2008年1月1日 元旦
元旦(東京市場休場)
ウェリントン、シドニー、香港、シンガポール、パリ、チューリッヒ、フランクフルト、ロンドン、トロント、米国休場(ニューイヤーズデー)
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元旦(東京市場休場)
ウェリントン、シドニー、香港、シンガポール、パリ、チューリッヒ、フランクフルト、ロンドン、トロント、米国休場(ニューイヤーズデー)
安藤信正が老中を務めた1860~1862年は、小栗上野介が歴史の表舞台に登場した時期と重なります。1860年に上野介は外国奉行に抜擢されます。しかし、上野介はアメリカ公使通訳ヒュースケン殺害事件の後始末に加え、ロシア艦隊の対馬国不法占拠に対する交渉役を務めるなど難題を抱えることになります。
時代は大きな転機にさしかかっていました。そして当時の幕府の人事は、門閥や年功序列によって行われていた結果、前線指揮官であるべき地位に老人が多く、世代交代が求められていました。安藤が老中在職中の文久元(1861)年、まず御旗奉行、槍奉行、持ち頭及び先手という軍事上の重職に「極老の者」、つまり老人を任命しないことが決まります。これは軍事面の改革の第一弾で、続いて積極的な軍制改革が行われました。幕府の軍事面での中核組織として、「海陸御備え並びに軍制取調御用」という委員会を発足させ、軍制改革構想を検討させたのです。この委員会に、勘定奉行、講武所奉行、軍艦奉行及び大小目付という実力派を委員としたという点は「国益主法掛」と共通しています。この委員会に上野介と勝海舟という、後世に名を残す実力者が参加します。
この軍制改革案は、軍制を完全に洋式のものに切り替えるという壮大かつ抜本的なものでした。陸軍については、歩兵、騎兵、砲兵の三兵計1万3625人の常備軍を設立しようと計画します。海軍については、江戸及び大阪防衛のため2艦隊(艦船43隻、乗組員4904人)を作り、将来的には日本の沿岸全体を防衛するため、6艦隊(艦船370隻、乗組員6万1205人)を編成しようというものです。財政的にどこまで可能かはともかく、艦隊ごとに艦種を想定し、各艦ごとの水兵の端数までも計算するという点で、精密な立案でもあったようです。
しかし、「桜田門下の変」で安藤が失脚したので、安藤はその具体的な実施にまで着手する時間的余裕がありませんでした。安藤失脚後の1962年6月に初の勘定奉行勝手方に命じられた上野介が、後に横須賀製鉄所の建設に着手することになるわけです。
安藤失脚後に政権を担当したのは、一橋慶喜(将軍後見職)と松平慶永(政事総裁職)です。政事総裁職とは、幕末に新設された将軍後見職、京都守護職と並ぶ三要職のひとつです。
このように新たな役職が誕生した背景には紆余曲折があります。1862年に朝廷と薩摩藩は、越前福井藩主松平慶永を大老職に、一橋慶喜を将軍後見職に就任するよう求めました。将軍後見職とは、若年の将軍徳川家茂を補佐する役です。徳川家茂は御三家のひとつ紀州藩藩主。一方の一橋慶喜は水戸藩主の七男で、同じく御三家のひとつ一橋家を相続し、早くから将軍になることを待望されていました。
かつて14代将軍の後継者問題が浮上した際に、紀州徳川家の家茂を推す南紀派と慶喜を推す一橋派が対立し、南紀派の井伊直弼が大老に就任後、井伊の断行で家茂が14代将軍に決定したという因縁があります。井伊が反対派を強硬に処罰した「安政の大獄」で一橋派の多くの者が登城停止、謹慎処分を受けたので慶喜と松平が要職に就いたのは「一橋派の復讐」という面もあったのでしょう。朝廷や一橋派と争いを避けたい幕府は、新たに役職を新設せざるを得なくなり、こうして一橋慶喜と松平慶永による「文久の幕政改革」が進められたのです。
松平は当初攘夷派でしたが、後に積極開国論に転じ、開明派の藩主として知られた人物です。将軍継嗣問題で一橋慶喜を推し、井伊直弼政権下の「安政の大獄」で謹慎処分を受けていたので、松平は政権が変わったことで復活を果たしたわけです。彼は公武合体派として幕府と朝廷の間の調整役を務めます。
では、続いて「文久の改革」の中身を見てみましょう。最も重要なことは、それまで国政を全面委任されていた幕府に対し、朝廷から改革が指示され、その大部分を受け入れざるを得なくなった点にあります。
By Master K/益田 慶
ロシアは原油埋蔵量において世界7位、生産においてサウジアラビア、アメリカに次ぐ第3位です。天然ガスの埋蔵量は世界1位、産出では世界2位です。このデータを見る限り、ロシアはエネルギー輸出に依存する国と言えるでしょう。
『フォーブス』が発表した2006年度版の「世界の億万長者」で第37位にランクインし、ロマン・アブラモビッチに続いてロシア第2位となったのが、ロシア石油会社最大手「ルクオイル」の代表を務めるワギト・アレクペロフです。彼の資産は110億ドルと発表されました。
「ルクオイル」は、1991年に旧ソ連時代の三つの石油採掘企業が統合され、国家コンツェルンとして発足した企業です。1995年に西シベリア、ボルゴグラード、ペルミなどの精油所、石油化学工場を保有し、さらにアストラハン石油などをグループに加えました。アメリカのアトランチック・リッチフィールド(ARCO)は、ルクオイルの戦略的パートナーで、同社の株式を保有しています。
ルクオイル社の動向に注目したいのは、ロシアのイラク戦争への関与の仕方とイラクの石油利権に深くかかわっているからです。一国の政治・経済だけを見ていては国際情勢を把握することはできません。
ルクオイルはサダム・フセイン時代の1997年、西クルナ油田の開発・生産契約を獲得しました。バスラ西方の北部ルメイラに位置する西クルナ油田の埋蔵量は、110億バレルから150億バレルと推計されています。ルクオイル社の西クルナ油田開発権(出資比率68%、予想投資額60億ドル)には、イラクの原油輸出と人道物資購入契約が含まれていました。これはプーチン大統領の意向が色濃く反映されていたと想像できます。つまり、ロシアは中東とつきあっていきうえで、イラクに大きな影響力を確保したいということです。
しかし、イラク政府は2002年12月、ルクオイルが「契約後の当初3ヶ月で最低2億ドルを油田に投資する」との約束を履行しなかったとして、契約を一方的に破棄します。当時のタリク・アジズ副首相は、2002年12月、「ルクオイルはワシントンに行き、フセイン政権転覆後の契約履行の保証を求めた」「こうした行為は受け入れられない」と語り、フセイン政権がルクオイルとの契約を破棄した舞台裏を解説しました。
イラクの確認石油埋蔵量は1,150億バレル(2004年末:BP統計)で、これは世界第3位の量です。ロシアは2002年、イラクに対し総額400億ドルに及ぶ協力プログラムの提供を申し出た背景には、イラクの油田開発を他国、特にアメリカ企業に渡さないための戦略があったようです。皮肉なことに、プログラムの提供の申し出は、アメリカを中心とした連合国がイラクに侵攻する1年前のことでした。
その後、イラクが保有するとされる大量破壊兵器の査察という国連決議を支持したロシアに対して、イラクは復讐します。前述したように2002年、西クルナ地区におけるルクオイル社との契約を破棄したのです。こうしてルクオイルは西クルナの油田開発の権利を失います。
現在ルクオイルは、イラクでの新政府の形成が喪失した西クルナ油田の権益を取り戻す機会になると受け止めているようです。ルクオイル・オーバーシーズのアンドレイ・クズヤエフ社長は2006年2月、ロンドンで「我が社は、2006年にイラクに新政府が成立することで、西クルナ油田を取り戻す交渉が再開されることになるのを願っている」と述べ、喪失した油田の権益の回復に希望を託していることを明言しました。
ロシア・プーチン政権にとってもイラクにおける油田開発の権利は、ぜひ手に入れたいもの。ロシア第2位の資産を誇る「ルクオイル」社長ワギト・アレクペロフの動向は、次週でもお届けします。
By Master K/益田 慶
東京市場休場
ウェリントン休場(ニューイヤーズデー)
シンガポール休場(ハリ・ラヤ・ハジ)
チューリッヒ休場(ニューイヤーズデー)
未 定 (独) 11月小売売上高指数
24:00 (米) 12月ISM製造業景況指数
24:00 (米) 11月建設支出
1862年に行われた「文久の改革」の中身を説明する前に、当時の諸藩の基本となる考え方を政治思想面から分類しておきます。諸藩には次の二つの派閥があったと考えるとわかりやすいでしょう。ひとつは薩摩藩に代表される公武合体派、もうひとつは長州藩に代表される尊皇攘夷派です。
開国を主張した薩摩藩と、外国人を排除して平和を保つ攘夷を訴えた長州藩は相容れない方向性ですが、この二つの流れが後に「討幕」に向かって手を結ぶことになるのです。
ここに公武合体派の急先鋒、薩摩藩藩主の父、島津久光が登場します。外様大名の父で、薩摩藩の実質的リーダーとはいえ、幕府には何の影響力も持たない人物です。現在でいえば知事の父といった位置でしょうか。
その久光が公武合体の立場から幕政改革の必要性を朝廷に説明し、同意を得ます。天皇の使いである勅使を江戸に派遣してもらい、それを警備するという名目で自身も兵を率いて江戸へ入り、幕政改革を迫ったことが「文久の改革」の発端です。久光は幕府と交渉し、徳川慶喜の将軍後見識、越前藩前藩主・松平慶永の政事総裁職就任を実現させます。
久光が朝廷の意向を踏まえて行動したとはいえ、これまで政治的な実権を持っていなかった朝廷の圧力によって改革を余儀なくされたことは、幕府の政治力が弱まっていることを証明しています。
改革で実行されたのは人事ばかりでなく、制度も改められました。それまで隔年交代制であった大名の参勤交代を3年に一度に変更、江戸在留期間も100日に改めました。また人質として江戸に置かれていた大名の妻子は帰国を許可されました。国政が混乱している最中なので、外交・貿易面での特筆すべき改革は見当たりませんが、軍事面では西洋式兵制(三兵戦術)の導入、石高に応じて旗本から農兵や金を徴収する「兵賦令」の発布などが挙げられます。
着目すべき点は参勤交代の期間を変更したことでしょう。地方の外様大名にとって参勤交代にかかるコストは莫大です。地方財政が困窮している際に大勢の家来を連れて江戸を往復するくらいなら、地方自治に資金を使いたいと考えるのが外様大名の本音でしょう。
さて、時間は1年前にさかのぼります。1861年、まだ安藤信正が老中として実権を握っていた頃の幕府は、遣欧使節の派遣を決定しています。これは英国の初代駐日大使オールコックの進言が採用されたものです。ちょうどロンドンで1862年5月から国際大博覧会(ロンドン万博)が開催されることになっていました。それにあわせて日本代表がイギリスに行けば、欧州の文明を一度に見ることができます。またそこで日本の優れた工芸品を展示することにすれば、日本からの輸出促進にもつながるとオールコックは考えたわけです。
一方、幕府がオールコックの進言を採用したのは、輸出促進ではなく、1858年の通商条約により、幕府は1863年より江戸と大坂の開市、兵庫と新潟の開港を約束しましたが、その開市開港の5年間の延長を懇願することと、和宮降嫁を実現する際に、10年以内に再び鎖国体制に戻すということを朝廷に公約したので、そのための了解を遣欧使節の派遣によって本国政府から取り付けようというわけです。
1861年(文久元年)12月22日、遣欧使節団は出発しました。幕府内部には、この時期の出発をいたずらに攘夷論者を刺激するものとして難色を示すものがありました。しかし安藤信正はこれを断行しました。この決断が、この翌年早々に起きる「坂下門外の変」の原因のひとつとなります。
一行は、正使、副使、観察使の3名に、通訳その他36名の部下を従えて英国軍艦オーディン号で出発しました。遣米使節団は総勢80名でしたから、それに比べると半分以下の規模です。これは幕府財政が苦しい折から、渡航費用を全面的に招待者側に依存したので、英国政府から人数の削減を求められたためです。招待費用を中心となって負担をしたのは英国ですが、そのほか、フランス、オランダ、ロシアなど、幕府と条約を締結していた国が分担しました。したがって、使節はこれらすべての国を歴訪することになったわけです。
By Master K/益田 慶
2008年(平成20年)の幕開けは、大晦日の円急騰の流れを受けることは間違いないが、円の急騰の材料や原因は何だったのであろう?
大手投機筋は2008年が円高と予想して走りだしたのだろうか? 巷では米中古住宅販売件数が予想より強かったことを材料に取り上げ、NYダウは-101.05ドル安で終わり、株安=円高とも考えられるが、主要通貨ではドル高の流れに、どう考えても理屈に合わない値動きで2007年は終了している。素直に考えれば、主要国通貨高が最後に調整され、年末・年始のパーキング資金や、本邦投資家の円ロングポジションを切らしに入っただけなのだろう・・・・が、ドル円が111.30円まで下落すると思っていた人も、極少なかったことも確かである。
1月2日(水曜日)は、海外市場が勢ぞろいとなり取引が開始されるが、日本は正月休みで休場となる。年始の相場は、年末の動きをフォローし、投機筋がポジションを積み上げれば、逆に進む傾向が強い。この流れに飛びついて、直ぐに撤退するか、為替相場のことは忘れ正月を楽しむか・・・中途半端な参加だけは避けたい。
本日のメインイベントは、米FOMC議事録の発表で、それ以外では米ISM製造業景況指数には注意が必要。
●ドル円
ドル円は、3日までは正月休みで日本の企業や金融機関はほとんど参加できず、本邦勢や実需筋不在の円高に、戸惑いの色は隠せない。通常の相場では、このような円高時には、本邦資本筋や個人投資家の円売りがドル円の買い要因となるのだが、今回は本邦勢が不在で、海外投機筋が主役の相場になりやすく、①ドル円買い戻し→後に急落、②ドル円続落と、二通りの可能性がでてくる。
ドル円の4時間チャートは、上昇トレンドを割り込んでからは、続落から、112.60円を割り込み急落となった。上値のポイントは、111.89円、112.25円、112.59円、112.78~82円、113.38~58円。下値のポイントは、111.23~30円、110.46円、109.79円。RSIは25で下降ラインが続き、トレンドのある下落基調になるのか、これを上回り買いに反転するのか見極めたい。トレンドモメンタムは売りを継続。トータルの判断は、112.78~82円を超えるまでは、戻り売り。
●ユーロドル
ユーロドルは、12月10日~13日まで続いた高値を上抜けできず、1.4743を高値に1.4569まで下落し、激しいユーロ円の売りや、ユーロクロスの売りに振り出しに戻った形となった。1.4567は本当のスタートで、テクニカルポイントにも当り、この水準を上回り取引が続くのか、下回り取引が続くのかを見極めてから参加するのも一案。
ユーロドルの4時間チャートは、1.4476~1.4450のレンジに入り、弱い上昇ラインを維持している。上値のポイントは、1.4635、1.4678、1.4646、1.4723~48。下値のポイントは、1.4567、1.4476~89、1.4309~29。RSIは65と上昇ラインを割り込み、売りに変わっている。トレンドモメンタムは買いを継続している。トータルの判断は、1.4476~1.4750のレンジ。1.4567は重要なポイントで、1.4567→1.4476、1.4567→1.4746の方向を狙いたい。
●ポンド円
ポンド円は、ポンドドルが2.0100まで上昇、再び復活かと思われたが、結局は1.9815まで値を戻し、レンジ相場に戻っているが、長期ではポンドドルは上昇ラインを継続している。ポンドは短期的に金利再引き下げの思惑に、売られやすい環境にあるが、221円は最近のレンジ下限にも当り、この水準から続落するのかを判断し、次の流れを決めたいが、8月17日の219.29円を割り込んだら、ちょっと底値が見えなくなる。
ポンド円の4時間チャートは、223.50円~230.50円のレンジの下限を割り込み、11月23日の下限近くまで値を下げている。上値のポイントは、222.45円、223.38円、223.62円、224.24円、224.89円。下値のポイントは、221.31円、220.94円、219.29円、217.94円、217.54円。RSIは32で下降ラインが上抜けしたが、トレンドの有る下落が続くのか判断をするところ。トレンドモメンタムは売りを継続。トータルの判断は、目先は221~225円のレンジと思われるが、225円を上抜けするまでは、戻り売り。
●本日の経済指標・その他
東京市場・一部の海外市場は休場(正月)
17:55 独 12月の製造業PMI=予想53.2 前回53.7
18:00 ユーロ 12月の製造業PMI=予想52.5 前回52.8
18:30 英 12月の製造業PMI=予想53.6 前回54.4
22:55 米 レットブック=前月比予想 前回-0.7%、 前年比予想 前回1.2%
00:00 米 12月のISM製造業景況指数=予想50.4 前回50.8、 支払価格=予想 前回67.5
00:00 米 11月の建設支出=前月比予想-0.4% 前回-0.8%
04:00 米 FOMC議事録の発表(12月11日分)
1980年に勃発した「イラン・イラク戦争」は産油国の中東地域の不安定さを示す材料となった。しかし紛争の火種は「イスラム教内の各派の対立」という図式だけでは語り尽くせないほど複雑になっていた。イラン革命が起こるまでイランは長らく親米政権だったので軍備は米国製であったが、イラン革命の際にアメリカ人は国外退去していた。
イラン革命後、イラン国内では反米運動が起こった。アラブ諸国は王政・独裁制が多いのでイランのような革命が国内で勃発することを恐れ、イラクを支持し、米国や欧州、ソ連も積極的にイラク側についた。米国はイラクに武器を輸出し、ソ連は一方でアフガニスタンへの侵攻を開始した。ペルシャ湾をはさんでイランと向かい合うクウェートはイラクを全面的に支援し、資金と軍港を提供した。
こういった各国の思惑に石油が絡むと、さらに複雑になってくる。イラン、イラク、クウェート、サウジアラビア、バーレーン、カタール、アラブ首長国連邦、オマーンに囲まれたペルシャ湾は巨大な油田地帯であり、石油輸送の重要な水路であるため、各国の紛争に巻き込まれると石油生産や輸送はストップする。たとえばクウェートは石油をタンカーで運ぶ際にイランの鼻先を通らなくてはいけないためタンカーにソ連の護衛をつけた。
米ソとクウェートの支援を受けたイラクは当初優勢だったが、イランは抵抗を続け、やがてイスラエルがイランの援助を始める。親米のイスラエルは米国の軍備を調達し、イランを支援。アラブ人の国シリアとイスラム教の国リビアはイランに味方した。イスラエル空軍がイラクに侵入したことで、イラクはイスラエル軍の防衛にも力を注がなければならなくなった。
1982年にはシリア経由のパイプラインが止められ、イラクは石油の輸出ができなくなる。イランが形勢を逆転し、イラク国内への攻勢を開始。イラク軍はイランのカーグ島石油基地を破壊し、イランも痛手を受けた。米国はイラクのサダム・フセインを公式に支援し、イランとイラクは応酬を繰り返した。イラク軍が反政府的なクルド人に化学兵器を使用したとされるのは、この時期である。米軍がペルシャ湾に出動すると、イランは米国のタンカーを攻撃した。
停戦は1988年。イランが国連決議を受諾したのである。この間、石油を取り巻く状況は大きく変わった。原油価格は1980年にスポットで1バレル40ドルの値をつけたのをピークに一転、下落基調に転じた。
その理由はいくつかある。二度にわたる石油ショックを受けて、ロシアやノルウェー、中国など非OPEC諸国にエネルギー資源開発が始まったこと、石油メジャーが非OPEC諸国に活路を求めたことに加え、石油ショックの影響で先進国の景気回復が遅れ、世界の石油消費量が伸び悩み、それに応じるようにOPEC諸国の原油生産量も減少していったのである。
この間、世界の原油生産量は小幅ながら増加しているということは、非OPEC諸国の供給能力が大幅に拡大したということだ。具体的にはメキシコ、アラスカ、北海などで進められていた油田開発がビジネスになってきたのである。OPECの生産シェアは79年に5割を切り、イラン・イラク戦争の勃発以降、世界の石油市場では供給過剰で原油がだぶつき、価格が下落に転じたのである。
70年代後半から80年代前半にOPECが生産量を減らした要因は、大きな戦争によって中東の産油国で原油の生産ができなくなったからではない。OPECは原油価格維持あるいは価格の安定のために生産量をコントロールしようとしたのである。加盟国の石油埋蔵量と生産能力は異なる。
またイラン対イラク、クウェートのように紛争を続ける不安定な国が多い。そこでOPECの盟主サウジアラビアは儒供に応じて自らの生産を拡大したり縮小したりする調整役を買って出たのである。同国は1日あたり1000万バレルの生産能力を有しながら、80年代前半の石油供給過剰時には生産量を3分の1にまで落として、価格の暴落を阻止しようとしたのである。
By Master K/益田 慶
東京市場休場
17:15 (香港) 11月小売売上高-価格
17:30 (スイス) 12月SVME購買部協会景気指数
17:55 (独) 12月失業率
17:55 (独) 12月失業者数
18:00 (ユーロ圏) 11月マネーサプライM3・季調済
22:15 (米) 12月ADP全国雇用者数
22:30 (米) 12/30までの週の新規失業保険申請件数
24:00 (米) 12月製造業受注指数
ロシア第2位の資産を誇るワギト・アレクペロフが経営する石油会社「ルクオイル」は、新生イラク誕生後の2004年夏、人道援助として数百万ドルを提供したほか、西シベリア及びボルゴグラードにおいてイラク人石油専門家の研修を引き受けました。また同社は5年間にわたり、イラク人専門家150名をロシア内の石油施設で研修することも約束しています。
アレクペロフは2005年9月、「こうした援助は、ロシア企業がイラクで石油事業を行う出発点である」と述べ、新生イラク政府の石油部門を下支えすることで油田権益の復活を目指す姿勢を鮮明にしました。
一方、イラク石油省は2005年6月、フセイン政権時代に締結された全ての石油契約を再検討するための閣僚委員会を設置すると発表。同時に石油省はフランスのトタール及びロシア、中国の石油企業と既存の石油開発契約を再交渉すると発表しました。他方、新たに選出された議会は、憲法に即した石油投資法の制定を予定しているとのことです。
ルクオイルは、米国のコノコフィリイプが自社株の17%を取得しさらに20%まで比率を引き上げることを計画していることもあって、見通しは明るくなったと考えているようです。但し、米国のイラク専門家は「油田契約の権限を誰が持つことになるかは、中央政府がどのようになるかにかっかっている」「イラクがまだ内戦の危機をはらんでいることを考えれば、まずはビジネスに安全な環境の回復が必要である」と語り、外国石油企業が油田の権益を獲得するまでにはまだまだ時間がかかるとの見方を示しています。
このようにロシアの新興財閥は、政治に深く関与していく傾向が強いのが特徴です。エリツィン政権で台頭したウラジーミル・ポターニンもその一人です。彼は2006年にロシアの経済紙「フィナンス」が発表した「ロシア富豪番付」で第9位にランクインした人物です。
ロシアでは2005年2月から2006年2月の1年間に株価が108%の上昇を記録したことを受けて、企業オーナーたちの持ち株の時価総額が急激に拡大し、多大な恩恵を受けたスーパーリッチが多数誕生する下地を生んだのです。
ウラジーミル・ポターニンは1961年、モスクワ生まれ。1883年、モスクワ国際関係大学卒(国際経済学専攻)。1883~1990年、対外経済関係省に勤めたのち起業。1991年、外国貿易会社(94年から金融産業グループ)「インターロス」総裁に就任しました。以降、ポターニンは破竹の勢いでロシア経済と政治に深く食い込んでいきます。
1992~1993年「国際金融社」銀行副総裁、後に総裁。1993年より「オネクシム銀行」を創立し、総裁を務めます。スイスに姉妹銀行を開設する一方、世界有数のニッケル製造企業「ノリリスク・ニッケル」の経営権を奪うなど、市場経済化の波に乗る新世代の経済人として知られるようになります。
ポターニンは同社の主要株主ですが、現在「ノリリスク・ニッケル」の社長を務めるのが、ミハイル・プロホロフです。彼は「ロシア富豪番付」で第8位にランクインしています。総資産額は67億ドル(約8000億円)。同社は、世界のニッケル市場で2割強のシェアを握っています。
ロシア連邦クラスノヤルスク地方にある都市ノリリスクは、世界有数のニッケル鉱山があるほか、銅やコバルトなどの金属を産出しています。ノリリスクのコンビナートは、世界のパラジウムの35%、白金の25%、ニッケルの20% 、ロジウムの20%、コバルトの10%を生産しています。「ノリリスク・ニッケル」を掌握したということは、プロホロフはニッケル市場に大きな影響力を持つようになったということです。
このようにロシアの新興財閥は、金融と天然資源の開発のどちらかで財を築いた人物が富に目立っています。
By Master K/益田 慶
米国株が下落、原油価格上昇、金価格の上昇と、円高と、米長期金利の低下と、波乱の幕開けとなった為替市場は、本日も日本市場が正月の休場で、本邦勢が参加でき難い環境の中、理由の如何を問わず進んだ円高が、何処まで続くのかを試す展開になりそうである。
年初の相場は、後で気が付くともとの水準に戻ることが多く危険で、市場参加者が継続してポジションを積み上げたときには要注意となるが、本邦勢が参加していない間は、海外投機筋の一人舞台となり、とりあえずはストップロスだけを狙う展開から、本邦勢が取引を開始する明日には、有る程度値を戻すことが予想される。
本日の経済指標からは、今週のメインイベントとなる、米雇用統計の前哨戦となる、米モンスター社雇用指数とADP全国雇用者数が注目される。
(※午前5時のデータに基づいています。)
●ドル円
ドル円は、12月31日の流れを受け、円高傾向が強まっていたが、海外の大手投機筋の選択は円高を試す動きが継続、あまりにも急激な円高に手を出し難いが、この流れが失敗に終わるまで継続しそうな気配が濃厚である。年末・年始で円高が加速するような材料な特に見当たらないが、東京市場の最終取引日となった12月28日の高値114.02円から急落し109.21円まで下落、11月29日の109.47円を割り込んだことで、押し目買い+戻り売りを繰り返し、結果は何処まで下げるか試すことが予想される。
ドル円の4時間チャートは、112.70円を割れてから下落が始まり、111.30円を割り込んでからは売りが加速している。上値のポイントは、110.10~24円、110.88円、111.31円、111.58円、111.91円。下値のポイントは、108.82~88円、107.53円、107.21円、106.79円。RSIは18と下降ラインを上抜けながらも下げ続け、トレンドの有るドル下げに入っている。トレンドモメンタムは売りを継続。トータルの判断は、111.30~40円を上抜けするまでは下落基調が続く。最初のターゲットは、108.82~88円、最大106.79円まで。
●ユーロドル
ユーロドルは、1.4749まで上昇したが、過去は1.47台半ばから後半を高値に何度下げたのであろうか・・・・。11月30日来、昨日を入れて9回である。この水準を超え1.4837を超えられれば再び、最高値を試すことが予想される。昨日もEURGBPの買い以外では特に材料らしきものは見当たらず、ドル売りの流れに乗っているだけでのようにしか見えない。
ユーロドルの4時間チャートは、1.4750を上限に上昇ラインが続いている。上値のポイントは、1.4748、1.4808、1.4837、1.5004。下値のポイントは、1.4778、1.4629~35、1.4567~88、1.4476~89。RSIは70と上昇ラインを割り込みながらも、トレンドが出た上昇が続くかの判断は難しい。トレンドモメンタムは買いを継続。トータルの判断は、1.4837を超えたら買いが確認されるが、それまでは、あまり決め打ちはできない。
●ポンド円
ポンド円は、円の買い戻しはクロス全般に入り、激しい下落である。8月の安値219.27円を割り込み216.39円まで下落、底抜けの相場となっている。BOEの利上げ観測など材料を取り上げることもできるが、円の全面高の流れに、どこまで値を下げるのか不安になる。
ポンド円の4時間チャートは、221.31円、219.29円、217.94円と各ポイントを割り込み大幅な下落となった。上値のポイントは、217.94円、218.57円、219.29円、219.92円、222.10円。下値のポイントは、216.39円、215.42円、210.90円、210.24円、209.56円、200.45円。RSIは20と下降ラインを上抜けながらも、トレンドの有る売りになっている。トレンドモメンタムは売りを継続。トータルの判断は、売り、222.10円を超えるまでは売りを継続、下値リスクが高い。
●本日の経済指標・その他
東京市場休場(正月)
17:30 スイス 12月のSVME PMI=予想61.4 前回63.4
17:55 独 12月の失業率=予想8.5% 前回8.6%、 失業者数=予想-3万人 前回-5.3万人
18:00 ユーロ 11月のマネーサプライM3=前年比予想12.2% 前回12.3%
20:00 米 モンスター社雇用指数=予想 前回183
22:15 米 12月のADP全国雇用者数=予想5.0万人 前回18.9万人
22:30 米 新規失業保険申請件数 (12/30までの週)=予想34.5万件 前回34.9万円
24:00 米 12月の製造業受注指数=前月比予想1.0% 前回0.5%
旧古河財閥は、古河市兵衛が鉱山業で財を成し、工業、海運、貿易、銀行などに進出し、多角化を進め、戦前には15財閥のひとつに数えられた。
幕末の盛岡で生糸の売買で財を成し、両替商や鉱山経営など幅広く事業を展開していた小野組。その幹部であった義父とともに生糸の買い付けを行い、小野組で頭角をあらわしたのが古河市兵衛だ。明治政府の金融政策によって小野組が破綻したのち、小野組が手がけていた草倉銅山(新潟)の払い下げに成功したのは1875年(明治8年)のことである。同年、古河鉱業(のちの古河機械金属)を設立。よって「古河機械金属」の創業は1875年、設立は1918年と記されている。創業から見れば「100年企業」である。
草倉銅山の経営が順調に進み、市兵衛は1877年に廃山同然であった足尾銅山を買収した。渋沢栄一も共同出資者として参加した。不振を続けた足尾銅山だったが、1981年に大鉱脈が発見され、またたく間に日本を代表する銅山へと発展した。これが古河財閥の基盤である。
市兵衛はほかに10以上の鉱山を経営して「鉱山王」となり、銅の産出だけでなく、工業製品化することを考えた。古河財閥の事業は、ほとんどが旧古河鉱業の一部門としてスタートしているのが特徴だ。日露戦争や第一次世界大戦による好況が追い風となり、古河は1917年に東京古河銀行(のちに第一銀行に吸収合併、現みずほ銀行)を開業し、営業部門を古河商事として独立させ、古河鉱業、古河銀行、古河商事(のちに倒産)を直系企業とする財閥コンツェルンが成立する。
足尾銅山で産出される銅の工業製品化を企画して誕生したのが「古河電気工業」通称「古河電工」だ。精銅、電線製造から始まった古河電工の事業は、海底ケーブル、アルミニウム、電池製造、光・情報通信へと発展し、今日に至る。古河財閥は鉱山からスタートし、ビジネスの鉱脈をエレクトロニクスや情報通信に見出したということだ。古河電工の創業年は1884年と記されているので、立派な「100年企業」である。
当時、水力発電を中心とした電気事業の著しい成長期にあり、電線業界は長距離送電用ケーブルや通信ケーブルを主軸とした産業が拡大していた。古河電工はケーブル事業を中核とした電線事業に進出し、横浜電線や矢部電線、日本電線など電線業界の有力企業を次々に傘下に収め、拡大した。この古河電工の子会社が「ファナック」や「ニフティ」だ。そしてアルミニウム製品の製造を目的に創業されたのが「日本軽金属」ということになる。
一方で銅線を大量に使用する電話交換機製造のために古河鉱業とドイツのジーメンスとが合併した誕生したのが「富士電機製造(現富士電機ホールディング)」だ。さらに同社の電話部所管業務を分離して誕生したのが「富士通信機製造」(現富士通)である。古河電工からすれば孫会社にあたる富士通だが、現在の売上高だけ取ってみれば古河電工の約6倍も稼いでいる。ちなみに富士通の「富」は古河グループの「ふ」とジーメンス社の「じ」をとって漢字を当てたものだ。旧富士銀行とは無関係である。
また、古河鉱業が化学部門を分離して生まれた東京電化工業所が旭電化工業になり、現在の「ADEKA」(アデカ)につながっている。「横浜ゴム」や「日本ゼオン」も古河グループに属し、日本ゼオンの主要株主に古河電工や横浜ゴムの名前が並んでいる。
ほかに現在「古河グループ」(古河山水会)と呼ばれる企業の中で「100年企業」を挙げるなら、1888年創業の「朝日生命」がある。「帝国生命保険」として設立し、朝日生命に改組したものの、現存する生命保険会社では最古参だ。創業者は福原有信で、かの資生堂の創業者でもある。朝日生命といえば「みずほファイナンシャルグループ」の色合いが強いが、古川財閥が旧第一勧銀グループと密接な関係にあったことから、旧第一勧銀をメインバンクとした朝日生命は古河グループにも参加しており、実は古河機械金属の筆頭株主が朝日生命であり、朝日生命はほかに富士通や日本ゼオンなど古河グループ各社の主要株主に名を連ねているのである。
By Master K/益田 慶
欧米諸国の概念では、"中東"とは「アフガニスタンを除く西アジアとアフリカ北東部の国々の総称」を表わす。これは国際政治学上の地理区部だ。一方"アラブ諸国"といった際は「アラブ人が中心となって国家を構成している国家」となる。アラビア半島・中東・北アフリカが該当する。日本人は、「アラブ諸国はイスラム教国」、「アラブ人は全員がイスラム教徒」、「アラブ人はアラビア語を話す」と思い込んでいるが、厳密にいえばそれらは事実と異なる。各国を紹介する際に説明していきたい。
まずアフリカの大国から紹介しよう。世界四大文明のひとつ古代エジプト文明が栄えたのがエジプトだ。通貨はエジプト・ポンド(EGP)。1922年にイギリスから独立するまで、欧州の列強に侵略されてきた国で、現在もEUとの関係が強い。輸出相手国は、インド、イタリア、米国、スペイン、英国。輸出品目は石油と石油関連製品が輸出製品の54%を占めている。現在、4大外貨収入源(観光、運河通航料、石油輸出、出稼ぎ外貨送金)が貿易赤字を補填する経済構造となっている。
2004年7月に発足したナズィーフ首相の経済改革が成果をあげ、エジプト経済は近年好況だ。経済改革とは、民間人を含む改革派の人材登用、経済活動の自由化、外国直接投資の誘致や工業生産・輸出の拡大などだ。平均関税率を14.9%から9.1%へ引き下げる関税改革、所得税を20~32%から10~20%に引き下げ、法人税を32%から20%に引き下げる税制改革、国営企業民営化などが進められ、GDPは5.1%(2004/2005年度実質)、6.90%(2005/2006年度)、7.1%(2006/2007年度)と伸びている。EUとの自由貿易協定(FTA)が2004年に発効されたことも大きく影響しているようだ。
エジプトの近代の歴史をふりかえると、スエズ運河の国有化とイスラエルの正式承認が大きな分岐点であったことが見えてくる。第二次中東戦争によって英・仏からスエズ運河通行料の権利を奪い返したことで、エジプトはアラブ諸国に対してもリーダーシップを発揮できるようになった。ちなみに、スエズ運河から得られる収入は35億3,559万ドル(2005/2006年度)。同国の年間石油輸出額が102億ドル(2005/2006年度)であることを鑑みると、莫大な収入源であることがわかる。
また、エジプトがアラブ諸国の中で最初にイスラエルを承認したことはアラブ諸国に波紋を投げかけた。その後、エジプトは米国から軍事・経済援助を受けるなど対米協調外交を進め、イスラム主義運動を弾圧して政治の安定化を図っている。
さて、「エジプト・ポンド」のように通貨にポンドを用いる国はほかにもある。たとえばフォークランド諸島ポンド(FKP)だ。南大西洋のイギリス領土であるフォークランド諸島政府が発行する通貨で、イギリス・ポンドと等価になっており、フォークランド諸島では両方の通貨が使用されている。同じくイギリス領であるサウスジョージア・サウスサンドウィッチ諸島でもフォークランド諸島ポンドが使われている。島の住民はイギリスから渡ってきたイギリス系白人がほとんどで公用語はもちろん英語だ。フォークランド諸島の産業は羊の放牧と漁業、観光業だが、フォークランド諸島周辺海域には600億バレルもの埋蔵量の油田があると見られている。
フォークランド諸島と聞いて思い浮かぶのが、1982年に勃発したアルゼンチンとイギリスによる「フォークランド紛争」だ。領有をめぐる紛争は米国や欧州諸国の支援を受けたイギリス軍の勝利に終わったが、紛争から25年を経た今日、油田が再び紛争の火種になりそうな気配だ。アルゼンチンが再び領有権を主張し、2007年4月、英国との油田共同開発プロジェクトを一方的にキャンセルしたほか、フォークランドで油田探索を行なっている英国企業に対し制裁措置を課すと発表したのである。「世界資源戦争」とリンクする展開が、南大西洋の諸島で現在進行形で進んでいることは覚えておいてほしい。
By Master K/益田 慶
15:45 (スイス) 12月消費者物価指数
16:45 (仏) 12月消費者信頼感指数
18:30 (英) 11月マネーサプライM4・確報
18:30 (英) 11月消費者信用残高
19:00 (ユーロ圏) 12月消費者物価指数・速報
22:30 (米) 12月失業率
22:30 (米) 12月非農業部門雇用者数
22:30 (加) 11月鉱工業製品価格
24:00 (米) 12月ISM非製造業景況指数
24:00 (加) 12月Ivey購買部協会指数
1862年、幕府は遣欧使節団を欧州に派遣しました。約半年に渡ってフランス、イギリス、オランダ、プロシア(現ドイツ)、ロシア、ポルトガルの6ヵ国を視察しました。正使は外国奉行兼勘定奉行の竹内保徳、副使は外国奉行兼神奈川奉行の松平康直。副使は当初、水野忠徳の予定でしたが、英国公使オールコックが強く異を唱えたのです。外国奉行・水野忠徳が神奈川奉行の職を兼ねていた頃、ロシア軍艦の士官殺害事件がありました。水野はその責任を問われて、外国奉行と神奈川奉行の職をともに解かれました。
この遣欧使節団の随員には通訳として福沢諭吉が加わっていたほか、松木弘安(後の寺島宗則)も参加していました。そしてこの使節団は、日本側が本当の目的とした通商条約の改正、つまり開港開市の延期に成功したのです。
遣欧使節団は、まず当初パリに行って条約改正交渉に挑みますが、交渉はうまくいかず、次の目的地であるロンドンへ向かいます。しかし英国外務省は現地情報が十分ではないため対応できず、結局使節団はそこでオールコックが英国に帰国するまで1ヶ月も待たされることになります。
オールコックは、帰国すると早速ラッセル外相に日本の状況を詳しく説明し、説得したので、英国政府はオールコックの提案に従い、通商条約の修正を承諾することにしました。遣欧使節団との間で「新潟、兵庫両港の開港及び江戸及び大阪の開市を1863年1月から5年間延期することを認める」という条約(通称ロンドン覚書)を締結。交換条件として、函館、横浜、長崎3港では条約をきちんと遵守すること、外国人を排斥する古法は廃止することなどがついていますが、さしあたり特に問題になるようなものではありませんでした。
日本市場に最大の利害関係を持つ英国が、このように譲歩したのですから、フランス以下の関係国もこれに倣いました。この通称条約修正の成功により、幕府は攘夷の実行問題で一息つくことができるようになったのです。この激動期に5年の猶予は実に大きなものといえます。
こうしてみると、オールコックのような駐日公使たちの働きがいかに重要であったのか見えてきます。日本の開国により最大の利益を上げているのは、先鞭をつけた米国ではなく、英国の商人です。彼らは一日も早い全面開国を待ち望んでいたわけです。そしてこれまでハリスが務めていた在日外交団の幹事役をオールコックが奪い取り、英国の対日影響力を増大しようと目論んでいたことが想像できます。
遣欧使節団派遣のちょうど1年前、1861年に「ロシア艦対馬占拠事件」が起こっています。ロシアの戦艦ポサドニックがいきなり対馬に来航し、土地租借などを要求して島の一部を占領するという前代未聞の事件でした。対馬藩ではとても手に負えず、新任の外国奉行である小栗上野介が交渉の任に当たりました。上野介はビリレフ艦長と面談するものの交渉は難航し、最終的にはイギリス公使オーツコックの介入により解決をみたわけです。小栗はこの件の責任をとって外国奉行を辞任します。
ここで影響力を誇示したのがオールコックでした。彼は指揮下の軍艦オーディン号を対馬に派遣してロシア艦を威圧し、ロシア艦を退去させたといわれています。一説には対馬藩主がオールコックを通じて英国の東インドシナ艦隊司令官ホープと交渉し、ホープ司令官が英国艦隊2隻を対馬に派遣したというものもあり、定かではありません。しかし、日本が列強のパワーバランスの渦に巻き込まれていたことは事実です。
クリミア戦争に敗れたロシアが、西への進出を諦めて、東に矛先を向けていることは明らかでした。この極東におけるロシアの脅威に対し、オールコックとしては早急に何らかの手を打つ必要があったのです。幕府は単純にオールコックがロシアを追い払ってくれたと考えたものですから、これにより、オールコックと幕閣の間に一定の信頼関係が生まれたことは確かです。
By Master K/益田 慶
2008年、年始の相場は止まるところを知らず、円高+スイスフラン高の流れが続いている。もちろんこの材料としているところは、サブプライム問題から始まった欧米の金融機関への悪影響を危惧してのことではあるが、どのタイミングで材料にするのか、また、しないのかは、相場を動かせる一部の投機筋や投資家の判断次第でもある。
為替相場は「こっくりさん」みたいなもので、参加者がそう思い、無意識に相場を動かす。結果として、各テクニカルポイントをブレークし、他の投機筋や市場参加者が、すわ、円買い・・・と、円高相場を信じ、円のロングポジションを積み上げたら、反転することは相場の常ではないだろうか?
