2008年2月15日 FX検定 きょうの問題 資源探査船「資源」

2008年2月11日 日本の資源探査船「資源」の納入式典が行われた。経済産業省は日本近海の石油、天然ガスなどの海底資源探索のための資源探査船の導入を進めていた。「資源」と命名されたこの探査船は、3次元探査船で、海底の地層を立体的に解析できる能力を持つ。


この先端技術を搭載した探査船は、実は造船大国である日本製ではない。この3次元資源探査船「資源」は、どこの国で建造されたものか?


正解 ノルウェー


解説


3次元探査船「資源」は、最初の仕事として中越沖地震で被災した東京電力柏崎刈羽原子力発電所の沖合の海底地層を調査する。資源探査と同じ要領で、地震断層を調べられるという。その後は三陸海岸沖で調査にあたり、将来は海外での資源探査にも活用する。この船は全長86メートル、幅40メートル、総排水量約1万トンと資源探査船としては世界で最も大型の物理探査船である。


最新鋭探査船とはいえ買った船は中古船である。資源探査船は最新技術を常に更新しながら維持していくのが普通で、「資源」の場合も年間90億円の維持費がかかるようであるが、設備更新費用が含まれているのかどうかは不明である。このように最新設備を更新しながらの維持はコスト負担が大きいため、石油・資源開発会社は自ら探査船を保有することはなく、通常は探査会社に外部委託するのが常識らしい。「資源」は、資源エネルギー庁の保有となるが税金の無駄使いにならなければとの声も聞こえる。


日本近海には石油、天然ガスが多く埋蔵されているといわれている。またメタンハイドレートの埋蔵も確認されており、これらの開発が進めば、エネルギーの安定供給、中東に偏った原油供給源の分散などに役立ち、エネルギー安保の観点から期待されている。また、日本沖の太平洋大陸棚には、希少金属であるマンガン塊が多く存在しているとも言われている。


3次元探査船の就航はエネルギー開発の観点からも期待が大きい。英経済の復活は、サッチャー政権時の規制緩和から始まったが、同時に北海油田の開発によるエネルギー輸入国から輸出国への転換が大きかったといえる。冷戦の終焉、ソ連崩壊とともに瓦解した北欧経済であったが、いち早く立ち直ったノルウェーの資金的裏付けも原油、天然ガスの生産に端を発している。長期的凋落が見込まれる日本に、エネルギー資源の発見、開発が実現すれば、日本の新たな成長が見込めるかもしれない。

さて、今回の「FX検定 きょうの問題」の観点は、探査船である。世界有数の造船国であり、先端技術を有するはずの日本がこの船を造っていないところの着目したい。ノルウェーが世界有数の造船国であることは知る人も多いと思う。この3次元探査船「資源」を建造したのは、ノルウェーの企業である。購入金額は232億円とたいへん高価な船である。世界の造船量は、進水量によるシェアでは、韓国と日本が40%弱で圧倒的強さを誇っている。近年は中国が伸びており、第3位に浮上している。ドイツ、デンマーク、イギリス、スウェーデンが続いているが小さなシェアを分け合っているにすぎない。これらの国に次いでいるのがノルウェーなのである。ノルウェーは人口500万人足らずの小国ですから、人口比に占める造船業の割合は高いものがあります。

ノルウェー商船隊は世界第3位の規模で、世界の商船の10%に相当する。多くの商船がノルウェー船主の所有であるが、第三国経由の国際貿易も行っている。海運業の運賃収入は、同国輸出収入(石油、ガスを除く)の20%のシェアを占める。


ノルウェーの造船業の特徴は、特殊船の建造にあります。ノルウェーは漁業大国でもあります。最先端の技術を駆使した近代漁業に適合した漁船の開発、畜養漁業などと合わせて特筆すべき技術を持っています。ノルウェー・サーモンは日本でも有名ですが、世界中のサーモンのなかで生食・刺身で食べられるのはノルウェーの養殖によって育てられたものだけです。サーモンは寄生虫がつきやすく、本来は刺身で食べませんでした。日本でも「るいべ」など一旦凍らせてから食べるのが一般的でしたが、ノルウェー産サーモンが輸入されるようになってから廉価なサーモンの刺身が提供されるようになりました。チリ産サーモンの刺身を見ることがないのはこのような理由からです。


