2008年2月15日14日の海外為替市場
アジア市場は、日本第4四半期GDP速報値は予想を上回る=前期比年率3.7%(予想1.7%)に一時円高になるが、長続きせずクロスで円売りが続いた。オーストラリアの失業率は改善し3月の利上げ観測が強まり=4.1%(予想4.3%)に一時AUDUSD=0.8974→0.9067(米国市場)、AUDJPY=97.04円→98.14円(米国市場)まで上昇している。
欧州市場は、GBPJPYやGBPクロスの買い目立った。独の第4四半期のGDP・速報値=前期比0.3%(予想0.3%)、ユーロ圏の第4四半期のGDP・速報値=前期比0.4%(予想0.3%)と予想通りの結果となったが、トルシェECB総裁、ウェーバー独連銀総裁、ゴンザレスECB専務理事など、インフレリスクを危惧する発言が多く、ユーロの買い支えとなり、バーナンキFRB議長の議会証言を前に、売り買いが交錯した。
米国市場は、予想を下回る赤字額となった米貿易収支も反応は鈍く、バーナンキFRB議長から、成長に対する下振れリスクは高まった、サブプライム損失で投資銀行が一段と評価損計上する公算との発言に、3月のFRB0.5%利下げ継続の思惑にドル売りが強く、また、弱い米国株に円の買い戻しも始まり、スイスフラン高の流れも続いた。
●ドル円
アジア市場のドル円は108.30円で取引が始まり、予想を上回る日本のGDPに108.06円まで下落したが、邦銀のサブプライム関連の損失懸念や、日本の景気下振れリスクを懸念し円買いも鈍く、本邦輸出筋のドル売りに上値は重く、AUDJPY買いを消化しながら108.01円まで下落、日経平均株価の上昇に108.37円まで続伸した。欧州市場は108.25円で取引が始まり、108.20~35円の狭いレンジから一時108.43円まで上昇したが、機関投資家+台湾勢のドル売りに108.40円超えの上値は重く、108.17円まで値を下げた。108.37円を高値に、ECBフィキシングでは108.10円まで下落、108.50円超えストップロスとオプションバリアを試しながら108.61円まで上昇したが、本邦輸出筋のドル売りは続き、オプション勢の売りや、バーナンキFRB議長の議会証言に米株価の下落も加わりドルは下落、107.85円まで値を下げた。108.12円戻り高値に投機筋のドル売りが続き、107.76円まで続落、107.80~10円レンジで売り買いの攻防が続き、07:00時では107.86円で取引されている。
●ユーロドル
アジア市場のユーロドルは1.4553で取引が始まり、直後の1.4589を安値に、1.4580~90の狭い取引が続き、ロシア勢はCTA筋の売りとアジア中銀筋の買いに挟まれて、午後に入っても1.4560~70のレンジで取引が続いていたが、欧州勢の参入にユーロ買いが強まった。欧州市場は1.4607で取引が始まり、中長期勢+スイス勢の買いに1.4600を超えるとストップロスの買いを巻き込み1.4633まで上昇、欧州通貨当局者のインフレを懸念する発言と、EUR月報でインフレ上昇見通しが示され、1.4600を維持し底堅い展開が続いた。米貿易統計後には一時1.4580割れまで値をさえたが、バーナンキFRB議長の議会証言を前に動き難く、アジア中銀筋やスイス系銀行の買と、オプション勢の売りに挟まれ、1.4605~35のレンジで売り買いが交錯した。ECBフィキシング後には一時1.4650を超えて1.4639まで上昇、ファンド筋の売りに上値を押さえられ、短期投機筋の売りに1.4574まで下落、バーナンキFRB議長の議会証言を受け、ロンドンフィキシングでは1.4649まで続伸、1.4625~45の高値圏のレンジで売り買いが交錯、07:00時では1.4642で取引されている。
●ユーロ円
アジア市場のユーロ円は157.83円で取引が始まり、予想を上回る日本のGDPに上値は重く、AUDJPYの買いを消化しながら、157.34円まで下落、海外ファンド筋や日経平均株価の上昇に投機的な買いが続き、前日の海外市場の高値157.89円を超えユーロ買いが続いた。欧州市場は158.12円で取引が始まり、ストップロスの買いも加わり158.48円まで続伸したが、158.50円からはオプション勢+資本筋の売りに上値は重く、158.05~50円のレンジで売り買いが交錯した。米国市場に入ってもレンジ内での取引が続き、オプションカットでは157.97円まで下落、米国株は弱く、バーナンキFRB議長の議会証言後には、157.72円まで続落、15.75~158.25円のレンジで上下を繰り返しながら、07:00時では157.93円で取引されている。
●主な経済指標の結果