ただ、問題なのは、年末・年始の薄商いで急激に一方向に値が動いたときには、思ったほど末端までポジションが摘み上がらず、上下に振れることを覚悟し、何処まで円が上昇し続けるかを試す、または、円クロスを組み合わせ、できるだけ変動リスクを避けるか、・・・・または、参加を見送るのも方法。
いずれにしても、本日はようやく本邦勢が市場に参加しやすくなり、本邦実需筋や資本筋の影響は避けられない。つまり、何処まで円売りが続くのか見極める必要があり、円買いを狙っている連中にとっては、彼らの動きを見てから行動に移すことになりやすい。また、週末リスクに加え、米雇用統計のイベントリスクから、年末年始に急変動した、GBPJPYが何処まで値を戻すことができるのか注目している。
本日の経済指標からは、もちろん、米雇用統計の非農業部門雇用者数がメインイベントとなるが、スイス・ユーロのCPIや、米ISM非製造業景況指数も注意したい。また、本日はブッシュ米大統領が、バーナンキFRB議長とポールソン財務長官と経済と原油価格上昇について話し合い、終了後には記者会見を行う予定でこちらも気になる。
●ドル円
ドル円は、2008年の円高期待ではあるまいが、サブプライム問題の出口が見えない不安感と、今後発生するだろう欧米金融機関の評価損の拡大を意識したのか、中国人民元だかを意識したのか、何れにしても円高(クロスを含む)とスイスフラン高の流れは、年初の金融不安と、米国や英国の利下げ傾向を意識した値動きだと判断したい。本日は、本邦勢の久々の参入に何処まで値を戻すことができるかが注目されるが、それでも上がらなければ深刻。
ドル円の4時間チャートは、111.70円、110.50円をブレークし108.24円まで急落、108円~110円のレンジで取引されている。上値のポイントは、109.75~82円、110.00円、110.48~67円、111.95円。下値のポイントは、108.84円、108.24~27円、107.94円、108.53円、107.28円。RSIは27と横ばいで、トレンドの有るドル売りが続いている。トレンドモメンタムは売りを継続。トータルの判断は、戻り①109.82円、または、②110.67円を超えたら撤退の売りを継続するが、107.28円~108.24円のドル売りは避けたい。
●ユーロドル
ユーロドルは、ドル売りの流れに1.4750を超え底堅い推移となっているが、ユーロ円の売りが原因なのか、結果として上昇力も鈍い。欧州通貨当局者からは、経済見通しの鈍化が予想され、世界的な動きではあるが、インフレ懸念と成長の鈍化をどうして克服していくのであろうか? どうも積極的に取引をするきにはなれない通貨である。
ユーロドルの4時間チャートは、1.4750~00を高値に、底値が切り上がり上昇トレンドが続いている。上値のポイントは、1.4785、1.4837、1.4917、1.4966、1.5004。下値のポイントは、1.4699、1.4648、1.4626、1.4567~88。RSIは62と弱いながら下降ラインができている。トレンドモメンタムは買いを継続。トータルの判断は、買いサインが続くが、1.4837を超えてくるまでは高値での買いは控えたい。狭いレンジ1.4700~1.4785、広くは1.4648~1.4837。
●ポンド円
ポンド円は、ポンドドルは相変わらず底値が見えず、1.9710で終わり他の円クロスとは異なり特に弱くなっているが、安値213.57円から終値215.45円と、久々に1円近く値を戻して終了した。本日からは本邦勢も本格参入し、円売りの期待感もあるが、イベントリスクも高く、何処まで買い戻されるかを確認し、戻りが鈍いようであれば再び下落との2段構えが必要。
ポンド円の4時間チャートは、下落傾向が続き214~218円のレンジで取り行きが続いている。上値のポイントは、216.13円、217.07円、217.72~94円、219.23円、220.33円。下値のポイントは、215.16円、213.57円、211.09円、210.24円。RSIは24と横ばいで、売りトレンドの相場が続いている。トレンドモメンタムは売りを継続。トータルの判断は、一時的な買いも選択しで、基本は218円を超えたら撤退の戻り売り継続。
●本日の経済指標・その他
15:45 スイス 12月の消費者物価指数(CPI)=前月比予想0.1% 前回0.5%、前年比予想1.9% 前回1.8%
17:55 独 12月のサービス業PMI=予想52.4 前回53.1
18:30 英 11月の消費者信用残高=予想12億ポンド 前回14.4億ポンド
18:30 英 11月の住宅貸出=予想70億ポンド 前回73.3億ポンド、 住宅許可=予想8.4万件 前回8.8万件
19:00 ユーロ 12月の消費者物価指数・速報(CPI)=前年比予想3.1% 前回3.1%
22:30 米 12月の失業率=予想4.8% 前回4.7%、非農業部門雇用者数=予想7.0万人 前回9.4万人、 週平均労働時間=予想33.8時間 前回33.8時間、平均賃金=予想0.3% 前回0.5%
22:30 カナダ 11月の生産者価格=前月比予想0.1% 前回-1.1%、前年比予想 前回-1.0%、 原料価格=前月比予想1.0% 前回0.3%、 前年比予想 前回12.5%
00:00 米 12月のISM非製造業景況指数=予想53.5 前回54.1
00:00 カナダ 12月Ivey PMI=予想52.0 前回58.7
コーンFRB理事発言
今週と来週のコラムは幕末の外交、特に外国公使との折衝と駐在外国人同士の主導権争いに着目してみます。幕府の官僚の弱点は長い鎖国による“外交オンチ”に尽きます。その象徴的な事件が「ヒュースケン殺害」です。駐在アメリカ総領事館の通訳兼ハリスの秘書を担っていたヒュースケンが1861年、攘夷派の薩摩藩士に襲撃され、殺害されました。ヒュースケンを暗殺すれば、幕府と列強の関係がまずくなり、幕府が窮地に立つだろうということを狙って行ったものです。
アメリカ本国は幕府からヒュースケン暗殺に対する誠意ある回答を引き出すようハリスに指示しました。ハリスはそれを「幕府から賠償金を取り立てるように」という意味の指示と考え、その後数ヶ月かけて幕府と交渉します。ハリス自身は「幕府は十分警護をしていた。しかし本人が不用心に出歩くということを繰り返したことから起きたのは明らか。だから幕府として責任を負うべき筋合いのものとは思えない」と語り、「ヒュースケンの死は彼の自業自得であり、幕府に責任はない」と各国公使宛に公言していましたが、最終的に本国のミッションに従ったということです。
ハリスに借りがあると感じていた老中・安藤信正は、この交渉に結局応ずることにし、ヒュースケンの母に1万ドルの弔慰金を支払うことを承諾。関税収入の洋銀を弔慰金に充てて交付したようです。以降幕府は、辻番所に外国人保護を訴える標識を立て、外国御用出役を新設するなど外国人警護に務めるようになります。
この事件は外交史から見れば、大きな分岐点になりました。これにより幕府は外国人の襲撃事件で賠償金を支払うという前例を作ってしまったからです。以後、襲撃事件が起こる度に、列強から賠償金をゆすり取られるようになります。そのピークが「下関砲台砲撃事件」(1864年)で、幕府はその莫大な償金に苦労し、債務の大半を支払いきれずにいる間に滅亡し、明治政府に引き継いでしまうことになります。
ヒュースケン事件以前にも外国人襲撃事件が頻発しており、当初その犯人が誰なのかわからないという状況が続いたので、駐在外国人は、幕府による政治的暗殺ではないかと疑心暗鬼になっていました。そんな折にヒュースケン事件が起こったことから、外国人はが過剰反応を示しました。幕府は、外国人に害意のないことを示すポーズとして、急ぎプロイセンとの話し合いをまとめ、事件の10日後にプロイセンとの通商条約に調印しています。
一方、幕府が新潟開港を実施しようとしないのに腹を立てていた英国公使オールコックは、この機を捉えて英国公使館にフランス及びオランダの代表を集め、数時間にわたって談合したようです。ヒュースケン事件を口実にしながら、その直接当事者である米国の代表をわざと呼ばずに会議を開いたのです。米国に取って代わって、対幕交渉の主導権を持とうとするオールコットの野心が手に取るように見えてきます。
オールコットは、幕府には外国人を保護する能力も誠意もないので、一時横浜に引き上げ、海兵隊の力を借りて自衛の道を講じようと決定しました。本来、在外公館は相手国の首府に駐在してこそ、その存在の意義があります。それを首府から一斉に離れるというのですから、幕府に対する揺さぶりは相当なものだったのでしょう。オールコックには複数の目論見がありました。
第一に、ハリスが勝手に約束した、開港・開市延期をもう一度元に戻すための圧力です。日本の開国により最大の利益を上げているのは、先鞭を付けた米国ではなく、英国の商人です。彼らは一日も早い全面開国を待ち望んでいたはずです。第二に、これまでハリスが務めていた在日外交団の幹事役をオールコックが奪い取り、英国の対日影響力を増大しようという狙いです。第三を挙げるなら、横浜の外国人居留地を、中国における外国人租界のように、自らの武力で守る治外法権の地とすることを狙った領土的野心があったのでしょう。
By Master K/益田 慶
米雇用統計で勝負決着=失業率5.0%(前回4.7%)・非農業部門雇用者数1.8万人(前回11.5万人)、NYダウ=-256.54ドル、米10年債利回り=3.863%(前日3.903%)一部通貨の除きドル売りが強まった。
アジア市場は、本邦勢の参入に円売りが意識されたが、結局は日経平均株価の700円を超える大幅下落に、株安=円高の動きが活発となった。欧州市場は、金融不安が意識され、円買いと、NZDCHFの売りにUSDCHFは下落、スイス高が続いたが、総じて米雇用統計を控え狭い値動きに終始した。
米国市場は、米雇用統計の予想外の悪化に、1月のFOMCでは0.50%の利上げ予想が広まり、米株価の大幅下落に、金融不安=円高&スイスフラン高の流れ+ドル売りが続いた。米ISM非製造業景況指が予想より強く、USDCADは0.9850→1.0040まで上昇、AUDUSDも0.8837→0.87まで下落するなど、ドル高になっている。
●ドル円
アジア市場のドル円は109.31円で取引が始まり、久々の本邦勢の本格参入による円売りの思惑に、109.60円まで上昇したが、市場参加者もまばらで、日経平均株価の大幅下落=円買に、108.78円まで下落した。108.80~00円ではアジア勢の買に底堅く、109.52円まで値を戻したが、本邦勢の109.50円超えのドル売りは厚く、109.07円まで下落した。欧州市場は109.26円で取引が始まり、金曜日の特殊要因と米雇用統計を控え、積極的な取引も無く109.20~55円の狭いレンジで取引が続いた。米国市場では22:30時に発表された米雇用統計の悪化に幅広いドル売りが入り、109.26円→108.30円→108.75円→107.92円まで急落した。107.70円のオプションバリアプロテクトの買いや、米系ファンドの積極的な買い、日銀のレートチェックのウワサまで流れ、ようやく下げ止まった。00:00時の米ISM非製造業景況指数が強く、108.50円を超えると108.86円まで値を戻したが、本邦勢の売りに上値は重く、108.40~65円のレンジで売り買いが交錯し、07:00時では108.59円で取引を終了した。
●ユーロドル
アジア市場のユーロドルは1.4751で取引が始まり、1.4754を高値に、1.4735~50の極狭いレンジで取引が続き、EURAUDの売りに徐々に上値を切り下げ、1.4705まで値を下げた。欧州市場は1.4705で取引が始まり、一時1.4695まで値を下げたが、欧州実需筋の買いに下げ止まり、米雇用統計を控え1.4700~20の狭いレンジで揉み合いとなった。22:15時のECBフィキシングから徐々にユーロ買いが入り1.4735まで上昇、22:30時の米雇用統計に、1.4725→1.4823→1.4775→1.4825まで上昇したが、欧州勢の売り+EURCHF+EURJPYの売りは強く、ISM非製造業景況指数の発表後には1.4745まで下落した。01:00時のロンドンフィキシングでは一時1.4795まで上昇したが、欧州勢が取引を終了し1.4755~85のレンジで取引が続き、終盤にかけては1.4741まで値を下げ、1.4743で取引を終了している。
●ユーロ円
アジア市場のユーロ円は161.24円で取引が始まり、本邦勢の買いに161.54円まで上昇、日経平均株価の大幅下落に160.45円まで下落、本邦勢+アジア勢の買いに161.38円まで値を戻したが、15:00時のオプションカット後には160.62円まで値を下げた。欧州市場は160.69円で取引が始まり、160.70円~161.15円の狭いレンジで取引が続いたが、米雇用統計の発表に160.95円→160.00円→160.78円→159.87円まで下落した。ISM非製造業景況指数に160.22円まで値を戻したが、米国株の大幅下落に円買いが強く、159.78円まで値を下げ、159.80~20円で売り買いの攻防が続いた。01:00時のロンドンフィキシング過ぎから徐々に買いが強まり、160.77円まで値を戻したが、CTA+ファンド筋+本邦勢の戻り売りは強く、159.96円まで値を下げ、160.08円で取引を終了している。
●主な経済指標の結果
15:45 スイス 12月の消費者物価指数(CPI)=前月比0.2%(予想0.1% 前回0.5%)、前年比2.0%(予想1.9% 前回1.8%)→ 12年来の高水準で利上げ観測高まりスイス高となる、新規受注=53.5(前回51.1)、雇用=52.1(50.8)、価格指数=72.7(前回76.5)
17:55 独 12月のサービス業PMI=51.2(予想52.4 前回53.1)
18:00 ユーロ 12月のサービス業PMI=53.1(予想53.2 前回54.1)→2005年6月来の低水準、雇用=54.1(前回54.1)、価格=53.7(前回54.0)、投入価格=63.0(前回63.2)
18:30 英 11月の消費者信用残高=11.2億ポンド(予想12億ポンド 前回12.9←14.4億ポンド)
18:30 英 11月の住宅貸出=77.84億ポンド(予想70億ポンド 前回76.59←73.3億ポンド)、 住宅許可=8.3万件(予想8.4万件 前回8.9←8.8万件)
19:00 ユーロ 12月の消費者物価指数・速報(CPI)=前年比3.1%(予想3.1% 前回3.1%)
22:30 米 12月の失業率=5.0%(予想4.8% 前回4.7%)、非農業部門雇用者数=1.8万人(予想7.0万人 前回11.5←9.4万人)、 週平均労働時間=33.8時間(予想33.8時間 前回33.8時間)、時間当りの平均賃金=0.4%(予想0.3% 前回0.4←0.5%)
22:30 カナダ 11月の生産者価格(PPI)=前月比0.6%(予想0.1% 前回-1.2←-1.1%)、前年比-0.6%(前回-1.1←-1.0%)、 原料価格=前月比3.4%(予想1.0% 前回0.7←0.3%)、 前年比15.7%(前回13.0←12.5%)、RMPI=前月比3.4%(予想1.5% 前回0.7%←0.3%)、前年比15.7%
00:00 米 12月のISM非製造業景況指数=53・9(予想53.5 前回54.1)、新規受注=53.5(前回51.1)、雇用=52.1(50.8)、価格指数=72.7(前回76.5)
00:00 カナダ 12月Ivey PMI=45.9(予想52.0 前回58.7)、雇用=48.7(前回62.2)、在庫=42.9(52.9)、価格=60.1(前回52.1)
●昨日の主な発言その他
米国・カナダ
◎ホワイトハウス=ブッシュ米大統領は米経済を支援するため、景気刺激策を実施する可能性を検討。
◎FRBエコノミスト=米住宅価格は今後数年間に渡り著しく下落する可能性。
◎S&P=64.2億ドル相当の債務担保証券(CDO)を格下げする可能性がある。
◎ラジア米大統領経済諮問委員会委員=米住宅市場の低迷は年央までに和らぎ経済は力強さが増す見込み。
◎コーンFRB副議長=FRB議長の強いリーダーシップが必要。
◎カナダ中銀=短期市場のひっ迫は200年末から緩和したが、スプレッドは歴史的な水準を回復していない。欧米中銀との協調した流動性供給策は必要に応じて追加実施する。ターム物オペを実施する可能性がある。
◎JPモルガン&ゴールドマンは、米雇用統計の悪化を受け、1月のFOMCで0.50%の利下げを予想、ゴールドマンはその後に0.25%の3度の引き下げを予想。
◎ブッシュ米大統領=市場で一部に不透明感が存在するが、重要なのは金融市場が力強く確りしていることだ。住宅ローンの借り換えを容易にする法案の成立を促した。
欧州・英国
◎ダーリング英財務相=ノーザン・ロック危機の再発防止に、金融機関の問題発生時には早い段階で介入を実施する。
日本・その他
◎日経平均株価一時700円超の下落。
◎中国人民銀行=2008年は金融政策を一段と引き締める計画。
ロシアの新興財閥のひとつ、「インテルロス・グループ」の総帥ウラジーミル・ポターニンは、石油会社「シダンコ」社の役員になったのち、1996年に遂にロシア連邦第1副首相(経済省、独占禁止政策国家委員会、財務省、連邦自然独占調整局、国有財産管理国家委員会を監督する経済問題担当者)に抜擢されます。これはポターニンが1996年の大統領選挙において、エリツィンを支持し、再選に貢献したからだとされています。第1副首相就任にあたって、オネクシム銀行総裁を辞任。同年、国際復興開発銀行(世界銀行)と多国間投資保証期間(MIGA)のロシア側責任者に任命されます(97年4月解任)。続いて「国際金融経済組織およびG7との協力に関するロシア省庁間委員会」議長に任命されました(97年4月解任)。
さらに武力機関(軍隊や治安機関)への資金供給問題を担当する政府委員会の設置が決定され、同委員会を率いることになります。大統領令によって承認された大統領直属納税・予算規律強化臨時非常委員会副議長に就任。1997年4月までロシア石炭生産地社会経済問題省庁間委員会議長も務めました。連邦第1副首相解任後、オネクシム銀行総裁に復帰。1998年、持株会社「インテルロス」の社長就任。現在、金融と産業の両部門で経済人として活躍しています。
新興財閥のひとり、「アルファ・グループ」総帥のミハイル・フリードマンも注目すべき活躍を見せる人物です。フリードマンはユダヤ人で、ロシア・ユダヤ協会副会長を務めている人物です。1989年にコンピュータ関連会社「アルファ・フォト」を設立して実業家のキャリアをスタートさせました。
1990年に「アルファ・キャピタル」設立、1991年に「アルファ銀行」を創設し頭取就任。その後、食品加工事業、セメントや木材、ガラスなどの建設資材会社の持株会社として「アルファ・グループ・コンソーシアム」を設立。2003年にフリードマンは、同グループの石油子会社チュメニ石油の株式の半分を61億5000万ドルでブリティッシュ・ペトローリアムに売却し、一躍脚光をあびます。ロシアで第2位の規模の携帯電話オペレーター、ヴィンペル(VIP)もアルファ・グループのプライベートバンクによって支配されています。
ロマン・アブラモビッチに匹敵する大富豪にまでのぼりつめた新興財閥に「アルミニウム王」オレグ・デリパスカがいます。「ロシア・アルミニウム」社長のデリパスカは1968年生まれ。モスクワ大学物理学部卒業という理系です。彼はアルミニウム関連の仲介会社を設立し、サヤンスク・アルミニウム(サヤン・アルミニウム)の株式を買収し、同社の社長に就任します。その後、原料から最終加工までアルミニウム関連企業を傘下に収め、ロシアの石油最大手「シブネフチ」とともにロシア・アルミニウムを設立し、社長に就任します。
ロシア・アルミニウムは、ロシアで生産されるアルミニウム生産の約70パーセント、世界生産の約12パーセントを占めるとされています。そこでデリパスカは「アルミニウム王」と呼ばれるようになります。
彼は新興財閥のリーダー的存在のロマン・アブラモビッチと協力関係を結び、2001年ロンドンに設立されたミルハウス・キャピタルにロシア・アルミニウム株50パーセントの信託管理を委ねます。さらにグループ統轄のために、資産管理会社バーザブイ・エレメント社を設立。大手保険会社インゴストラフも傘下に置きます。2004年にはアブラモビッチが所有していたロシア・アルミニウム株を買収し、100パーセント掌握するに至ります。
また、ロシア・アルミニウムは、アルミニウムの生産に巨大な電力消費を必要とすることから、同じく新興財閥のアナトリー・チュバイスが支配する「統一エネルギーシステム」(UES)の事業にも参画し、政治力を発揮しつつあります。
By Master K/益田 慶
新春の為替相場は、昨年後半から続いた金融不安と、米雇用の悪化を材料に、円高の流れから始まった。
Weeklyベースの比較では、12月28日と1月4日を比較してみると:
円&スイスフラン高=ポンド&カナダドル安が目立ち、ユーロ&豪ドルは横ばい。
USDJPY=112.30円→108.59円(3.71円ドル安円高=3.3%)
EURUSD=1.4726→1.4743(17ポイント ユーロ高ドル安=0.12%)
USDCHF=1.1332→1.1084(248ポイント ドル安スイス高=2.19%)
GBPUSD=1.9968→1.9739(229ポイント ポンド安ドル高=1.15%)
AUDUSD=0.8760→0.8720(40ポイント 豪ドル安ドル高=0.46%)
USDCAD=0.9816→1.0027(211ポイント カナダドル安ドル高=2.15%)
NZDUSD=0.7745→0.7660(85ポイント NZドル安ドル高=1.1%)
円クロスを比較してみると:
豪ドル&NZドル&ポンド%カナダドルと、原油・金価格高騰にもかかわらず、コモディテー通貨・高金利通貨安が目立ち、スイスフランが比較的健闘している。
EURJPY=165.39→160.08(5.31円 円高ユーロ安=3.21%)
AUDJPY=98.36→94.67(3.69円 円高豪ドル安=4.53%)
GBPJPY=224.16→214.35(9.81円 円高ポンド安=4.38%)
CHFJPY=99.72→97.95(1.77円 円高スイスフラン安=1.77%)
NZDJPY=87.05→83.18(3.87円 円高NZドル安=4.45%)
CADJPY=114.34→108.25(6.09円 円高カナダドル安=5.33%)
直近のポイントを見てみると:
USDJPY=117.22円(11月26日安値)、GBPUSD=1.9653(8月17日安値)、EURJPY=158.70円(11月13日安値)、CADJPY 103.35円(8月17日安値)を割り込むことができるか? EURUSD=1.4968(11月23日高値)を超えることができるのか? CHFJPY=97.50円~100円で動かず。GBPJPY=219.29円(8月17日)を割り込み下落を続けている。
イングランド銀行は12月に驚きの利下げを実施、以後ポンド売りが続いている、市場では、1月はイングランド銀行(BOE)や欧州中銀(ECB)の利上げの可能性は薄いが、次回のBOE追加利下げ期待が強くポンドの売り材料となっている。米雇用統計の悪化に、FOMCで0.5%の政策金利引き下げが視野に入っている。ユーロと豪ドルは金利据置き予想が強く、スイスフランも4日に発表されたCPIが強く買いの材料となり、日本も引締めから据置きの予想が強い。金利差相場とは言いがたいが、金利低下見通しの通貨との組み合わせも選択肢となってくる。
円キャリートレードの巻き戻しを狙った、投機的な動きなのか、国際金融市場の混乱を先読みした、現実的な値動きなのか、どうも判断に窮するところが多い。過去を振り返ってみれば、2000年の年初がドル円では最安い、2002年年初が最高値、2005年初が最安値をつけるなど、年初の相場がその年の最高値・最安値をつけることも比較的多かった。
以上のように、年初来の相場は将来の真の為替相場の姿を表す絶対てきなものではなく、むしろその逆で、投機的な値動きが主体とも考えられることが多いが・・・もちろんこれも絶対ではない。
別な意味では、10年に一度あるか無いかの米サブプライム問題の影響に、不安定な世相や金融不安が素直に、為替相場に反映されることは正論で、欧米の主要通貨は問題を引きずる可能性は高い。昨年の新興市場国通貨の取引量の拡大や、新興市場国通貨高のように、今後もクロス間の相場を中心に取引する必要がより強まってくることが予想される。
今週の経済指標から注目されるのは、10日のイングランド銀行(BOE)と、欧州中銀(ECB)の政策金利の発表で、共に金利据え置きが予想されているが、前回のBOEの金利引き下げのようなサプライズが無いとも限らず、発表後の記者会見や発言に相場が変動することが予想される。
住宅関連では、8日=米中古住宅販売、9日=カナダ住宅着工件数、10日=カナダ住宅建設許可・価格指数が発表される。その他では、年始に当り各国の通貨当局者からの発言が多く注意が必要となり、特に10日=バーナンキFRB議長の講演会には注目したい。
●ドル円
ドル円は、投機的な動きが円高を加速させていることは間違いないが、どこで反転するのか、その水準とタイミングが難しい。本邦勢のスタートはカレンダーで4日から年始のスタートとなっているが、どうも多くの企業は7日からのスタートとなりそうである。週初の円売りの影響にどこまで値を戻すことができるか、それと、11月26日の最安値107.26円を割り込めるかが、今週の大きなテーマとなりそうである。
ドル円のWeeklyチャートは、下降トレンドが続き、ラインの中間近くで取引されている。上値のポイントは、108.88円、110.30円、110.48円、111.31円、111.58円。下値のポイントは、107.90~03円、107.21円、105.58円、103.93円。RSIは34と横ばいで下落トレンドが続き、トレンドモメンタムは売りを継続している。トータルの判断は、売り継続で、①先週の107.90円で目先の底値をつけ→110.48円~111.58円まで値を戻し、再度下落。①107.20円を割り込むか、108.88円(第一ポイント)、を超えられないと→105.58円、103.93円まで続落の可能性が強くなる。Daily=売り、Weekly=売り、Monthly=売り。
●ユーロドル
ユーロドルは、横綱相撲なのか、他の通貨が薄商いの中で翻弄するなか、どっしりと構え値動きは鈍い。欧州中銀(ECB)は政策金利据え置きが予想され、通貨当局者からはユーロ圏の経済見通しの下方修正が相次ぎ、ユーロ高によるインフレ抑制作用がある反面、輸出鈍化を危惧する声が多くなっている。暫くはこの状態が続きそうであるが、先の高値1.4968を超え1.500の大台を達成できないようならば、市場センチメントが急速に弱気になる可能性が強い。
ユーロドルのWeeklyチャートは、上昇トレンドが続き、ラインの中間から上限で取引されている。上値のポイントは、1.4897、1.4959、1.4986、1.5003、1.5302。下値のポイントは、1.4581、1.4634、1.4516、1.4477、1.4352、1.4309。RSIは64と横ばいでトレンドのある上昇が続き、トレンドモメンタムは買いを継続している。トータルの判断は、買いだが、長い1.47台半ばを上抜け1.48台に達成した割に、1.47台半ばで引け、強さが感じられず、週始値・終値がほぼ同じで、転換線になっている可能性が気になる。先週の高値1.4825を超えたら強きになるが、それまでは疑心暗鬼のユーロ高で、今週上抜けできないと、逆に下値リスクもでてくる。Daily=買い、Weekly=買い、Monthly=買い。
●ポンド円
ポンド円は、ポンドドルがようやく2.0を回復したのに、週終値ベースでは1.9739と8月17日の急落時の1.9810を割り込んで終了した。クロスの円高が激しく、ポンド円は214.35円でクローズ、200週移動平均線212.80円を割り込むことができるかだが、2003年に上昇傾向に転じてから過去一度もこれを下回ったことが無い。さて、さて、もしこれを割り込んだら何処まで下落するのだろうか? ちなみにポンドドルの200週移動平均線は1.8767にある。
ポンド円のWeeklyチャートは、下降トレンドが続き、ラインの下限近くまで下落している。上値のポイントは、217.00円、217.91円、219.19~29円、219.90円。下値のポイントは、212.80円、210.72~93円、210.24円、209.56円、189.91円。RSIは33と下降ラインが続き、売りのトレンドが続き、トレンドモメンタムは売りを継続している。トータルの判断は、売り。220円を超えるまでは、売りの流れ変わらず。Daily=売り、Weekly=売り、Monthly=売り。
初代駐日外交代表オールコットは1860年末、英国公使館を横浜に移転します。これを知った幕府は困惑。一方、アメリカ初代総領事のハリスは、自身が不在の談合で決定した、列国公使館の横浜移転に反対し、オールコットあてに手紙を書きました。手紙の中でハリスは、自分は江戸での居住に何ら不安を感じていないこと、第二にヒュースケンの死は夜間外出が危険であることを幕府が繰り返し警告しているのに、これを無視したためであることを綴り、フランス公使やオランダ公使らに了解を求めたのです。在外代表部が、その首都にいないというのはどう考えても異常な事態ですから、各国は結局ハリスに同調しました。こうしてオールコックもしぶしぶ納得し、1861年1月には英国領事館自身も江戸に復帰する羽目になります。
幕府に対するオールコックの姿勢が大きく変わるのは、皮肉にも彼に対する攘夷浪士による襲撃がきっかけでした。英国公使館のおかれていた高輪の東禅寺が、水戸浪士17名によって襲撃されたのです。200人近い武士が警備していたといわれています。討ち入った浪士のうち数人がその場で殺され、重傷を負った者は捕らえられました。英国人では、第一書記官のオリファントと、たまたま来訪していた長崎領事のモリソンが負傷しました。
それまでオールコックは、幕府の行っている厳重な警備は、外国人を監視することを兼ねた嫌がらせくらいに考えていたようですが、目の当たりに浪士の襲撃の見て考えが一変しました。安易な開港場・開市場の拡大は、イギリスが条約を締結している相手政府を崩壊させるという悲劇の元となりかねないことをはじめて理解したのです。列強としての利権を確保するために、オリファント、モリソンに対する賠償金ということで、オールコックは、ヒュースケン事件の先例に倣い、1万ドルずつ、計2万ドルを幕府からゆすり取っています。
一方、ライバルの米国公使ハリスは、かねてから健康上の理由から辞任を希望していましたが、この時期、ようやくその許可がおりました。1862年春3月、ハリスは日本を去ります。ハリスは軍艦の支援も受けず、単身で日本を開国させるという偉業を成し遂げたのですから、本来なら、リンカーンから英雄として迎えられても良かったでしょう。しかし、実際にはほとんど相手にされず、その後、不遇のうちに没することになります。
その原因は、ハリスの行動に常に不明朗さがつきまとっていたことが挙げられます。金銀比価の違いから小判の大量流出が起きた時、そうした不正行為を取り締まる立場にいた彼自身が先頭に立って、小判の貯め込みをやっていたからです。また、横浜の米国商人の保護もほとんどしなかったので、在日米人の間から彼の罷免要求が出ていたともいわれています。彼の帰国は、そうした不明朗さを糾弾されての罷免という要素が強かったので、とても凱旋将軍というわけには行かなかったのです。
ハリスの後任はプリュインです。幕末史に名を刻んでいない理由は、彼を通じて幕府がアメリカから軍艦を買おうとした時、民間企業との間に入って利鞘を取ろうとしたものですから、幕府が距離を置いたからです。
オールコットはその後、幕府の内乱の危機を回避するためには開港・開市の延期が必要であることを悟ります。しかし、1863年の薩英戦争を契機にイギリスは幕府支持から薩摩藩に急速に接近していきます。薩摩藩は、外国船をいたずらに攻撃したり、異人斬りなどの「小攘夷」の愚を知り、開国による富国強兵を行い、外国に劣らない武力を備える必要性を悟ったのです。また、オールコットの後任公使パークスは、幕府にかわって薩摩などの雄藩が連合政権を作ることを期待し、薩摩藩や長州藩を密かに支援するようになります。
By Master K/益田 慶
家康が実施した外交・貿易政策のひとつに「糸割符 (いとわっぷ) 制度」と「朱印船制度」がある。家康が東南アジア諸国との親善外交を進めるに至るには、いくつかの布石があった。1600年、オランダ東インド会社のリーフデ号が現在の大分県に漂着した。船長はイギリス人ウィリアム・アダムス。当時五大老の首座だった家康が大阪城で接見したものの、アダムスの帰国願いを聞き入れず、彼を家来にするために江戸へ連れて行った。
アダムスは家康に外国の貿易のしくみや列強の状況を教えたことから外国使節の面談や通訳として重宝され、西洋式の帆船の建造も担うようになる。家康はアダムスに出会い、貿易に強い関心を抱いたのだろう。のちにアダムスは相模三浦郡の知行地を与えられ、旗本・三浦按針(あんじん)として数奇な人生を歩んだ。このリーフデ号の漂着をきっかけに、オランダ、イギリスが日本貿易に加わることになる。
家康は1601年以降、安南(現在のベトナム)、スペイン領マニラ、カンボジア、シャム(現在のタイ)、パタニ(マレー半島に存在したマレー人王朝)などの東南アジア諸国に使者を派遣し、外交を始めた。そして1604年にスタートしたのが朱印船制度である。これは日本を出港する商人の船に海外渡航を許可する朱印状を与え、貿易を促すものだ。朱印状は、たとえるなら「貿易ビジネスマンに与えるパスポート」である。現在なら外務省の業務といえよう。
当時、日本の貿易相手国といえば主にポルトガルとスペイン。特にポルトガルはマカオに拠点を築いて以降、中国産生糸を一括購入して日本に輸出し、利益を独占していた。生糸は当時の日本において最も重要な輸入品であったが、ポルドガル人が価格決定権を持っていたのだ。そこで家康が考案したのが、京都の豪商・茶屋四郎次郎をリーダーに任命し、京都、堺、長崎の裕福な商人に「糸割符仲間」を組織させ、値段交渉と生糸の一括購入を許する「糸割符制度」である。仲間で一括購入した生糸は商人に分配させ、それが京都・大坂・江戸に渡った。民間に価格交渉をさせ、その恩恵として商人に利益を与えるという特待制度だ。「関ヶ原の合戦」によって国内の経済が混乱し、販売不振に陥っていた力のある商人に向けて、家康は強力なビジネスのネタを提供したのである。これは経済活性化政策ともいえる。
家康が特定の商人に独占的輸入権と独占的卸売権を与えた理由はそれだけではない。財力のある豪商が豊臣派の残党に軍資金を提供すれば謀反が起こる。豪商を支配下に置くにはまず彼らに利益を与えなければならない。こういう意図もあったのだろう。
そして同年、朱印船制度をスタートさせる。朱印船は長崎から出航し、長崎に帰港した。朱印船貿易は幕府と深いつながりのある商人に限られていたが、大名や武士にも朱印状は与えられていたようだ。輸入品は、生糸、絹織物、砂糖、武具に使われる鮫皮や鹿皮など。日本からの輸出品は、銀、銅、鉄、硫黄、刀などであった。特に石見銀山で採掘された銀は、当時銀が不足していた中国マーケットに歓迎された。東南アジアでは決済手段として銀が使われたからである。
朱印船貿易家として名高いのが、前出した「糸割符仲間」を集めたリーダーの茶屋四郎次郎である。当主は代々この名を名乗り、初代が徳川家の御用商人の一人となり、二代目が幕府御用達商人に出世し、三代目が朱印船貿易での特権を活かして莫大な資産を得た。三代目は長崎代官補佐役も務めた、いわば家康の貿易エージェントである。
そして商人と幕府の間に立って朱印状の発行を取り次いだのが、金貨・銀貨発行の総責任者の後藤庄三郎である。伏見に設立された「銀座」の運営管理を任されていた後藤は、貿易面でも重要な地位にいた。朱印船貿易で銀の輸出を家康に進言したのはおそらく後藤であろう。彼はさしずめ幕府の財務長官といったところか。
By Master K/益田 慶
2008年1月1日 ユーロを自国通貨として採用する国が2ヶ国加わった。
ユーロ参加国は何ヶ国になったか。
正解 15ヶ国
解説 地中海の島国、キプロス、マルタの2カ国がユーロ導入となった。キプロスは、キプロス・ポンド、マルタは、マルタ・リラがこれまでの通貨であった。
この2ヶ国の追加でユーロ圏は15ヶ国、総人口3億2,000万人に拡大した。ユーロを導入するには、単年度の財政赤字を国内総生産(GDP)の3%以内に抑えなければならない。両国は2004年にヨーロッパ連合(EU)加盟国となりユーロ圏参加の準備を進めていた。
ユーロ導入国は以下のとおり
ドイツ
フランス
イタリア
オランダ
ベルギー
ルクセンブルク
スペイン
ポルトガル
フィンランド
ギリシャ
アイルランド
オーストリア
スロベニア
キプロス
マルタ
