2008年2月12日11日の海外為替市場
G7後のアジア市場では、注目のオーストラリア中銀の四半期金融政策報告書では、一段の利上げ必要になる可能性があると指摘、AUDUSDは0.8972→0.9056まで上昇したが、AUDJPYは円高の影響で横ばいとなった。G7で為替に関しての声明文の変更を米国は拒否、前回とほぼ文言となり、世界的な景気下振れリスクの高まりに、円買いが再燃した。
欧州市場では、ウェーバー独連銀総裁やユーロ圏通貨当局者のインフレを懸念する発言と利上げを示唆する発言に一時ユーロ高となったが、結局は先週終値と変わらず。金曜日にドイツ債の146億ユーロの償還が意識され、ユーロ円の売りが続き、ポンドは、サプライズな生産者物価指数(PPI)に、BOEの大幅な追加利下げの可能性が弱まり、ポンド買いが続いた。
米国市場は、、序盤は米生保がCDSがらみでWriteDownが拡大との思惑に株価が下落し、円+スイスフランの買い材料とされたが、株価上昇に転じ、ドルの資金調達金利が上昇しドル買いの材料とされ、ドル買い+円売りとなった。
●ドル円
アジア市場のドル円は107.35円で取引が始まり、早朝の107.66円を高値に、AUDJPYの買いにもかかわらず、G7で為替に関する文言の変更は無く、世界経済の下振れリスクを危惧した円買いに107.05円まで続落、東欧勢のGBPJPY売り+ファンド勢の売りに107.00円を割りむと、ストップロスの売りも加わり106.55円まで急落となった。欧州市場は106.59円で取引が始まり、米系銀行のEURJPYの売りなど円買いが続き、106.33円まで続落したが、英PPIを受けたGBPJPYの買いや、ヘッジファンド+オプション勢の買いに106.80円まで上昇した。短期投機筋の買い戻しに一時107.04円まで上昇したが、EURJPYの売りや、軟調な株価に再びドル売りが強まり、ロシア勢のGBPJPYの売りに106.43円まで下落した。オプションカットでの売り買い攻防が繰り返されたが、ロンドンフィキシングでは106.82円まで値を戻し、米国株が堅調に推移すると、徐々にドルの買い戻しが始まり、107.00円まで上昇、07:00時では106.95円で取引されている。
●ユーロドル
アジア市場のユーロドルは1.4516で取引が始まり、早朝の1.4505を安値に1.4547まで上昇、一時1.4520まで値を下げたが、ユーロ高是正の文言も無く、ユーロ買いが続き1.4574まで上昇した。欧州市場は1.4568で取引が始まり、東欧勢の売りに上値は重く、EURGBPの売りに1.4536まで下落、軟調な株価に買いも弱く1.4545~60のレンジで取引が続いた。ECBフィキシングのユーロ売りに1.4500を割り込み、オプションカットでは1.4492まで、ユーロ円の売り+ロンドンフィキシングでは1.4482まで続落となった。1.4500以下での政府系ファンドの買いが続き、1.45を挟み売り買いが交錯、欧州勢のポジション調整とユーロ円の買いに1.4530まで値を戻し、07:00時では1.4520で取引されている。
●ユーロ円
アジア市場のユーロ円は155.80円で取引が始まり、早朝に156.38円まで上昇、AUDJPYの買いにも156.30円以上の上値は重く、155.80~10円の狭いレンジで取引が続いたが、東欧勢のGBPJPY売り+ドル円の売りに155.24円まで値を下げた。欧州市場は155.29円で取引が始まり、154.86円まで続落となったが、GBPJPYの買いが入り155.50円まで値を戻し、155.20~50円のレンジで取引が続いた。一時155.55円まで上昇したが、実需筋+ECBフィキシングの売りと、軟調な株価に売りが強く、オプションカットに向けユーロ売りが加速、154.33円まで続落となった。ロンドンフィキシングでは154.85円まで値を戻し、米国株が堅調に推移し、ポジション調整の買いが強く155.42円まで値を戻し、07:00時では155.30円で取引されている。
●主な経済指標の結果
09.30 豪 12月の住宅ローン=0.1%(予想-1.0% 前回3.3←4.0%)
