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2008年2月3日 今週の為替戦略

FRBは単位間で1.25%もの大幅な政策金利の引下げを実施し、ブッシュ米大統領は金融経済対策を実施、州政府はモノライン(金融保障会社)の救済を開始し、欧米金融機関8行は共同で救済機関の開設を表明した。先週の米雇用統計の非農業部門雇用者数は2ヶ月連続で弱く、金融不安が消費や雇用に波及していることが確認された。


最近は特に米国株の値動きが為替相場を形成していると言っても過言ではないほど、株価連動型の為替相場が続き、潜在的な円買い要因となっている。今週も、株価下落=円買い、株価上昇=円売りの方程式と、原油・商品価格下落=CAD・NZD・AUD売り、原油・商品価格上昇=CAD・NZD・AUD買いの流れが、今週も続く可能性が高い。


過去数週間に渡り、主要通貨は総じてレンジ相場に入り、市場のセンチメントが不安定で、より方向性を示すことのできる材料を待っている。それまではレンジ相場での取引を意識し、レンジが抜け出したときには俊敏に対応する必要もある。


一部には積極的な利下げ継続している米国経済がいくらかでも回復する兆しが見られることを期待し、インフレ懸念により利下げが遅れている欧州経済がよりダメージが大きくなるとの心配も強く、今年の第2四半期以降のドル高予想が根強く残っている。


主要通貨を比較して見ると:
Weeklyベースの比較で、1月11日→1月18日→1月25日→2月1日の終値を比較してみると:
再び原油価格と商品価格の上昇が引き金となり、資源国通貨のGBP、AUD、CADの上昇が特に目立っている。主要国ではポンド(利下げ観測)の下落とユーロ(金利据え置き観測)の上昇し、結果としてEURGBPは大幅に上昇した。一方、クレジットリスクも解消できず安全資産としての、CHFとJPYも横ばいながら堅調に推移ている。


USDJPY=108.84円→106.85円↓→106.73↓→106.58(0.15円 -0.14%)
EURUSD=1.4776→1.4620↓→1.4683↑→1.4801↑(118ポイント +0.80%)
USDCHF=1.1014→1.0984↓→1.0967↓→1.0896↓(71ポイント -0.65%)
GBPUSD=1.9566→1.9554↓→1.9830↑→1.9651↓(179ポイント -0.90%)
AUDUSD=0.8906→0.8790↓→0.8796↑→0.9038↑(242ポイント +2.75%)
USDCAD=1.0188→1.0271↑→1.0078↓→0.9951↓(127ポイント -1.26%)
NZDUSD=0.7823→0.7598↓→0.7680↑→0.7948↑(268ポイント +3.49%)


円クロスを比較して見ると:
Weeklyベースの比較で、1月11日→1月18日→1月25日→2月1日の終値を比較してみると:
GBPJPYはポジション調整と利下げ観測に円高となったが、これ以外では全て円安に変わり、主要通貨と同様に、原油価格と商品価格の上昇にCADJPY、AUDJPY、NZDJPYは大幅に上昇、CHF+EURでは小幅な上昇に止まっている。


GBPJPY=212.91円→208.87円↓→211.63円↑→209.39円(2.24円 -1.06%)
CADJPY=106.73円→103.96円↓→105.85円↑→107.07円↑(1.22円 +1.15%)
EURJPY=160.80円→156.20円↓→156.72円↑→157.77円↑(1.05円 +0.67%)
AUDJPY=96.92円→93.90円↓→93.84円↓→96.33円↑(2.49円 +2.65%)
CHFJPY=98.79円→97.26円↓→97.30円↑→97.81円↑(0.51円 +0.52%)
NZDJPY=85.09円→81.19円↓→81.93円↑→84.61円↑(2.68円 +3.27%)


IMM通貨先物の取引からは:
1月8日→1月15日→1月22日→1月29日の公表値を比較してみよう
JPY +37,473→+37,199→+41,842→+52,928 =投機的な円売りポジションの増加が続いていた。
EUR +51,902→+44,982→+23,745→+22,456 =最高値圏に上昇しているにも関わらず、ロングポジションは減少していた。
GBP -3,262→+307→-729→+5,358=ショートからロングポジションに変わりポンド高期待が強まっていた。
CHF -2,171→+5,162→+15,376→+9,233=大幅なロングポジションの調整が見られたが引き続きロングポジションは大きかった。
CAD +16,424→+7,765→+7,677→+4,295=徐々にロングポジションの調整が進み、センチメントはベアになっていた。
AUD +23,396→+25,460→+5,607→+16,309=ロングポジションが急拡大し、上昇期待が強まっていた。 NZD +13,503→+15,749→+11,455→10,722=引き続き高水準のロングポジションが続き、先高センチメントが続いていた。


今後の金利予想は:
USD=3月18日0.5%引下げ、EUR=2月7日据え置き、GBP=2月7日0.25%引き下げ、JPY=2月15日据え置き、AUD=2月5日0.25%引き上げ、NZD=3月5日据え置きで、CHF=3月13日据置き、金利差から考えれば、先週同様に豪ドルだけが利下げ観測が高く、ドルを除くと、GBPAUDの売りが選択できるが、既に大方は織り込み済みでポジションは積み上がっている。


