2%
18:30 英 2月のRPI(小売物価指数)=前月比予想0.8% 前回-0.5%、前年比予想4.2% 前回4.1%、RPI-X(retail prices)=前月比予想0.8% 前回-0.4%、前年比予想3.7% 前回3.4%
20:00 カナダ 2月の消費者物価指数(CPI)=前月比予想0.4% 前回-0.2%、前年比予想1.8% 前回2.2%
21:30 米 2月の生産者物価指数(PPI)=総合指数前月比予想0.4% 前回1.0%、前年比予想6.8% 前回7.4%、コア(除く食品・エネルギー)前月比予想0.2% 前回0.4% 前年比予想2.1% 前回2.3%
21:30 米 2月の住宅着工件数=予想99万件 前回101.2万件、 許可件数=予想102万件 前回106.1万件
03:15 米連邦公開市場委員会(FOMC)金融政策発表=政策金利0.75%~1.0%引き下げ2.0%~2.25%を予想

2008年03月19日

2008年3月19日 18日の海外為替市場

米ゴールドマン・サックス、リーマンの第1四半期決算は市場の予想を上回り、ひとまず安心。FOMCでは政策金利の引き下げ0.75%、市場予想の1.0%を下回る下げ幅にも、NYダウ12392.66(+420.41)は大幅上昇、USDJPY一時100円まで値を戻す。


FOMCは政策金利(FFレート)を0.75%引き下げ2.25%に決定→ 市場は1.0%の引下げを予想し、発表直後株は下落、ドル売りとなったが、株価の上昇が続き、ドル買い+円売りの流れが続いた。


円売り、GBPJPY=200.15円(前日194.57円)、AUDJPY=92.39円(前日89.70円)、CADJPY=100.54円(前日97.53円)。ドル買い、EURUSD=1.5625(前日1.5728)、USDCHF=0.9847(前日1.0027)


●ドル円  
アジア市場のドル円は97.30円で取引が始まり、97.25~60円の狭いレンジで揉み合いが続き、仲値のドル売り需要に一時96.86円まで下落、米FOMCの一大イベントを控え動き難い中で、日経平均株価が上昇に買いも強く、96.95~20円の狭いレンジで取り引きから、欧州勢の買いに97.60円まで上昇した。欧州市場は97.23円で取引が始まり、堅調な欧州株に、FOMC前の控えポジション調整から97.86円まで上昇、本邦勢の売りに上値は重く97.25円まで下落、97.25~50円の狭い値動きから、ECBフィキシングには97.98円まで上昇した。米住宅着工件数にも反応は無く、米系証券の決算が予想を上回り、米国株が前日終値より200ドル近く高く取引が始まると、98.50円まで上昇したが、FOMCを直前に動きも鈍く、98.15~50円で取引が続いた。堅調な米国株に98.82円まで上昇、FOMCの発表直後には、97.85円まで下落したが、米国株が強く大幅な上昇に、終盤にかけては100円まで買われ、06:00時では99.82円で取引されている。


●ユーロドル
アジア市場のユーロドルは1.5728で取引が始まり、朝方の1.5713を底値に、ユーロ円の売りの中でも、幅広いユーロ買いに1.57を割り込むことはできず、アジア筋の買いに1.5763まで上昇、昼の薄商いの中で1.5793まで続伸したが、1.5800の上値は重く、1.5750まで徐々に上値を切り下げた。欧州市場は1.5772で取引が始まり、一時1.5741まで値を下げたが、ECB当局者からインフレ懸念や利上げを示唆する発言が続き、1.5833まで上昇、ECBフィキシングでは1.5765まで下落、狭い値動きの中でロンドンフィキシングには1.5760まで値を下げた。米国株の上昇にユーロ円の買いが強く1.5810まで上昇、FOMCの発表直後には、ユーロ円の売り+ユーロドルの買いに1.5730~1.5800で上下、米国株は強くポジション調整の売りに、前日米国市場の安値1.5685を割り込むと、ストップロスの売りを誘発し1.5617まで続落、06:00時では1.5625で取引されている。


●ユーロ円
アジア市場のユーロ円は153.04円で取引が始まり、仲値の実需の売りに152.57円まで下落したが、米FOMCを前にポジション調整の買いが続き、153.40円まで値を戻し、堅調な日経平均株価に153.76円まで続伸した。欧州市場は153.31円で取引が始まり、堅調な欧州株にポジション調整の買いが続き、154.38円まで続伸、153.80~15円の狭いレンジで取引が続いた。ECBフィキシングを境に買いが強まり、堅調な米国株に155.35円まで続伸、FOMCを前に154.80~30円のレンジで取引が続いたが、堅調な米国株に前日高値155.50円を超えると、ストップロスの買いを誘発し156.00円まで上昇した。FOMCの発表直後は154.37円まで下落したが、堅調な米国株にドル買いと円売りが強まり、終盤にかけては156.18円まで上昇、06:00時では155.89円で取引されている。


●主な経済指標の結果
17:15 スイス 第4四半期鉱工業生産=前年比9.3%(予想10.7% 前回8.5% 15.3←15.7%)
18:30 英 2月の消費者物価指数(CPI)=前月比0.7%(予想0.8% 前回-0.7%)、前年比2.5%(予想2.5% 前回2.2%)、
18:30 英 2月のRPI(小売物価指数)=前月比0.8%(予想0.8% 前回-0.5%)、前年比4.1%(予想4.2% 前回4.1%)、RPI-X(retail prices)=前月比0.8%(予想0.8% 前回-0.4%)、前年比3.7%(予想3.7% 前回3.4%)
20:00 カナダ 2月の消費者物価指数(CPI)=前月比0.4%(予想0.4% 前回-0.2%)、前年比1.8%(予想1.8% 前回2.2%)
21:30 米 2月の生産者物価指数(PPI)=総合指数前月比0.3%(予想0.4% 前回1.0%)、前年比6.4%(予想6.8% 前回7.4%)、コア(除く食品・エネルギー)前月比0.5%(予想0.2% 前回0.4%)、前年比2.4%(予想2.1% 前回2.3%)
21:30 米 2月の住宅着工件数=106.5万件・-0.6%(予想99万件 前回101.2万件←101.2万件)、 許可件数=97.8万件(予想102万件 前回106.1万件)
03:15 米連邦公開市場委員会(FOMC)金融政策発表=政策金利0.75%引き下げ2.25%に決定


●昨日の主な発言その他
欧州・英国
◎ユンケル・ユーログループ議長=急激な為替変動は注意する必要があり好ましくない。
◎マーケット・ニュース(信頼できる複数のユーロ圏中央銀行筋)=ECBは予見できる将来にわたって金利を据え置く見通し。ECBが銀行間市場に追加で流動性を供給する可能性があると。別の関係筋は、ECBの次の一手は利上げ。 先のユーロシステム高官は、政策変更が議題に上るときは引き締めについて検討。インフレ圧力は上向きで原油価格は予測不可能。
◎キプロスの財務相=欧州経済にとっての主要リスクはスタグフレーション。インフレリスクがある時に金融当局や政府が景気対策を講じる妨げとなる。
◎シュタインブリュック独財務相=インフレ動向はますます問題になりつつある。現在の金融状況に対処するには、中央銀行・財務省・規制当局の間で緊密な協力が求められる。ベアー・スターンズが破たん状態に陥っていたら、ドイツの一部の州立銀行にも影響が及んでいただろう。金融問題に対する米国の対処法には若干のリスクも含まれるが、全般的には最良の策。
◎トゥンペルグゲレルECB専務理事=世界経済の成長減速、高水準の原材料価格、好ましくない金融状況といった要因により、ユーロ圏の経済見通しが悪化した。成長見通しの不透明性が非常に高く、インフレの上向きリスクもあるが、ユーロ圏のファンダメンタルズは底堅い。 賃金スパイラルを回避することが重要で、ECBは将来の金利決定について事前にコミットしない。
◎ビーニ・スマギECB専務理事=特定の環境では、市場は過剰反応し、基調的な経済ファンダメンタルズに対して行き過ぎる傾向がある。
◎ジン独IFO経済研究所所長=ECBの利下げはまだ必要ではない。米住宅市場については危機に終わりは見えない。米国がリセッション入りすれば、欧州経済も打撃を受ける。
◎シュタルクECB理事=現行のECB金利は物価抑制に役立つ。インフレ率が今後数カ月にわたり2%を上回る水準で推移する見通しが懸念事項。年末には2%に近づくとの見通し。為替相場の大幅な値動きは経済成長にとって好ましくない。商品価格とインフレの二次的影響が物価安定にとって最大のリスク。


日本・その他
◎額賀財務相=現状の為替相場は過度な変動と懸念、米欧とよく連携。
◎田波耕治=日銀正副総裁候補への所信聴取で、わが国は企業の国際競争力など喫緊の課題に直面していると。世界経済は緩やかに減速しながらも拡大しているとする。米経済減速や金融市場の大きな変動など下振れリスクが高まっている。、不確実性が高まっておりリスク要因を分析し、予断を排して政策判断を果断に行う。日銀の独立性と透明性を確保するよう努力する
◎西村清彦=日銀副総裁候補への所信聴取で、日本経済の見通しについて減速しつつも緩やかな拡大を続けているが、同時数多くのリスク要因を抱えている。金融政策については、極めて注意深い政策が必要とした上で、当面は第一に基本メカニズムに変化がなければこれまでの考えを維持するが、リスク顕現カの可能性が高まれば柔軟に対応する。
◎オーストラリア中銀(RBA)金融政策決定理事会の議事録=一時的ではあるが、民間需要の鈍化が広がり始めた証拠が認められる。行金利がCPI抑制に十分かどうか疑問残る。経済状況は追加引き締めが必要。今後の追加利上げ実施を想定させる内容。
◎中国人民銀行=預金準備率0.5%引き上げ15.5%に決定した。流動性の管理強化・信用の抑制が目的。
◎温家宝中国首相=世界経済、特に米経済について深く懸念。ドルがいつ底を打つのか懸念している。人民元レートの決定では、市場が重要な役割果たす。金融政策の手段の選択は包括的に考慮する。金利・為替の変動には、プラスとマイナスの影響がある。中国の経済ファンダメンタルズは依然として健全。
◎豪ルビコン・ジャパン・トラスト=3000万豪ドルの追加担保要求を満たせない可能性。

2008年3月19日 本日の為替戦略

さあ、明日20日は日本が休場、21日には海外主要市場はイースター休暇で全て休場となる。
早朝の米FOMC後の相場は、誰かに演出されたドラマのようにも思えてならない。政策金利FFレートの下げ幅は市場予想1.0%より低い0.75%と期待はずれとなったが、NYダウは3.51%、ダックスは3.41%上昇、危惧されたリーマンやゴールドマンの決算が悪いことは悪いが、予想よりまだマシとの判断なのか評価され、ドル高=円全面安となった。


この結果は、イースター休暇前に、市場のドル安・円高センチメントと、ドルショート・円ロングポジションの巻き戻しが加速、調整が強まったことが想像される。その証拠に、最近上昇力の大きかった円やスイスの下落幅が大きく、比較的売りが強かったGBP、NZD、AUDは逆に上昇している。


このことから、セオリーは、ポジションが軽くなったので再度、円やスイスのロングポジションを摘み増す可能性を意識したいが、米株価の上昇やクレジット市場の好転が見込まれれば、ドル買いに変化しなければならないが、どうも、このシナリオもリスクが高そうである。


相場の天底は終わって見なければ判らず、結果としてそうだったことがわかるものである。いまは、正にその通りで、先のドル安が底値かどうかの判断は、通常ダブルボトム→ 成功続落、失敗ボトムアウトの原則を考えたい。相場観はその前に、再び底値をトライすると予想、そして、その結果を見てから大底か否かを考えてもいいのでは・・・。


ロンドンは世界の金融市場の中心地であり、ベアースターンズを含む米系金融機関の関係が強く、米金融不安に対してポンドが売られやすいことは間違いない。日々変動幅や変動リスクが高いので、大きなポジションは採り難いが、短期的には逆張りになるかもしれないが、GBP、AUD、NZD、これらの円ロングポジションで軽く望むのも一案。


本日の経済指標・その他では、イングランド銀行3月の英金融政策委員会の議事録発表がポンドの変動要因となりやすく、為替相場への影響も少なくない。


●ドル円
ドル円は、日本の祭日や海外のイースター休暇前のポジション調整の買いなのか? トレンドが変化した買いなのか? どうも判断がつかないが、可能性だけを考えれば、前者が優勢で、ドル売りが再開される前に、米金融不安が解消され、株価が大幅な上昇ともなれば、後者に変化する。今日は、昨日のドル大幅上昇となった影響は避けられず、上値では実需筋のドル売りも入りやすく、売り買いが交錯することになるが、100円台を維持できれば、ドル買いの安心感が広まり、逆に超えなければ緩やかなドル売りが続きそうである。


ドル円の4時間チャートは、下降トレンドが続き、新たなレンジの上限近くまで値を戻している。上値のポイントは、99.97円、100.17円、100.58円、101.14円。下値のポイントは、99.07円、98.73円、97.88円、95.73円、95.12円。RSIは44と下降ラインを上抜け、トレンドモメンタムは買いに変化。トータルの判断は、目先は買いに変わり一時的な上昇も考えられるが、まだ下降トレンドが完全に変化していない。99.07円~101.14円のレンジと予想。


●ユーロドル
ユーロドルは、通貨当局者のインフレ懸念は利上げを示唆する発言にも、上昇力は鈍く上値は重い。安定していると言えば言えなくもないが、材料の割には買いが少ない。ユーロのロングポジションの影響なんだと思うが、どうも不安でならない。


ユーロドルの4時間チャートは、上昇トレンドが続いているが、ラインの中間から下限で取引が続いている。上値のポイントは、1.5673、1.5694、1.5761、1.5855。下値のポイントは、1.5617、1.5560、1.5531。RSIは55と下げに変わり、トレンドモメンタムは売りに変化している。トータルの判断は、目先は売りに変わり一時的な下落も考えられるが、まだ上昇トレンドが完全に変化していない。1.5560~1.5694のレンジを予想。


●ポンド円
ポンド円は、ポンドドルが比較的安定し、ドル円が上昇、クロスでのポジション調整が強く円売りの流れに、前日の安値から昨日の高値の幅を計算すると11円近くになる。たぶんショートポジションを持ちきれる市場参加者は少なく、調整が相当進んでいる可能性が高い。先の長い揉み合いとなったレンジの下限、203円台半ばが一つのポイントで超えられるか否かで相場の方向性が変わってくる。


ポンド円の4時間チャートは、下降トレンドが続いているが、ラインの中間を超え買いが続いている。上値のポイントは、202.07円、203.37円、207.97円。下値のポイントは、198.85円、198.43円、192.30、190.67円。RSIは42と売りのラインが崩れ、トレンドモメンタムは買いに変化しそうな雰囲気である。トータルの判断は、目先は買いに変わり一時的な上昇も考えられるが、まだ下降トレンドが完全に変化していない。198.91円~203.37円のレンジを予想。


●本日の経済指標・その他
08:50 日本 1月の全産業活動指数=前月比予想0.1% 前回-0.2%
18:30 英  イングランド銀行3月の英金融政策委員会の議事録発表=8対1での決定を予想
18:30 英 2月の失業率=予想2.5% 前回2.5%、ILO=5.2% 前回5.2%、平均給与(3ヶ月平均)=予想3.8% 前回3.8%、失業保険申請件数=予想-0.5万、前回-1.08万人
19:00 ユーロ 1月の貿易収支=予想-50億ユーロ 前回-42億ユーロ
21:30 カナダ 1月の卸売売上高=前月比予想1.0% 前回-2.9%

2008年3月19日 20:20Vision 円高が止まらない

円高が止まらない


アメリカ経済の後退が明確化し、ドル売りが鮮明化しつつあります。ニューヨーク証券取引所は、経済指標に一喜一憂しながら結果的に悪材料に押されて低迷しています。FRBによる公定歩合利下げ、政策金利利下げも効果は短期に終わり、日本のバブル崩壊を彷彿させる様相になりつつあります。


アメリカ経済の低迷により日経平均も大きく下げています。ドル安による円高に過敏に反応して、株価の下げは実態以上に下げているようです。


ところで、株価が低迷し、労働人口は減少、金利も安いのに、なぜ円は買われるのでしょうか? 高度成長が見込まれるわけでもなく、人口が増えるわけでもない。アメリカやヨーロッパに比べれば、サブプライムローン問題による損失も少ないとはいえ、株価は下がっています。にもかかわらず、なぜ円は買われるのか。


為替変動要因として長期的な要因として実需があります。短期のボラティリティを発生させる要因は仮需・投機筋によるものがあります。日本の為替市場の恒常的要因として貿易黒字があります。2005年、2006年の貿易黒字は、合わせて10兆円程度でした。2007年は貿易黒字幅が増大して12兆円ほどになっています。


これに対し、2005年、2006年の円売り要因であった日本の投資家・企業による対外投資は14兆円-15兆円程度でした。この5兆円ほどの円の売り越しが円安を支えてきました。ところが、2007年は対外投資が12兆円ほどに減少したのと同時に、貿易黒字額も12兆円ほどになり、売り買いが拮抗してきました。


では、今後はどうなるでしょうか。ドルは相次ぐ利下げにより2%目前になってきています。円高ドル安傾向とドル金利低下によりドル円キャリーが発生する余地はありません。円売りを仕掛ける投機筋も出てきません。このような円売り要因となる投資家・企業が出てこない以上、貿易黒字以上の円売りはあり得ませんから、必然的に円は常に買い圧力がかかってくることになります。


また、すでに日本の対外資産は2006年末現在で215兆円に達しています。急速な円高ドル安を嫌った投資家による対外資産の売却が出た場合、大きな円高要因となります。日本の貯蓄率は急速に低下していますが、これは団塊の世代が引退して貯蓄の取り崩しが原因のひとつになっています。年金生活者が貯蓄を取り崩す場合、現況のような円高時に円資産を取り崩すのか、外貨資産を取り崩すのか。いずれにしても外貨資産を積み上げる可能性は低く、円高要因しか残りません。


さらに、多くは語られませんが、外国人による円建て住宅ローンが相当額に達していると考えられます。オーストラリア、ニュージーランド、韓国、スペイン、ポルトガルなど多くの国で住宅ローンを円建てで組んでいるケース多く見られます。今後、円高局面での円建て住宅ローンの増加は考えづらいですから、既存の住宅ローン債務者はローン返済を円建てで行うことになり、常に円買い需要が発生し続けることになります。


日本の経常収支を見ると、貿易黒字による収入を貿易外収支が上回ってきました。つまり利息、配当、印税、特許権の受取額が貿易収支を超えているのです。この額は年々増加しており、一方的に受け取るだけの資金ですから常に円買い要因となります。

さらに加えて、観光収入が急速に増えています。小泉政権時に策定した”Visit Japan”キャンペーンが円安とともに奏効し、これまで大幅な旅行収支の赤字幅が縮小してきています。貿易による黒字は縮小しても、貿易外収支が大幅に伸びている現状では、円を売り支えることは不可能です。


このような理由から当面は円高傾向は続くと思われます。ドル安要因の問題が解決することと、円高要因は関連性はあるにせよ、別の問題として考えておかないと状況を見誤ります。


本来は円高は国民にとって良いことだと思います。ところが日本社会、日本政府は円高を国民の利益、国民の幸福につなげる努力をしてきませんでした。円安による海外での買い負けは食糧安保をないがしろにしてきた付けです。バブルの再来は望みませんが、円高を背景とした内需振興策による景気浮揚は適正な市場開放、規制緩和が必要です。在外圧力に屈した無理な規制緩和や不平等性を助長する規制緩和、官僚支配を強化するような愚は避け、国益を最優先した政策の実行を期待したいものです。

世界資源戦争17 新興産油国・石油企業の躍進 中国石油企業の躍進と政府の狙い

中国の石油関連企業が躍進している。国営の中国石油天然気集団(CNPC)は、パイプライン子会社の2008年の送油量が7000万トンを突破する見通しであることを発表した。2007年の送油量は6656万トンだったので、前年から345万トン増加することになる。同社は2001年から100億元(約1400億円)を投資し、西・中央アジア、北・西アフリカ、南米で石油開発を行い、アゼルバイジャン、オマーン、インドネシアなどで大型買収を実行してきた。これは国内の石油消費の増大に見合う国内の油田・ガス田の生産拡大が国難になったことを物語っている。中国には大慶油田という大型油田があるが、2000年を境に生産量が減少傾向にあり、労働環境がよくないことから労働者による大規模なデモも続いていた。またロシアに近い場所に位置することから輸送のコストや環境対策のコストが莫大にかかることから、中国は海外の油田に目を向けたのだろう。


国営の中国海洋石油総公司(CNOOC)は2002年にインドネシアの複数の油田権益を約600億円で一括購入して間もないが、今度はイラン北部のノースパースガス田の開発が決定したというニュースが入ってきた。イランはCNOOCが新設する天然ガスの陸揚げターミナル3カ所に1000万トンのガス供給を行うという。契約額は160億米ドルに達するとのことだ。


一方、CNPCの子会社で民営の中国石油天然気(ペトロチャイナ)は、新ガス田の発見に成功したことで、中国本土の天然ガスの生産量が今後10年のうちに2007年度の倍になると予測している。同社はシンガポールに数億ドル規模の製油所の建設を計画しているほかスーダン、トルクメニスタンに進出し、ガス田開発を、ロシア、ペルーでは油田開発を進めている。同社の2008年の投資額は1000億元(約1兆4000億円)を超えるという。


中国株に明るい投資家がペトロチャイナに注目したのは、2000年4月に香港(H株)、ニューヨーク(ADR)同時上場を果たしたのち、世界一の資産家である投資家ウォーレン・バフェットが経営する世界最大の投資持株会社パークシャー・ハサウェイが国外における筆頭株主となったことが引き金であった。「ウォーレン・バフェットが目をつけた銘柄なら安心だろう」と、多くの投資家がペトロチャイナに好感触を抱いたのだ。また、ペトロチャイナが社外取締役に外国人を起用し、顧問にキッシンジャー元米国国務長官を据えたことも投資家の心をくすぐった。同社の役員報酬が株価と連動することも知られている。そして2007年11月5日、上海株式市に上場し、同日、取引開始直後に新規公募価格(16.7元)を191%上回る48.62元をつけ、時価総額で世界最高を記録したこのように上場による資金調達が可能になったことで、中国石油企業はカントリーリスクの高い国へ投資するようになった。


中国は、ウズベキスタンからパイプラインを引いて天然ガスを買う計画を進めており、他の中央アジア諸国からも石油ガスを買っている。この動きが顕著になったのは、2001年10月に「上海協力機構」が設立してからだ。これはロシア、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、ウズベキスタンの6ヵ国による多国間協力組織で、第一回設立会議が上海で行われたことからそう呼ばれている。


中国とロシアは互いに警戒しつつも、中央アジアに対する欧米勢力の拡大を防ぐという点では利害が一致している。いわば「非米同盟」だ。ロシアの狙いはアラブ諸国や中国、ベネズエラなどの非米的な国々を連合して、エネルギーに関する新たな国際カルテルを作り、石油と天然ガスの世界的な利権を米英から奪うというものだろう。エネルギー消費国の中国には、エネルギー大国ロシアはもとより、中央アジアの石油・天然ガス産出国との関係を強化しておきたいという意図がある。


こういった背景を知っておれば、中国のウイグル自治区とカザフスタンを結ぶ全長962キロの「中国-カザフスタン石油パイプライン」が2006年に開通した意味が理解できるだろう。中国がパイプラインを通じて石油を輸入する初めてのケースで、パイプラインによる初期の年間輸送量は1000万トンだが、2010年には2000万トンに上昇するという。カザフスタンとロシアは現在、それぞれ50%の割合で石油を中国に提供している。

By Master K/益田 慶

2008年03月20日

2008年3月20日 19日の海外為替市場

前日のドル高・円安・株高相場から、本日はアジア・欧州市場の前半はドル売り、欧州市場後半・米国市場はドル高となり、金融不安が続き、円高の流れとなった。前日の反動なのか、金融不安を材料に株価を見ながらの相場と、クレジットリスクを気にしながらの相場が続いた。日経平均株価=12260.44(+296.28)、NYダウ=12099.66(-293.00)、独DAX=6361.22(-32.17)、英FTSE=5545.60(-60.20)


アジア市場は、堅調な日経平均株価にもかかわらず、アブダビ投資庁(ADIA)が、首長家相続準備で日本に持つ株式や不動産などの資産の一部を売却との観測や、ゴールドマン・サックスが、日銀が4月にも0.25%の利下げを予想。カナダ、欧州、英国、オーストラリアの金融不安を材料に円を買い戻す動き続きが続いた。


欧州市場の序盤では、ECBが緊急ミーティングを開催とのうわさ→EURJPY=155.07円まで下落、英ロイズ銀行の損失のうわさ+3月のイングランド銀行の金融政策委員会の議事録で、7対2(予想8対1、2名利下げ主張)で金利据え置きを決定→ →GBPJPY=195.93円まで、GBPUSDは終日下落(米国市場で一時1.9804)、ドル円は一時97.67円台まで下落となった。


米国市場では、商品価格の下落を材料にUSDCAD=1.0175まで大幅上昇、上昇米モルガン・スタンレー決算が予想を上回り、米ファニーメイとフレディマックの資本規制を緩和にドル買い期待が強まったが、NYダウは弱く、米リーマン・ブラザーズ、モルガン・スタンレーが、FRBのプライマリーディーラー(米政府証券公認ディーラー)新貸出制度を既に利用、米ゴールドマン=週内にもFRBの新貸出制度を試験的に利用に、金融不安と期待間が混在し米国株は弱く、ドル高の流れと円高の流れが共存した。


●ドル円  
アジア市場のドル円は99.82円で取引が始まり、100円超えのストップロスを試し100.45円まで上昇したが、本邦実需筋や資本筋の売りは厚く、99.42円まで急落、仲値近辺では売り買いが交錯し、アブダビ投資庁の日本株売りの観測+日銀利下げの思惑に、一時100.13円まで上昇したが、英系・米系金融機関+カナダ系ファンドの破綻のうわさが続き、98.80円まで続落となった。欧州市場は99.04円で取引が始まり、HSBC株が一時17%下落、英系・欧州・アジアの金融機関が追加損失を計上すると思惑が広まり、ポンドが急落、クロスで円を買い戻す動きに98円を割り込み一時97.69円まで急落となった。イングランド銀行のMPC議事録が発表され、ポンドが続落、主要通貨でドル買いが強まると、ドル円も99.20円まで上昇、米連邦住宅公社監督局が、米ファニーメイとフレディマックの資本規制を緩和、米国株もプラス圏で推移すると、99.84円まで上昇した。オプションカットを境に98.69円まで急落、米国株は弱くマイナス幅を拡大、クロスでの円買い+主要通貨でのドル買いに、98.80円~99.70円の広いレンジで売り買いが交錯、06:00時では99.09円で取引されている。


●ユーロドル
アジア市場のユーロドルは1.5623で取引が始まり、朝方の1.5613を安値に、1.5600~20ではアジア系の買いが続き1.5682まで上昇、直後1.5627まで急落したが、英系・米系金融機関の破綻のうわさが続き、1.5731まで徐々に値を上げた。欧州市場は1.5692で取引が始まり、ドル円の急落の影響を受け、1.5720~30の売りを消化しながら、1.5786まで上昇、イングランド銀行のMPC議事録を受けGBPUSDが急落、EURGBPは急騰したが、欧州金融不安が続き、主要国でドル買いが強まると、1.5668まで続落となった。長いイースター休暇を前に、投機筋やファンド筋のポジション調整の売りが続き、米モルガン・スタンレーの決算も予想を上回り、米ファニーメイとフレディマックの資本規制を緩和、終盤にかけては1.5583まで続落となり、06:00時では1.5624で取引されている。


●ユーロ円
アジア市場のユーロ円は156.00円で取引が始まり、ドル円の上昇の影響を受け1一時157.04円まで上昇したが、仲値の実需筋の売りが強く155.75円まで急落、アブダビ投資庁の日本株売りの観測+日銀利下げの思惑に156.70円まで上昇したが、米国・英系金融機関の損失計上+ファンド破綻のウワサが絶えず、海外勢の円買い戻しに155.07円まで続落、アジア勢の買いに156.08円まで値を戻した。欧州市場は155.70円で取引が始まり、欧州・英系金融株が弱く円買いが続き、154.07円まで急落、ユーロドルの上昇+堅調な株高に156.56円まで続伸したが、ファンド筋からユーロ売りが続き、米国株もマイナスに変わり下落幅が拡大すると、154.08円まで続落となり、06:00時では154.85円で取引されている。


●主な経済指標の結果
08:50 日本 1月の全産業活動指数=前月比0.0%(予想0.1% 前回-0.2%)
18:30 英  イングランド銀行3月の英金融政策委員会の議事録発表=7対2で金利据え置きを決定(予想8対1)、ギーブ副総裁とブランチフラワー委員が0.25%の利下げを主張。
18:30 英 2月の失業率=2.5%(予想2.5% 前回2.5%)、ILO=5.2%(予想5.2% 前回5.2%)、平均所得(3ヶ月平均)=3.7%(予想3.8% 前回3.8%)、失業者増減=-2.8万人(予想-0.5万、前回-0.91万人←-1.08万人)
19:00 ユーロ 1月の貿易収支=-107億ユーロ(予想-50億ユーロ 前回-41←-42億ユーロ)
21:30 カナダ 1月の卸売売上高=前月比2.6%(予想1.0% 前回-2.6←-2.9%)


●昨日の主な発言その他
米国・カナダ
◎米ゴールドマン=週内にもFRBの新貸出制度を試験的に利用する。
◎米リーマン・ブラザーズ、モルガン・スタンレー=FRBのプライマリーディーラー(米政府証券公認ディーラー)新貸出制度を既に利用したことを明らかにした。
◎米連邦住宅公社監督局(OFHEO)=米ファニーメイとフレディマックの資本規制を緩和、最大2000億ドルをモーゲージ市場に投入可能。最低基準の30%→20%に引き下げ、今後さらに引き下げることも検討。
◎ポールソン米財務長官=政府系住宅金融機関(GSE=ファニーメイとフレディマック)の住宅融資市場を支援するため資本規制緩和を実施。
◎米モルガン・スタンレー=第1値半期(12─2月期)は3割減益、資産損失や評価損に絡み23億ドルを計上、1株当たり1.45ドルで利益は予想大きく上回る。


欧州・英国
◎メルシュ・ルクセンブルク中銀総裁=ユーロ圏経済が米景気減速や現在の通貨市場の動向の影響を免れる可能性は低い。米サブプライムローン問題の影響については、当初想定されていたよりも大きく長期に及ぶ。減速する米需要と通貨の混乱による影響を免れることはほとんど不可能。
◎ノワイエ・フランス中銀総裁=食品・エネルギー価格の高騰が物価圧力を引き起こして、インフレ期待抑制の重要性を強調。インフレに対する明らかな上向きバイアスが存在し、経済政策上考慮しなければならない。ユーロ圏のインフレは今後数カ月、引き続きECBが上限とする2%を大幅に上回る可能性があるが、2008年後半には低下すると予想。
◎BOE各メンバーは予定を変更=ギーブ英中銀副総裁(講演注視、市場監視に従事)、キング総裁・ロマックス副総裁(地方講演を中止)。
◎イングランド銀行、市場のウワサを否定=-英銀行の問題を協議するような会合は行っていない。
◎仏BNPパリバ=ソシエテジェネラルとの提携についての検討を中止した。
◎独ハンブルク世界経済研究所(HWWI)=2008年の独GDP1.7%→1.5%に引き下げる。
◎クレディ・スイスがUBSに対して買収提案とのうわさ。


日本・その他
◎カーライルグループ日本共同代表=信用収縮でファンドの投資環境は非常に厳しい状況。米国ではほとんどの銀行がLBOでの貸出を止めている。邦銀からの調達、ある程度できるが額としては減っている。
◎日銀=総裁代行に白川副総裁を任命。
◎政府は3月の月例経済報告=景気回復はこのところ足踏み状態、基調判断を2カ月連続で下方修正。景気は踊り場的な状況。設備投資はおおむね横ばい、判断を6カ月ぶりに下方修正。企業収益は弱含み、判断を3カ月ぶりに下方修正。生産は横ばい、判断を2カ月連続で下方修正。景気回復はこのところ足踏み状態、基調判断を2カ月連続で下方修正
◎ゴールドマン・サックス=日銀が4月にも0.25%の利下げを予想。
◎アブダビ投資庁(ADIA)が、首長家相続準備で日本に持つ株式や不動産などの資産の一部を売却との観測。
◎中国人民銀行(2007年の国際金融市場に関するリポート)=米サブプライムモーゲージ危機などの影響で下落したドルについて、2008年末までに持ち直す可能性がある。世界の金融市場はさらに混乱が続き、原油や貴金属価格は引き続き高水準で推移。
◎サウジアラビア通貨庁(中央銀行)=リバースレポ金利を3.0%から0.75引き下げ2.25%。ベンチマークの貸出金利は5.5%に据え置いた。
◎アラブ首長国連邦(UAE)の中央銀行=翌日物レポ金利を0.75引き下げ、2.25%
◎バーレーン中央銀行=政策金利の1週間物預金金利を0.75%引き下げ、2.25%。
◎香港金融管理局(HKMA)=政策金利の割引基準金利を0.75%引き下げ、3.75%。