ユーロを採用することのメリットは通貨交換の必要がなくなることである。これにより欧州連合全体のGDPに対し0.4%のコスト削減となる。金額にして131億-192億ユーロのコスト削減ができている。
先週末のサプライズな日経平均株価の700円近い大幅な下落と、米非農業部門雇用者数の予想外の低い伸びと、失業率の上昇を受け、次回のFOMCでは0.5%の政策金利引き下げを視野に、ドル売りの流れが何処まで続くのかを試す動きと、年末・年始のドル売り・円買いポジションの巻き戻しと、売り買い混在するする可能性が高くなっている。
本日は特に重要な経済指標は無い。
●ドル円
ドル円は、特に週初の本日は正月も終わり、ようやく本邦勢の勢ぞろいとなる。新年早々外債投資や個人投資家が、ドル円相場を積極的に押し上げるとは思えないが、打診的な買いが入りやすくなっている。一方、本邦輸出筋はできあがりで、110円台を確保したいと思っていることは想像しやすく、上限もその辺に見えてくる。
ドル円の4時間チャートは、下降トレンドが続いているが、直近では118.00~109.70円の幅の広いレンジで取引されている。上値のポイントは、109.02~12円、109.71~79円、110.05円、110.46円。下値のポイントは、108.24円、107.72円、107.21~28円。RSIは31と横ばいながら、弱い上昇ラインができている。トレンドモメンタムは売りを継続。トータルの判断は、107.28円を割り込んだら続落となるが、それまでは、109円台まで調整の買いが入りやすく、110.50円を超えてきたら相場の反転につながる。
●ユーロドル
ユーロドルは、雇用統計の悪化+米大幅利下げ観測と、1.4750の上限を上抜け買いが加速したと思えば、1.48台から1.47台まで再び下落、絶好のドル売り材料にも反応できないでいる。年始の特殊要因とユーロ円の下落がこの理由なのであろうか? 強弱が良くわからない展開となっており、手放しでユーロ買いもためらわれる。
ユーロドルの4時間チャートは、上昇トレンドが続いているが、直近では1.4700~1.4850のレンジに入っている。上値のポイントは、1.4774、1.4837、1.4897、1.4946。下値のポイントは、1.4694、1.4634、1.4567。RSIは50と下降ラインが続き、トレンドモメンタムは買いを継続している。トータルの判断は、気迷い。RSIはダイバージェンスを示し下落リスクも残り、強気な買いになりきれない。また、1.4837を超えられなければ、逆に下落リスクに注意したい。
●ポンド円
ポンド円は、ポンドドルが1.96台まで下げたが、6月8日と8月17日の安値圏で、過去この水準を底値に反発しており、重要なポイントとなっている。ポンド円は残念ながら底抜けの展開で気になるが、ポンドドル相場から考えれば、ドル円相場次第とも言えなくも無い。10日のイングランド銀行の政策金利の発表がメインイベントとなるが、それまでに調整の買い戻しもはいりやすい。
ポンド円の4時間チャートは、下降トレンドが続き、直近ではラインの下限から中間で取引が続いている。上値のポイントは、214.74円、215.52円、216.80円。下値のポイントは、213.57円、211.14円、210.98円。RSIは29で横ばいながら、弱い上昇ラインができている。トレンドモメンタムは売りを継続。トータルの判断は、215.50円まで値を戻す可能性が高く、上回ると213円~217円のレンジに入りやすい。
●本日の経済指標・その他
06:45 NZ 11月の貿易収支=予想-4.65億NZドル 前回 -6.90億NZドル
08:50 日本 12月のマネタリーベース=前年比予想 前回1.0%
15:45 スイス 12月の失業率=予想2.8% 前回2.7%、調整後=予想2.6% 前回2.6%
18:30 ユーロ 1月の投資家センチメント指数=予想 前回11.90
19:00 ユーロ 11月の失業率=予想7.2% 前回7.2%
19:00 ユーロ 11月の生産者物価指数(PPI)=前月比予想0.8% 前回0.6%、 前年比予想4.0% 前回3.3%
19:00 ユーロ 12月の消費者信頼感=予想-8.0 前回-8.0、 企業信頼感指数=予想2.0 前回3.0、 総合景況感指数=予想104.30 前回104.80
(7~11日) 英 ハリファックス住宅価格=前月比予想-0.5% 前回-1.1%、 3ヶ月ごとの前年比=予想4.9% 前回6.3%
ロックハート・アトランタ連銀総裁の経済見通しについての講演会
国際決済銀行(BIS)の定例中央銀行総裁会議、最終日
06:45 (NZ) 11月貿易収支
08:50 (日) 12月マネタリーベース
15:45 (スイス) 12月失業率
19:00 (ユーロ圏) 11月失業率
19:00 (ユーロ圏) 11月生産者物価指数
19:00 (ユーロ圏) 12月消費者信頼感
本邦勢の参入に円売りが再開され、投機筋のポジション調整が始まった。年末・年始から続いた円ロング・ポジションの調整が暫く進む可能性が高く、短期的にはドル円の買い、ユーロドルの売り、ポンド円の買いの流れに入っている。この流れがどこまで続くのかを試す動きが続きそうだが、中期的なトレンドは明確な変化は無く、ドル円の売り、ユーロドルの買い、ポンド円の売りが続き、結果として、短期取引では値の荒い変動幅が広くなる可能性が高い。
年始の相場は、投機的な動きと思われることが多く、市場の相場観もブル・ベアが混在していることで、一方向に動き難い展開が続やすく、ポジションの逆を狙うもの方法。正攻法では、米=金利引き下げ、ユーロ・英国=金利変更なしから、これらの通貨の組み合わせになりやすい。
●ドル円
ドル円は、本邦勢の本格参入に円売りの流れとなったが、円は予想外に健闘しているようにも思える。相変わらず投機色の強い展開となっているが、ドル円110円台からの本邦勢のドル売り意欲は相当強く、クロスでの円買い戻しも限定的と思われ、暫くは売りと買いが交錯し、投機ポジションが積み上がった方向の逆に動きやすい。
ドル円の4時間チャートは、ダウントレンドも崩れ、108円~109.80円のレンジに入っている。上値のポイントは、上値のポイントは、109.53円、109.71~79円、110.46~55円。下値のポイントは、109.02円、108.59円、108.24円。RSIは37と緩やかな上昇ラインが続き、トレンドモメンタムは買いに転換している。トータルの判断は、上値トライが続くと予想、広くは108.50円~110.55円のレンジ、狭くは108.60円~109.80円のレンジを予想。中期的には110.60円を超えなければ本格的なドル買いになり難い。
●ユーロドル
ユーロドルは、1.4850以上を維持することができず、逆に、1.4650以下を試したがこれも失敗。FOMCの利上げ観測に反し、トルシェECB総裁の発言からは、ECBが金利引き下げに動くことは予想できず、金利差拡大=ユーロ高の流れを否定できない。押し目買いの流れが続きやすく、1.5000を超えられたらユーロ高の流れが確認できるのだが、なかなか一朝一夕になりそうにない。
ユーロドルの4時間チャートは、上昇ラインが崩れ、1.4570~1.4850のレンジに入っている。上値のポイントは、1.4721、1.4746、1.4760、1.4824。下値のポイントは、1.4650、1.4567、1.4516、1.4476。RSIは56と下降ラインを上抜けたが、トレンドモメンタムは売りに転換している。トータルの判断は、下値トライが続くと予想、広くは1.4567~1.4824、狭くは1.4650~1.4824のレンジ。中期的にはユーロ買いが続いている。
●ポンド円
ポンド円は、クロスの円高のリード役となっているポンド円の下落も、ようやく下げ止まりレンジ相場に入っている。年末・年始の円買いの流れが終わり、円売り相場が始まった可能性は低く、円ロング・ポジションの巻き戻しが中心と思われ、高値での買いは控えたい。
ポンド円の4時間チャートは、下降トレンドが続き、目先は213.50~217円のレンジで取引されている。上値のポイントは、215.52円、216.80円、217.40円、219.19円、下値のポイントは、213.57円、211.61円、211.14円。RSIは32と上昇ラインが続き、トレンドモメンタムは買い転換している。トータルの判断は、上値とトライが続くと予想、中期的には売りは変わらず、216.80円を超えることができれば、買い反転する可能性が高まる。
●本日の経済指標・その他
09:01 英 BRC小売売り上げ=予想 前回1.2%
09:30 豪 11月の住宅建設許可=前月比予想0.0% 前回-2.8%
19:00 ユーロ 11月の小売売上高=前月比予想0.5% 前回-0.7%、 前年比予想0.50% 前回0.20%
20:00 独 11月の製造業受注=前月比予想-1.8% 前回4.0%
22:55 米 レッドブック小売売上高=前月比予想 前回-0.7%、前年比予想 前回1.6%
00:00 米 11月の中古住宅販売保留=予想-0.5% 前回0.6%
05:00 米 11月の消費者信用残高=予想75億ドル 前回47億ドル
プロッサー・フィラデルフィア地区連銀総裁の講演会「2008年の経済見通し」
ローゼングレイン・ボストン地区連銀総裁の講演会「2008年の経済サミット展望会議」
09:30 (豪) 11月住宅建設許可
19:00 (ユーロ圏) 11月小売売上高
20:00 (独) 11月製造業受注
24:00 (米) 11月中古住宅販売保留
29:00 (米) 11月消費者信用残高
80年代前半、OPECの盟主サウジアラビアが原油生産の調整役を買って出た。しかしOPEC加盟国のイランやベネズエラが逆に生産量を増やしてしまい、価格維持が困難になった。サウジアラビアは1986年、調整役を放棄し、再び原油生産のシェアを奪取するために増産を宣言。この影響で原油価格は一時10ドルを割り込むまで暴落した。
その3年前の1983年、二ューヨーク商品取引所にWTIが上場している。WTIはウエスト・テキサス・インターミディエートの略で、西テキサス地方で産出される、硫黄分が少なく、ガソリンを多く取り出せる高品質な原油のことだ。WTIの先物はニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で取引されている。当初数年間の取引量はごくわずかだったが、サウジアラビアがOPEC の調整役を降りた1986年以降、その地位は飛躍的に高まっていく。
皆さんは先週のことなので生々しく覚えているだろう。現地時間の1月2日、二ューヨークのNYMEXでWTIが1バレル100ドルの大台に乗ったことを。今でこそ私たちは「原油市場」に大手石油会社や精製、卸売業者だけでなく、投資ファンドも広く取引に参加していることを知っているが、1983年までは投機マネーを注ぐ対象ではなかった。そしてWTI の相場が国際的な指標となったのが1986年ということだ。
予備知識として挙げておくと、原油価格の代表的な指標にはこのWTIのほか、欧州産の「北海ブレント」、中東産の「ドバイ」があり、これらが世界の3大原油指標と言われている。WTIが北米市場であるのに対し、アジア、ヨーロッパ市場においては、中東産ドバイ原油、北海ブレント先物(IPE:ロンドン国際石油取引所)の価格が指標として機能している。ドバイ原油は代表的な重質油、北海ブレントはWTI原油に似た軽質油であり、日本が消費する原油の90%近くはドバイに代表される中東産原油である。
これら3大原油指標の中でも、WTI原油先物は、取引量と市場参加者が圧倒的に多く、市場の流動性や透明性が高いため、原油価格の指標にとどまらず、世界経済の動向を占う重要な経済指標のひとつにもなっている。
本題に戻ろう。1986年に巨大な「原油市場」が認知されたことで、世界の原油指標価格の決定権はOPECからニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)に移った。原油はマーケットで自由に価格が決まる市況商品になったのである。
一方、中東ではまた戦争が起こる。1990年、イラクがクウェートに侵攻。翌年にはアメリカを中心とした国際連合が多国籍軍を派遣し、イラクを空爆したことで「湾岸戦争」が始まる。
当時のイラクはイラン・イラク戦争によって莫大な戦時債務を抱えていた。イラクが外貨を獲得する手段は石油輸出しかなかったが、当時の原油価格は1バーレル15ドル~16ドルで推移していた。その頃、サウジアラビアとクウェートは石油を増産していた。OPEC加盟国の割当量が完全に無視されたことで原油価格は値崩れを起し、石油価格は下落。石油輸出に依存していたイラク経済は打撃を受けていた。
当時、イラクのフセイン大統領はOPECに対して原油価格を1バーレル25ドルまで引き上げるよう要請し、アラブ連盟に対して「クウェートはイラクのルメイラ油田から石油を盗掘し、イラク領土内に軍事基地や農場、民間施設を建設した」との抗議文を提出した。そして石油盗掘による損失の賠償金として24億ドルをクウェート政府に要求した。
クウーイト政府は次のように反論した「クウェートはOPEC生産枠を順守しており、割当量以上の増産はしていない」、「ルメイラ油田盗掘は事実無根である。確かにルメイラ油田はイラクとクウェートの国境にまたがって存在しているが、クウェート領土内の同油田からの生産量はイラクの同油田からの生産量のわずか1%に過ぎない」、「クウェートは、イラク領土内に軍事基地、農場、民間施設を建設した事実はない。クウェートのような小国で平和を愛する国が、人口・軍事力などではるかに巨大な国を侵略できるわけはない」。
OPECはフセインを懐柔するために原油価格を18ドルから21ドルに引き上げたが、イラクはこれに応じず、遂にクウェート侵攻に動いた。
市場を動かせるような大手投機筋は、市場センチメントを自分にとって有利に誘導することが多い。それを前提にしても、これを考えたら、暫くはドル売りセンチメントを変えることはできないとの思惑に駆られる。
◎FRB議事録では、先のFOMCを前にボストン、ミネアポリス、サンフランシスコ地区連銀は、公定歩合を0.5%引き下げ4.5%とすることを発議していた。◎米プライマリーディーラーは30日のFOMCで19社中7社が0.5%の利下げを予想。◎英タイムズ紙(British Retail Consortium レポート)=イングランド銀行は過去3年間で最悪のクリスマスを向かえ、金利引き下げ圧力にさらされて、BOEは政策金利を引き下げる可能性が高まると報道。◎投資家ジム・ロジャーズ氏は、米経済はリセッション(景気後退)に向かい、世界の通貨に圧力がかかっており、投資家はルを売るべきだと助言した。◎メリル・リンチのレポートでは、米国は16年間で最初の完全な景気後退に入った。
●ドル円
ドル円は、再び円キャリートレードの復活を思わせるような買いが続いたが、いずれにしても、投機的な動き以外ないように思える。ポジションテーカーは、年末に円ロングポジションを作り、一昨日、昨日と利食いを行っていたようであるが、FOMCの0.5%利下観測、イングランド銀行のサプライズな利下げ危惧が払拭できず、積極的な円売りもためらわれ、レンジ相場からやや円高(ドル安)に動きやすい。
ドル円の4時間チャートは、108円~110円のレンジでの取引が続いている。上値のポイントは、109.71~79円、110.46~55円、111.71円。下値のポイントは、109.02円、108.59円、108.24円。RSIは47と上昇ラインが続き、トレンドモメンタムは買いを継続している。トータルの判断は、引き続き上値を試すと予想するが、昨日の上値トライ失敗に、昨日より買い圧力は弱い。広くは108.50円~110.55円、狭くは108.60円~109.80円のレンジと予想、110.55円を超えたら、下値トライは終了し上昇に転じるが、それまでは、中期的な売りが続いている。
●ユーロドル
ユーロドルは、ポンドドルの高下、ドルスイスの高下、ドル円の高下を横目に、横綱相撲をとっており、非常に動きは鈍い。ストラテジストの方向性見通しも、上昇と下降に極端に別れ、ポジションは偏り難い。しかし、投機的な動きの根拠となっている金利差を材料に取れば、引き続きクロスではユーロは有利。
ユーロドルの4時間チャートは、上昇ラインが崩れ、1.4650~1.4850のレンジで取引されている。上値のポイントは、1.4721、1.4746、1.4760、1.4824。下値のポイントは、1.4650~60、1.4567、1.4516、1.4476。RSIは50と横ばいで推移し、トレンドモメンタムは売りを継続している。トータルの判断は、引き続き下値トライを継続。狭くは1.4667~1.4824のレンジ、広くは1.4567~1.4824のレンジで、中期的なユーロ買いは継続している。
●ポンド円
ポンド円は、久々の政府系ファンドのポンド買いが入ったが、1.98台を維持できず強さは感じられない。市場のコンセンサスはイングランド銀行は金利据え置きと考えて、2月の利上げを予想しているが、12月のサプライズの記憶も残り、新聞報道も利下げの可能性を掲載(意図的かも知れないが)、明日のBOE政策金利の発表を前に、リスクはポンド下落で、問題は、市場参加者の多くがそのように思い、ポンドショートポジションが積み上がっていることである。私が信頼している英系金融機関のレポートは、金利据え置きと判断している。
ポンド円の4時間チャートは、下降ラインが崩れ、213円~218円のレンジで取引されている。上値のポイントは、215.52円、216.80円、217.40円、219.19円。下値のポイントは、213.57円、211.61円、211.14円。RSIは45と上昇ライン続き、これを割り込んだら売りに転換する可能性が出てくる。トレンドモメンタムは買いを継続。トータルの判断は、弱い買い。暫くは213.57円~216.80円のレンジで、中期的な売りが続き、216.80円を超えたら、買いに反転する。
●本日の経済指標・その他
08:50 日本 12月の外貨準備高=予想 前回9701.8億ドル
09:30 豪 11月の小売売上高=前月比予想0.5% 前回0.2%
16:00 独 11月の貿易収支=予想175億ユーロ 前回187億ユーロ、輸出=予想0.5% 前回0.6%、 輸入=予想1.8% 前回0.2%
19:00 ユーロ 第3四半期のGDP・確報=前期比予想0.7% 前回0.7%、前年比予想2.7% 前回2.5%
20:00 独 11月の鉱工業生産=前月比予想0.5% 前回-0.3%、 前年比予想4.5% 前回-5.9%
22:15 カナダ 12月の住宅着工件数=予想22.1万件 前回22.79万件
00:30 英 11月の景気動向調査=先行指数 前月比予想 前回0.2%、 一致指数 前月比 前回0.1%
プール・セントルイス連銀総裁の講演会「経済・金融リテラシーについて」
09:30 (豪) 11月小売売上高
16:00 (独) 11月貿易収支
16:00 (独) 11月経常収支
16:45 (仏) 11月貿易収支
19:00 (ユーロ圏) 第3四半期GDP・確報
20:00 (独) 11月鉱工業生産
22:15 (加) 12月住宅着工件数
24:30 (英) 11月景気動向調査
1862年、小栗上野介は勘定奉行を命ぜられます。「強力な海軍を創設すべし」という上野介の主張が採用されたのです。かといって上野介は鎖国攘夷派ではなく、当時の幕臣の中では珍しく開国論者でした。アメリカの文明のすぐれた点を説き、軍備や商業、工業においては外国を模範として日本を改革しなければいけないという考え方を持っていたのです。
当時、世界最強の海軍はイギリス海軍でした。イギリス海軍と薩摩藩が戦った薩英戦争(1863年)によって、イギリスの強さを肌で知った薩摩藩、長州藩が、かえってイギリスと親密になっていったのとは反対に、幕府はイギリスに警戒心を深めていきました。アメリカは友好国でしたが、南北戦争の最中。オランダは友好的な国ですが、かつての実力はなく、ロシアはイギリスと争ってアジア侵略を進めている最中で、最も警戒しなければいけない大国でした。上野介が積極的に外交を進めたのはフランスでした。
1864年、ロッシュがフランス公使として日本にやってきます。ロッシュはイギリス外交官オールコックと同い年。ロッシュの就任はフランスが対日政策を重要視しはじめたことの証明です。彼はイギリスを出し抜くためにオールコックに隠れ、幕府に近づいていきます。攘夷問題で苦慮している幕府に対して、「仲介役になろう」と働きかけます。やがてライバルのオールコックがイギリスへ帰国することになり、ロッシュは堂々と幕府に食い込んでいきます。
当時の幕府の交渉役は、外国奉行・栗本鋤雲(じょうん)と勘定奉行の上野介です。栗本鋤雲はロッシュの通訳と親しかったことからフランスとのパイプ役として外国奉行に命じられ、上野介とも親交を深めました。上野介もフランスとの外交に力を注いでいきます。
上野介と栗本鋤雲は幕府にフランスの資本と技術を導入して横須賀に製鉄所を造り、フランス式陸軍を導入し、内閣制を敷き、徳川絶対主義体制をつくろうと働きかけます。これを背後で指導したのが駐日フランス公使レオン・ロッシュという図式です。同年12月、上野介は軍艦奉行に就任し、フランスの援助のもと、横須賀製鉄所の建設と幕府の軍制改革に着手し、ロッシュは軍事顧問団の派遣を実施します。幕府は横須賀製鉄所の建設を正式にロッシュに依頼し、ロッシュは母国から海軍造船官ヴェルニーを招きます。
一方のイギリスは1865年、オールコックの後任として、上海領事のハリー・パークスを送り込みます。フランスとの敵対関係から、薩長と親しくする一方で、幕府に対しては通商条約上に規定された兵庫などの開港を強硬に求めるなど、巧みな外交手腕を発揮します。
パークスは着任に際し、日本の国内事情を下調べし、有能な通訳であったアーネスト・サトウの助言により、今後の対日政策をおおよそ次のように結論づけたとされています。
「日本においては幕府の他にミカド(天皇)という大きな権威が存在し、いくつかの有力大名(薩摩藩・長州藩)はこれを支持して幕府を廃し、合議政体を作ろうと画策している。幕府の統治能力はすでに失われつつあり、これからはミカドを担ぐ反幕勢力の結集を後押しして、倒幕を計り、国際的信任のおける新政府のもとで外交を行い、イギリスの対日交易の安全伸張を期するべきだ」
やがてパークスは、武器商人のグラバーを介して薩摩藩主島津久光に接近します。武器購入でグラバーに多額の債務を抱えていた薩摩藩は、その武器で幕府を倒すという目標を掲げ、薩長連合を成立させ、パークスはこれを支援したのです。主な貿易国であるイギリスに見限られた幕府の頼みは、ロッシュ一人に絞られ、ますます親仏路線が強化されます。こうして倒幕派パークス、幕府派ロッシュの間で熾烈な外交戦争が繰り広げられたのです。
By Master K/益田 慶
「フォーブス」誌発表の「2006年度の世界の億万長者」ランキングの第41位(2004年度の発表では124位)にのぼりつめたウラジミール・リシンは、2005年度に資産を11,770億円まで伸ばした新興財閥です。彼はノボリペツク製鉄所の会長を務め、「鉄鋼産業の重鎮」と呼ばれています。重鎮というくらいだから、老齢かと思いきや、1956年生まれの51歳です。
彼は1992年、ロシアのアルミニウム、鉄鋼輸出企業体「トランス・ワールド」グループと提携し、企業群の管理者になりました。2000年には、ロシア第4位の鉄鋼メーカー「ノボリペツク製鉄所」の9割の株式を取得。ミハイル・フリードマン率いる「アルファ・グループ」の最高幹部ピョートル・アーヴェン(アルファ銀行頭取)をアドバイザーにつけ、ロンドン証券取引所に進出を働きかけ、鉄鋼株の売買で約13億ドル(約1570億円相当)を取得したとされています。
同じく「フォーブス」誌発表の「2006年度の世界の億万長者」ランキングの第44位にランクインしたのが、ビクトル(ヴィクター)・ベクセルベルグです。彼は石油大手「TNK-BP」と、アルミ大手「SUAL(スアル)」の共同経営者です。この2社はどちらも、食うか食われるかの「ロシア企業戦国時代」の渦中にいます。
2006年秋、ロシア最大のアルミメーカー「ルスアル」が同国2位の「スアル」と、スイスの商社「グレンコア」のアルミニウム部門を買収することで基本合意したことが明らかになりました。ルスアル社は、先週のコラムで紹介した「アルミ王」オレグ・デリパスが所有する企業で、買収規模は約300億ドル(約3兆5000億円)になる見通し。買収が成立すれば、このグループは米アルコア社を抜き世界最大のアルミ地金メーカーとなります。「スアル」共同経営者のビクトル・ベクセルベルグは、果たしてどれだけの財産を得たのでしょうか。
一方の「TNK-BP」はイギリスの大手石油会社BP(ブリティッシュ・ペトローリアムス)とロシア企業との合弁会社です。先月3月27日、次のような最新ニュースが届きました。「TNK-BP」がロシア国営の石油会社「ロスネフチ」の株式取得に乗り出すことを表明したのです。ロスネフチの株式は、かつてロシアの大手石油会社であった「ユコス」の元社長ミハイル・ホドルコフスキーが所有していました。しかし、プーチン大統領への批判を表明したことから、政府に目をつけられ、2003年10月、脱税などの罪(ユコス事件)で逮捕、起訴され、その後、ユコスは解体され、ホドルコフスキーの資産も売却されました。
ロスネフチは1993年、ソビエト連邦時代のソ連石油工業省を母体に設立。名目上、株式は公開されていますが、ロシア政府の国有財産管理庁に管理されており、本業の石油、天然ガスから派生し、船舶、パイプライン会社や販促会社を傘下に収めています。中枢はKGB人脈に支配されていると言われる巨大企業グループです。
2005年11月に発表された1-6月期決算によると、純利益が24億4000万ドルで、売上高は98億6000万ドル。前年同期と比べると、これは「純利益は約8倍、売上高も4倍強」という驚異的な数字でした。原油価格の上昇も利益拡大の要因ですが、ホドルコフスキーの経済遺産、すなわちユコスの子会社ユガンスクネフチガスを吸収(買収)したことにあります。
現在、ロシア政府の管理下にあるロスネフチ株の公開市場価格は、およそ90億ドル(日本円で約1兆620億円)といわれています。そのロスネフチ株を取得するために、「TNK-BP」は入札に参加したわけですが、本家イギリスの「BP」からすれば、ロスネフチ株を取得し、広大なロシアの化石燃料を武器にして市場拡大を図りたいところ。ロシア企業との合弁会社を設立したのも、石油やガス開発に力を注ぐロシアに地盤を築くためだったのでしょう。
By Master K/益田 慶
浅野財閥は医者の子として現在の富山県氷見市に生まれた浅野総一郎が夜逃げ同然で24歳にして上京し、石炭の廃物であるコークスやコールタールを売って儲けたところから始まる。1878年、総一郎は横浜市営瓦斯局から毎日排出される燃料炭の残骸コークスの処理に困っていたことに着目し、東京・深川の官営セメント工場を訪ね、コークス利用の研究を依頼。
結果は良好で、さっそく瓦斯局と交渉し、安値で数千トンのコークスを買い取り、大きな利益を得た。さらに処理に困っていた廃物のコールタールの販売を委託し、当時コレラの流行で不足していた消毒用の石炭酸として再利用し、成功を収めた。総一郎が優れていたのは、リサイクルに目をつけたことだ。現在社会のキーワード「持続可能型社会」を100年以上も前にビジネスにしたのである。
総一郎は1884年、渋沢栄一の援助を受けて、官営の深川セメント工場(東京都)の払い下げを受け、浅野セメント(後の日本セメント、現太平洋セメント)を設立した。深川はセメント製造に適した立地だった。多摩川やその支流秋川の上流域には豊富な石灰石の埋蔵が知られており、鉄道が発展した明治時代にはセメントの原料である石灰石は深川まで運ばれ、加工されていた。主に栃木県安蘇郡葛生付近で採掘された石灰石が鉄道で深川まで運ばれ、また隅田川の泥土も原料に使われという。
日露戦争後、日本のセメントの需要は次第に上昇。特に第一次世界大戦後の増加は著しかった。同郷の安田財閥創始者・安田善次郎の支援を受けた総一郎は、第一次大戦に乗じて巨利を得て"セメント王"の地位を獲得した。
浅野セメントの系譜にある日本セメントが合併して生まれた現太平洋セメントは1881年を創業と謳っているので立派な「100年企業」である。
総一郎はセメント以外の事業でも才覚を発揮した。1883年には渋沢栄一、井上馨らとともに「共同運輸」(後に岩崎汽船と合併して日本郵船)を設立、1896年には安田善次郎らの出資によって東洋汽船を創立(後に航路と共に旅客船部門を日本郵船へ吸収合併)。海運業に乗り出した総一郎は、日本の港湾が欧米に比べて大きく立ち遅れていることを痛感し、ただちに東京~横浜間の遠浅な海岸に注目。そこに大型船が着岸できる港湾機能を有する工業用地を造成する計画に取りかかる。
東京都に品川湾埋立出願を、神奈川県庁に鶴見~川崎間の埋立許可願書を、東京市に東京湾築港の事業許可願書を提出した。いずれもスケールが大きすぎる計画であったため認可されなかったが、1908年に「鶴見埋立組合」を組織し、神奈川県庁に「鶴見・川崎地先の海面埋立」の事業許可申請を提出し、受理される。鶴見埋立組合が現在の「東亜建設工業」で、同社は1908年を創業と謳っているので、こちらも「100年企業」である。
この計画は、埋立面積5000万平方メートル、延長4100メートルの防波堤、運河の開削、道路・鉄道の施設、橋梁、繋船設備、航路標識なども完備した一大工業用地を建設するといった壮大なもので、埋立地建設のノウハウは京浜工業地帯や北九州小倉地区の埋立にも寄与した。
総一郎は今日のJR南武線、青海線、鶴見線、常磐線など、物資輸送を担う社会基盤も数多く残している。工業地帯の輸送には鉄道が不可欠なので、セメントや建設業とは切っても切れない関係にある。またコークス処理ノウハウを有していたことから、東京瓦斯(東京ガス)の設立にも総一郎は深くかかわっている。同社は1885年創業の「100年企業」だ。
1916年に設立した浅野造船所は、後に総一郎の息子が「日本鋼管」に発展させ、2002年、川崎製鉄と経営統合し、「JFEスチール」が誕生。同年、船舶・海洋部門は日立造船と経営統合し、ユニバーサル造船が誕生した。「沖電気」の前身である明工舎(1881年)の設立も総一郎が資金を提供して実現したもので、妻サクの伯母の夫・沖牙太郎が初代社長を務めたが、実質は浅野財閥の傘下であったといえよう。沖電気もまた「100年企業」のひとつである。
By Master K/益田 慶
材料やニュース、発言は、米経済の成長鈍化とインフレ加速を示し、これが世界的な流れとなっている。ユーロ圏も成長鈍化の予想や下方修正が相次ぎ、一蓮托生で通貨当局者の発言やエコノミストの予想が多い。来週から米金融機関の第4四半期決算の発表が始まり、非常に重要で相場の乱高下は避けられず、注意が必要だが、業績悪化を予想する記事が多くなっている。
本日は、イングランド銀行(ECB)と欧州中銀(ECB)の金融政策の発表があり、共に金利据え置きが予想されている。EURGBPの最高値更新(ポンド安)やGBPUSDの下落は、既にこれを先取りしていると思われるが、12月のサプライズな金利引き下げの再来を予想し、既にショートポジションが作られている。ただ、可能性は低く、これに反するリスクは大きい。
年末・年始から続いた相場の流れも、一部の通貨を除きレンジ相場に入り、それらが次の流れを模索する水準に近づき、再び大きな値動きになりそうで注意したい。海外の友人からは、ユーロ圏の経済指標の鈍化+堅調なオーストラリア経済指標に、EURAUDの売りを進めてくる。
本日の経済指標からは、メインイベントは、BOEとECBの金融政策で、トルシェECB総裁発言を注目。また、USDCAD=1.1台を突破していることから、カナダの住宅建設許可も注意したい。それと、バーナンキFRB議長の講演会からの発言は、非常に興味を持っている。
●ドル円
ドル円は、驚きの狭いレンジ取引から、これを抜け出すのはどちらか? 非常に興味があり重要で、109円台を維持し上値を試しやすくなっている。しかし、相場の流れを一方向に決定付けることも、最近の相場からは危険で、タートルズスープも比較的値幅の狭いターゲットが必要となっている。
ドル円の4時間チャートは、108円~110円のレンジが続き、フラックフォーメーションになっている。上値のポイントは、110.06円、110.46~55円、111.71円、112.18円、112.78円。下値のポイントは、109.56~58円、108.89円、107.45円、107.15円。RSIは52で上昇ラインを継続、トレンドモメンタムは買いを継続。110.55円を上抜けできるかがポイントで、買い。
●ユーロドル
ユーロドルは、ユーロ圏各国の景気鈍化に、経済成長の下方修正が目立つ。また、グロース独経済技術相のユーロドル相場をけん制する発言も流れ、クロスでユーロ売りも強まっている。しかし、FRBの0.5%の利下げの思惑や、本日のECB金利据え置きや、インフレを意識した発言期待など、強弱双方の要因が混在し、相場見通しを不透明にさせている。
ユーロドルの4時間チャートは、1.4650~1.4850のレンジの下限を試している。上値のポイントは、1.4678、1.4702~09、1.4742。下値のポイントは、1.4689、1.4634、1.4567~75、1.4516。RSIは40と引き続き下降ラインに戻っている。トレンドモメンタムは売りを継続。トータルの判断は、売り。1.4567を割り込んだら下落が加速するが、それまでは本格的な流れになり難い。
●ポンド円
ポンド円は、ポンドドルが昨年4月来のポンド安、ユーロポンドがユーロ誕生以来のポンド安水準。景気鈍化と金利引き下げ見通しに、いじめられ役となっている。本日のBOEの金融政策が相場を大きく左右するが、期待に反して、金利据え置きとなれば有る程度の、買い戻しを意識する必要があり、その可能性は高いと見ている。
ポンド円の4時間チャートは、213円~218円のレンジ相場が継続している。上値のポイントは、215.52円、216.80円、217.40円、219.19円。下値のポイントは、213.57円、211.61円、211.14円。RSIは47と上昇ラインを継続。トレンドモメンタムは買いを継続。トータルの判断は、弱い買い。引き続きレンジ相場を予想。216.80円を超えたら買いが加速しやすくなる。
●本日の経済指標・その他
09:30 豪 11月の貿易収支=予想-25億豪ドル、 前回-29.83億豪ドル、 輸出=前回-3.0%、 輸入=前回2.0%
14:00 日本 11月の景気動向調査・速報=先行指数=予想10.0 前回18.2、一致指数予想33.3 前回70.0
18:00 ノルウェー 12月のCPI=予想 前回1.5%、 コアCPI=予想 前回1.5%
18:30 英 11月の貿易収支=予想-72.3億ポンド 前回-71.2億ポンド、除くEU=-45億ポンド 前回-44.2億ポンド
21:00 英 イングランド銀行(BOE)金融政策の発表=政策金利5.5%の据置きを予想
21:45 ユーロ 欧州中銀(ECB)の政策金利発表=政策金利4.0%の据置きを予想
22:30 ユーロ トルシェECB総裁の政策金利発表後の記者会見
22:30 米 新規失業保険申請件数(1/6までの週)=予想34万件 前回33.6万件
22:30 カナダ 11月の住宅建設許可=前月比予想-2.0%、前回6.8%、 新規住宅価格指数=予想0.3% 前回0.1%
00:00 米 11月の卸売在庫=前月比予想0.4% 前回0.0%
ホーニング・カンザスシティー連銀総裁の講演会「2008年の経済見通し」
バーナンキFRB議長の講演会「金融市場、経済見通し、及び、金融政策」
08:50 (日) 12/29までの対外及び対内証券売買契約等の状況
09:30 (豪) 11月貿易収支
14:00 (日) 11月景気動向調査・速報
16:45 (仏) 11月鉱工業生産
16:45 (仏) 11月製造業生産指数
16:45 (仏) 11月財政収支
18:30 (英) 11月商品貿易収支
21:00 (英) BOE政策金利発表
21:45 (ユーロ圏) 欧州中銀金融政策発表
22:30 (米) 1/6までの週の新規失業保険申請件数
22:30 (加) 11月住宅建設許可
22:30 (加) 11月新築住宅価格指数
24:00 (米) 11月卸売在庫
アラビア半島の南東部に位置するアラブ首長国連邦(UAE)は1971年にイギリスから独立して誕生した。名前のごとく7つの首長国により構成される連邦国家である。各首長国は世襲制の絶対君主制に基づき統治されている。通貨はUAEディルハム(AED)。ディルハムはアラビア語で、ササン朝ペルシア(226~651年)で鋳造されたディレム銀貨に由来する。UAEディルハムは米ドルとのペッグ制をとっている。