18:00 ノルウェー 1月の消費者物価(CPI)=前年比3.7%(予想3.8% 前回2.8%)、コアインフレ=1.9%(予想2.1% 前回1.8%、)
18:30 英 1月の生産者物価指数(PPI)=コア・産出指数(output)=前月比0.8%(予想0.3% 前回0.4%)、前年比3.2%(予想2.6% 前回2.6%)、PPI・投入指数(Input)=前月比2.6%(予想0.8% 前回1.4←0.5%)、前年比18.9%(予想14.6% 前回12.7←11.2%)、PPI・産出指数(output)=前月比1.0%(予想0.4% 前回0.4←0.5%)、前年比5.7%(予想5.1% 前回5.0%)
18:30 英 12月の貿易収支=-75.74億ポンド(予想-73.5億ポンド 前回-79.1←-73.8億ポンド) EU外=-40.85億ポンド(予想-44億ポンド 前回-44.05←-44.4億ポンド)
22:30 カナダ 12月の新築住宅価格指数=前月比0.1%(予想0.3% 前回0.5%)
英 12月の英政府発表住宅価格=前年比9.1%(前回9.7%)
●昨日の主な発言その他
米国・カナダ
◎AIGの監査法人デリバティブの報告は適切でなかったと指摘。
◎ストロスカーンIMF専務理事=米経済の減速は大規模で、しばらく続く可能性。新興国市場と先進国経済とのデカップリングは誤解を与える考え。デカップリングというのはとても奇妙で、誤解を招きやすい考えだ。金融と実体、先進国と新興国との関連性は以前よりもはるかに複雑なものとなっている。
◎チャベス・ベネズエラ大統領=ベネズエラ、エクソン訴訟めぐり米国への原油輸出を停止すると警告。
欧州・英国
◎セイエール欧州経営者団体会長=G7声明で為替に関する文言が前回と同じだったことについて失望。
◎アルムニア欧州委員会委員=各国金融・財政当局は為替についてG7声明のメッセージ聴くべき。米当局が改めて強いドルを支持したこと、およびアジアの当局が為替制度の柔軟性拡大の必要性を認識。
◎ユンケル・ユーログループ議長=G7声明で米国が文言の変更に同意せず。ユーロ圏経済に関しては、悪い時期にはない。市場で不合理な値動きがあった場合、各国が協調して策を講じることについて討議。 市場の危機はまだ終わっていない。調整は数週間もしくは数カ月長引く。ユーロ圏の成長率は1.8%になり、これは潜在成長率近辺だ。ユーロ圏は、米国のような金融および景気刺激策は必要ない。
◎ボネロ・マルタ中銀総裁=米経済低迷の影響でユーロ圏経済が減速していることを示す確かな証拠はない。
◎ボス・オランダ財務相=欧州経済は、現在の衝撃を和らげることが可能な良好な状態。
◎ウェーバー独連銀総裁=ECBの主な責務は物価安定。物価リスクに関してECB理事会がのんびりと構えている兆候はなく、様子見というのはのんびり構えているという印象を与えるが、現在のインフレ水準を踏まえると、それは適切ではない。 インフレ期待が物価安定の領域を越えて高まることを回避するため、ECBはできる限りのことをする、というのがわたしから市場へのメッセージた。
日本・その他
◎オーストラリア中銀四半期金融報告=金融政策声明では、一段の利上げ必要になる可能性がある。基調インフレ率見通しを3四半期連続で引き上げた。過去の利上げと世界経済の減速が景気を抑制する可能性があるが、金利が内需を鈍化させるほど高くないリスクがある。 現時点での見通しと、予想の不確実性を考慮し、インフレが当面、不都合なほどの高水準にとどまるリスクが相当あると判断。経済のリスクが下方に一段とシフトしない限り、引き締め方向の金融政策が必要になる見通し。 中銀は2008年6月までの1年間の基調インフレ率見通しを3.75%(前回3.25%)。中銀は基調インフレ率の目標レンジを2─3%としている。 2008年末までの基調インフレ率は3.5%で、その後は段階的に減速して2009年6月までに3.25%となり、2009年末時点の基調インフレ率は3.25%との見通。 2008年6月までの1年間のGDP伸び率は3.25%(前回3.75%)。 2009年6月までの1年買い3.0%(前回3.5%)。