2008年3月20日 本日の為替戦略

本日は日本が祭日で休場となり、明日は海外主要市場の多くが休場となり、来週月曜日も海外市場では休場が多くなる、春本番のイースター休暇が始まる。


米FRBは2ヶ月を過ぎないうちに過去に例を見ない、2%の大幅な利下げを実施、昨日は、米連邦住宅公社監督局(OFHEO)が、米ファニーメイとフレディマックの資本規制を緩和、最大2000億ドルをモーゲージ市場に投入することができる。新設された、米政府証券公認ディーラーの新貸出制度に、リーマン・ブラザーズ、モルガン・スタンレーが既に利用済みで、ゴールドマンも今週中に利用をするとのこと。


ベアー・スターンズも何とか破綻を免れ、現状は次のベアーは何処? と、うわさされ相場が動くが、クレジット市場の反応はこれを評価し、ドルの買い戻しが続く可能性もある。問題は、これが短期的に終了するのか、継続するのかで、そのリスクは7対3でこの問題が継続する可能性が高く、FRBの継続的な利下げを予想する金融機関も多い。


しかし、30%の確立があると想定すれば、そのリスクを何処でヘッジするかが問題となり、そう考えれば、引き続き、クロスでは円買いを継続することも選択肢。


本日の経済指標・その他では、独・ユーロ圏PMI、英小売売上高、米フィラデルフィア連銀景況指数、OECDが米国・欧州・日本経済の最新見通しは注意したい。


●ドル円
ドル円は、ドル高の流れの中で、クロスでは円買いが強く、結果的にドル円は上昇もできず、下落もできない混沌とした相場となっている。また、急激なドル売りの反動からのドル買い相場の割には、円は非常に堅調とも言える。しかし、昨日の日本時間夕刻のドル円の急落(円高)の恐怖感と要因(欧米・英・カナダ・豪金融機関の損失・破綻のウワサ)は、市場のセンチメントを示しており、今後もこの恐怖感が続きそうである。


ドル円の4時間チャートは、下降トレンドが続き、97~100円のレンジに入っている。上値のポイントは、99.07円、99.99円、100.50~58円、101.14円、101.45円。下値のポイントは、97.80円、96.87円、95.73円、95.12円。RSIは41と横ばいで引き続き50を割り込み、トレンドモメンタムは買いが続いている。トータルの判断は、売りだが、広くは96.87円~100.50円のレンジを予想。


●ユーロドル
ユーロドルは、横綱相撲でじわじわ上昇しようとしているのか、反転しようとしているのか、白黒がはっきりとしない。あいも変わらず、ECB当局者はインフレリスクを危惧しているが、BOEは遅かれ早かれ利下げは避けられない状態で、結果はEURGBPの買の材料は続きポンドは弱い。EURUSDは3日間連続でローソク足チャートの上髭が長い状態が続き、下落を思わせるようにも見える。


ユーロドルの4時間チャートは、上昇トレンドが続き、ラインの下限近くで取引が続いている。上値のポイントは、1.5673、1.5761、1.5900、1.5965。下値のポイントは、1.5605、1.5581、1.5531、1.5281。RSIは51と下降ラインができ、トレンドモメンタムは売りを継続。トータルの判断は、売りだが、1.5531~1.5761のレンジで、これを割り込むと流れが加速。


●ポンド円
ポンド円は、HSBCの株価は弱く英系銀行の不安が続く。BOEの利下げ観測も続き、この3日間は192~201円のレンジで激しい上下を繰り返し、こんなに変動が激しいと、とても安心して取引ができる状態とは言いがたい。しかし、このような水準で(最近のレンジ下限)、激しく売り買いが交錯(日々7円近くの上下)した後の、方向性は重要で、日本の休場、イースターの長期休場の状況を勘案すると、どちらかへ動くことを期待したい。その期待感は下。


ポンド円の4時間チャートは、下降トレンドが続き、192~202円の10円幅で取引されている。上値のポイントは、198.43円、202.07円、203.37円。下値のポイントは、192.50円、190.40円、RSIは34と再び下げに変わり、トレンドモメンタムは買いが続き、ミックス。トータルの判断は、売り。


●本日の経済指標・その他
春分の日(東京市場休場)
16:00 独 2月の生産者物価指数(PPI)=前月比予想0.3% 前回0.8%、前年比予想3.3% 前回3.3%
16:15 スイス 2月の貿易収支=予想9.47億スイス、前回10.56億スイス
17:15 スイス 2月の生産者物価(PPI)=前月比予想0.3% 前回0.5%、前年比予想3.7% 前回3.7%
18:00 ユーロ 3月の製造業PMI=予想51.9 前回52.3、サービス業PMI=予想52.0 前回52.3、総合PMI=予想52.4 前回52.8
17:30 独 3月の製造業PMI=予想 前回54.3、サービス業PMI=予想 前回52.3、総合=予想 前回53.7
18:30 英 2月の小売売上高=前月比予想-0.2% 前回0.8%、前年比予想3.6% 前回5.6%、
18:30 英 2月のPSNB=予想25億ポンド 前回-141.3億ポンド、PSNCR=予想215億ポンド 前回-221.1億ポンド
18:30 英 2月のマネーサプライM4・速報=前年比予想1.30% 是内13.1%
21:30 カナダ 2月の景気先行指数=前月比予想0.1% 前回0.2%
21:30 米 新規失業保険申請件数( 3/16までの週)=予想360万件 前回35.3万件
23:00 米 3月のフィラデルフィア連銀景況指数=予想-18.5 前回-24.0
23:00 米 2月のCB景気先行指数=前月比予想-0.3% 前回-0.1%
OECDが米国・欧州・日本経済の最新見通しを発表
米債券市場は短縮取引日本時間03:00時まで

100年企業18 旧財閥系の100企業 地方財閥(阪神財閥)-旧川西財閥、嘉納財閥

阪神地区では明治初期に多くの紡績・繊維事業が始まった。紡績事業が拡大した理由は、渋沢栄一が企画し、藤田財閥の藤田伝三郎が1882年、日本初の本格的な紡績会社である大阪紡績(現東洋紡績)を大阪に設立したことにある。これにより地場産業が刺激され、時流に乗ろうとする起業家が相次いで登場したのだ。


大阪生まれの川西清兵衛が中心となり、投資家・小曽根喜一郎ら神戸の実業家27人を発起人として1896年に設立したのが「日本毛織」、通称ニッケだ。同社は現在もウールのトップメーカーとして営業を続ける「100年企業」だ。繊維・非繊維事業に多くの関連会社を持ち、ニッケ企業グループを築いている。川西は戦争景気によって軍用毛布の売上で資産をつくり、1907年には鉄道事業に乗り出したのち、皮革事業、生糸事業など多数の関連事業を出かけ、川西財閥を形成した。清兵衛は戦前、日本羊毛工業会会長、神戸商工会議所会頭も務めた。


川西財閥は日本毛織を核とする繊維財閥だが、まったく畑違いの機械製造事業でも高い評価と実績を残している。ベンチャー精神にあふれる清兵衛は1918年、元海軍機関将校の中島知久平の飛行機事業に参画。1年後には中島と決別したが、1903年に神戸に創業した「川西倉庫」に「川西機械製造所」を設立。初代社長の川西龍三は清兵衛の次男だ。1928年には飛行機部門を分離独立して「川西航空機」を設立した。ここから紫電改や二式飛行艇が誕生したのである。戦闘機ファンにとっては「伝説の戦闘機メーカー」である。


川西機械製造所は、戦前に真空管やレントゲンなど精密機械を生産し、当時の最高水準のものと評価された。戦後、解体清算されて誕生した神戸工業が1968年に富士通と合併して生まれたのが「富士通テン」である。同社は現在も創業地の神戸に本社を置いている。一方、川西航空機を母体として創業したのが現在の「新明和興業(現新明和工業)」だ。同社の創業には川西龍三がかかわったが、日立製作所の傘下としての再スタートだった。川西機械製造所と川西航空機は現存していないが、「100年企業」川西倉庫は現在、倉庫業と物流業を展開している。


ところで、川西清兵衛と決別した中島知久平は「中島飛行機」を設立し、エンジンや機体の開発に高い技術を発揮。太平洋戦争終戦まで東洋最大の航空機メーカーとなる。こちらも戦闘機ファンには「伝説の戦闘機メーカー」である。中島飛行機の解体後、技術者の多くが自動車産業へ転身し、そのうちの一社が富士重工業(スバル)であることはよく知られている。


さて、阪神といえば甲陽学院中学・高校(白鹿グループ)のように、資産家が設立した私立校が多い地区でもある。進学校として名高い灘中・灘高は、銘酒「菊正宗」や「白鶴」で名高い嘉納家が設立した学校だ。学校法人灘育英会は現在、菊正宗酒造の11代当主で社長の嘉納毅人氏が理事長を務めている。嘉納本家(本嘉納)は1659年に酒造業に進出。適度に硬度があり、鉄分を含まない地下水によって、江戸時代に良質の酒を量産できるようになり、「灘」は良質の酒の代名詞となった。本嘉納が家業として営む菊正宗酒蔵は、300年以上の歴史を持つ「100年企業」だ。


その本嘉納八代目と分家(白嘉納)が設立したのが、旧制灘中学であった。八代目嘉納治郎衛門は土地や建物、株などの投資事業を行い、灘商業銀行(のちに岡崎銀行ほかと合併し神戸銀行に)を設立し、自身は頭取に就任。酒造業と投資事業を営む嘉納財閥として名を馳せた。ちなみに治郎衛門に酒造業対象の銀行設立を進めたのは、のちに第4代総理となる松方正義であった。


一方、分家の白嘉納家は「白鶴」ブランドの醸造で酒造業を営み、日本最大の酒造メーカーへと成長した。1897年設立の白鶴酒造はもちろん「100年企業」である。ほかに灘の酒造業で財力を蓄えたのに「櫻正宗」ブランドで知られる山邑(やまむら)家がある。こちらも1717年創業の老舗「100年企業」である。

By Master K/益田 慶

2008年03月21日

ヨーロッパの財閥と企業グループ 71 エネルギー資源をめぐる攻防(9)

国際エネルギー機関(IEA)の報告書によれば、旧ソ連邦時代からの主力ガス田の生産は過去5年間に約15%減少したとのことです。2001年に生産を始めた西シベリアのガス田の増産が減少分を埋めてきましたが、ここも2005年にピークを打ち、他のガス田開発のメドは立っていません。


近年話題になっている世界最大級のガス田に、北極海の一部であるバレンツ海・シュトクマンがあります。世界最大のガス企業「ガスプロム」が乗り出したこのガス田開発は、初期投資だけで200億ドルという巨大事業です。「技術的にも資本的にも米欧メジャーの支援なくして開発は不可能」と言われており、ガスプロムの事業独占と外資からの埋蔵量に見合う権益交換の提案を求める数年に亘る交渉は、条件が折り合わず交渉は打ち切られました。


それが今年の7月に新たな進展を見せたのです。ガスプロムがシュトクマンのガス田開発にフランスの石油大手「トタル」を参入させることで合意したというのです。資源分野で外資排除を進めるロシアですが、開発が困難な現場については外国の技術と資金を投入させようという目論見があるのでしょう。「流氷下の水深350メートルにある同ガス田の開発を独力で行う技術力はない」と指摘する専門家もいます。

ガスプロムによると、トタルは同ガス田の「初期段階の開発」を担当する事業会社の株式25%を獲得したようです。ただし、ガス田の開発権益を有する中核事業会社の株式100%は、「ガスプロム」が維持することには変わりありません。


プーチン政権は2004年、石油大手ユコスを解体したのを皮切りに、石油・天然ガス分野の国家管理を急速に進めてきました。2006年には、「ロイヤル・ダッチ・シェル」が主導していた極東のガス田「サハリン2」の経営権を「環境破壊」を口実に奪取、今年に入っても英BP社が進めていた東シベリアのコビクタ・ガス田の経営権を譲渡させました。


それでも、外資側のロシアへの参入意欲は衰えず、このほどシェルはロシア国営の石油大手「ロスネフチ」との間で、BP社は「ガスプロム」との間で、それぞれ将来の資源開発に関する「協力協定」を締結しました。世界的にも、石油・天然ガスの有望埋蔵地が政治的に不安定な国・地域に分布しているためと見られています。そのひとつが北極海なのです。地球温暖化によって北極海の氷山が解けつつあることで、船が運行できるメドが立ち、開発が急遽進められているのです。

シュトクマンのガス埋蔵量は約3兆立方メートル以上とされ、世界のガス需要を丸1年満たすことができる規模です。ガスプロムは2013年にパイプライン、2014年に液化天然ガス(LNG)での出荷を開始したいと計画しています。


ガスプロムは、世界の確認ガス埋蔵量の約17%を持ち、売り上げ規模500億ドル、主要ガス田と供給網を独占する巨大企業グループへと成長しました。2000年以降、ガスプロムは本業以外の不動産やテレビ局「NTV」をはじめ、新聞、雑誌などメデア事業などへ300億ドル超を投資、ガス生産関連向けは125億ドルと半分以下に留まっています。これは政権の意向によるメデイア支配、短期利益志向の投資優先と見られています。


この独占企業の非効率性と外資の投資を阻止する体質によって、需要の拡大にもかかわらず、肝心のガス生産量はこの数年ほぼ横ばいで推移していることもあって、ロシア政府は北極海の開発を急いでいたのでしょう。しかし現状では、中央アジアからの輸入拡大は避けられない状態にあります。


また電力事情も政府系統一エネルギーシステムが独占しているものの、国内需要と輸出契約に対する供給が追いつかなくなり、ロシアは今年から電力の純輸入国に転落すると予測されています。一見エネルギー大国に映っているロシアですが、実は需要と供給のバランスが崩れ始めているようなのです。こうした現実と政治・経済・地政的状況からどのような展開になって行くのか、欧州とロシア・中央アジアの動向が注目されます。

By Master K/益田 慶

2008年3月21日 20日の海外為替市場

商品価格が下落、原油価格が一時98.65ドルまで下落、金価格も一時904.50ドルまで下落、NYダウは12361.32(+261.66ドル)と上昇、資源国通貨が下落=USDCAD1.0230(前日1.0136)、AUDUSD=0.8991(前日0.9140)、NZDUSD=0.7910(前日0.8000)、そして、EURUSD=1.5430(前日1.5624)とドル買いが強まる。


アジア市場は、日本が春分の日で休場となり、21日(金曜日)から始まる海外市場のイースター休暇を控え、市場参加者も少なく、アジア市場は閑散な取引が続いた。


欧州市場では、英国小売売上高=前月比1.0%(予想-0.2%)と強く、GBPUSD=1.98台半ばでドル買いの中で比較的堅調に推移、GBPJPY=一時198.33円まで上昇(米国市場ではイングランド銀行の資金供給=信用不安に一時195.10円まで下落)。ユーロロングポジションの調整なのか、ユーロ高懸念発言や思惑+ ECBが最大150億ドルの資金供給オペを発表、金融不安にユーロは弱く続落。AUDUSD=0.9160→ 一時0.8953まで下落、0.9000オプション・ノックアウトを試し続落。


米国市場では、カナダ景気先行指数=前月比-0.3%(予想0.1%)と弱く、商品価格の下落にCAD売りが強まる→ USDCAD=一時1.0294まで上昇、CADJPY=一時95.70円まで下落。弱い米フィラデルフィア連銀景況指数+米景気先行指数にもドル売りは鈍く、FRBが「TSLF」を通じて米国債貸出を、最大750億ドルを発表、米国株の上昇にドルは堅調に推移。そして、クロスでは米国株高にもかかわらず、信用不安が続き円買いの流れが続いた。


●ドル円  
アジア市場のドル円は99.01円で取引が始まり、米国市場の流れを受けて早朝に98.56円まで下落したが、超閑散とした取引の中で、米銀筋の買いに99.34円まで上昇、99.10~30円の狭いレンジで取引から、欧州勢の売りに98.88円まで値を下げた。欧州市場は98.94円で取引が始まり、99円以下では欧州勢の買いが続き、GBPJPYの買い+EURUSDの下落に、前日海外市場の高値99.84円を超え、ストップロスの買いを誘発し100.21円まで急伸した。100円台では本邦輸出筋や機関投資家の売りオーダーは厚く、99.80~20円での売り買いの攻防から、弱い欧州株に円買いが強く、EURJPYも154円を割れ、ECBフィキシングの売りに99.06円まで下落した。米国株が強く99.56円まで上昇、弱い米フィラデルフィア連銀景況指数+米景気先行指数に、99.56円の高値から、98.45円まで下落、アジア筋の買いにアジア市場の安値98.56円を割り込み、CTA筋の売りに一時98.48円まで急落した。米国株が上昇幅を拡大、ファンド勢や投機筋の買い戻しに99.58円まで上昇、本邦実需筋のドル売りが続き上値も重く、06:00時では99.50円で取引されている。


●ユーロドル
アジア市場のユーロドルは1.5621で取引が始まり、早朝の1.5650を高値に、薄商いの中で1.5568まで下落、1.5570~10のレンジで取引が続いた。欧州市場は1.5597で取引が始まり、1.5607を高値に金融不安が続き株価は弱く、商品市場の下落も一因となりユーロ売りが続いた。クレディ・スイス第1四半期に損失計上する可能性を警告、パパデモスECB副総は為替の変動は行き過ぎと警告、ECBは現状のEURUSDの水準に不満足で、為替に関しての文言が変更されるとのウワサも広まり、弱い米経済指標にも反応は鈍く、ECBの資金供給に1.5396まで続落となった。1.5400近辺ではアジア中銀筋やオプション勢の買いが入り下げ止まり、1.5472まで値を戻し、06:00時では1.5430で取引されている。


●ユーロ円
アジア市場のユーロ円は154.74円で取引が始まり、朝方に154.10円まで下落、その後も薄商いの中で154.10~80円のレンジで取引が続き、欧州勢の買いに154.85円まで上昇、再び154.18円まで値を下げ、結局はレンジを抜け出すことはできなかった。欧州市場は154.29円で取引が始まり、GBPJPYの買い+欧州勢の買いに155.17円まで上昇、EURUSDが1.56台から下落が始まり、弱い欧州株に円買いが強く、154円を割り徐々に値を下げ、ECBフィキシングの売りが加速153.03円で続落となった。153円の買いに支えられ暫く153.00~35円のレンジで売り買いが交錯したが、EURUSDの下落+英系金融機関のGBPJPYの売りに151.70円まで急落、米国株が上昇幅を拡大、終盤にかけては153.60円まで値を戻した、06:00時では153.51円で取引されている。


●主な経済指標の結果
春分の日(東京市場休場)
16:00 独 2月の生産者物価指数(PPI)=0.7%(前月比予想0.3% 前回0.8%)、前年比3.8%(予想3.3% 前回3.3%)
16:15 スイス 2月の貿易収支=15.5億スイス(予想9.47億スイス、前回10.56億スイス)
17:15 スイス 2月の生産者物価(PPI)=前月比0.2%(予想0.3% 前回0.5%)、前年比3.6%(予想3.7% 前回3.7%)
18:00 ユーロ 3月の製造業PMI=52.0(予想51.9 前回52.3)、サービス業PMI=51.7(予想52.0 前回52.3)、総合PMI=51.9(予想52.4 前回52.8)
17:30 独 3月の製造業PMI=54.9(予想 前回54.3)、サービス業PMI=52.5(予想51.9 前回52.)
18:30 英 2月の小売売上高=前月比1.0%(予想-0.2% 前回1.1←0.8%)、前年比5.5%(予想3.6% 前回5.9←5.6%)→ 予想を上回りポンド買いが強まる。
18:30 英 2月のPSNB=26.7億ポンド(予想25億ポンド 前回-139.5←-141.3億ポンド)、PSNCR=289.7億ポンド(予想215億ポンド 前回-220.1←-221.1億ポンド)」
18:30 英 2月のマネーサプライM4・速報=前年比12.3%(予想1.30% 是内13.1%)
21:30 カナダ 2月の景気先行指数=前月比-0.3%(予想0.1% 前回0.1←0.2%)
21:30 米 新規失業保険申請件数( 3/16までの週)=37.8万件(予想36.0万件 前回35.6←35.3万件)
23:00 米 3月のフィラデルフィア連銀景況指数=-17.4(予想-18.5 前回-24.0)→マイナスは4ヶ月連続、新規受注=-9.3(前回-10.9)、支払価格=54.4(前回46.6)、従業員数=-4.7(前回2.5)
23:00 米 2月のCB景気先行指数=前月比-0.3%(予想-0.3% 前回-0.4←-0.1%)→5ヶ月連続低下は2001年来、一致指数=0.0%(前回0.0%)、遅行指数=0.2%(前回0.1%)


●昨日の主な発言その他
米国・カナダ
◎FRB=Term Security Lending Facility「TSLF」を通じて米国債貸出を最大750億ドル行う。
◎米シティ=投資銀行・トレーディング部門で2000人を追加削減(1月に42000人削減を既に発表)。
◎英メリルリンチ=資産売却を検討とのウワサが好感され株価上昇。


欧州・英国
◎イングランド銀行声明=銀行と綿密な連絡を続ける事で合意。英中銀、英主要銀行は、秩序ある市場の正常化を望む。
◎イングランド銀行=週初めに供給した50億ポンドの借り換えに応じる。
◎ECB=最大150億ドルの資金供給オペを発表。
◎MMS=ウワサではECBは現状のEURUSDの水準に不満足で、為替に関しての文言が変更される。
◎パパデモスECB副総=為替の変動は行き過ぎ。行き過ぎた為替変動は望ましくない。為替の動きは関心事。ユーロ圏において信用収縮の兆しはみられない。非金融機関への与信拡大は引き続き非常に強い。インフレが数カ月は現在の3.3%近辺に留まり、その後年末に向け2%に低下を予想。
◎クレディ・スイス=クレディ・スイス第1四半期に損失計上する可能性を警告。


日本・その他
◎ロシア金・外貨準備急増=3月14日5021億ドル(3月7日4945億ドル)
◎OCED発表G7GDP予想=2008年第1四半期→第2四半期 米国=0.1%→0.0%、日本=0.3%→0.2%、ユーロ圏=0.5%→0.4%、英国=0.6%→0.6%、カナダ=0.3%→0.2%。声明=長引く金融市場の混乱を背景に、米サブプライムローン問題などを発端とする圧力が新たな市場や制度に及ぶ傾向が見られ、全般的な慎重さやリスク再評価につながっていると。実体経済が懸念されるなか、世界の短期的な経済見通しは07年12月に発表した「エコノミック・アウトルック」から弱まっている。
要因としては、①金融市場の混乱による実体経済への影響、②米国をはじめとする住宅市場の低迷、③エネルギー・食品価格上昇による実質所得への圧迫。特に米国で顕著だが、OECD加盟国にも見られ、影響が近く薄らぐ可能性は低い。

2008年3月21日 本日の為替戦略

今日からイースター休暇に突入、通常は市場参加者も少なく、閑散とした相場とるが、本日もそれを期待したい。


この2日間はEURの弱さが目立つ。EURUSDは1.5905(17日)→1.5395(20日)=約500ポイント近くも下落、USDJPYが95.77円(17日)→100.45円(19日)=約500ポイント上昇したが、昨日は再び一時98円台まで下落するなど、円は健闘している。


金融不安が続く中で、中銀もこの連休中に金融不安が発生することを危惧、英国、ユーロ、米国の中銀は資金供給を実施し、商品価格の下落と合わせ、円がクロスで買われる要因となっている。


クロスでは円高傾向が続いているが、総じてレンジの下限近辺で上下し、揉み合いが続き、そろそろ下落が加速するか、反転するか決着がつきそうな気配でもある。


●ドル円
ドル円は、100円台はこれで2日間跳ね返された。100.45円、100.21円と上値が切り下がり、底値は95.77円(17日)、96.86円(18日)、97.67円(19日)、98.45円(20円)と切り上がり、100.50~60円を超えると買いが加速する可能性が高まる。しかし、信用不安のヘッジ通貨ともなっている円は、世界的な信用不安が払拭できず、状況証拠としては円売りの材料は少ないく、戻り売り、抜けたら撤退。


ドル円の4時間チャートは、下降トレンドが続きながらも、97.80~100.45円のレンジで取引が続いている。上値のポイントは、99.80円、100.10円、100.45円、100.58円、101.14円。下値のポイントは、97.80円、97.35円、96.48円、95.73円、95.60円。RSIは51とやや上昇、久々に50を超えている。トレンドモメンタムは買いを継続。トータルの判断は、円高センチメントに反して、やや買いが優勢となっている。100.58円を超えるまででは、本格的なドル反騰は難しが、超えると売りから買いに変化。それまでは、97.35円~100.45円のレンジを予想。


●ユーロドル
ユーロドルは、ECBの資金供給、ECBのユーロ高懸念発言と政策変更のリスク、欧州系銀行の金融不安・・。別に新たに勃発した材料ではないのであろうが、1.5905から大幅な下落に、押し目買い+戻り売りが拮抗しながらも、イースター休暇前のポジション調整だけのユーロ下落とは思えず、下値のリスクを警戒している。


ユーロドルの4時間チャートは、上昇トレンドの下限を割り込み、売りに変化している。上値のポイントは、1.5562、1.5664、1.5831。下値のポイントは、1.5394~00、1.5300、1.5115、RSIは38と下降ラインが続き、トレンドモメンタムは売りを継続している。トータルの判断は、売り。1.5562近くまでもドル可能性もあるが、も戻り売り。


●ポンド円
ポンド円は、英小売売上高が強くポンド買い、BOEの資金供給に金融不安との思惑からポンド売りと、売り買いが混在している。ドル買いの流れにも前日比ほぼ変わらずの水準で取引を終了し、通貨としては健闘している。クロスでも円高値圏で揉み合いとなり、大きなレンジ相場に陥り、揉み合いから抜け出した方向に追従するのがセオリーだが、相場観は下げ。


ポンド円の4時間チャートは、下降トレンドが続いているが、目先は三角持合となり徐々に収束している。上値のポイントは、198.00円、198.43円、201.79円、202.07円。下値のポイントは、196.02円、193.25円、192.53円。RSIは45と上昇ラインが続き、トレンドモメンタムも買いを継続している。トータルの判断は、やや買いが優勢となっていが、反面、下降トレンドが続きどうも次の動きが読み難くなっている。そろそろ、192.53円を割り込むか、201.79円を上抜けするか、動きそうな気配。


●本日の経済指標・その他
オーストラリア、NZ、香港、シンガポール、独、仏、スイス、英国、南ア、カナダ、米国休場 (イースター休暇)

2008年3月21日 本日の為替戦略

今日からイースター休暇に突入、通常は市場参加者も少なく、閑散とした相場とるが、本日もそれを期待したい。


この2日間はEURの弱さが目立つ。EURUSDは1.5905(17日)→1.5395(20日)=約500ポイント近くも下落、USDJPYが95.77円(17日)→100.45円(19日)=約500ポイント上昇したが、昨日は再び一時98円台まで下落するなど、円は健闘している。


金融不安が続く中で、中銀もこの連休中に金融不安が発生することを危惧、英国、ユーロ、米国の中銀は資金供給を実施し、商品価格の下落と合わせ、円がクロスで買われる要因となっている。


クロスでは円高傾向が続いているが、総じてレンジの下限近辺で上下し、揉み合いが続き、そろそろ下落が加速するか、反転するか決着がつきそうな気配でもある。


●ドル円
ドル円は、100円台はこれで2日間跳ね返された。100.45円、100.21円と上値が切り下がり、底値は95.77円(17日)、96.86円(18日)、97.67円(19日)、98.45円(20円)と切り上がり、100.50~60円を超えると買いが加速する可能性が高まる。しかし、信用不安のヘッジ通貨ともなっている円は、世界的な信用不安が払拭できず、状況証拠としては円売りの材料は少ないく、戻り売り、抜けたら撤退。


ドル円の4時間チャートは、下降トレンドが続きながらも、97.80~100.45円のレンジで取引が続いている。上値のポイントは、99.80円、100.10円、100.45円、100.58円、101.14円。下値のポイントは、97.80円、97.35円、96.48円、95.73円、95.60円。RSIは51とやや上昇、久々に50を超えている。トレンドモメンタムは買いを継続。トータルの判断は、円高センチメントに反して、やや買いが優勢となっている。100.58円を超えるまででは、本格的なドル反騰は難しが、超えると売りから買いに変化。それまでは、97.35円~100.45円のレンジを予想。


●ユーロドル
ユーロドルは、ECBの資金供給、ECBのユーロ高懸念発言と政策変更のリスク、欧州系銀行の金融不安・・。別に新たに勃発した材料ではないのであろうが、1.5905から大幅な下落に、押し目買い+戻り売りが拮抗しながらも、イースター休暇前のポジション調整だけのユーロ下落とは思えず、下値のリスクを警戒している。


ユーロドルの4時間チャートは、上昇トレンドの下限を割り込み、売りに変化している。上値のポイントは、1.5562、1.5664、1.5831。下値のポイントは、1.5394~00、1.5300、1.5115、RSIは38と下降ラインが続き、トレンドモメンタムは売りを継続している。トータルの判断は、売り。1.5562近くまでもドル可能性もあるが、も戻り売り。


●ポンド円
ポンド円は、英小売売上高が強くポンド買い、BOEの資金供給に金融不安との思惑からポンド売りと、売り買いが混在している。ドル買いの流れにも前日比ほぼ変わらずの水準で取引を終了し、通貨としては健闘している。クロスでも円高値圏で揉み合いとなり、大きなレンジ相場に陥り、揉み合いから抜け出した方向に追従するのがセオリーだが、相場観は下げ。


ポンド円の4時間チャートは、下降トレンドが続いているが、目先は三角持合となり徐々に収束している。上値のポイントは、198.00円、198.43円、201.79円、202.07円。下値のポイントは、196.02円、193.25円、192.53円。RSIは45と上昇ラインが続き、トレンドモメンタムも買いを継続している。トータルの判断は、やや買いが優勢となっていが、反面、下降トレンドが続きどうも次の動きが読み難くなっている。そろそろ、192.53円を割り込むか、201.79円を上抜けするか、動きそうな気配。


●本日の経済指標・その他
オーストラリア、NZ、香港、シンガポール、独、仏、スイス、英国、南ア、カナダ、米国休場 (イースター休暇)

2008年3月21日 FX検定 きょうの問題 デンマークの失業対策

2005年、デンマークは雇用対策として労働対策と失業給付とを合わせてGDPの4.6%を支出した。1993年の失業率は10%以上あったが現在では3%未満になり、1年以上の長期失業者は0.8%にまで落ち着いている。デンマークの柔軟性と保障・安定性を兼ね備えた雇用政策を何と呼ぶか。


正解 フレキシキュリティ(Flexicurity)


解説

柔軟性Flexibility 保障・安定性Securityからの造語

デンマークの労働政策が注目を集めている。労働政策上、柔軟な雇用と安定した雇用は二律背反になると考えられてきたが、デンマークはこの両立を目指している。OECDのなかでデンマークは解雇が容易な国に分類される。しかし、就業支援など積極的労働市場支援は手厚く、失業給付の水準も高い。


有体に言うと、企業は容易に解雇ができるが、労働者は失業しても高水準の失業手当が受けられ、再就職のための就業支援が完備しているということである。デンマークでは、労働者の11%が毎年失業し、20%が自発的に離職している。つまり毎年労働者の30%が離職しているのである。それでも失業率は3%、長期失業率は0.8%に留まっているのである。


スウェーデンでは労働組合の組織率が高く、労働交渉力も強いのに対し、デンマークでは解雇が容易である。デンマークでは失業補償額が失業前の80%であるため求職活動に熱心でないとの批判もある。この批判に応えて失業給付を短縮した。それでも給付期間は4年である。スウェーデンでは、低所得者層を対象に失業給付水準を当初は80%、40週以降は70%、60週以降は65%と低減させるように変更した。


デンマーク、スウェーデンなど北欧諸国では、解雇された労働者に対する失業保険は、失業前の賃金の60%程度を受け取れる。イギリスは26%、アメリカは33%、日本は45%~80%であるが上限は日額7,000円である。北欧各国は税引き前で、スウェーデン70%、ノルウェー72%、フィンランド73%、デンマーク78%である。いずれの国の政策も高水準の手当てがあり、日本とは雲泥の差である。国民負担率40%の日本、国民負担率70%の北欧各国との差は国民の幸せ度にも出ている。高福祉国家スウェーデンの社会保障支出はGDP比で32%にも及ぶ。


また、就業者の割合は福祉・地域サービス・個人サービスの部門で40%弱にも及ぶ。日本では22%程度である。スウェーデンの社会保障支出GDP比32%は、日本に当てはめると163兆円になる。現状の113兆円との乖離が不足している幸福分である。スウェーデン最大の産業部門は福祉産業なのである。福祉産業は内需と国民の幸福感を維持する内需産業なのである。輸入品の支払いができるるだけの外貨獲得ができるならば、それ以上の外貨獲得よりも国民の幸福感を高める内需に向けるべきであるが、「道路建設」か「福祉」か、どちらが国民の幸せ、国益に准ずるのかは明らかである。


OECDによれば、積極的労働市場政策支出の対GDP比が最も高いのはデンマークの4.5%、オランダ、ドイツ、フィンランドが3%台でフランス、スウェーデンが2%台後半である。これに対し、イギリス、日本、アメリカは0.7%程度と低水準である。新自由主義を採る国の政策が数値的対比を成しているが、日本はこれでいいのだろうか?