最も大きな首長国はアブダビ。続いて近年、観光地としても名高いドバイがある。ほかにシャールジャ、アジュマーン、ウイン・アル=カイワイン、フジャイラ、ラアス・アル=ハイムがある。連邦予算の8割をアブダビ、2割をドバイが負担している。残る5首長国は石油・鉱物資源を持たず、連邦政府の補助に依存している。GDPに占める各首長国の割合は、アブダビ60%、ドバイ26%、その他14%である。
アラブ首長国連邦はペルシャ湾とオマール湾に面しており、原油輸送の戦略的立地にある。GDPの約40%が石油と天然ガスで占められており、その最大の輸出先が日本、続いて韓国、イランとなっている。石油価格の上昇により、2006年の実質GDPは10.2%。経常収支黒字はGDPの28.0%。海外からの輸入は24%増。直接投資は110億ドル規模。物価上昇率は3%。これからの数値からわかるようにアラブ首長国連邦は近年高度経済成長を続けており、一人当たりの国民所得は世界のトップクラスである。
しかし、石油がいずれ枯渇することを想定しているのだろう、アブダビやドバイは豊富な石油収入を背景に活発な対外投資を行い、金融と流通、観光の一大拠点を目指している。「脱石油依存経済」の構築だ。資産管理、イスラム金融、証券、保険、再保険などのオフショア・センターを目指す「ドバイ金融センター」(DIFC)がその戦略的支柱だ。ドバイ市郊外のフリーゾーン内に外国資本100%の金融機関設立を認め、外国企業には税金面や融資面での優遇制度を設れているため多くの海外企業が進出、物流拠点になりつつある。金融面では2000年、ドバイとアブダビに証券市場が開設された。また、人工島群などリゾート施設が相次いで誕生し、世界中から観光客を引き寄せることに成功している。
余談だが、アラブ首長国連邦の国民の8割は外国籍で、アラブ人は少数派になる。石油収入で潤うUAEに出稼ぎにやってきた外国人が人口のほとんどを占めるのだ。アラブ諸国といっても外国人のほうが多い国も存在するのである。
通貨単位のディルハムはアフリカ大陸の北西端のモロッコ王国でも使われている。モロッコ・ディルハム(MAD)だ。アラブ人65%、ベルベル人30%という民族構成で、宗教はイスラム教スンニ派がほとんどを占め、憲法上はアラビア語が公用語だが、フランス語も使われている。それはかつてフランスの植民地であったことを物語っている。さらにジブラルタル海峡をはさんで向かい合うスペインとも深い歴史があり、モロッコの南西に分布するカナリア諸島、地中海沿岸のセウタとメリリャはスペインの海外領土である。
モロッコは産油国ではないが、鉱物資源に恵まれ、アフリカ大陸の諸国の中では最も豊かな国である。リン鉱石(採掘量世界第2位)、鉛鉱石(同7位)、コバルト鉱(同8位)が有力で、銅、亜鉛、金、銀なども採掘されている。農業では世界生産量第6位のオリーブの栽培が著名で、大西洋岸が魚場として豊かなこともあって漁業も盛んだ。実はモロッコ産のタコのほとんどが日本に輸出されている。タコを好んで食べる日本人の食卓に現在ではモロッコ産のタコが食卓にのぼっているということだ。8つの世界遺産を有することから観光収入も大きい。
モロッコの貿易相手国は、輸入・輸出ともフランス、スペイン、イギリスがベスト3を占めるように、西ヨーロッパとの関係が強い。2006年実質GDPは8%と好調だが、失業率は9.7%と高い数値を示している。若年層を中心とした高失業率問題、社会層間・地域間の貧富格差、低い識字率等が社会問題となっている。
ご存知の通り、景気鈍化にウェートが高く金利引き下げる可能性のある通貨が弱く、インフレ懸念にウェートが高く金利引き下げの可能性がある通貨は強い。
バーナンキFRB議長やトルシェECB総裁の発言は、予想通りとも言えなくも無いが、両通貨当局者のトップから、米経済成長の鈍化とインフレ圧力が危惧されては、ドルを買う材料を探すのは至難の業である。米国では、1月30日のFOMCでは0.5%の利下げ予想が高く、ユーロでは、今後の選択肢は据置きか、利下げの二者択一となった。
武藤日銀副総裁も米経済成長の鈍化を予想し、「経済が拡大維持なら緩和的金利水準を徐々に調整」と利上げ期待を残しているが、日本を含め主要国の経済成長は鈍化の道をたどることはほぼ間違いなく、日銀の政策金利変更を期待しようが無い状態となっている。
メリルリンチのエコノミストは、米経済の鈍化にカナダ経済も急速に減速し、今年は1.25%の金利引き下げを予想している。この予想が的確であると想定すれば、クロスの通貨を選択したカナダ売りが見込まれるのだが・・・・・。予想通りになるかは不明ながら、最近の海外からのレポートはカナダドル安が多い。
昨今は、トルシェECB総裁も言っている通り、何処の国でも政策担当者は、「米経済の減速は、新興市場国経済の力強さで緩和される」と言っている。判りきったことかも知れないが、これは、ドル売り=新興市場国通貨の買いを示唆し、これを否定するのは非常に難しい。後は好き・嫌いの次元。
本日は金曜日、調整も強まる可能性が高いが、特に重要な経済指標も見当たらない。
●ドル円
ドル円は、本邦輸出企業はできあがり110円の売り意欲は強い。110.00~55円のドル売りが強いことが予想される。これを超えても実需筋の売りが続くと思われるが、投機的な買いが強まることが予想される。1月30日のFOMCの利下げ幅や有無を確認するまでは、110円台からのドル買いは難しいと思われ、来週の米金融機関の第4四半期決算のリスクを考えると、上値トライが失敗したとも言える。
ドル円の4時間チャートは、110台に一時上昇したが、引き続きフラックフォーメーションが続き、やや下値を抜けているようにも思える。上値のポイントは、110.07~14円、110.55円、111.71~90円、112.18円。下値のポイントは109.12~19円、108.87円、108.07円、107.90円。RSIは58で上昇ラインが続き、これを割り込んだら売りに変化するので注意したい。トレンドモメンタムは買いを継続。サインは買いを示しているが、108.87円を割り込んだら売りに変化。トータルの判断は、108.87円~110.55円のレンジか、抜け出した方向に付く。売りに変化するリスクに注意。
●ユーロドル
ユーロドルは、トルシェECB総裁から討議の選択は二つで、据置きか利上げとの発言に、やや驚きではあるが、次回の利上げ観測まで流れ、上値を試す好機となっている。EURGBPやEURCADなど、金利据え置きや下げ方向にある通貨を売り、ユーロを買う勢いが強まる可能性が高い。EURGBPは最高値を更新し高値恐怖症があるが、逆にポンドドルの買いも選択肢。
ユーロドルの4時間チャートは、1.46~1.4850のレンジが続いている。上値のポイントは1.4824、1.4837、1.4897、1.4946、1.5004。下値のポイントは、1.4766、1.4747、1.4706、1.4634~40。RSIは56で下降ラインが終了し、上昇ラインが開始した可能性がでている。トレンドモメンタムは売りだが、買いに転換する可能性が高くなっている。トータルの判断は、買い。1.4824~37超えで確認できる。
●ポンド円
ポンド円は、BOEの金利据え置きでもポンド買いは鈍く、円以外のクロスではポンド売りが続いている。ポンドドルが1.9535~50を割り込んだら続落の可能性が出てくるが、どうも、ポンド売り圧力も弱まっている。クロスの円は強弱混在で、ポンド独自の要因を待ちたいが、今日は金曜日、特に英国関係の経済指標も無く・・・材料難で調整による買いを期待したい。
ポンド円の4時間チャートは、213円~218円のレンジをまたしても継続している。上値のポイントは215.52円、216.80円、217.31円、217.94円。下値のポイントは、213.57円、213.46円、213.27円、211.61円。RSIは51と上昇ラインが続き、これを割り込んだら売りに変化しやすくなる。トレンドモメンタムは買いを継続。トータルの判断は、引き続きレンジ相場の色合いが強く、次の一手を決め打ちできないが、期待感はレンジ相場離脱で、216.80円を超えたら買いが確認。
●本日の経済指標・その他
08:50 日本 12月マネーサプライM2+CD=前年比予想2.0% 前回2.0%
14:00 日本 12月の景気ウォッチャー調査=現況判断DI=予想 前回38.8、先行き判断DI=予想 前回38.8
16:00 独 12月の卸売物価指数(WPI)=前月比予想0.3% 前回1.0%、前年比予想5.9% 前回5.7%
18:30 英 11月の鉱工業生産=前月比予想0.1% 前回0.4%、前年比予想0.5% 前回1.0%
18:30 英 11月の製造業生産高=前月比予想0.1% 前回0.3%、前年比予想0.3% 前回0.3%
21:00 カナダ 12月の失業率=予想5.9% 前回5.90%、雇用ネット変化=予想1.5万件 前回4.26万件
22:30 カナダ 11月の貿易統計=予想33億カナダドル 前回33.2億カナダドル、輸出=予想 前回373.6億カナダドル、輸入=予想 前回340.5億カナダドル
22:30 米 11月の貿易収支=予想-591億ドル 前回-578.2億ドル
22:30 米 12月の輸入物価指数=予想前月比0.2% 前回2.7%、輸出物価指数=予想0.4% 前回0.9%
04:00 米 12月の月次財政収支=予想500億ドル 前回-419.6億ドル
ミシュキンFRB理事の講演会「金融政策の柔軟性、リスク管理、及び、金融混乱」
ローゼングレイン・ボストン連銀総裁の講演会「経済展望会議」
08:50 (日) 12月マネーサプライM2+CD
14:00 (日) 12月景気ウォッチャー調査
18:30 (英) 11月鉱工業生産
18:30 (英) 11月製造業生産高
21:00 (加) 12月失業率
21:00 (加) 12月雇用ネット変化
22:30 (加) 11月国際商品貿易
22:30 (米) 11月貿易収支
22:30 (米) 12月輸入物価指数
28:00 (米) 12月月次財政収支
原油価格が高騰を続けている。
2008年初頭、WTI原油価格は100ドルを突破した。
原油輸出国のうち非OPEC国で最大輸出国はどこか。
正解 ロシア
解説
原油価格が高騰しているが、その原因として複数の要因が考えられる。
基礎的要因としては需要の拡大である。BRICsを始めとした新興国の需要が増大している。
これらの国は人口も多く経済成長率も著しく伸びている。
また、自動車需要も急速に高まっているため石油需要が旺盛である。
ロシア、ブラジルは産油国であり、輸出国でもあるが、国内需要も高まっている。
中国はかつては輸出国であったが、現在では大幅な輸入国となっている。
インド、中国は人口も多く、これらの国での発電燃料、自動車燃料としての原油需要が高い。
供給サイドから見ると増産余地は小さい。
ブラジル、オーストリアなどで増産しているが世界需要に追いついていない。
ロシアの産油設備は老朽化が激しく、新規投資は進んでいない。
原油価格高騰のためロシア国内の増産は行われているが油田の枯渇も問題化している。
このような需給状況を背景に、イラク、イラン、アフガニスタンなどの紛争が相変わらず続いている。
アフガニスタンの安定化を目指すアメリカが、亡命中のブット元パキスタン首相を支援して帰国させたがテロに屈した。
そしてナイジェリアの紛争激化である。
大統領選に絡む内紛が直接的原因であるが、この国の内紛の遠因は常にニジェール川デルタで産出する原油利権がらみである。
また、ナイジェリアは南アフリカに次ぐアフリカ有数の軍事大国でもある。隣国リベリアの内紛に介入するなど大国としての振る舞いが目立つ。
しかしこれまでの紛争介入は民主勢力に対する支援であり、国際的には評価されるものであった。
反面、国内の民主化に対しては利権問題が絡んでいるためか及び腰である。
ナイジェリアはOPEC加盟国であり、国家歳入の70%を石油に頼っている。
かつてのカカオ生産は衰退し、政治腐敗と放漫財政による慢性的な累積赤字により国家の財政基盤は破綻寸前である。
ナイジェリアの紛争の争点は石油利権争いであり、国内問題でありながら国際問題である点で影響が大きい。人権問題などを問題としない中国が石油利権獲得を狙って進出している。日本から中国への円借款は終了したが、継続中であった時代から非借款国の中国がナイジェリアに対し借款を実施していた。また、韓国企業も資金供与するなどして石油権益を獲得している。
OPECは2006年12月ナイジェリアで第143回総会を開いた。総会では2007年1月1日からアンゴラ共和国を12番目の加盟国として迎えることを決定した。OPECへの新規加盟は、1975年のガボン(1996年に脱退を表明)以来、32年ぶりの新規加盟である。
アンゴラの加盟で、OPECの埋蔵量のシェアは69.1%(2006年末)、生産高では42.1%となった。非加盟国であるスーダン、オマーンもオブザーバーで参加しており今後拡大の可能性もある。石油価格の高止まりの中、OPECの影響力は強まるかもしれない。
OPECに加盟すると生産枠が決められ、OPEC全体としての生産量を調整している。
石油輸出
第1位 サウジアラビア
第2位 ロシア 非OPEC
第3位 ノルウェー 非OPEC
第4位 イラン
第5位 ナイジェリア
第6位 メキシコ 非OPEC
第7位 アラブ首長国連邦
第8位 ベネズエラ
第9位 カナダ 非OPEC
第10位 イラク
企業買収や企業業績に関するニュースに相場が動き、クレジットリスクや金融機関の業績悪化の思惑が広まり、世界的な株安が続き、結果として円が上昇。
バンカメがカントリーワイドを40億ドルで買収との報道も前日の予想より低く失望、JPモルガンはWashington Mutualを買収する。アメックスは景気後退を予想し資産償却に動き、メルリリンチは来週150億ドルの評価損を計上する。
サブプライム問題が続き、金価格=一時900.1ドルまで上昇、原油価格=一時92.45ドルまで下落。NYダウ=-246.79ドル。カナダドル=雇用統計の悪化にカナダドル安(USDCAD=1.0091→1.0220まで急伸)、AUDCAD=0.9019→0.9133まで急伸、カナダドル売りをリード。独、英の経済指標は弱く、ユーロは横ばい+ポンドは下落。
●ドル円
アジア市場のドル円は109.33円で取引が始まり、仲値に向けた実需筋+資本筋の買い109.72円まで上昇したが、NYタイムズ「米メリルリンチが来週150億ドルの評価損を計上する見込み」との報道を契機に、109.45円まで下落、ロシア勢の激しいポンド円の売りに(GBPJPY=214.17→212.01円まで急落、GBPCHF=2.1630→2.1423まで急落)、ドル円は109.20円→108.80円→108.60円の大口ストップロスを誘発・トライしながら、108.63円まで急落した。欧州市場は108.92円で取引が始まり、108.80円以下の本邦企業の買いを試しながら、利食いの買い戻しに一時109.23円まで値を戻し、109.10~20円では大口のドル売オーダーが並び上値は重く、108.60円以下のストップロスのトライを続けながら、108.75~10円の狭いレンジで売り買いの攻防が続いた。米国市場に入っても、弱い米国株に、円とスイスを買う動きが続き、01:00時のロンドンフィキシングでは109.15~20円まで上昇したが、ドル売りオーダーは厚く、結局は108.75~15円のレンジを抜け出すことはできず、108.84円で取引を終了した。
●ユーロドル
アジア市場のユーロドルは1.4802で取引が始まり、1.4786を安値に1.4816まで上昇したが、ロシア筋の激しいポンド売りの影響(GBPUSD=1.9615→1.9503→欧州市場1.9484安値)に、1.4776まで下落した。欧州市場は1.4800で取引が始まり、独WPIや英鉱工業生産・製造業生産高が予想を大幅に下回り、1.4762~1.4815のレンジで激しい売り買いの攻防が続いた。UBSが「サブプライム関連のポジションがもたらす、最終的な損益の打撃は予想できない」との株主向けのレターを流し、売り買いが混在したが、弱い米国株を材料に、1月4日の高値1.4825を試す買いと、1.4800~20の売りに挟まれて、1.4770~05の狭いレンジで取引が続いた。欧州市場が取引を終了した薄商いの中で、一時1.4819まで上昇したが後続は無く、1.4772まで値を下げ、1.4776で取引を終了した。
●ユーロ円
アジア市場のユーロ円は161.91円で取引が始まり、仲値での買い需要に162.30円まで上昇したが、本邦輸出筋+米系証券の売り+ドル円売りに、上値は重く上げ渋り161.62円まで下落、本邦勢の買いに下げ止まり、161.60~85円の揉み合いから、ポンド円の大口売りに160.70円まで急落となった。欧州市場は161.22円で取引が始まり、本邦勢+ファンド勢の買いに161.50円まで値を戻したが、来週の米金融機関の決算発表を危惧した売りや、株安=円買いの流れに上値は重く、160.67円まで続落となった。米国市場に入っても、弱い米株にポジション調整の円売りも続かず、一時161.55円まで値を戻したが、引けにかけては160.67円まで再び下落、160.80円で取引を終了した。
●主な経済指標の結果
08:50 日本 12月マネーサプライM2+CD=前年比2.1%(予想2.0% 前回2.0%)
14:00 日本 12月の景気ウォッチャー調査=現況判断DI=36.6(前回38.8)、 先行き判断DI=37.0(前回38.8)
16:00 独 12月の卸売物価指数(WPI)=前月比-0.5%(予想0.3% 前回1.0%)、 前年比5.1%(予想5.9% 前回5.7%)
18:30 英 11月の鉱工業生産=前月比-0.1%(予想0.1% 前回0.5←0.4%)、 前年比0.4%(予想0.5% 前回1.0%)→ 予想を下回りポンド売りとなる
18:30 英 11月の製造業生産高=前月比-0.1%(予想0.1% 前回0.3%)、 前年比0.1%(予想0.3% 前回0.3%)
21:00 カナダ 12月の失業率=5.9%(予想5.9% 前回5.90%)、雇用ネット変化=-1.87万人(予想1.5万件 前回4.26万件)→ 予想を下回りカナダドル売りとなる
22:30 カナダ 11月の貿易統計=37億カナダドル(予想33億カナダドル 前回31.3←33.2億カナダドル)、輸出=379.1億カナダドル(前回367.8←373.6億カナダドル)、輸入=342.1億カナダドル(前回336.5←340.5億カナダドル)
22:30 米 11月の貿易収支=-631.2億ドル(予想-591億ドル 前回-577.7←-578.2億ドル)
22:30 米 12月の輸入物価指数=前月比0.0%(予想0.2% 前回3.3←2.7%)、 輸出物価指数=0.4(予想0.4% 前回0.9%)
04:00 米 12月の月次財政収支=482.6億ドル(予想500億ドル 前回419.6億ドル)
●昨日の主な発言その他
米国・カナダ
◎ホーニング・カンザスシティ連銀総裁=米経済は減速したが2008年の見通しはそれほど悪くない。インフレ圧力は高まっている。
◎FRB外国中銀の米財務省証券・政府機関際保有高=前週比-54億ドルの2.0580兆ドル。
◎ムーディーズ=FRBの追加利下げによりリセッションか回避される可能性。
◎カナダ財務省高官=カナダの2008年経済成長率を下方修正する見通し。米住宅市場の低迷はカナダドル高、海外との競争激化が背景。
◎NYタイムズ・メリルリンチ=来週150億ドルの評価損を計上する見込み。
◎バンカメ、カントリーワイドを40億ドルで買収へ
◎ミシュキンFRB理事=金融市場の混乱は経済成長見通しに対するかなりの下向きリスク。一段のひっ迫に繋がる可能性。今後も断固とした行動をとる。
◎ローゼングレン・ボストン連銀総裁=米住宅価格は一段と下落し、住宅低迷により景気減速が加速刷るかの可能性がある。
◎プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁=最大の懸念は、住宅・株式市場の資産価値が低下し個人消費が減速する可能性。追加利下げの可能性はオープン。
欧州・英国
◎UBS株主向けのレターで=サブプライム関連のポジションがもたらす最終的な損益の打撃は予想できない。B1079
◎ウェーバー独連銀総裁(TVインタビュー)=ドイツの利セッション入りを懸念する材料はない。 2008年の成長は2%をやや下回る見込み。 減速が予想以上に急激になるリスクは存在。賃金上昇によるインフレリスク高まる。
日本・その他
◎福井日銀総裁=上下両方向のリスクバランスをどう対応するかという局面に入りつつある。スタグフレーションに陥る前に安定軌道維持の整備を丹念にやる。米景気は目先低成長し、その後は安定成長に向け軟着陸する可能性が高い。
◎損保ジャパン=サブプライム含むCDOで清算の可能性が生じ340億円の支払準備金を計上した。
◎トルコ戦闘機がイラク北部を爆撃
◎OECD景気先行指標=G7各国は98.9(前回99.5) 日本95.3(95.0)、OECD加盟国99.0(前回99.5)
成人の日(東京市場休場)
06:45 (NZ) 11月住宅建設許可
16:45 (仏) 11月経常収支
18:30 (英) 12月生産者物価指数
19:00 (ユーロ圏) 11月鉱工業生産
16:45 (仏) 12月消費者物価指数
18:30 (英) 12月消費者物価指数
18:30 (英) 12月小売物価指数
19:00 (独) 1月ZEW景況感調査
19:00 (ユーロ圏) 1月ZEW景況感調査
22:30 (米) 12月生産者物価指数
22:30 (米) 12月小売売上高
22:30 (米) 1月ニューヨーク連銀製造業景気指数
24:00 (米) 11月企業在庫
08:50 (日) 11月機械受注
08:50 (日) 12月企業物価指数
08:50 (日) 11月経常収支
08:50 (日) 11月貿易収支
16:00 (独) 12月消費者物価指数・確報
18:00 (南ア) 11月実質小売売上高
18:30 (英) 12月失業率
18:30 (英) 12月失業保険申請件数
19:00 (ユーロ圏) 12月消費者物価指数
22:30 (米) 12月消費者物価指数
23:00 (米) 11月対米証券投資
23:15 (米) 12月鉱工業生産
23:15 (米) 12月設備稼働率
28:00 (米) 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
06:45 (NZ) 第4四半期消費者物価指数
09:30 (豪) 12月新規雇用者数
09:30 (豪) 12月失業率
13:30 (日) 11月鉱工業生産・確報
13:30 (日) 11月設備稼働率・確報
17:15 (香港) 12月失業率
18:00 (ユーロ圏) ECB月例報告
19:00 (ユーロ圏) 11月貿易収支
22:30 (米) 1/13までの週の新規失業保険申請件数
22:30 (米) 12月住宅着工件数
22:30 (米) 12月建設許可件数
26:00 (米) 1月フィラデルフィア連銀景況指数
06:45 (NZ) 11月小売売上高指数
08:50 (日) 11月第3次産業活動指数
08:50 (日) 1/12までの対外及び対内証券売買契約等の状況
14:00 (日) 12月消費者態度指数
18:30 (英) 12月小売売上高指数
19:00 (ユーロ圏) 11月建設支出
22:30 (加) 11月製造業出荷
24:00 (米) 1月ミシガン大消費者信頼感指数・速報値
24:00 (米) 12月景気先行指数
新興財閥ノボリペツク製鉄所会長「鉄鋼王」ウラジーミル・リシンのほかにもう一人、ロシアには「鉄鋼王」が存在します。ロシア最大の鉄鋼メーカー「セベルスタリ」筆頭株主のアレクセイ・モルダショフです。この人物、経営に関して相当したたかな手腕を発揮しています。モルダショフは、セベルスタリ社が2002年まで所有していた自動車産業(現セベルスタ・アフト)への投資を通じて、セベルスタリの株式89%を保有するに至りました。
ちなみに独立した持ち株会社として独立したセベルスタ・アフト社はその後、フィアットと共同で2007年後半からバン「デュカト」をロシアで生産すると発表したほか、日本のいすずと提携して小型トラックの生産・販売に踏み切ると発表しています。
そのセベルスタリ社は2006年3月、鉄鋼世界2位のアルセロール社(ルクセンブルク)と経営統合すると発表しました。アルセロールに対しては、世界最大の鉄鋼会社ミッタル・スチール(オランダ)が株式公開買い付け(TOB)を実施していたので、この経営統合はアルセロールがミッタルによるTOBの阻止を狙ったものと見られていました。つまり、セベルスタリはアルセロールの「ホワイトナイト」になる筋書きだったのです。しかし2006年6月、アルセロール社はセベルスタリ社との統合計画を白紙に戻し、一転してミッタルとの合併に合意しました。
セベルスタリは1955年に創業され、ソ連崩壊後に民営化された鉄鋼メーカーです。粗鋼生産量は年間1516万トン(2005年実績)で世界12位。アルセロール社とは自動車向け鋼板の合弁会社を立ち上げるなど親密な関係にあり、アルセロール経営陣は当初、合併は妥当と判断していました。セベルスタリ社とアルセロール社の合併計画では、セベルスタリの筆頭株主のモルダショフが発行済み株式の32.2%を持つことになっていました。この計画にアルセロール筆頭株主のルクセンブルク政府などが反対の意向を示し、事態は急転したのです。
モルダショフはプーチン大統領と緊密な関係にあるとされている人物で、ゆえにセベルスタリはプーチン政権に近く、ロシアが進める資源外交戦略に巻き込まれるのをアルセロール社の株主が嫌ったとの見方もあります。エネルギー産業だけでなく、鉄鋼業も世界の中心に躍り出ようとしているロシアに対する欧州の小国ルクセンブルクによる牽制ともいえるでしょう。
ロシア政府はアルセロールによるセベルスタリの買収を容認していましたが、一方、ミッタルもあきらめず、揺さぶりをかけ続けました。米ゴールドマン・サックスはこの合併に反対するよう、アルセロールの株主に働きかけ、同計画の承認に関して臨時株主総会を開催する書簡に署名するよう求めたとされています。
経営統合が破綻したセルベスタリ社は、アルセロール社から合併契約の違約金1億4,000万ユーロを受け取ることになり、一件落着。勃興するロシア企業を交えて展開された、欧州を震源地にした世界最大級の鉄鋼会社再編劇は、日本企業にも大きな衝撃を与えました。日本に飛び火する可能性が否定できず、新日鉄などのメーカーは連携して買収防衛策に乗り出すなど右往左往しました。ちょうど一年前の出来事です。
そしてモルダショフは2006年11月、ロンドン株式市場でセルベスタリ社の新規株式公開に踏み切りました。新規株式公開(IPO)の共同主幹事として、当初シティグループ、ドイツ銀行、USBを指名しましたが、最終的には株式とグローバル預託証券(GDR)で実施。モルダショフは、最大17億ドルを調達し、自身の出資比率を75%程度にまで引き下げることを望んでいたようですが、調達額は事前の予想を下回る結果に終わったとのことです。とはいうものの、プーチン大統領と親しいモルダショフは、今後も要注目の人物であることは変わりないでしょう。
By Master K/益田 慶
米メドレーは、FRBは緊急ミーティングを開き、1月30日よりも早めに、金利引き下げを実施する可能性があるとのレポートを流した。金融市場の混乱は今年に入っても止むことを知らず、主要国では経済成長の鈍化に株安が続き、原油価格や商品価格の上昇にインフレ懸念続き、底が見えない欧米金融不安が続いている。為替相場はこれらの影響の強弱により、通貨間で非常に異なる値動きが続いている。
1月4日と1月11日を比較してみると:
金融不安+インフレリスクにドル安基調が続き、経済減速の影響を受けながらも、米国等と比較するとまだまし出るとの判断にUSDJPY・EURUSDが横ばいで、住宅市場の低迷の影響にGBPUSDは弱く、米国経済の悪影響をまともに受けUSDCADが弱く、インフレ懸念や商品市場の高騰にAUDUSD・NZDUSDが強く、インフレリスク=金融不安にUSDCHFがやや強い状況となっている。
USDJPY=108.59円→108.84↑(0.25円ドル高円安=0.23%)
EURUSD=1.4743→1.4776↑(33ポイント ユーロ高ドル安=0.22%)
USDCHF=1.1084→1.1014↓(70ポイント ドル安スイス高=0.63%)
GBPUSD=1.9739→1.9566↓(173ポイント ポンド安ドル高=0.88%)
AUDUSD=0.8720→0.8906↑(186ポイント 豪ドル高ドル安=2.13%)
USDCAD=1.0027→1.0188↑(161ポイント カナダドル安ドル高=1.61%)
NZDUSD=0.7660→0.7823↑(163ポイント NZドル高ドル安=2.13%)
Weeklyベースの比較で、円クロスを比較してみると:
円は、GBPJPY・CADJPYで円高が進み、他は円安となる、強弱がはっきりとしてきているのが特徴となった。
GBPJPY=214.35→212.91↓(1.44円 円高ポンド安=0.67%)
CADJPY=108.25→106.73↓(1.52円 円高カナダドル安=1.4%)
EURJPY=160.08→160.80↑(0.72円 円安ユーロ高=0.45%)
AUDJPY=94.67→96.92↑(2.25円 円安豪ドル高=2.38%)
CHFJPY=97.95→98.79↑(0.84円 円安スイスフラン高=0.86%)
NZDJPY=83.18→85.09↑(1.91円 円安NZドル高=2.3%)
直近のポイントを見てみると:
USDJPY=117.22円(11月26日週安値)、GBPUSD=1.9185(2007年3月9日週安値)、EURJPY=159.75円(1月4日週安値)、CADJPY=103.35円(8月17日週安値)で、EURUSD=1.4968(11月23日週高値)を超えることができるのか? GBPJPY=212.87(200週移動平均線)を一時割り込んだものの、終値ベースではほぼ同じ水準に戻して終了、今週はこの水準を割り込み越週することができるのか注目したい。
IMM通貨先物の取引からは、
JPY 12月31→1月8日=+920→+37,473と、円高期待感が強くJPYロングが増加し円高期待が高い。
EUR 12月31→1月8日=+36,655→+51,902と、ロングが増加しユーロ高期待が高い。
GBP 12月31→1月8日=-2,809→-3,262と、ショートが増加しポンド安期待が高い。
CHF 12月31→1月8日=-4,619→-2,171と、ショートが減少しスイス安期待が弱まっている。
CAD 12月31→1月8日=+22,998→+16,424と、ロングが減少しカナダ高期待が弱まっている。
AUD 12月31→1月8日=+18,024→+23,396と、ロングが増加し豪ドル高期待が高まっている。
NZD 12月31→1月8日=+13,965→13,503と、横ばい。
トルシェECB総裁は、インフレリスクの高まりに政策金利の引き上げ・横ばいを示唆し、バーナンキFRB議長は景気低迷に政策金利の引き下げを示唆した。米国は今後数四半期に渡り、リセッションに陥る可能性が高く、GDPは今年第1四半期に1%まで、第2四半期に2%まで低下する可能性が指摘され、他の先進国の中でも金利引き下げを積極的に実施する可能性が高くなっている。今週も金利引き下げが見込まれる通貨を売り、金利据え置きか、引締めが予想される通貨が買われる動きが続きそうである。
米国は1月30日に0.5%引き下げ、3月18日、4月30日にも0.25%の利下げを実施し、政策金利(FFレート)は3.25%まで急速に下げる予想が支配てきとなっている。カナダは1月22日0.25%の引き下げ、英国は2月7日に0.25%引き下げが予想され売り圧力は強い。一方、オーストラリア、NZ、スウェーデン、日本、ユーロ、スイスは金利据え置きが予想されており、買い圧力が続きそうである。
金利据え置きが予想される通貨の中でも、オーストラリア、NZは商品価格に大きく影響を受け、景気鈍化=商品価格下落の可能性も残り、通貨としては売られやすい通貨に分類される可能性も残っているが、これも商品市場次第で商品市況を見ながら取引をする必要がある。
今週は、米金融機関は14日の週から昨年第4四半期の決算発表を予定しており、業績内容により、株価が変動し、為替が変動するリスクは非常に高く、注意が必要である。また、重要な経済指標が多く値動きの荒い展開になる要因が多い。
メインイベントは、17日のバーナンキFRB議長の下院予算委員会で「米経済の短期的見通し」について証言する。また、30日のFOMCで0.5%の利下げ予想が増加する中で、16日の米地区連銀経済報告(ベージュブック) はその確認の意味で重要となる。
住宅関連の指標に相場が大きく動くことが多く、15日=英RICS住宅価格バランス、16日=豪住宅貸出、17日=米住宅着工・許可が注目さえる。また、インフレ関連では、15日=英CPI、米PPI、16日=独CPI、ユーロCPI、米CPI、17日=NZCPIと数多く控えている。米国の景気先行指数ともなっている、15日=米NY連銀製造業景気指数、17日=米フィラデルフィア連銀業況指数、18日=ミシガン大消費者信頼感指数は重要である。その他、比較的変動リスクが高いのは、18日=NZ小売売上高、英小売売上高も注意したい。
●ドル円
ドル円は、IMM通貨先物市場で円ロングが増加するなど、金融不安の拡大に相対的に円高期待が増加している。ドルやポンドの金利引き下げにより金利差縮小と、経済成長度合いの差によっても円高が維持されやすい環境になっている。一部では本邦金融機関のサブプライム関連の損失が予想されているが、まだ、他よりましで、数少ない好材料の経常黒字が円買いのテーマになる可能性もでている。11月30日の安値107.22円割れは、新たなドル売りの開始となるが、最後のあだ花の円高はどこまで続くことやら・・・・。
ドル円のWeeklyチャートは、下降トレンドを維持し、ラインの中間地点で取引が続いている。上値のポイントは、108.87 110.30円、110.84円、111.31円、111.58円、112.30円。下値のポイントは、108.03円、107.90円、107.21~38円、105.58円、103.93円。RSIは35と横ばいながら下降ラインを続け、トレンドの有る売りが続き、トレンドモメンタムは売りを継続している。トータルの判断は、①107.90円~110.20円のレンジから下値をトライ、②107.90円を割り込み、107.22円を割り込み続落の何れか。Daily=売り、Weekly=売り、Monthly=売り。
●ユーロドル
ユーロドルは、ECBの金利引上げ・据置き観測と、BOEの引下げ見通し+FRBの大幅引下げ見通しに、ユーロの優位性は変わらないと見ているが、その割に上昇力は鈍く、どうも期待外れの横綱である。横綱相撲を見せてくれるには1.5台を完全にクリアする必要があるが、その前の、1.4850をクリアすることを願うだけで、EURGBPが最高値を更新しているとは言え、GBPUSDでドル高の影響もありユーロにとってはマイナス要因で、GBPJPYを見ていると、EURJPYの売りに火がつき、その影響が気が気でならない。
ユーロドルのWeeklyチャートは、上昇ラインの中間から上限で取引が続いている。上値のポイントは、1.4803、1.4882、1.4952、1.4966~87、1.5050、1.5302。下値のポイントは、1.4627、1.4506、1.4309~32。RSIは64と上昇ラインを維持、トレンドモメンタムは買いを継続している。トータルの判断は、①1.4627~1.4970のレンジ、②1.4970を超えたら買いで、1.5台を維持できなければ一時撤退、押し目で再び買いを模索。Daily=買い、Weekly=買い、Monthly=買い。
●ポンド円
ポンド円は、英国経済の落ち込みは深刻で、住宅価格の下落と成長鈍化に、利下げ観測は強く、金利差縮小に売られやすい状況は変わらない。GBPUSDはFRBの継続的な引下げに何れかの時点で底値から反発する可能性もあり、決してポンド全面安の展開が続くとは思えない。むしろ、円に視点が移り円高の相場が続いているだけだが、200週移動平均線212.87円を一時割り込み211.97円まで下落したが、週終値ベースでは212.91円まで値を戻し、サポートが生きている。この水準を割り込み続落が確認できるまでは、下値での売りも手控えたい。
ポンド円のWeeklyチャートは、下降トレンドの下限から中間で取引が続いている。上値のポイントは、217.00えん、217.91円、218.98円、219.19~29円。下値のポイントは、210.20円、209.56円、208.50円。RSIは31と下降ラインを継続、トレンドモメンタムは売りを継続している。トータルの判断は、①209.56~219円のワイドなレンジ、②211.97円~219円のレンジ。Daily=売り、Weekly=売り、Monthly=売り。
亡命中であったブット元首相が帰国し、暗殺された。
ブット元首相が属していた政党はどこか?
