2007年12月17日 海外為替市場
事実上、今年最終週となる為替市場は、リパトリ、ポジション調整、リクイディテーの減少に、方向性の定まらない上下に振れる展開が続いた。リパトリの終了なのか、USDCAD=1.0220→1.0028、CADJPY=110.76円→112.90円とカナダドル高の流れが目立ち、買収案件の拒否にNZDCADは終始、続落、AUDJPYやNZDJPYは売りが続いた。
アジア市場は、オーストラリアの不動産関連の株価が弱く、日経平均株価も-264.72円となり、株安=円高の流れ+113.50円超えの本邦勢のドル売りは厚く、クロスでは円高傾向となった。終盤にかけては欧州勢の恒例の投機的な動きに、薄商いで上下に振れる展開となった。
欧州市場は、最近のユーロ安にEURUSDの見通しも1.5の予想は少なくなり、逆に1.4の見通しが増え、ユーロベアな相場観+欧州株価の大幅下落に下値を試す動きが続いたが、過去3週間では1.4325が強いサポートラインで、中銀筋の買いに下値トライは失敗に終わった。
米国市場は、第3四半期の経常収支、NY連銀製造業景気指数、対米証券投資にも特に反応は鈍く、ドル円は113.50円超えの積極的な輸出企業のドル売りに上値は重く、米国株価も弱く、円は比較的堅調に推移したが、レンジの下限を割り込むことはできなかった。
●ドル円
アジア市場のドル円は113.47円で取引が始まり、朝方の113.53円を高値に、先週末の米国株の下落の影響を受けたドル売りに113.09円まで下落、一時113.30円まで値を戻したが、本邦輸出企業のドル売りが続き、オーストラリアの株価は弱く、日経平均株価安+円買+ポンド円の売り=112.83円まで下落した。欧州市場は112.85円で取引が始まり、112.70円以下のストップロスを試しきれず、クロスの円買いも一巡すると、113.43円まで急伸したが、本邦輸出筋の大口売り+オプション絡みの売りに上値は重く、113.49円を高値に113.25~45円のレンジで売り買いが交錯した。22:30時のNY連銀製造業景気指数が予想を下回ったが、23:00時の対米証券投資が世予想より良かったものの、米国株は弱く反応は鈍く、00:00時のオプションカットでは113.13円まで値を下げ、113.10~30円の狭いレンジでと取引が続いていた。米国株の下落幅が拡大すると、113.10円を割り込むと短期投機筋の売りが開始され、終盤にかけては113円を割り込み112.84円まで下落、07:00時では112.93円で取引されている。
●ユーロドル
アジア市場のユーロドルは1.4390で取引が始まり、先週末のギャップを生める買いが入り、1.4451まで徐々に上昇したが、1.4450超えの売りが続き1.4430~50の狭いレンジで売り買いが交錯、欧州勢が参入すると恒例の投機的な売り買いが始まり、1.4454まで上昇+直後には1.4372まで急落した。欧州市場は1.4416で取引が始まり、アジア株+欧州株の下落に、ユーロ円が売られ、リパトリのドル買いにドルは全面高となり1.4366まで下落、1.4370~00のレンジから、1.4330以下のストップロスを試す売りに1.4332まで下落した。ようやく政府系ファンや中銀筋の買いが入り1.4402まで急伸、米経済指標の反応も鈍く、1.4370~00のレンジで売り買いが交錯、00:00時のオプションカットでは1.4366まで値を下げ、欧州勢のポジション調整の売りに一時1.4355まで値を下げた。終盤にかけては薄商いの中で再び1.4400超えを試す動きが始まったが、またしても失敗、07:00時では1.4399で取引されている。
●ユーロ円
アジア市場のユーロ円は163.30円で取引が始まり、163.03円まで下落、仲値では163.55円まで上昇したが、ドル円の上昇力も鈍く、NZDJPY+AUDJPYの売りも続き、163.20~50円のレンジで取引が続いていたが、ユーロドルの急落に162.68円まで値を下げた。欧州市場は162.70円で取引が始まり、162.50円以下のストップロスを狙った売りに一時162.36円まで値を下げたが、薄商いの中でユーロドルが上昇すると、163.37円まで急伸、163.00~25円のレンジで取引が続いた。米国株は弱く、株安=円買いの動きも続き上値は重く、00:00時のオプションカットでは162.58円まで下落、162.50~90円のレンジで揉み合いとなり、07:00時では162.63円で取引されている。
●主な経済指標の結果