FXライフ34 東アフリカの通貨 マダガスカルとモーリシャス

アフリカの東南、インド洋に浮かぶ島国マダガスカル共和国。島の大きさは世界で第4番目。日本の1.6倍の面積にマレー系民族、アフリカ大陸系民族など約1910万人が暮らしている。マレー系民族は、1世紀前後にボルネオからインド洋を横断して渡ってきた人々の子孫とされている。


その後、アフリカ大陸東部から渡ってきた人々が混じったことでアフリカ大陸とは異なる民族構成を示している。やがて欧州列強が植民地として触手を伸ばし、イギリスに先んじてフランスが占領した。1960年の独立後は経済の低迷が続き、一時期社会主義化政策に傾いたものの、経済復興を掲げる実業家のラヴァルマナナが大統領就任後、政局は安定した。2003年にアフリカ連合(AU)復帰、 2005年に南部アフリカ開発共同体(SADC)に正式加盟し、順調に成長している。


通貨は2003年までマダガスカル・フラン(FMG)が流通していたが、同年8月から5分の1の価値(5 FMG=1MGA)の新通貨単位「マダガスカル・アリアリ」(MGA)が登場し、2005年から正式通貨となった。主要貿易国は、輸出入ともフランスがトップを占めている。基幹産業は農業と魚業だが、ラヴァルマナナ大政権下での自由化政策により経済成長が続き、繊維産業の輸出も増えた。


2002年は政局不安によって経済成長率はマイナスとなったが、経済再建が進められ、近年は国内にある二つの世界遺産が人気を呼んで観光サービス業が好調となり、2006年には4.9%成長となった。1990年代にルビー、サファイアなどの鉱床が発見され、鉱業分野での投資も活発化している。現在、世界銀行の融資による第二次民間セクター支援プロジェクト(PDSP2)の枠組で、民間が管理を行う工業団地や輸出加工区(EPZ)の設置が現在検討されている。


後者は外国企業に対する経済特区で、事業開始から5~10年間の所得税免除および以降は10%の税率適用、専門税の免除、関税、輸入税、付加価値税の控除などが実施される。政局が安定し、民族対立もないことから条件は悪くないと見る専門家は多い。今後発展の可能性のある国である。


一方、インド洋のマスカレン諸島に位置する島国がモーリシャスだ。1968年にイギリスから独立した。日本とは関係が深く、遠洋マグロ漁業の中継・補給地として重要な位置にあることから主要援助国となっている。日本との合弁企業によるカツオ、マグロ漁も行われており、漁獲された魚は缶詰原料として供給されている。


国民はインド系住民が7割近く占めている。これはかつて労働者として渡ってきた人々の子孫だ。よって宗教はヒンドゥー教が大半を占めるなどアフリカでは珍しい構成になっている。多民族国家ではあるが、同国でも民族対立はなく、小・中学校は無料で授業が受けられることもあって教育水準は高い。外交は活発で、インド、欧州、アラブ諸国と積極的に貿易を進め、1971年から始まった輸出加工工業地区における繊維産業の輸出が発展し、アフリカで最も豊かな国民所得をもたらした。


通貨はモーリシャス・ルピー(MUR)。経済の3本柱は、砂糖産業、繊維産業、観光業。モーリシャス島は「インド洋の貴婦人」と呼ばれ、欧州人が好む観光用ビーチリゾートが整っている。これらに加え、近年は情報通信分野の振興が見られる。2006年の経済成長は3.5%、失業率は10.2%となっている。植民地時代に発展した主要産業の砂糖生産は、2005年にEUが砂糖域内価格引下げを決定したことから売上はやや低減。繊維産業もアジア諸国との競争にさらされ低迷。政府は財政緊縮政策を打ち出し、外国投資・企業誘致などを通じた経済活性化、産業構造改革に取り組んでいる。同国も大きなポテンシャルを持つ国といえよう。

By Master K/益田 慶

2008年03月22日

外国為替 今週のマーケット 2008年3月24日-3月28日

先週末(3月21日)と月曜日(3月24日)はイースターで海外市場の休場が多く、当然その前に多かれ少なかれポジション調整の動きが入り、相場は動いた。特に目立ったものは、商品価格の下落で、CRBインデックス=416.40(17日)→377.45(20日)、原油=110.35(17日)→98.65(20日)、金価格=1012.40(17日)→904.50(20日)まで下落し、FRBの0.75%政策金利引き下げと、金融機関へのてこ入れ策を好感し、EURUSD=1.5905(17日)→0.9869(19日)下落するなど、主要通貨ではドルの買い戻しが見られた。


今週はその反動に、再び商品価格の上昇=株安=ドル売りが続くのか注目したいが、今週はドル安+欧州通貨停滞からやや弱く+アジア通貨高+円高の流れになりやすい。また、世界の金融センターのロンドンでは、米金融不安の影響を受けやすく、4月の金利引き下げ見通しに売られやすい環境にある。


1.米計上赤字額が再び過去最高に迫る勢い→ 最近の傾向はリスク資産の圧縮に投機的な資金が大幅に減少、経常黒字国通貨高=赤字国通貨安になる傾向が強い。結果できに円高傾向が続きやすい。


2. 米国の政策金利は、2ヶ月で2%引き下げられ2.25%まで低下→ 4月30日には再利下げの可能性が高く、欧米の金利差拡大に、ドル売りセンチメントは変わっていない。しかし、ユーロ高はインフレ抑制に貢献していることは間違いないが、ユーロ高によりユーロ圏の貿易収支が悪化していることは事実で、1月=-107億ユーロ、12月=-41億ユーロ、11月=+30億ユーロと落ち込みが激しいく、ユーロ圏のGDP見通しも20日のOECD最新版予想では、ユーロ圏第1四半期GDP=0.4%まで低下している。


最近では、EU財務相会合で異例のユーロ高懸念が表明され、ユーロ高是正へ動くとのウワサが流れるなど、政治的な問題になっており、この、ユーロ高の落ちどころが難しくなっている。結論として、いままでのような一本調子のユーロ高も考え難い。


3.FRBによる市場への資金供給拡大→ ベアー・スターンズの救済に300億ドルの資金を用意、FRBが決定した新米国債貸出でリーマン・ブラザーズ、モルガン・スタンレーが借入れを行うなど、信用不安解消には良い材料なのであろうが、ゴールドマンもこの制度を利用する意向と言われ、これらの措置で信用不安が解消できるか、様子を見る必要がある。


月曜日の相場はまだお休み気分を抜け出すことはできそうにないが、月曜日の米国市場では株・債券・為替市場と活発に動き始める事が予想さる。市場のセンチメントは、米金融不安の継続にドル下げ見通しと、度重なる積極的な金融機関のてこ入れ策と、思い切った金融緩和政策に、ドル上げ見通しが混在し、上下に動きながらも、現状ではドル高を信じることもできず、経常赤字国を相手にクロスでの円高を期待したい。


今週の経済指標・その他では、
強烈にインパクトの大きな発表はないが、26日にはトリシェECB総裁が欧州議会で証言が注目され、26日~27日には欧米で通貨当局者の発言が多くなっており、最近のユーロ高に関してどのような発言をするのか気になる。


住宅関連では、24日=ライトムーブ住宅価格、米中古住宅販売件数、25日=ケース・シラー米住宅価格指数、26日=米住宅販売件数が相変わらず重要視されている。
インフレ関連では、28日=日本全国CPI、独CPI(未定)が注目されている。
その他では、25日=カナダ小売売上高、米消費者信頼感指数、26日=独ifo、米耐久財受注、27日=米GDP確報値、28日=NZGDP、英GDP、米個人消費支出、米ミシガン大消費者信頼感指数は比較的変動リスクが高い指標となっている。


●3/24 (月曜日) NZ、オーストラリア、ドイツ、フランス、スイス、英国、南ア、香港市場は休場(イースター休暇)
08:50 日本 第1四半期の法人企業景気予測調査=前期比予想 前回0.5%
09:01 英 3月のライトムーブ住宅価格=前月比予想-0.5% 前回3.2% 前年比予想3.7% 前回5.8%
23:00 米 2月の中古住宅販売件数=予想-0.8%・485万件 前回-0.4%・489万件


●3/25(火曜日)
21:30 カナダ 1月の小売売上高=前月比予想1.2% 前回0.6%、除く自動車前月比予想18.0% 前回-0.4%
22:00 米 1月のケース・シラー米住宅価格指数=前月比予想 前回-2.1%、前年比予想 前回-9.1%
23:00 米 3月の消費者信頼感指数=予想73.5 前回75.0
23:00 米 3月のリッチモンド連銀製造業指数=予想-5 前回-5
未定(25~28日) 独 3月の消費者物価指数=前月比予想0.3% 前回0.5%、前年比予想2.9% 前回2.8%、HICP=前月比予想0.3% 前回0.5%、前年比予想3.0% 前回2.9%


●3/26(水曜日)
08:50 日本 2月の通関ベース貿易収支=予想 前回-790億円
18:00 独 3月のifo景況指数=予想103.3 前回104.1、現況指数=予想109.1 前回110.3、期待指数=予想97.7
18:00 ユーロ 1月の経常収支=予想 前回-103億ユーロ
18:00 ユーロ 1月のネット・インベストメントフロー=予想 前回-195億ユーロ
18:00 ユーロ 1月の製造業新規受注=前月比予想0.3% 前回-3.6%、 前年比予想3.9% 前回2.1%
21:30 米 2月の耐久財新規受注=前月比予想0.8% 前回-5.1%、除く輸送機器=予想-0.3% 前回-1.5%、除く国防関連=予想-0.8% 前回-4.4%、除く航空機・非国防資本財=予想-0.1% 前回-1.5%
23:00 米 2月の新築一戸建て住宅販売件数=予想-2.0%・58万件 前回-2.8%・58.8万件
トリシェECB総裁、欧州議会で証言
エバンズ米シカゴ地区連銀総裁が経済見通しについて講演
フィッシャー米ダラス地区連銀総裁が講演「FRBと地域経済」


●3/27 (木曜日)
06:45 NZ 2月の貿易収支=予想-1.8億NZドル、 前回-3.2億NZドル、
06:45 NZ 第4四半期の経常収支=前期比予想-34.99億NZドル、前回-51.74億NZドル、前年同期比予想-138.8億NZドル、 前回-142.3億NZドル
09:30 豪 オーストラリア中銀 金融調査
16:10 独 4月のgfk消費者信頼感調査=予想4.5 前回4.5
20:00 英 3月のCBI販売業=予想-5.0 前回-3.0
21:30 米 第4四半期のGDP・確報値:前期比年率=予想0.6% 前回0.6%、デフレータ予想=2.7% 前回2.7%、最終需要=予想2.1% 前回2.1%、コアPCE価格指数=予想2.7% 前回2.7%、PCE価格指数=予想4.1% 前回4.1%
21:30 米 第4四半期企業利益=予想-0.1% 前回0.0%
21:30 米 新規失業保険申請件数(3/23までの週)=予想36.0万件 前回37.8万件
23:00 米 2月の求人広告指数=予想20 前回21
Gjedremノルウェー中銀総裁発言
クロズナーFRB理事、銀行融資・住宅所有関連法について講演
スターン米ミネアポリス地区連銀総裁が講演  「経済と金融政策についての視点」
ロックハート米アトランタ地区連銀総裁が経済見通しについて講演
ミシュキンFRB理事が講演「コンフォートゾーン(comfort zone)」
マコ ミック米財務次官が講演「米日の経済関係:変貌する世界で不可欠なもの」


●3/28 (金曜日)
06:45 NZ 第4四半期のGDP=前期比予想0.8% 前回0.5%、 年率換算予想3.4% 前回3.3%
08:30 日本 2月の失業率=予想3.8% 前回3.8%、有効求人倍率=予想0.97 前回0.98
08:30 日本 2月の全世帯家計調査-消費支出=前年比予想2.5% 前回3.6%
08:30 日本 3月の東京都区部消費者物価指数=前年比予想0.5% 前回0.4%、除く生鮮食品予想0.5% 前回0.4%
08:30 日本 2月の全国消費者物価指数=前年比予想0.9% 前回0.7%、除く生鮮食品=予想0.9% 前回0.8%
16:00 英 3月のネーションワイド住宅価格=前月比予想2.0% 前回-0.5%、前年比予-0.3% 前回2.7%
16:00 独 2月の輸入物価指数=前月比予想0.5% 前回0.8%、前年比予想5.3% 前回5.2%
18:30 英 第4四半期のGDP・確報値=前期比予想0.6% 前回0.6%、前年比予想2.9% 前回2.9%
18:30 英 第4四半期の経常収支=予想-180億ポンド 前回-200.4億ポンド
19:30 スイス 3月のKOF先行指数=予想1.58 前回1.65
21:30 米 2月の個人所得・消費支出: 個人所得=前月比予想0.3% 前回0.3%、個人消費支出=前月比予想0.2% 前回0.4%、PCE価格指数=前月比予想0.3% 前回0.4%、前年比予想3.6% 前回3.7%、コアPCE価格指数=前月比予想0.1% 前回0.3%、前年比予想2.1% 前回2.2%
23:00 米 3月のミシガン大消費者信頼感指数・確報値=予想70.0 前回70.8
未定(28日~2日) 独 2月の小売売上高=前月比予想0.7% 前回0.7%、前年比予想1.1% 前回0.6%
プロッサー米フィラデルフィア地区連銀総裁がパネル討議に参加 「世界金融政策における問題」

2008年3月22日 21日の海外為替市場

昨日21日の海外主要市場ではイースター休日(グッドフライデー)で、債券・株式・商品市場とも休場で、経済指標の発表もなく、実需筋の売買に相場が動き、ヘッジファンドの利食いにドルはやや値を戻したものの、常連の投機筋の動きも見られず、非常におとなしい取引で終始した。


気になる材料としては、米金融機関の人員削減計画が発表され、米雇用に対して不安感が残り、東南アジア諸国中銀グループが21日、22日間での2日間金融市場とドル安問題などを協議をするとの事である。


●ドル円  
アジア市場のドル円は99.49円で取引が始まり、早朝には米系銀行の売りに、一時99.00円まで下落したが、本邦輸入企業の買いに下げ止まり、同筋のドル買い戻しに99.70円まで上昇、日経平均株価の上昇にクロスを含む円売りが続き、薄商いの中で99.74円まで続伸、99.53~68円のレンジで取引が続いた。海外では主要市場が休場の中で、EURUSDの上昇に99.31円まで値を下げ、EURUSD主導に上下し、一時99.63円まで上昇したが、99.30~60円のレンジでの取引に終始、99.56円で取引を終了した。


●ユーロドル
アジア市場のユーロドルは1.5428で取引が始まり、早朝には米系銀行の買いに、1.5456まで上昇、同筋の売りに1.5405まで下落、EURJPYの買いに徐々に底値を切上げ、午後に入ると1.5466まで上昇した。海外市場ではアジア勢の買いに1.5472まで上昇したが、1.5421円まで下落、1.5463まで上昇、1.5440~60の狭いレンジから、終盤にかけて1.5430まで下落、1.5431で取引を終了した。


●ユーロ円
アジア市場のユーロ円は153.51円で取引が始まり、153.59円まで上昇、EURUSDの売りに153.03円まで下落、153.65円まで上昇、153.15円まで下落と、薄商いで上下し、日経平均株価の上昇に、徐々に底値を切上げ154.02円まで続伸した。海外市場ではアジア勢の買いが続き、154.18円まで上昇、実需筋の売りに153.26円まで下落、153.40円~85円のレンジで取引が続き、153.65円で取引を終了した。


●主な経済指標の結果
オーストラリア、NZ、香港、シンガポール、独、仏、スイス、英国、南ア、カナダ、米国休場 (イースター休暇) 、経済指標の発表はない。


●昨日の主な発言その他
米国・カナダ
◎米金融機関は従業員削減を計画(NYポスト紙)=シティ・グループは2000人、UBSは8000人、リーマン・ブラザーズは1430人の人員削減計画を発表済み。ゴールドマン・サックスも評価損の拡大の思惑に遂に人員削減に踏み切るとの観測。
◎リーマン・ブラザーズ=投資家はすでに国内経済のリセッション入りを覚悟しているが、景気が二番底不況に陥る可能性にも直面している。
◎米経済研究所のエコノミック・サイクル・リサーチ・インスティテュート(ECRI)=米経済はリセッション入りしたと。
◎FRB発表した統計=米プライマリーディーラーが新たに創設されたプライマリーディーラー向け連銀窓口貸出制度(プライマリーディーラー・クレジット・ファシリティー=PDCF)を迅速かつ積極的に利用し、1日当たり134億ドル以上が公定歩合で貸し出されていた
◎金融の米CIT=信用供与枠から73億ドルを調達にグループ株が急落。
◎スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)=ゴールドマン・サックス、リーマン・ブラザーズの見通しをネガティブへ引き下げた。モルガン・スタンレーは依然格下げの可能性がある。


欧州・英国
◎イングランド銀行(英BBC)=資金供給の対象となる担保を拡大する方針。キング・BOE総裁は、HSBC、RBS、バークレイズ・キャピタル、TSBグループ、HBOSなど英5大金融機関の役員と面会。彼らの要請に対し同情的になりつつある。


日本・その他
◎白川方明日銀総裁代行(就任会見)=総裁不在という異例の事態の中でしっかりと任務を遂行していく。政策金利は大きな緩和方向との認識。世界経済の減速傾向や金融市場の不安定さの中で利下げについて、米国では利下げを行っても信用スプレッドが拡大、経済への効果は短期金利だけでは評価できない。効果の波及に時間がかかることや予断を持たない。足もとの景気は不確実性高くかなり減速、内外に多くの不確実性を抱えている。景気の見方は3月の日銀金融経済月報とほぼ同じ。サブプライム問題に端を発した国際金融市場の動揺に適切に対処することが最優先課題。 日本経済は足もとかなり減速しているが、基調としては緩やかに拡大。先行きに多くのリスク要因があり、極めて注意深い金融政策運営が必要。金融政策効果波及にタイムラグがある。
◎西村清彦日銀副総裁(就任会見)=日本経済の足元はかなり減速、基調は緩やかな拡大を続けている。国際金融市場の動揺や世界経済の減速傾向の強まり、エネルギー・原材料高の影響に先行きに多くのリスク要因が存在。金融政策面は極めて注意深い政策運営が必要。
◎IMF=4月12~13日の世界経済見通しで、米経済は依然非常に弱くリセッションに近い可能性が高い。ドルは最近下落しているがまだ高いと認識。原油価格は今年と来年に95ドル近辺で推移すると予想。ドルの実質為替レートについて2002年はじめ以来、25%程度下落しブレトン・ウッズ体制以後、通貨価値下落では最も首尾一貫した事例の一つで、ドルは中期的な均衡点に近づいた。しかしまだかなり高い。ECBの金融政策は適切に金利を安定した水準に維持している。成長に対するダウンサイドリスクやインフレ上昇が顕著になれば、柔軟に対応する準備を整えるべきだ。
◎東南アジア諸国中銀グループ会合、21日、22日間での2日間金融市場とドル安問題などを協議へ。
◎スウェイディ・アラブ首長国連邦(UAE)中銀総裁=ルハムの対ドル相場を切り上げる計画は現時点でない。切り上げの是非を検討するための委員会が設立はまったく存在しない。

2008年3月24日 イースター休暇

ウェリントン、シドニー、香港、フランクフルト、パリ、チューリッヒ、ロンドン、南ア休場
(イースター休暇)

08:50 (日) 第1四半期法人企業景気予測調査
23:00 (米) 2月中古住宅販売件数

2008年3月25日 カナダ小売売上高 リッチモンド連銀製造業指数

17:15 (香港) 第4四半期経常収支
21:30 (加) 1月小売売上高
23:00 (米) 3月消費者信頼感指数
23:00 (米) 3月リッチモンド連銀製造業指数

2008年3月26日 ユーロ圏経常収支 米耐久財受注

08:50 (日) 2月通関ベース貿易収支
08:50 (日) 2月企業向けサービス価格指数
16:45 (仏) 2月住宅着工許可
18:00 (独) 3月IFO景況指数
18:00 (ユーロ圏) 1月経常収支
18:30 (南ア) 2月消費者物価指数
21:30 (米) 2月耐久財受注

2008年3月27日 米GDP

06:45 (NZ) 2月貿易収支
06:45 (NZ) 第4四半期経常収支
08:50 (日) 3/22までの対外及び対内証券売買契約等の状況
16:10 (独) 4月GFK消費者信頼感調査
17:15 (香港) 2月貿易収支
18:30 (南ア) 2月生産者物価指数
21:30 (米) 第4四半期GDP・確報値
21:30 (米) 第4四半期個人消費・確報値
21:30 (米) 3/23までの週の新規失業保険申請件数

2008年3月28日 日本失業率 英GDP 米PCEデフレータ

06:45 (NZ) 第4四半期GDP
08:30 (日) 2月失業率
08:30 (日) 2月有効求人倍率
08:30 (日) 2月全世帯家計調査-消費支出
08:30 (日) 3月東京都区部消費者物価指数
08:50 (日) 2月大型小売店販売額・速報
08:50 (日) 2月小売業販売
16:00 (独) 2月輸入物価指数
16:40 (仏) 3月消費者信頼感指数
16:45 (仏) 第4四半期GDP・改定値
18:30 (英) 第4四半期GDP・確報値
18:30 (英) 第4四半期経常収支
19:30 (スイス) 3月KOF先行指数
21:30 (米) 2月個人所得
21:30 (米) 2月個人支出
21:30 (米) 2月PCEデフレータ
23:00 (米) 3月ミシガン大消費者信頼感指数・確報値
未 定 (独) 3月消費者物価指数

2008年03月23日

ヨーロッパの財閥と企業グループ 72 エネルギー資源をめぐる攻防(10)

世界的な経済情勢の変化に伴い、石油をはじめとする資源価格が急騰しているのは周知の事実です。欧州のエネルギー資源をめぐる攻防も熾烈さを増し、石油のみならず電力業界も弱肉強食の世界になっています。9月半ば、ドイツ最大のエネルギー企業グループ「エーオン」がロシアの電力会社「OGK-4」の株式69%を落札したというニュースが飛び込んできました。応札提示額は約40億ドル(約4614億円)。ロシアのイタル・タス通信によると、同国の電力独占企業「統一エネルギーシステム」(USE)のアナトリー・チュバイス最高経営責任者はエーオンの落札について「ロシア電力部門の歴史上最大の投資案件だ」と語ったとのことです。エーオンはOGK-4の株式を取得するため、キロワット当たりの発電能力に対して753ドルを提示したことになります。


OGK-4はロシアにある発電会社6社のうちのひとつで、これら6社は、統一エネルギーシステムの電力部門独占を解消するため、同部門の広範な改革の一環として設立された会社です。同社はロシアに5つの発電所を所有し、既存設備の総発電能力の約3.9%を占めています。そのOGK-4を傘下に収めるということは、エーオン社がロシアに進出したということではなく、その反対に欧州各国にロシアで生産された電力を供給するひとつのルートを握ったということです。


ちょうど同じ頃、EUの行政執行機関である欧州委員会が、ヨーロッパのエネルギー市場に参入する外国企業に課す厳しい規制案を発表しました。この規制案には二つの意味があります。ひとつは地球温暖化の防止策としてEUが世界を新たな産業革命、すなわち低炭素経済へと先導しようという宣言です。アメリカのグローバリズムに対抗し、EUが独自にクリーンで効率的なエネルギーミックスの利用を促進しようという目論みがあるように見えます。


エネルギー生産やエネルギー消費による温室効果ガスの排出に歯止めが利かない状態が続いています。このような国際的状況下で、EUの石油・ガスの輸入依存度は増加傾向を示しています。将来的にエネルギーを安定的に供給することは、日本同様、EUでも現在緊急の課題となっているのです。そこで、欧州委員会は2006年春、中期的なエネルギー政策の策定に向けて、グリーンペーパーを作成しました。これは欧州委員会が作成する、EUにおいて規定が制定されていない特定の分野に焦点をあてた文書のことです。


2030年には、EU域内で必要なエネルギーのなんと70%以上を輸入に依存するようになると予測されていることから、このグリーンペーパーでは、消費者の意識や生活スタイルを変え、さらには新たな技術を開発することにより、2020年までにエネルギー消費を20%削減することを第一の目標にしています。消費者意識の改革としては、省エネタイプの家電に買い換えるよう呼びかけるなど、積極的にキャンペーンを展開していく計画です。


歴史的に見れば「エネルギー政策」は、「石炭鉄鋼共同体」や「原子力共同体」の設立という、これまでの欧州統合の中核をなすものでした。それが近年では、電気・ガス、および再生可能エネルギーの単一市場の形成など、ひとつの「共通エネルギー政策」を確立するという方向に向かって、新たな展開を見せてきました。これは「成長を促し、雇用を促進する」という二つの基本的な目標を達成し、競争力を強化することにつながるものとされています。


規制案のもうひとつの意味は、業界再編成を経た欧州の有力エネルギー企業グループの保護にあるように読み取れます。電力の自由化、原発開発の停止によってエネルギー企業の再編成を進めてきたEUは、もはや一国だけでエネルギーの供給と需要が成立することはありません。電力やガスを供給する国があり、それを売買する企業があり、エネルギーを買わざるを得ない国があるということです。


By Master K/益田 慶

2008年3月23日 今週の為替戦略

先週末(3月21日)と月曜日(3月24日)はイースターで海外市場の休場が多く、その前に投機的なポジション調整もあり相場は動いていた。特に目立ったものは、商品価格の下落で、CRBインデックス=416.40(17日高値)→377.45(20日安値)、原油=110.35(17日高値)→98.65(20日安値)、金価格=1012.40(17日高値)→904.50(20日安値)まで下落した。為替では、FRBの0.75%政策金利引き下げと、金融機関へのてこ入れ策を好感し、EURUSD=1.5905(17日高値)→0.9869(19日安値)まで下落、主要通貨ではドルの買い戻しが見られた。


今週は、先週の動きが、①連休前の調整によるものなのか? それとも、②相場の流れが変わっていたのか? これらを見極め、確認する週になりそうである。①→ 再び商品価格の上昇=株安=ドル売りが続くことになる。②→ ドル高+欧州通貨安+アジア通貨高+円高の流れになりやすい。


今週はまた、本邦企業の決算期末の最終週でもあり、昔ほどの国内決算要因で為替相場が激しく円高に動くことは少ないと思われるが、つい最近までは100を大幅に割り込む相場を予想する向きは少なく、その影響が今週は見られる可能性が高く、結局は実需でも円高の相場が予想しやすい。


海外の要因としては、
英国金融不安→ 世界の金融センターのロンドンでは、米金融不安の影響を受けやすく、英系ファンドの破綻のウワサも流れ、イングランド銀行が緊急調整オペを実施するなど金融不安が続き、4月の金利引き下げ見通しに、GBPは売られやすい環境にある。21日にはキングBOE総裁が、HSBC、RBS、バークレイズ・キャピタル、TSBグループ、HBOSなど英5大金融機関の役員と面会している。


米経常収支の赤字額が再び過去最高に迫る勢い→ 最近の傾向はリスク資産の圧縮に、投機資金が大幅に減少したことで、為替相場を動かず要因として、経常黒字国通貨高=赤字国通貨安になる傾向が強いと言われている。この材料では円高傾向が続きやすい。


米国の政策金利は、2ヶ月弱で2%引き下げられ2.25%まで低下→ 4月30日には0.25%~0.5%の再利下げの可能性が高く、欧米の金利差拡大にドル売りセンチメントは変わっていない。しかし、ユーロ高はインフレ抑制に貢献していることは間違いないが、ユーロ高によりユーロ圏の貿易収支が悪化していることは事実で、貿易収支を見ると、1月=-107億ユーロ ←12月=-41億ユーロ ←11月=+30億ユーロと落ち込みが激しいく、ユーロ圏のGDP見通しも20日のOECD最新版予想では第1四半期GDP=0.4%まで低下している。


最近では、EU財務相会合で異例のユーロ高懸念が表明されており、ユーロ高是正へ動くとのウワサが頻繁に流れるなど、政治的な問題になっており、この、ユーロ高の落ちどころが難しくなっている。結論として、いままでのような一本調子のユーロ高も考え難い。


FRBによる市場への資金供給拡大→ ベアー・スターンズの救済に300億ドルの資金を用意、FRBが決定した新米国債貸出でリーマン・ブラザーズ、モルガン・スタンレーが借入れを行うなど、信用不安解消には良い材料なのであろうが、ゴールドマンもこの制度を利用する意向と言われ、これらの措置で信用不安が解消できるか、様子を見る必要がある。


月曜日の為替市場は、イースターマンデーのお休み気分を抜け出すことはできそうにないが、米国市場から株・債券・為替市場と活発に動き始め。市場のセンチメントは、米金融不安の継続にドル下げ見通しと、度重なる積極的な金融機関のてこ入れ策と、思い切った金融緩和政策に、ドル上げ見通しが混在し、上下に動きながらも、現状ではドル高を信じることもできず、経常赤字国を相手にクロスでの円高を期待したい。


主要通貨を比較:
Weeklyベースの比較で、終値を比較してみると:
先週は、先々週と様変わりのドル全面高の展開となった。主に、16日米国時間の日曜日に発表された、緊急FOMCで公定歩合0.25%の引下げと、新融資制度を創設することを発表、JPモルガンチェースによるベアー・スタンズの救済買収を合わせて発表した。また、18日にはFOMCは公定歩合0.75%を引き上げ2.25%に決定、19日には米ファニーメイとフレディマックの資本規制を緩和、最大2000億ドルをモーゲージ市場に投入可能とした。そして、イースターの長い休暇を直前に、商品価格は大幅に下落、結果として資源国通貨でもあるAUD、CAD、NZDに対してドルの上昇率は大きくなっている。


USDJPY    OPN HI LW CLS  前週比 前週比% 週間レンジ
14-Mar-08 102.51 103.60 98.89 99.04 -3.63 -3.54% 4.71
21-Mar-08 99.10 100.45 95.77 99.56 0.52 0.53% 4.68


EURUSD   OPN HI LW CLS  前週比 前週比% 週間レンジ
14-Mar-08 1.5361 1.5690 1.5282 1.5674 3.160 2.06% 4.08
21-Mar-08 1.5675 1.5905 1.5396 1.5431 -2.430 -1.55% 5.09


USDCHF   OPN HI LW CLS  前週比 前週比% 週間レンジ
14-Mar-08 1.0231 1.0355 0.9971 0.9987 -2.640 -2.58% 3.84
21-Mar-08 0.9970 1.0168 0.9642 1.0091 1.040 1.04% 5.26


GBPUSD   OPN HI LW CLS  前週比 前週比% 週間レン
14-Mar-08 2.0146 2.0393 1.9995 2.0204 0.700 0.35% 3.98
21-Mar-08 2.0176 2.0274 1.9735 1.9814 -3.900 -1.93% 5.39


AUDUSD   OPN HI LW CLS  前週比 前週比% 週間レンジ
14-Mar-08 0.9265 0.9471 0.9149 0.9371 1.06 1.14% 3.22
21-Mar-08 0.9378 0.9446 0.8952 0.9017 -3.54 -3.78% 4.94


USDCAD   OPN HI LW CLS  前週比 前週比% 週間レンジ
14-Mar-08 0.9899 0.9981 0.9796 0.9892 -0.14 -0.14% 1.85
21-Mar-08 0.9886 1.0293 0.9860 1.0230 3.38 3.42% 4.33


NZDUSD   OPN HI LW CLS  前週比 前週比% 週間レンジ
14-Mar-08 0.7932 0.8213 0.7874 0.8132 1.96 2.47% 3.39
21-Mar-08 0.8129 0.8201 0.7866 0.7917 -2.15 -2.64% 3.35


