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ヨーロッパの財閥と企業グループ 46 欧州財閥の系譜  ロシア財閥 鉱山開発

『フォーブス』2007年版の「世界の億万長者」を見れば、国別ランキングでロシアのビリオネアが前年の33人から53人へと急増していることがわかります。ベスト50には、これまでこのコラムで紹介してきたロマン・アブラモビッチ(16位)、スレイマン・ケリモフ(35位)、ウラジミール・リシン(36位)、ウラジミール・ポターニン(38位)、ミハイル・プロホロフ(38位)、オレグ・デリパスカ(40位)、ミハイル・フリードマン(45位)、ワギト・アレクペロフ(48位)などが名を連ねています。彼ら新興財閥が現在のロシア経済を支えているといっても過言ではありません。


先週のコラムで紹介したナフタ・モスクバ投資グループ代表のスレイマン・ケイモフは、前年の72位(7,810億円)から35位(17,280億円)に急浮上し、要注目の人物といえます。ケイモフは、ロシア第2位の金鉱会社、ポリメタル社を管理しています。


同社はもともとインフラ整備がされていなかった、モンゴルのアスガト銀鉱山を開発するために「モンゴルロスツベトメト社」と折半して興した合弁会社です。ロシアの民間企業がモンゴルに進出していたことは、日本ではそれほど知られていませんが、すでにロシア企業が中国に進出していることを考えると、未開のモンゴルで資源開発に着手することは当然の結果でしょう。


さらに同社は昨年9月、世界第3位の金生産メーカーのアングロゴールド・アシャンティ社(南アフリカ共和国)と組んで、新たな鉱山の調査開発へ向け、ベンチャー企業を設立することに合意したと発表しました。

近年大規模な金山発見がない状況を打破すべく、新たな金山を求めて金生産メーカーが世界を探し回り、アングロゴールド・アシャンティ社はこの取り決めに合意したのです。


「我々はポリメタル社と、この戦略的協力関係を築けた事に大変喜んでおり、ロシア国内に意義ある金事業を築くという我々の目的達成を支援すべく、協働することを楽しみにしている」とアングロゴールド社会長は語りました。一方、銀の主要メーカーでもあるポリメタル社は声明の中で、「両社はシベリアやロシア極東で、金の探索と開発の共同事業を行う」と発表しました。ロシア企業も経済のグローバル化に歩調を合わせてきたようです。


この他の地域では、どちらの会社も金鉱開発を単独で行うことができるものの、相手側がその開発計画に参加しないことを選択しない限り、第三者を招けないという取り決めがなされています。「この共同事業が、我々の活動のフレームワークを拡大し、ロシアにおける大規模金鉱開発をスピードアップすることを、我々は強く信じている」とポリメタル社の会長は語っています。また、ポリメタル社は、2007年上半期にロンドン株式市場に上場するつもりだと発表しています。こういった会社を管理するナフタ・モスクバ投資グループとスレイマン・ケイモフの活躍から、しばらく目が離せないでしょう。


ロシアの金埋蔵量は、南アフリカに次ぐ世界第2位。成長が期待できる分野であることは確かです。ちなみにロシア最大の金鉱山会社はポリウス・ゴールドで、これはノリルスク・ニッケルからスピン・オフした企業です。


ロシアは2005年、IMFからの融資を完済しました。返済資金は、石油輸出税の余剰を積み立てる安定化基金から支出されたようです。これでソ連時代の主要な対外債務を解消しました。2006年度の経済成長率は6%台だと見込まれています。成長の原動力は、輸出入の増加です。輸出は燃料・エネルギー製品、輸入は機械、設備、輸送機器が牽引しました。特に原油価格の上昇によりエネルギー関連商品の輸出増加が目立っています。ロシア企業は、広大な土地に眠る資源を最大限に生かした産業分野でさらに飛躍すると予想されています。


By Master K/益田 慶