2008年1月12日 11日の海外為替市場

企業買収や企業業績に関するニュースに相場が動き、クレジットリスクや金融機関の業績悪化の思惑が広まり、世界的な株安が続き、結果として円が上昇。

バンカメがカントリーワイドを40億ドルで買収との報道も前日の予想より低く失望、JPモルガンはWashington Mutualを買収する。アメックスは景気後退を予想し資産償却に動き、メルリリンチは来週150億ドルの評価損を計上する。

サブプライム問題が続き、金価格=一時900.1ドルまで上昇、原油価格=一時92.45ドルまで下落。NYダウ=-246.79ドル。カナダドル=雇用統計の悪化にカナダドル安(USDCAD=1.0091→1.0220まで急伸)、AUDCAD=0.9019→0.9133まで急伸、カナダドル売りをリード。独、英の経済指標は弱く、ユーロは横ばい+ポンドは下落。

●ドル円
アジア市場のドル円は109.33円で取引が始まり、仲値に向けた実需筋+資本筋の買い109.72円まで上昇したが、NYタイムズ「米メリルリンチが来週150億ドルの評価損を計上する見込み」との報道を契機に、109.45円まで下落、ロシア勢の激しいポンド円の売りに(GBPJPY=214.17→212.01円まで急落、GBPCHF=2.1630→2.1423まで急落)、ドル円は109.20円→108.80円→108.60円の大口ストップロスを誘発・トライしながら、108.63円まで急落した。欧州市場は108.92円で取引が始まり、108.80円以下の本邦企業の買いを試しながら、利食いの買い戻しに一時109.23円まで値を戻し、109.10~20円では大口のドル売オーダーが並び上値は重く、108.60円以下のストップロスのトライを続けながら、108.75~10円の狭いレンジで売り買いの攻防が続いた。米国市場に入っても、弱い米国株に、円とスイスを買う動きが続き、01:00時のロンドンフィキシングでは109.15~20円まで上昇したが、ドル売りオーダーは厚く、結局は108.75~15円のレンジを抜け出すことはできず、108.84円で取引を終了した。

●ユーロドル
アジア市場のユーロドルは1.4802で取引が始まり、1.4786を安値に1.4816まで上昇したが、ロシア筋の激しいポンド売りの影響(GBPUSD=1.9615→1.9503→欧州市場1.9484安値)に、1.4776まで下落した。欧州市場は1.4800で取引が始まり、独WPIや英鉱工業生産・製造業生産高が予想を大幅に下回り、1.4762~1.4815のレンジで激しい売り買いの攻防が続いた。UBSが「サブプライム関連のポジションがもたらす、最終的な損益の打撃は予想できない」との株主向けのレターを流し、売り買いが混在したが、弱い米国株を材料に、1月4日の高値1.4825を試す買いと、1.4800~20の売りに挟まれて、1.4770~05の狭いレンジで取引が続いた。欧州市場が取引を終了した薄商いの中で、一時1.4819まで上昇したが後続は無く、1.4772まで値を下げ、1.4776で取引を終了した。

●ユーロ円
アジア市場のユーロ円は161.91円で取引が始まり、仲値での買い需要に162.30円まで上昇したが、本邦輸出筋+米系証券の売り+ドル円売りに、上値は重く上げ渋り161.62円まで下落、本邦勢の買いに下げ止まり、161.60~85円の揉み合いから、ポンド円の大口売りに160.70円まで急落となった。欧州市場は161.22円で取引が始まり、本邦勢+ファンド勢の買いに161.50円まで値を戻したが、来週の米金融機関の決算発表を危惧した売りや、株安=円買いの流れに上値は重く、160.67円まで続落となった。米国市場に入っても、弱い米株にポジション調整の円売りも続かず、一時161.55円まで値を戻したが、引けにかけては160.67円まで再び下落、160.80円で取引を終了した。