ノルウェーの水産養殖技術は、技術、生産性、品質に優れており、世界中で評価されています。ノルウェーの水産養殖物の輸出は全世界の魚類輸出の30%にも及んでいる。

ノルウェーは日本と並んで古くからクジラ漁が盛んな国である。またノルウェー沖は、北アメリカからの北大西洋海流(ノルウェー海流)と東グリーンランド海流がぶつかる世界有数の漁場でもある。サーモンの養殖などに適したフィヨルド、多くのバンク(浅堆)を擁する豊かな北海漁場を領海に持つ海洋国家である。このような背景から漁業関連の技術、特に養殖技術、魚群探知機などの機器、冷凍技術などが発達し、近年では漁業から離れてマリンスポーツ、マリンファッションなどへと展開している。


ノルウェーの造船は漁業関連ばかりではない。北海で石油、天然ガスが採掘されるようになり、海上油井、試掘船、探査船などの海洋調査、資源開発関連の特殊船建造が得意分野となっている。特殊分野、先端技術によって高付加価値を生む産業構造となっているのである。ノルウェー造船業は、小型漁船や艦艇の建造を中心に発達した。現在では、オフショア・サービス船、半没型建造物、採掘船、及びオフショア関連ユニットや機器の建造・製造が主なビジネスである。


1960年代に北海油田は発見されたが、開発が進んだのは最近20年ほどである。この間にソ連崩壊による経済的打撃を受けているが、資源開発とともに産業構造も大きく変化した。かつては第1次産業(漁業、林業)、製造業、建設業が中心であったが、近年は、公共部門、サービス業が産業の中心となっている。公共部門の多くは実質国営石油企業であるSTATOILを頂点とした石油・天然ガス産業に関連している。ヨーロッパ諸国の多くは天然ガス供給をノルウェーに依存している。また、ノルウェーの輸出の30%以上が石油関連である。


ノルウェーの主要造船所は、Aker Yards Group、Ulstein Group、Umoe Groupの3大造船グループがある。


Aker Yards Groupは、全世界に13の造船所を所有し、売上高では世界第4位の大造船企業である。同社のノルウェー国内の造船所は、Aker BraattvagとAker Brevikである。Aker Braattvag造船所の顧客の大部分は石油会社と関連サービス企業で、同造船所はオフショア船建造のグローバル・リーダーである。その他、ケーブル敷設船、ダイビング支援船、RORO船、地質調査船、ケミカル・タンカー、フェリー、トロール船等の建造も行っている。従業員数は4,000人である。Aker Brevik造船所は、プラットフォーム補給船(PSV)、アンカー・ハンドリング・タグ・サプライ船(AHTS)等のオフショア船建造を専門としているが、ROROフェリー、漁船、オフショア及び陸上プロセス・モジュールの建造も行っている。従業員数は約2,800人である。

Aker Yardsは8500人乗船可能な巨大客船を受注した。受注元はRoyal Caribbeanで受注額は9億ユーロ、世界で最も高額な客船となる。完成は2009年で、幅47m、長さ360m、水面からの高さ65m、8500人の乗船が可能な世界一巨大な客船でもある。

ノルウェー南部Mandalに位置するUmoe Mandal造船所は、Umoe Gmupの100%子会社で、ノルウェー海軍向け艦艇に使用されることの多いファイバー強化プラスチック(FRP)製品を製造している。Umoe Mandalは、艦艇及び商船建造工程オートメーション化への研究開発に多額の投資を行っている。

Ulstein Groupは、オフショア産業向け特殊船、ケーブル敷設船、メンテナンス及び建設作業船の開発、建造、販売に高い専門性を持ち、船舶の設計、建造以外にも舶用電気・電子システムの製造を行っている。同社は約400人を雇用し、その4分の3は、ノルウェーUlsteinvikに位置する造船子会社Ulstein Vertの従業員である。


ノルウェー海事クラスター内の総雇用者数は約75,000人で、その多くはサポート・セクターに従事している。ノルウェー海事保険会社の世界シェアは30%に上る。


ノルウェーの舶用機械製造業は製品の60%を欧州その他の国外市場に輸出している。ノルウェー舶用企業は、ウィンチや照明設備から最新鋭の貨物電子制御システムや安定装置等、幅広い製品を製造している。また、漁船用機器もノルウェー舶用メーカーが得意とするニッチ製品である。


2006年末、ノルウェーのエネルギー・金属大手ノルスク・ヒドロとノルウェー石油大手のスタトイルは石油・ガス事業の統合に合意した。この統合により海洋油田からの原油生産では世界最大の企業となった。
統合会社の出資比率はノルスクが32.7%、スタトイルが67.3%。2007年の生産量は日量190万バレルになる。確認埋蔵量は原油とガスを合わせ、同630万バレルまで拡大する。両社の大株主であるノルウェー政府の出資比率は62.5%になる。ノルスク・ヒドロは石油・ガス事業を切り離し、世界でも有数のアルミニウム事業に集中する。