08:50 日本 10月の第3次産業活動指数=前月比1.1%(予想1.2% 前回-1.6%)
14:00 日本 10月の景気動向調査・改訂値 =先行指数18.2%(予想18.2% 前回20.0%)、一致指数66.7%(予想70.0% 前回66.7%)
英 10月のライトムーブ住宅価格=前月比-3.2%(前回-0.7%)→ 統計開始以来の低水準、 前年比4.8%(前回7.9%)→ 過去2年で最も上昇力が弱く ポンド売られる
17:15 スイス 第3四半期の鉱工業生産=前期比0.0%(予想-2.5% 前回7.2←6.7%)、 新規受注=前期比15.7%(前回11.7%)
18:00 ユーロ 12月の製造業PMI=52.5(予想52.3 前回52.8)、生産=53.4(前回54.1)、新規受注=51.7(前回52.8)、雇用=52.1(前回52.1)、 サービス業PMI=53.2(予想54.0 前回54.1)、雇用=54.5(前回54.6)、価格=54.0(前回53.6)、投入価格=63.2(前回63.4)、 CompositePMI=53.3(予想53.7 前回54.1)
22:30 米 第3四半期の経常収支=-1784.8億ドル(予想-1837億ドル 前回-1889.2←-1908億ドル)
22:30 米 12月のNY連銀製造業景気指数=10.31(予想20.0 前回27.37)、支払価格=35.0(前回42.86)、新規受注=14.26(前回24.49)、従業員数=12.83(前回10.63)、週平均労働時間=-7.50(前回4.76)
23:00 米 10月の対米証券投資=ネット長期フロー=1140億ドル(予想400億ドル 前回154←264億ドル)、ネットフロー合計=978億ドル(予想300億ドル、前回-328←-147億ドル)
03:00 米 12月のNAHB住宅市場指数=19(予想19 前回19)
●昨日の主な発言その他
米国・カナダ
◎グリーンスパン前米FRB議長=米経済は、スタグフレーションの初期症状が見られる。リセッションに陥る可能性は50%。
◎米財務相高官=為替報告書(半期ごとの主要貿易相手国の為替政策に関する報告書)を19日(日本時間20日午前6時)に発表する。
◎ブッシュ米大統領=米経済のファンダメンタルズは力強い。 暗雲が迫っている。
◎ポールソン米財務長官=米経済は引き続き成長し、コアインフレは抑制されている。 全般的に米経済は今後も成長し、基本的に健全。 企業の財務はおおむね健全さを維持しており、米国外の力強い成長は米輸出を支援。
欧州・英国
◎ガルガナス・ギリシャ中銀総裁=インフレ率は今後数ヶ月上昇する見通しだが、2008年中には落ち着いてくると予想。 欧州中銀は、ユーロ圏のインフレ期待が物価安定に沿った水準で安定するように必要な行動をとる。
◎ドイツ復興金融公庫(新聞報道)=ドイツ産業銀行(IKB)の支援に関して50億ユーロ以上の損失を計上する可能性。
◎ドイツ連銀(新聞報道)=2008年のGDP見通しを1.6%(前回2.0%やや下回る)に引き下げた。 インフレ率は2007年・2008年=2.3%、2009年=1.5%に鈍化予想。
◎ドイツ財務相=ユーロ高や原料価格の上昇、サブプライム問題による市場混乱に、第4四半期の独成長は減速する見通し。
◎イッシング前ECB専務理事=ユーロの上昇はインフレ期待を抑制する一助となった。
◎ラガルド仏経済財務雇用相=欧州のドイツなど一部諸国はユーロ高に関するフランスの懸念を共有し始めた。 米サブプライムロー問題の影響の欧州への影響は限定的。
日本・その他
◎オーストラリア株大幅下落=不動産信託大手セントロ・プロパティーズ・グループの株価が前週末比70%以上も下落し、オーストラリアの株価指数(ASX)は前週比-3.5%。 AUDJPYの売りが強まる。
◎ミレアホールディング=英保険グループのキルンを1,061億円で買収。
◎大田経済財政担当相=来年の日本経済について「リスク要因はあるが、緩やかな景気回復が持続する。
◎劉士余中国人民銀行副総裁(新聞報道)=中国は、預金準備率の引き上げ、公開市場操作、利上げ、窓口規制などで、2008年に引き締め政策を強化へ。
◎オマーン中銀=インフレ率が16年ぶりの高水準となり、預金準備率を3%→5%に引き上げを実施
◎タイ中銀=外貨保有に関する規制を緩和する。
◎オークランド・エアーポートはカナダ・ペンションファンドの買収案を拒否→ NZDCAD下落へ。
◎UAE(新聞報道)=UAE中銀総裁の発言として、ガルフ産油国は通貨切り上げに動くだろう。