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2007年12月24日 FX検定 きょうの問題 サブプライムローン問題とアメリカ景気後退

2007年8月以降、アメリカのテレビ、新聞、雑誌、インターネット・メディアなどで、The R Wordという言葉が多く出るようになっている。


このThe R Wordとは何を意味しているのか。


正解 Reccession


景気後退2007年7月以降、アメリカのサブプライム問題を起点とした世界的信用不安が広がっている。アメリカ経済のダウンサイド・リスク増大、株価の急落、為替の大幅な円高などこれまでとは大きく環境が変化してきた。

アメリカではITバブルの崩壊と同時期に不動産投資が活発化してきた。日本経済は景気後退を強いられたが、アメリカは不動産景気に助けられ、長期にわたる好景気を享受してきた。ヨーロッパ、カナダ、オセアニアも同様に不動産景気による景気浮揚の要素は大きかった。

そのアメリカで住宅バブルが崩壊した。大都市で価格が下落しはじめ、不動産市況は大幅に悪化しつつある。住宅価格の値上がりを前提にした住宅ローンの借り手が、含み損を抱えて身動きが取れなくなるケースが頻発しているのである。

さらに住宅ローン債権を組み入れた証券化商品がアメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、アジアなど世界中の投資家によって保有され、さらに証券化商品を組み入れたファンドが多く存在するなどリスクは世界中に広く、浅く分散化された。その結果、リスクの所在が不明確であると、市場の不安心理を高めている。


欧米の短期金融市場では資金の貸し渋りが出て金利が急上昇する場面が頻発している。欧米4中央銀行は、連携して市場に資金を供給する仕組みを作り緊急の資金供給を何度も実施している。まるで1998年秋以降の日本の金融危機を思わせるような局面である。


そして夏以降、マスコミに登場することとなったのがThe R Wordである。リセッションの頭文字をとったものである。アメリカ住宅市場の中核を占める中古住宅市場では、販売在庫が積みあがっている。2006年後半から新築住宅の許可件数や着工件数は減少気味であったが、それを上回る勢いで在庫が増えている。もっともここ数年の新築住宅着工件数は異常に多く、それ以前の数値を30%以上上回る状態が数年間続いていたのだから、マーケットが崩壊するのは時間の問題だったのかもしれない。


このような中古住宅の在庫増加で、住宅の新築着工件数が頭打ちとなっている。住宅建設業者のマインド指数は史上最低に落ち込んでいる。


住宅価格が落ち込むと問題になるのは企業だけではない。個人消費に及ぼす逆資産効果がある。2000年春、アメリカでITバブルが崩壊し、2001年には景気後退に陥っていたアメリカ経済だが、グリーンスパン前FRB議長の大胆な金融緩和策により短期間で回復基調に向かった。


当時は、その手腕に絶賛の嵐が巻き起こっていたが、現在ではITバブルの付けを不動産バブルに付け直しただけとの酷評も出ている。アメリカ人は宵越しの金は持たない主義なのか、世界で最も貯蓄率の低い国民である。アメリカの真似をするのが好きな日本も負けじと、かつては世界有数の貯蓄率を誇っていた日本が急速にその率を落としている。団塊の世代が引退するにつれて貯蓄率は低下し、いずれアメリカ並みに貯蓄率ゼロの時代を迎えることになるかもしれない。


アメリカ人の過剰消費は政府が何を言おうと直るものではない。貿易収支、経済収支の大きいな赤字はこうして生まれるのだ。アメリカ人が労働による所得以上に消費するのは、保有資産の資産効果によるものが大きい。所有する住宅が値上がりすると、ホーム・エクイティ・ファイナンスという住宅担保ローンで銀行から融資を受け、消費に回してしまうのである。


不動産が値下がりし、株も下がると、アメリカ人の消費は止まってしまう。来年には、2007年のクリスマス商戦の結果が出るだろうが、どうみても思わしくない。市場関係者がFRBによる利下げを期待するのは株価上昇による消費への期待が大きいからである。2007年12月、FRBが利下げを発表した。8月から3回、合計1%の利下げである。マーケットのセンチメントは更なる利下げを求めている。これ以上の利下げがあると、イングランド銀行、オーストラリア準備銀行、カナダ中央銀行のように追随できない日本銀行は、利上げどころか利下げさえ考慮に入れなければならなくなるが、現実はそうはいかないだろう。


福井総裁の任期も2008年3月までである。後任人事でも波乱があるだろうが、海外の相次ぐ利下げで円高懸念はますます強まり、日本の景気にも悪影響を与えるのは間違いない。