2008年2月16日15日の海外為替市場

アジア市場は、早朝のNZ小売売り上げが弱くNZドルは値を下げ、主要通貨では狭いレンジでの取引が続いたが、欧州勢の参入に、ユーロは買われ、クロス全般に円売りが強まった。


欧州市場は、EURGBPの買いがユーロ相場を持ち上げ、ユーロ圏の貿易収支はユーロ高も影響もあり予想外の42億ユーロのマイナスとなった。S&P=57億ドル相当の米債務担保証券(CDO)の格付けの引き下げを発表、S&P=仏ソシエテ・ゲネラルを格下げなど、欧州株は急落したが、クロスではユーロ買いが続いた。


米国市場では、サプライズな、米国の輸入物価指数=前月比1.7%(予想0.4%)→統計開始1982年来最大の伸び率となり、輸出物価指数は1.2%(予想0.3%)→1989年来の伸び率となり、NY連銀製造業景気指数は-11.72(予想6.0 前回9.03)との発表にドル売りが加速、ミシガン大消費者信頼感指数は69.6(予想76.3)→1992年2月来の低水準で米景気後退時の水準に、米国株も弱く、円の買い戻しが入り、ドルは軟調に推移した。


●ドル円
アジア市場のドル円は107.84円で取引が始まり、弱い小売売上げを材料としたNZDJPYの売り+米系証券+米債に絡む円買いに107.64円まで下落したが、アジア勢や海外投資家の買いに底堅く、107.80~90円のレンジでの揉み合いから、オプションカットでは108.12円まで、終盤にかけては108.31円まで続伸した。欧州市場は108.26円で取引が始まり、108.32円まで上昇したが、欧州株の大幅下落に円買いが強まり、ユーロ圏貿易収支の赤字にユーロ円が下落、ドル円も107.83円まで下落、GBPJPYの大口売りも加わり円買いが続いた。歴史的な米輸出入物価指数と、弱いNY連銀製造業景気指数、対米証券投資を受けたドル売るに107.27円まで急落、アジア勢+実需筋+オプション勢の買いに値を戻し、オプションカットでは107.72円まで値を戻したが、弱い英国株+リセッションを思わせるミシガン大消費者信頼感指数に107.39円まで下落、投機筋買いやクロスの円売りに一時107.83円まで値を戻した。ポジション調整のドル売りは止まず、107.50円~107.75円のレンジで売り買いが交錯、終盤にかけては107.84円まで値を戻し、107.80円で取引を終了した。


●ユーロドル
アジア市場のユーロドルは1.4641で取引が始まり、1.4631~45の狭いレンジで取引が続いていたが、欧州勢の買いに1.4665まで上昇、1.4645~65のレンジで揉み合いとなった。欧州市場は1.4644で取引が始まり、暫く1.4640~65のレンジで売り買いが交錯したが、通貨当局者のインフレ懸念の発言が続き、東欧勢の買い+EURGBPの買いに1.4790まで上昇、ユーロ圏貿易収支の赤字に1.4665まで下落したが、弱い株価にもかかわらずEURGBPの買いが続き、1.4700まで上昇した。ECBフィキシングでは1.4655まで急落したが、22:30時の米経済指標の発表では1.4692まで上昇、00:00時の弱いミシガン大消費者信頼感指数に1.4710まで上昇した。1.47台ではオプション勢の売りが続き、週末のポジション調整の売りが強まると、1.4657まで下落、1.4682で取引を終了した。


●ユーロ円
アジア市場のユーロ円は157.91円で取引が始まり、米系銀行の売り+NZDJPYの売りに157.66円まえ下落し、157.75~00円のレンジで揉み合いとなったが、オプションカットのユーロ買いや、東欧勢のユーロ買いに前日高値158.48円を超え、ストップロスの買いに158.70円まで続伸となった。欧州市場は158.56円で取引が始まり、クロスの円売りが続き、158.89円まで続伸したが、ユーロ圏貿易収支の赤字に158.27円まで急落、弱い欧州株に上値は重く、徐々に上値を切り下げながら、ECBフィキシングでは157.70円まで続落、22:30時の米経済指標に米株先物市場は下落し円買いが続き、157.52円まで下落した。オプションカット+弱いミシガン大消費者信頼感指数に158.30円まで値を戻し、ロンドンフィキシングに向け158.40円まで値を戻し、157.75円~158.40円のワイドなレンジで上下し、158.28円で取引を終了した。


●主な経済指標の結果
日本 日銀金融政策決定会合=0.5%の政策金利の据え置きを決定。現行の金融政策維持を全員一致で決定。
06:45 NZ 12月の小売売上高指数=前月比0.1%(予想0.2% 前回2.0%)、 除く自動車=0.3%(前回0.9%)
19:00 ユーロ 12月の貿易収支=-42億ユーロ(予想24億ユーロ 前回30←26億ユーロ)
22:30 カナダ 12月の製造業出荷=前月比-3.4%(予想-0.2% 前回1.0←1.1%)
22:30 米 1月の輸入物価指数=前月比1.7%(予想0.4% 前回-0.2←0.0%)→統計開始1982年来最大の伸び率、輸出物価指数=1.2%(予想0.3% 前回0.4%)→1989年来の伸び率
22:30 米 2月のNY連銀製造業景気指数=-11.72(予想6.0 前回9.03)、支払価格=47.37(前回40.24)、新規受注=-11.88(前回0.04)、従業員数=-2.11(前回12.44)
23:00 米 12月の対米証券投資=565億ドル(予想660億ドル 前回909億ドル)、ネットフロー=604億ドル(予想675億ドル 前回1508←1499億ドル)→ ネットフローは前月の半分に減少
23:15 米 1月の鉱工業生産=前月比0.1%(予想0.1% 前回0.1←0.0%)、設備稼働率=81.5%(予想81.3% 前回81.4%)
00:00 米 2月のミシガン大消費者信頼感指数・速報値=69.6(予想76.3 前回78.4)、景気現況指数=85.4(予想92.3 前回94.4)、 消費者期待指数=59.4(予想66.5 前回68.1)→1992年2月来の低水準で、米景気後退時の水準。
22:30 カナダ 12月の製造業出荷=-3.4%(予想-0.1% 前回1.0←1.1%)


