アービトラージ発想法 Round 1 アービトラージとは何か

アービトラージの概念は、毎日の生活や仕事、投資などに活用することができます。また活用すべきものでもあります。この概念と応用方法を知っているだけで、いままでよりはるかに明確に目標設定ができるし、少ない努力で最大の効果を引き出すことができるのです。

個人が活用するのであれば、仕事の目的が明確化され、手段が効率化する。時間が有効に使えるようになり、新たな自分が発見できる。その結果、生活が豊かになり、感性が豊かになり、価値観が多様化し、人生が変わるかもしれない。企業がビジネスに応用するならば、利益が増え、効率が上がるだろう。


現実と希望のギャップを埋める方法、それがアービトラージ発想法だ。アービトラージは、日本語では裁定とか裁定取引と訳され、新聞紙上や経済誌などで目にすることもあるのでご存知の方も多いでしょう。日経平均株価先物を利用した裁定取引で平均株価が変動するといったニュースをよく耳にします。そんな経済の話と、個人の生活や人生が、なぜ関係しているのか。不思議に思われるかもしれません。


世の中はたえず変化しています。科学は進歩し、交通網は発達し高速化し、世界は小さくなっています。人口が増え、中国、インド、ブラジルなどの新興国の経済は爆発的に拡大しています。東西対立からソ連が崩壊し、冷戦が終わりました。さらに唯一の超大国となったアメリカも弱体化し、中国、ロシアの台頭、ヨーロッパ連合の結束と拡大が続き、世界は多極化へと変化してきました。化石エネルギーの枯渇、地球温暖化による異常気象、食物生産の変化、資源・穀物の高騰など、世界の変化は激しさを増しているようにも見えます。音楽レコードはCDにかわり、CDはデジタル・データにかわろうとしています。中国人の大半が人民服を着ていたのはわずか30年前です。現在では上海でファッションショーが開かれる時代となっています。同じ30年前、A銀行のキャッシュカードはB銀行では使えなかったのです。さらにその10年前は銀行カードすら存在しませんでした。1ドルは360円、1ポンド1000円以上、1オーストラリアドル240円の時代がありました。


アービトラージの概念は、国内と海外、現在と未来、既知と未知、需要と供給、欲求と充足、価値と無価値、過剰と不足などのギャップを埋める行為のことをいいます。人類の歴史はアービトラージによって生まれたといっても過言ではないでしょう。次回から、さまざまな経済活動、社会現象、価値観をアービトラージの概念を使って解説していきます。労働の意味、農業とはなにか、生産の意味、商業の意味、情報化社会、エンタテインメント、投資手法、文化、教育、家庭、ブランドなど分析対象となるフィールドに制限はありません。具体例をひとつひとつ分析することでアービトラージャーとしての眼力を身に着け、世の中を「目利き」することができるようになればと思います。アービトラージ分析を演繹的に示していきます。


By Master K/益田 慶


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