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FXライフ 11 ユーロの歴史と欧州の通貨 ユーロ参加基準

1994年1月、経済通貨統合(EMU)が第2段階に入り、欧州通貨機構(EMI)が設立された。1995年12月に、1999年1月1日にユーロを導入することを決定。同年、ベルギー、フランス、ドイツ、ルクセンブルク、オランダ、ポルトガル、スペインとの間で、ヨーロッパ各国において共通の出入国管理政策及び国境システムを可能にする取り決めである「シェンゲン協定」が発効。オーストリア、デンマーク、フィンランド、スウェーデン、EU非加盟国のノルウェーとアイスランドがこれに加わり、EUの創設は現実性を帯びてくる。


ユーロ参加に当たっての基準は以下のものである。
●インフレ率:過去1年間で最も安定した3ヶ国より、1.5%上回っていないこと。
●長期金利;過去1年間で最も安定した3ヶ国より 2.0% 以上上回っていないこと。
●財政:単年度財政赤字GDP比 3.0%以内 政府債務残高GDP比 6.0%以内
●為替:過去2年間、為替相場メカニズムの通常変動幅の中で取引され、切り下げが行われていないこと。


1998年5月、欧州連合理事会は11ヵ国でのユーロ切り替えを決め、詳細と交換レートを設定した。同年6月、欧州中央銀行(ECB)が発足、12月に欧州連合理事会の会合が開かれ、12月31日における確定交換レートを設定した。1999年1月から、欧州連合(EU)15ヵ国のうち、 12ヵ国でEU統一通貨ユーロが導入された。12ヵ国のうち、ギリシャを除く11ヵ国は、ユーロが導入された1999年1月時点で基準を満たしていた。また、参加希望が強かったギリシャも基準を達成し、2000年6月に 2001年からの参加が承認された。このようにユーロの導入自体は予定通りに実施されたが、正式な通貨となるのにさらに数年の時間がかかった。


ちなみに、イギリスが当時ユーロ導入を拒否した理由はいくつかある。当時のサッチャー首相は「通貨統合は国家主権を侵害する」としてユーロに絶対反対の立場を示した。近年では、製造業を中心に産業界から早期参加を求める意見が強いが、国民はポンドへの愛着が強い。


欧州中央銀行制度(ユーロシステム)について述べておこう。これは欧州中央銀行(ECB)とEU加盟国の中央銀行によって構成される。総裁や副総裁、理事(4人)から成る理事会、これに各国の中央銀行総裁を加えた政策委員会、理事を除いた一般委員会があり、ユーロ参加国全体の金融政策の決定、実行、ユーロ不参加国との政策協調を担っている。


イギリス同様、ユーロ導入に対して世論の反対が大きい国がある。デンマークだ。通貨は、デンマーク・クローネ (DK、DNK)。2000年9月に行われたユーロ参加の是非を問う国民投票で、反対が 53.1%と賛成 46.9%を上回って否決された。ユーロの流通後、国民のユーロ参加への姿勢は総じて前向きに変化してきたが、2003年9月のスウェーデンにおける国民投票でのユーロ参加否決や、ドイツ・フランスによる安定成長協定の不遵守、さらにはドイツ・フランス主導で進む欧州統合そのものに不信感があるとされている。次回国民投票実施時期は未定だ。


但し、ユーロ導入の準備段階である欧州為替相場メカニズム(ERMⅡ)参加国として、自国通貨の対ユーロの変動幅を中心交換レートから上下2.25%内の変動に維持する政策をとっており、事実上、ユーロとの固定相場制を保持している。見方を変えれば、ユーロを導入しようとする国は、自国通貨とユーロとの為替相場を一定の許容変動幅で連動させなければならないのである。


ジェトロの調べでは、2007年のデンマーク経済は、金利上昇と世界経済の成長鈍化に伴い、内外需ともに減速することから2.2%の成長率を予想しているという。しかしデンマークは環境先進国として食料とエネルギーの国内自給をめざし、国民生活にやさしい環境・エネルギー政策を推進している点は見逃せない。風力発電、バイオガス、廃棄物エネルギーなどの自然エネルギー活用については注目したい。


By Master K/益田 慶