●昨日の主な発言その他
米国・カナダ
◎ミシュキンFRB理事=金融市場の混乱は成長見通しへのかなりの下振れリスクとなる。経済・金融関係の悪いニュースは市場に一段の緊張をもたらしかねない。インフレ期待が大幅に上昇する明確な兆候が現れれば、政策金利を維持するか利上げも視野に入れる必要がある。
◎マコーミック米財務次官=海外投資家に対する規制強化は米国の競争力に悪影響を及ぼす可能性。
◎米シティ・グループ(WSJ)=傘下ヘッジファンドの解約を凍結。
◎グリーンスパン前FRB議長=米経済がリセッションに陥る可能性は少なくとも50%。米経済成長は国内住宅価格が安定するまで悪化を続ける。住宅価格が底を打つまでまだまだかかる。原油価格の上昇は米経済の重荷。一段の深刻な打撃は与えておらず、米経済の抵抗力を示している。
◎エバンズシカゴ連銀総裁(14日)=米経済の下振れリスクがFRBの主な懸念要因だが、利下げなどにより景気後退は回避できる公算が大きい。
◎S&P=57億ドル相当の米債務担保証券(CDO)の格付け引き下げを発表。


欧州・英国
◎パパデモスECB副総裁=市場がECB金利の見通しを誤ることがありインフレ抑制姿勢を強調。最新の指標は成長見通しへの下向きリスクが支配的だが、いかなる成長減速の可能性もそれほど深刻なものではない。
◎S&P=仏ソシエテ・ゲネラルを格下げ。
◎ユンケル・ユーログループ議長=ユーロ圏15カ国の2008年の経済成長率が1.6~1.8%の見通し。
◎トリシェECB総裁=賃金上昇が失業率やインフレ率の上昇につながらないようにする必要がある。労働生産性の持続的向上なしに、名目賃金の上昇が購買力の向上につながることはない。逆に雇用創出を阻害し、インフレ圧力を高める。2008年のユーロ圏経済成長率は1.8~1.9%と予想。インフレはECBの目標上限である2%を超えている。インフレ抑制と経済の健全性確保との間に矛盾はない。
◎シティグループレポート=UBSは最大で181億ドルの評価損を計上する可能性がある→ 金融株下落し欧州株式全般で下落
◎アルムニア欧州委員会委員=ユーロ圏は米国のような景気刺激策は必要ない。成長見通の主要リスクは金融市場の継続的混乱と、より顕著な米景気減速の可能性。
◎リーカネン・フィンランド中銀総裁=物価安定は持続可能な成長を達成するために必要条件。金融政策の成功と中銀の独立性には強い相関関係がある。
◎シュタインブリュック独財務相(下院で演説)=金融市場の混乱は、2008年いっぱいは続く見通しで、世界経済に波及するリスクを看過できない。
◎フィッチ(格付け会社)=クレディスイス発行の32億ドルサブプライムローン関連バッスルー証券を格下げ。
◎トリシェ総裁ECB総裁(14日)=ECBは金融政策を実施するうえで常に警戒感を持ち、インフレの二次的影響の回避にコミットする必要がある。


日本・その他
◎2月の金融経済月報・基本的見解 =景気の現状については、住宅投資の落ち込みなどから減速しているとみられるが、基調としては緩やかに拡大。輸出の先行きについては、海外経済が減速しつつも増加。生産の先行きについても当面横ばい局面を伴いつつも増加基調。先行きの基本的判断は、当面減速するものの、その後緩やかな拡大を続けるとみられる」との見解を維持。
◎福井日銀総裁の記者会見=前回の政策会合以降そんなに大きな変化はない。世界経済は全体として拡大を続けているが、国際金融市場の動揺で不確実性が拡大。サブプライムローン問題の震源地である米国では景気の減速傾向が一段と深刻。米国は住宅投資が大幅な減少を続け、個人消費も足もとでは減速傾向がやや明確。日本の輸出はエマージング諸国や産油国など幅広い地域に向けて増加し今後も続く見通し。民間需要は企業収益が高水準で設備投資は引き続き増加基調。雇用・所得の1人当たり賃金は弱めだが、雇用者数は増加し雇用者所得は緩やかな増加。個人消費は同様に底堅く推移。デカップリングを当然の前提とするのは考えが甘すぎる。原材料高は景気押し下げ効果あるが、物価押し上げ圧力は日本ではそれほど大きくない。知らぬ間にインフレ圧力が高まる事態にまったく目を離して政策運営するわけにはいかない。金融資本市場・実体経済の秩序だった調整にはそれなりに時間かかる。
◎ストロスカーンIMF専務理事=米不動産市場に端を発した金融市場の混乱により世界経済は減速しているものの、今年の中国経済は10%程度の成長を遂げるとの見通し。
◎渡辺金融担当相=国内サブプライム関連損失、今後さらに額が増えることは十分予想される。日本版政府系ファンド、与野党を超えた議論を期待したい。経済の下振れリスク顕著、それを念頭に政策決定すると思っている。