2008年 1月11日 本日の為替戦略

ご存知の通り、景気鈍化にウェートが高く金利引き下げる可能性のある通貨が弱く、インフレ懸念にウェートが高く金利引き下げの可能性がある通貨は強い。

バーナンキFRB議長やトルシェECB総裁の発言は、予想通りとも言えなくも無いが、両通貨当局者のトップから、米経済成長の鈍化とインフレ圧力が危惧されては、ドルを買う材料を探すのは至難の業である。米国では、1月30日のFOMCでは0.5%の利下げ予想が高く、ユーロでは、今後の選択肢は据置きか、利下げの二者択一となった。

武藤日銀副総裁も米経済成長の鈍化を予想し、「経済が拡大維持なら緩和的金利水準を徐々に調整」と利上げ期待を残しているが、日本を含め主要国の経済成長は鈍化の道をたどることはほぼ間違いなく、日銀の政策金利変更を期待しようが無い状態となっている。

メリルリンチのエコノミストは、米経済の鈍化にカナダ経済も急速に減速し、今年は1.25%の金利引き下げを予想している。この予想が的確であると想定すれば、クロスの通貨を選択したカナダ売りが見込まれるのだが・・・・・。予想通りになるかは不明ながら、最近の海外からのレポートはカナダドル安が多い。

昨今は、トルシェECB総裁も言っている通り、何処の国でも政策担当者は、「米経済の減速は、新興市場国経済の力強さで緩和される」と言っている。判りきったことかも知れないが、これは、ドル売り=新興市場国通貨の買いを示唆し、これを否定するのは非常に難しい。後は好き・嫌いの次元。

本日は金曜日、調整も強まる可能性が高いが、特に重要な経済指標も見当たらない。

●ドル円
ドル円は、本邦輸出企業はできあがり110円の売り意欲は強い。110.00~55円のドル売りが強いことが予想される。これを超えても実需筋の売りが続くと思われるが、投機的な買いが強まることが予想される。1月30日のFOMCの利下げ幅や有無を確認するまでは、110円台からのドル買いは難しいと思われ、来週の米金融機関の第4四半期決算のリスクを考えると、上値トライが失敗したとも言える。

ドル円の4時間チャートは、110台に一時上昇したが、引き続きフラックフォーメーションが続き、やや下値を抜けているようにも思える。上値のポイントは、110.07~14円、110.55円、111.71~90円、112.18円。下値のポイントは109.12~19円、108.87円、108.07円、107.90円。RSIは58で上昇ラインが続き、これを割り込んだら売りに変化するので注意したい。トレンドモメンタムは買いを継続。サインは買いを示しているが、108.87円を割り込んだら売りに変化。トータルの判断は、108.87円~110.55円のレンジか、抜け出した方向に付く。売りに変化するリスクに注意。

●ユーロドル
ユーロドルは、トルシェECB総裁から討議の選択は二つで、据置きか利上げとの発言に、やや驚きではあるが、次回の利上げ観測まで流れ、上値を試す好機となっている。EURGBPやEURCADなど、金利据え置きや下げ方向にある通貨を売り、ユーロを買う勢いが強まる可能性が高い。EURGBPは最高値を更新し高値恐怖症があるが、逆にポンドドルの買いも選択肢。

ユーロドルの4時間チャートは、1.46~1.4850のレンジが続いている。上値のポイントは1.4824、1.4837、1.4897、1.4946、1.5004。下値のポイントは、1.4766、1.4747、1.4706、1.4634~40。RSIは56で下降ラインが終了し、上昇ラインが開始した可能性がでている。トレンドモメンタムは売りだが、買いに転換する可能性が高くなっている。トータルの判断は、買い。1.4824~37超えで確認できる。

●ポンド円
ポンド円は、BOEの金利据え置きでもポンド買いは鈍く、円以外のクロスではポンド売りが続いている。ポンドドルが1.9535~50を割り込んだら続落の可能性が出てくるが、どうも、ポンド売り圧力も弱まっている。クロスの円は強弱混在で、ポンド独自の要因を待ちたいが、今日は金曜日、特に英国関係の経済指標も無く・・・材料難で調整による買いを期待したい。

ポンド円の4時間チャートは、213円~218円のレンジをまたしても継続している。上値のポイントは215.52円、216.80円、217.31円、217.94円。下値のポイントは、213.57円、213.46円、213.27円、211.61円。RSIは51と上昇ラインが続き、これを割り込んだら売りに変化しやすくなる。トレンドモメンタムは買いを継続。トータルの判断は、引き続きレンジ相場の色合いが強く、次の一手を決め打ちできないが、期待感はレンジ相場離脱で、216.80円を超えたら買いが確認。

●本日の経済指標・その他
08:50 日本 12月マネーサプライM2+CD=前年比予想2.0% 前回2.0%
14:00 日本 12月の景気ウォッチャー調査=現況判断DI=予想 前回38.8、先行き判断DI=予想 前回38.8
16:00 独 12月の卸売物価指数(WPI)=前月比予想0.3% 前回1.0%、前年比予想5.9% 前回5.7%
18:30 英 11月の鉱工業生産=前月比予想0.1% 前回0.4%、前年比予想0.5% 前回1.0%
18:30 英 11月の製造業生産高=前月比予想0.1% 前回0.3%、前年比予想0.3% 前回0.3%
21:00 カナダ 12月の失業率=予想5.9% 前回5.90%、雇用ネット変化=予想1.5万件 前回4.26万件
22:30 カナダ 11月の貿易統計=予想33億カナダドル 前回33.2億カナダドル、輸出=予想 前回373.6億カナダドル、輸入=予想 前回340.5億カナダドル
22:30 米 11月の貿易収支=予想-591億ドル 前回-578.2億ドル
22:30 米 12月の輸入物価指数=予想前月比0.2% 前回2.7%、輸出物価指数=予想0.4% 前回0.9%
04:00 米 12月の月次財政収支=予想500億ドル 前回-419.6億ドル
ミシュキンFRB理事の講演会「金融政策の柔軟性、リスク管理、及び、金融混乱」
ローゼングレイン・ボストン連銀総裁の講演会「経済展望会議」