円クロスを比較:
ドルが全面高の流れの中で、円もドル以外の主要通貨では円高相場となった。特に、商品価格の下落に資源国通貨AUDJPY、CADJPY、NZDJPYでの下落は理解ができるが、GBPJPYも非常に弱い。これは17日にイングランド銀行が期間3日のレポで50億ポンドを供給、市場を監督するとのコメントを発表、19日には緊急事態に備え市場を監視、20日にはBOE声明で、銀行と綿密な連絡を続ける事で合意。英主要銀行に秩序ある市場の正常化を望むと発表、英系銀行の金融不安のウワサが絶えず、次回MPCでの利下げ観測も加わり弱含みとなった。


AUDJPY   OPN HI LW CLS 前週比 前週比% 週間レンジ
14-Mar-08 94.99 96.14 92.71 92.85 -2.25 -2.37% 3.43
21-Mar-08 92.93 93.51 88.15 89.79 -3.06 -3.30% 5.36


GBPJPY  OPN HI LW CLS 前週比 前週比% 週間レンジ
14-Mar-08 206.51 207.97 199.88 200.14 -6.56 -3.17% 8.09
21-Mar-08 199.94 201.20 192.53 197.28 -2.86 -1.43% 8.67


CADJPY  OPN HI LW CLS 前週比 前週比% 週間レンジ
14-Mar-08 103.50 104.71 99.93 100.13 -3.45 -3.33% 4.78
21-Mar-08 100.22 100.95 95.67 97.28 -2.85 -2.85% 5.28


EURJPY  OPN HI LW CLS 前週比 前週比% 週間レンジ
14-Mar-08 157.48 159.14 154.86 155.31 -2.37 -1.50% 4.28
21-Mar-08 155.35 157.04 151.70 153.65 -1.66 -1.07% 5.34


CHFJPY  OPN HI LW CLS 前週比 前週比% 週間レンジ
14-Mar-08 100.18 100.73 98.90 99.27 -0.86 -0.86% 1.83
21-Mar-08 99.37 100.85 97.33 98.64 -0.63 -0.63% 3.52


NZDJPY  OPN HI LW CLS 前週比 前週比% 週間レンジ
14-Mar-08 81.30 83.23 79.90 80.59 -0.87 -1.07% 3.33
21-Mar-08 80.56 81.32 76.74 78.82 -1.77 -2.20% 4.58


IMM通貨先物:
公表値を比較して見ると:
公表された18日には、既にFOMCで0.75%の政策金利が引下げられていたのであろうが、金融不安のヘッジ通貨のCHFとJPYが増加、19日には英金融機関破綻のウワサが広まり、BOE総裁・副総裁計3名は予定を全てキャンセル市場の混乱に対処し、その後のGBPUSD急落を反映できず、AUD、NZD、CADはこの時点で商品市場の下落が予想できず、比較的堅調に推移していた。


JPY Long Short Net
11-Mar-08 86,383 36,230 50,153
18-Mar-08 82,300 26,541 55,759


EUR Long Short Net
11-Mar-08 81,646 52,547 29,099
18-Mar-08 78,310 51,789 26,521


GBP Long Short Net
11-Mar-08 45,149 23,920 21,229
18-Mar-08 49,963 20,823 29,140


CHF Long Short Net
11-Mar-08 25,646 29,894 -4,248
18-Mar-08 24,560 13,336 11,224


CAD Long Short Net
11-Mar-08 50,353 21,422 28,931
18-Mar-08 43,416 22,517 20,899


AUD Long Short Net
11-Mar-08 47,880 16,188 31,692
18-Mar-08 40,625 5,060 35,565


NZD Long Short Net
11-Mar-08 13,379 983 12,396
18-Mar-08 12,921 2,543 10,378


今後の金利予想は:
国  予定日 現行政策金利 予想:         
USD 4月30日 2.25%  0.25~0.5%の引下げを予想(Fed Funds Target Rate)
EUR 4月10日 4.0%  金利据え置き(Refi Rate)
GBP 4月10日 5.25%  金利据え置き~0.25%の利下げを予想(Base Rate)
JPY 4月 9日 0.50%  金利据え置きを予想(OverNight Call Rate)
AUD 4月 1日 7.25%  金利据え置きを予想(Cash Rate)
NZD 4月24日 8.25%  金利据え置きを予想(Cash Rate)
CHF 6月19日 2.75%  金利据え置きを予想(3 month Libor target)
CAD 4月22日 3.5%  0.25%~0.5%の利下げを予想(OverNight Rate)
NOK 4月23日 5.25%  金利据え置きを予想 (Sight deposit)
SEK 4月23日 4.25%  金利据え置きを予想 (Repo rate)


今週の経済指標・その他では、
強烈にインパクトの大きな発表はないが、26日にはトリシェECB総裁が欧州議会で証言が注目され、26日~27日には欧米で通貨当局者の発言が多くなっており、最近のユーロ高に関してどのような発言をするのか気になる。


住宅関連では、24日=ライトムーブ住宅価格、米中古住宅販売件数、25日=ケース・シラー米住宅価格指数、26日=米住宅販売件数が相変わらず重要視されている。
インフレ関連では、28日=日本全国CPI、独CPI(未定)が注目されている。
その他では、25日=カナダ小売売上高、米消費者信頼感指数、26日=独ifo、米耐久財受注、27日=米GDP確報値、28日=NZGDP、英GDP、米個人消費支出、米ミシガン大消費者信頼感指数は比較的変動リスクが高い指標となっている。


●ドル円
ドル円は、経験上、先週17日にアジア市場で達成した高値95.77円を、海外市場で一度も試すことなく終了することは考え難く、遅かれ早かれ海外市場では底値を試す動きを予想したい。また、19日の高値100.45円が高値となっているが、100.40~60円では本邦実需筋の売りが予想され、3月本決算を考えれば相当上値が重いことも予想される。サウジが日本株を売却検討とか、4月に日銀0.25%利下げ(考え難い)とか、円のマイナスの材料にも円売り反応は鈍く、株と為替が連動する相場展開の中でも、円高の流れが続きやすい。


ドル円のWeeklyチャートは、下降トレンドが続き、ラインの下限を割り込み一時急落したが、ラインの下限近くまで戻りその近辺でも取引が続いている。上値のポイントは、100.65円、103.68円、104.15、104.39円、108.60円。下値のポイントは、97.77円、93.52円、92.92円。RSIは25横ばいから再び下げ、トレンドモメンタムは売りを継続。トータルの判断は、売り。100.65円を上抜けするまでは、ドル売りは変わらず、引き続き下値を警戒。大きな意味では103.68円を超えたらドル売りは終了。Daily=売り、Weekly=売り、Monthly=売り。


●ユーロドル
ユーロドルは、イースターを前にポジション調整に売りが強まっているが、このユーロ相場の見方は良く二分されることが多い。海外のストラテジストや金融機関の為替予想もユーロ売り・買いの推奨がミックスしている。その中で、正しいか否かの判断は別として、主流は第2四半期からユーロ売り(ドル高)が始まり、これがその後。数四半期継続するが、2009年に入ると、大幅なユーロ高(ドル安)が継続するとのことである。この予想の判断は、エリオットとサイクルから割り出した結果に思えてならない。話を今週という次元に戻して考えると、1.59を超えて最高値を更新するとも考え難いし、1.53を割り込んでどんどん下落するとも考え難く、結局はその中でレンジ相場としか考えようがない。


ユーロドルのWeeklyチャートは、上昇トレンドが続き、上限を超えそれが継続している。上値のポイントは、1.5734、1.5916、1.6295、1.6909。下値のポイントは、1.5359、1.5302、1.5242、1.5003~28、1.4925。RSIは67と緩やかな上昇ラインが続き、トレンドモメンタムは買いを続けている。トータルの判断は、1.5242~1.5734のレンジ。Daily=買いが弱くなり売りに変化する可能性、Weekly=買い、Monthly=買い


●ポンド円
ポンド円は、比較的堅調だったGBPUSDが2.02台→1.98台まで大きく崩れ、GBPJPYは久々に週終値で200円を割り込み、2005年7月の水準まで一時急落した。英ヘッジファンドのエンデバーキャピタルが円債で大損害を被った(FT紙)、英系金融機関の損失拡大とのウワサが流れ、イングランド銀行の緊急オペの実施、大手銀行へのヒアリングなど、ウワサの火種は絶えない。高金利通貨のポンドだけに、売りのポジションを作りにくい通貨ペアでもあるが、そうならば、GBP(5.25%)AUD(7.25%)を組み合わせるのも一案。4月のMPCで利下げ観測も強く、戻りも限定的で下げ基調は変わらずと見ている。


ポンド円のWeeklyチャートは、下降トレンドが続き、レンジ相場から再び底値を割り込み、ラインの下限近くで取引されている。上値のポイントは、200.49円、200.62円、202.07円、204.75円、205.61円、213.70円。下値のポイントは、195.62円、191.29円、188.40円、185.13円。RSIは24と下降ラインを継続、トレンドモメンタムは長い売りが続いている。トータルの判断は、売り。Daily=売り、Weekly=売り、Monthly=売り。

2008年03月24日

2008年3月24日  本日の為替戦略

イースター・マンデーで、週初おアジア・欧州市場では市場参加者は少なく、動き難いことになりそうだが、逆に今晩の米国市場から相場が動き始める可能性が高い。先週は、イースター休暇を前に、各国の中銀は潤沢な資金供給を実施し、金融危機の対策が効果を表したのか、金融市場では安心感が広がり、為替相場もドル買いへ動く調整局面が続いた。


この流れが一時的なものか、継続するのかを判断する必要があり、その意味では今晩の米国市場の株・債券・為替市場は重要で、今週の方向性を占うことができると期待している。


特に、多くの通貨で、三角持合を形成し、レンジ相場・揉み合い相場・調整相場から、新たな方向性を示す可能性が高く、この流れに乗る必要がる。短期的な買いに対して、JPYクロスのDailyやWeeklyチャートは、円高傾向が続き売り買いが交錯しながら、底値を試す展開になりそうである。


本日の経済指標・その他では、米中古住宅販売件数が重要。


●ドル円
ドル円は、98割れの買いの厚さ、100台の売りの重さ、上下確認済みの相場だけに、上下を試しながらも抜け出すことはできず、揉み合いに入っている。市場のセンチメントはどちらかと言えば円高だが、短期的には、やや買いが優勢となっており、100円台を試す可能性は高いが、100.50~60円を超えるまではドル売りを支持したい。


ドル円の4時間チャートは、下降トレンドの上限近くで推移し、98~100.50円のレンジで取引が続き、収束しつつある。上値のポイントは、100.45円、100.58円、101.14円、101.45円。下値のポイントは、99.07円、98.73円、97.80円、95.60~73円。RSIは63と上昇ラインが続き、トレンドモメンタムは買いを継続している。トータルの判断は、短期的には買いが優勢だが、三角持合から上下共に抜けた方向に動きやすく、上限=101.45円、下限=97.00円。特に上値のポイントは100.45~58円は重要。

●ユーロドル
ユーロドルは、先週の1.59台からの下げは、EURUSDの相場が反転したのか? それとも、ただ調整局面の売りなのか? 1.54近辺では幅広い買いに下げ止まっており、何処まで上昇できるかを見ながら、戻り売りを考えたい。


ユーロドルの4時間チャートは、上昇トレンドが崩れ、下降トレンドが続いているが、目先は1.54~1.55の極狭いレンジで取引が続いている。上値のポイントは、1.5461、1.5562、1.5664。下値のポイントは、1.5400、1.5300、1.5242。RSIは32と下降ラインが続くが上抜けしやすくなっている。トレンドモメンタムは売りを継続。トータルの判断は、1.54~1.55台のレンジに入りやすく、1.5460~70を超えられないと、逆に1.53まで下落する可能性が強まる。


●ポンド円
ポンド円は、英国の金融不安に弱含みで推移し、利下げ観測に強く、マイナス材料が多い割にはレンジ内に納まっている。もっとも、イースター休暇でポジション調整を進めた影響もありそうで、GBPUSDが1.98~1.99で収まっている間はGBPクロスの方向性もでき難いが、今晩の米国市場や明日の欧州市場から新たな動きが出ることを期待したい。


ポンド円の4時間チャートは、下降トレンドが続き、目先は192.50~202円の広いレンジから徐々に収束し三角持合となっている。上値のポイントは、197.95円、198.43円、201.79円、202.07円。下値のポイントは、196.94円、195.07円、193.84円、192.53円、192.25円、191.27円。RSIは上昇ラインを継続、トレンドモメンタムは買いを継続。トータルの判断は、短期的には買いが優勢だが、三角持合から上下共に抜けた方向に動きやすく、上限=202.07円、下限=191.27円。特に上値のポイント202.07円は重要でこれを上抜けしたら方向転換する可能性がある。


●本日の経済指標・その他
NZ、オーストラリア、ドイツ、フランス、スイス、英国、南ア、香港市場は休場(イースター休暇)
08:50 日本 第1四半期の法人企業景気予測調査=前期比予想 前回0.5%
09:01 英 3月のライトムーブ住宅価格=前月比予想-0.5% 前回3.2% 前年比予想3.7% 前回5.8%
23:00 米 2月の中古住宅販売件数=予想-0.8%・485万件 前回-0.4%・489万件

2008年3月24日 FX検定 きょうの問題  世界のウラン生産

2006年の世界のウラン消費量は6.6万トンであった。需要量が供給量を上回り、需給がひっ迫している。2015年まで年間生産量は6万トンから6.5万トンで推移する予測であるが、年間消費量は9万トンに及ぶと推定されている。現在、世界の天然ウラン生産量は4万トン余りである。天然ウラン生産の世界1位はカナダ。第2位はオーストラリアであるが、第3位国はどこか。


正解 カザフスタン


解説


世界の天然ウラン生産の70%は10のウラン鉱山で採掘されている。最近は消費量が生産量を上回っているが、天然ウランの不足分は劣化ウランの再濃縮による疑似天然ウラン(EUP)、回収ウラン、軍事用高濃縮ウランの希釈による原子炉用燃料によって補ってきた。ウラン価格は6年で10倍に高騰している。2006年12月現在のウラン価格は、1ポンド(約0.45キロ)あたり72ドルで、ウラン国際価格史上最高値を更新した。これは2000年末の7.1ドルの約10倍の価格である。

ロシアの天然ウラン埋蔵量は17.5万トンで世界の4%である。量的にはたいした量ではないが、天然ウランの需給逼迫と高水準の濃縮ウラン技術で世界をリードする可能性が高い。ロシアは1993年、アメリカとの間で、核兵器解体による高濃縮ウラン利用協定を結んでいる。


2013年までの間、ロシアの解体核兵器から出てきた高濃縮ウランを低濃縮ウランに希釈して原発燃料としてアメリカ濃縮公社(USEC)に限定供給することになっている。この契約が切れると、ウラン価格が高騰している中で、ロシアはこの濃縮ウランを戦略物資として管理し、高価格で輸出することが可能になる。ロシアの遠心分離技術による濃縮ウランは低コストであるため国際競争力がある。


2007年9月、この技術を背景にロシアは、オーストラリアと核エネルギー利用協力で合意している。ロシアは年間4000トンのオーストラリア産ウランを輸入して、ロシア国内で濃縮し海外に販売する予定である。買い付け価格は10億ドル。各関連分野では、ロシアでは、「国家コーポレーション」という会社が管理している。ロシアはウラン燃料を外交カードの切り札として確保しつつある。


ドイツ、デンマーク、オランダなどでは再生可能エネルギーとして風力発電、太陽光発電、バイオマス利用などの促進を図っているが、これらのエネルギーは供給が不安定であることが欠点である。そこで電力供給の安定化を図るために電力の輸入を行っている。


主な供給国はフランスである。フランスは電力の80%以上を原子力発電で賄っている原発先進国である。フランスは周辺国の不安定な電力需給を原子力発電でカバーしているのである。日本のように電力の輸入が不可能な国は、水力などの自然エネルギーと再生可能エネルギーの開発、原子力エネルギーの安全で安定的かつ経済的な供給が必要であるが、政府・電力会社の安全性確保は国民の信任を得ているとは思えない。


さらに原子力発電のコスト低減の必要性は高く、安いエネルギー源確保が国際競争力の強化につながると考えられるが、原発は利権争いの具に成り下がっている。中東原油依存からの脱却が急務のはずであるが、国益を追求する政治家はいない。

ウラン生産国ランキング  2006年


第1位 カナダ 26%     
第2位 オーストラリア 20% 
第3位 カザフスタン  14%
第5位 ニジェール   9%
第5位 ロシア 


代表的ウラン鉱山


コンゴ民主共和国 シンコロブエ鉱山
ニジェール     アクータ鉱山
オーストラリア   オリンピック・ダム鉱山 ナバレク鉱山 レンジャー鉱山 ビバリー鉱山
カナダ        アサバスカ堆積盆地
カザフスタン    ハラサン鉱山


オーストラリア
レンジャー鉱山Jabiluka鉱山は、Energy Resources of Australia Ltd.(ERA)社により運営され、収益の約68%をRio Tinto社が、約10%を日豪ウラン資源開発(株)が保有している。


オリンピック・ダム鉱山は豪州の代表的な鉱山会社であるWestern Mining Corp.(WMC)が所有し、1988年より生産している。


ビバリー鉱山は1990年に米国のGeneral Atomics社の子会社であるHeathgate Resources社が保有している。


オーストラリアは、3鉱山政策により上記3鉱山以外の鉱山開発を留保していたが、近年のウラン価格高騰、供給不足から、第4の鉱山としてカナダのSouthern Cross Resources社が保有するHoneymoon鉱山の開発を認可した。2008年操業開始。


カザフスタンの国営企業カザトムプロムが新規開発するウラン鉱山に対し、日本の電力会社(東京、中部、東北、九州)と東芝、丸紅の六法人は、カザトムプロム社やカナダのウラン鉱山開発会社と協力してカザフスタンのウラン鉱山(ハラサン鉱山)の新規開発・生産・ウラン販売をするプロジェクトに参画、カザトムプロム社の関係会社の株式を取得している。


3社が出資するプロジェクトは、カザトムプロム社が出資するキズルクム社(Kyzylkum LLP)とバイケン‐U社(Baiken-U LLP)が南カザフスタンのハラサン鉱山(キズルクム社が鉱区1およびバイケン‐U社が鉱区2)を新規に開発するものである。日本側3社が取得したカザトムプロム社の関係会社は、キズルクム社およびバイケン‐U社を間接的に保有している。2007年からウラン試験生産を開始し、2014年以降年間5000トンのウランを生産する予定で、そのうち2000トン分について日本側株主が引取り権を有している。40年間は産出が可能という。


2007年7月、東芝は原子力発電プラント大手米ウェスチングハウス(Westinghouse)株77%のうち10%を、カザフスタンの国営企業カザトムプロム(Kazatomprom)に約4億8630ドル(約600億円)で譲渡している。

ウラン埋蔵国ランキング

第1位 オーストラリア
第2位 カザフスタン
第3位 カナダ
第3位 南アフリカ
第4位 アメリカ


ウラン生産企業ランキング


第1位 Camecoカメコ(カナダ)21%
第2位 リオ・ティント(豪英)18%
第3位 Areva NC アレバ(フランス)13%
第4位 カザトムプロム(カザフスタン)9% カザフスタン国営会社
第5位 TVEL(ロシア)8%


上位5社で70%を占める。


小さな政府江戸幕府 21 江戸幕府の経済政策 新井白石の経済政策と紀伊藩主・徳川吉宗の実績

江戸時代中期、五代将軍・綱吉から七代将軍・家綱に至る時代は、幕府が財政赤字と物価上昇に苦しめられた時期だ。幕府最初の改鋳(元禄金銀と宝永金銀あわせて2500万両)によって一時的に差益を幕府にもたらした勘定奉行・荻原重秀は六代将軍家宣側近の新井白石とソリが合わず、新井は「物価が上昇したのは荻原の無策」「商人から賄賂をもらっている」といった内容の上申書を六代将軍・家宣に提出したという。荻原は寺社造営や土木普請など公共事業の発注にあたり、紀伊国屋文左衛門(紀文)から賄賂をもらっていたという記録があるので、新井の指摘はあながち間違いでもなかったようだ。荻原を追い落とした新井白石は、貨幣の含有量を元に戻すよう主張し、綱吉の時代に発行された金銀(元禄金銀)を回収し、正徳金銀を発行する。市場の貨幣量を減らすために貨幣の純度を元に戻すという政策だ。しかし、改鋳量は21万両と少なく、市場への影響力はなかった。


新井白石が実行した政策に「海舶互市新例」がある。これは国際貿易を制限するために制定した法令だ。新井は国内通貨量のうち金貨25%、銀貨75%が海外に流出したと計算し、長崎貿易における輸出規制を実施した。この政策の意図は金銀の流出に対する防衛策であるとともに、国産品の推進つまり産業の活性化にあった。輸入品のメインは、綿布、生糸、砂糖、絹織物などだった。それを国産品でまかなうように転換しようという政策である。また綱吉時代の放漫な財政感覚を引き締める目的もあったのだろう。それでも、物価上昇を鎮静化する決定的な経済政策とはなり得なかった。将軍の権力は衰退し、幕臣における譜代派と新参派の対立もあり、財政改革は進まなかった。


やがてまだ幼い七代将軍・家継が病死。後見人であった吉宗が八代将軍となり、新井白石を左遷し、「享保の改革」を実行するわけだが、その前に紀伊徳川家から初の将軍を迎えるにあたり、吉宗の何が高く評価されたのか、その手腕を見ておこう。紀伊藩は、徳川御三家のひとつ紀州徳川家が藩主として治める親藩だ。家康の10男・頼宣が初代藩主で、彼の孫にあたる吉宗は紀伊藩五代藩主である。のちに八代将軍となり、「幕府中興の祖」と仰がれるが、吉宗は紀伊藩主時代から政治手腕を発揮していた。見方を変えれば、紀州藩で成功した手法を幕政でも使ったということがいえる。


兄である三代・四代藩主が相次いで亡くなったことから、吉宗は22歳で紀伊藩主となった。当時の紀伊藩は、江戸の大火で焼失した江戸屋敷の再建、将軍の訪問を迎えるための新御殿の建設、相次いで他界した先代藩主の葬儀費用などが重なり、財政難に直面していた。初代藩主頼宣が幕府から借り入れた金10万両も未払いのまま残っていた。追い打ちをかけるように1707年には、地震と津波が紀州南岸を襲い、大きな被害が生まれていた。


吉宗が紀伊藩主として実行した財政の立て直し策は、藩政機構の簡素化と質素倹約の徹底であった。家柄にとらわれず有能な人材を登用しつつ、給料の一部を藩に差し出す「差上金」と呼ばれるスタイルによって家臣の給料を事実上カットし、リストラ(約80人の家臣を解雇)によって人件費を節約した。こういった賃金カットやリストラを実行すると、家臣の不満が爆発するのが世の常なので、吉宗は和歌山城の門外に「訴訟箱」を設け、不満を吸収し、同時に改革の提案を募った。これがのちの「目安箱」制度の起源である。


その一方で、吉宗は水利事業や新田開発によって米の増収を図り、特産品(みかん、材木、醤油)の販路の拡大を試みた。こうして幕府から借用していた10万両を返済。現在に置き換えるなら、新知事が府政や県政にメスを入れ、職員のリストラを決行し、財政の収益アップに成功したということだ。こういった藩主としての実績をもって吉宗は将軍になり、「享保の改革」を実行するのである。

By Master K/益田 慶

2008年03月25日

2008年3月25日 24日の海外為替市場

イースターマンデーでお休み気分の欧州市場に反して、米国市場は株高=ドル高=円安の相場となった。NYダウ=12548.64(+187.32)、USDJPY=100.75円(前日99.61円)、GBPJPY=200.02円(前日197.28円)。


アジア市場ではEURUSDが1.5341まで下落、再び1.54台を回復するなど、荒っぽい展開となったが、総じて狭いレンジで取引が続いた。欧州市場は主要市場が休場で動意の乏しい展開が続いたが、JPモルガン・チェースがベアー・スターンズ買収額を引上げるとの報道に、米国株式指数先物の上昇=円売りが入り、欧州金融機関の損失拡大の思惑に欧州通貨も弱く、上下を繰り返しながらも方向性は見えなかった。


米国市場では、商品価格の下落、JPモルガン・チェースのベアー・スターンズ買収額引き上げを好感し、米国株が上昇、NY連銀が290億ドルのターム物資金をこの買収支援に供給、差出担保の管理会社を設立すると発表、中古住宅販売件数が予想を大幅に上回り、株高=ドル買高=円売りが続いた。


●ドル円  
アジア市場のドル円は99.40円で取引が始まり、米系証券の格付け引き下げに、早朝には99.31円まで下落したが、JPモルガン・チェースのベアー・スターンズ買収額を2→10ドルへ引き上げるとの報道にドル買いが強く、仲値のドル買い需要に99.90円まで上昇、100円台のドル売りを意識しながら、100.03円まで上昇、99.75~100.00円のレンジで取引が続いた。欧州市場はイースターマンデーの休場に超閑散な取引の中で、株高期待=円売りに100.15円まで上昇したが、実需筋の売りに上値は重く、欧州系金融機関が資金繰り悪化との思惑が広まり、99.64円まで下落した。米国市場に入り、原油価格の下落+ベアー・スターズの格付け引き上げ+NY連銀の資金支援に株高=ドル高=円安の流れが開始、100.13円まで上昇した。予想を上回る中古住宅販売件数に、米国株価は急上昇し、先週の高値100.45円を超え、100.50~60円のストップロスの買いを誘発し、100.77円まで上昇、クロスでも円売りが続き100.90円まで続伸、06:00時では100.75円で取引されている。


●ユーロドル
アジア市場のユーロドルは1.5438で取引が始まり、欧州系金融機関の損失拡大の思惑に、モデル系ファンド筋の売りに1.5400近辺の買いを消化し、先週の安値の1.5396を割り込むと投機筋の売りが加速、ストップロスの売りを誘発し1.5341まで続落したが、中銀筋+EURJPY買+投機筋の買い戻しに1.15395まで値を戻した。欧州市場は薄商いの中で、1.5400を上回ると1.5456まで急騰、ファンド筋の売りとEURJPYの買いに、1.5420~50のレンジで激しい売り買いの攻防が続いたが、予想を上回る中古住宅販売件数に1.5376まで急落、米国株が強く1.5364まで続落となった。EURJPYの買い+ファンド勢の買い戻しに1.5431まで上昇、結局は1.5400を挟み上下を繰り返す相場となり、終盤にかけては1.5439まで上昇、06:00時では1.5422で取引されている。


●ユーロ円
アジア市場のユーロ円は153.47円で取引が始まり、実需筋の買いに153.88円まで上昇、EURUSDが崩れると153.10円まで下落、JPモルガン・チェースのベアー・スターンズ買収額を2→10ドルへ引き上げるとの報道に、株価上昇期待もあり円売りが徐々に強まった。欧州市場は153.69円で取引が始まり、超閑散とした取引の中で実需筋の動向に相場が動き、153.56円を安値にUSDJPYが100円の大台を試しながら、EURUSDの買いに154.40円まで上昇、実需筋の売りに上値は重く153.76円まで下落した。商品価格の下落+米株価の上昇に円売りが続き、予想を上回る中古住宅販売件数に、米国株が200ドル近くまで上昇すると154.95円まで上昇、米金融不安のリスクが弱まるとの思惑に、円売りが加速し、終盤にかけては155.61円まで上昇、06:00時では155.37円で取引されている。


●主な経済指標の結果
NZ、オーストラリア、ドイツ、フランス、スイス、英国、南ア、香港市場は休場(イースター休暇)
08:50 日本 第1四半期の法人企業景気予測調査=大企業全産業 前期比-9.3%(前回0.5%)
23:00 米 2月の中古住宅販売件数=2.9%・503万件(予想-0.8%・485万件 前回-0.4%・489万件)、価格中央値=19.59万ドル(前回19.97万ドル)→ 予想外の増加、価格は過去最大の下落率


●昨日の主な発言その他
米国・カナダ
◎S&P=ベアー・スターズの格付けを、「BBB」から5ノッチ上の「AAマイナス」とした。JPモルガンの買収提案額2→10ドルに引上げ、案件成立の可能性が高まる。
◎NY連銀=JPモルガン・チェースのベアー・スターンズ買収支援で290億ドルのターム物資金を供給し、差出担保の管理会社を設立すると発表。声明で、資産管理のために設立する有限責任会社(LLC)を通じ300億ドルのポートフォリオを管理。ポートフォリオで損失が発生した場合、10億まではJPモルガン・チェースが負担し、利益が発生した場合はNY連銀が得る。
◎JPモルガン・チェースのベアー・スターンズ買収額を2→10ドルへ引き上げた。
◎米財務省=25日に200億ドルの25日物出納管理証券(キャッシュ・マネジメント・ビル)入札を実施すると発表。
◎チェイニー米副大統領=サウジアラビアは過去3年間、原油生産能力を拡大するという約束を守っている。
◎米CITグループ(WSJ紙)=安価な資金調達手段求め海外の金融機関と協議。先週、日常業務の運転資本を賄い債務を返済するため、銀行の信用供与枠から73億ドルの資金を調達している。
◎S&P=米モノラインのFGICと保証部門を格下げする可能性。
◎S&P=米ゴールドマン・ サックス・グループと米リーマン・ブラザーズ・ホールディングスの長期信用格付け見通しをこれまでの「ステーブル」から「ネガティブ」に引き下げた。


欧州・英国
◎英政府当局者=ラウン首相とサルコジ仏大統領は27日の会談に際し、銀行に対して評価損に関する全面的かつ迅速なディスクロージャーを求める方針。
◎ボーフィンガー独経済諮問委員会委員委員(5賢人委員会)=現在の国際金融システムについて、第2次世界大戦以降で最悪の危機。ドイツ経済には明らかな下振れリスクがある。中央銀行は影響を受けた銀行を集中治療室の患者のように面倒を見て、投資家は預金について心配する必要はない。市場の信頼感を高めるため当局はすべての金融機関がルールに従うよう、あらゆる措置をとらなければならない。
◎UBS(スイス紙)=株主は4月に100億スイスの資本増強の提案を受ける予定。


日本・その他
◎サウジアラビア=インフレ率が2月、27年ぶりの高水準となる8.7%に達した。
◎エジプト中銀=翌日物金利を0.5%引き上げ。
◎シンガポールCPI=前年比+6.5%(政府見通し4.4~5.5%)、25年ぶり高水準に迫る。
◎台湾中銀=USDTWD30.229→10年ぶりの台湾ドル高値に、カストディアン銀行や業界幹部と協議。
◎東南アジア諸国中銀グループ(定例会議後の声明)=減速が見込まれている世界の経済成長の影響は、力強い内需と地域内貿易の拡大によって一部緩和される。
◎ヘリルOPEC議長=原油相場、年内は80ー110ドルで推移。

2008年3月25日 本日の為替戦略

さあ、イースター明けの相場の前哨戦となった昨日の米国市場では、株価が上昇し円売りの流れがとなった。米経済対策と金融緩和に、先週月曜日から続いたドル高傾向が確認されたようにも思え、やや相場観を修正している。米経済回復期待も確信が持てず、ドルを取り巻く環境は変わらず、ドル下落傾向が終了したとも思えず、ドルベアとブルが拮抗し、上下を繰り返すことが予想される。


ドル売りの材料とされていた、ベアー・スターンズの破綻(?)も阻止され、JPモルガンによる買収額も一株当り2ドルから10ドルに引き上げ、NY連銀が買収支援で290億ドルのターム物資金を供給し、差出担保の管理会社を設立すると発表。米CITグループが海外投資家と資金調達に関して協議する。まだまだ悪材料が残るが、徐々にでは改善している。


ボーフィンガー独経済諮問委員会委員は、「中央銀行は影響を受けた銀行を集中治療室の患者のように面倒を見ている、投資家は預金について心配する必要はない」と語っているが、FRBもこのように一人一人集中治療室で治療にあたっているように思えるが・・・・・。


しかし、直ぐに回復できるか、回復できず今後も集中治療室での治療が必要なのか、よくわからないが、円やクロス相場も、回復期待のドル買い=株高=円売り、それと、回復遅れのドル売り=株売り=円買いを繰り返すことが予想される。


●ドル円
ドル円は、どのような要因かは別として、100円台を回復したことで、実需筋は一安心していると思われ、輸出為替担当者は積極的にドル売り予約を取ることが予想される。特に、3月14日の100割れ後の戻り高値101.15円が意識され、投機筋もこの水準を意識している。


ドル円の4時間チャートは、下降トレンドが続きながらも、目先は三角持合から上抜けしている。上値のポイントは、101.14円、101.45円。下値のポイントは、100.58円、100.07円、99.07円。RSIは56と上昇ラインが崩れているが、トレンドのある相場になるのか、反転するのか見極めが必要。トレンドモメンタムは買いを継続。トータルの判断は、買いで、上値は101.45円がターゲット、その後はドル売りに変わりやすい。


●ユーロドル
ユーロドルは、1.59台からの調整が1.53台で終了したか否かの判断が重要になっている。過去二日の安値1.54を割り込んだが簡単に反発、値を戻し、1.5450超えでは上値は重く超えられず、結局はこの三日間は上下に振れながらも揉み合いとなった。本日はいよいよ本命の欧州市場が長いイースター休暇が明ける。このレンジを抜けた方向に追従したい。