08:50 日本 第4四半期GDP・一次速報=0.9%(予想0.4% 前回0.3%←0.4%)、前期比年率3.7%(予想1.7% 前回1.3%←1.5%)
09:30 豪 1月の失業率=4.1%(予想4.3% 前回4.3%)、新規雇用者数=2.68万人(予想1.5万人 前回2.01万人)→ 改善にAUD買いが強まる
13:30 日本 12月の鉱工業生産・確報=前月比1.4%(予想1.4% 前回1.4%)、前年比0.8%(予想0.7% 前回0.7%)、設備稼働率=110.2(前回108.4)
16:00 独 第4四半期のGDP・速報値=前期比0.3%(予想0.3% 前回0.7%)、前年比1.6%(予想1.8% 前回2.4%)
18:30 スウェーデン 1月の失業率=6.4%(予想6.1% 前回5.6%)
19:00 ユーロ 第4四半期のGDP・速報値=前期比0.4%(予想0.3% 前回0.8%)、前年比2.3%(予想2.2% 前回2.7%)
19:00 スイス ZEW投資センチメント=-55.6(前回-32.7)
22:30 カナダ 12月の貿易収支=23.5億カナダドル(予想34億カナダドル 前回37.6←37億カナダドル)、輸出=367億カナダドル(379.1億カナダドル)、輸入=343.5億カナダドル(341.1←342.1億カナダドル
22:30 米 新規失業保険申請件数(2/10までの週)=34.8万件(予想34.7万件 前回35.7←35.6万件)
22:30 米 12月の貿易収支=-587.6億ドル(予想-615億ドル 前回-631.2億ドル)
米 全米リアルター協会第4四半期一戸建て中古住宅価格=前年同期比-5.8%
●昨日の主な発言その他
米国・カナダ
◎エバンズ・シカゴ連銀総裁=1月の経済政策は今後の緩やかな成長を促進し、経済活動をめぐるリスクを緩和する。3%の政策金利は比較的緩和的で強い成長を支援する。
◎バーナンキ米FRB議長(上院銀行委員会で証言 )=成長を支援し下振れリスクに対する保険提供のため必要に応じ行動する。政策はタイムラグがある、スタンスは中期見通しとリスクを踏まえ評価する必要。経済見通しはここ数カ月悪化、成長に対する下振れリスクは高まった。全般的な消費者物価の上昇は最近の水準から緩和へ、インフレ期待は抑制されている。住宅建設と関連部門は一段の鈍化の可能性、より軟調な労働市場が消費者を圧迫へ。住宅・雇用・クレジット状況は予想以上に悪化する可能性。インフレ期待は「適切に」うまく抑制されている。銀行のサブプライム損失、正確な把握は困難。米失業率は自然失業率に近い可能性。金融状況の大幅な悪化は一段の措置が必要。住宅・労働市場を今後数カ月注意深く監視。景気対策は第3四半期までに効果表れる可能性。米景気対策、第3四半期までに効果表す見通し。銀行破綻のいかなるリスクもみられない。サブプライム損失で投資銀行が一段と評価損計上する公算。FRBは次回経済見通し発表時に成長予想を引き下げる見込み。次回経済見通しは民間の予想とかなり整合的。
◎ポールソン米財務長官(上院銀行委員会の証言)=米経済は一段と減速でも引き続き成長へ、リスクは下向き。米経済は引き続き成長へ、07年の政府見通しの2.7%は下回る見込み。
欧州・英国
◎トリシェECB総裁=食品をはじめとするソフトコモディティへの価格圧力がリスクとなる可能性。
◎ゴンサレスパラモECB専務理事=物価安定へのリスクは明らかに上向きであると強調することが重要。
◎ウェーバー総裁独連銀総裁=ECB金利に対する現在の市場の見方、インフレリスクの正しい認識を反映せず。成長よりもインフレを一段と懸念。インフレの二次的影響の最初の徴候に行動することがさらに重要。
◎フーバーIGメタル委員長=ECBは利下げを実施するべき。
◎ECB2月の月例報告書(第1四半期の専門家予想を発表)=CPI(EU基準=2008年2.5%(前回2.0%)、GDP=1.8%(前回2.1%)、失業率=7.1%(前回6.7%)
◎クアデン・ベルギー中銀総裁=2008年のユーロ圏成長率の減速でインフレ見通しに影響の可能性。
日本・その他
◎津田広喜財務次官=GDPが実質で年率3.7%と高成長を示したことに関連し、先行きは世界経済や原油高などリスクを慎重に見る必要。
◎大田経済財務相担当相=景気回復基調が確認されたが、今後の下振れリスク高まっている。
◎シンガポールGDP前期比-4.8%となり、シンガポールドル下落。
◎樊綱人民銀行金融政策委員会委員=ドル相場の下落が続いていることで、人民元を均衡水準に一度に切り上げることが不可能になっている。人民元が急変動すれば、中国の金融システムにとって深刻なリスクになる。中国はインフレ抑制のため利上げが必要と主張。人民元は段階的に上昇させるべき。