正解 パキスタン人民党(PPP)
解説
パキスタン情勢はアフガニスタン問題を抜きに語れない。
タリバンは、もともとイスラム原理主義に基づいた学生運動に端を発する。アフガニスタン内乱の時代には、モラルなき武闘派の暴力行為に対し嫌気していた民衆からの支持を受けていた。当初は、アフガニスタン統一を願う純粋な学生運動として非暴力が主流であったからだ。
1996年に首都カブールを制圧後はアフガニスタン全域を支配下に置く頃には、ナジブラ大統領を公開処刑するなど過激な行動が目立つようななる。タリバンはパシュトゥーン人と連合しつつアルカイーダとも連携を強めることになる。その結果、過激原理主義、偏狭なイスラム解釈のもとに強圧的になり、国民の支持を失っていった。
タリバンの学生運動はソ連のアフガニスタン侵攻に対するレジスタンスでもあり、当時は、アメリカ政府、パキスタン政府もタリバンを支援していたのである。当時のパキスタン首相が暗殺されたべナジル・ブットである。ブットは父親の政党であるパキスタン人民党(PPP)を率いて、1988年に首相に就任した。ブットは、当時は穏健であったタリバンをアメリカとともに支援していた。アフガニスタンが安定すれば、中央アジアとの貿易回廊が開け、パキスタンは地政学的に優位な場所にあったからだ。
ブット首相は、1990年8月、汚職を告発されて当時の大統領から首相を解任された。同年10月に行われた総選挙でもパキスタン人民党は破れ、野党に転じた。その後、1993年10月、総選挙で勝利したパキスタン人民党は、再びブットを首相として送り込んだのである。しかし、1996年11月、再び汚職が原因で首相を解任されている。
告発された汚職はスイス企業に対する便宜供与であるが、スイス国内ではマネーロンダリング罪で訴追されていた。常に金にまつわる噂がつきまとい、亡命中も人物的評判は良くなかった。しかし、パキスタン国内では民主勢力の代表として国民の人気は高かった。反面、汚職にまみれる腐敗政治に嫌気をさして国民の支持も離れていた。
アメリカ政府、イギリス政府は、両国の意向を汲み取る存在として亡命中のブットを帰国させたとの観測があるが、ムシャラフ大統領もブット人気を利用してたという向きもある。いずれにせよハーバード大学、オックスフォード大学大学院卒の国民的人気者を放置しておく手はないと考えたのであろう。
現在のパキスタンの政治勢力は、ムシャラフ大統領を支持するパキスタン・ムスリム連盟カーイデ・アーザム派が議会第一党であるが基盤は盤石ではない。
2007年11月、ムシャラフ大統領は、最高裁と対立して軍を出動させ非常事態宣言、戒厳令を発令した。対立点は大統領職と軍参謀長の兼任についてである。この発令は、独裁政権への移行と捉えられ、事実上のクーデターと解釈される。そのため国際世論に配慮して11月28日、軍参謀長を辞任し、12月16日には非常事態宣言を解除した。さらに2008年1月8日、現憲法下で「自由で透明性のある方法」で総選挙を実施すると公約している。
イギリス公使オールコックの後任として1865年に駐日公使に着任したハリー・パークスは、天皇と将軍という二重構造は早晩崩れることを予測していました。英国政府から指令を受けて、パークスは兵庫・大坂などの開港や関税率の引き下げに加え、条約勅許を要求します。条約勅許とは、通商条約について朝廷の許可を得ることです。そもそも鎖国は徳川幕府が実施した外交。開国も幕府が決定すればよいのですが、尊皇派は「国家の重要案件は天皇の許可を得るべきだ」という論を展開してきました。
パークスの行動にアメリカ、フランス、オランダも追随し、英米仏蘭4ヵ国と幕府との交渉が始まります。幕府寄りであったフランスのロッシュがイギリスの主張に従ったのは、条約勅許は幕府にとって好ましいと考えたからでしょう。物価高騰を防ぐという理由から開港を拒む幕府と、物価高騰は貿易のせいではなく、幕府の物価政策のせいであるとする4ヵ国の主張とは真っ向から対立します。
1865年9月、4ヵ国は連合艦隊を組んで兵庫沖に現れ、威嚇を始めます。当時の将軍は若き徳川家茂、老中は阿部正外(まさとう)と松前崇広(たかひろ)。幕府にとっては、長州征伐どころではなくなったわけです。
朝廷の勅許が出ないことを想定した4ヵ国は「兵庫開港について速やかに許否の確答を得られねば、もはや幕府とは交渉しない。京都御所に参内して天皇と直接交渉する」と主張しました。将軍後見職の一橋慶喜は、「無勅許における条約調印は無効」と主張しましたが、阿部・松前両老中は「もし諸外国が幕府を越して朝廷と交渉を開始すれば、幕府は崩壊する」とした自説を譲りませんでした。徳川家茂は「外国の要求を受け入れるべし」と考え、阿部、松前は、やむを得ず無勅許で開港を承認します。ここで慶喜は「4ヵ国と戦争になれば敗北する。朝廷にも影響を与える」と判断し、譲歩します。
しかし慶喜は朝廷の意見として、阿部・松前両老中の官位を剥奪。追い詰められた将軍家茂は、両名を老中から外します。このように朝廷が幕府の人事に容易に介入できるようになったこと自体が、幕府の権力の低下を物語っています。
さて、兵庫・大坂などの開港と関税率の引き下げですが、最終的には攘夷主義者である孝明天皇の判断に委ねられます。天皇は兵庫の開港は不可とし、その代わり条約勅許を認め、関税率の改定を事務的に行うよう指示します。外交を好まない孝明天皇が関税率改定の決定権を握っていたことは、すでに幕府の経済政策が機能していないことを証明しています。
税率改定の交渉は1866年に江戸で行われました。安政の通商条約では輸入税5~35%、輸出税はすべて5%でした。イギリス本国がパークスに指示したのは、「このいずれをも15%にさせよ」というものでした。大減率です。この申し出を孝明天皇が承諾したのです。外交を拒んだ孝明天皇が貿易に詳しいはずもなく、また朝廷に口出しできる者がもはや存在していなかったことが幕府崩壊の要因だったのかもしれません。
税率改定の交渉の中身は、安政の通商条約では「従価税」であったものを、一律15%の「従量税」に変更せよというものです。「従価税」は価格の変動によって税額も変わる課税方式で、従価税は価格が上昇するほど税収が増え、価格が下落するほど税収が減ることになるので、インフレに対応できるのが利点です。現在の日本の物品税、消費税、輸入関税の大部分がこれです。「従量税」は平均価格を定めて量(重量、長さ、面積、個数など)にかけるものです。この場合、輸入品価格の高低は関税率に影響しないので、外国にとって有利な方式です。またインフレなどによる急激な価格変動には即応できず、負担の不均衡を招く点が短所です。
1866年に家茂が病死し、将軍職に就いた慶喜は積極的に朝廷に働きかけ、兵庫開港の勅許を得ます。幕府が頑なに拒否してきた兵庫開港は、ほかならぬ将軍の努力によって成し遂げられたのです。
By Master K/益田 慶
江戸時代に年貢の増収を図る目的で幕府や各藩は新田開発を奨励した。行政サイドからすれば開発奨励・農業振興策、平たくいえば「農地開拓」だが、耕地とともに集落が形成され、水路や街道の整備もセットになっているので「地域開発」と表現してもよいだろう。新田は巨額の利益(石高)を生み出すとともに、人口増大をまかなうために主食の米が必要になったという見方もできるだろう。新田開発は、国と自治体が同時に行った食糧増産計画という文脈からも語れそうだ。
新田開発は、江戸時代初期、享保の改革が行われた1720年頃、幕末直前にあたる1840年頃の3つのピークがある。江戸時代初期には役人や農民の主導で湖や潟、浅瀬などの埋め立てや干拓が実施され、陸地が増えて耕地となった。そもそも江戸の町の多くが埋立地であったことを鑑みれば、各藩は江戸にならったともいえよう。また丘陵地帯や台地など内陸地でも開発は進められた。こうした新田開発によって江戸時代初期に全国で1800万石だった石高(つまり国民総生産)は、江戸時代中期には2500万石、後期には3000万石と倍増に近い成果をおさめた。特に関東、東北、中国、九州などでは湖沼や潟が開発され、農地が増えた。
このような大規模な新田開発は、開発申請者に勘定奉行が許可し、工事が始められた。新田が完成して数年間は年貢が免除されるという特権もあったという。
興味深いのは、官営の新田と民営の新田が共存したことだ。幕府の直轄領や藩の所有地の開拓は当然公共事業だが、農民たちが独自で開発するのは民間事業である。「首長は民のために土地を耕す。農業をしたい者は自力で開発しろ」という江戸時代の土地開発は、とてもわかりやすい政策だ。幕府や藩がすべての地域開発を計画的に進めれば、それは無味乾燥した社会主義に陥る。モチベーションの高い農民はやる気をなくすだろう。
官営の新田は、幕府天領の代官が許可して行われる「代官見立新田」と、藩が主導で行う「藩営新田」があった。前者は天領なので幕府がオーナーである。農民は雇われる立場にあり、代官は年貢の10分の1の収入を得た。「藩営新田」は藩が農民に農地開発に必要な資材を提供して新田を開発させるかわりに数年間の年貢の免除を保障した。官営の新田で著名なのが、干拓と治水を含む利根川水系開発だ。資料によれば65年の歳月を費やしたという。
民営の新田には、下位の武士である土豪たちが資金を出し、周辺の農民を雇って開発した「土豪開発新田」、農民たちが村全体で資金と労力を提供して開発する「村請新田」、資金力のある大都市の商人が開発し、小作農を雇って耕させる「町人請負新田」があった。
幕府の財政危機から脱却するために徳川吉宗が実施した「享保の改革」では、幕府は次のような新田開発を促した。天領の内で大名領と入り組む場所であっても新田になりそうな土地があれば五畿内(摂津、河内、和泉、大和、山城国)の場合は京都町奉行に、西国・中国の場合は大坂奉行所に、北国・関八州は江戸町奉行所に願い出るように――。
この政策は、幕府が資金を負担することなく、民間資金を導入することで年貢地の拡大を目論むものである。そのかわりに開発地の一部を出資者が所有することを許可し、開発者は地主として小作料を徴収できる。つまり農地のオーナーになれるということだ。このしくみは「税金を低く設定するから、この地に支社を出してくれ」「土地を格安で提供するから、この地に工場を建ててくれ」といった国が設ける「経済特区」とそっくりである。
この時代に開発されたのが、関東ローム層地帯にあり、水に乏しかったことから農業にはきわめて不適切であった武蔵野の台地である。幕府が有能な農業技術者を派遣し、武蔵野の土豪が開発した。こうして関東平野が拓かれていったのである。
しかしながら弊害も少なくなかった。新田開発ブームに便乗した無計画な開発による水害である。水脈を加工したことで洪水が起こり、新田が崩壊するケースも各地で見られたという。江戸時代の事業も大きなリスクが伴ったという教訓のひとつである。
By Master K/益田 慶
本日は日本が成人の日の休日で、アジア市場は薄商いの取引となることが予想されるが、先週にバーナンキFRB議長の金融緩和継続を示唆する発言に、一時値を上げた米株式市場は、先週末には、米金融機関の第4四半期決算の業績悪化懸念に再び大幅な下落となった影響が心配される。
米国は1月30日のFOMCで0.5%の利下げ期待が強く、英国では2月7日のBOE金融政策委員会で0.25%の利下げの可能性が高く、市場は既にこれを十分折込み、EURGBPは歴史的な高値を更新している。本日は、英DCLG住宅価格と英生産者物価指数の発表があり、この結果に週初からポジション調整が入りやすくなっている。
●ドル円
ドル円は、110円台の本邦実需筋の売りに支えられ上値は重く、既に109.40円以上から売りのオーダーが見え始めている。また、米国経済の鈍化がバーナンキFRB議長から示され、日米金利差の縮小や、欧米金融不安の増加の恐れに、シカゴIMM先物市場でも円のロングが増加し、一時的な円売戻の調整が入る可能性は否定できないが、円高期待が強まっている。
ドル円の4時間チャートは、107.20円~110.20円のレンジで取引が続いている。上値のポイントは、109.12円、109.53円、110.07~20円。下値のポイントは、108.60円、107.90円、107.53円、105.90円。RSIは48と上昇ラインが崩れ売りに変化している。トレンドモメンタムは買いを継続しているが、80を割り込むと売りに変化しやすくなっている。トータルの判断は、①109.53円を超えるまでは売りを継続。②108.60円を割り込んだら売りが加速する。③107.90円~109.53円のレンジ。
●ユーロドル
ユーロドルは、トルシェECB総裁からインフレ懸念が表明され、ECB理事会では利下げは討議されなかったとの発言は、本来はユーロ買いが加速する強気の発言でもあったが、結果は1.48台を維持できず、売られることも無く、不思議な安定となっている。今日明日の時期はわからないが、今週は多くの経済指標の発表が控えており、今までのレンジ相場を抜け出すことを期待したい。
ユーロドルの4時間チャートは、1.4750~1.4850のレンジで取引が続いている。上値のポイントは、1.4807、1.4824、1.4837、1.4866、1.4886。下値のポイントは、1.4746~54、1.4706、1.4640~48。RSIは61と上昇ラインが続き、トレンドモメンタムは買いに変化している。トータルの判断は、買い。①1.4747、または、1.4706を割り込むまでは買い。②1.4866を超えたら買いが加速。③1.4747~1.4866のレンジ。
●ポンド円
ポンド円は、BOEは2月に0.25%に利下げする可能性が高く、住宅関連は弱く、クロスを含め売りのターゲットとなっていた。ポンドドルは安値を更新しているが、1.95台は多くのテクニカルポイントが横たわり、ポンド売りの目標を有る意味では達成している。結果として、この水準からのポンド円の売りは慎重に対応したい。
ポンド円の4時間チャートは、213円~218円のレンジから、下限を割り込み弱い下降トレンドができている。上値のポイントは、214.01円、215.27円、217.00~31円。下値のポイントは、211.90円、210.24~28円、208.60円、208.09円。RSIは43と上昇ラインが崩れ下降ラインに変化している。トレンドモメンタムは80を割り込み売りに変化しやすくなっている。トータルの判断は、売り。①214.01円を上抜けするまでは売り。②211.90円を割り込んだら売りが加速。③210.28円~215.27円のレンジ。
●本日の経済指標・その他
成人の日(東京市場休場)
06:45 NZ 11月の住宅建設許可=前月比予想 前回-4.8%
09:30 豪 12月のANZ Job Ads=予想 前回0.7%、 TD-MI inflation guage=前月比予想 前回0.3%、 前年比予想 前回3.4%
17:30 スウェーデン 消費者物価指数(CPI)=前月比予想0.3% 前回0.6%、前年比予想3.6% 前回3.3%、UND1X=前月比予想0.3% 前回0.5%、前年比予想2.2% 前回1.9%
18:30 英 11月のDCLG住宅価格=前年比10.7% 前回11.3%
18:30 英 12 の生産者物価指数(PPI)= コア・産出指数(output)=前月比予想0.2%、前回0.1%、前年比予想2.3% 前回2.2%、PPI・投入指数(Input)=前月比予想0.8% 前回1.7%、前年比予想10.4% 前回10.2%、PPI・産出指数(output)=前月比予想0.4% 前回0.5%、前年比予想4.6、前回4.5%
19:00 ユーロ 11月の鉱工業生産=前月比予想-0.8% 前回0.4%、前年比予想2.8% 前回3.8%
1859年から始まった幕末の貿易。港として最も栄えたのは横浜でした。日米修好通商条約では「神奈川港」を開港地としましたが、幕府は東海道に直結し、当時すでに栄えていた「神奈川湊」を避け、外国人居留地を遠ざけるため、対岸の横浜村を「神奈川在横浜」と称して開港地としたのです。横浜村には、短期間で居留地、波止場、運上所(税関)など国際港の体裁が整えられました。余談ですが、今に残る横浜中華街(横浜市)は、外国人居留地の中に形成された中国人商館を起源としています。
幕府は、外国商館に出入りする商人たちが舶来品を売りさばくことはもちろん、「居住している外国人の商店からどんな商品を買い取ることも勝手である」と全国に布告しました。貿易開始直後、神奈川奉行が幕府に提出した報告書によれば、呉服、塗り物、箱物、鳥屋、薬師店、金物店などおよそ百軒が店開きをしたそうです。こうして、たちまち横浜は長崎を抜いて、国内の貿易の扱い高第一位となりました。
日本からの輸出品で最も多いのは生糸でした。ヨーロッパの生糸が蚕の病気で壊滅状態にあったことと、日本の生糸の品質のよさが欧州の商人に認められたからです。生糸貿易の主導権を握っていたのは外国商館です。彼らは欧州やアジアとの貿易でノウハウを持っています。一方の日本人商人や幕僚には貿易の知識も交渉能力も何もありませんでした。
しかし、やがて生糸の輸出がこれ以上増えると国内の絹織物生産に悪影響を及ぼすとして、幕府は抑制しようとします。大量の輸出によって生糸はどんどん値上がりし、さらに品薄になった生糸を貿易商が買い占めたため、生糸の値段は悪循環のように値上がりを続けました。いくら需要があっても、急に蚕が増えるわけでもなく、生産の増加は望めません。
1859年、ロンドン市場に初めて日本の生糸が登場したとき、欧州の商人は日本の市価より高い一梱200ドルくらいで買い上げました。横浜が開港すると、たちまち500ドルにはね上がり、さらに800ドルまで達しました。そのため、国内の需要はそっちのけで、生糸業者は全部輸出にまわしていきました。生糸が高値で売れるとなると、農家は桑畑を増やし、蚕を飼い、繭の増産にエネルギーを注ぐようになります。米主体の農家のあり方まで変わったのです。貿易が輸出国・輸入国の産業に大きな影響を与える実例として読んでください。
輸出品が値上がりすると、絹織物の産地である桐生や伊勢崎、京都・西陣の業者がいくら金を出しても原料の生糸が手に入らなくなり、営業が困難になります。「これは貿易の結果である」という抗議が幕府に寄せられます。西陣や桐生地方の織物関係者1500人が生糸輸出の禁止を幕府に懇願した、という記録が残っています。
そして生糸の輸出は、ほかの糸偏の産業にも大きな影響を及ぼしました。原料の生糸が国内に流通しなくなると、安価な綿糸や綿織物が輸入されるようになり、今度は日本の小規模手工業である、機織りによる綿糸、綿布などの生産も大きな打撃を受けることになったのです。絹も綿も商売にならない。これでは商人たちが「幕府の貿易政策はダメだ。佐幕派に献金しよう」と考えてもおかしくありません。
これらの現象は現在、形を変えてほかの産業で進行しています。かつて特定の野菜の産地であった地域が農業政策によって廃業せざるを得なくなりました。現在では、その野菜の産地であった町のスーパーには、安全に不安が残る安価な中国野菜が並んでいます。一方、他の地域から野菜を運んでくるとなると、国内の移動にかかるコストが販売価格に反映し、その結果、国内のブランド野菜は遠隔地でも手に入るが、すこぶる高額になるという現象が起こります。細々と続けている農家が「与党の農業政策はダメだ。野党を支持しよう」と方向転換するのは当然の成り行きでしょう。
By Master K/益田 慶
ロシアの電力で思い浮かべるのは、2005年5月25日、モスクワ南部とカルーガ州、トゥーラ州に及ぶ大規模な停電です。広域な範囲が暗闇に包まれ、日本のニュースでも大きく取り上げられました。停電の原因は老朽化した変電所の火災で、ロシアの電力を独占する「統一エネルギーシステム」(統一電力体系、統一電力機構、統一エネルギー機構からなるグループ)に対して、批判が集まりました。同社は職務怠慢と背任の容疑で捜査を受けました。
この「統一エネルギーシステム」を牛耳るのが、ロシアの新興財閥のひとりで、政治家でもあるアナトリー・チュバイス会長です。彼はエリツィン大統領後期にボリス・ベレゾフスキー(石油会社シブネフチ創業者、自動車会社ロゴバス前会長、現在イギリスに亡命)やロマン・アブラモビッチらとともにロシアの政財界に大きな影響力を与えた人物です。1955年生まれのチュバイスは、レニングラード市執行委員会副議長、第一副議長、ぺテルブルグ市長首席顧問を歴任後、1992年6月、ロシア連邦政府の民営化担当副首相に就任。エゴール・ガイダル首相代行とともに急進的市場経済改革を実施しました。
しかし、ガイダルやチュバイスたちが実施した経済改革は、まだ資本主義経済に慣れていなかったロシアにハイパーインフレをもたらしました。チュバイスは民営化を推進するにあたり、国営企業の経営者をそのまま、民営化した企業の経営者に抜擢したので、競争原理を導入したばかりのロシア経済に不平等な結果を招きました。そしてのちに政界を操るようになる新興財閥が生まれ、ロシア社会に貧富の差が増大したのです。
チュバイスはそれでも政治家として生き残りました。1994年11月から1996年1月まで、有価証券委員会担当第一副首相を務めます。1996年の大統領選挙ではエリツィン陣営の選挙対策本部の責任者に就任し、ベレゾフスキーや新興財閥と協力し、エリツィンを再選に導きました。その功労により、1996年に大統領府長官、翌年には第一副首相兼蔵相に就任。41歳という若さでロシア政府“大蔵大臣”に就任したわけですから、その政治手腕と運には驚くべきものがあります。チュバイスは1997年に第一副首相兼蔵相を辞任後、自らが民営化した企業の会長に就任します。彼が天下った先が、ロシアの電力を独占する「統一エネルギーシステム」だったとは、よくできたシナリオです。
しかし、チュバイスはその後も政治的な活動を続け、ルーブルの下落を防ぐキリエンコ首相代行を支持します。リエンコは新興財閥のバックアップを受け、資本の流出を止め、投資家を引きつけて国債を消化させるために、150%の超高金利政策を打ち出します。しかし、投資家はすでに量から質へ転換しており、原油価格の低迷からロシア財政改善にはつながらず、資本の流出は止められませんでした。1998年には、ルーブルを買い支える資金がなくなり、為替レートを維持する資金をIMFから援助してもらうまでになります。
これが「ロシア金融危機」です。そもそもロシアの貿易は輸出の80%を石油や天然ガスなどの天然資源に依存していたため、世界経済の状況に影響されやすく、当時はおりしも世界的なデフレで物価が下落しつつあり、財政は悪化していました。そこにアジア通貨危機の余波を受け、債務不履行が起こります。経済状況の悪化を反映してルーブルも下落し、脱税が蔓延して政府の収入が減る一方で、賃金、年金、各種サービスへの支払いなどにあてる財源がありませんでした。結局それらの支払いを一時停止し、ロシア政府はルーブルではなく現物支給を行って急場をしのいだのです。
さて、エリツィン・ファミリーの一員としてロシアの政財界に強い影響力を誇ったチュバイスですが、プーチン政権で状況は一変します。プーチンは新興財閥が政治に介入することを嫌ったからです。チュバイスもアブラモビッチ同様、政治的な影響力は薄れたと見られています。
By Master K/益田 慶
IBMの第4四半期の利益見通しが強く、米国株は値を上げたが、今週は金融機関の決算発表が続き収益見通しは悪く、米金利引き下げ見通しと合わせ、米シティグループやメリルリンチなど、米国を代表する金融機関は、膨大は資金注入を必要とし、ドル売りの材料は消えそうに無い。ドル円の下落を予想しながらも、ネガティブキャリで長い間、ドル円のショートポジションを維持することは現実的に難しかったが、将来、もし、FRBは3%台まで金利引き下げを実施すると、結構ドル円の売りも楽になる。市場では早ければ3月~4月までこの水準に達するとの見通しも増えている。
ドル円が昨年11月の最安値(円高値)の107.21円を狙う位置まで下落、ドルスイスは11月の最安値(スイス高値)の1.0889を割り込み1.0886と僅かならが最安値を更新している。この2強の動きからも、金融不安のリスクヘッジが続いているように思えてならず、遅かれ早かれ最高安値を更新することを期待したい。
今まで動意の乏しかったユーロドルもようやく買いが始まり、ドル全面安の展開が何処まで続くのか楽しみである。市場センチメントはユーロブル派とベア派が混在していたが、ロイターなどのアンケートでは2008年にユーロドルは1.4と見ている市場参加者は多かった。現実は・・・・? 今日明日のことではないかもしれないが、1.5を超え何処まで上昇するのか楽しみである。
●ドル円
ドル円は、特に円買い材料があるわけではないが、ドル売り材料が多く、結果として円高となっている。円は海外勢のキャリートレードの売られ役で、国内勢では高金利を狙った海外投資の対価で、金利差縮小が為替相場い与える影響は、暫くは重要なテーマでドル円の売り材料となっている。気が早いが長期的には一部で予想されえいるような、100円を割り込むような大幅な円高相場が再来するとは思えない。無いほうにベットしたい。
ドル円の4時間チャートは、107.20円~110.20円のレンジが継続しているが、107.90円を割り込み下降トレンドに入っている。上値のポイントは、108.05円、108.40~47円、109.03~16円。下値のポイントは、107.53円、107.21~29円、105.90円。RSIは下降ラインが続き、トレンドモメンタムは売りを継続している。トータルの判断は、売り。①108.40~47円を超えるまでは売りを継続、②107.53円~108.40円のレンジ、③107.20円を割り込むと105.90円までの下げが加速する可能性が高い。
●ユーロドル
ユーロドルは、ユーロ高懸念や景気鈍化の見通しや、中東勢の売りにユーロ買い材料に反応が鈍く、狭いレンジで取引が続いていたが、ようやく上抜けした。この通貨の特性からは続伸の可能性は低いものの、ユーロ買いの流れが再確認された可能性が高く、押し目を狙い、大幅な上昇に結びつくことを期待したい。
ユーロドルの4時間チャートは、1.4750~1.4850のレンジの上限を抜け、新たな上昇が始まっている。上値のポイントは、1.4897、1.4915~20、1.4946、1.4966、1.5020。下値のポイントは、1.4853、1.4819、1.4809、1.4796、1.4738。RSIは67と上昇トレンドが続き、トレンドモメンタムは買いを継続している。トータルの判断は、買い。①1.4795を割り込むまでは買いを継続。②1.4800~1.5020のレンジ。③1.5020を超えたら買いが加速。
●ポンド円
ポンド円は、ポンドドルが値を戻したものの、ユーロポンドの上昇や、ポンドスイスの売りに、どうしても上値を回復できないでいる。また、金融不安+BOEの利下げ観測=円買いの流れに、ポンド円は続落しているが、NZDJPYやAUDJPYは堅調で、商品価格の上昇の影響を大きく受けている。クロスもこの通貨間の組み合わせが、ポンド円より興味深い。
ポンド円の4時間チャートは、213円~218円のレンジの下値を抜け続落となっている。上値のポイントは、212.00円、212.74~79円、213.46円、214.00~07円。下値のポイントは、210.24~26円、208.09円、207.55円。RSIは38と下降ラインが続き、これを上抜けすると買いに変化しやすくなる。トレンドモメンタムは売りを継続。トータルの判断は、売り。①213.46円を上抜けするまでは売り。②210.26円~212.80円のレンジ、③210.28円を割り込むと売りが加速。
●本日の経済指標・その他
06:00 NZ NZIER business opinion suvey=予想 前回-27
18:30 英 12月の消費者物価指数(CPI・HICP)=前月比予想0.5% 前回0.3%、 前年比予想2.1% 前回2.1%、 RPI(小売物価指数)=前月比0.6% 前回 0.4%、前年比予想4.0% 前回4.3%、小売価格(RPIX)=前月比0.6% 前回0.4% 前年比3.1% 前回3.2%。
17:00 独 2007年の年間GDP=予想2.5% 前回2.9%
19:00 独 1月のZEW景況感調査=予想-40.0 前回-37.2、 現況指数=予想60.0 前回63.5
19:00 ユーロ 1月のZEW景況感調査=予想-37.2 前回 -35.7
22:30 米 12月の生産者物価指数(PPI)=前月比予想0.2% 前回3.2%、 コア前月比予想0.2% 前回0.4%、コア前年比予想2.0% 前回2.0%
22:30 米 12月の小売売上高=前月比予想0.1% 前回1.2%、除く自動車予想0.1% 前回1.8%
22:30 米 1月のNY銀製造業景気指数=予想10.0 前回10.31
00:00 米 11月の企業在庫=前月比予想0.4% 前回0.1%
英 12月のRICS住宅価格バランス=予想-45.0% 前回-40.6%
日銀支店長会議
イングランド銀行ポンドの資金供給を実施
ジョーダンスイス中銀理事の発言
湾岸戦争が勃発した1991年、原油価格は瞬間的に40ドルを超える水準まで復活したが、停戦後は18ドル前後で推移。OPEC諸国は減産に合意しながらベネズエラやナイジェリアなど数カ国が抜け駆けるという繰り返しが続く。一方で石油メジャーはOPEC諸国以外の油田を開発していた。
ソ連が崩壊し、生まれ変わったばかりの大国ロシアが自国で石油開発に乗り出したのは90年代半ばである。ロシア・サハリン島沖における大規模な石油・ガス開発は、1995年にロシア政府が、エクソンモービルやロイヤル・ダッチ・シェルなどの石油メジャーが主体となったコンソーシアムと契約したことから始まった。
時代をさかのぼると、サハリン島で石油・ガスの鉱床が発見されたのは1970年代後半であった。約450億バレル相当の資源を有するといわれる新たな世界規模の石油・ガス開発地域がそこに広がっていたのである。しかし1980年代に入ると国際石油価格が低迷、80年代半ばには大幅に下落し、当時のソ連はサハリンプロジェクトを見送った。社会主義経済のもとでは西側諸国からの資本と技術の自由な移動は制限されていたし、ソ連はカピス海の油田開発以外、本格的な海洋開発の経験はなかったからだ。
1994年までにサハリン北東部の大陸棚では合計8つの石油・ガスの鉱床が発見された。湾岸戦争が勃発した1991年、崩壊直前のソ連がサハリンプロジェクトの一部を国債際入札すると公表。これがサハリンⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ、Ⅵと呼ばれる巨大プロジェクトに成長していく。現在開発が進んでいるのが「Ⅰ」と「Ⅱ」だ。どちらも日本企業が密接にかかわっている。
日本にとっての大きな意義は、日本から極めて近距離に位置する巨大エネルギー安定供給源の確保である。中東と日本の概算距離は6510マイル、一方のサハリンと日本の距離は960マイルだ。さらに中東産油国に原油供給を依存し、オイルショックを経験した教訓から原油の供給を中東だけに頼るのはリスクが高いという判断もあっただろう。
「サハリンI」プロジェクトは、エクソンモービルの子会社が開発の主体となる国際共同開発事業で、日本からは「サハリン石油ガス開発」が30%の権益を保有し、伊藤忠商事と丸紅も参加している。2001年12月に商業化宣言が行われ、2006年9月にデカストリに石油積出ターミナルが完成し、日本向けを含む石油の本格的輸出が開始された。天然ガスについては約200万トン(LNG換算)をロシアに供給している。「サハリンI」の特徴のひとつは天然ガスの輸送手段として海底パイプラインの敷設を念頭に置いていたことだ。そのサハリン東沖からサハリンを横断し、ロシアの不凍港デカストリを結ぶパイプラインはすでに完成している。次の展開は日本・中国両国のパイプラインによるガス供給のマーケティング活動だろう。
一方の「サハリンII」プロジェクトには少し複雑な経緯がある。1994年、ロイヤル・ダッチ・シェルと三井物産、三菱商事の合弁であるサハリン・エナジー・インベストメント社が事業主体となりプロジェクトが進められた。開発にかかる総費用は当初200億ドルと見積もられた。1999年に第一段階の原油生産が行われ、2001年に全体計画がロシア政府に承認された。
ところが、2006年9月、ロシア政府は環境アセスメントの不備を指摘し、突然開発の中止命令を出したのだ。「サハリンII」は生産物分与協定(PSA)に基づき開発が行われており、ロイヤル・ダッチ・シェルと三井物産、三菱商事の3株主がプロジェクトの建設資金を調達し、開発リスクを負い、原油及び天然ガスの販売収入から資金を回収する仕組みとなっていた。2006年末までに、約6億米ドルをロイヤリティーや税としてロシア政府に支払っていたことから、大きな問題に発展しそうな気配を漂わせていた。一方のロシア政府もサハリンの環境破壊に対し、損害賠償を請求するというニュースが各国を駆け巡った。
By Master K/益田 慶
2008年4月4日-27日 小栗上野介展が開催されることになりました。
会場は、明治大学博物館です。
小栗上野介は神田駿河台生まれです。その地にある明治大学が企画しています。
興味のある方は、是非ご覧になってみてください。
江戸は1718年に人口100万人を越えていたとされていることから、当時としては世界最大の都市であったようです。人口が増えれば自ずと産業が発展します。イギリスやドイツのような産業革命を体験していなくても、日本には工業経営の新しい型が形成されていたようです。織物業、製糖業、製鉄業などの分野に部分的ではあるにせよ、マニュファクチュアが存在し、問屋制家内工業が生まれました。
織物業では商人や織元から原料の織糸を供給され、自分の作業場で機織を行い、製品の布を商人や織元に渡して織賃を受け取る「賃機(ちんばた)」システムが農家の副業として普及していました。これは織元から機械を借りて仕事をすることではなく、親機業から委託を受けて、下請け製織する業者のこと、あるいは業界の制度のことです。親機業者がデザインと資材一切を賃機業者に預託し、賃機業者は設備と労力を提供するというこのシステムは、現在でも西陣織の世界で息づいています。