ユーロドルの4時間チャートは、下降トレンドから1.5350~1.5450の100ポイントで揉み合いとなっている。上値のポイントは、1.5454~66、1.5525、1.5555、1.5339。下値のポイントは、1.5300、RSIは36と下降ラインが崩れているが、トレンドのある相場になるのか、反転するのか見極めが必要。トレンドモメンタムは売りを継続。トータルの判断は、1.5350~1.55台のレンジに入りやすい。


●ポンド円
ポンド円は、英系金融機関の損失計上とのウワサ+金利引き下げ観測に、ポンド安の流れを予想しているが、200円の大台をまたしても回復、どうも底堅くなってきているように感じられる。もっとも、広くは引き続きレンジ相場が続き、イースター休日による調整による値動きの可能性もあり、昨日の米国市場に続き、本日の欧州市場を見極めたいが、昨日の急上昇に上値を試す動きが続きそうな気配である。


ポンド円の4時間チャートは、下降トレンドが続きながらも、目先は三角持合から上抜けしている。上値のポイントは、200.79円、201.79円、202.07円、204.33円。下値のポイントは、198.43円、197.03円、195.07円、192.53円。RSIは48と上昇ラインが崩れているが、トレンドのある相場になるのか、反転するのか見極めが必要。トレンドモメンタムは買いを継続。トータルの判断は、買いで、202.07円がターゲットで、その後はユーロ売りに変わりやすい。


●本日の経済指標・その他
21:30 カナダ 1月の小売売上高=前月比予想1.2% 前回0.6%、除く自動車前月比予想18.0% 前回-0.4%
22:00 米 1月のケース・シラー米住宅価格指数=前月比予想 前回-2.1%、前年比予想 前回-9.1%
23:00 米 3月の消費者信頼感指数=予想73.5 前回75.0
23:00 米 3月のリッチモンド連銀製造業指数=予想-5 前回-5
未定(25~28日) 独 3月の消費者物価指数=前月比予想0.3% 前回0.5%、前年比予想2.9% 前回2.8%、HICP=前月比予想0.3% 前回0.5%、前年比予想3.0% 前回2.9%

外国為替再入門 6 外国為替レートの表示

自国通貨建て、他国通貨建て


外国為替といったときに、日本でよく目にするのは、1ドル=120円50銭、1ユーロ=155円20銭といった表示方法です。外貨1通貨単位を自国通貨で表示する方法で、自国通貨建てといいます。逆に、自国通貨の1通貨単位を外貨で表示する方法を外貨建て、外国通貨建てといいます。1円=0.009074ドル、1円=0.006443ユーロと表示したり、100円=0.9074ドル、100円=0.6443ユーロなどと表示したりすることもあります。各国のローカル表示法としては自国通貨建てを採用している場合が一般的です。  


インターバンク市場では通常はドルを中心に為替レートが表示されます。1ドル=115円30銭、1ドル=1.30578カナダドル、1ドル=0.8765ユーロなどと表示されます。これはドルを中心とした取引が多いためですが、表示ルール通りに考えると実はドル中心ではありません。現在ではユーロを中心に、つまり左側に表示するのがルールとなっています。次にポンド、次に英連邦各国、次がドルです。ですから、通貨ペアの表示方法としては、EUR/USD、EUR/GBP、EUR/AUD、EUR/JPYなど、どの通貨との組み合わせでも必ずEURの表示が左側になります。EURの次に強いのがGBPですから、GBP/USD、GBP/JPY、GBP/AUDといった表記方法になります。


英連邦は、AUD/USD、AUD/JPY、AUD/CAD、AUD/NZDなどとなります。その次がUSDですから、USD/JPY、USD/CHFなどと表記します。理由はよくわかりませんがJPYが左側にくることはなく常に右側に表記されます。たとえどんなに弱い通貨であっても、新興国の通貨であってもJPYは右側です。TRL/JPY、MXN/JPY、ZAR/JPY、NOK/JPY、HKD/JPY、CZK/JPYなどです。英連邦(コモンウェルス)の通貨はドルに優先するといいましたが、唯一カナダドル(CAD)だけは、USD/CADとUSDに劣後します。


クロスレート


外国為替市場ではドルの取引シェアが高いのですが、ドルを介在しない取引もあります。EUR/JPY、EUR/GBPなどはドルを介在することなく直接交換されます。これをクロスレートと呼びます。クロスレートは2つの対ドルレートを合成して計算します。たとえば1ドル=120円00銭、1EUR=1.4ドルとすれば、1EUR=120円×1.4=168円00銭という計算になります。EUR/JPY、EUR/GBPなどメジャー通貨同士の通貨ペアであれば直接取引されることも多いのですが、マイナー通貨との通貨ペアの場合は、ドルを介在させた取引を行うのが実際的です。たとえば、AUD/CHFを買う場合は、AUD/USD買いUSD/CHF売りの合成でAUD/CHFを買うことになります。マーケットユーザーはAUD/CHFを買っているつもりでも、マーケットメーカーの銀行はドルを介在した通貨ペアに分解してインターバンク市場に提示しているのです。

2008年03月26日

2008年3月26日 25日の海外為替市場

アジア市場では前日の反動なのか、堅調なアジア株+積極的なドル売りが続き、欧州市場では堅調な株価の中でも、スイス中銀のドル資金供給に、UBSの損失拡大に絡むウワサは絶えず、ECBもドル資金を供給に金融不安の思惑が続き、パパデモスECB副総裁の「ECBは引き続き為替市場の動向を非常に注意深く見守っていく」、「最近の為替相場の動きは行き過ぎ」との発言にEURの上昇力も抑えられていた。


米国市場では、ケース・シラー米住宅価格指数=前月比-2.4%(前回-2.1%)が20地域のうち16地域で前年比が過去最大の低下、消費者信頼感指数=64.5(予想73.5)5年来の低水準、期待指数=47.9(前回58.0)34年来の低水準でドルは弱く、米メリルリンチの第1四半期は赤字予想引き下げに、株価は下落=ドルは弱く、債券から株式に資金が移り、株価は前日比プラス圏まで値を戻したが、主要通貨ではドル売りの流れが続いた。


●ドル円  
アジア市場のドル円は100.72円で取引が始まり、朝方一時100.53円まで値を下げたが、本邦資本筋・信託銀行筋のドル買いに101.04円まで上昇したが、実需筋やアジア勢の売りに100.60円近くまで下落、EURUSDの上昇に100.08円まで続落したが、日経平均株価の上昇に下げ止まり、100.10~40円のレンジで取引が続いた。欧州市場は100.33円で取引が始まり、イースター休暇明けの株式市場は強く、クロスで円売りが進み100.68円まで上昇、100.35~60円のレンジで揉み合いから、ECBフィキシングでは100.22円まで値を下げた。米ケース・シラー米住宅価格指数は弱く、注目された米国株は、米メリルリンチの利益予想が引下げられ一時100ドル近く下落すると、ドル円は99.63円まで下落、非常に弱い米消費者信頼感指数にも、信託筋、個人投資家、資本筋のドル買いにドル買いが続いた。米株価が反発に転じると、株高=円売りに100円台を回復し100.40円まで値を戻し、06:00時では100.14円で取引されている。


●ユーロドル
アジア市場のユーロドルは1.5423で取引が始まり、1.5408を安値に1.5410~45の狭いレンジで取引が続いたが、投資信託のEURJPYの買い+アジア中銀筋の買いに前日高値1.5456を超え、1.5500超えのストップロスを誘発し1.5572まで急伸、1.5535~65の狭いレンジで取引が続いた。欧州市場は1.5549で取引が始まり、堅調な欧州株や、東欧筋の買いに1.5600まで上昇、1.5575~00の揉み合いから、パパデモスECB副総裁が「最近の為替相場の動きは行き過ぎ」との発言に、一時1.5565まで値を下げた。弱い米ケース・シラー米住宅価格指数、弱い米消費者信頼感指数にユーロ買いが続き、主要国でドルは弱く1.5619まで続伸、1.5590~15の狭いレンジ取引きから終盤に1.5660まで上昇、06:00時では1.5649で取引されている。


●ユーロ円
アジア市場のユーロ円は155.36円で取引が始まり、朝方一時155.16円まで下落、155.30~55円のレンジから投資信託筋の買い+EURUSDの上昇に156.26円まで急伸、USDJPYの売りに上げ止まり、本邦実需筋の売り155.80~20円の攻防から一時155.61円まで下落、日経平均株価の上昇に156.32円まで再上昇した。欧州市場は156.03円で取引が始まり、堅調な欧州株に156.53円まで上昇、156.15~45円の揉み合いからEURUSDの買いに156.77円まで上昇したが、パパデモスECB副総裁に売りに転じ、米国株が一時100ドル近く下落すると155.29円まで急落した。ロンドン・フィキシングから買いに転じ156.03円まで上昇、米国株が反転すると、株高=円売りの流れに戻り、156.60円まで値を戻し、06:00時では156.49円で取引されている。


●主な経済指標の結果
21:30 カナダ 1月の小売売上高=前月比1.5%(予想1.2% 前回0.8←0.6%)、除く自動車=前月比1.3%(前回-0.3←-0.4%)
22:00 米 1月のケース・シラー米住宅価格指数=前月比-2.4%(前回-2.1%)、前年比-10.7%(前回-9.1%)→ 20地域のうち16地域では前年比で過去最大の低下
23:00 米 3月の消費者信頼感指数=64.5(予想73.5 前回76.4←75.0)→5年ぶりの低水準、現況指数=89.2(前回104.0←100.6)、期待指数=47.9(前回58.0←57.9)→ 34年ぶりの低水準
23:00 米 3月のリッチモンド連銀製造業指数=6(予想-5 前回-5)


●昨日の主な発言その他
米国・カナダ
◎米連邦住宅公社監督局(OFHEO)=米1月の米住宅価格指数は前月比-1.1%、前年比-3.0%低下した。
◎NY連銀=JPモルガン・チェースのベアー・スターンズ買収に関連し、設立される管理会社に供給するJPモルガン発行の劣後証券、NY連銀の融資の条件を発表。NY連銀融資が290億ドル、劣後証券が10億ドル。 期間は共に10年で公定歩合2.5%。
◎UBS=米メリルリンチの利益予想を引き下げ。
◎JPモルガン=米メリルリンチの第1四半期は赤字、予想引き下げ。


欧州・英国
◎ECB=ドル資金入札で150億ドルを供給した。
◎スイス中銀(SNB)=ドル資金入札で60億ドルを供給した。 UBS損失拡大のウワサが広がる。
◎3ヶ月物ユーロとポンドのLIBORは年初来最高値水準。
◎アイスランド中銀=クローナ安防止で予想外に政策金利を1.25%ポイント引き上げ15%に決定した。
◎アイスランド中銀=クローナ安は企業や家計のバランシスシートを傷つけ、将来の金融の安定を損なうため、できる限り早急にクローナ安を反転させることが重要。
◎パパデモスECB副総裁=ECBは引き続き為替市場の動向を非常に注意深く見守っていく。最近の為替相場の動きは行き過ぎ。
◎英産業連盟(CBI)=GDP伸び率予想、2008年=1.8%←2.0%、2009年=1.7%。


日本・その他
◎中国銀行=2007年決算は31%増益となったが、米サブプライムローン関連証の損失を見込んで13億ドルの引当金を計上。

2008年3月26日 本日の為替戦略

先週初めから始まったドル買いの流れも、イースター休暇の終了と共にドル売りへと変化し、先週20日イースター入り直前近くの水準に値を戻している。昨日は、投機的なポジションはそんなに無いのか、NY時間に発表された、米消費者信頼感指数と米住宅価格指数が驚くほど弱かったにもかかわらず、以外なほどドル売りへと反応しなかった。


米国市場の終盤では、WSJ紙ではクリアー・チャンネル・コミュニケーションズ株式会社190億ドルの民営化が崩壊の危機にあると報じている。いつもながら、UBSや英系金融機関の損失拡大のウワサが流れ、昨日は米メリルリンチの第1四半期の赤字額拡大の思惑に相場が動く、金融不安に敏感な相場が続いている。


思い切った金融緩和政策や経済対策に期待感がもたれ、ドルの水準は先週初めより高い位置で留まっているが、昨日の値動きを見る限り、ドルは弱く不安感を感じどうも心もとない。結果として、主要通貨高=ドル安、そして、クロスで円売りの流れに変わりやすい。


本日の経済指標・その他では、トルシェECB総裁の議会証言が注目され、独ifo景況指数、米耐久財新規受注、米新築一戸建て住宅販売件数など、為替への影響が大きい発表が多い。


●ドル円
ドル円は、昨日の高値101.04円が戻り高値で今後下落するのか? いずれにしても最近のドル買いがドルの信認回復やリアルマネーの買いとは考え難く、再び下落する可能性も残る。直近はドルブルとベアが交錯する可能性が高く、99円~101円のレンジに入りやすい。


ドル円の4時間チャートは、下降トレンドから目先は上昇に変わり100円近辺での取引が続いている。卯上値のポイントは、100.45円、100.58円、101.14円、101.45円、102.38円。下値のポイントは、99.07円、98.73円、97.80円、97.66円。RSIは62と下降ラインが続いているが、トレンドモメンタムは買いを継続。トータルの判断は、売り。昨日の101.04円で戻りを達成した可能性強いが、まだ、101.45円までの戻り高値の可能性は残る。これを超えるまでは売りの流れは変わらず。


●ユーロドル
ユーロドルは、資本筋や中銀筋と思われる買いに上昇したが、イースター休暇前に作られたユーロ売りポジションの巻き戻しの部分も多く、上昇幅が加速していた。目先のポジション調整もここまで上がれば相当終わり、この水準から上昇スピードは鈍くなることが予想されるが、目標は1.5700。


ユーロドルの4時間チャートは、下降トレンド→レンジ相場→上昇へと変わりつつある。上値のポイントは、1.5639、1.5688、1.5903。下値のポイントは、1.5555、1.5525、1.5454。RSIは50と上昇ラインが続き、トレンドモメンタムも買い変化する可能性が高い。トータルの判断は、買い。


●ポンド円
ポンド円は、GBPUSDが2.0台を回復し急上昇したため、GBPJPYも買いが続いている。目先は201円を超えて上昇することができるかがポイントで、売り買いが交錯することが予想されるが、買い先行、または、押し目買いで望みたい。


ポンド円の4時間チャートは、三角も持ち合いを上抜けし、買いが継続している。上値のポイントは、200.79円、201.79円、202.07円、204.33円。下値のポイントは、198.93円、198.43円、197.93円、195.07円。RSIは70と再上昇となり、トレンドモメンタムは買いを継続している。トータル判断は、目先は買いでターゲットは、200.79~201.79円。これを超えると話は別で買いが続く。


●本日の経済指標・その他
08:50 日本 2月の通関ベース貿易収支=予想 前回-790億円
18:00 独 3月のifo景況指数=予想103.3 前回104.1、現況指数=予想109.1 前回110.3、期待指数=予想97.7
18:00 ユーロ 1月の経常収支=予想 前回-103億ユーロ
18:00 ユーロ 1月のネット・インベストメントフロー=予想 前回-195億ユーロ
18:00 ユーロ 1月の製造業新規受注=前月比予想0.3% 前回-3.6%、 前年比予想3.9% 前回2.1%
21:30 米 2月の耐久財新規受注=前月比予想0.8% 前回-5.1%、除く輸送機器=予想-0.3% 前回-1.5%、除く国防関連=予想-0.8% 前回-4.4%、除く航空機・非国防資本財=予想-0.1% 前回-1.5%
23:00 米 2月の新築一戸建て住宅販売件数=予想-2.0%・58万件 前回-2.8%・58.8万件
未定(25~28日) 独 3月の消費者物価指数=前月比予想0.3% 前回0.5%、前年比予想2.9% 前回2.8%、HICP=前月比予想0.3% 前回0.5%、前年比予想3.0% 前回2.9%
トリシェECB総裁、欧州議会で証言
エバンズ米シカゴ地区連銀総裁が経済見通しについて講演
フィッシャー米ダラス地区連銀総裁が講演「FRBと地域経済」

世界資源戦争18 新興産油国・石油企業の躍進 中国石油企業の油田・ガス田開発

中国新疆(しんきょう)ウイグル自治区にある中国石油天然気集団公司(CNPC) 傘下の独山子石油化工分公司(独山子製油所)とカザフスタンの北カスピ堆積盆地を結ぶ総延長約3000キロに及ぶ「中国-カザフスタン石油パイプライン」が2005年、両国が30億ドルを共同出資して完成した。


ここに至るまで中国は約10年前から布石を打ってきた。CNPCは1996年にカザフスタン国営石油企業の株式60%を取得し、油田の権益を手に入れた。株式取得は国際入札で行われたが、欧米石油メジャーを抑えてCNPCが落札できた理由は、カザフスタン政府に対し、「中国-カザフスタン石油パイプライン」の建設を約束し、カザフスタンがそこに大きな利益を見出したからだ。カザフスタンからすれば、ロシア経由以外の輸出ルートを持つことができ、販路が広がったことになる。


CNPCはその後も2005年に、カナダに本社を置くペトロカザフスタン社を41.8億ドルで買収するなど、カザフスタンのガス田や油田権益を取得していった。この買収をロシアの石油大手ルクオイルが阻止しようとしたが、カナダの裁判所は訴えを却下した。ここでもCNPCは勝利をおさめたといえよう。


中国にとっての最大のメリットは、本パイプラインの最終の供給地である蘭州市や重慶市、鄭州市など内陸部に低コストで石油を輸送できることだ。これらの内陸部はインフラ整備が進んでいなかったため、国内周辺油田からの原油はこれまで鉄道やトラックで運ばれていた。それによって他の地域に比べ輸送コストが割高となっていた。人口320万人の蘭州市は、石油・鉄鋼が盛んな工業都市。大気汚染で知られる重慶市は自動車産業と軍事設備生産の拠点。人口は3144万人。人口698万人の鄭州市は新都市建設が進む古都。内陸部のこれらの都市だけで約4162万人もの人口があること自体驚きである。それは同時に石油を大量に消費していることを物語っている。


中国は大量に石油を使いながら、足元で油田・ガス田の開発投資を行っている。その結果、生産量とともに埋蔵量も増加している。1996年から2005年までのアジア太平洋における主要産油ガス国の発見埋蔵量は、中国が圧倒的に多い。2位オーストラリア、3位インドネシアと続くが、豪州の倍以上の発見埋蔵量だ。中国で発見埋蔵量が増えている理由は、試掘井削数が多いからである。本来、消費すれば埋蔵量は減るものだが、大型油田・ガス田を発見していけば、一気に埋蔵量は増える。


中国では2005年から2007年にかけて、渤海の極浅海域で「ナンプー油田」、内陸の四川盆地で「ロンガンガス田」など大型の油田・ガス田が発見されている。CNPCは渤海「ナンプー油田」の原油の予想埋蔵量を14億7600万バレル、天然ガスの埋蔵量を1401億立方メートルと発表した。中国では1990年代後半以降、既存の油田(重慶、勝利、遼河)の生産量の減退が顕著になっていた。増加しているのは、西部地域のジュンガル盆地、タリム盆地、オルドス盆地などだ。天然ガスは四川盆地が最大の生産地である。


中国政府は陸上における外国企業と石油契約を締結する権利をCNPCの民間子会社である中国石油天然気(ペトロチャイナ)と、中国石油化工集団公司(Sinopec Group)の民間子会社である中国石油化工(Sinopec Core)だけに与えている。中国海洋では主に「中国海洋石油」(CNOOC Ltd)が、原油・ガス田の探鉱・開発事業を行っている。その海洋における原油生産量は渤海を中心に伸びており、2006年には中国生産量全体の約15%に達したという。中国は陸上だけでなく、海洋の開発にも力を入れてきた。


まだ記憶に新しい事件だが、2004年3月、日本の固有領土である尖閣諸島に、中国人7人が上陸するという事件が発生した。明らかに不法滞在である。尖閣諸島周辺を含む東シナ海一帯には、豊富なガス・石油資源が存在していると見られている。中国が調査船を日本海まで派遣してくる目的はいろいろあるのだろうが、ひとつには原油・ガス田の探鉱・開発事業の視察であろう。中国は大型油ガス田の発見に血眼になっているようだ。


By Master K/益田 慶

2008年03月27日

2008年3月27日 26日の海外為替市場

激しいユーロ買い、ポンドはドタバタ。


アジア市場は、狭いレンジ相場が続いたが、午後3時にはオプションカットに絡む円売りが見られた。欧州市場では、序盤サルコジ仏大統領が「仏英でドルについて協力して米国に圧力をかけられるのではないか」との発言にも底堅く、独ifo景況指数=104.8(予想103.3)、ユーロ純投資流入額=221億ユーロ(前回-175)、ユーロ製造業新規受注=前月比2.0%(予想0.3%)と全てが強く、サウジアラビアの買いの噂も流れ、ユーロ急騰。EURUSD=1.5597→1.5757(米国市場1.5859)まで上昇。


さらに、トルシェECB総裁議会証言=インフレ率は3%を上回り推移、ユーロ高が欧州経済の成長に悪影響を及ぼす可能性、現在の金利水準で中期的な物価安定を確保との発言に、ユーロ買いが続いた。キングBOE総裁がインフレ率は3%→ポンド上昇、金融問題は困難かつ新たな局面、中銀は利下げ方向に一段と傾いているとの発言→ ポンドは急落。GBPJPY=200.50円→197.45円、EURGBP=0.7785→0.7894まで急落。


英国市場では、米耐久財新規受注=前月比-1.7%(予想0.8%)弱く、米新築一戸建て住宅販売件数=-1.8%・59万件(予想-2.0%・58万件)は強く発表されたが、ユーロ高の動きは変わらず、米国株も弱くドル全面安の展開が続き、EURUSDは1.5800をブレークし上昇が続いた。マクロ系ファンド、オプション勢の激しいユーロ買いに、弱い米国株にも影響を受けず、EURJPYの上昇が目立った。

 
●ドル円
アジア市場のドル円は99.97円で取引が始まり、前日の海外市場で上値の達成感が強く、米系証券の売りや、仲値に向けた実需筋の売りに99.65円まで下落したが、本邦資本筋やアジア筋の買いに 下げ止まり、オプションカットの買いに100.33円まで上昇した。欧州市場は100.17円で取引が始まり、本邦勢の売りに99.88円まで下落、欧州経済指標の影響を受けたEURUSDの急伸に99.04円まで急落した。EURJPYの買いに下げ止まりながらも、ドルロングポジションの巻き戻しやGBPJPYの売りに上値も重く、トルシェECB総裁・キングBOE総裁発言による欧州通貨が波乱の動きとなり、米耐久財受注が弱く99.87円まで続落となった。99.00円割れからは本邦資本筋やファンド筋のドル買いが強く、予想を上回る米新築一戸建て住宅販売件数にも、99.00~40円の狭いレンジでの攻防が続いた。弱い米国株に円買い(ドル売り)も見られたがEURJPY買いに売り買いが拮抗し、終盤にかけては一時99.59円まで値を戻したが、06:00時では99.15円で取引されている。


●ユーロドル
アジア市場のユーロドルは1.5648で取引が始まり、1.5610~58のレンジで取引が続いていたが、オプションカットのUSDJPYの上昇に1.5583まで下落、1.5590~20の狭いレンジで取引が続いた。欧州市場は1.5598で取引が始まり、独ifo景況指数・ユーロ純投資流入額・ユーロ製造業新規受注が強く、1.5730まで急騰、トルシェECB総裁発言では、ユーロ高懸念もあったが、インフレ懸念発言が材料にされ、BOEの利下げ観測にEURGPBが急騰、1.5748まで続伸、米耐久財受注が弱く1.5758まで上昇が続いた。1.5710~50での揉み合いから、1.5800のオプションバリアをトリガーし、投機筋のストップロスの買いを誘発し、CTA筋の買いも強く、徐々に底値を切上げ終盤にかけては1.5859まで上昇、06:00時では1.5856で取引されている。


●ユーロ円
アジア市場のユーロ円は156.37円で取引が始まり、155.95~49円の狭いレンジで売り買いが交錯、上下を抜け出すことはできなかった。欧州市場は156.27円で取引が始まり、本邦勢の売りに155.83円まで下落したが、独ifo景況指数・ユーロ純投資流入額・ユーロ製造業新規受注の買いとUSDJPYが99円割まで下落、155.67~156.80円のレンジで上下を往復、その後も155.69~20円のレンジで売り買いが交錯した。欧州市場の参加者が取引を終了、薄くなった相場でEURUSDの買いの影響に157.46円まで続伸、06:00時では157.23円で取引されている。


●主な経済指標の結果
08:50 日本 2月の通関ベース貿易収支=9700億円(前回-793億円)
18:00 独 3月のifo景況指数=104.8(予想103.3 前回104.1)、現況指数=111.5(予想109.1 前回110.3)、期待指数=98.4(予想97.7 前回98.2)→ 2007年8月来の高水準で3ヶ月連続の上昇
18:00 ユーロ 1月の経常収支=-191億ユーロ(前回43←19億ユーロ)
18:00 ユーロ 1月の純投資流入額(ネット・インベストメントフロー)=221億ユーロ(前回-175←-195億ユーロ)
18:00 ユーロ 1月の製造業新規受注=前月比2.0%(予想0.3% 前回-3.6%)、前年比7.3%(予想3.9% 前回2.2←2.1%)
21:30 米 2月の耐久財新規受注=前月比-1.7%(予想0.8% 前回-4.7←-5.1%)、除く輸送機器=-2.6%(予想-0.3% 前回-1.0←-1.5%)、除く国防関連=-1.6%(予想-0.8% 前回-4.2←-4.4%)、除く航空機・非国防資本財=-2.6%(予想-0.1% 前回-1.8←-1.5%)
23:00 米 2月の新築一戸建て住宅販売件数=-1.8%・59万件(予想-2.0%・58万件 前回-2.8%・58.8万件)、


●昨日の主な発言その他
米国・カナダ
◎フィッシャー・ダラス連銀総裁=政策担当者は金融危機対処に向けた策を講じるにあたり、インフレ高進を招かないよう注意を払う必要がある。経済が再び成長し始めた時にインフレの基調が依然高水準であれば、インフレが長期にわたり持続する状況を作り出す可能性がある。景気低迷対処に向けた過剰流動性の供給はインフレリスクを高める。米経済は減速に直面している。米国は信用の低下を経験している。米国は長期に渡る低成長局面にある。海外からのインフレ圧力に瀕している。FRBは流動性に焦点を置くべき。
◎ポールソン米財務長官=住宅価格の下落は不可避。当局者は介入せず経済への影響を最小限にするよう努力すべき。プライマリーディーラーや大手金融機関は新たな貸出制度を恒久的に利用できると考えるべきではない。最近のFRB措置は異例の混乱期だけの前例。 資本市場は依然として柔軟で底堅く、監督機関や当局は経済が直面するリスクに警戒。
◎エバンズシカゴ連銀総裁=FF金利(政策金)は緩和的で年後半に一段と力強い成長を後押しする。昨年秋の利下げ効果は恐らくまだ表れ始めたばかりで、利下げの集積が今後の成長をさらに促進する。FRBは低成長下での金融市場混乱が経済をさらに下押しするリスクを認識すべき。FRBはインフレ圧力にも留意すべき。最近のインフレは失望的で、コアインフレ率は長期的にみて望ましい水準よりも高く推移。
◎米ミシガン州の2つの年金基金は、JPモルガン・チェースによるベアー・スターンズの買収計画を一時差し止める緊急措置を裁判所に求めた。


欧州・英国
◎サルコジ仏大統=仏英、ドルについて協力して米国に圧力をかけられるのではないか。
◎欧州委員会は四季報=ユーロ高はユーロ圏の成長にとって逆風。2008年の成長率予想の1.8%は堅持した。過度の為替の動きは懸念要因。2月に前年比3.3%と記録的な高水準にあるユーロ圏のインフレ率はユーロ圏の成長にとってのもう1つ下向きリスク。
◎ドイツ銀=2007年年次報告で、世界的な信用市場の混乱に起因した資産の評価損計上や収入への影響によって、今年の利益目標が未達成に終わるおそれがあると。
◎トリシェECB総裁の欧州議会=ユーロ高が欧州経済の成長に悪影響を及ぼす可能性がある。現在の状況の下で、われわれは為替レートの過度の動きを懸念。為替レートの過度の変動と無秩序な動きは経済成長に望ましくない。
◎トリシェECB総裁の欧州議会=インフレ期待抑制がECBの最優先課題で物価安定に向けた断固たる姿勢。 金融市場の混乱は最悪期を脱したと明言は控えた。金利を現在の水準で維持しているとしたら、それが中期的な物価安定確保に必要な水準と判断で、現在の据え置きスタンスがインフレ抑制の一助になる。慌しい動きや高水準のボラティリティがみられる混乱期には、中央銀行のような公的機関のしっかりとした存在は決定的に重要。
◎トリシェECB総裁の欧州議会=インフレ率は3%を上回る比較的高い水準で推移。 中期的に物価安定に上向きリスクは広がる。インフレに対する短期的な強い上方圧力は、主にエネルギーや食品価格の上昇に起因。今後インフレ率は2%を大幅に上回る水準で推移。ユーロ圏の経済ファンダメンタルズは健全で、大きな不均衡はない。為替について過度の変動は成長にとって望ましくない。為替市場の過度の動きを懸念。強いドルは国益との米国の主張に大いに注目。利下げしても中銀の流動性オペにモラルハザードはない。インフレ率は今年の大半を通じて2%を上回る見通し。高インフレ局面は予想以上に長期化する見通し。インフレ期待抑制が優先課題。
◎トリシェECB総裁(月刊誌インタビュー)=現在の金利水準は正しい、短期金融市場の正常な機能と信頼に必要な水準。インフレの定着でインフレ期待が高まらないよう確実にする必要。
◎ECBスタッフの成長予測=世界の弱い需要、コモディティ価格に起因する圧力の高まり、12月に予測していたよりも好ましくない資金調達環境などを反映し、予想レンジは下方修正。 理事会の見方では、経済成長見通しに対する不透明感は異例なほど強い。下振れリスクは金融市場への影響が現在の予想以上に広がる可能性と関連。一段の下振れリスクはさらなる商品価格の上昇、保護主義的圧力、世界の不均衡を背景に秩序なき動きが起きる可能性から生まれている。失業率は過去25年なかった水準まで低下。消費の伸びが景気拡大に寄与する見込み。
◎キングBOE総裁=為替相場に無関心ではない。最近のポンドの下落は2年前の非常に理解し難いポンド高の調整。2007年末にかけて多額の貿易赤字を計上したが、これは英経済を輸出・設備投資主導に移行させる必要性を浮き彫りにした。 2007年下半期の金融市場の動向は、銀行セクターの問題とともに、長年にわたる国際的な不均衡が一部で解消され始めたことを示唆。
◎キングBOE総裁(議会証言)=金融問題は困難かつ新たな局面に入った。世界中で金融市場に対する信頼感が揺らいでいる。 金融市場の貸出状況ひっ迫を受けて中銀は利下げ方向に一段と傾いているか、との質問には「その通りだ」と答えた。これまでの利下げにもかかわらず、銀行のモーゲージ金利はクレジット問題に見舞われた昨年8月とほぼ同水準→ 4月利下げ観測が強まる。
◎イングランド銀行=インフレは3%近くまで上昇、2クレジットクランチは新たで困難な局面に入ったが、英国の政策当局は引き続き、成長の減速とインフレ率上昇のバランスをとる必要がある。
◎イングランド銀行(BOE当局者)=英経済がこれまでの個人消費依存から輸出主導に向かうなかで、ポンドは一段と下落する可能性がある。
◎ビーンBOE理事・首席エコノミストの議会委員会の証言=金融市場は明らかにリスクが下向き、英国経常収支の赤字額を考慮すると個人的に同じ見解。


日本・その他
◎韓国為替当局=7─8億ドル規模のドUSDKRWでドル買い介入を実施。
◎ムボウェニ南ア中銀総裁1=必要が生じれば、銀行セクターにおける流動性問題の緩和に向けた措置を講じる。

2008年3月27日 本日の為替戦略

イースター休暇明け二日目で、EURUSDは1.5859まで上昇し、過去6日間の下げを回復し、これである意味では振り出しに戻ったことになる。後は17日の高値1.5905を超えられるか否かで、相場の流れや市場のセンチメントは急変してくる。超えれば当然買いで1.60台を試し、通貨当局者の反応を試すことになり、失敗すると、ダブルトップとなり、また下落が始まることになる。


独・ユーロ圏の経済指標は強く、特に独ifoは驚きで、トルシェECB総裁の議会証言から、現在の金利水準を変更するつもりはなく、利上げも・利下げもしないと判断してもいいだろう。逆に、キングBOE総裁の証言では、インフレ率3%の可能性はあるが、金融問題は困難で新たな局面に入り、利下げを実施する覚悟を決めていると思われ、4月10日には0.25%の利下げの可能性が高くなっている。BOE当局者も一段のポンド安を予想し、ビーンBOE理事・首席エコノミストも同意権である。


このことだけを単純に考えれば、EURGBPの買いで昨日既に相当上昇している。クロスではGBPJPYの売り+EURJPYの買いとなるが、どうもその動きも鈍く、金利面を考えれば、GBPAUDの売りだが、こうもこれも反応が鈍い、不思議な値動きである。


本日の経済指標・その他では、米GDPの確報値は注目され、各国の通貨当局者の発言も今日は多い。


●ドル円
ドル円は、101円、100円と上値を切り下げ、ついに98.87円まで下落、99円台の終値は過去9日間中6日間では、最低が97.39円、最高が101.04円。本邦決算期末の特殊要因を除けば、どうも主体性が無い。今日も、株価を睨みながら、過大な円高も期待は薄く、レンジ相場だけを考えたいが、円高リスクがやや強くなっている。


ドル円の4時間チャートは、長い下降トレンドから上昇に変わり、そして100円を中心に上下1円で取引が続いている。上値のポイントは、100.07円、100.58円、100.88円、101.14円、101.45円。下値のポイントは、98.73円、98.27円、97.80円、96.03円。RSIは47と下降ラインが続き、トレンドモメンタムは売りに転換している。トータルの判断は、売り。


●ユーロドル
ユーロドルは、1.58台を回復し1.5859まで上昇、米国市場の午後で薄商いの中とは言え、過去6日間の高値を更新し、歴史的な高値の1.5905まで今一つの水準まで上昇した。先週のイースター休暇直前の安値1.5396から450ポイント近く上昇し、米国がサプライズなベアー・スタンーズ救済策の発表と公定歩合の引き下げ時の水準になり、1.5905を超えてくると米経済回復期待のドル買いが完全に否定されることになり、ドルの下落が続く可能性が高くなる。


ユーロドルの4時間チャートは、長い上昇トレンドから下降に変わり、いま再び上昇トレンドに入っている。上値のポイントは、1.5903、1.6017、1.6245。下値のポイントは、1.5752、1.5729、1.5688、1.5660、1.5583。RSIは74と上昇ラインが続き、トレンドモメンタムは買いが続いている。トータルの判断は、買い。


●ポンド円
ポンド円は、GBPUSDは2.01台を回復し、GBPJPYが201円台を回復、一時上昇期待が高まったが、キングBOE総裁から利下げを示唆する発言に値を下げ、完全に梯子を外された形になっている。しかし、不思議なことに、4月のBOE利下げ期待と景気低迷の不安にも、終値ベースで見ると、2.0091と前日2.0062を上回り、14日金曜日の推移に次ぐ高値で引け、ポンドは弱いのか強いのかよく解らない状況となっている。セオリーは悪材料に反応しないときには強気!


