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FXライフ24 中東・アラブ諸国の通貨  アラブ首長国連邦とモロッコ

アラビア半島の南東部に位置するアラブ首長国連邦(UAE)は1971年にイギリスから独立して誕生した。名前のごとく7つの首長国により構成される連邦国家である。各首長国は世襲制の絶対君主制に基づき統治されている。通貨はUAEディルハム(AED)。ディルハムはアラビア語で、ササン朝ペルシア(226~651年)で鋳造されたディレム銀貨に由来する。UAEディルハムは米ドルとのペッグ制をとっている。


最も大きな首長国はアブダビ。続いて近年、観光地としても名高いドバイがある。ほかにシャールジャ、アジュマーン、ウイン・アル=カイワイン、フジャイラ、ラアス・アル=ハイムがある。連邦予算の8割をアブダビ、2割をドバイが負担している。残る5首長国は石油・鉱物資源を持たず、連邦政府の補助に依存している。GDPに占める各首長国の割合は、アブダビ60%、ドバイ26%、その他14%である。

アラブ首長国連邦はペルシャ湾とオマール湾に面しており、原油輸送の戦略的立地にある。GDPの約40%が石油と天然ガスで占められており、その最大の輸出先が日本、続いて韓国、イランとなっている。石油価格の上昇により、2006年の実質GDPは10.2%。経常収支黒字はGDPの28.0%。海外からの輸入は24%増。直接投資は110億ドル規模。物価上昇率は3%。これからの数値からわかるようにアラブ首長国連邦は近年高度経済成長を続けており、一人当たりの国民所得は世界のトップクラスである。


しかし、石油がいずれ枯渇することを想定しているのだろう、アブダビやドバイは豊富な石油収入を背景に活発な対外投資を行い、金融と流通、観光の一大拠点を目指している。「脱石油依存経済」の構築だ。資産管理、イスラム金融、証券、保険、再保険などのオフショア・センターを目指す「ドバイ金融センター」(DIFC)がその戦略的支柱だ。ドバイ市郊外のフリーゾーン内に外国資本100%の金融機関設立を認め、外国企業には税金面や融資面での優遇制度を設れているため多くの海外企業が進出、物流拠点になりつつある。金融面では2000年、ドバイとアブダビに証券市場が開設された。また、人工島群などリゾート施設が相次いで誕生し、世界中から観光客を引き寄せることに成功している。


余談だが、アラブ首長国連邦の国民の8割は外国籍で、アラブ人は少数派になる。石油収入で潤うUAEに出稼ぎにやってきた外国人が人口のほとんどを占めるのだ。アラブ諸国といっても外国人のほうが多い国も存在するのである。


通貨単位のディルハムはアフリカ大陸の北西端のモロッコ王国でも使われている。モロッコ・ディルハム(MAD)だ。アラブ人65%、ベルベル人30%という民族構成で、宗教はイスラム教スンニ派がほとんどを占め、憲法上はアラビア語が公用語だが、フランス語も使われている。それはかつてフランスの植民地であったことを物語っている。さらにジブラルタル海峡をはさんで向かい合うスペインとも深い歴史があり、モロッコの南西に分布するカナリア諸島、地中海沿岸のセウタとメリリャはスペインの海外領土である。


モロッコは産油国ではないが、鉱物資源に恵まれ、アフリカ大陸の諸国の中では最も豊かな国である。リン鉱石(採掘量世界第2位)、鉛鉱石(同7位)、コバルト鉱(同8位)が有力で、銅、亜鉛、金、銀なども採掘されている。農業では世界生産量第6位のオリーブの栽培が著名で、大西洋岸が魚場として豊かなこともあって漁業も盛んだ。実はモロッコ産のタコのほとんどが日本に輸出されている。タコを好んで食べる日本人の食卓に現在ではモロッコ産のタコが食卓にのぼっているということだ。8つの世界遺産を有することから観光収入も大きい。


モロッコの貿易相手国は、輸入・輸出ともフランス、スペイン、イギリスがベスト3を占めるように、西ヨーロッパとの関係が強い。2006年実質GDPは8%と好調だが、失業率は9.7%と高い数値を示している。若年層を中心とした高失業率問題、社会層間・地域間の貧富格差、低い識字率等が社会問題となっている。