横浜の開港によって生まれた居留地貿易を代表するものが生糸輸出です。すぐに総輸出の5~8割に達しましたが、先週のコラムで紹介したように生糸輸出の開始は、日本の絹業に大きな影響を与えました。
絹業は養蚕・製糸・織布の3つの基本工程に分かれており、生糸の輸出の増大にともない、養蚕・製糸業はともに発達のチャンスをつかみました。しかし製糸を原料としている織布部門は品不足とインフレによって、破壊的な打撃を受けたのです。
綿業は綿作・手防・織布の3つの工程に分かれています。産業革命の産物である機械製の綿布は、1865年頃から大量に日本に流入し、織布部門は原糸を輸入糸に転換することで新しい発展の方向を求めました。当時の輸入品目を見渡すと、綿織物、綿糸、毛織物が大半を占めています。綿製品は当時の日本の日常衣料品であったため、綿製品の輸入が農民の衣料品自給生産を縮小させ、商品経済を農民に浸透させたのでしょう。
こうして外国貿易の展開は衣料品をはじめとする消費物資の輸入によって、綿、砂糖、菜種などの国内市場を対象とする商品生産の衰退を招くとともに、また生糸、茶などの国外市場を対象とする商品生産の急激な発展をもたらしました。しかし、他面ではインフレの発生が産業分野の明暗を分けたのです。
幕末の江戸では、貿易にともなう商品需給の不均衡によって2倍半~7倍余のインフレが起こりました。このような激しいインフレは貿易商人に巨利をもたらし、生糸、茶など直接輸出品に携わっている商人や一部の豪商を裕福にするその一方で、年貢の増徴が農民をますます貧窮に追いやりました。こうして領主や封建制度に対する反発が激化し、全国的に産業の自由、経済生活の平等化などを求める一揆や百姓一揆、打ちこわしが激化しました。藩の財政も一部雄藩を除いては、いっそう悪化し、下級武士の貧窮化を促しました。特に下級武士は開港を断行した幕府ならびにそれに従った上級武士、さらに外国貿易によって莫大な利益をえた貿易商人を恨み、盛んに外人殺傷、貿易商人脅迫などの事件を巻き起こしました。
このようなことから、身分的支配体制は揺り動かされ、社会の統合力は弱まっていきました。そして経済的秩序の混乱が、社会的政治的不安定に拍車をかけ、下級武士層の主導する政治変革運動の力が広まったのです。
長い鎖国のなかでそれなりの安定を保っていた貨幣制度や諸物産の生産と流通のシステムが、開国による外国貿易の本格化とともに、それまで想像できなかったような変化をもたらしました。外国から入って来た新しい商品、新しい知識、新しい技術は、そうした商品を取り扱おうとする商人たちや、輸入品を模してこれに対抗しようとする生産者たちに、ビジネスのチャンスを生み出したのです。
By Master K/益田 慶
金融機関の決算の損失額の予想や結果は直ちに、為替相場に反映される。
今後の主な金融機関の決算は、Pモルガン=1月16日、メリルリンチ=1月17日、BOA&ワコビア=1月22日、ドイツ銀行=2月1日、CSFC=2月12日、UBS=2月14日、バークレー=2月19日、BNP=2月20日、ソシェテゲネラル=2月22日、RBS=2月28日、HSBC=3月3日、Goldman=3月13日、Lehman=3月14日・・・ 忘れないように注意したい。
FRBの大幅金利引き下げに、日米の金利差縮小の観測は、円買いの材料となり、キャリートレードの解消が続いているが、激しい円高の流れは止む気配が見えない。USDJPYの売りと言うより、過去の遺産となった円キャリートレードの巻き戻しで、材料からは、そう簡単に円売りの流れに戻るのは難しい。100円を割り込むような大幅な円高を予想できず、将来の円安を期待しながらも、目先は何処まで円高が進むのかを、まず見極める必要がある。
本日のメインイベントは米地区連銀経済報告(ベージュブック) で、30日のFOMCで0.25%~0.5%の利下げが予想されるが、その確認となる。また、ユーロ、米、独のCPIの発表があり、今日も忙しい1日になる可能性が高い。
●ドル円
ドル円は、1月9日に110.12円の高値を付けてから、まだ1週間だが、4円以上の円高となった。GBPJPYは6円でダントツだが、他は総じてドル円より円高の度合いが少ない。円高はクロスの円高が主導すると思っていたが、ドル円の下げが大きいことは驚きである。ただ、底値が見えず、大幅な値動きの後は、短期的な戻り局面があることは予想され、本日のベージュブックで、円高が加速するか、利食いの円売りになるか判断できるが、戻り売りは変わらない。
ドル円の4時間チャートは、下降トレンドが続き、次々に下値ポイントをブレークしている。上値のポイントは、107.25~27円、107.65円、107.31円、108.97円。下値のポイントは、106.50円、105.90~92円、103.32円。RSIは26と下降ラインが続き、トレンドモメンタムは売りを継続。トータルの判断は、売り。①107.55円を超えるまでは売りを継続。②105.90円を割り込むと売りが加速。③106.50~107.50円のレンジ。
●ユーロドル
ユーロドルは、三日天下は聞いたことがあるが、たった1日でユーロの上昇も終わるとは・・・驚きである。EURJPY、EURCHF、EURGBPなどのクロスでユーロ売りが激しく、1.49台を維持できないでいる。相場がユーロ売りに変転したとは考えたくないが、ユーロドルをストレートで買う気にもなれなくなっているが、この通貨は忘れた頃に動き始めるので、短期取引に徹したい。
ユーロドルの4時間チャートは、1.49台から再び弱い下降ラインに入っている。上値のポイントは、1.4846、1.4874~81、1.4921、1.4943。下値のポイントは、1.4772~85、1.4738~46、1.4659。RSIは63と横ばいだが、上昇ラインを割り込んでいるようにも見える。トレンドモメンタムは買いだが、売りに変化する可能性が高くなっている。トータルの判断は、売り。①1.4846を上抜けするまでは売り。②1.4746を割り込むと売りが加速。③1.4750~1.4850のレンジ。
●ポンド円
ポンド円は、ポンドドルは1.95の大台手前で何とか下げ止まったが、戻りや鈍い。5日間連続で1.95台を維持し、反発に向かうのか、1.95を割り込み続落となるのか注目したい。仮にポンドドルが反騰しても、ドル安相場に傾いた流れに変わっている可能性が高く、極端な円売りにつながり難い。ポンド円は210円を割り込み2006年の水準に戻り、どこまで下げるか試しているように見えるが、この水準からは様子見。
ポンド円の4時間チャートは、210.28円を割り込み下降ラインが続いている。上値のポイントは、210.28~38円、211.04円、212.12~36円、214.25円。下値のポイントは、209.33円、208.09円、206.97円、202.39円。RSIは29と横ばいで下降ラインが続いている。トレンドモメンタムは売りを継続。トータルの判断は、注意しながらの売りで、208.09円~213.46円のレンジを予想。
●本日の経済指標・その他
08:50 日本 11月の機械受注=前月比予想-6.5% 前回12.7、前年比予想-3.2% 前回3.3%
08:50 日本 12月の企業物価指数=前月比予想0.1% 前回0.2%、前年比予想2.4% 前回2.3%
09:30 豪 11月の住宅貸出=前下比予想1.0% 前回-0.7%、投資家住宅貸出=前月比予想 前回2.9%
08:50 日本 11月の経常収支=予想1.8666兆円 前回+2.2291兆円
08:50 日本 11月の貿易収支=予想0.9574兆円 前回1.1584兆円
16:00 独 12月の消費者物価指数(CPI)・確報=前月比予想0.5% 前回0.5%、前年比予想2.8% 前回3.1%、 HICP=前月比予想0.7% 前回0.5%、 前年比予想3.1% 前回3.3%
18:30 英 12月の失業率=予想2.5% 前回2.5%、ILO=5.3% 前回5.3%、失業保険申請件数=予想-0.5万件 前回-1.11万件
19:00 ユーロ 12月の消費者物価指数(CPI)=前月比予想0.4%、前回0.5%、前年比3.1% 前回3.1%、コア=前月比予想0.4%、前回0.2%(予想0.2% 前回0.5%、前年比予想2.3% 前回2.3%
22:30 米 12月の消費者物価指数(CPI)=総合指数前月比予想0.2% 前回0.8%、前年比予想4.1% 前回4.3%、 コア指数前月比予想0.2% 前回0.3%、コア指数前年比予想2.4% 前回2.3%
23:00 米 11月の対米証券投資=予想650億ドル 前回1140億ドル
23:15 米 12月の鉱工業生産=前月比予想-0.2% 前回0.3%、設備稼働率 =予想81.2% 前回81.5%
04:00 米 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
戦前には15財閥のひとつに数えられた大倉財閥。その創設者・大倉喜八郎は1867年(慶應3年)、大倉銃砲店を開業したことで運をたぐり寄せた。成功した偉人は「運も才能のうち」というが、喜八郎の場合、時代が味方したようだ。翌年から約1年間続く戊辰戦争における官軍の御用武器商人となり、喜八郎はまとまった財を築いた。
1873年、日本人による初の貿易商社「大倉組商会」を設立。翌年には大倉商会ロンドン支店を開店。機械などの直輸入貿易を進めるとともに諸建造物の造営などにあたった。1877年に勃発した西南戦争では軍御用達として食料・兵器を納入。1893~1894年の日清戦争でも喜八郎は武器商人として奔走し、巨利を手にした。軍事関係の需要は三井、三菱ではなく、そのほとんどを大倉組が独占したようだ。
喜八郎の事業意欲はますます盛んになり、1878年には渋沢栄一を中心に東京商法会議所(現東京商工会議所)設立に関与。1883年には日本初の電力会社「東京電燈」の設立発起人にも名を連ねている。
1887年、渋沢栄一、藤田財閥総帥・藤田伝三郎とともに、資本金200万円をもって日本土木会社を創立。大倉組商会の業務の内、土木に関するものを分離し、これを継承した。これが大成建設の前身で、日本では初めての会社組織による土木建築業である。
1892年、日本土木会社は解散し、翌年その事業を喜八郎が単独経営の大倉土木組として継承した。大成建設は1917年を創業年としているが、実質的には1893年が同社の創業だ。日本の建設事業を支えてきた「100年企業」である。
喜八郎は、土木・建設業以外に鉱業、林業にも進出した。喜八郎が設立あるいは設立に関与した企業は多い。1890年に開業した「帝国ホテル」は、喜八郎と渋沢栄一が手を組んで始めたものだ。もちろん「100年企業」である。建設を請け負ったのは喜八郎が共同で経営した日本土木会社だった。喜八郎没後は長男の喜七郎が経営を担ったが、財閥解体後は他社に経営権が移った。ちなみに「ホテルオークラ東京」も長男・喜七郎が創業したホテルだ。
「サッポロビール」の前身である札幌麦酒会社は1886年、喜八郎が政府から麦酒醸造場を払い下げられ、それを渋沢栄一、浅野総一郎らが譲り受けてスタートした企業だ。こちらも創業からすれば「100年企業」である。「日清製油」(現日清オイリオグループ)は、喜八郎と肥料商の松下久治郎によって「日清豆粕製造」の名称で1907年に設立された。日清オイリオグループは、1907年を創業としているので「100年企業」である。ちなみに日清食品、日清製粉は同社のグループではない。
1887年創業の「東京製綱」、1893年創業の「日本化学工業」とも喜八郎が関与した「100年企業」。靴のリーガルでおなじみの「リーガルコーポレーション」は大倉組ほか3社の靴製造部門が統合して1902年に生まれた日本製靴が前身。リーガルコーポレーションは創業1902年と銘打っているので「100年企業」である。創業の喜八郎が会長となって1907年に創業した「東海紙業」は現在「東海パルプ」と社名を変えたものの、大倉財閥から生まれた「100年企業」のひとつである。
喜八郎は慈善事業や教育にも力を注いだ。彼の寄付によって設立・運営された施設や学校は少なくない。1900年に開校した大倉商学校が今日の東京経済大学だ。1907年開校の関西大倉学園(大阪府茨木市)も喜八郎が開いた。
残念なのは、大倉組を改組し、中堅総合商社として証1部上場していた大倉商事が1998年に自己破産したことだ。負債額は2528億2700万円だった。旧大倉財閥の中核企業で、機械・金属、食料、物資・建設部門を中心に中堅商社としての地位を築いてきたが、バブル期の不動産開発や事業多角化の失敗によって業績が悪化、増資および債務圧縮による再建を目指していたが、遂に力尽きた。日本で最も古い総合商社の自己破産は当時、「バブル倒産」と騒がれた。
ちなみに自己破産した大倉商事の当時の社長・大倉喜彦氏は現在「中央建物」の社長を務め、東京・銀座に大倉本館と大倉別館という二つのビルを所有している。主要株主は大倉文化財団、東海パルプ、大成建設など旧大倉財閥企業が名を連ね、主な出資先には同じく大成建設、東海パルプに加えホテルオークラなどの企業が並んでいる。旧大倉財閥のネットワークは100年を経てもまだ生きているのだ。
By Master K / 益田 慶
非常に値の荒い展開が続いている。市場のセンチメントや思惑が交差していることが要因の一つであるが、基本はドル基調が変化するまでは、大幅なドル買いも難しそうである。それにしても日経平均株価の下落は、株安=円高とはいっても、限界というものがあるのでは・・・。
GBPやCADなどの他の通貨間でクロス取引の動きが波乱含みで、投機筋にとっては楽しみであろうが、どうも方向性が今一つはっきりとしない。
本日のメインイベントは、バーナンキFRB議長の下院予算委員会で証言「米経済の短期的見通し」で、最近の報道では、彼はより頻繁に経済について話をする方針とのこと・・・。前回はサプライズの金融緩和を示唆する発言にドルは急落となったが、今回はその話しがあっても二番煎じ。むしろ、逆ではインパクトが大きい。
米住宅着工件数、フィラデルフィア連銀業況指数は注目したい、その他では、多くの連銀総裁の発言があり、注意したい。
●ドル円
ドル円は、107.90~00円は重要なポイントで、先の安値でもある。この水準を維持できれば再び、ドル売りに戻る可能性が残る。昨日の売りに当面の底値を見た感じもあり、暫くは、押し目がい+戻り売りの両方向を考えたい。
ドル円の4時間チャートは、下降トレンドを上抜けて買いに変化している。上値のポイントは、108.59円、108.92円、109.12円、110.18円。下値のポイントは、105.90円、105.37円、103.77円、103.22円。RSIは37と下降ラインを上抜け上昇に変化している。トレンドモメンタムは売りだが、買いに変化する直前に来ている。トータルの判断は、売り→買いに変化。①押し目買い、107.16円割り込んだら撤退。②108.30~40円で売り、108.59円を超えたら撤退。③106.68円~107.95円のレンジ。
●ユーロドル
ユーロドルは、EURGBP、EURCADが急落。トルシェECB総裁は相変わらずの強きな発言を繰り返しているが、メルシュ・ルクセンブルク中銀総裁は欧州経済の鈍化とダウンサイドリスクが拡大する可能性を示唆、米経済の影響が欧州にも波及することを意味しているように思える。上値トライが失敗し、これで下げ続けたら、ダブルトップになり、1.38台まで下落するのか、1.5020を超え、1.55まで上昇するのか・・・・ 周囲の意見は二つに分かれている。やや下値警戒感が強い。
ユーロドルの4時間チャートは、下降ラインが続いている。上値のポイントは、1.4694、1.4731~46、1.4756、1.4785。下値のポイントは、1.4596、1.4565、1.4516。RSIは37と下降ラインが続き、トレンドモメンタムは売りに変化している。トータルの判断は、売り。①1.4694を上抜けたら撤退。②1.4560~65を割り込んだら売りが加速。③1.4565~1.4700のレンジ。
●ポンド円
ポンド円は、ポジション調整、利食い総出場。英住宅関連の経済指標は非常に悪く、2月の利下げ観測も強く、ポジション調整色の強い動きで、大きな方向性の変化とは思えない。短期的には、買いに流れが変わり、何処まで戻るのかを確かめる動きが続きそうだが、高値では手を出したくない通貨。
ポンド円の4時間チャートは、下降ラインを上抜け上昇に変化している。上値のポイントは、213.46円、214.60円、217.31円。下値のポイントは、210.08~28円、208.89円、208.09円。RSIは39と横ばいで、下降ラインを上抜け買いになり、トレンドモメンタムは買いに変化している。トータルの判断は、買い。①210.08円を割り込んだら撤退。②中期的には214.60円を超えるまでは売りで、戻り売り、214.60円超えたら撤退。
●本日の経済指標・その他
06:45 NZ 第4四半期の消費者物価指数(CPI)=前期比予想1.0% 前回0.5%、 前年比予想3.0% 前回1.8%、
09:30 豪 12月の失業率=予想4.4% 前回4.5%、 新規雇用者数=予想2.0万人 前回5.26万人
13:30 日本 11月の鉱工業生産・確報=予想-1.6% 前回-1.6%、前年比予想2.9% 前回2.9%
13:30 日本 11月の設備稼働率・確報=予想108.5 前回110.2
18:00 ユーロ ECB月例報告
19:00 ユーロ 11月貿易収支=予想55億ユーロ 前回61億ユーロ
19:00 スイス 1月の投資家センチメント=前下比予想 前回-29.7
22:30 米 新規失業保険申請件数(1/13までの週)=予想33.5万件 前回32.2万件
22:30 米 12月の住宅着工件数=予想114万件、前回118.7万件、 許可件数=予想114万件 前回116.2万件
02:00 米 1月のフィラデルフィア連銀業況指数=予想-1.0 前回-1.6
03:00 米 住宅建設業者指数(NAHB)=予想19 前回19
ビアナルト・クリーブランド連銀総裁の講演会「経済見通し、政策当局者の視点」
トルシェECB総裁が討論会に参加
バーナンキFRB議長が下院予算委員会で証言「米経済の短期的見通し」
フィッシャー・ダラス連銀総裁の講演会「2008年の米経済に関する政策優先事項」
ロックハート・アトランタ連銀総裁の講演会「米経済見通し」
アメリカ大統領選予備選が始まっている。アイオワ州の結果は、民主党は、オバマ候補がヒラリーに勝利した。共和党は、ジュリアーニ候補、マケイン候補が回避したためハッカビー候補が勝利した。その後、ニューハンプシャー州では、民主党はかろうじてヒラリー候補が勝ち、共和党はマケイン候補が勝利した。
2008年2月5日22州で大統領選予備選が集中する。この日を何と呼ぶか。
1 スーパーチューズデー
2 メガチューズデー
3 ブラックマンデー
4 ホワイトフライデー
正解 2 メガチューズデー ⇒ スーパーチューズデー
追記:予備選の本番が近付くにつれ、日米ともにメガチューズデーという言葉は使われなくなり、従来から使われていたスーパーチューズデーに使用統一されてきたようです。
解説
2004年のアメリカ大統領選予備選では、3月に多くの州で予備選が集中したためスーパーチューズデーと呼ばれたが、2008年の選挙では、予備選日程が2月に前倒しされ、メガチューズデーと呼ばれている。
アメリカ大統領選予備選が始まっているが、この選挙は単なる選挙とは事情が異なる。アメリカ経済は世界経済に大きな影響を与えるが、その政策を決定するのはアメリカ大統領であり、すのスタッフである。過去の事例を見れば歴然であるが、大統領選のスタッフがそのまま、閣僚やホワイトハウスのスタッフになるのである。各候補者は人種、学歴、所得レベル、宗教、経済政策、倫理観、福祉政策、税制などで政策・思想を国民に提示し、支持票を集めながら選挙戦を闘っていく。予備選の動向を見ることはアメリカ国民の民意を見ることになり、今後のアメリカの政策を占うことができるのである。
総じてアメリカ大統領選挙の年は株価が上がるのが通例であるが、2008年は原油高、サブプライムローン問題を背景に経済は後退を強いられている。しかし、選挙戦はまだ序盤である。民主党、共和党の各候補が絞られるまでに何らかの景気刺激策が採れるだろう。
ブッシュ大統領は任期までに何らかの成果を上げようと、中東和平、イラク、イラン、北朝鮮などで前進を見せる可能性が高い。内政では所得減税、企業に対する償却期間圧縮などの実質減税策、共和党候補者支援と歴史に名を残したい名誉欲で何らかの人気取り政策を実施すると予想されます。
サブプライムローン問題は、ますます金融機関の損失額が膨らんで問題が多くくなってきているように見えます。しかし、日本のバブル崩壊時を思い起こすと、日本の銀行・金融機関は損失を隠蔽し、裏帳簿で隠し、簿外化し、飛ばしなど不法行為がまかり通っていました。それに比べればはるかに迅速な対応に見えます。
つい最近まで栄華を誇っていたシティバンクも巨額の損失を出し、アブダビ金融庁、サウジアラビアのアルワリド・ビンタラール王子がシティバンクの金融支援を受ける結果となったが、日本の銀行の日本政府からの資金注入までの期間を考えれば、素晴らしく迅速な対応である。ロスチャイルド傘下の各銀行がアラブ諸国の資金を導入している姿にシナリオが見え隠れしますが解説は場を改めます。
以下は各候補者の政治基盤と支持層についてのブリーフィングです。
民主党
オバマ候補
アフリカ系アメリカ人 46才 ハワイ出身 プロテスタント 弁護士
支持層は、若年層、高学歴インテリ層、黒人、ヒスパニックなどのマイノリティ
政治思想はリベラル、改革派、無党派層も支持、ハーバード大学ロースクール卒
貧困層救済の草の根社会活動から上院議員 人権派弁護士
取り組むべき課題として年金、医療保険、大学授業料、石油依存からの脱却をあげている。
新自由主義経済政策に反対、全候補者の中でもっともリベラル 対イラク戦争反対
アフガニスタン、パキスタンへの増派支持 核兵器反対
ヒラリー候補
プロテスタント・メソジスト 弁護士
1965年大学時に校内青年共和党党首、反戦意識から辞任
低所得層、高年齢層、女性、白人、
医療問題に強いがクリントン政権時に失敗
共和党
ハッカビー候補
前アーカンソー州知事 プロテスタント福音派バプティスト教会牧師
アイオワ州で勝利
イランとは融和、イラク駐留継続、妊娠中絶反対、同性愛反対、親イスラエル
ダーウィンの進化論否定、共和党保守派
ロムニー候補
前マサチューセッツ州知事 モルモン教徒 MBA 法学博士
スタンフォード大学⇒モルモン教宣教師として渡仏⇒帰国後ブリガムヤング大学(モルモン教の大学)
ソルトレークシティ・オリンピック組織委員会会長として手腕を発揮
マサチューセッツ州知事として州財政再建に成功 同性愛反対 妊娠中絶容認 死刑復活論者 共和党穏健派
イラク戦争支持 対イラン強硬
マケイン候補
パナマ生まれ 海軍兵学校卒業 プロテスタント福音派バプティスト教会
共和党保守派 外交・安全保障政策は政界でも最も強硬派で介入主義者 ミシガン州予備選で勝利
海軍士官としてベトナム戦争従事 ベトナムで抑留体験あり 祖父、父ともに有名な海軍提督 息子は海兵隊員
北朝鮮強硬派、拉致問題に関心が高い 日本の核武装支持 ボクシング・フリーク
共和党最有力候補のひとり 不法移民合法化賛成(保守派は反対) ラムズフェルド前国防長官とは対立
ジュリアーニ候補
元ニューヨーク市長 イタリア系移民で傍系ユダヤ人 カトリック教徒 弁護士
市長在任中に犯罪が激減 同時多発テロ時に対テロ戦争宣言 全国的に支持率が高い
レーガン政権時の司法副長官 1983年連邦検事としてマフィア掃討作戦を指揮
ニューヨークのファイブ・ファミリーと呼ばれるマフィア・ガンビーノ一家のボス・カステラーノの摘発、起訴し有罪に持ち込んだ実績がある。マイケル・ミルケンの摘発など経済事件にも強い
共和党穏健派 予備選では序盤戦を放棄している。妊娠中絶容認 同性愛反対(権利は容認) 銃規制を主張する唯一の候補
全米ライフル協会とは対立 外交では強硬派 経済政策は「小さな政府」支持 親イスラエル派 対イラン強硬派
保守系国民にとっての最大の関心事は、中絶問題、同性愛問題です。この問題抜きにアメリカ大統領選は語れません。
予備選挙・党員集会
2008年2月5日が予備選挙の集中日「メガ・チューズデー」
2008年1月 - 3日アイオワ(40)、5日ワイオミング(28のうち12)、8日ニューハンプシャー(24)、15日ミシガン(60)、19日ネバダ(34)・サウスカロライナ(47)、29日フロリダ(114)
2008年2月 - 2日メーン(21)
2008年2月5日 - アラバマ(48)・アラスカ(29)・アリゾナ(53)・アーカンソー(34)・カリフォルニア(173)・コロラド(46)・コネチカット(30)・デラウェア(18)・ジョージア(72)・イリノイ(70)・ミネソタ(41)・ミズーリ(58)・ニュージャージー(52)・ニューヨーク(101)・ノースダコタ(26)・オクラホマ(42)・テネシー(55)・ユタ(36)・ウエストバージニア(30のうち18)
2008年2月 - 9日ルイジアナ(46)・ワシントン(40のうち18)、12日ワシントンDC(19)・メリーランド(37)・バージニア(63)、19日ウィスコンシン(40)・ワシントン(40のうち19)
2008年3月 - 2日ハワイ(20)、4日マサチューセッツ(43)・オハイオ(88)・ロードアイランド(20)・テキサス(140)・バーモント(17)、11日ミシシッピ(38)
2008年4月 - 1日カンザス(39)、22日ペンシルバニア(74)
2008年5月 - 6日インディアナ(57)・ノースカロライナ(69)、10日ワイオミング(28のうち16)、13日ネブラスカ(33)・ウエストバージニア(30のうち12)、20日ケンタッキー(45)・オレゴン(30)、27日アイダホ(32)
2008年6月 - 3日モンタナ(25)・サウスダコタ(27)・ニューメキシコ(32)
サブプライム問題から始まった昨年の金融市場の混乱は、今年に入っても止むことを知らず、主要国では経済成長の鈍化に株安が続き、原油価格や商品価格の上昇にインフレ懸念続き、底が見えない欧米金融不安が続いている。為替相場はこれらの影響の強弱により、通貨間で非常に異なる値動きが続いている。
米金融機関は14日の週から昨年第4四半期の決算発表を予定しており、業績により、株価が変動し、為替が変動するリスクは非常に高く、注意が必要である。
トルシェECB総裁は、インフレリスクの高まりに政策金利の引き上げを示唆し、バーナンキFRB議長は景気低迷に政策金利の引き下げを示唆した。今週も金利引き下げが見込まれる通貨を売り、金利据え置きか、引締めが予想される通貨が買われる動きが続きそうである。
米国は1月30日に0.5%引き下げ、カナダは1月22日0.25%の引き下げ、英国は2月7日に0.25%引き下げが予想され売り圧力は強い。一方、オーストラリア、NZ、スウェーデン、日本、ユーロ、スイスは金利据え置きが予想されており、買い圧力が強い。
金利据え置きが予想される通貨の中でも、オーストラリア、NZは商品価格に大きく影響を受け、景気鈍化=商品価格下落の可能性も残り、通貨としては売られやすい通貨に分類さる。
今週は重要な経済指標が多く値動きの荒い展開になる要因が多い。
メインイベントは、17日のバーナンキFRB議長の下院予算委員会で「米経済の短期的見通し」について証言する。また、30日のFOMCで0.5%の利下げ予想が増加する中で、16日の米地区連銀経済報告(ベージュブック) はその確認の意味で重要となる。
住宅関連の指標に相場が大きく動くことが多く、15日=英RICS住宅価格バランス、16日=豪住宅貸出、17日=米住宅着工・許可が注目さえる。また、インフレ関連では、15日=英CPI、米PPI、16日=独CPI、ユーロCPI、米CPI、17日=NZCPIと数多く控えている。米国の景気先行指数ともなっている、15日=米NY連銀製造業景気指数、17日=米フィラデルフィア連銀業況指数、18日=ミシガン大消費者信頼感指数は重要である。その他、比較的変動リスクが高いのは、18日=NZ小売売上高、英小売売上高も注意したい。
●1/14(月曜日)
成人の日(東京市場休場)
06:45 NZ 11月の住宅建設許可=前月比予想 前回-4.8%
09:30 豪 12月のANZ Job Ads=予想 前回0.7%、 TD-MI inflation guage=前月比予想 前回0.3%、 前年比予想 前回3.4%
17:30 スウェーデン 消費者物価指数(CPI)=前月比予想0.3% 前回0.6%、前年比予想3.6% 前回3.3%、UND1X=前月比予想0.3% 前回0.5%、前年比予想2.2% 前回1.9%
18:30 英 11月のDCLG住宅価格=前年比10.7% 前回11.3%
18:30 英 12 の生産者物価指数(PPI)= コア・産出指数(output)=前月比予想0.2%、前回0.1%、前年比予想2.3% 前回2.2%、PPI・投入指数(Input)=前月比予想0.8% 前回1.7%、前年比予想10.4% 前回10.2%、PPI・産出指数(output)=前月比予想0.4% 前回0.5%、前年比予想4.6、前回4.5%
19:00 ユーロ 11月の鉱工業生産=前月比予想-0.8% 前回0.4%、前年比予想2.8% 前回3.8%
●1/15(火曜日)
06:00 NZ NZIER business opinion suvey=予想 前回-27
18:30 英 12月の消費者物価指数(CPI・HICP)=前月比予想0.5% 前回0.3%、 前年比予想2.1% 前回2.1%、 RPI(小売物価指数)=前月比0.6% 前回 0.4%、前年比予想4.0% 前回4.3%、小売価格(RPIX)=前月比0.6% 前回0.4% 前年比3.1% 前回3.2%。
17:00 独 2007年の年間GDP=予想2.5% 前回2.9%
19:00 独 1月のZEW景況感調査=予想-40.0 前回-37.2、 現況指数=予想60.0 前回63.5
19:00 ユーロ 1月のZEW景況感調査=予想-37.2 前回 -35.7
22:30 米 12月の生産者物価指数(PPI)=前月比予想0.2% 前回3.2%、 コア前月比予想0.2% 前回0.4%、コア前年比予想2.0% 前回2.0%
22:30 米 12月の小売売上高=前月比予想0.1% 前回1.2%、除く自動車予想0.1% 前回1.8%
22:30 米 1月のNY銀製造業景気指数=予想10.0 前回10.31
00:00 米 11月の企業在庫=前月比予想0.4% 前回0.1%
英 12月のRICS住宅価格バランス=予想-45.0% 前回-40.6%
日銀支店長会議
イングランド銀行ポンドの資金供給を実施
ジョーダンスイス中銀理事の発言
●1/16(水曜日)
08:50 日本 11月の機械受注=前月比予想-6.5% 前回12.7、 前年比予想-3.2% 前回3.3%
08:50 日本 12月の企業物価指数=前月比予想0.1% 前回0.2%、 前年比予想2.4% 前回2.3%
09:30 豪 11月の住宅貸出=前下比予想1.0% 前回-0.7%、 投資家住宅貸出=前月比予想 前回2.9%
08:50 日本 11月の経常収支=予想1.8666兆円 前回+2.2291兆円
08:50 日本 11月の貿易収支=予想0.9574兆円 前回1.1584兆円
16:00 独 12月の消費者物価指数(CPI)・確報=前月比予想0.5% 前回0.5%、 前年比予想2.8% 前回3.1%、 HICP=前月比予想0.7% 前回0.5%、 前年比予想3.1% 前回3.3%
18:30 英 12月の失業率=予想2.5% 前回2.5%、ILO=5.3% 前回5.3%、 失業保険申請件数=予想-0.5万件 前回-1.11万件
19:00 ユーロ 12月の消費者物価指数(CPI)=前月比予想0.4%、前回0.5%、前年比3.1% 前回3.1%、 コア=前月比予想0.4%、前回0.2%(予想0.2% 前回0.5%、前年比予想2.3% 前回2.3%
22:30 米 12月の消費者物価指数(CPI)=総合指数前月比予想0.2% 前回0.8%、前年比予想4.1% 前回4.3%、 コア指数前月比予想0.2% 前回0.3%、 コア指数前年比予想2.4% 前回2.3%
23:00 米 11月の対米証券投資=予想650億ドル 前回1140億ドル
23:15 米 12月の鉱工業生産=前月比予想-0.2% 前回0.3%、 設備稼働率 =予想81.2% 前回81.5%
04:00 米 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
●1/17 (木曜日)
06:45 NZ 第4四半期の消費者物価指数(CPI)=前期比予想1.0% 前回0.5%、 前年比予想3.0% 前回1.8%
09:30 豪 12月の失業率=予想4.4% 前回4.5%、 新規雇用者数=予想2.0万人 前回5.26万人
13:30 日本 11月の鉱工業生産・確報=予想-1.6% 前回-1.6%、前年比予想2.9% 前回2.9%
13:30 日本 11月の設備稼働率・確報=予想108.5 前回110.2
18:00 ユーロ ECB月例報告
19:00 ユーロ 11月貿易収支=予想55億ユーロ 前回61億ユーロ
19:00 スイス 1月の投資家センチメント=前下比予想 前回-29.7
22:30 米 新規失業保険申請件数(1/13までの週)=予想33.5万件 前回32.2万件
