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世界資源戦争 11 石油開発の歴史 アフリカ産油国をめぐる資源戦争の歴史

サハラ以南のアフリカ最大の産油国はOPEC加盟国のナイジェリアだ。2007年には日産300万バレルに達したと見られている。埋蔵量もリビアに次いで2番目だ。開発はナイジェリア国営石油会社(NNPC)が独占してきた。最大の出資企業はロイヤル・ダッチ・シェルで、エクソンモービルやシェブロンテキサコも進出していた。しかし2007年8月、ナイジェリア・ヤラドゥア大統領がNNPCの廃止を発表した。2008年2月までに同国石油部門を再編し、5つの新組織の設置することを決めたのだ。こうしてナイジェリア国内にも市場原理が持ち込まれたのである。


アフリカ第2位の原油生産量を誇るアルジェリアは、イタリアやドイツ、フランスなど西欧諸国へ輸出している。実は同国は天然ガスの世界第4位の輸出国でもある。現在、EU加盟国の消費の約12%を供給している。確認可採埋蔵量が最も多いリビアも西欧諸国に原油を輸出している。ENI(イタリア炭化水素公社)グループの石油会社アジップが逸早く進出し、開発してきた歴史があり、イタリアへの輸出が最も多い。


ナイジェリアに並ぶ産油国となると見られるアンゴラは1975年独立以来の長期にわたる内戦により経済は極度に疲弊した。しかし強みは、石油、ダイヤモンド等の鉱物資源に恵まれていることだ。2007年1月にはOPECに加盟した。


アルジェリアの隣国リビアもアフリカ最大級の産油国で、こちらもENI(イタリア炭化水素公社)グループの石油会社アジップをはじめ、イスラム社会主義革命前には米国オクシデンタル・ペトロリウムが油田開発に加わった。確認埋蔵量 391億バレルは世界第9位。2005年には「リビアにおける第2回新規石油鉱区」入札で日本企業5社が6鉱区を落札、2006年の第3回新規石油鉱区入札では、日本企業2社が2鉱区を落札した。


二つのコンゴ、コンゴ民主共和国(旧ザイール)、コンゴ共和国はともに地下資源が豊富な国だ。コンゴ民主共和国は、銅、コバルト、ダイヤモンドなどを産する世界トップクラスの鉱産資源国。にもかかわらず民族対立から生じた内戦が長引き、世界最貧国のひとつとなっている。一方のコンゴ共和国は産油国であり、天然ガス、カリ鉱石、鉛、亜鉛、ダイヤモンドなどの資源も存在するが、開発はあまり進んでいない。両国とも政局が安定すれば欧米や中ソなど大国が豊富な地下資源を求めて進出していくことだろう。


聞きなれない国名だが、アフリカ中央部にチャドという国がある。中国とは2006年8月、国交樹立した。チャドは1960年にフランスから独立。1997年8月から台湾と国交を交わし、中国との外交関係は断絶していた。


中国にとってチャドとの国交樹立は資源確保のためのアフリカ外交の一環であった。チャドの主な産業は綿花生産、牧畜だが、原油生産で同国南部には埋蔵量10億バレルの石油資源が存在するといわれる。2003年には、同国南部ドーバから隣国カメルーンのクリビ港に至る全長1070キロメートルの石油パイプラインが世界銀行の融資によって完成し、稼動を開始。日量10万バレルの石油の商業生産を開始しており、今後25年間にわたって年間20億ドルの石油収入が見込まれている。


アフリカに目をつけているのは中国だけではない。アメリカも産油国としてのアフリカに着目している。その理由は、まずアフリカの産油国がいずれも地理的に大西洋岸に面していて、米国に輸送するにはペルシャ湾岸やカスピ海の油田に比べてはるかに近く、かつ安全であることが挙げられる。第二に、いずれも若い油田であり、将来増産が見込まれることがある。アフリカ産の石油は今後10年間に、米国の全輸入量の25%に上ると予想されている。米国と中国という、世界の石油消費量の1位と2位がアフリカの天然資源を取り込もうとしているのである。