今週末、東京で開催されるG7は周囲では注目度が低いものの、世界的な金融不安の中で、無視することはできず、G7に向け各国の政策担当者から予想外の発言が飛び出すと、為替が動く要因となっている。また、BOE(英国)、ECB(ユーロ)、RBA(オーストラリア)の政策金利が発表され、利下げ予想=BOE、据え置き予想=ECB、利上げ予想=RBAと、思惑にこれらのクロスの動きには注意したい。


経済指標からは、
①主要国の金融政策発表が多くなっている。5日=オーストラリア中銀(予想0.25%引き上げ)、7日=イングランド銀行(0.25%引下げ予想)、欧州中銀金利据え置きと、それぞれの予想は金利市場・為替市場では既に織り込み済みで、予想外の結果となると為替変動が拡大する可能性が高くなる。
②住宅関連では、4日=豪第4四半期住宅価格指数、5日=豪住宅建設許可、6日=カナダ住宅建設許可、7日=米住宅販売保留、8日=カナダ住宅着工など、最近では特に住宅関連での為替変動は大きくなっている。
③インフレ関連では、4日=ユーロPPI、8日=スイスCPIと少なく、注目度は低い。
④雇用関連では、4日=米チャレンジャー社企業人員削減数、5日=NZ第4四半期雇用調査、7日=NZ失業率、スイス失業率、8日=カナダ失業率の発表が注目される。
⑤その他では、5日=豪小売売上高、5日=英・独・ユーロのサービス業PMI、米ISM非製造業景況指数、それと、今週全般を通じて金融政策担当者の発言が多く、発言内容には注目したい。それと、週末9日には東京でG7が開催され、欧州通貨当局者は議題として提案したいと言っているが、為替に焦点が当てられる可能性が低く、米サブプライム関連の損失から発生した世界的な金融不安と、原油・商品価格の上昇からのインフレ懸念がテーマになっている。


●ドル円
ドル円は、日経平均株価が大幅下落する中で、相変わらず日本発の為替変動要因は無く、引き続き市場の関心事は、サブプライム関連による金融機関の損失の度合いと、米経済成長の鈍化+雇用の悪化を材料に、株価主導の為替相場となっている。ローソク足を見ると、安値圏で二週連続して始値と終値がほぼ同じ水準となり、上昇に反転する可能性もあり気になる。


ドル円のWeeklyチャートは、105円~108円のレンジで下降トレンドを続け、ラインの下限から中間で取引が続いている。上値のポイントは、107.24~29円、107.54円、108.03円、108.55~66円、109.26円、110.95円。下値のポイントは、106.02円、105.54~58円、104.12円、103.93円、103.53円。RSIは35と下降ラインを続けているが上抜けし、買いに反転するか、トレンドのあるドル売りが継続するのか見極めが必要となっている。トレンドモメンタムは売りを継続している。トータルの判断は、①「105円~108円のレンジ相場」を繰り返す可能性をメインシナリオとして、②「中期的なドル売り継続」ながら、③「短期的には上値リスク」が出ている。Daily=ミックス、Weekly=売り、Monthly=売り。


●ユーロドル
ユーロドルは、1.5の大台を試し11月の最高値1.4968に迫る1.4956まで上昇したが、終値では1.4801と大きく値を下げ失望感が強い。FRBの大幅金利引き下げとBOEの金利引き下げ観測に対して、ECBは金利据え置きが予想されているだけに、欧州金融機関の損失問題を除けば、状況はユーロにとって有利である。この時期に1.5の大台を試すことを期待したいが、逆に達成できないと度重なる失望感に売りに変化しやすい。


ユーロドルのWeeklyチャートは、1.43半ばから1.49半ばのレンジで上昇トレンドを続け、ラインの上限から中間で取引が続いている。上値のポイントは、1.4964、1.5071、1.5302。下値のポイントは、1.4708、1.4556、1.4472、1.4345。RSIは71と高値圏で横ばいとなり、緩やかな上昇ラインを続けているが、トレンドモメンタムか売りに転換している。トータルの判断は、売り。1.4960~70を超えたら撤退。Daily=買い、Weekly=売り、Monthly=買い


●ポンド円
ポンド円は、ポンドドルが1.9960と久々の2.0直前まで戻したが、終値では1.9651を安値引け、英国経済の鈍化と金利引き下げ予想にこの水準から積極的にポンドを買う気にもなれない。ドル円も方向性を失っていることを考えれば、レンジ相場になりやすい。


ポンド円のWeeklyチャートは、204円半ば~214円半ばの幅広いレンジで下降トレンドを続け、ラインの下限から中間で取引が続いている。上値のポイントは、214.01円、214.43円、215.29円、215.72円。下値のポイントは、204.60円、202.14円、200.96円、196.17円。RSIは33と下降ラインを続け、トレンドモメンタムも売りを継続している。トータルの判断は、方向性は中期的な売りを継続。207円~214円のレンジでこれを抜け出すまではレンジ相場で対応し、抜け出したら上下に加速する可能性が高い。Daily=買い、Weekly=売り、Monthly=売り。