ポンド円の4時間チャートは、方向感もなく、197円~202円のレンジで取引が続いている。上値のポイントは、199.82円、200.79円、201.79円、202.07円、204.33円。下値のポイントは、198.43円、197.93円、195.07円、192.53円。RSIは55で揉み合い、トレンドモメンタムは買いを継続しているがやや弱含み。トータルの判断は、売り買いミックスか弱いながらも買いが優勢。200.79~201.79円を超えたら買いに変化。


●本日の経済指標・その他
06:45 NZ 2月の貿易収支=予想-1.8億NZドル、 前回-3.2億NZドル、
06:45 NZ 第4四半期の経常収支=前期比予想-34.99億NZドル、前回-51.74億NZドル、前年同期比予想-138.8億NZドル、 前回-142.3億NZドル
09:30 豪 オーストラリア中銀 金融調査
16:10 独 4月のgfk消費者信頼感調査=予想4.5 前回4.5
20:00 英 3月のCBI販売業=予想-5.0 前回-3.0
21:30 米 第4四半期のGDP・確報値: 前期比年率=予想0.6% 前回0.6%、デフレータ予想=2.7% 前回2.7%、最終需要=予想2.1% 前回2.1%、コアPCE価格指数=予想2.7% 前回2.7%、PCE価格指数=予想4.1% 前回4.1%
21:30 米 第4四半期企業利益=予想-0.1% 前回0.0%
21:30 米 新規失業保険申請件数(3/23までの週)=予想36.0万件 前回37.8万件
23:00 米 2月の求人広告指数=予想20 前回21
未定(25~28日) 独 3月の消費者物価指数=前月比予想0.3% 前回0.5%、前年比予想2.9% 前回2.8%、HICP=前月比予想0.3% 前回0.5%、前年比予想3.0% 前回2.9%
Gjedremノルウェー中銀総裁発言
クロズナーFRB理事、銀行融資・住宅所有関連法について講演
スターン米ミネアポリス地区連銀総裁が講演  「経済と金融政策についての視点」
ロックハート米アトランタ地区連銀総裁が経済見通しについて講演
ミシュキンFRB理事が講演「コンフォートゾーン(comfort zone)」
マコ ミック米財務次官が講演「米日の経済関係:変貌する世界で不可欠なもの」

100年企業19 旧財閥系の100年企業 地方財閥(阪神財閥)  旧広岡財閥・伊藤財閥

江戸時代に三井家、鴻池家とともに繁栄した大阪の両替商「加島屋」。幕末の1849年~1902年(明治35年)に連続して長者番付にランクインした人物を挙げれば、1位:三井財閥・本家当主三井八郎右衛門(東京)、2位:鴻池財閥・鴻池善右衛門(大阪)、住友財閥・住友吉左衛門(大阪)、そして3位に「加島屋」当主・9代目広岡久右衛門の名が並ぶ。9代目こそが明治維新の混乱期を乗り越え、明治・大正時代に金融グループの広岡財閥を形成した人物だ。


9代目久右衛門こと広岡信五郎は1888年、両替商「加島屋」のノウハウをもとに「加島銀行」を設立し、初代頭取に就任。翌年、大阪の有力財界人が参加して尼崎市に設立された「尼崎紡績」の初代社長に就いた。尼崎紡績はのちに「大日本紡績」に改称し、「日本レイヨン」と合併し、今日の「ユニチカ」へとつながっている。繊維事業だけでなく高分子事業・生活食品分野・環境事業などにも進出する同社は、1889年創業の「100年企業」だ


明治に入り、時代の変化に追いつけずに没落しかけた広岡家を再興したのは、信五郎に嫁いだ浅子の手腕と三井家の援助があったからだ。浅子は、当時の三井室町家当主で三井銀行の社長を務めた三井高保の娘。信五郎に銀行業と紡績業に絞り込むよう助言したのは義父・三井高保で、「加島屋」の実質的な経営者は浅子であった。彼女は1901年開校の「日本女子大」の設立にも加わり、女性実業家として多額の資金を提供している。同大学は「100年企業」ならぬ「100年大学」だ。


ほかに信五郎は「朝日生命」(現存の朝日生命とは異なる)の経営に参画し、1903年に同社を含めた3社によって誕生した「大同生命」の初代社長にも就任している。大同生命もまた大阪に本社を置く「100年企業」である。一方の加島銀行は昭和恐慌の影響で1937年、業務を野村銀行と山口銀行に分割譲渡して廃業した。ちなみに10代目広岡久右衛門は日本ゴルフ協会の理事を務め、関西でゴルフ場の設計も手がけた。


三井、鴻池、住友、広岡などの財閥が江戸時代の両替商を起源とするなら、兵庫県の伊藤財閥は江戸時代の大地主から財閥にスライドした不動産長者であった。1911年の全国多額納税者名簿(長者番付)で全国一位を占めたのが、兵庫県の伊藤家である。伊藤長次郎一族は不動産資本をもとに阪神地区の多くの新規事業に投資し、複数の会社の株主となった。ちなみに同じ伊藤財閥の名で、名古屋で創業した「いとう呉服店」(のちの松坂屋)や伊藤銀行、名古屋観光ホテルなどを経営した伊藤財閥があるが、血縁関係はない。


四代伊藤長次郎は兵庫-神戸間の路線を走る山陽鉄道や姫路第三十八国立銀行などの設立発起人にもなり、姫路第三十八国立銀行設立後に頭取も務めた。山陽鉄道の発起人には藤田財閥・藤田伝三郎、辰馬財閥・辰馬吉左衛門、岡崎財閥創始者・岡崎真鶴など阪神財閥の面々が名を連ね、初代社長にはのちに三井銀行の理事となる中上川彦次郎が就いた。


この阪神の不動産王・四代伊藤長次郎が第三十八国立銀行のバックアップを受けて、1887年に神戸に設立した「100年企業」がシルクを輸出する商社「神栄」である。生糸の輸出からスタートした同社は現在、衣料、食品、住宅、情報など幅広い事業を展開する「神栄グループ」を築いている。


以下は余談。伊藤長次郎一族には劣るが、姫路には他に有名な大地主がいた。大阪・堂島で名を馳せた伝説の相場師・牛尾梅吉である。梅吉の息子・健治は姫路銀行頭取を務め、のちに神戸銀行に吸収合併した際には神戸銀行の初代副頭取を務めた。電力・伝記事業にも進出し、「中国合同電気」や「山陽配電」の経営も担い、牛尾財閥を築いた。その中国合同電気を買収した山陽中央水電の大株主が、前出した四代伊藤長次郎である。買収される側と買収する側が同じ姫路の大地主同士であったのは、何かの因果だろうか。ちなみに中国合同電気の電球製造部が独立して「姫路電球」が誕生するが、同社から産業用特殊光源の製造部門を受け継いで「ウシオ電機」を創業したのが、健治の息子、現同社会長の牛尾治郎氏である。


By Master K/益田 慶

2008年03月28日

2008年3月28日 27日の海外為替市場

アジア市場は、本邦決算期末を直前に、リパトリの円買いと積極的な実需筋の円買いが続いたが、後半では日経平均株価の下落にも円を売り戻す動きが続いた。


欧州市場ではEURGBPの激しい売り買いに、EURUSDやGBPUSDの変動が続き、結果的に、EURJPYやGBPJPYの変動が激しくなった。イングランド銀行、スイス中銀と短期金融市場への資金供給が見られ、ECBも必要があれば流動性を供給と発表、トルシェECB総裁やクアデン・ベルギー中銀総裁からインフレを懸念、金利据え置きの思惑がEURをサポートしていた。


米国市場に入り、第4四半期のGDP・確定値が前期比年率=0.6%(予想0.6%)と予想通りになったにもかかわらず、コアPCE価格指数=2.5%(予想2.7%)や、個人消費支出=2.3(前回1.9 )を材料にしたドル買い戻しが見られたが、リーマン・ブラザーズが資金繰り困難とのウワサ(後否定)に株価が急落、USDJPYが100円超えのトライに三度失敗、NYダウは12302.46(-120.40)と弱く、CRBインデックス=400.31まで上昇、原油=107.20、金=947.38と高水準で推移、USDJPYは99円台後半で揉み合いとなった。


●ドル円
アジア市場のドル円は99.15円で取引が始まり、99.22円を高値に売り買いが交錯、仲値近辺では実需筋とリパトリの売りに98.56円まで値を下げたが、98円台ではファド筋や個人投資家のドル買いが強く、日経平均株価の下落にもかかわらず99.40円まで上昇した。欧州市場は99.21円で取引が始まり、EURUSDの売りに99.78円まで上昇、本日行使日99.50円ストライクのオプションが意識され、99.50円中心の取引が続いた。米第4四半期のGDPの発表を契機に、コアPCE価格指数の低下と個人消費支出の増加を材料に100.17円まで急伸、オプションカット後には一時99.35円まで下落した。ロンドンフィキシング後には、再び100円超えを試し100.12円まで上昇したが、上値トライはまた失敗、欧州市場が取引を終了した薄商いで、三度上値をトライし100.17円まで上昇したが、共に、本邦輸出筋の売りや弱い米国株に、三度失敗し、99.60円まで下落、06:00時では99.62円で取引されている。


●ユーロドル
アジア市場のユーロドルは1.5845で取引が始まり、1.5848を高値にEURJPY売りに上値は重く、1.5786まで下落、一時1.5828まで値を戻したが、1.5800~20の揉み合いから、日経平均株価の下げにEURJPYが続き1.5765まで値を下げた。欧州市場は1.5782で取引が始まり、米系証券や東欧勢の激しいEURGBPの売りに、1.5750~70のストップロスを誘発し1.5727まで下落、売り一巡後には1.5823まで上昇、強い英CBI小売売上高にEURGBPの売りが再開され、米第4四半期のGDP後の売りに、1.5729まで再度下落した。1.5700~30では中銀筋の買いに底堅く、1.5765~10のレンジで取引が続き、EURJPYの買い戻しに底堅い展開の中で1.5816まで値を戻したが、ドル円の100円台超え失敗の反動に、EURJPYが下落すると、1.5757まで値を下げ、06:00時では1.5780で取引されている。


●ユーロ円
アジア市場のユーロ円は157.10円で取引が始まり、157.01円を高値に、実需筋や本邦勢によるリパトリ売りに155.88円まで続落したが、USDJPYが下げ止まり上昇に転じ156.78円まで徐々に底値を切上げた。欧州市場は156.60円で取引が始まり、EURUSDの急反発に157.40円まで上昇、米第4四半期のGDP発表直後には156.89円まで下落したが、EURUSDの急反発に157.88円まで急伸、USDJPYが100円近くで上値を押さえられ157.00円まで下落した。ロンドンフィキシングを契機に買いが始まり、USDJPYの100円再トライに158.03円まで上昇、157.50~90円で売り買いの攻防が続いたが、弱い米国株に円の買い戻しが続き、157.03円まで値を下げ、06:00時では157.19円で取引されている。


●主な経済指標の結果
06:45 NZ 2月の貿易収支=2.58億NZドル(予想-1.8億NZドル、 前回-3.16←-3.2億NZドル)
06:45 NZ 第4四半期の経常収支=-34.1億NZドル・季節調整-30.94億NZドル(前期比予想-34.99億NZドル、前回-52.2←-51.74億NZドル)、前年同期比-138.3億NZドル(予想-138.8億NZドル、 前回-142.8←-142.3億NZドル)
16:10 独 4月のgfk消費者信頼感調査=4.6 (想4.5 前回4.5)
20:00 英 3月のCBI小売売上高=1.0(予想-5.0 前回-3.0)
21:30 米 第4四半期のGDP・確報値: 前期比年率=0.6%(予想0.6% 前回0.6%)、デフレータ=2.4%(予想2.7% 前回2.7%)、最終需要=2.4%(予想2.1% 前回2.1%)、コアPCE価格指数=2.5%(予想2.7% 前回2.7%)、PCE価格指数=3.9%(予想4.1% 前回4.1%)
21:30 米 第4四半期企業利益=-3.3%(予想-0.1% 前回0.0%)
21:30 米 新規失業保険申請件数(3/23までの週)=36.6万件(予想36.0万件 前回37.5←37.8万件)
23:00 米 2月の求人広告指数=21(予想20 前回22←21)


●昨日の主な発言その他
米国・カナダ
◎ピアナルト・クリーブラン連銀総裁=FRBは信用危機の経済への影響を最小限にとどめるために、従来の政策の枠組みを越えて対応する必要があった。従来の政策のメカニズムは、クレジット状況の悪化に対応するには十分ではなかった。新しい措置はすべて、市場の流動性を高め、秩序ある市場機能を促進するために策定された。
◎ロックハート・アトランタ連銀総裁=米経済はリセッションの入り口に立っている可能性があり、FRBは引き続き景気減速がなるべく痛みを伴わないよう尽力すべき。期待されている年後半の持ち直しは実現しない可能性もある。FRBは金融安定と経済保護に向けて対応の必要がある。個人的には経済見通しを引き下げた。 インフレは一段と重要な懸念で注意深く監視、景気が弱いため物価圧力は今後数四半期に鈍化する。為替はFRBの関心事の1つ。
◎スターン・ミネアポリス連銀総裁=クレジット問題は当面、経済成長の足かせとなる可能性が高いが、問題のある金融機関への支援をめぐり米政府は慎重に対応すべき
◎米リーマン・ブラザーズ=NY株式市場で資金繰り問題に直面する恐れがあるとのうわさに一時10%近い下落→ リーマンの広報担当者まったく根拠がないと否定。
◎クロズナーFRB理事=サブプライム住宅ローンの借り手保護に向けた規制の導入について、反対意見を慎重に検討していく。規制の導入は住宅ローン市場の信頼回復に寄与する可能性がある。
◎米FRB=3回のレポで175億ドルの資金を供給。
◎WSJ紙=メリウェザー氏のヘッジファンド、年初来の運用成績が-28%。
◎米カリフォルニア州=公的機関によるARS(変動金利債券)買い戻しを容認。
◎米SEC幹部=サブプライム問題に絡んだ違法行為、さらに表面化する可能性。
◎フィッチ=資本基盤見直しで金融保証会社の米FGICを格下げ。
◎金融保証会社(モノライン)フィナンシャル・ギャランティー・インシュアランスの親会社FGICは、モーゲージ関連の損失リスクが法律で定めた上限を超えたことを明らかにした。


欧州・英国
◎トリシェECB総裁(欧州議会への書簡)=ECBによる短期金融市場への追加資金供給はインフレ圧力の高まりにつながらないとの認識。
◎トルシェECB総裁=ECBはあらゆる動向を注視する。物価安定が政策に最も寄与する。ECBはインフレ期待の抑制を保証する。
◎クアデン・ベルギー中銀総裁(WSJ紙)=2009年のユーロ圏の経済成長は、ECBスタッフ予想の範囲の下限まで減速する可能性がある。ECBが政策金利を据え置いていることは、様子見スタンスと位置づけるのは消極的であることを示唆するため好ましくない。 E現在の金利水準はインフレ期待の抑制につながる。外国為替の過度の変動、明らかにネガティブなリスク。米国はよりスランプに陥っている。ユーロ圏の成長は鈍化の傾向にあり、インフレを抑制することができる。商品市況にショックが発生した場合は制御不可能。中長期的にインフレ期待を抑制することがわれわれの仕事。
◎英中銀とスイス中銀が、短期金融市場で追加の資金供給を実施。
◎3カ月物EURIBORは4.728%に上昇、3カ月ぶり高水準。
◎英銀行協会(BBA)=2月の英住宅ローン承認件数は4.387万件(前回4.3732万件)。
◎スペイン中銀=2008年の成長率見通しを2.5%(前回3.1%)に引き下げ。
◎ECBが流動性供給準備を表明し欧州株価上昇。
◎金融政策委メンバー=ポーランド政策金利、6%を上回る可能性。
◎仏政府報道官=強いユーロは仏経済に悪影響を及ぼす可能性。フランス政府はECBに警告。
◎ポーランド中銀=政策金利を0.25%引き上げ5.75%に決定。


日本・その他
◎額賀財務相=為替の過度な変動は望ましくない、米欧と密接に連携。過度な変動に際しては、海外ときちんと連絡取り合う。外貨準備の評価損は、1ドル=100円で18.5兆円。外貨準備高売却すれば、為替市場に不測の影響を及ぼしかねない。
◎須田日銀審議委員=フォワードルッキングということでアグレッシブな緩和政策やるべきではない。実際に悪い兆候出てきたら日銀が思い切った措置とることを市場と共有することが大事。金融緩和政策とらなければいけないとなれば、さまざまな措置を考える。過去の経験は何かをやらなければいけないときの参考になる。現在は下振れリスクの一方で市場が織り込んでいたものがその通りにならない上振れリスクもある。
◎スティーブンス豪中銀総裁= 世界的な金融市場の混乱はかなりの不安定だが、国内の金融システムはその副次的な影響をうまく乗り切っている。 各国の中央銀行は金融市場安定化のため積極的に対応しているが、当面波乱含みの状況が続く。一定のカテゴリーでリスクの大幅な見直しのほか、主要国際市場での大きな金融混乱を見てきた。米国の経済見通しは大きく悪化に転じた。
◎G7会合=4月11日にワシントンで開催。
◎イラクの主要な原油輸出パイプラインが爆破。
◎台湾中銀=政策金利を12.5bp引き上げ3.5%に決定。
◎韓国国家年金基金=利回りが低すぎ、今後は米国債の購入を中止する方針。
◎中国投資有限責任公司(CIC)中国の政府系ファンド(独紙)=独ドレスナー銀行買収めぐり暫定的な協議。

2008年3月28日 本日の為替戦略

4月11日にワシントンでG7が開催されると発表があったが、この日程も今後の為替相場に影響を与える。


今日は3月28日(金曜日)、来週月曜日3月31日が3月の最終日ではあるが、なんとなく本日が最終日のような錯覚を受け、ポジション調整は実需筋の動向にはどうしても過敏になりやすい。


今週に入りドルは三日間続落していたが、昨日は久々にドルの買い戻しが入るものの、小幅ものに留まり本日も調整に動くエネルギーは残っている。円クロスでも前日比あまり変わらず横ばいとなっているが、今週の円クロスの値動きは以外と思えるほど狭い動きで、金融不安や株の変動が少なくなっている反動と思われる。


昨日は、ドル円の100円トライを三度失敗したが、昨日の海外市場を見るに、セオリーでは、一度はクリアに100円台を達成することを期待したい。逆に、明確は材料も無く達成した後のドル下落も非常に気になる。


全体では、ECB通貨当局者からの発言では、EURは堅調な推移が予想され、GBPはどうしても弱い材料が多く目先の堅調さとは裏腹にそれほど強気になれなない。円クロスではテクニカルを度外視すれば、まだまだ底値が見えず、円高のリスクはまだ完全に消えそうにもない。


本日の主な経済指標・その他では、日本全国消費者物価指数、英ネーションワイド住宅価格、米個人所得・消費支出、米ミシガン大消費者信頼感指数、独消費者物価指数が注目される。


●ドル円
ドル円は、本邦決算期末の特殊要因による売り買いの影響を受けやすく、投資信託の買いも続いている。本日も100円の攻防が注目されるが、特別な材料やセンチメントの変化も無く、100円をクリアに超えられないと逆に、ドルは弱気になりやすく、投機筋の買いが先行し後で下落のシナリオが描きやすい。


ドル円の4時間チャートは、広くは下降トレンドが続き、目先は98.50~100.50円のレンジで取引が続いている。上値のポイントは、100.07円、100.58円、100.88円、101.14円。下値のポイントは、99.07円、98.73円、97.88円、96.03円。RSIは50と下降ラインが続くものの、やや弱くなっている。トレンドモメンタムは売りに転じてからやや勢いが弱くなっている。トータルの判断は、100円台に乗せ何処まで上昇できるかを試す相場になりやすいが、上値も限定的で下落リスクが続く。広くは97.88~100.58円のレンジ。


●ユーロドル
ユーロドルは、今週に入り1.5341→1.5859まで上昇、昨日は1.5727まで値を下げている。17日の高値1.5905を超えることができるかが重要となるが、昨日は陰線で前日の大陽線の中の上限近くに位置し、前日高値1.5859を超えらず、売りに変化する可能性が残る。ECB関係者の発言では、クアデン・ベルギー中銀総裁のように、欧州経済に関しての弱気な発言が目立つ。まあ、最も他国との比較が為替に影響するので割り引いて考える必要がる。


ユーロドルの4時間チャートは、上昇トレンドから、1.5700~1.5900のレンジで取引が続いている。上値のポイントは、1.5858、1.5903、1.6017。下値のポイントは、1.5752、1.5688、1.5660、1.5583。RSIは70で上昇ラインも崩れ横ばいに変わっている。トレンドモメンタムは買いを継続。トータルの判断は、ユーロ買いも弱まり1.5688~1.5900のレンジ。


●ポンド円
ポンド円は、EURGBPの激しい売り買い混在に、GBPJPYは上昇から下落に見舞われ、一時201円の大台に乗り201.73円まで上昇したが継続できず、上下失敗して元のレンジに戻っている。目先の流れは買いが優勢となているが、優位性も徐々に薄らぎ、買い→売りに変化をする可能性も意識する必要がある。


ポンド円の4時間チャートは、三角持合を抜けたピポットライン198円近くを下限に198円~202円のレンジに入っている。上値のポイントは、200.79円、201.79円、202.07円、203.37円、204.33円。下値のポイントは、198.43円、197.93円、195.07円。RSIは60と横ばいが続き、トレンドモメンタムは買いを継続している。トータルの判断は、持ち合い。201.79円をクリアに超えたら買いが加速。197.85~93円をクリアに割り込んだら、買いから売りに流れが変化。


●本日の経済指標・その他
06:45 NZ 第4四半期のGDP=前期比予想0.8% 前回0.5%、 年率換算予想3.4% 前回3.3%
08:30 日本 2月の失業率=予想3.8% 前回3.8%、有効求人倍率=予想0.97 前回0.98
08:30 日本 2月の全世帯家計調査-消費支出=前年比予想2.5% 前回3.6%
08:30 日本 3月の東京都区部消費者物価指数=前年比予想0.5% 前回0.4%、除く生鮮食品予想0.5% 前回0.4%
08:30 日本 2月の全国消費者物価指数=前年比予想0.9% 前回0.7%、除く生鮮食品=予想0.9% 前回0.8%
16:00 英 3月のネーションワイド住宅価格=前月比予想2.0% 前回-0.5%、前年比予-0.3% 前回2.7%
16:00 独 2月の輸入物価指数=前月比予想0.5% 前回0.8%、前年比予想5.3% 前回5.2%
18:30 英 第4四半期のGDP・確報値=前期比予想0.6% 前回0.6%、前年比予想2.9% 前回2.9%
18:30 英 第4四半期の経常収支=予想-180億ポンド 前回-200.4億ポンド
19:30 スイス 3月のKOF先行指数=予想1.58 前回1.65
21:30 米 2月の個人所得・消費支出: 個人所得=前月比予想0.3% 前回0.3%、個人消費支出=前月比予想0.2% 前回0.4%、PCE価格指数=前月比予想0.3% 前回0.4%、前年比予想3.6% 前回3.7%、コアPCE価格指数=前月比予想0.1% 前回0.3%、前年比予想2.1% 前回2.2%
23:00 米 3月のミシガン大消費者信頼感指数・確報値=予想70.0 前回70.8
独 3月の消費者物価指数=前月比予想0.3% 前回0.5%、前年比予想2.9% 前回2.8%、HICP=前月比予想0.3% 前回0.5%、前年比予想3.0% 前回2.9%
未定(28日~2日) 独 2月の小売売上高=前月比予想0.7% 前回0.7%、前年比予想1.1% 前回0.6%
プロッサー米フィラデルフィア地区連銀総裁がパネル討議に参加 「世界金融政策における問題」

2008年3月28日 20:20Vision チベット問題&グローバル人権聖火リレー

先日、テレビ朝日報道ステーションだと思いますが、朝日新聞編集委員の星浩氏のコメントを聞いて耳を疑ってしまいました。最近の毒餃子事件やチベット弾圧事件を取り上げて、中国のこのような対応(マスコミの締め出し、事実隠蔽など)は、自ら中国の民主主義が擬似民主主義であると疑われるような行為であると言っていたことです。


わたしは、これまで中国は民主主義国家だとは思っていなかったので、この発言にビックリしてしまいました。朝日新聞は、あるいは星浩氏は中国を民主国家として報道してきたのでしょうか? 胡錦濤主席が一介の技術テクノクラートから国家主席にまで上り詰めた理由は、まさにチベット弾圧の功績を買われての出世です。


胡錦濤は、1964年、理科系の名門・清華大学の水利工程系を卒業して、水力発電の技術者として世に出ていますが、卒業と同時に安徽省の中国共産主義青年団で政治活動を始めています。中国の国家権力はいくつかの出身派閥で形成されていますが、中国共産主義青年団は近年、出世コースとして注目されています。


胡錦濤が官僚として優秀であったことは、その後の経歴を見れば明らかです。1984年、中国共産主義青年団中央第一書記、1985年9月、中共中央委員会の常任委員、同じ1985年には42歳にして貴州省の共産党書記に抜擢されています。貴州省というのは中国国内でも最も貧しい省のひとつです。その後、1989年1月にはチベット自治区の共産党書記に就任しています。就任早々の3月7日、ラサに戒厳令を発令しています。当時のチベットは、民族独立運動が激しくなりつつあったころです。中南海(中国共産党本部)は、この運動を抑え込むために武力による弾圧を強化しています。多くのチベット人を弾圧、逮捕、投獄、虐殺しています。同時に漢民族の移民を行い、チベット民族の混血化と希薄化を推進しています。かつて中国を支配していた清国は満州族(女真族)によって成立しましたが、共産中国になってからはすべての女真族がチベットに強制移住させられ、混血が進められ、『民族浄化』が進んだ結果、現在では人口1万2000人程になってしまいました。スターリン時代のソ連が、ヒトラー以上にユダヤ人を弾圧し、満州ソ連の国境にユダヤ人自治区を作って強制移住させたのと同じ行為を女真族に対して行ったのです。


チベット民族の人口は700万人程度と推測されますが、その多くは中国、ネパール、インド、ブータンに住んでいます。また、多くの亡命者が世界各地に点在しています。ブータンはチベット民族が唯一国連加盟している国家です。中国国内ではチベットはチベット自治区のことを指しているようですが、歴史的にはチベット自治区、青海省、四川省西半分、甘粛省南西部、雲南省北西部までがチベットであり、現実にチベット人が多く住んでいる地区でもあります。中国国内には600万人のチベット人が住んでいると推定されますが、中国の2000年の国勢調査・第五次人口普査でチベット族は542万人とされています。度重なる弾圧で人口の20%を失ったといわれています。これは現在進行形です。


チベットには、1642年にラサを首都とし、ダライ・ラマを国家元首とする宗教国家ガンデンポタンが成立していました。以降、独立を保っていました。1951年、毛沢東とダライ・ラマ14世の会談が北京で行われました。しかし、無神論を強要した上に、1951年、中国人民解放軍はチベットに一方的に侵攻し、17ヶ条協定を締結させられました。17ヶ条協定とは、正式呼称を「中央人民政府と西藏地方政府の西藏平和解放に関する協議」といい、一方的に軍事侵略したうえに虐殺、強制を加え、1912年以来、チベット政府(ガンデンポタン)が求めてきた、中国とは別個の独立国としての国際的地位を否定し、中国によるチベットの併合を「祖国大家庭への復帰」、「解放」と位置づけて結ばれた協定です。


中国の2000年の国勢調査では、チベット自治区の人口の80%はチベット民族で構成されており、「民族浄化」など存在しないとしているが、チベット亡命政府によれば、ラサの過半はすでに漢民族によって占められていると主張しています。


話を胡錦濤に戻しましょう。
1989年3月のラサ戒厳令を発令した胡錦濤チベット自治区共産党書記長は、多数のチベット人虐殺を行い弾圧しました。この弾圧が中南海(中国共産党本部)に評価され、1990年10月、チベット軍区中国共産党委員会の第一書記の兼任を任命されています。ものすごい出世です。さらに1992年10月には47歳にして中国共産党中央政治局常務委員に任命されています。


1989年6月には、天安門事件が起こっていますが、民主化運動のチベットへの波及を防御するために再度ラサに戒厳令を敷いています。その際、「分離主義の弾圧」「経済建設を推進」を掲げ、通算4年間のチベット統治徹底した弾圧と一貫した民族浄化により中国共産党本部から高い評価を得ました。


1997年9月、第15回中国共産党大会で政治局常務委員に再選され、翌1998年3月全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で、国家副主席に選出、さらに翌1999年9月、軍事委員会副主席に選出されています。胡錦濤が日本で注目され始めたのはこの頃からですから、胡錦濤とチベット問題の関連について話題に上ることは少なかったようです。


その後、2002年11月、中国共産党第16期中央委員会第1回全体会議(第16期1中全会)で新総書記に選出され中国の最高権力者となったのです。翌2003年3月、全人代で国家主席に選出されています。その後、前国家主席である江沢民の影響を少しづつ排除しながら、2004年9月、中国共産党第16期中央委員会第4回全体会議(第16期4中全会)で、党中央軍事委員会主席となり、党・政府・軍の権力の全てを事実上掌握し、胡錦濤独裁が成立したのです。2005年3月、全人代で国家中央軍事委員会主席に選出され名実ともに全権力を掌握しました。


さて、このような独裁国家を民主主義国家と呼ぶ朝日新聞の報道姿勢には常にバイアスが懸かっていると考えなければ事実を見誤ってしまうので注意したいのもです。今回のチベット弾圧事件は、これまでであれば反中国を標榜する右寄りの団体、政党、報道が従来通りの中国批判を繰り返すのは当然でしょう。ところが今回は、左翼系、リベラル政党、マスコミ、政治家、歌手、俳優などが人権的観点からチベット民族全面支援の声を送っているのです。サルコジ仏大統領、ブッシュ大統領、ハベル前チェコ大統領、リチャード・ギア、スティーブン・スピルバーグなど影響力のある知名人がアクションを起こしている。右からも左からも批判されるのは独裁国家であるが故です。


