2007年12月29日 28日の海外為替市場

事実上、今年最後となる為替市場は活発的な動きとなった。将来のドル安ムードが強い反面、短期的にはドル高を期待したポジションが、昨日のブット元パキスタン元首相銃撃死亡が、国際緊張の高まりや国際金融に及ぼすリスクへの回避に、ドル売りの流れが始まり、閑散とした市場でドル全面安+円高の展開に繋がった。

アジア市場は、日本のCPI予想を上回るが円買いは限定的となったが、ブット元パキスタン元首相死亡による国際緊張の高まりに、円を買い戻す動きが強く、株安=円高の流れが復活、資本筋からAUDJPY売りがダメ押しとなり主要通貨で円高の流れが続いた。

欧州市場は、ネーションワイド住宅価格が下落、年初の利下げ観測に金利先物市場では2008年中に0.75%の金利引き下げ予想、EURGBP最高値を更新し、0.7310→0.7388まで上昇。パキスタン情勢から始まった国際緊張に新興市場国通貨売りが続き、USDCHFがリードしドル売りの流れが加速した。

米国市場は、ドル売りが加速した流れにドル売り基調が続きながらも、米シカゴ購買部協会景気指数の雇用が弱く、00:00時の米新築住宅販売件数が弱く発表されたが、事実上、年末、月末、週末、期末の後の無い相場に、ドルの戻り売りを期待しながらも積極的なドル売りも見られず、ドル安値圏で揉み合いとなったが、薄商いの中で円高傾向が強まった。また、USDCADは1日を通じて、0.9810→0.9850→0.9755→0.9820と、結局は元の水準に戻し、NYダウも前日とほぼ同じ水準となっていた。

●ドル円
アジア市場のドル円は113.72円で取引が始まり、早朝発表された強い日本CPIにも反応は鈍く、投機筋不在の中で、実需のドル買いに仲値近くには114.02円まで上昇したが、本邦証券筋のAUDJPY売りが契機となり、円買いの流れが始まり、113.34円まで下落、午後に入ると113.30円以下のストップロスの売りを誘発し、15:00時のオプションカットでは112.83円まで続落、113.20円まで値を戻している。欧州市場は113.10円で取引が始まり、前週の安値で底堅かった112.70~75円が意識され、投機筋や本邦実需筋の買いが入ると113.30円まで値を戻したが、戻り売り圧力は強く112.68円まで下落、112.60~65円以下のストップロスを試す売りが続いた。下値トライも失敗に終わり再び113.30円まで値を戻したが、23:45の米シカゴ購買部協会景気指数の雇用が弱く、00:00時の米新築住宅販売件数が弱く、ドル売りが再開され、終盤にかけては、ストップロスを再度トライし、超閑散な取引の中で、112.65円近辺のストップロスを誘発し112.27円まで下落、安値圏の112.28円で取引を終了している。

●ユーロドル
アジア市場のユーロドルは1.4625で取引が始まり、1.4630を高値に海外勢のポジション調整の売りに一時1.4592まで下落、1.4500~10の狭いレンジから、パキスタン情勢+中東情勢を材料とした、早出の欧州勢の買いに前日高値1.4640を上回り1.4666まで上昇した。欧州市場は1.4651で取引が始まり、不安定な国際情勢を材料に、USDCHFでドル売りが強く、ファンドや資本筋の買いに1.4680を超えるとストップロスの買いを誘発し上昇が始まり、EURGBPの買いも強く1.4714まで上昇した。ECBフィキシング直後には一時1.4665まで値を下げたが、弱い米経済指標に1.4728まで続伸、1.4700~20の狭いレンジで取引から、引け間際には1.4730まで上昇し、1.4725で取引を終了している。