22:30 米 12月の住宅着工件数=予想114万件、前回118.7万件、 許可件数=予想114万件 前回116.2万件
02:00 米 1月のフィラデルフィア連銀業況指数=予想-1.0 前回-1.6
03:00 米 住宅建設業者指数(NAHB)=予想19 前回19
ビアナルト・クリーブランド連銀総裁の講演会「経済見通し、政策当局者の視点」
トルシェECB総裁が討論会に参加
バーナンキFRB議長が下院予算委員会で証言「米経済の短期的見通し」
フィッシャー・ダラス連銀総裁の講演会「2008年の米経済に関する政策優先事項」
ロックハート・アトランタ連銀総裁の講演会「米経済見通し」
●1/18 (金曜日)
06:45 NZ 11月の小売売上高=前月比予想0.7% 前回0.7%、前年比予想5.0% 前回5.5%、 除く自動車前月比予想0.6% 前回-1.1%
08:50 日本 11月の第3次産業活動指数=予想-0.5% 前回1.1%、 前年比予想0.9% 前回1.1%
09:30 豪 第4四半期の輸出価格=予想-0.9% 前回3.0%、 輸入価格=-0.5% 前回-0.8%
18:30 英 12月の小売売上高=前月比予想0.2% 前回0.4%、 前年比予想3.3% 前回4.4%
22:30 カナダ 11月の製造業出荷=前月比予想0.5% 前回0.1%
00:00 米 1月のミシガン大消費者信頼感指数・速報値=予想74.5 前回75.5、 現況指数=予想89.7 前回91.0、 期待指数=予想64.5 前回65.6
00:00 米 12月の景気先行指数=前月比予想-1.0% 前回-0.4%
リッカー・リッチモンド連銀総裁の講演会「経済見通しについて」
トルシェECB総裁+バローゾ欧州委員会委員、マルタのユーロ導入記念式典に参加
今週の外為市場のコーナーを新設しました。 翌週のFX投資戦略にお役立てください。
互いに隣国となるイラクとクウェートは因縁が深い。1980年代以降、イラクのサダムフセイン大統領は「イギリスによって不当に分離されてきたが、クウェートはイラクの領土だ」といった内容の発言を繰り返し、イラク国境近くにある油田の所有権をめぐって紛争が続いた。
1990年、イラクがクウェートを不法に軍事占領し、湾岸戦争が勃発。さらにイラクは2003年には米国にテロ支援国家と名指しされ、大量破壊兵器保有の疑いでアメリカ、イギリス、オーストラリア連合軍が進攻。フセイン大統領は逮捕され死刑。米国主導の新政府が樹立したが、復興には至らず、国内の混乱は続いている。
一方のクウェートは世界第4位の埋蔵量を誇る産油国。湾岸戦争で大きな被害を受けたが、1994年には戦前の水準まで回復し、現在ひとり当たりのGDPは世界有数を誇っている。
両国とも通貨単位の名称は「ディナール」だ。イラクはイラク・ディナール(ID)、クウェートはクウェート・ディナール(KD)。このディナールを使用する国は多く、中東ではバーレーン、ヨルダン、リビアがあるが、価値はそれぞれ異なる。蛇足だが、イラク・ディナールはイラク戦争以後、フセイン大統領の肖像を描いた紙幣を廃止し、以前使っていた建物や風景を描いたものを復刻した。
国内の混乱が続くイラクとは反対に経済が好調なクウェートは、2005年に10%の経済成長を果たした。現在まで好況が続いているのは、原油価格の高騰による潤沢なオイルマネーの成果である。これによって産業基盤を整備し、福祉・教育制度の充実を図ってきた。またオイルマネーを利用した金融立国を目指して、外国からの投資環境を整えたことで雇用も促進された。この点はアラブ首長国連邦のアブダビやドバイと同じ方向にあるといえる。
余談だが、新年早々、北京オリンピックのアジア大会男子ハンドボール予選の再試合(日本対クウェート)決定のニュースが飛び込んできた。クウェートが正式に承諾したかは現時点で定かではない。ハンドボールのアジア連盟はクウェートの王族に事実上支配されており、審判員はクウェートに有利な判定をするようオイルマネーで買収されていたという報道もあった。ハンドボールの世界がオイルマネーにまみれていることをはじめて知った人も多いだろう。
ところで、いま世界の投資家が気にしているのは、サウジアラビア、クウェート、バーレーン、カタール、アラブ首長国連邦、オマーンで構成される湾岸協力議会議加盟6カ国が、2010年を目標に共通通貨「湾岸ディナール」の導入の検討を始めていることだ。ペルシャ湾岸諸国がユーロのような共通通貨を作るという構想は、IMFの通貨多極化構想に沿ったものである。6カ国の通貨はこれまで、すべてドルと一定比率の為替を維持する「ドルペッグ」の制度下にあったが、今後2010年までに6カ国の通貨を統合し、2015年にはドルペッグを外す可能性もある。
湾岸ディナールが実現し、ドルペッグを解除すればどうなるのか。中東・アラブ諸国の反米的なイスラム主義者にとっては、イスラム諸国が「米ドル」つまりアメリカに頼る度合いを低下させることにつながるので歓迎するだろう。湾岸ディナールの「ドル離れ」が実現すれば、通貨をドルペッグさせている他のイスラム諸国もペッグ先をドルから湾岸ディナールに変えるかもしれない。あるいは外貨準備保有高をユーロに移すかもしれない。
ご存知のように石油の取引は米ドル建てで行なわれている。イスラム諸国がペッグ先を米ドルから湾岸ディナールに変えれば、石油需要が急増している中国やインドも影響を受け、ドル離れが発生しないとは断言できない。ペルシャ湾岸諸国の巨額なオイルマネーのドル離れが顕著になれば、ドルの基軸性や備蓄通貨としての意味が失われ、世界中でドル売りが起こり、暴落するかもしれない。
あるエコノミストは次のように述べている。「ペルシャ湾岸の経済は石油によって支えられているが、石油価格は投機筋の売買によって予測困難なおかしな動きをすることがよくある。湾岸ディナールがドルペッグをやめ、市場原理に委ねて変動相場制に移行した場合、共通通貨は石油価格のおかしな相場の動きに感染し、湾岸諸国の中央銀行が制御しきれない乱高下を繰り返すのではないか」。
つまり、湾岸ディナールが変動相場制に移行すれば石油マーケットの変動によって経済が混乱すると警告しているのだ。
By Master K / 益田 慶
幕末は近代資本主義の芽が生まれた時代です。一般には明治維新がきっかけで資本主義の発芽が起こったと見られていますが、すでに江戸時代に株式の概念は導入され、商業では能力主義や成果報酬が用いられていたようです。共同出資というしくみも江戸時代に生まれたものです。
鎌倉時代から江戸時代を経て明治時代まで活躍した近江国(現滋賀県)出身の近江商人たちが編み出したしくみが、日本の共同経営の起源だとされています。江戸時代に京都、大坂、江戸の三都市を中心に行商をしていた近江商人は、早くから情報の共有や競争の回避、旅行の安全などを目的として「講」という団体組織を作っていました。「講」はもともと出身地別または行商先別に結成されていましたが、のちにこれが発達して権益や商権の保護なども行うようになり、株仲間のような同業者組合的性格を持つようになりました。近江商人の資金調達形態には、非常に近代的な共同出資があります。
彼らは経営の範囲が広がると個人が資本を出し合い、乗合商合(のりあいあきない)や組合商合(くみあいあきない)を行いました。これは一種の共同企業体で、ジョイントベンチャーともいえるでしょう。個人事業では資金面、技術面、人材面、労力と時間の観点からリスクが伴うプロジェクトを合資制度による企業体形成で実現しようとするものです。共同出資にすることでリスクを分散するとともに、ヒト・モノ・カネ、情報、技術、信用などの経営資源を共同で利用し、その有効活用を図ったのです。
近江商人は、まず多店舗展開のための資金調達の方法として、共同出資を始めたのです。当初は地元の業者から施設や店舗を借り受け、近江の奉公人を支配人として派遣する形態がとられました。たとえば両浜商人の藤野喜兵衛らは1738年に蝦夷地(北海道)で場所請負の共同企業をつくり、1741年には八幡商人・西川伝治が21人の出資を得て北海道海産物を商う共同企業を設立しています。蝦夷地(北海道)の商品を取り扱うには、商船、船員が必要。個人で集められなくても共同出資なら可能です。ほかには呉服商や大名貸、醸造業などが共同出資で行われました。1813年には稲本利右衛門が西村重郎兵衛と共同出資し、呉服商を開いています。
ほかには「大当番仲間」と呼ばれた制度があります。近江商人の仲で日野出身の日野商人たちは、商人相互間の扶助と幕府の保護を得るため、「日野大当番仲間」を組織しました。この組織の最大の特色は、幕府の庇護のもと、売掛金の徴収が滞まった場合にその領主に訴えて幕府の威光によって徴収できる権限を持ったことです。また、大当番仲間で東海道や中山道の各宿場に現在の指定旅館、契約ホテル制度のような「日野商人定宿」を設け、旅の便宜を図りました。組織で宿を確保することで安心して旅ができ、また料金も多少安くなったのかもしれません。宿は江戸への行き帰りに利用され、1770年には181軒もの定宿数になったようです。
さらに近江商人たちは、西洋の複式簿記と同じ形態の会計システムをすでに江戸時代に採用していたという記録が残っています。厳格な身分制度社会において労働の成果を貨幣に置き換えて評価する習慣がなかった時代に、資本と利足を保全した上でさらにそれ以上の利益が生まれると「出精金」「徳用」といって各店の支配人たちに配分され、使用人の励みになるシステムを採用したのです。これはまさにボーナスの起源です。
そうしてようやく商社という発想が生まれます。明治政府の外務大臣となった陸奥宗光は坂本龍馬の海援隊に加わっていた頃、「海援隊商法」を次のように記しています。「商法の根本は、組合を以て商社を設立すること、物資の輸送には荷為替を設けること、商売は船長に委託し、これに運上金を課すこと」。ここで注目したいのは、商法つまり「商いの方法」の根本は「組合をもって商社を設立すること」とされていることです。
By Master K/益田 慶
旧ソ連解体を主導、新生ロシアの改革を推進したボリス・エリツィン前ロシア大統領が4月23日、心不全のためモスクワの病院で死去しました。8年半の大統領在任中は欧米との関係改善を進め、冷戦を最終的に終結。ロシアの民主化を進めるなど歴史的な役割を果たす一方、1993年の旧議会砲撃、94~96年のチェチェン紛争では強権色を鮮明にし、経済的な混乱も招いた功罪相半ばした政治家でした。
一般的には、このエリツィンの経済政策が、ロシアの新興財閥を生み出し、貧富の格差を拡大させたといわれています。新興財閥のうち、現在イギリスに亡命中のベレゾフスキー、ロシアの元メディア王グシンスキー、アナトリー・チュバイス(統一エネルギーシステム)らは選挙戦時にエリツィンを支援する米国式のマスコミ戦略を展開し、エリツィンの続投に成功します。選挙後、政府に対する新興財閥の影響力は強まりました。
プーチン政権になってからは、新興財閥摘発政策が進められ、政治に介入、あるいは政権に敵対する財閥らは脱税や横領などの容疑で次々に摘発され、政治的影響力を失いました。エリツィンを支援した新興財閥の中で堅実なビジネスを展開しているのが、銀行家のアレクサンダー・スモレンスキーです。
ロシアでは、1997年に銀行の設立が自由化されました。翌年、「ロシア金融危機」が訪れます。ロシア政府はIMFから巨額の支援融資を取りつけます。 しかし世界経済の荒波は厳しく、マレーシア、インドネシア、日本などで危機(アジア経済危機)が深刻化したため、「ロシアや中南米市場もいよいよ持たないのではないか」という観測が投資家の間に流れ、ロシアから資金が逃避する傾向が強まりました。
ロシアの国債や地方債、企業債の相場も下落し、債券を大量に保有していたロシアの銀行は、倒産の危機に陥りました。銀行家であるアレクサンダー・スモレンスキーらの圧力もあって、当時のキリエンコ首相は、銀行が外国から借りていた借金の返済を90日遅らせるとともに、ルーブル相場を事実上50%切り下げる政策を選びました。返済遅延の宣言は事実上、国家が借金を返さないという「デフォルト宣言」でした。
この方策は、ロシアの銀行を助けることになったものの、その反面、ルーブル下落は国民生活を直撃しました。また、首相が「ルーブル建ての国債の償還を遅らせる」と発表したことで、外国の投資家に不利な条件となっており、欧米の金融機関から非難されました。
「ロシア経済危機」をしのいで生き残ったアレクサンダー・スモレンスキーはもとより、現在ではその息子のニコライ・スモレンスキーが「大富豪」ぶりを発揮しています。2004年に英国のスポーツカー専門メーカーTVRを、約30億円で買収。製造と販売の部門を分割するなど、自動車メーカーとしての体制を築き始めましたが、経営は芳しくないようです。新しい工場の立地場所も二転三転し、最終的には2007年中に完成車の組み立てを英国外に移管することを決めたとのことです。ニコライ・スモレンスキーは、いわば新興財閥2代目ですが、投資分野で頭角を表している新興財閥もいます。
最近になって複数の有名企業が総面積100万平方メートルを超える規模の住宅建設プロジェクトを発表しています。中でも有名なのが、石油会社「チェメニ石油」の会長で「シベリア・ウラル・アルミニウム」の総支配人のビクトル・ベクセリベルグが所有する「レノワ・ストロイグループ」(エカテリンブルグ市内に900万平方メートル)と、スレイマン・ケリモフが代表を務める「ナフタ・モスクワ」(モスクワ州西部に270万平方メートル)です。ケリモフは2006年『フォーブス』億万長者番付の72位に急浮上し、2007年版では35位にランクアップした人物で、ほかのロシアの新興財閥と異なり、投資をメインにする実業家です。現在41歳。ロシアにもケリモフのような人物が「時代の寵児」となる環境が整ったということでしょう。
By Master K/益田 慶
バーナンキFRB議長は、今現在でサブプライム住宅関連の損失額は1000億ドル(約11兆円)と言う、米国の成長鈍化がアジアや欧州に波及すると考えていない、とも言っている。また、財政刺激を求め一段の金融緩和の必要性を説いた。
ブッシュ米大領領は景気刺激策を今日発表するが、果たして米経済対策が効果を表すのであろうか・・・。 30日の米金利引き下げは避けて通れず、金利では米とカナダ・英国の政策金利引き下げが焦点となっており、為替相場では売りの材料にされやすい。
最近の為替相場は非常に動きが激しく、通貨間で異なる値動きをすることが多く、結局はクロス取引が中心の相場で、これに参加しないと勝機は少ない。昨年8月16日のサブプライム問題が火を噴いた以降の為替変動は激しく、EURUSDの8月ボラティリテーは5%だったが、現在は10%と倍になっている。また、平均値幅も60ポイントから115ポイントに拡大している。つまり、同じ取引金額ではリスクが2倍になっているとも言える。
また、昨日のGBPJPYは209.59円→212.43円→209.44円→212.40円→209.93円と激しく、3円幅の上下を簡単に動き、この単純計算だけでも、合計約11円以上も動いているが、結局はもとの水準で終わり、最近このようなケースが多くなっている。収益機会は豊富なのだが、気力と資力に余裕がないとポジションテークは難しい。
経済指標からは、米ミシガン大消費者信頼感指数が注目されている。
●ドル円
ドル円は、108円を超えられず、予想外には激しい海外勢の売りが続き、クロスでも円高傾向が続き、ドル円の買いも長続きできないでいる。105.37円~107.95円のレンジ相場では特に問題ないが、共に抜け出したら、加速する動きに注意したい。
ドル円の4時間チャートは、下降ラインが崩れ106.00円~108.00円のレンジで取引されている。上値のポイントは、106.68円、107.16円、107.73円、107.90~95円、108.59円。下値のポイントは、105.89~98円、105.37円、103.77円。RSIは37で横ばいで推移、下降ラインを上抜けたが上昇ラインをまだ形成できないでいる。トレンドモメンタムは買いを継続。トータルの判断は、買いだが昨日より弱くなり、Dailyでは再び下落に注意するサインがでている。①105.37~105.90円で買い、割り込んだら撤退。②107.53~95円で売り、108.59円を超えたら撤退。
●ユーロドル
ユーロドルは、特別なユーロ安の材料な無いが、中銀筋もユーロ買いから売りに変わっているところも見られる。また、EURGBPの売りが続き、クロスではユーロ売りが続いている。昨年末から続いている1.45台を維持できるか試す動きが予想される。
ユーロドルの4時間チャートは、1.4550~1.4750のレンジに入っている。上値のポイントは、1.4694~00、1.4746~56、1.4700、1.4831。下値のポイントは、1.4588、1.4542、1.4516。RSIは38と横ばいで、トレンドモメンタムは売りを継続している。トータルの判断は、売り。Dailyも売りに変化しそうで、注意が必要。①1.4540~45を割り込んだら売りが加速。②1.4695で売り、1.4755~60を超えたら撤退。
●ポンド円
ポンド円は、ロシア筋の激しい投機の対象にされており、値幅の広い動きとなっているが、結局はレンジ相場で、終わってみれば元の水準となり、取引には相当の度胸が必要で、だめもとのピンポイントで逆張りも有効。
ポンド円の4時間チャートは、下降トレンドが続き、ラインの中間で取引されている。上値のポイントは、212.37円、213.46円、214.60円。下値のポイントは、209.03円、208.09円、206.97円。RSIは下降ラインから弱い上昇ラインが続き、トレンドモメンタムは買いを継続している。トータルの判断は、弱い買い。①209.03円~213.46円のレンジ。②213.46円を超えたら買いが加速。③208.09円を割り込んだら売りが加速。
●本日の経済指標・その他
06:45 NZ 11月の小売売上高=前月比予想0.7% 前回0.7%、前年比予想5.0% 前回5.5%、 除く自動車前月比予想0.6% 前回-1.1%
08:50 日本 11月の第3次産業活動指数=予想-0.5% 前回1.1%、 前年比予想0.9% 前回1.1%
09:30 豪 第4四半期の輸出価格=予想-0.9% 前回3.0%、 輸入価格=-0.5% 前回-0.8%
18:30 英 12月の小売売上高=前月比予想0.2% 前回0.4%、 前年比予想3.3% 前回4.4%
22:30 カナダ 11月の製造業出荷=前月比予想0.5% 前回0.1%
00:00 米 1月のミシガン大消費者信頼感指数・速報値=予想74.5 前回75.5、 現況指数=予想89.7 前回91.0、 期待指数=予想64.5 前回65.6
00:00 米 12月の景気先行指数=前月比予想-1.0% 前回-0.4%
リッカー・リッチモンド連銀総裁の講演会「経済見通しについて」
トルシェECB総裁+バローゾ欧州委員会委員、マルタのユーロ導入記念式典に参加
幕末に近江商人が営んだ事業は、小売・卸業、呉服業、両替商、酒造業・醤油業などです。近江商人は伊勢商人と並ぶ近世の代表的な行商人です。湖東、八幡、高島、日野など、地域ごとに得意とする商品が異なり、たとえば日野地方出身の日野商人の主力商品には清酒と薬がありました。
商人と言っても卸・小売業に特化していたのではなく、北関東地方の街道沿いを中心に店舗を設置し、清酒の製造・販売を行ってきました。また、「置き薬」のシステムを考えたのも日野商人と言われています。マーケットがある他の藩に進出して事業を展開していく戦略は、市場開拓の面からも資本主義の発想です。
幕末に頭角をあらわした近江商人は少なくありません。7代目小野善助はその一人です。初代善助は大溝藩(現在の滋賀県高島市)の出身。盛岡の叔父・村井権兵衛に呼ばれ、1682年京都から盛岡に進出し、「井筒屋善助店」を開いて陸羽地方との交易で成功しました。「井筒屋」は小野組の屋号です。
2代目は村井姓を名乗りましたが、小野の分家は多く、以降小野一族は、木綿、古手などの雑品を南部にもたらし、砂金、紅花、生糸などを持ち下り、次第に各地に支店を出して栄えました。やがて両替屋も営み、7代目善助が活躍した幕末には、三井組、島田組と並んで出納所御為替御用達となり、豪商に成長しました。明治維新には莫大な御用金によって新政府に加担し、新政府の財政確立に貢献。
政府・各府県の「為替方」になる一方、米穀・生糸取引を手がけ、製糸場や鉱山も経営。さらに後に三井組とともに「三井小野組合銀行」を設立、これが後に第一国立銀行となるなど、維新後、数年で巨大資本に発展しました。しかし政府が「為替方」に対する担保額の引き上げと担保提出強化の方針を打ち出すと、小野組はたちまち苦境に陥り、各府県が小野組に預け入れた官金の回収に動いたものの、これを支えきれず、破産に至ります。ちなみに盛岡・小野組に奉公し、頭角をあらわしたのが、後に古河鉱業を興し、古河財閥の祖となった古河市兵衛です。
著名な近江商人といえば、近江高島出身で京都に出て「高島屋飯田儀兵衛」と称して米穀店を営んでいた飯田儀兵衛と、その養子になる飯田新七がいます。新七は越前敦賀の出身ですが、京都の呉服屋に奉公中その勤勉ぶりを認められ、1831年、新七が27歳のとき、家業を呉服商に変え、屋号を「高島屋飯田呉服店」とし、京都烏丸松原で古着・木綿商を始めました。他店よりも早朝くから店を開け、安価な価格で販売。これが後の百貨店「高島屋」です。
湖東商人の伊藤長兵衛・忠兵衛兄弟は「伊藤忠商事」「丸紅」という二つの商社の創業者として富に有名です。犬上郡豊郷村(現豊郷町)に商家の次男として生まれ、実家は「紅長」(べんちょう)の屋号で繊維小売業を営んでいました。11歳から行商の経験を積み、1858年、兄の長兵衛とともに近江麻布の持ち下り商いを開始。
兄は仕入れに当たり、後に「伊藤長兵衛商店」を開業。九州・中国各地に地盤を広げます。忠兵衛は明治維新の混乱期に持ち下り行商に見切りをつけ、明治5年、大阪本町に呉服太物店「紅忠」(べんちゅう)を開き、麻布、尾張織物、関東織物を扱う「丸紅」の基礎を築きました。ここに「伊藤忠商事」と「丸紅」が誕生したのです。実家の屋号「紅長」を取り、○(マル)に「紅」という文字を入れ、のれんに使ったことから「丸紅」。忠兵衛は明治17年、「紅忠」を「紅伊藤本店」とし、明治26年、大阪市に「伊藤糸店」開業。中国との綿花、綿糸の貿易をはじめ、呉服卸売、雑貨輸入など積極的に業容を広げました。
このように幕末は、商人が豪商となり、企業家へと変身していく過程で欧米型の企業を構築した時期といえるでしょう。当時、勘定奉行を務めていた小栗上野介の「兵庫商社」構想もちょうど同じ時期であることを鑑みると、上野介も時代の流れを的確に捉えていたことがわかります。
By Master K/益田 慶
期待はずれの米経済対策。市場の注目は・・・円、投機筋の円売りに対し政府系ファンドは円買い。EURUSDは1.46~1.47のレンジ。
アジア市場は、日経平均株価が昨年の安値を割り込み一時13,365.32円まで急落したが、結局は公的資金と米経済対策期待に支えられ、+77.84円の13,861.29円で終了。市場で最も注目されている円は、円買いから円売りに変化した。
欧州市場は、サプライズな予想を大幅に下回る英小売売上高に下回り=金利引き下げ期待=ポンド急落、 EURGBP=0.7432→0.7495、GBPJPY=(アジア市場高値)211.55円→(NY市場)208.25円まで急落となり、209~213円のレンジの下限を割り込む。仏独英伊の財務相は「不安定な金融市場に対処するために一段の協調を要請」+ノワイエ仏中銀総裁「欧州の成長には下振れリスクがあり、成長見通しが下方修正されても驚きではない」、期待はずれの結果と弱気な発言に、売り買い混在し、米経済対策の発表待ちのレンジ相場。
米国市場は、期待はずれの米経済対策+ラッカー・リッチモンド連銀総裁「一段の利下げの可能性は十分にある」との発言にも、米国株の上昇は鈍く、米株価は下落(前日終値比-59.91ドル)に、海外市場では円とスイスフランは買い戻された。
●ドル円
アジア市場のドル円は106.56円で取引が始まり、海外市場の流れを受けたドル売りに一時106.35円まで下落したが、本邦勢の買いに106.89円まで上昇、激しい日経平均株価の下げに106.57円まで下落したが、公的資金の株買い(PKO?)に、日経平均株価が急速に値を上げたことで、クロスで円売りに変わり、107.38円まで上昇した。欧州市場は107.22円で取引が始まり、ポンド円の売りにも107円以下では本邦資本筋の買いが続き、107.40円を超えると107.60円のストップロスを試しながら、107.59円まで上昇した。投機筋の買い、対、政府系ファンどの売りに、107.30~50円のレンジで売り買いが交錯し。米経済対策も概要が示されただけで、サプライズな無く、107.02円まで下落、00:00時のミシガン大消費者信頼感指数が強く、一時107.40円まで値を戻したが、株価の上昇は鈍く下落に転じると、クロスを含め円の買い戻しが激しなった。01:00時のロンドンフィキシング後には106.85~10円のレンジで売り買いが交錯したが、週末の投機筋のポジション調整に106.52円まで続落となり、07:00時では106.85円で終了した。
●ユーロドル
アジア市場のユーロドルは1.4641で取引が始まり、朝方の1.4610を安値にユーロ円の買いに1.4660まで上昇、1.430~50の狭いレンジで取引が続いた。欧州市場は1.4633で取引が始まり、米経済対策の発表を好感した、株高にも反応は鈍く、仏独英伊の財務相会合は期待はずれの内容に、1.4645~50のストライク行使日を控え、1.450近辺の売りが続き、1.4625~50の狭いレンジで取引が続いた。ポンドの下落に1.4611まで値を下げたが、欧州実需筋の買いに底堅く、1.4650を超えるとユーロ買いが加速、米経済対策も概要にサプライズは無く、1.4695まで上昇した。結局は1.4600~1.4700のレンジ取引となり、00:00時のミシガン大消費者信頼感指数が強く、オプションカットでは1.4650~55とオプション行使価格近辺に値を戻し、01:00時のロンドンフィキシングでは1.4603まで値を下げ、1.4610~50のレンジ相場から、終盤にかけては一時1.4601まで値を下げ、1.4620で取引を終了した。
●ユーロ円
アジア市場のユーロ円は156.01円で取引が始まり、朝方の155.69円を安値に、本邦勢の買いに156.38円まで上昇したが、日経平均株価の急落に155.81円まで下落、株安=円高の流れとなったが、公的資金と思われる買いに株価が上昇に転じると、157.00円まで値を戻し、一時156.43円まで下落したが、本邦勢の買い+海外投機筋の買いに157.22円まで続伸となった。欧州市場は156.91円で取引が始まり、一時156.50円まで値を下げたが、堅調は欧州株や、週末の円ロングの調整に156.50円以下は底堅く、ポンド円の下げにも反応は鈍く、米経済対策=株高=円安の期待感に157.80円まで上昇した。政府系ファンドやリザーブマネージャーの売りは強く上げ止まり、米国株の上昇は鈍く、下げに転じると売りが強まり、155.81円まで続落ととなり、156.20円で取引を終了した。
●主な経済指標の結果
06:45 NZ 11月の小売売上高=前月比2.0%(予想0.7% 前回-0.6←-0.7%)、前年比6.9%(予想5.0% 前回5.5)、除く自動車前月比0.9%(予想0.6% 前回-1.0←-1.1%)
08:50 日本 11月の第3次産業活動指数=0.1%(予想-0.5% 前回1.2←1.1%)
09:30 豪 第4四半期の輸出価格=-0.6%(予想-0.9% 前回-3.0%)、輸入価格=0.2%(-0.5% 前回-0.8%)
18:30 英 12月の小売売上高=前月比-0.4%(予想0.2% 前回0.4%)、前年比2.7%(予想3.3% 前回4.2←4.4%)
22:30 カナダ 11月の製造業出荷=前月比1.1%(予想0.5% 前回0.0←0.1%)
00:00 米 1月のミシガン大消費者信頼感指数・速報値=80.5(予想74.5 前回75.5)、景気現況指数=98.1(予想89.7 前回91.0)、消費者期待指数=69.1(予想64.5 前回65.6)
00:00 米 12月の景気先行指数=前月比-0.2%(予想-1.0% 前回-0.4%)
●昨日の主な発言その他
米国・カナダ
◎ポールソン米財務長官=景気刺激策の差し迫った必要性あるが、緊急事態ではない。経済の長期的ファンダメンタルズは強い。経済は引き続きゆっくり成長していくと確信している。ただすでに減速しリスクは下向きだ。ブッシュ大統領は2008年にできる限り早期に景気を押し上げる措置を迅速に講じることに非常に焦点をあてている。
◎ラッカー・リッチモンド連銀総裁=一段の利下げの可能性は十分にある。経済が減速していることから実質金利の低下が必要である。現在の下向きリスクは、一段の経済減速および一段の緩和の可能性が十分にあることを意味している。インフレも現在のリスク要因。最近の経済指標で追加利下げの可能性が高まった。ドル下落は米国内インフレを押し上げる可能性。
◎ポールソン米財務長官=景気刺激策は1400~1500億ドル規模を検討。
◎ブッシュ米大統領、減税措置を含む景気刺激策の概要を発表=GDPの約1%に相当する規模が必要でこれは1400億ドルに相当する。 気刺激策は、経済成長に直接効果をもたらす広範な税措置であるべきで、即座には効果が表れない支出措置ではない。暫定措置であり、最も支援を必要としている時期に景気を底上げするため、即効性がある内容であるべき。大統領と議会は、景気刺激策の立案で協議を進めているが、税金の払い戻し、企業向けインセンティブプラン、雇用保険の拡張などが案としてあがっている。
欧州・英国
◎仏独英伊の財務相=不安定な金融市場に対処するために一段の協調を要請し、欧州が信用収縮を切り抜けることを望んでいるとの見方を表明。
◎リープシャー・オーストリア中銀総裁=ECBはインフレを未然に防ぐためできる限りのことをする。私にとって物価安定は経済成長に優先する。
◎英政府筋=中国の胡錦涛国家主席や温家宝首相との18日の会談で、中国の政府系ファンドからの投資受け入れに前向きな姿勢を示す見通し。
◎ウェーバー独連銀総裁=2009年のユーロ圏インフレ率は2%前後で、物価リスクは上向き。
◎ドイツ経済技術省=ドイツ経済の成長に対するリスクは顕著に高まった。 国内経済の成長に対する下向きリスクがかなり強まった。 ユーロ相場の上昇が輸出活動の足かせになる可能性が高い。
◎バローゾ欧州委員会委員長=世界的な信用ひっ迫の欧州連合(EU)経済へのネガティブな影響は、ユーロが導入されていなければ、さらに大きかっただろうとの認識。金融市場の現在の混乱は懸念事項。ユーロは強く堅実な通貨だとし、世界の公式の外貨準備の5分の1以上を占めている。
◎ノワイエ仏中銀総裁=金利に関して閉塞感をもっておらず、インフレの二次的影響に対処するため行動する用意がある 欧州の住宅市場の底堅さを指摘し、ドル安は輸入商品価格上昇で米消費者により影響した。 欧州の成長には下振れリスクがあり、成長見通しが下方修正されても驚きではない。
◎コンスタンシオ・ポルトガル中銀総裁=ECBがインフレリスクにも関わらず金利を据え置いていることについて、金融市場の混乱や実体経済へのリスクが要因。
日本・その他
◎日経平均株価一時昨年の安値を更新し、13365.32円まで下落。
◎大田経済財政担当相=米経済は減速懸念が強まっている。
◎関係閣僚会議=福井日銀総裁は、米経済の不確実性が薄れるまでに時間が必要というのが市場の中心的見方で、リスクを避ける動きが続いている。
◎スティーブンス・オーストラリア中銀総裁=豪ドル高ガインフレ抑制の一助になっている。豪ドルについてはそれほど心配していない。世界的な信用収縮から重大な盈虚を受けていない。
米国休場(キング牧師誕生日)
ウェリントン休場(プロヴィンシャルアニバーサリー)
(日) 日銀金融政策決定会合(~22日)
09:30 (豪) 第4四半期生産者物価指数
14:00 (日) 11月景気動向調査・改訂値
16:00 (独) 12月生産者物価指数
18:30 (英) 12月マネーサプライM4・速報
22:30 (加) 11月卸売売上高
(日) 日銀金融政策決定会合(21日~発表)
15:00 (日) 1月金融経済月報・基本的見解
17:15 (スイス) 11月実質小売売上高
17:15 (香港) 12月消費者物価指数
22:30 (加) 11月小売売上高
23:00 (加) 加中銀政策金利発表
24:00 (米) 1月米リッチモンド連銀製造業指数
09:30 (豪) 第4四半期消費者物価
16:45 (仏) 12月消費者支出
18:30 (英) BOE議事録
18:30 (英) 第4四半期GDP・速報値
22:30 (加) 12月景気先行指数
05:00 (NZ) RBNZオフィシャル・キャッシュレート
08:50 (日) 1/19までの対外及び対内証券売買契約等の状況
08:50 (日) 11月全産業活動指数
08:50 (日) 12月通関ベース貿易収支
17:15 (香港) 12月貿易収支
18:00 (独) 1月IFO景況指数
22:30 (米) 1/20までの週の新規失業保険申請件数
24:00 (米) 12月中古住宅販売件数
08:30 (日) 1月東京都区部消費者物価指数
08:30 (日) 12月全国消費者物価指数
08:50 (日) 日銀金融政策決定会合議事要旨
16:10 (独) 2月GFK消費者信頼感調査
21:00 (加) 12月消費者物価指数
