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2007年11月23日 FX検定 きょうの問題 エネルギー問題と穀物の高騰

トウモロコシ、大豆、小麦が高騰しています。
原油価格高騰とブッシュ大統領による政策変化、中東からの原油輸入を減らし、
燃料エタノールの推進する政策によりトウモトコシの生産が拡大しています。
現在、米国産トウモロコシの生産量のうち、燃料エタノール生産に充てられ
ている量は全米生産量のどれくらいの割合か。

A 約0.5%
B 約5%
C 約10%
D 約25%


正解 D 約25%


ブッシュ政権の環境に対する政策の変更が穀物高騰の原因になっている。地球温暖化防止の対策としてトウモロコシなどから製造されるバイオエタノールが注目されている。

バイオエタノールとは、トウモロコシ、サトウキビ、大豆油、バイオマスなど植物由来の原料を使って製造する燃料用アルコールのことである。

ブラジルではサトウキビの国際商品価格の低迷から、国策として燃料用アルコールの生産に注力してきた。

現在では、ブラジルで走る車の15%がエタノール車である。エタノール燃料はガソリン燃料に比べて安価であり、税制的優遇も加えられている。

ブラジルから始まった自動車燃料エタノール生産は、サトウキビ価格維持、サトウキビ農家の保護、原油輸入削減による貿易収支改善策が原因であった。

しかし、アメリカの場合は理由が異なるようである。京都議定書の発議当時は、アメリカのスタンスは地球環境保護よりも経済成長に主眼が置かれていた。イラク戦争の失敗で孤立化を深めたブッシュ政権は政策を転換した。


中東原油の輸入削減、地球温暖化防止策を名目に燃料エタノールを増産することにしたのだ。
しかし、アメリカでのバイオエタノール生産コストは安くない。

アメリカ政府がバイオエタノール生産業者に補助金を出し、さらに税制優遇策を取っているのである。

この措置がなければバイオエタノール価格はガソリンよりも高くなってしまい、これを使う消費者はいなくなってしまう。

このブッシュ政権の政策を背景に、ファンドがバイオエタノール製造会社に投資し、バイオエタノール製造工場が次々と建てられたのである。ファンドは、トウモロコシなど商品先物にも投資している。サブプライム問題にゆれる株式市場を避け、ファンド資金は国際商品市況に流れ込んだ。

また、近年のBRICsをはじめとした新興国の原油需要、さらに穀物需要に煽られて国際商品市況は高騰しているのである。

話をバイオエタノールに戻そう。

現在、アメリカではE85というブレンド燃料が販売されてる。エタノール85%、ガソリン15%の混合燃料である。価格は15%ほど安いので代替が進んでいる。

この価格も先に述べたようにバイオエタノール製造会社への補助金が前提になっている。

バイオエタノール製造会社はトウモロコシを高価で買い上げている。
今年のアメリカのトウモロコシ生産は豊作でした。にも拘らず高騰です。

原油価格、ガソリン価格高騰とともにバイオエタノール燃料の需要は拡大し、食料や飼料に回るものまでバイオエタノール原料に回ってしまう。

その結果、トウモロコシ価格はさらに高騰する。トウモロコシの生産地と小麦、大豆の生産地は重複しています。

生産農家は、穀物の先物価格を見ながら作付けを考えます。主要な生産地域は、中西部である。グレート・プレーンズ、プレーリーといわれるエリアである。

春から夏にかけて南部から作付けが始まる。トウモロコシの作付けは、大豆よりも1ヶ月から2ヶ月ほど早く、北部と南部でも作付け時期は異なってくる。

つまり、トウモロコシと大豆の生産量は一定の比率で保たれるように市況が調節機能を持っていたのである。

ところがこの需給バランスを崩してしまったのがバイオエタノール製造なのである。

アメリカ農家の2007年の収益は871億ドル(約10兆1000億円)と昨年の1.5倍になる見通しだ。

飼料となるトウモロコシの高騰で苦戦が予想された畜産農家も、世界的食料需要の増大で需給が逼迫し、牛乳や鶏肉の価格も上がっている。

大豆、小麦からトウモロコシへの転作により供給が減った小麦、大豆の価格も高騰した。これに拍車をかけるようにオーストラリアの干ばつである。


アメリカではバイオエタノール製造に大量の石油を消費している。そして移送のために石油を使って運搬している。
南米では、サトウキビ畑やトウモロコシ畑を作るために森林を伐採している。

このような観点から考えると、
バイオエタノールが地球温暖化防止に役立っているかどうかは疑問である。

さらには別の角度からの批判もある。

アメリカには、モンサント社という大手農薬会社がある。
この会社はラウンドアップという農薬を生産している。

この除草剤は、非選択性の薬剤ですべての植物を殺草する機能を持っている。
日本でも収穫後の処置に大量に使われている。

このラウンドアップの特許が2000年を前に切れたのである。
モンサント社は世界各地で特許紛争を繰り広げたが、失敗に終わった。

アメリカの穀物商社、種苗会社、農薬会社はユダヤ資本を背景に、ブッシュ
政権と強く結びついている。20世紀末、作物の遺伝子組み換え技術(GMO)は急速に発展した。
そこで害虫に強い遺伝子作物の開発とともにラウンドアップに耐性を持つ作物を開発しているというのだ。

ラウンドアップの特許切れにより同様の機能を持った農薬が大量に出回っている。園芸センターなどで売られているグリホセートという農薬は中国版のラウンドアップ、つまり模造品である。医薬品でいえばジェネリック医薬品である。

世界で大量生産される商品作物の大半はアメリカの穀物商社、種苗会社が供給している。彼らが供給する種苗にラウンドアップ耐性を持った作物が主流を占めるようになればどういうことになるか。生産地は各国でも種苗供給はアメリカ独占。これがアメリカの戦略である。

原油、穀物はこのように国際経済の中で複雑に絡まっている。