●ユーロ円
アジア市場のユーロ円は166.35円で取引が始まり、仲値近辺の166.48円を高値に、本邦資本筋の売りに165.56円まで急落、165.55~80円で売り買いが交錯したが、午後に入りAUDJPYの大口売りが本邦氏証券筋から入ると165.01円まで続落、オプション勢やアジア系ファンド筋の買いに165.82円まで値を戻した。欧州市場は165.69円で取引が始まり、ドル円が112.70円割れを失敗し値を戻すと、投機筋の買い戻しに166.32円まで上昇、直後には資本筋の売りに165.74円まで急落、165.75~166.20円のレンジで売り買いの攻防が続いた。クロスの円買い対ユーロドルの買いの流れに、一進一退しながらも、ユーロドルの買いに166.45円まで上昇、166.20~45円のレンジで売り買いが交錯、ユーロドルの上昇も一服し、ドル円が再度112.70円以下のストップロスを誘発し下落、AUDJPYやCADJPYの売りが強まると、165.34円まで続落、安値圏の116.35円で取引を終了している。

●主な経済指標の結果
08:30 日本 11月失業率=3.8%(予想4.0% 前回4.0%)、 有効求人倍率=0.99(予想1.02 前回1.02)
08:30 日本 12月の東京都区部消費者物価指数=前月比0.2%(前回-0.3%)、 除く生鮮食品0.1%(前回0.0%)、前年比0.4%(予想0.3% 前回0.3%)、 除く生鮮食品=前年比0.3%(予想0.3% 前回0.1%)
08:30 日本 11月の全国消費者物価指数=前年比0.2%(前回0.3%)、除く生鮮食品0.1%(前回0.2%)、前年比0.6%(予想0.5% 前回0.3%)、除く生鮮食品=前年比0.4%(予想0.3% 前回0.1%)
08:50 日本 11月の鉱工業生産・速報=前月比-1.6%(予想-1.7% 前回1.7%)、 前年比2.9%(予想2.7% 前回4.7%)
16;00 英 ネーションワイド住宅価格=前月比-0.5%(予想-0.6% 前回-0.8%)、前年比4.8%(予想5.1% 前回6.9%)。
19:30 スイス 12月のKOF先行指数=1.99(予想1.98 前回2.02)
23:45 米 12月のシカゴ購買部協会景気指数=56.6(予想51.8 前回52.9)、生産=55.4(前回57.4)、新規受注=58.4(前回53.9)、雇用=49.0(前回54.4)、支払価格=63.8(前回76.2)→ 予想を上回るが雇用が50を割り込む。
00:00 米 11月の新築住宅販売件数=-9.0%・64.7万件(予想-1.1%・72万件 前回69.9万件←1.7%・72.8万件)→ 
00:00 米 11月の求人広告指数=21(予想22 前回23)
00:05 独 12月消費者物価指数・速報=前月比0.5%(予想0.8% 前回0.5%)、前年比2.8%(予想3.1% 前回3.1%)、HICP前月比0.7%(予想0.8% 前回0.5%)、HICP前年比3.1%(予想=3.2% 前回3.3%)

●昨日の主な発言その他
米国・カナダ
◎FRB発表の外国中銀の米財務相証券・機関債券保有高(12月26日発表)=前週比146.7億ドル・2.062兆ドル。
◎米S&P社=オルトAローン(プライムとサブプライムローンの中間)の2007年分発行パフォーマンス過去最悪の可能性。
◎米シティ・英HSBC(WSJ)=事業や支点などの資産売却を検討。

欧州・英国
◎シュタルクECB専務理事=インフレ率は今後数ヶ月間高止まりで推移、予防のために行動することをためらわない。2008年中にインフレ率は2%に低下する見通しだが、商品市況の動向次第ではそうならない可能性がある。
◎メルシュ・ルクセンブルク中銀総裁=金融セクターの混乱が実態経済に及ぼす影響に結論を出すのは時期尚早。

日本・その他
◎大田経済財務相=全国CPIの0.4%上昇は主に原油価格の上昇で、デルレ脱却は足踏み状態。
◎渡辺金融担当相=コアCPIは下落しデルレ脱却宣言に至っていない。
◎額賀財務相=2008年2月9日に日本でG7開催。G7ではサブプライム問題は原油高、世界経済について討議。有効求人倍率の低下は注意が必要。
◎トルクメニスタン共和国=来週よりコマーシャルベースの為替取引を解禁。