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FXライフ31 中東・アラブ諸国の通貨 アルジェリアとチェニジア

北アフリカに位置するアルジェリアは、アラブ人からなるイスラム国家だ。1962年にフランスから独立。OPEC加盟国であることからわかるように産油国である。化石燃料関連産業が国家予算の52%、貿易利益の95%を占めているように同国の経済は地下資源の採掘に依存している。


油田開発は植民地時代にフランス主導で行われた。第二次世界大戦後、フランス政府は探鉱開発を担う石油探鉱公社を設立し、海外領土で開発を進めた。そのうちのひとつがアルジェリアのサハラ砂漠だった。60年代にフランスが核実験場として選んだことでも知られている。フランスやイギリスの植民地支配からいかに独立し、どんな政権を立ち上げるのか、内戦をどのように克服していくのか。これが近代のアフリカの歴史であった。


アルジェリアの通貨はアルジェリア・ディナール(DZD)。独立後のアルジェリアは社会主義政策路線で始まったものの経済が低迷し、1965年に軍事クーデターによって軍の独裁が始まる。この時代に経済成長を遂げるが、80年代に入ると経済が困窮し、大きな対外債務を背負った。1991年の選挙でイスラム主義政党のイスラム救国戦線が圧勝すると、再び軍のクーデターが勃発。1992年以降、政府軍とスラム救国戦線が対立し、イスラム原理主義派によるテロが頻繁に発生。内戦状態が10年近く続いた。


1999年にブーテフリカ大統領が誕生して以降、活発な外交活動が展開され、国際舞台への復帰を達成。約10年にわたる国内テロのイメージを改善することに尽力を注いでいる。1995年から国有企業の民営化が進められ、豊富な地下資源の採掘に力が注がれ、近年の原油高もあって経済成長は回復。1999年以降、毎年4~6%(最新データでは2006年のGDPは3.6%)まで回復したものの、失業率は12.3%と依然高い。


近年海外から熱い視線が注がれているのが天然ガスだ。アルジェリアの天然ガスは世界第5位の埋蔵量を誇っており、輸出量は世界第2位だ。鉱物資源も豊富で、世界シェア第3位の水銀やリン鉱石などがある。このアルジェリアに近年積極的に進出しているのが中国だ。


中国石油天然気(天然ガス)集団公司がアルジェリア政府、地元石油会社と提携して開発を進めているほか、2007年には原油と天然ガスの生産にかけて中国最大の企業である「ペトロチャイナ」が自らが権益を持つ、アルジェリアの油田で軽質油と天然ガスの産出を確認した。石油・天然ガス以外でも、中国最大手の建設企業集団である中国建筑工程総公司がアルジェリア新国際空港の建設に続いてアルジェリア外務省の新庁舎建設を受注している。


アルジェリア政府としては海外企業に広く投資を呼びかけているものの、海外企業はいまだイスラム原理主義派のテロに不安を抱いている。ところが、中国だけはむしろそういった新興国を中心に進出をはかっているかのように見える。アメリカに次ぐ石油消費国・中国のエネルギー外交政策が顕著にあらわれている例といえよう。


アルジェリアの隣国チュニジアもまたフランスから独立した国だ。通貨はチュニジア・ディナール(TND)。やはり人口のほとんどをアラブ人が占めるイスラム国家である。産業は農業、鉱業、工業の三つの柱がある。アルジェリア同様、リン鉱石の採掘が盛んで、大きくはないが油田も発見されている。ほか亜鉛、銀、鉛などを産出している。工業は農業生産品の加工に基づく食品工業、鉱物資源を活用した肥料生産に代表される化学工業、機械工業がメイン。近年急速な成長を見せているのが欧州諸国の被服製造の下請けである。これは日本が人件費の安い中国の工場に製造を依頼している構造と同じだ。


チュニジアは90年代に構造改革を進め、2001年まで計画経済が進められた。これによって良好な投資環境が整い、2003年~2006年のGDPは平均3%で推移している。国際収支の経営赤字も縮小し、経済的な安定を見せている。


同国は天然資源が限られていることから、農業、鉱業、工業の効率的な経営を推進してきた。国家予算の大部分は教育、医療、住宅供給、社会福祉に割かれている。これが功を奏したようだ。あとは10%ふる失業率の改善が大きな課題というよう。

By Master K/益田 慶