チベット民族独立運動側は、北京オリンピックを機に世界的世論を味方につけて行動を起こしたのであろうと推測されます。この辺りは台湾の総統選にも見られるのかと思いきや、台湾国民は対立路線を回避したようです。無神論の中国共産党も儒教的背景からは抜け切れず、面子を潰されることを極端に嫌います。台湾はこれを恐れたのかどうかは分かりませんが、現在の台湾住民はすでに『台湾人』であり、台湾に住む『中国人』ではありません。いまさら民主主義を捨てる気持ちはないでしょう。むしろ曖昧さを維持しながら時間を掛けて中国の『台湾化』、すなわち民主化を図っていくのが現実路線なのかもしれません。


今後、世界各地で聖火リレーが行われるが、この聖火リレーはすでに『グローバル人権聖火リレー』と呼ばれている。チベット問題を機に中国政府が世界各地を人権問題の火を分けて走るまさに『グローバル人権聖火リレー』なのである。オリンピック直前には北海道・洞爺湖サミットが開催される。主題は『環境サミット』であるが、場合によっては『人権サミット』になるかもしれない。中国国内では現在でも南北間でお互いを『呉の国』『越の国』などと呼んでいる。まさに『呉越同舟』ならぬ『呉越同州』なのである。中国内にはチベット以外にも『新疆ウイグル自治区』(トルキスタン)『内モンゴル自治区』(モンゴル人)『広西チワン族自治区』(タイ系)など民族自治区が多く存在する。チベット問題がこれらの地区に飛び火し、問題化しないことを祈るなどと朝日新聞的なことは言わない。これらの地区の問題は顕在化していないだけであり、現在も民族浄化は進められている。むしろ顕在化し、世界の目が向くことが人権擁護の視点であろう。


FXライフ 35 南部アフリカの通貨 アンゴラとザンビア

西は大西洋に面し、東にザンビア、南にナミビア、北にコンゴ民主共和国と隣接するアンゴラ共和国。ポルトガルから独立したのは1975年。現在アフリカ最大のポルトガル語圏となっている。


独立後は、米国・南アフリカが支援するアンゴラ解放戦線全面独立民族同盟(UNITA)と、ソ連・キューバが支援するアンゴラ解放人民運動(MPLA)双方が政府を樹立し、内戦が続いた。一時期はMPLAが政権を掌握し、社会主義政策を敷いたものの、1990年に社会主義路線を放棄し、複数政党制に移行。その後も内戦は続き、二者の間に休戦協定が結ばれたのは2002年のことだ。


独立した1975年、中央銀行のアンゴラ国民銀行が発券を行い、すべての商業銀行と外資系銀行が国有化された。通貨は1977年にアンゴラ・エスクードからクワンザ(AOA)に代わった。さらに90年末、クワンザは50%以上切り下げられ、新クワンザに切り替わった。新クワンザはその後も内戦による経済疲弊のため、たえず切り下げられてきた。クワンザ以外に米ドルも一般的に流通しており、ホテル、レストラン、タクシーやレンタカーの支払いは、どちらの貨幣でも使用できる。


長い内戦によって土地が荒廃し、主要産業の農業生産が落ち込み、各地で飢餓が生じた。またマラリアが大量に発生したこともあり、海外からの食糧援助に依存せざるを得なくなった。耕作可能な土地は国土のわずか3%、常時耕作されているのは0.2%である。主要な輸出農産物は北部で栽培されているコーヒーだが、年間生産量は1980年代の1万5000トンから2005年には1250トンに落ちた。


休戦協定の締結以降、石油生産を中心とする経済の復興が進められた。内戦によって開発ができなかったが、アンゴラの沿岸部には90億バレルの原油が眠っていると見られており、内陸部にはダイヤモンドが産出する。世界的な石油価格の高騰に助けられ、2005年の成長率は20.6%、2006年は14.6%を記録した。石油はもっとも重要な鉱物で、輸出総額の90%を占める。アンゴラから最も多くの石油を輸入しているのが中国だ。2006年には中国の温家宝首相がアンゴラを訪問し、経済援助を約束した。


現在アンゴラはアフリカにおける中国第2の貿易相手に成長している。そして2007年1月、アンゴラはOPECの12番目の加盟国となった。採油は1960年代からカビンダの沖合で行われ、製油所はカビンダとルアンダにある。2004年の原油産出量は3億2966万バレル。2番目はダイヤモンドで540万カラット。アンゴラ政府は石油依存型経済からの脱皮を図るため製造業の振興を進め、精糖、製粉、ビールなどの飲料、魚粉、加工食品をはじめ、繊維、セメント、ガス、化学品の製造がおこなわれている。


アンゴラと接するザンビアは、1964年にイギリスから独立。以降一党制独裁を敷いてきたが、1990年に複数政党制へ移行し、アフリカにおける民主化のモデルとなった。内戦もなく、政局は安定している。


通貨はザンビア・クワチャ(ZMK)。ザンビアの産業といえば、植民地時代から銅の生産が盛んで、コバルトや鉛、亜鉛も産出している。しかし銅が輸出額の約6割を占めており、銅の生産量と国際価格の変動がザンビアの経済に大きな影響を与えてきた。近年、銅の国際価格が上昇したことにより、GDP14.3%(2006年)と好調期を迎えているが、原油の国際価格の上昇はザンビア経済にとっても大きな懸念材料となっており、現ムワナワサ政権は、この経済構造から脱却するため、農業や観光の開発を中心とした産業構造改革を最優先の政策のひとつに掲げている。


最大の課題は、貧困とHIV/AIDSの蔓延である。ザンビアでは人口の6割以上が1日1ドル以下で生活する貧困層であり、都市部では長年に亘る経済不振により失業者があふれ、犯罪も増加傾向にある。また、成人のエイズ感染率が約17%と高く、現在、国民の平均寿命は38歳にまで低下している。

By Master K/益田 慶

ヨーロッパの財閥と企業グループ 73 エネルギー資源をめぐる攻防(11)

欧州連合が1987年の構想以来進めてきた電力の自由化により、エネルギー産業界の企業統合が加速しました。今年9月には、フランスの国営企業「フランスガス公社」(GDF)と、大手エネルギー・環境企業のスエズとの合併が発表されました。これによって時価総額約909億ユーロ(約14兆3622億円)の世界第3位(世界1位ガスプロム、2位エーオン)の巨大なエネルギー会社が誕生します。現在の欧州エネルギー産業の売上ベスト7は、以下の通りです。


1位 ドイツ最大のエネルギー企業グループE.ON(エーオン)
2位 フランス最大の電力会社 フランス電力公社EDF 
3位 フランス最大のエネルギー・環境会社SUEZ(スエズ)
4位 イタリア最大の電力会社 イタリア電力公社ENEL(エネル)
5位 ドイツ第2位の電力会社 ライン・ヴェストファーレン電力会社RWE AG
6位 フランス国営会社のフランスガス公社GDF
7位 スペイン最大の電力会社 エンデサ


(注意:上記順位は出典データによって異なり、1位EDF、2位エーオン、3位スエズとするデータや、1位エーオン、2位エネル、3位EDFとするデータがある。これはグループ売上とエネルギー事業単独売上という計算の仕方の差異だと思われる)


G7先進国からドイツ、フランス、イタリア、スペインの4国がランクインしているのは順当でしょう。興味深いのは、これら上位7社が互いにM&Aを仕掛けてきたことです。


フランスガス公社(GDF)とスエズが合併して誕生する新会社GDFスエズは、合併後も国が株主総会などで提案を阻止できる最低線の33%の株を保有します。社長にはスエズのメトラレ社長が就任する予定で、合併は2008年初頭とのこと。フランス政府は現在GDF株の80%を所有しており、スエズとエネル(イタリア)との合併を妨げるためにGDFに対して独自の合併活動を働きかけたようです。両社の合併計画は2006年2月、エネルによるスエズ買収を阻止するために、当時のドビルパン首相が、国外からの敵対的買収への防衛策として主導しました。国が敵対的買収の防衛策を企てるほどの大事件だったのです。


しかし、合併を前提にしたGDFの民営化で人員整理などを恐れた労組の野党の強い反対に加え、欧州委員会からの競争問題への抵触の指摘などがあり停滞していました。一方、スエズを買収しようとしたエネルは、エンデサ(スペイン)の買収を進めているほか、スロベニア、ギリシャ、フランス、ベルギー、トルコ、ブルガリアなど欧州各国の電力会社を所有及び協力し、発電所を運営しています。


さて、フランスの週刊誌によると、サルコジ大統領はGDFとスエズの合併条件として、スエズに環境部門(水道・廃棄物処理事業)の大半を切り離し、エネルギー事業に注力するよう要請したものの、メトラレ社長がそれに抵抗したため、交渉が土壇場まで難航していたようです。


最終的には、スエズは水道・廃棄物処理事業の約65%(アナリストによる推定価値は180億―200億ユーロ)をスピンオフし、規模の小さいGDFとの対等合併が政治的に認められる規模に事業を縮小するようです。スエズの環境事業をスピンオフ(分離・独立)する前の両社の時価総額は、合わせて900億ユーロ(1230億米ドル)。新企業の年間収入は720億ドル、全体の労働者は約20万人となる見込みです。


ほかには2005年にフランス電力公社(EDF)によるイタリアの電力大手エディソンの買収が行われるなど、欧州エネルギー企業は激しい攻防を続けてきました。これらの一連の動きは各企業や国の戦略に基づいた、独立した動きのように見えますが、欧州連合による電力の自由化が引き金になっていることだけは確かです。資源の枯渇と価格の高騰、温暖化の要因などの観点から欧州で進められてきた「脱石油」政策の結果、現在は電力とガス部門の企業統合が急速に進みつつあり、大手の統合はいっそう加速すると予想されます。それは世界的な規模の、新たな多国籍企業クループの誕生を示唆しています。


By Master K/益田 慶

2008年3月28日 FX検定 きょうの問題 寡占化が進む金属メジャー

世界最大の資源メジャーBHPビリトンによる世界第2企業リオ・ティントの買収が注目されている。この2社に続く世界第3位の資源メジャーはどこか?


正解 アングロ・アメリカン


解説


金属メジャー売上ランキング


第1位 BHPビリトン(豪英)      475億ドル
第2位 アングロ・アメリカン(南ア) 331億ドル
第3位 エクストラータ(スイス)   269億ドル
第4位 リオ・ティント(豪英)      225億ドル
第5位 ヴァーレ(旧リオ・ドセ、ブラジル)215億ドル

2007年、リオ・ティントはアルミニウム大手アルキャンを買収している。統合売り上げは460億ドルとなり、BHPビリトンがリオ・ティントを買収した場合、売上高900億ドルの超巨大メジャーが誕生することになる。両社はロスチャイルド系の企業であり、統合は充分に可能性がある。また、買収の噂が絶えない世界第2位のアングロ・アメリカンもまたロスチャイルド系の企業である。巨大化したBHPビリトンがアングロ・アメリカンを飲み込まない保証はどこにもない。


BHPビリトン+リオ・ティントが実現した場合の売り上げ構成と世界シェア


売上構成


鉄鉱石  第1位   13%
石炭    第1位   13%
銅・亜鉛・鉛 第1位   20%
ニッケル        7%
アルミニウム 第1位  21%
ダイヤモンド       2%
合金鉄         1%
その他(ウラン)第1位 23%


世界シェア


鉄鉱石    37%
原料炭    21%
銅      13%
ウラン    25%
アルミニウム 16%
ニッケル   10%


1990年以降の資源各社の買収、合併は急速に進んでおり、寡占化が進んでいる。BHPビリトンは2001年、BHPとビリトンが合併してできた会社であるが、2005年にはオーストラリア第2位の鉱山会社WMC(ニッケルに強み)を買収している。アングロ・アメリカンは南アフリカで唯一絶対の大企業であるが、1997年にAACとミノルコが合併してできた会社である。2003年には鉄鉱石を得意とするクンバを買収している。スイスのエクストラータは、2003年、銅・亜鉛のMIMを買収、2005年にはニッケル・銅のファルコン・ブリッジを買収。リオ・ティントは、1996年、RTZとCRAが合併してできた会社であるが、2000年には鉄鉱石のノース、2007年にはカナダ・アルミニウム大手アルキャンを買収。リオ・ドセ(現ヴァーレ)は、2006年、ニッケルのインコを買収している。

2008年03月29日

2008年3月29日 28日の海外為替市場

アジア市場は、早朝に発表された、NZ第4四半期GDPが、前期比1.0%(予想0.8%)と強く、0.8027→0.8067まで上昇、ボラードNZ中銀総裁の「NZの景気減速を懸念」に値を下げる。本邦決算期末の円買いと、投資信託の円売りと売り買いが混在しながら、北朝鮮のミサイル発射との報道に円売りとなった。


欧州市場は、独輸入物価指数=前月比1.1%(予想0.5%)と強く、ウェーバー独連銀総裁の「ユーロ圏の物価圧力、警戒が必要なほど高水準」との発言に利下げ観測がより後退、一時1.5838まで上昇、独消費者物価指数は前年比3.1%(予想2.9%)予想を上回る。


ポンドは、英ネーションワイド住宅価格が前月比-0.6%(予想-0.3%)と弱く、消費者信頼感指数が-19(前回-17)と弱く、経常収支赤字額が大幅減少したが、EURGBP=0.7875→一時0.7930と過去最高を更新。


米国市場は、個人所得=前月比0.5%(予想0.3%)、消費支出=前月比0.1%(予想0.2%)とミックス、ミシガン大消費者信頼感指数・確報値=69.5(予想70.0 前回70.8)→1992年2月の69.5以来の低水準に、NYダウは下落、ドル売り+円買いが続いた。また、4月3~4日のポールソン米財務長官の訪中を前に、人民元が対ドルで切り上げられるとの思惑に円は堅調に推移した。


●ドル円
アジア市場のドル円は99.63円で取引が始まり、期末の特殊要因によるドル売り(円買い)に99.29円まで下落、堅調な日経平均株価や、投資信託の円売りに徐々に底値を切上げ99.89円まで上昇、オプションカットでは一時99.53円まで下落したが、北朝鮮のミサイル発射との報道に投機的な買いが強まり100.22円まで上昇した。欧州市場は100円台の本邦輸出筋やファンド筋の売りが厚く、99.93円まで下落、独輸入物価が強く100.40円まで上昇したが、本邦資本筋の売りが続き、ECBフィキシングに向けて99.72円まで下落した。米個人所得・消費支出に売り買いが交錯しながら、オプションカットでは100.13円まで上昇、米ミシガン大消費者信頼感指数が弱くドル売りが始まり、ロンドンフィキシングでは99.42円まで下落した。一時99.75円まで値を戻したが、ポールソン米財務長官訪中で人民元切り上げのウワサが続き、米国株も弱く、終盤にかけては99.10円まで続落、99.26円で取引を終えている。


●ユーロドル
アジア市場のユーロドルは1.5777で取引が始まり、米国市場終盤に売っていた米投機筋の買い戻しに1.5818かまで急伸したが、EURJPYの売りに1.5765まで下落、1.5775~00の狭いレンジで売り買いが交錯したが、住宅価格の低下を受け、前日安値2.0025を割り込むとGBPUSDの売りが炸裂、予想を上回る独輸入物価にもかかわらず、1.5746まで下落した。欧州市場は1.5770で取引が始まり、1.5740まで続落となったが、EURGBPの買い+欧州株の上昇+ウェーバー独連銀総裁発言に、アジア市場の高値1.5818を超えると1.58340まで続伸となった。ECBフィキシングの売り需要に下落が始まり1.5750まで急落したが、米ミシガン大消費者信頼感指数が弱く一時1.5786まで値を戻したが、ロンドンフィキシングに大口売りとのウワサに1.5741まで下落、1.5750~75の狭いレンジで売り買いが交錯した。終盤にかけては1.5810まで値を戻し、1.5793で取引を終えている。


●ユーロ円
アジア市場のユーロ円は157.20円で取引が始まり、決算期末の円買いに156.73円まで下落したが、投資信託の買いに徐々に底値を切上げ、157.71円まで上昇、157.20~60円の揉み合いから、北朝鮮のミサイル発射との報道に157.85円まで上昇した。欧州市場は157.32円で取引が始まり、157.86円まで上昇、GBPJPYの売りに一時157.38円まで値を下げたが、EURGBPの買い+欧州株の上昇+ウェーバー独連銀総裁発言に、158.35円まで急伸、157.85~25円で売り買いが交錯した。ECBフィキシングでは157.80円まで下落、ミシガン大消費者信頼感指数に米国株が弱く、株安=円買いの流れ+ロンドンフィキシングのEUR売りの思惑に156.81円まで続落、ロンドンフィキシングでは一時157.22円まで値を戻したが、人民元切り上げが上値を重くし、終盤にかけては156.56円まで続落、156.77円で取引を終えている。


●主な経済指標の結果
06:45 NZ 第4四半期のGDP=前期比1.0%(予想0.8% 前回0.5%)、年率換算3.7%(予想3.4% 前回3.3%)
08:30 日本 2月の失業率=3.9%(予想3.8% 前回3.8%)、有効求人倍率=0.97(予想0.97 前回0.98)
08:30 日本 2月の全世帯家計調査-消費支出=前年比0.0%(予想2.5% 前回3.6%)
08:30 日本 3月の東京都区部消費者物価指数=前年比0.6%(予想0.5% 前回0.4%)、除く生鮮食品0.6%(予想0.5% 前回0.4%)
08:30 日本 2月の全国消費者物価指数=前年比1.0%(予想0.9% 前回0.7%)、除く生鮮食品=1.0%(予想0.9% 前回0.8%)
09:01 英 gfk消費者信頼感指数=-19(前回-17)
16:00 英 3月のネーションワイド住宅価格=前月比-0.6%(予想-0.3% 前回-0.5%)、前年比1.1%(予想2.0% 前回2.7%)→ 前年比は12年来の低い伸び率
16:00 独 2月の輸入物価指数=前月比1.1%(予想0.5% 前回0.8%)、前年比5.9%(予想5.3% 前回5.2%)
18:30 英 第4四半期のGDP・確報値=前期比0.6%(予想0.6% 前回0.6%)、前年比2.8%(予想2.9% 前回2.9%)
18:30 英 第4四半期の経常収支=-84.58億ポンド(予想-180億ポンド 前回-190.6←-200.4億ポンド)→ 2005年第2四半期以来の低い赤字額
19:30 スイス 3月のKOF先行指数=1.54(予想1.58 前回1.65)
21:30 米 2月の個人所得・消費支出: 個人所得=前月比0.5%(予想0.3% 前回0.3%)、個人消費支出=前月比0.1%(予想0.2% 前回0.4%)、PCE価格指数=前月比0.1%(予想0.3% 前回0.3←0.4%)、前年比3.4%(予想3.6% 前回3.5←3.7%)、コアPCE価格指数=前月比0.1%(予想0.1% 前回0.2←0.3%)、前年比2.0%(予想2.1% 前回2.0←2.2%)
23:00 米 3月のミシガン大消費者信頼感指数・確報値=69.5(予想70.0 前回70.8)→1992年2月の69.5以来の低水準、景気現況指数=84.2(前回83.8)、消費者期待指数=60.1(前回62.4)→ 声明では経済は既にリセッション入りと言うのが消費者間の一致した見方
00:35 独 3月の消費者物価指数=前月比0.5%(予想0.3% 前回0.5%)、前年比3.1%(予想2.9% 前回2.8%)、HICP(EU基準CPI)=前月比0.5%(予想0.3% 前回0.5%)、前年比3.2%(予想3.0% 前回2.9%)


●昨日の主な発言その他
米国・カナダ
◎ラジア米大統領経済諮問委員会(CEA)委員長=1,680億ドル規模の景気対策で米経済は2008年下半期に上向く。
◎プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁= FRBはインフレリスクを軽視していないとし、今後も慎重に対応していくことで信頼を守るべき。FRBの利下げはインフレを懸念していない?→それは間違っていると思う。米国のインフレは実際の現象で、現実に存在する。各国中銀が持続可能な成長を支援し、不安定な状態を回避する最善の方法は、インフレ抑制である。物価安定が引き続き金融政策の主要目標で、雇用と緩やかな長期金利を促進する経済環境に金融政策が貢献できる。
◎ポールソン財務長官=米景気刺激策、最大60万人の雇用創出
◎米カリフォルニア州財務長官=新たなモノライン設立の可能性を検討。
◎ローゼングレン・ボストン連銀総裁=米国はリセッションと言うのは尚早。経済成長が極めて緩やかであることは事実。低成長を背景に失業率が徐々に上昇すると予想される。銀行の問題は景気減速により深刻化する可能性。


欧州・英国
◎ユンケル・ユーログループ議長=ユーロ相場は過度に変動しており好ましくない。米大統領とFRB議長の強いドルは国益にかなうとの発言は真意。ドルは依然として過大評価されているかとの質問→そうは思わないが、欧州が世界不均衡是正に向けて総体的な役割を担うべき。 ユーロ圏経済は、世界経済減速による悪影響に、成長が大きく鈍化する徴候。4月4~5日に開かれる欧州の財務相会合では、ユーロ圏および欧州連合(EU)の経済状況が今後悪い方向に向かうとの結論に至るだろう。
◎シュタルクECB専務理事=第1四半期のユーロ圏の経済成長率は予想を上回る見通し。ユーロ圏のファンダメンタルズは健全。ユーロ圏には大きな不均衡がみられず企業収益は良好で労働市場は改善。2%を上回るインフレ見通しは、ECB理事会にとって特に懸念事項。現状に満足する余裕はなく、インフレが抑制されていると判断する理由もない。ユーロ相場→ユーロはここ最近、多くの金融市場や株式市場と同様に変動が過度だ。金融市場のボラティリティが高水準で過度という状況下にある。
◎ECB=6・3カ月物オペの実施を決定、短期金融市場の安定化を目指す。
◎ウェーバー独連銀総裁=ユーロ圏の物価圧力、警戒が必要なほど高水準で、中期的な物価安定にリスクがある。現在の金利水準はインフレ期待の低位安定に貢献していると。現在の物価圧力は警戒が必要なほど高い水準にあるばかりではない。減速しているとはいえ基本的に堅調なユーロ圏の経済成長と、持続的で力強いマネーサプライの拡大という状況に直面しており、物価安定には中期的に上向きのリスクがある。12月時点の2008年の成長率予想を引き下げる必要がある。顕在化したリスクには、米経済が減速していることや金融市場の混乱が実体経済に影響する可能性が高まったことに加え、原油価格高、ユーロの一段高などが含まれる。産業の堅調や雇用市場の状況改善が消費需要に一段の好影響を及ぼす。国内経済の成長見通しに悲観的になる必要はないと。国内のクレジット機関は危機に陥っていない。
◎ロートスイス中銀総裁=金融大手UBS<のビジネスモデルは依然として有効で、同社の将来に確信を持つ妥当な理由があると。
◎英仏首脳=ブラウン英首相とサルコジ仏大統領は、金融市場混乱問題で対策を講じる姿勢示す。声明で、金融市場には一段の透明性が求められ、銀行は評価損の全面的かつ早急な開示が必要であるとの認識で一致した。
◎独フランクフルター・アルゲマイネ紙=アリアンツが、傘下のドレスナー銀行とコメルツ銀行やポストバンクといった国内銀行を合併させる可能性がある。
◎ジョルダン・スイス中銀理事=1金融政策のスタンスを変更する理由ない。


日本・その他
◎ボラードNZ中銀総裁=NZの景気減速を懸念、現在の金利水準は適切。
◎シンガポール金融管理局=4月10日に金融政策に関する声明を発表。
◎中国国家統計局の謝伏瞻・局長=中国経済にとって、インフレリスクはなお脅威であり、2008年のマクロ経済政策で焦点になる。

2008年3月31日 ユーロ圏消費者物価指数 カナダGDP シカゴ購買部協会景気指数

06:45 (NZ) 2月住宅建設許可
08:50 (日) 2月鉱工業生産・速報
15:45 (仏) 2月生産者物価指数
17:00 (ユーロ圏) 2月マネーサプライM3・季調済
18:00 (ユーロ圏) 3月消費者物価指数
18:00 (ユーロ圏) 3月消費者信頼感
18:00 (香港) 2月月次政府財政収支
19:00 (日) 外国為替平衡操作の実施状況(2月28日~)
20:00 (南ア) 2月貿易収支
21:30 (加) 1月GDP
22:45 (米) 3月シカゴ購買部協会景気指数

2008年4月1日 日銀短観  RBAキャッシュターゲット  ユーロ圏失業率

08:50 日銀短観
12:30 (豪) RBAキャッシュターゲット
16:30 (スイス) 3月SVME購買部協会景気指数
16:55 (独) 3月失業率
16:55 (独) 3月失業者数
17:15 (香港) 2月小売売上高-価格
18:00 (ユーロ圏) 2月失業率
21:30 (加) 2月鉱工業製品価格
23:00 (米) 3月ISM製造業景況指数
23:00 (米) 2月建設支出

2008年4月2日 ADP全国雇用者数

08:50 (日) 3月マネタリーベース
17:30 (英) 2月マネーサプライM4・確報
17:30 (英) 2月消費者信用残高
18:00 (ユーロ圏) 2月生産者物価指数
21:15 (米) 3月ADP全国雇用者数
23:00 (米) 2月製造業受注指数

2008年4月3日 ユーロ圏小売売上高 ISM非製造業景況指数

08:50 (日) 3/29までの対外及び対内証券売買契約等の状況
18:00 (ユーロ圏) 2月小売売上高
21:30 (米) 3/30までの週の新規失業保険申請件数
23:00 (米) 3月ISM非製造業景況指数

2008年4月4日 豪小売売上高 米雇用統計 カナダ失業率

香港休場(清明節)

10:30 (豪) 2月小売売上高
14:45 (スイス) 3月消費者物価指数
15:45 (仏) 2月財政収支
19:00 (独) 2月製造業受注
20:00 (加) 3月失業率
20:00 (加) 3月雇用ネット変化
21:30 (米) 3月失業率
21:30 (米) 3月非農業部門雇用者数
23:00 (加) 3月Ivey購買部協会指数


沖縄県誕生の日
東京外国語学校開校(1899)
小泉八雲来日(1890)

外国為替 今週のマーケット 2008年3月31日-4月4日

一週間を終わり、米金融不安もFRBの積極的な金融対策にやや弱まり、逆に企業の業績はやや改善を示す指標も一部でているが、エコノミストや関係者からは第4四半期か年内は米景気低迷を予想するものが多い。


本邦3月の本決算でも予想外に円相場は安定し、月曜日は3月31日で波乱がある可能性も残るが、全体としては、ドル安の流れは、EURGBPが最高値を更新するなど、通貨間で結構変化してきている。


英国は住宅関連の経済指標は引き続き弱く、キング・イングランド銀行総裁からも、金融問題は困難かつ新たな局面に入ったと発言するなど、金融不安がくすぶり続け、リセッション入りを予想する記事もある。4月10日には0.25%の政策金利引き下げが予想され、輸出主導の景気回復を目指すために、ポンド安を選択する可能性も指摘されるなど、売りの材料が多く、ドル安の相場の中でも上昇力は鈍く、クロスではポンド売りが続きそうである。


ユーロ圏では、インフレリスクが強く、トルシェECB総裁や他の多くの理事は現在の政策金利は適切と判断、金利据え置きが予想され、ユーロ高がインフレを抑制し、ユーロ高による輸出鈍化を気にかけながらも、成長鈍化の程度が比較的弱いとの観測にユーロ高が目立ち、EURGBPの上昇や、EURUSDの買いが続きそうである。


為替市場では相場の判断材料として経常収支を意識しているとの意見が多い。金融市場が正常化するには時間がかかり、資金の流れが細り、経常黒字国通貨高、赤字国安の流れは当面変わりそうに無いとの判断である。この意味では、円やスイス高、そして、ポンド、豪ドル、NZドルは商品価格の影響を受けながらも比較的弱く推移可能性がある。


円は、100円を割り込みながらも、野次馬的な超円高予想も影は薄いが、不思議と100割れの相場に目が慣れ始め、極端な円安見通しも不思議と少ない。日本国内では、全国CPIコアが1%を超えるなど悪いインフレと、止まらない株価下落、企業収益の伸び率の鈍化、政治への不信など、円が強いとの実感が乏しいためなのであろう。しかし、為替は相手通貨との比較で、欧米金融機関の業績悪化が激しく、金融不安が一向に改善されず、赤字ファンディングも決して楽とはいえず、これらからは円高が終了する材料はない。


今週のメインイベントを上げると二つある。一つは、2日のバーナンキFRB議長の上下両院合同経済委員会での証言で、4月30日のFOMCで0.25%の政策金利引き下げ予想が強い中で、それを確認することができる。もう一つは、4日の米雇用統計で、最近のデーターでは雇用の悪化が目立っており、非農業部門雇用者数の予想は-5~-7万人程度となっており、前回は2.5万人の予想が-6.3万人となったが、ドルは思ったより売り込まれなかった。


注目されるのは、
住宅関連では、31日=NZ住宅許可件数、2日=英住宅許可件数、
インフレ関連では、31日=ユーロCPI、2日=ユーロPPI、4日=スイスCPI、
雇用関連では、1日=ユーロ失業率、独失業率、2日=米企業人員削減数、米ADP全国雇用者数、4日=カナダ失業率、米失業率、
成長関連では、31日=カナダGDP、
先行指標では、1日=日本日銀短観、
政策金利では、1日=豪中銀は7.25%の金利据え置きを予想、
その他、1日=米ISM製造業景況指数、3日=ノルウェー小売売上高、ユーロ小売売上高、米ISM非製造業景況指数、4日=豪小売売上高、未定=独小売売上高


●3/31 (月曜日)
06:45 NZ 2月の住宅建設許可=前月比予想 前回3.3%
08:50 日本 2月の鉱工業生産・速報=前月比予想-2.0% 前回-2.2%、前年比予想3.1% 前回2.2%
16:00 スウェーデン 3月の製造業信頼感指数=予想0.0 前回-1.0、消費者信頼感指数=予想2.0 前回0.9
17:00 ノルウェー 2月のCredit Growth=前年比 前回14.3%
17:00 ユーロ 2月のマネーサプライM3・季調済=予想前年比11.5% 前回11.5%、Credit Growth=前年比予想12.8%、 前回12.7%
18:00 ユーロ 3月の消費者物価指数(CPI)速報=前年比予想3.3% 前回3.2%
18:00 ユーロ 3月の消費者信頼感指数=予想-12 -12、製造業=予想1.0 前回0.0、サービス業=予想10 前回10
18:30 英 3月のGfk消費者信頼感指数=予想-18 前回-17
21:30 カナダ 1月のGDP=前月比予想0.5% 前回-0.7%
22:45 米 3月のシカゴ購買部協会景気指数=予想46.5 前回44.5
未定(31日~4月5日)独 2月の小売売上高=前月比予想0.7% 前回0.7%、前年比予想1.1% 前回0.6%
Gjedremノルウェー中銀総裁発言
リーブシャー・オーストラリア中銀総裁、Ferrero-Waldner記者会見
リーカネン・フィンランド中銀総裁記者会見
イエレン米サンフランシスコ地区連銀総裁が講演「地域社会発展にとっての差し押さえの重要性」
プール米セントルイス地区連銀総裁が退任


●4/1(火曜日)
08:50 日本 日銀短観:大企業製造業業況判断=予想13 前回19、大企業製造業先行き=予想9 前回15、大企業非製造業業況判断=予想12 前回16、大企業非製造業先行き=予想10 前回15、設備投資計画、前年度比=予想0.1% 前回10.5%
12:30 豪 オーストラリア中銀金融政策発表=政策金利7.25%の据置きを予想
15:30 スウェーデン 3月の製造業PMI=予想54.9 前回55.7
16:30 スイス 3月のSVME購買部協会景気指数=予想60.3 前回60.5
16:55 独 3月の失業率=予想7.9% 前回8.0%、失業者数変化=予想-4.5万人 前回-7.5万人
17:30 英 3月の製造業PMI=予想51.0 前回51.3
18:00 ユーロ 2月の失業率=予想7.1% 前回7.1%
21:30 カナダ 2月の鉱工業製品価格=前月比予想0.7% 前回0.9%
23:00 米 3月のISM製造業景況指数=予想47.9 前回48.3、支払価格=予想77.0 前回75.5
23:00 米 2月の建設支出=前月比予想-1.0% 前回-1.7%
ブラード氏が米セントルイス地区連銀総裁に就任


●4/2(水曜日)
08:50 日本 3月のマネタリーベース=前年比予想 前回0.1%
17:30 英 2月のマネーサプライM4・確報=前月比予想0.6% 前回0.3%、前年比予想=11.6% 前回12.3%
17:30 英 2月の消費者信用残高=予想10億ポンド、前回9億ポンド、住宅貸付=予想75億ポンド、 前回74億ポンド
17:30 英 2月の住宅許可件数=予想7.5万件、 前回7.4万件
18:00 ユーロ 2月の生産者物価指数(PPI)=前月比予想 前回0.8%、前年比予想5.2% 前回4.9%
20:30 米 3月の企業人員削減数=予想 前回72,091人
21:15 米 3月のADP全国雇用者数=予想-3.0万人 前回-2.3万人
23:00 米 2月の製造業受注=前月比予想-0.7% 前回-2.5%
バーナンキFRB議長が上下両院合同経済委員会で証言