『フォーブス』2007年版の「世界の億万長者」を見れば、国別ランキングでロシアのビリオネアが前年の33人から53人へと急増していることがわかります。ベスト50には、これまでこのコラムで紹介してきたロマン・アブラモビッチ(16位)、スレイマン・ケリモフ(35位)、ウラジミール・リシン(36位)、ウラジミール・ポターニン(38位)、ミハイル・プロホロフ(38位)、オレグ・デリパスカ(40位)、ミハイル・フリードマン(45位)、ワギト・アレクペロフ(48位)などが名を連ねています。彼ら新興財閥が現在のロシア経済を支えているといっても過言ではありません。
先週のコラムで紹介したナフタ・モスクバ投資グループ代表のスレイマン・ケイモフは、前年の72位(7,810億円)から35位(17,280億円)に急浮上し、要注目の人物といえます。ケイモフは、ロシア第2位の金鉱会社、ポリメタル社を管理しています。
同社はもともとインフラ整備がされていなかった、モンゴルのアスガト銀鉱山を開発するために「モンゴルロスツベトメト社」と折半して興した合弁会社です。ロシアの民間企業がモンゴルに進出していたことは、日本ではそれほど知られていませんが、すでにロシア企業が中国に進出していることを考えると、未開のモンゴルで資源開発に着手することは当然の結果でしょう。
さらに同社は昨年9月、世界第3位の金生産メーカーのアングロゴールド・アシャンティ社(南アフリカ共和国)と組んで、新たな鉱山の調査開発へ向け、ベンチャー企業を設立することに合意したと発表しました。
近年大規模な金山発見がない状況を打破すべく、新たな金山を求めて金生産メーカーが世界を探し回り、アングロゴールド・アシャンティ社はこの取り決めに合意したのです。
「我々はポリメタル社と、この戦略的協力関係を築けた事に大変喜んでおり、ロシア国内に意義ある金事業を築くという我々の目的達成を支援すべく、協働することを楽しみにしている」とアングロゴールド社会長は語りました。一方、銀の主要メーカーでもあるポリメタル社は声明の中で、「両社はシベリアやロシア極東で、金の探索と開発の共同事業を行う」と発表しました。ロシア企業も経済のグローバル化に歩調を合わせてきたようです。
この他の地域では、どちらの会社も金鉱開発を単独で行うことができるものの、相手側がその開発計画に参加しないことを選択しない限り、第三者を招けないという取り決めがなされています。「この共同事業が、我々の活動のフレームワークを拡大し、ロシアにおける大規模金鉱開発をスピードアップすることを、我々は強く信じている」とポリメタル社の会長は語っています。また、ポリメタル社は、2007年上半期にロンドン株式市場に上場するつもりだと発表しています。こういった会社を管理するナフタ・モスクバ投資グループとスレイマン・ケイモフの活躍から、しばらく目が離せないでしょう。
ロシアの金埋蔵量は、南アフリカに次ぐ世界第2位。成長が期待できる分野であることは確かです。ちなみにロシア最大の金鉱山会社はポリウス・ゴールドで、これはノリルスク・ニッケルからスピン・オフした企業です。
ロシアは2005年、IMFからの融資を完済しました。返済資金は、石油輸出税の余剰を積み立てる安定化基金から支出されたようです。これでソ連時代の主要な対外債務を解消しました。2006年度の経済成長率は6%台だと見込まれています。成長の原動力は、輸出入の増加です。輸出は燃料・エネルギー製品、輸入は機械、設備、輸送機器が牽引しました。特に原油価格の上昇によりエネルギー関連商品の輸出増加が目立っています。ロシア企業は、広大な土地に眠る資源を最大限に生かした産業分野でさらに飛躍すると予想されています。
By Master K/益田 慶
米ドルは、住宅価格の下落が消費に波及し小売売上げが弱く、非農業部門の雇用者数の伸びは弱く、大幅な利下げ観測にドル売りの流れはまだ続きそうである。ユーロは通貨当局者の多くが景気とインフレを両天秤にかけながらも、現状では金利引き下げの可能性は薄く、ユーロのプラス材料となっているが、ユーロ高はインフレ抑制となる反面、輸出の減少で景気にとってはマイナス材料となり、暫くは強弱が混在する可能性が高い。
ポンドは、住宅市場の低迷が強く、2月・5月の利下げする可能性に売りの材料は続くが、投機的な売りポジションが積み上がり、上下の振れは大きく戻り売りに徹したい。カナダは、22日の0.25%の金利引下げを折り込みながら、利下げ後は一時値を下げる可能性があるものの、カナダドル売りが続きそうである。
資源国通貨は、原油価格が一時年100ドル台まで上昇したが、90ドル割れと10%近く下落、原油価格の調整が続く中で、円高の圧力が続きそうである。円は、何処まで強くなれるかを確かめながら、ポジション調整による円売り局面では確実に円買いを増やし、円ロングをキャリーするのではなく、利食いを入れながら小刻みな取引で望みたい。
Weeklyベースの比較で、1月4日→1月11日→1月18日の終値を比較してみると:
原油価格や商品価格の下げの影響と思われるが、AUDUSD・NZDUSD・USDCADではドル高傾向が強く、主要通貨ではJPY高とEUR安と合い相反する動きとなっており、GBPとCHFは横ばいとなった。
USDJPY=108.59円→108.84円→106.85円↓(1.99円 ドル安円高=-1.83%)
EURUSD=1.4743→1.4776↑→1.4620↓(1560ポイント ユーロ安ドル高=-1.06%)
USDCHF=1.1084→1.1014↓→1.0984↓(30ポイント ドル安スイス高=-0.27%)
GBPUSD=1.9739→1.9566↓→1.9554↓(12ポイント ポンド安ドル高=-0.06%)
AUDUSD=0.8720→0.8906↑→0.8790↓(116ポイント 豪ドル安ドル高=-1.30%)
USDCAD=1.0027→1.0188↑→1.0271↑(83ポイント カナダドル安ドル高=0.81%)
NZDUSD=0.7660→0.7823↑→0.7598↓(225ポイント NZドル安ドル高=-2.88%)
円クロスを比較してみると:
先週は、円全面高の展開となった。先々週はコモディテー通貨に対して円安、他の主要通貨で円高と、二極化されていたが、先週は原油価格と商品価格の下落に大幅な円高が進んだ。短期的には反動の買い戻しが考えられる、原油と商品価格の下げは暫く継続き、全てで戻り売りが強くなっている。
GBPJPY=214.35→212.91↓→208.87円↓(4.04円 円高ポンド安=-1.9%)
CADJPY=108.25→106.73↓→103.96円↓(2.77円 円高カナダドル安=-2.6%)
EURJPY=160.08→160.80↑→156.20円↓(4.60円 円高ユーロ安=-2.86%)
AUDJPY=94.67→96.92↑→93.90円↓(3.02円 円高豪ドル安=-3.12%)
CHFJPY=97.95→98.79↑→97.26円↓(1.53円 円高スイスフラン安=-1.55%)
NZDJPY=83.18→85.09↓→81.19円↓(3.9円 円高NZドル安=-4.58%)
IMM通貨先物の取引からは、
JPY 1月8日→1月15日=+37,473→+37,199→ 横ばいで円高期待感が続いている。
EUR 1月8日→1月15日=+51,902→44,982→ ロングが減少しユーロ高期待が薄らいでいる。
GBP 1月8日→1月15日=-3,262→+307→ ショートから若干のロングに変化し、ポンド高期待が始まった。
CHF 1月8日→1月15日=-2,171→+5,162→ ショートから大幅ロングに変わりスイスフラン高期待が始まった。
CAD 1月8日→1月15日=+16,424→+7,765→ ロングが減少しカナダ高期待が弱まっている。
AUD 1月8日→1月15日=+23,396→+25,460→ ロングが若干減少し豪ドル高期待が弱まっている。
NZD 1月8日→1月15日=+13,503→+1,220→ 横ばい。
経済指標からは米国の経済指標は非常に少ない。
政策金利の発表は多く、22日=日本・カナダ、23日=ノルウェー、24日=NZと続き、多くは据置きが予想されているが、カナダは米国経済低迷の影響に0.25%の金利引き下げは濃厚となっている。
インフレ指標のCPI・PPIの発表は、21日=豪PPI・独PPI、23日=豪CPI、25日=日本CPIが予定され、12月の日本消費者物価の上昇が加速しているとの予想が多い。
最近の為替市場では英ポンド円の変動率は高いが、23日=イングランド銀行議事録と、第4四半期GDP速報値は重要で、為替の値動きには十分注意が必要。
その他で、相場に影響が比較的大きなものとしては、21日=スイス生産者物価、24日=独IFO・米中古住宅販売も注目したい。また、米金融機関の第4四半期決算の発表は、1月22日にBOA&ワコビアが予定されている。
●ドル円
ドル円は、米経済の影響に日本の経済成長は下方修正され、日銀は政策金利を引上げることは難しく、当面の金利変更は難しくなっている。米国の3%半ばなでの大幅な金利引き下観測にも、金利差は縮まるものの、キャリートレードを中止するような状態に至っていない。テクニカルの下値を割り込み、米経済の鈍化が予想されることから、当面は下値を試す動きが続きそうだが、将来の円高を保証する材料は全く見当たらない。
ドル円のWeeklyチャートは、下降トレンドが続き、ラインの中間から下限で取引が続いている。上値のポイントは、107.20円、108.03円、108.88円、109.24円。下値のポイントは、105.90~106.02円、105.58円、103.90~93円、103.53円。105.90円と103.90円は非常に強いポイントとなっている。RSIは35で横ばいからやや上昇している。トレンドモメンタムは売りを継続。トータルの判断は、109.24円を超えたら買い反転するが、それまでは下値リスクが続き、戻り売り。Dailyチャートは売り、Weeklyチャートは売り、Monthlyチャートは売り。
●ユーロドル
ユーロドルは、米国の悪影響が英国や欧州に広まり、ユーロは景気の鈍化+インフレ圧力に悩まされ、金融政策の舵取りが難しくなっている。ECBは当面金利据え置き続きそうだが、極端なユーロ高=インフレ圧力拡大から、ユーロ高に対してシビアになってきており、成長とインフレ関連の経済指標を気にしながらの、ユーロ下落のリスクも気になる。
ユーロドルのWeeklyチャートは、上昇トレンドが続き、ラインの中間から上限で取引が続き、直近では1.46~1.49のレンジで取引されている。上値のポイントは、1.4670、1.4687、1.4720、1.4780、1.4966。下値のポイントは、1.4597、1.4544、1.4516、1.4410、1.4309。RSIは64と緩やかな長い上昇が続き、トレンドモメンタムは買いを継続している。1.49台でダブルトップを形成した可能性と、Dailyが売りに変化し、トータルの判断は、1.4735を超えたら撤退の売りで、1.4543を割り込んだら売りが加速。Dailyチャートは売り、Weeklyチャートは買い、Monthlyチャートは買い。
●ポンド円
ポンド円は、昨年のノーザンロック破綻の金融不安に始まり、金利の利下げサイクルに入り、イングランド銀行は2月+5月に利下げすると予想され、ポンドの下落は続きそうで、GBPUSDの上値も重く、下降トレンドを続けている。長い上昇トレンドが崩れ、大幅な長い下げを続ける可能性を意識し、1日の間でも値幅も広く、ジグザグを繰り返しながら、戻り局面では確実にショートポジションを作りたい。
ポンド円のWeeklyチャートは、下降トレンドが続き、ラインの下限近くで取引されている。上値のポイントは、209.56円、210.24~30円、213.36円、214.23円、215.72円、219.29円。下値のポイントは、207.83円、205.86円、197.82円、196.48円。RSIは33と下降ラインが続き、トレンドモメンタムも売りを継続している。トータルの判断は、Weeklyの下降トレンドの下限に位置し、ここで一時下げ止まる可能性も考慮に入れ、213.00~50円を超えるまでは、戻り売り。Dailyチャートは売り、Weeklyチャートは売り、Monthlyチャートは売り。
徳川幕府が確立した貨幣制度の基本は、金貨・銀貨・銭貨の3種類の貨幣を定める三貨制度である。貿易によってもたらされた様々な中国銭の国内流通に加え、江戸時代より前は貨幣が私鋳されていたので、質の悪い貨幣など様々な種類の貨幣が出回り、それらが流通することで取引に問題が生じていた。
また金山・銀山で採掘された金銀も産地ごとに質的な差があり、これも取引に支障をきたす要因であった。こういった状況から家康は天下統一の具現策のひとつとして、全国どこでも通用する均一の質の貨幣に統一する必要があったのだ。見方を変えれば幕府による「貨幣の発行権」の独占である。
幕府は金座、銀座、銭座と呼ばれる貨幣鋳造機関を設立し、それぞれの貨幣を鋳造させた。これらは明治に誕生した国営の造幣局とは概念が異なる。金座、銀座、銭座は、幕府から特権を与えられた町人(特権商人)によって構成される請け負い事業だったからだ。現在でいうところのアウトソーシングである。
これらを幕府の役人である勘定奉行が厳しく監督し、鋳造された貨幣は原則として幕府勘定所へ上納された。マネジメントは幕府の役人が担い、実際の作業は民間が請け負うという仕事のしくみは、幕府直轄領の金山・銀山の運営システムとよく似ている。これぞ「民間にできることは民間に」を実践する小さな政府の政策である。
家康は1601年、全国流通を目的とした慶長金銀を制定した。金貨鋳造の中心となった人物が彫金工芸師・後藤庄三郎光次である。後藤は「大坂冬の陣」で徳川軍の尖兵として活躍した人物だ。金貨鋳造と鑑定・検印を行った金座は、家康が1595年、江戸に後藤を呼び、小判を鋳造させた時に始まる。幕府設立後は勘定奉行の支配下に置かれ、江戸本石町に役宅(現在でいう公邸)が設置された。
当初は駿河、京都、佐渡にも金座は置かれたが、幕末まで続いたのは京都と江戸のみである。家康に抜擢された後藤庄三郎は御金改役(ごきんあらためやく)として金貨の鑑定と検印を行い、実際の鋳造は小判師と呼ばれる職人が担当した。幕府から金貨製造の許可を得た小判師たちは後藤家が居住する金座役宅の周辺に自宅を構え、品質や納期などすべて後藤家がマネジメントし、自宅で作業した。小判師たちが鋳造したのは原判金だ。これが後藤の役宅で検定され、後藤家の極印(五三桐の打刻)がなされたものだけが貨幣として認められたのである。
後藤庄三郎光次は単なる金商ではなく、幕府の経済政策担当者のような存在であった。そもそも小判の鋳造を提案したのは後藤であった。以前より太閤秀吉が使う大判は金額が大きすぎ、商売で使うには不便であり、大判の1/10の価値にした小判を使えば流通が栄えると提案したのである。幕府は庄三郎のプランをすぐに理解し、後藤家による新貨幣の製造がスタートした。朱印状の発行も後藤が家康に取り次いだとされていることから、貿易にも明るい才人であったのだろう。
興味深いのは、原判金の鋳造に必要な材料は小判師たちが自身で調達したことである。フリーランスの小判師たちは自己責任で金・銀商人から金を買い入れるか、幕府直轄の金山から入札して入手したという。やがて管理の徹底と小判師の分散化を防ぐために、1698年には後藤家の敷地内に鋳造施設が設置され、以降江戸での金貨製造はこの金座のみで実施されるようになった。
貨幣鋳造機関の中で金座は特に厳しい管理、統制を受けていた。複数の作業員による相互監視体制、職人採用時の誓約書の提出、家柄の限定などである。
一方、銀貨の鋳造が行われた銀座は、家康が1601年に京都・伏見に設立したのが起源である。銀貨は堺の両替商・湯浅作兵衛が世襲で鋳造した。湯浅は徳川家から大黒常是という姓名を与えられ、銀貨には大黒家の極印が記された。
もとはといえば「物価が混乱しているのは銀貨が不安定だから。良質の銀貨を発行して欲しい」と銀貨発行を提案したのは、摂津国平野の豪商で大津代官の末吉勘兵衛である。伏見の銀座は大黒家が仕切り、前出した後藤庄三郎光と末吉勘兵衛一族がリーダーとなって管理した。銀座も勘定奉行の支配下にあったが、金座同様、商人による請け負い事業であった。
By Master K/益田 慶
幕末に頭角をあらわした経済人は三井組の経営陣(三野村利衛門、益田孝)や三菱財閥の祖・岩崎弥太郎、古河財閥の創業者・古河市兵衛、無数の起業に関わった渋沢栄一、明治に入って大阪株式取引所、大阪商法会議所、大阪商業講習所(大阪商科大学の前身)などを設立する五代友厚だけではありません。
この時代には、後に大倉財閥を築く大倉喜八郎、阪神財閥のひとつとなる藤田財閥を創設した藤田伝三郎、安田財閥の祖・安田善次郎など、日本経済の種を蒔いた人物が豊富にいます。彼らの特長は組織力、資金力をどの分野、業種業態に注げば利益が生まれるのかをきっちり分析していたことにあります。あるいは本能的に察知していたのかもしれません。
新潟生まれの大倉喜八郎は18歳で上京、1857年に独立して乾物屋を経営。これは日米修好通商条約締結の前年です。1865年に「大倉屋銃砲店」を開業し、後に戊辰戦争(1868~69年)の際に官軍御用を務め、軍需品の供給で巨利を得ます。幕府でなく、官軍に軍需品を売ったことが喜八郎の先見性でしょう。明治6年、貿易商社「大倉組商会」を設立し、貿易業に着手します。やがて台湾出兵や日清・日露戦争で軍の用達商として活躍。朝鮮・中国における投資にも積極的で、帝国ホテルや大倉土木組(現・大成建設)を含め内外で多くの事業を展開し、大倉財閥を築きます。現あいおい損保、日清オイリオグループ、ホテルオークラなど大倉財閥が関与した企業は20社以上。しかし中核企業であった大倉組は大倉商事となり、中堅商社として存続しましたが、1998年に倒産し、解散しています。
藤田財閥を創設した藤田伝三郎もまた激動の時代を生きた実業家です。長州生まれの伝三郎は、維新の動乱期に高杉晋作に師事して奇兵隊に投じ、木戸孝允、井上馨、山県有朋らと交遊関係を結んでいます。明治2年、長州藩が陸運局を廃止して大砲・小銃・砲弾・銃丸などを払い下げたとき、これらを一手に引き受け、大阪に搬送して巨利を得ます。大倉喜八郎同様、「政商」といったところでしょう。やがて大阪に出て、軍靴の製造を皮切りに建設業に手を広げ、二人の兄が事業に参加し、「藤田組」の基盤がつくられます。兄弟経営を起点としているところが藤田組の特徴です。
1877年の西南戦争では、陸軍に被服、食糧、機械、軍靴を納入、人夫の斡旋までして、三井・三菱と並ぶ利益をあげたとされています。藤田はその後、大阪商法会議所創設の発起人となり、大阪硫酸製造会社や関西貿易社の設立に参加、琵琶湖の太湖汽船会社や大阪紡績初代取締役頭取に就任し、阪神に藤田財閥を築いていきます。「ワシントンホテル」「フォーシーズンズ椿山荘」などのホテルやレジャー施設を経営する藤田観光が現在グループの中核となっています。
安田財閥の創設者の安田善次郎は、富山藩出身。17歳で江戸に出、丁稚奉公の後、1864年に両替店安田屋を開業。これは下関発砲事件や池田屋事件が起こった年です。太政官札・公債などの取引、官公預金などで蓄財し、三井と並んで江戸屈指の金融業者となります。明治9年には、第三国立銀行の創立に参加、明治13年に安田銀行(後の富士銀行。現・みずほコーポレート銀行)を開業します。15年には、創立されたばかりの日本銀行の理事に就任しています。後に損保会社(現損害保険ジャパン)、生保会社(現・明治安田生命保険)を次々と設立し、金融財閥を築きました。三井や三菱、住友と異なり、重工業に進出せず、金融グループを目指したのが安田善次郎の着眼点でしょう。安田財閥は財閥解体後、芙蓉グループとして君臨しています。
幕末に起業した彼らに共通するのは、価値観が一変する不安定な社会に生きていたからこそ、大きなリスクを承知で新たな事業に挑んだことでしょう。
By Master K/益田 慶
本日は週初で、米国市場が休場となる。先週末はポンドを除く主要国通貨は、上下に振れながらも同じ水準で引け、アジア市場は動き難い展開が予想されるが、米金融機関の損失額拡大=クレジットリスク問題と、FOMCの大幅利下げ観測に、スイスと円が買われる傾向が続きそうである。
市場参加者が今一番注目しているのは円で、しかも、今後の予想は円高と円安と見方が二分され、ドル円のみならずクロスでも、この円高傾向が何処まで続くのか、そして、いつ円安に反転するのか注目している。そのため、タートルズとタートルズスープが入り乱れている。
それと、ポンドの行方も不透明な中で、ポンド安が続き、大手投機筋はポンド円を中心に、ポンドクロスで売り買いを繰り返すことが多く、本日の欧州市場でもこの動きを注目したい。
●ドル円
ドル円は、欧米の景気鈍化+金融不安+金利低下に、円が選好されているが、その裏にはアジア通貨高の流れもある。日経平均株価の大幅下落や国内情勢を考えれば、国内要因で円を買う気にはどうしてもなれないが、海外ではリスク資産のヘッジとして、いままで3枚目役者だった円が脚光を浴びているだけで、何れ剥げ落ちる可能性は高い。それまで何処まで円高が進むのか、今はそれを試している状態である。
ドル円の4時間チャートは、106円~108円のレンジで取引が続いている。上値のポイントは、107.16円、107.53円、107.90~95円。下値のポイントは、105.90~106.05円、105.37円、103.77円。RSIは41で上昇ラインが続いているが、これを割り込むと売りが加速する可能性が高くなる。トレンドモメンタムは買いを継続。短期的な買いに対して、Daily/Weekly/Monthlyと売りのサインが続き、戻り売りを考えたい。①107.16~53円で売り、107.95円を超えたら撤退。②105.90~107.53円のレンジ。
●ユーロドル
ユーロドルは、ユーロ売りの材料は特に見当たらない。心配しているのは、インフレを重視した政策に偏りすぎ、景気鈍化が進むことだが、今のところ経済指標からはその気配は見られない。いつもながら、輸出減少=景気鈍化=ユーロ高是正の動きになりやすいが、今のところそれも杞憂となっている。考えられることはユーロロングの調整とテクニカルの売りだけ・・・・・。
ユーロドルの4時間チャートは、1.4580~1.4715のレンジで取引が続いている。上値のポイントは、1.4715、1.4746、1.4797、1.4921。下値のポイントは、1.4588、1.4568、1.4480~00、1.4315。RSIは24で下降ラインが続いているが、これを上抜けすると買い転換する可能性が出てくる。トレンドモメンタムは売りを継続している。トータルの判断は、売り。①1.4715を上抜けしたら売りは撤退。②1.4568または、1.4480を割り込んだら売りが加速。
●ポンド円
ポンド円は、今一番旬とでも言うのか、大手投機筋の的になり日々値幅が広い。ポンド円やポンドドルの相場のみならず、ユーロポンド、ポンド豪ドル等、ポンドクロスも欧州市場では激しく動く。ポンド売りは、英住宅販売の低下=利下げ継続の思惑なのであろうが、日々の動きを見ている、とどうも投機的な値動きだけで理屈に合わず、値幅が広く間単にロスカットがついてしまう。売り買いともにターゲットに入るまでは、じっと我慢。
ポンド円の4時間チャートは、207円~212.40円のレンジで取引が続いている。上値のポイントは、209.03円、210.31円、212.37円、213.47円、217.31円。下値のポイントは、206.97円、205.98円、202.03円。RSIは横ばいで、トレンドモメンタムは買いから売りに転換する可能性が高くなっている。トータルの判断は、売りだが、値幅が大きく。①戻り売り→212.37円を超えたら撤退。②205.98円を割り込むと売りが加速。③206.97~212.37円のレンジ継続。
●本日の経済指標・その他
米国休場(キング牧師誕生日) NZウェリントン休場(プロヴィンシャルアニバーサリー)
09:30 豪 第4四半期生産者物価指数(PPI)=前日予想1.1% 前回1.1%、 前年比予想 前回2.4%
14:00 日本 11月の景気動向調査・改訂値=先行指数予想18.2 前回10.0、一致指数予想30.0 前回33.3
16:00 独 12月の生産者物価指数(PPI)=前月比予想0.8% 前回0.2%。前年比予想2.8% 前回2.5%
17:15 スイス 12月の生産者輸入物価=前月比予想0.2% 前回0.3%、 前年比予想3.2% 前回3.0%
18:30 英 12月のPSNB=予想70億ポンド、前回112.1億ポンド、 PSNCR=予想143.5億ポンド 前回89.4億ポンド
18:30 英 12月のマネーサプライM4・速報=前年比予想10.6% 前回11.7%
22:30 カナダ 11月の卸売売上高=前月比予想0.5% 前回0.5%
世界経済フォーラム(ダボス会議)
日本における資本主義の成立は、株式会社の誕生とその発展と同意語です。株式会社の原型は小栗上野介が1867年に建議書を提出した兵庫商社でした。上野介が目指した西洋式コンペニーは、外国商館の活動を制約し、日本経済の矛盾を解決する貿易商社でした。関西の出資者が役員となり、大阪に事務所を開いたものの、政治情勢の急変により、約半年だけ稼動したのち事業を中止しました。
兵庫商社が株式会社の「原型」とされるのは、広く出資者を募り、共通の目的で組織を運営し、利益は出資額に応じて配当すると定めたからです。しかし、出資金の権利を示す「株式」という概念はまだ導入されていません。明治2年には、上野介と親しかった、三井組の三野村利左衛門が「兵庫商社」を継承したかのような共同出資の組織「通商会社」と「為替会社」を設立します。これは「社中」(出資者)に出資金に対して月一歩の利息を払うことを条件としていたので、現在の株式とは異なる方式でした。「通商会社」と「為替会社」はすぐにつぶれましたが、三野村は明治4年、「三井組バンク」を創立します。
明治2年には渋沢栄一が銀行と商業会社を併用した「商法会所」を静岡に設立しました。静岡藩が新政府から借入れていた石高拝借金53万両を、殖産興業を興す基本金として立ち上げた組織で、その利益を返納金に当てることを目的としました。同年には、福沢諭吉門下の実業家、早矢仕有的(はやしゆうてき)が「丸善」の前身である「丸屋商社」を創業しています。早矢仕は親子代々世襲の個人商の欠点を指摘し、ウェーランドの『経営哲学論』を参考に元金を出資する「元金社中(株主)」と実際に働く「働社中(社員)」によって構成する会社組織を日本で最初に採用しました。蛇足ですが、この早矢仕が「ハヤシライス」の考案者だという説がありますが、定かではありません。
そして明治4年(1871年)6月27日、日本最初の貨幣法「新貨条例」によって、1両=1円=1ドルに決まります。幣制改革を主導したのは大隈重信です。大隈は通貨単位を「両」から「円」に改めること、10進法を基本とすること、硬貨を円形とすることなどを決定。同年、大阪に設置された造幣寮が新貨幣の鋳造を開始し、紙幣はドイツの会社に印刷を依頼し、新紙幣を発行しました。アメリカ出張中の伊藤博文の「世界の大勢は金本位に向かいつつある」という指摘を受けて金本位制が採用されます。こうして資本主義が発展する環境は整いました。
株式会社の条件をほぼ満たした最初の企業は、明治6年に設立された第一国立銀行でしょう。渋沢栄一が会頭を務めた同銀行こそが「統一金融機関コード0001」(現在は、みずほ銀行)なのです。同行は出資者を公募して1株100円の株式を発行し、2,448,000円の資本金で設立。取締役は株主が選挙で選び、頭取は取締役会で決められました。現在の株式会社と異なるのは、営業の損益は株高に応じて株主が負担するという規定や株式の譲渡が制限されていたことが挙げられます。渋沢は明治12年に「東京海上保険会社」を株式会社として設立します。商法に照らして株式会社の要件を満たした実質的な株式会社の設立といえば、1893年(明治26年)に誕生した「日本郵船株式会舎」ということになるでしょう。これは三菱グループの源流です。
明治に誕生した近代資本主義。これらの基盤をつくったのは幕末の幕臣でした。1860年に遣米使節団の一員としてアメリカに渡り、両とドルの交換レートの交渉に成功し、のちに近代的マネジメントの源流となる多くの政策を試みた小栗上野介がいたからこそ、その後に渋沢栄一や大隈重信、伊藤博文、岩崎弥太郎らが活躍できたといっても過言ではないでしょう。
そういった観点から小栗上野介の活躍を見直し、その時代を検証してきました。
長い間、ご愛読くださった『小栗上野介が駆け抜けた時代』は、このコラムをもって終了とします。
完
By Master K/益田 慶
円売りも、買いも、米株価次第!!
ブッシュ米大統領の経済対策の評価と言ってしまえばそれまでだが(福田首相の発言)、激しい株安=激しい円高には困惑する。本日は、休日明けの米株価次第の相場で、株高=円安、株安=円高、どちらにでも豹変するので、注意したい。
株安=円高はいい加減にしてほしい気持ちが一杯、今日の米国株を見ないと本日の相場は語れない。昨日は、アジア、欧州株と軒並み大幅下落となり、先物でも米国株が大きく値を下げたことで、市場は既に、本日の米国株が売られることを有る程度、相場に織り込み済み。サプライズなリスクは株高=ポジションの巻き戻し。
中国銀行のサブプライム問題の評価損が拡大、中国の金融政策も中立に戻す可能性が予想されるなど、米国や先進国の景気後退を、アジア・新興市場国の景気が下支えしているとの楽観論も、どうも怪しい・・・。
いずれにしても、ユーロやポンドの下落を見ていると、米金融不安の影響が波及していることは間違いがなく、今後は素直に経済指標に反応する相場のように思える。本日の経済指標からは、日銀金融政策委員会では、0.50%の金利据え置きが予想され、サプライズは考え難い。本日のメインイベントは、カナダ中銀の金利引き下げで、0.25%は既に市場は織り込み済みで、今後の方向性を気にしながら、注目したい。
●ドル円
ドル円は、ユーロ円主導に株安=円高の流れが続き、投機的な円ロングポジションも積み上がりつつあることに不安を感じてならない。しかし、最近の激しい円高相場を見ていると、逆張りのドル買いもリスクが高く、暫くは株価を見ながらの相場で、今のところ流れに乗る以外選択肢はなく、戻り売りに徹したい。
ドル円の4時間チャートは、先の安値105.90円を割り込み続落となっている。上値のポイントは、106.40円、106.85円、107.58円。下値のポイントは、105.37円、103.94円、103.77円。RSIは44と上昇ラインも崩れ横ばいとなっているが、引き続き50以下と売りが続いている。トレンドモメンタムは売りに転換。トータルの判断は、売り。①105.37円~106.85円のレンジを想定し、戻り売りに徹したい。②106.85円を超えると最大107.58円までのリスクが出てくる。③105.37円を割り込むと、103円台まで売りが加速する可能性が高い。
●ユーロドル
ユーロドルは、12月31日の安値1.4565を割り込み、1.4511のポイントを割り込み続落し、底値が見え無い状態となっている。米国の金融不安が欧州に波及し、次は欧州金融機関のサブプライム問題の評価損が拡大するとの思惑が広まっている。12月20日の安値1.4310~15を割り込むと、ダブルトップが形成され、大幅なユーロ下落となるが・・・・・。そう簡単に割り込むとは思えないが、目先はその水準を注意しながら、その近辺では買い、戻りは売りを繰り返したい。
ユーロドルの4時間チャートは、1.4511を割り込み続落となっている。上値のポイントは、1.4511、1.4568、1.4588、1.4602。下値のポイントは、1.4386、1.4315~26、1.4183。RSIは下降ラインが崩れたものの、トレンドのある売りが始まり、トレンドモメンタムは売りを継続している。トータルの判断は、売り。①1.4568を超えるまでは売り。②1.4386、1.4315を割り込むと売りが加速。③1.4386~1.4532のレンジ。
●ポンド円
ポンド円は、激しい売りに正直ついていけないでいる。売らなければ儲からないリスクと、大幅な急落後の調整買いのリスクと、非常にミックスし、どうもスポットでポンド売りは怖い。このような場合には、オプションを利用したポンドプット(円コール)の買い、202.03円ストライクプライス・・・期間は2週間。
ポンド円の4時間チャートは、209.97円を割り込み売りが継続している。上値のポイントは、205.98円、206.94~97円、207.85円、208.09円。下値のポイントは、204.69円、202.03円、196.64円。RSIは42で50以下と売りが続き横ばいで、トレンドモメンタムは売り。トータルの判断は、売り。①戻り売り→206.95~00円、または、207.85円超えで撤退。②逆張りの買い→206.60円を割り込んだら撤退し、売りに転換。
●本日の経済指標・その他
日本 日銀金融政策を発表=0.5%の政策金利据え置きを予想
15:00 日本 1月の金融経済月報・基本的見解
17:15 スイス 11月の小売売上高=予想 前回6.1%
20:00 英 1月のCBI trend - orders=予想0.0% 前回2.0%
22:30 カナダ 11月の小売売上高=前月比予想0.2% 前回0.1%、除く自動車=予想0.5% 前回0.0%
23:00 カナダ カナダ中銀(BOC)金融政策を発表=政策金利を0.25%引き下げ4.00%を予想。
00:00 米 1月のリッチモンド連銀製造業指数=予想 前回 -4
先週は米国がリセッション入りとの発言が多く聞かれるが、特に以下5点が注目された。
① 米住宅着工=1970のオイルショック以来となる2年来低下を継続。
② フィラデルフィア連銀業況指数=-20.9とリセッション時の数値。
③ 米長期金利の大幅低下=3.948%(昨年6月末5.024%)。
④ バーンナンキFRB議長=大幅な金融緩和の必要性と、財政支出の有効性を表明。
⑤ 米株価下落=NYダウ12,159.21(昨年6月末13,408.