●主な経済指標の結果
08:50 日本 12月マネーサプライM2+CD=前年比2.1%(予想2.0% 前回2.0%)
14:00 日本 12月の景気ウォッチャー調査=現況判断DI=36.6(前回38.8)、 先行き判断DI=37.0(前回38.8)
16:00 独 12月の卸売物価指数(WPI)=前月比-0.5%(予想0.3% 前回1.0%)、 前年比5.1%(予想5.9% 前回5.7%)
18:30 英 11月の鉱工業生産=前月比-0.1%(予想0.1% 前回0.5←0.4%)、 前年比0.4%(予想0.5% 前回1.0%)→ 予想を下回りポンド売りとなる
18:30 英 11月の製造業生産高=前月比-0.1%(予想0.1% 前回0.3%)、 前年比0.1%(予想0.3% 前回0.3%)
21:00 カナダ 12月の失業率=5.9%(予想5.9% 前回5.90%)、雇用ネット変化=-1.87万人(予想1.5万件 前回4.26万件)→ 予想を下回りカナダドル売りとなる
22:30 カナダ 11月の貿易統計=37億カナダドル(予想33億カナダドル 前回31.3←33.2億カナダドル)、輸出=379.1億カナダドル(前回367.8←373.6億カナダドル)、輸入=342.1億カナダドル(前回336.5←340.5億カナダドル)
22:30 米 11月の貿易収支=-631.2億ドル(予想-591億ドル 前回-577.7←-578.2億ドル)
22:30 米 12月の輸入物価指数=前月比0.0%(予想0.2% 前回3.3←2.7%)、 輸出物価指数=0.4(予想0.4% 前回0.9%)
04:00 米 12月の月次財政収支=482.6億ドル(予想500億ドル 前回419.6億ドル)

●昨日の主な発言その他
米国・カナダ
◎ホーニング・カンザスシティ連銀総裁=米経済は減速したが2008年の見通しはそれほど悪くない。インフレ圧力は高まっている。
◎FRB外国中銀の米財務省証券・政府機関際保有高=前週比-54億ドルの2.0580兆ドル。
◎ムーディーズ=FRBの追加利下げによりリセッションか回避される可能性。
◎カナダ財務省高官=カナダの2008年経済成長率を下方修正する見通し。米住宅市場の低迷はカナダドル高、海外との競争激化が背景。
◎NYタイムズ・メリルリンチ=来週150億ドルの評価損を計上する見込み。
◎バンカメ、カントリーワイドを40億ドルで買収へ
◎ミシュキンFRB理事=金融市場の混乱は経済成長見通しに対するかなりの下向きリスク。一段のひっ迫に繋がる可能性。今後も断固とした行動をとる。
◎ローゼングレン・ボストン連銀総裁=米住宅価格は一段と下落し、住宅低迷により景気減速が加速刷るかの可能性がある。
◎プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁=最大の懸念は、住宅・株式市場の資産価値が低下し個人消費が減速する可能性。追加利下げの可能性はオープン。

欧州・英国
◎UBS株主向けのレターで=サブプライム関連のポジションがもたらす最終的な損益の打撃は予想できない。B1079
◎ウェーバー独連銀総裁(TVインタビュー)=ドイツの利セッション入りを懸念する材料はない。 2008年の成長は2%をやや下回る見込み。 減速が予想以上に急激になるリスクは存在。賃金上昇によるインフレリスク高まる。

日本・その他
◎福井日銀総裁=上下両方向のリスクバランスをどう対応するかという局面に入りつつある。スタグフレーションに陥る前に安定軌道維持の整備を丹念にやる。米景気は目先低成長し、その後は安定成長に向け軟着陸する可能性が高い。
◎損保ジャパン=サブプライム含むCDOで清算の可能性が生じ340億円の支払準備金を計上した。
◎トルコ戦闘機がイラク北部を爆撃
◎OECD景気先行指標=G7各国は98.9(前回99.5) 日本95.3(95.0)、OECD加盟国99.0(前回99.5)