●4/3 (木曜日)
16:00 ノルウェー 2月の小売売上高=前月比予想0.5% 前回-0.5%、前年比予想4.3% 前回3.6%
16:00 ユーロ サービス業PMI=予想51.7 前回52.3、Composit PMI=予想51.9 前回52.8
16:30 英 3月のサービス業PMI=予想53.3 前回54.0
18:00 ユーロ 2月の小売売上高=前月比予想0.2% 前回0.4%、前年比予想0.0% 前回-0.1%
21:30 米 新規失業保険申請件数(3/30までの週=予想37万人 前回 36.6万件
23:00 米 3月のISM非製造業景況指数:総合指数=予想49.0 前回49.3、景気指数=予想49.5 前回50.8
米上院銀行委員会でベアー・スターンズ買収に関する公聴会
バーナンキFRB議長、ポールソン財務長官、コックスSEC委員長が出席
イエレン米サンフランシスコ地区連銀総裁が米経済について講演
ミシュキンFRB理事が「中銀のコミットメント」で講演
スイス中銀四半期報告


●4/4 (金曜日)香港休場(清明節)
10:30 豪 2月の小売売上高=前月比予想0.3% 前回0.05
14:45 スイス 3月の消費者物価指数(CPI)=前月比予想0.2% 前回0.1%、前年比予想2.5% 前回2.4%
19:00 独 2月の製造業受注=前月比予想0.7% 前回-1.5%、前年比予想 前回9.6%
20:00 カナダ 3月の失業率=予想5.8% 前回5.8%、失業者数変化=予想1.5万人、前回4.3万人
21:30 米 3月の雇用統計: 失業率=予想5.0% 前回4.8%、非農業部門雇用者数=予想-5.8万人 前回-6.3万人 、時間当たり賃金=予想0.3% 前回0.3%、週間労働時間=33.7時間 前回33.7時間
23:00 カナダ 3月のIvey購買部協会指数=予想59.5 前回62.0
ピアナルト米クリーブランド地区連銀総裁、同地区連銀主催会合で挨拶
クロズナーFRB理事が「世界経済と金融課題」で講演
ユーロ圏非公式財務相会合(5日まで、スロベニア・リュブリャナ)

2008年03月30日

2008年3月30日 今週の為替戦略

先週は、FRBと米政府の積極的な金融対策に米金融不安もやや弱まり、逆に企業の業績はやや改善を示す指標も一部あり、エコノミストや市場関係者からは年後半から来年には米国経済が回復する予想が多いが、逆に言えば将来のことは予想に過ぎず現実の目先では、まだドルに関しては弱気な状態が続いていることの裏返しでもある。


注目していた本邦3月本決算期もいよいよ残り3月31日残り1日で終了となった。過去2週間では週終値で比較してもUSDJPY=99.62→99.26円、EURJPY=157.19→156.77円と予想外に円相場は安定し、全体としても、$インデックスは71.695→71.615とほぼ変わらずとなっていたが、EURGBP=0.7787→0.7198と最高値を更新、EURCHF=1.5574→1.5716に上昇するなど、通貨間で結構変化してきている。


英国は住宅関連の経済指標は弱く、キング・イングランド銀行総裁は「金融問題は困難かつ新たな局面に入った」と発言するなど金融不安がくすぶり続け、リセッション入りを予想する記事も見られる。4月10日には0.25%の政策金利引き下げが予想され、輸出主導の景気回復を目指すために、ポンド安を選択する可能性も指摘されるなど、売りの材料が多く、ドル安の相場の中でも上昇力は鈍い通貨の一つで、クロスではポンド売りが目先は続きそうである。


ユーロ圏では、インフレリスクを警戒、トルシェECB総裁や他の多くの理事は現在の政策金利は適切と判断し、金利据え置きが予想されている。ユーロ高がインフレを抑制し、ユーロ高による輸出鈍化を気にかけながらも、成長鈍化の程度が比較的弱いとの観測にユーロ買いが目立ち、EURGBPの上昇や、EURUSDの買いが続きそうである。ただ中長期筋からはユーロロングポジションのヘッジを示唆する発言も見られ、一直線のユーロ高も考え難い。


最近の為替市場では、相場の判断材料として経常収支を意識しているとの意見が多い。金融市場が正常化するには時間がかかり、資金の流れが細り、経常黒字国通貨高、赤字国安の流れは当面変わりそうに無いとの判断である。この意味では、円、スイスが強く、そして、ドル、ポンドは弱く、豪ドル、NZドルは商品価格の影響を受けながらも弱含む可能性がある。


円は、100円を割り込みながらも、野次馬的な超円高を予想する声も予想外に少なく、極端な円安見通しも不思議と少ない。不思議と100割れの相場に目が慣れ始めたのか、過去の円高と違い、日本発ではなく米国発の円高に他人事みたいに感じているようにしか見えない。日本国内では、全国CPIコアが1%を超えるなど悪いインフレの芽と、止まらない株価下落、企業収益の伸び率の鈍化、政治への不信など、円が強いとの実感が乏しいためなのであろう。


しかし、GBPJPYを例にとれば、昨年7月251.01円を高値に、先週は192.53円まで下落、なんと58.48円=23%強の円高である。ドルに関係ないGBPに対してのこのような円高を無視続けることに、政治的な不信と通貨当局者の良識を疑う。為替は相手通貨との比較で、欧米金融機関の業績悪化が激しく、金融不安が一向に改善されず、赤字ファンディングも決して楽とはいえず、これらからは円高が終了する材料はない。そして、円高の終着駅が見えないリスクを感じてならない。


主要通貨を比較:
Weeklyベースの比較で、終値を比較してみると:
21日の激しいドル高の流れの反動に、先週は、サウジアラビアや中東勢のEUR買いや、堅調経済を好感したAUDの買いに、ドルに対して上昇は大きかったものの、ドルは下全体的に小幅な下落となっている。市場参加者でもプライマリーディーラー、政府系住宅会社への支援、ベアー・スターンズ社救済など、一連の金融機関へ積極的な関与や、金融政策の支援により最悪期を脱したとの意見もあり、これらの結果をみてから、次の判断をしたいとの考えが伺われる。また、四半期(日本は年度決算)決算に積極的に動き難くかった可能性もあり、割り引いて考える必要がある。


USDJPY    OPN HI LW CLS  前週比 前週比% 週間レンジ
21-Mar-08 99.10 100.45 95.77 99.56 0.52 0.53% 4.68
28-Mar-08 99.40 101.04 98.56 99.26 -0.30 -0.30% 2.48


EURUSD   OPN HI LW CLS  前週比 前週比% 週間レンジ
21-Mar-08 1.5675 1.5905 1.5396 1.5431 -2.430 -1.55% 5.09
28-Mar-08 1.5438 1.5859 1.5341 1.5793 3.620 2.35% 5.18


USDCHF   OPN HI LW CLS  前週比 前週比% 週間レンジ
21-Mar-08 0.9970 1.0168 0.9642 1.0091 1.040 1.04% 5.26
28-Mar-08 1.0090 1.0250 0.9850 0.9952 -1.390 -1.38% 4.00


GBPUSD   OPN HI LW CLS  前週比 前週比% 週間レン
21-Mar-08 2.0176 2.0274 1.9735 1.9814 -3.900 -1.93% 5.39
28-Mar-08 1.9815 2.0192 1.9759 1.9942 1.280 0.65% 4.33


AUDUSD   OPN HI LW CLS  前週比 前週比% 週間レンジ
21-Mar-08 0.9378 0.9446 0.8952 0.9017 -3.54 -3.78% 4.94
28-Mar-08 0.9012 0.9252 0.8978 0.9174 1.57 1.74% 2.74


USDCAD   OPN HI LW CLS  前週比 前週比% 週間レンジ
21-Mar-08 0.9886 1.0293 0.9860 1.0230 3.38 3.42% 4.33
28-Mar-08 1.0252 1.0306 1.0093 1.0223 -0.07 -0.07% 2.13


NZDUSD   OPN HI LW CLS  前週比 前週比% 週間レンジ
21-Mar-08 0.8129 0.8201 0.7866 0.7917 -2.15 -2.64% 3.35
28-Mar-08 0.7910 0.8780 0.7883 0.7971 0.54 0.68% 8.97

円クロスを比較:
日経平均株価が12,482.57→12,820.47(+337.90円)、NYダウは12,361.22→12216.40(-144.92ドル)と株価の下落基調も弱まり、米国を除くアジアや欧州株が比較的堅調に推移、クレジットスプレッドも縮小し始め、数字上からは米国金融不安が薄らぎ=円売りとなった。円はEURとAUDに対して下げ幅が大きく、安全資産の一員のCHFに対しても値を下げ、CADを除き円は全面安となったが、決算期末の影響の可能性も高く、本当の流れは見えてこない。


AUDJPY   OPN HI LW CLS 前週比 前週比% 週間レンジ
21-Mar-08 92.93 93.51 88.15 89.79 -3.06 -3.30% 5.36
28-Mar-08 89.60 92.51 89.45 91.03 1.24 1.38% 3.06


GBPJPY  OPN HI LW CLS 前週比 前週比% 週間レンジ
21-Mar-08 199.94 201.20 192.53 197.28 -2.86 -1.43% 8.67
28-Mar-08 196.96 201.73 196.70 197.88 0.60 0.30% 5.03


CADJPY  OPN HI LW CLS 前週比 前週比% 週間レンジ
21-Mar-08 100.22 100.95 95.67 97.28 -2.85 -2.85% 5.28
28-Mar-08 96.92 99.33 96.79 97.20 -0.08 -0.08% 2.54


EURJPY  OPN HI LW CLS 前週比 前週比% 週間レンジ
21-Mar-08 155.35 157.04 151.70 153.65 -1.66 -1.07% 5.34
28-Mar-08 153.47 158.35 153.10 156.77 3.12 2.03% 5.25


CHFJPY  OPN HI LW CLS 前週比 前週比% 週間レンジ
21-Mar-08 99.37 100.85 97.33 98.64 -0.63 -0.63% 3.52
28-Mar-08 98.48 100.70 97.82 99.70 1.06 1.07% 2.88


NZDJPY  OPN HI LW CLS 前週比 前週比% 週間レンジ
21-Mar-08 80.56 81.32 76.74 78.82 -1.77 -2.20% 4.58
28-Mar-08 78.63 81.02 78.49 79.08 0.26 0.33% 2.53


IMM通貨先物:
公表値を比較して見ると:
EURとJPYロングが急増し、ドル売りをリードし、他は横ばいからロングポジションが減少し、比較的ドル高センチメントが強かったことがわかる。公表された25日以降でもEURとJPYは上昇、ドルが値を下げていたことを考えれば、各通貨ともネットロングポジションが増加していることが想像できる。特徴としては、安全資産としての円を評価したJPYロングポジションが一番大きく、事あるごとにポジション調整の売りも入りやすい。


JPY Long Short Net
18-Mar-08 82,300 26,541 55,759
25-Mar-08 88,691 22,771 65,920


EUR Long Short Net
18-Mar-08 78,310 51,789 26,521
25-Mar-08 90,956 48,185 42,771


GBP Long Short Net
18-Mar-08 49,963 20,823 29,140
25-Mar-08 44,244 24,516 19,728


CHF Long Short Net
18-Mar-08 24,560 13,336 11,224
25-Mar-08 30,768 19,987 10,781


CAD Long Short Net
18-Mar-08 43,416 22,517 20,899
25-Mar-08 28,183 26,005 2,178


AUD Long Short Net
18-Mar-08 40,625 5,060 35,565
25-Mar-08 40,242 4,622 35,620


NZD Long Short Net
18-Mar-08 12,921 2,543 10,378
25-Mar-08 12,476 3,025 9,451


今後の金利予想は:
国  予定日 現行政策金利 予想:         
USD 4月30日 2.25%  0.25~0.5%の引下げを予想(Fed Funds Target Rate)
EUR 4月10日 4.0%  金利据え置きを予想(Refi Rate)
GBP 4月10日 5.25%  0.25%の利下げを予想(Base Rate)
JPY 4月 9日 0.50%  金利据え置きを予想(OverNight Call Rate)
AUD 4月 1日 7.25%  金利据え置きを予想(Cash Rate)
NZD 4月24日 8.25%  金利据え置きを予想(Cash Rate)
CHF 6月19日 2.75%  金利据え置きを予想(3 month Libor target)
CAD 4月22日 3.50%  0.25%の利下げを予想(OverNight Rate)
NOK 4月23日 5.25%  金利据え置きを予想 (Sight deposit)
SEK 4月23日 4.25%  金利据え置きを予想 (Repo rate)


今週の経済指標・その他では、
今週のメインイベントを上げると二つある。
一つは、2日のバーナンキFRB議長の上下両院合同経済委員会での証言で、4月30日のFOMCで0.25%の政策金利引き下げ予想が強い中で、それを確認することができる。
もう一つは、4日の米雇用統計で、最近のデーターでは雇用の悪化が目立ち、非農業部門雇用者数の予想は-5~-7万人程度と悪い材料を折り込み始めている。最近は市場の予想があまり当らず、相場の変動が激しくなることが予想され、仮に市場の予想に反して増加ともなればドル買い戻しが強まることが予想される。前回は2.5万人の予想が-6.3万人となったが、ドルは思ったより売り込まれなかった事実もあり、大きなポジションを取り難く、直後の反応も難しい。


注目される経済指標は:
住宅関連では、31日=NZ住宅許可件数、2日=英住宅許可件数、インフレ関連では、31日=ユーロCPI、2日=ユーロPPI、4日=スイスCPI、雇用関連では、1日=ユーロ失業率、独失業率、2日=米企業人員削減数、米ADP全国雇用者数、4日=カナダ失業率、米失業率、成長関連では、31日=カナダGDP、先行指標では、1日=日本日銀短観、政策金利では、1日=豪中銀は7.25%の金利据え置きを予想、その他、1日=米ISM製造業景況指数、3日=ノルウェー小売売上高、ユーロ小売売上高、米ISM非製造景況指数、4日=豪小売売上高、未定=独小売売上高

●ドル円
ドル円は、政局混迷や日銀総裁不在も関係ない!・・・とでも言いたいのか、98~101円のレンジで取引が続き、先週3日間で終値は99円台となった。金融不安のヘッジ通貨としての円と、経常収支黒字通貨としての円の買いに、投機的な円ロングポジションが積み上がりやすく、上下に振れやすい相場になることは避けられないが、ドルへの信任が復活するまでは、円高傾向が続きやすく、底値が見えない。


ドル円のWeeklyチャートは、下降トレンドが続き、一時ラインの下限を割り込みながらも、引き続き下限近くで取引されている。上値のポイントは、99.48円、100.65円、102.73円、103.68円。下値のポイントは、98.91円、99.57円、92.92円。RSIは27と下降ラインを復活、トレンドのある下落が続いている。トレンドモメンタムは売りを継続。トータルの判断は、100.65円を超えるまえでは売り。103.68円を超えたら長期的なドル売りは終了。Daily=売り、Weekly=売り、Monthly=売り。


●ユーロドル
ユーロドルは、通貨当局者の多くがインフレリスクを警戒し、GDPの鈍化も限定的と言い、政治家はユーロ高を懸念し、景気鈍化リスクを警戒している。共通しているのは金融不安を抑えるために、米国と協調し金融不安の解消に努めていることである。ストラテジストのユーロ下落期待はまたして裏切られ、1.6は目の前で、時間をかけながら上昇が続き、天井感はつかめない。もっとも、4月11日のワシントンG7に向けてユーロ高是正の措置が講じられれば話は別だか、その可能性は非常に非常に低い。


ユーロドルのWeeklyチャートは、上昇とトレンドが続き、上限を超え買いが続いている。上値のポイントは、1.5903~16、1.6017、1.6245、1.6909。下値のポイントは、1.5660、1.5537、1.5359、1.5302、1.5254。RSIは69と緩やかな上昇ラインが続き、トレンドモメンタムは買いを継続。トータルの判断は、買い、1.5537~1.5916のレンジで売り買いを交錯しながら上限を試し、1.5916を超えると1.6台の定着を目指す。Daily=買い、Weekly=買い、Monthly=買い


●ポンド円
ポンド円は、市場ではあまり話題にされず、相場もそれほどポンド売りに動いてはいないが、目に付く材料は全てポンド売りである。キングBOE総裁は議会証言で、中銀は利下げ方向かとの質問に→その通りだと発言、金融問題は困難かつ新たな局面に入ったとも言い、ビーンBOE理事・首席エコノミストも議会証言で、金融市場は明らかにリスクが下向き、英国経常収支の赤字額を考慮すると個人的に同じ見解と発言。イングランド銀行当局者は、英経済がこれまでの個人消費依存から輸出主導に向かうなかで、ポンドは一段と下落する可能性があると言う。 さて、どうなることやら。


ポンド円のWeeklyチャートは、下降トレンドが続き、ラインの下限近くで取引が続いている。上値のポイントは、200.49~62円、202.97円、204.60円、205.61円。下値のポイントは、197.11~23円、195.62円、191.29円、184.82円、177.25円。RSIは26と緩やかな下降ラインが続き、トレンドモメンタムは売りを継続。トータルの判断は、売り。191.29円を割り込むと大幅な下落に繋がる。205.61円を超えると売りは終了。Daily=売り、Weekly=売り、Monthly=売り。

ヨーロッパの財閥と企業グループ 74 エネルギー資源をめぐる攻防(12)

先週のコラムで、フランス最大のエネルギー・環境会社SUEZ(スエズ) とフランス国営会社フランスガス公社GDFとの合併のニュースをお知らせしましたが、同じくフランスの電力最大手、フランス電力公社EDFは電力自由化の進む他国の電力会社の株式を積極的に買収し、ドイツ、中国、ベトナム、アメリカ、南米、アフリカなど世界の電力会社を傘下に置く多国籍企業となることで基盤を安定させてきました。


同社はユーロネクスト・パリの上場企業で、CAC40の採用銘柄(フランスの代表的な株価指数で、パリ市場に上場されている銘柄の中から、時価総額や出来高が大きく、代表的業種に属する40銘柄を選出して作成)となっています。


一方、イタリア最大の電力会社であるイタリア電力公社ENEL(エネル)は、1999年に再編され、民営化されました。この際に欧州連合の基準に合わせるために事業を分轄し、多くの発電所を手放しましたが、一方で各国の電力会社を買収し、多国籍企業へと成長しました。フランスからは原子力発電所の電力を輸入しているほか、フランスやスロバキアの新たな原子力発電所建設開発などに投資することで、将来の電力供給を確実にしてきました。イタリア政府が主な株主で、ミラノ証券取引所および二ューヨーク証券取引所に上場しています。


そのエネルは、スペイン最大の電力会社エンデサの買収を進めてきました。2007年7月、エネルとスペインの建設大手アクショナの共同買収提案に条件つきで同意しました。両社はすでにエンデサ株の46%を保有しています。


エンデサはスペイン最大の電力会社であり、ガス・水道事業も行っています。IBEX35指数 (最も流動性の高い 35 銘柄で構成されるスペイン連続時間市場の指標株価指数)のひとつに選ばれ、マドリード証券取引所および二ューヨーク証券取引所に上場しています。


原子力・火力・水力の各発電によりスペイン国内で1000万人以上に電力を供給しているほか、イタリア、フランス、ポルトガルなど欧州、チリ、アルゼンチン、コロンビア、ペルー、ブラジルなど南米でも電力事業を展開する多国籍企業です。


2004年には、フランスの電力会社SNETを買収しています。巨大グループに成長したエンデサですが、2006年にはスペイン最大のガス会社ガスナチュラル、ドイツのエーオンに相次いで敵対的買収を仕掛けられました。


この際に欧州委員会は、スペイン政府がエーオンの買収を妨害したとして同政府を欧州司法裁判所に提訴する事件にまで発展。最終的にエネルとアクシオナが7兆円でエンデサを買収することになりましたが、一部の幹部はドイツのエーオンの傘下に入ることを望んでいたという情報も入っています。


そのエーオンに次ぐドイツ第2位の電力会社RWE AGは、国外では中欧、イギリスのイノジー、アメリカのアメリカン・ウォーター・ワークス、チェコのトランスガスなど電力・ガス・水道会社の大型買収を進め、世界有数の公益企業となっています。


ドイツ株価指数(DAX)の30銘柄のひとつに選ばれ、フランクフルト証券取引所に上場しています。ドイツでは1998年の電力自由化によって、当時8つあった電力会社は以下の4つのグループに再編成されました。

(1)エーオン (2)RWE AG  (3)スウェーデン公営電力会社グループ企業バッテンフォール・ヨーロッパ  (4)フランス電力公社EDF傘下のEnBW。


そのドイツでシェアを確保したスウェーデンの大手電力会社バッテンフォールも1996年の電力自由化以降、同社は送電線によって結ばれた北欧諸国を中心に地盤を固め、フィンランド、デンマーク、ポーランドなど欧州各国に買収の手を伸ばし、各国に火力・原子力発電所を保有する欧州有数の多国籍企業に成長しました。


このように欧州における電力の自由化は、欧州に巨大な多国籍企業グループを出現させる要因となったのです。


By Master K/益田 慶

2008年03月31日

2008年3月31日  本日の為替戦略

週初で月末の為替相場は何が起きるのか判り難い。銀行のスポットディーラーやポジションテーカーは取引を手控えるなど、投機的な動きは抑制されやすいが、反面、その分、出会いが薄くなる相場で、実需や資本筋の動きに相場が動くこともある。さらに本日は、海外では四半期末、国内では決算期末となり、国内外共にフィキシングの特殊需要に相場が変動することが多く、日本では午前9時55分、欧州では午後9時10分、英国では午前零時がそれに当る。


本日は、ユーロ圏の消費者物価指数の発表があり、インフレを危惧するECB通貨当局者の関心の的となっており重要で、米国のシカゴ購買部協会指数も先行指標として注目したい。また、通貨当局者の発言予定も多く、どのような発言が飛び出すか判らないが、相場変動リスクがあることは間違いない。


●ドル円
ドル円は、先週末は、米国株は弱含みで推移し、円を買い戻す動きが続いたが、総じてレンジ内での取引が続き、方向性は円高ながら米国からの材料待ちのムードが強い。今日は3月の最終日で決算に使われる為替レートが仲値で決定され、いくらで決定さえるか興味深く、午後3時、午後5時にも動きが大きくなることが多く、海外市場ではロンドンフィキシングの午前零時には円クロスでドル円が動く事が多い。


ドル円の4時間チャートは、98.50円~101円のレンジで取引が続いているが、目先は99.50~100.50円に収斂している。上値のポイントは、100.07円、100.58円、100.88円、101.14円。下値のポイントは、99.07円、98.73円、97.80円。RSIは37と下降ラインが続き、トレンドモメンタムは売りから買いに変化しているが、サインは弱く不透明。トータルの判断は、100.58円を超えるまでは売りを継続。


●ユーロドル
ユーロドルは、市場の評価は悪くなく、先週発表された独ifoも強く、本日発表されるインフレ率はECBターゲットの2%を遥かに超え3.2%と予想され、とてもではないが利下げを期待することは難しい。むしろ、米金融機関の混乱が無ければ利上げをしたいくらいだと思われ、インフレ抑制効果があるユーロ高を期待する声も相変わらず多い。


ユーロドルの4時間チャートは、1.59で上げ止まり、1.57~1.5850のレンジで取引が続いている。上値のポイントは、1.5903、下値のポイントは、1.5752、1.5688、1.5660、1.5583。RSIは72と横ばいで、トレンドモメンタムは買いを継続している。トータルの判断は、1.5700~1.5900のレンジを上下共に抜け出すまでは方向感が定まらないが、買いが優勢。


●ポンド円
ポンド円は、ポンド安のセンチメントと強く、ポンドは投機的なポジションでショートに入りやすいが、高金利通貨であるだけに、キャリー・ロスは如何ともしがたい。ポンド売りも短期的になりやすく、時間の経過と共に下げ渋ると買い戻しが入りやすい。もちろんこれはポンド円も同じことである。


ポンド円の4時間チャートは、197.50~202円のレンジで取引が続き、下限を試している。上値のポイントは、198.43円、200.79円、202.07円。下値のポイントは、196.04円、195.07円、192.53円。RSIは42と下降ラインが続き、トレンドモメンタムも売りに変化している。トータルの判断は、売り。


●本日の経済指標・その他
06:45 NZ 2月の住宅建設許可=前月比予想 前回3.3%
08:50 日本 2月の鉱工業生産・速報=前月比予想-2.0% 前回-2.2%、前年比予想3.1% 前回2.2%
16:00 スウェーデン 3月の製造業信頼感指数=予想0.0 前回-1.0、消費者信頼感指数=予想2.0 前回0.9
17:00 ノルウェー 2月のCredit Growth=前年比 前回14.3%
17:00 ユーロ 2月のマネーサプライM3・季調済=予想前年比11.5% 前回11.5%、Credit Growth=前年比予想12.8%、 前回12.7%
18:00 ユーロ 3月の消費者物価指数(CPI)速報=前年比予想3.3% 前回3.2%
18:00 ユーロ 3月の消費者信頼感指数=予想-12 -12、製造業=予想1.0 前回0.0、サービス業=予想10 前回10
18:30 英 3月のGfk消費者信頼感指数=予想-18 前回-17
21:30 カナダ 1月のGDP=前月比予想0.5% 前回-0.7%
22:45 米 3月のシカゴ購買部協会景気指数=予想46.5 前回44.5
未定(31日~4月5日) 独 2月の小売売上高=前月比予想0.7% 前回0.7%、前年比予想1.1% 前回0.6%
Gjedremノルウェー中銀総裁発言
リーブシャー・オーストラリア中銀総裁、Ferrero-Waldner記者会見
リーカネン・フィンランド中銀総裁記者会見
イエレン米サンフランシスコ地区連銀総裁が講演 「地域社会発展にとっての差し押さえの重要性」
プール米セントルイス地区連銀総裁が退任

小さな政府江戸幕府 22 江戸幕府の経済政策 「享保の改革」倹約と増税

八代将軍・徳川吉宗は在任期間(1716~1745年)に多くの政策を打ち出し、江戸幕府始まって以来最も大きな幕政改革を遂行した。年号から「享保の改革」と呼ばれている。詳しく調べてみると、「享保の改革」は前半(1716~1730年)と後半(1730~1745年)とでは内容が異なる。前半に遂行した改革あるいは手をつけなかった分野を後半で修正し、転換を試みたのである。その中から財政危機に直面していた幕府を救うために実行された財政政策を中心に見ていこう。それらは綱吉が浪費や米価の下落で生じた「元禄バブル崩壊の後始末」という側面を併せ持っている。


吉宗の財政政策を語る前に人材登用について説明しておこう。これも改革のひとつで、諸改革を実行するにあたり吉宗は前政権下で影響力のあった新井白石を解任し、新たな人材を登用した。見方を変えれば将軍の側近が政治を司る時代が続き、将軍が無能な名誉職となっていたのを是正したということだ。現在に置き換えるなら、総理大臣ではなく、各省の役人が陰で総理大臣を操っていたようなものである。吉宗は将軍就任の翌年、財政をあずかる勝手掛老中に京都所司代の水野忠之を任命。水野は「享保の改革」の前期を支える財政大臣である。同年、大岡忠相(大岡越前)を町奉行に抜擢し、首都江戸の改革と都市政策に着手した。大岡はさしあたり東京都知事兼最高裁判所判事兼法務大臣といったポジションか。


吉宗の人材登用制度は「足高(たしだか)の制」と呼ばれる法令に顕著にあらわれている。従来の各役職は基準の石高を満たしていないと就任できなかったが、基準の禄高(給与)以下の者が役職に就任する際に在職中のみ不足している役料(石高)を補い、その職を辞すれば元に戻すという画期的な制度である。能力はあるが家柄が低いために要職に就けないという人材のミスマッチを解消することと、役職を退任すれば石高は旧来の額に戻るため幕府の財政負担が軽減できることがメリットである。現在なら「能力主義」の採用と人件費アップの抑制を同時に実行するようなものである。


こういった吉宗の考え方によって要職に登用された人物として名高いのが大岡忠相と、吉宗時代後期に勘定奉行として辣腕をふるう神尾春央(はるひで)だ。また、吉宗時代に紀州藩の足軽から旗本に登用された田沼意次は、十代将軍・家治の時代に老中まで出世する。民間人では、治水や用水の改修工事で才能を発揮した田中丘隅がいる。田中は河川管理の責任者「川除御普請御用(かわよけごふしんごよう)」として幕府の治水事業に携わった。民間登用の「治水大臣」である。


では、吉宗が実行した財政政策を見ていこう。まず手をつけたのが「倹約令」を発令して消費を抑えることと増税だ。財政危機を克服するために「支出を少なくし、収入を多くする」とは、ごく当たり前のことだが、これを制度化したのは吉宗の手腕だ。しかし質素倹約は両刃の剣で、倹約を意識することで幕府の丼勘定は是正できるが、内需拡大にはつながらないというマイナス要素もある。消費意欲を減退させる政策は、吉宗が試みた改革のあらゆる面にあらわれている。


吉宗は年貢収入の増大を図るために河川敷や山林までを含む強引な新田開発を開始した一方で、年貢率を「四公六民」「三公七民」から「五公五民」(収穫の半分を年貢として納め、残りの半分を農民のものとする)に引き上げた。増税プランとして一定期間年貢を固定しつつ徐々に切り換えて増額する「定免(じょうめん)法」を実行。後期には出来高のうち翌年の再生産部分を残してすべて年貢として徴収する「有毛検見取(ありげけみどり)法」などの新税制を採用し、幕府財入を大幅に増大させる。

吉宗が実行した「痛みを伴う構造改革」はまず農民が犠牲を強いられたようだ。しかし新田開発によって米が増えれば米価がさらに下がり、武士は生活が苦しくなるという矛盾が生じる。吉宗が米価対策に着手するのは将軍就任期間の後期のこと。米価対策は改めて説明するが、吉宗が増税に力を注いだことから、改革の優先順位は財政増収にあったことがよくわかる。


By Master K/益田 慶

2008年3月31日 FX検定 きょうの問題  ロシアの石油天然ガス・パイプライン

資源価格が高騰しているが、ロシアが主導する地下資源は多いが、ロシア国内の資源会社の多くは民営化されている。しかし、すべてのロシア企業がロシアの国家戦略に基づいて活動しているわけではない。ロシアが国家として主導している地下資源は、天然ガスとウランである。ロシア政府が主導する天然ガス・パイプラインが2ルートあり、ひとつは黒海海底を通り、ブルガリアに至るサウス・ストリームであれうがもうひとつは何と呼ぶか。


正解 ノルド・ストリーム


解説


ノルド・ストリームは、ヨーロッパ寄りのベラルーシ、ポーランドを迂回してバルト海底を通ってドイツに繋がる天然ガスパイプラインである。


サウス・ストリームは、ガスプロムイタリアの石油大手ENIがスイスに設立する合弁会社が、2008年中に事業性検証を行う。合弁会社が海洋部分の建設を行い、陸上部分はパイプライン通過各国のガス会社と共同で建設するものである。ブルガリア、セルビア、ハンガリーは建設に合意している。ブルガリアからギリシャ、イタリアへの延長も検討されている。これに対し、ロシアからのエネルギー依存度を下げたいEUは、アゼルバイジャン、トルクメニスタンからの天然ガス・パイプライン・ルートであるナブコ(Nabucco)パイプラインの建設を進めている。


ロシアからの石油・天然ガス・パイプラインはすでにいくつか敷設されている。バルト3国への石油パイプライン「バルトパイプライン」、ベラルーシ経由でウクライナ、ヨーロッパへと供給する「友好」石油パイプライン、ベラルーシ、ポーランド経由で供給される「ヤマル・ヨーロッパ」ガスパイプライン、ウクライナ経由でヨーロッパに供給される「兄弟」ガスパイプライン、ロシアから別ルートでウクライナに供給される「ソユーズ」ガスパイプライン、黒海からトルコに繋がる「ブルー・ストリーム」ガスパイプラインなどがある。


ロシアに対抗してEUが計画中のナブコパイプラインは、トルクメニスタン、カザフスタンからカスピ海底を通ってアゼルバイジャン、グルジア、トルコを経由してヨーロッパに供給するルートであるが、十分な供給量を確保できるかが課題となっている。アゼルバイジャン、グルジアからトルコへ供給される石油パイプラインとして「バクー・ジェイハン」がある。ロシアはサハリン1・2から日本、中国へのLNG供給ルートを開発中である。さらに東シベリア・太平洋・石油パイプラインの敷設も計画している。カザフスタンからはロシアルートのパイプラインが敷設され、中国への石油パイプラインの計画もある。

cf Electronic Journal

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